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北陸農政局

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クローズアップ北陸農政局長賞

平成28年度に北陸農政局長賞を受賞された方々の取組や現在の様子をご紹介します。

島田  玲子(しまだ れいこ)さん(新潟県中魚沼郡津南町)


【受賞名】北陸農政局男女共同参画優良事例表彰  社会参画部門

【表彰目的】農林水産業、農山漁村における男女共同参画の実現を目指して経営参画・社会参画の優良な取組を行っている方を表彰し、その活動事例を広く紹介することにより、北陸地域における男女共同参画の一層の気運の醸成と女性による農林水産業・農山漁村の活性化の取組を促進することを目的としています。

1.受賞概要

島田玲子さんは、新潟県農村地域生活アドバイザーとして、農村女性の意識啓発や女性の登用に向けた働きかけを行うほか、保育園や小学校、就園前の子供を持つ母親を対象に出前食育講座や農業体験の開催等食育活動に尽力され、平成25年からは、津南町特産品加工グループ「津南マミーズ」を立ち上げ、町のPRと地域活性化に貢献しています。 

島田玲子さん 
笑顔で気さくにお話される島田玲子さん

これら地域に根ざした活動が認められ、農業委員を3期務め、家族経営協定の締結促進や農業者の支援・相談活動を行うとともに、新潟県女性農業委員組織の理事として女性農業委員のネットワーク形成にも貢献。その他地域組織の役員を多く務め、関係機関や地域住民からの信頼も厚く、地域と行政のパイプ役となっています。 

また、全国畜産縦断いきいきネットワーク設立当初から役員を務め、平成25年からは会長に就任。全国の畜産女性組織のリーダーとしてネットワークの充実や6次産業化の推進等畜産現場における女性の活躍の場を広げる活動に取り組んでいます。

 
  
 
 
2.受賞されて、周囲の反応や影響のあったことなどを教えてください。

周囲の人達から「すごいね」「頑張っているもんね」と言っていただきました。また、新潟県十日町地域振興局が発行している「普及センター便り」に受賞の記事が掲載されたため、全く知らない年配の方からも「おまえさんすごいのぉ」などと、多くの人に声を掛けていただきました。中でも、農業仲間から「頑張っているね」と言われるのが一番嬉しく感じました。

自分の中では、今まで頑張ってきた努力の積み重ねが認められたようで、本当に良かったと感じており、自分で自分を褒めているところです。

私だけでなく女性が頑張っていても報われない事が多い中で、このような女性に向けた表彰は、今まで頑張ってきた事へのご褒美となるので、今後も表彰を続けてほしいと感じています。 

「津南マミーズ」のパンフレットと商品 
「津南マミーズ」のパンフレットと商品
鬼もろこしスープ
島田さんが生産から販売を手掛ける「鬼もろこし
スープ」。
原材料は島田さんの農場で採れたトウ
モロコシと塩だけ。
ネーミングは旦那様のアイデア
郷土料理の伝承を目的に、島田さんが中心となり作成した「津南の郷土料理集」と料理集作成委員のみなさん
郷土料理の伝承を目的に、島田さんが中心となり
作成した「津南の郷土料理集」と料理集作成委員
のみなさん

  

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  

3.昔ながらの慣習が残る農村地域での活動は、様々なご苦労があったと思いますが、一番印象に残っていることは。また、どのように問題を克服されましたか。

最初に農業委員になったことです。当時は女性農業委員を増やすという国の方針で、普及センターから打診がありました。当初は、決定権のない農業委員になぜ、との疑問を持っていましたが、「農業委員になってから意見を言え」と言われ、奮起しました。しかし、現在のように女性枠もなく、女性が農業委員になることへの周囲の抵抗が強かったため地域推薦は受けられず、町議会の推薦を受けようやく農業委員になることができました。農業委員になってからも苦労は多く、一番印象に残っている事は農業委員会の懇親会の席で、女性というだけでコンパニオンのような扱いを受けたこと。胸元のバッチを前に出し「私だって同じ農業委員だ!」と主張し、その後も毅然とした態度を取ることで、徐々に男性の意識が変わっていきました。

また2期目は、当時主人が町会議員であったため、なぜか議会推薦が受けられず理不尽な思いをしましたが、自ら選挙に出ることに決めました。その際に生活改善グループや畜産、JA生産部、婦人会などの各組織の代表の方々に応援していただいたことは本当に心強く感じました。結局、選挙は行われず公選で出ることになったのですが、その時に応援してくれた方々と共に、女性教育委員や女性議員、商工会の女将さんの会を巻き込んで「いきいきネット津南かがやき隊」という地域活性化の会を立ち上げ、活動しました。その会は現在も続いています。

農業委員を3期務めるうち、自分の居心地のいい場所に変えていくため、まず自分が発言したことに責任を持ち、やるべきことはきちんとやる。そうやって続けて行くうちにだんだん女性が居心地のいい場所に変えることができました。

その他にもたくさんの苦労はありましたが、仲間の支えや家族の理解があったことが今日までの活動に繋がっていると思います。

4.現在の課題や今後の目標などをお聞かせください。

 「津南マミーズ」の活動で私が作っている「かき餅」については、一人で手作りをしているので手間がかかり、多くの注文には応えられないという問題があります。今後も継続していくためには、改善していかなければと思っています。

また、農業委員もそうですが、今までは自分のことだけを一生懸命やってきて、後継者を育てていませんでした。昔と違い今は女性が参画しやすい社会となってはいますが、積極的に参画する人がいません。農村地域生活アドバイザーになる人もいないし、畜産会の県代表も交代する人がいない状況です。もう少し地域で若い人達を引き込む何かを仕掛けていきたいと思っています。そうすることで女性がもっと活躍できる場を作り、女性が参画しやすい環境を作っていきたいと思っています。

地域の中では、食育の活動を手伝ってくれる方が何人かいるので、もっと仲間に引き込んで、地域全体が元気になるようなことをしていきたいと考えています。

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