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北陸農政局

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クローズアップ北陸農政局長賞

平成28年度に北陸農政局長賞を受賞された方々の取組や現在の様子をご紹介します。

小菅沼・ヤギの杜(こすがぬま・やぎのもり)(富山県魚津市)


【受賞名】豊かなむらづくり表彰

【表彰目的】豊かなむらづくり全国表彰事業は、毎年11月23日の勤労感謝の日を中心として開催される農林水産祭の表彰行事の一部門として、農山漁村におけるむらづくりの優良事例の表彰を行うとともに、併せてその業績発表を行うことによりむらづくりの全国的な展開を推進し、地域の連帯感の醸成やコミュニティ機能の強化を図り、農林漁業及び農山漁村の健全な発展に資することを目的に、昭和54年度から実施されています。

1.受賞概要

小菅沼地区は、棚田に稲がなびき、さわやかな風が吹く自然豊かな中山間地域ですが、住民の減少と高齢化の進展により、農地の維持管理が難しくなり、野生動物による農作物被害が多発していることも重なり生産意欲が低下していました。

このため、平成19年に鳥獣被害対策としてヤギ3匹を試験的に導入したところ、荒廃した田畑の雑草を食べることから耕作放棄地の解消にもつながり、翌年には「小菅沼・ヤギの杜」を結成し、中山間地域の環境保全に向けた取組を始めました。

その後、耕作放棄されていた棚田を修復し、遊歩道の整備、農道への植栽等を行ったところ、ヤギとの触れ合いを求めて来訪者が増加したことにより、多目的利用公園「ポケットパーク」の造成やゲストハウス「ふれあい館」を建設する等、環境整備を進めてきました。

 
今回お話を伺った代表者の金森喜保さんと
世話人の柴沢美恵子さん

現在、耕作放棄田を借り受けて稲作アート田としてヤギの図柄などを表し、ここでは古代米の栽培を行い、市街地の小学校の農業学習の場として交流を深めています。また、平成25年に農産物加工・体験交流施設「コラボルーム」を新設し、地域で生産される農産物を、ジャムや漬物に加工する6次産業化に取り組むとともに、傾斜地の特性を活かした米は「棚田米」としてブランド化を行い、農家所得の安定・確保に効果を上げています。
 
また、都市部との交流として、東京の商店街に豊かな自然を体験できるツアーを提供しており、さらに来訪者の受入態勢を整え、食体験ができるメニューを考案し、都市部への農産物販売など積極的なPR活動を進めているなど、交流人口の拡大に寄与しています。 
 
 
 

  

2.受賞されたことへの思いや、影響のあったことなどを教えてください。

 


小菅沼・ヤギの杜への局長賞受賞は、これまで積み上げてきた取組をしっかりと守ってきたことが認められたものだと思っています。

昨年はホームページを整備し取組情報の発信やPRに努めています。当地区の取組状況について、本年6月に新潟県新発田市から視察したいとの連絡がありました。また、里山体験プランとして、東京でアピールしたところ、北陸新幹線が開通し東京からも2時間程度で富山県へ来ることができるため、宿泊体験や林間学校等の問い合わせがありました。インターネット等による情報発信は効果が大きいと感じています。

訪問者も多くなり、今年度魚津市の支援を受けてライフライン(トイレ)を整備することとなり、これらも受賞の効果があったのではないかと思っています。 

  

 
 
  
  
 
 

3.取組にあたり苦労したことや問題点、またそれをどのように解決しているのかを教えてください。

一番の問題点は、団体スタッフと労働力不足です。除草等の作業や様々なイベント等を行うときに手伝ってもらえる人材を必要としています。会員ではなくても、準会員といった位置付けでお手伝いをお願いできる制度を作れないかと考えています。その中から会員になってもらえたなら最高です。

こうした中で、グリーンツーリズムで農村サポーターを募集したところ、集まった農村サポーターの皆さんからはいろいろなアイデアをいただき、ハーブの栽培、加工等の作業も任せてやっていただけるようになりました。

また、地区の水田を管理している方々も高齢化が進み、後継者もない状況です。このため将来的には、能登千枚田の棚田オーナー制度も視野に入れ、取組の維持・発展を考えているところです。

4.今後の活動計画や展開方向などをお聞かせください。



四季折々の小菅沼地区を楽しんでもらう
様々なイベントを計画中です

これまで、単発的なイベントを開催してきましたが、現在は「コキア(ほうき草)の灯り」プロジェクトと題して、年間を通してコキアによる景観保全や棚田アート等による四季折々の小菅沼地区の色を楽しんで感じてもらい交流する様々なイベントを計画しています。収穫祭には乾燥したコキアを紐で縛りマイほうきを作ります。

色々な取組のアイデアは浮かんできますが、当地区には住民が3名しかいなく、ボラティア団体である小菅沼・ヤギの杜やサポーターで小菅沼地区を維持している状況であり実現が困難な場合もあります。

これからの取組を維持・発展させるためにはNPO法人など、しっかりとした組織へステップアップし、スタッフと資金の確保が必要と考えています。
 
 
 
 
 

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