クローズアップ北陸農政局長賞
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婦中環境広域協定運営委員会(富山県富山市)
【表彰目的】「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律(平成26年法律第78号)」に基づき、北陸農政局の管内において取り組まれている「多面的機能発揮促進事業」のうち、優良な活動を表彰し、関係者の意欲の高揚を図るとともに、同事業による各種の取組の推進に資することを目的としています。 |
1. 受賞概要
お話を伺った茗原 勉会長(左)と阪田地方参事官 |
平成27年度に富山市婦中地域で活動する36組織が参加して広域組織化を図り、29年度には42組織で活動に取り組まれています。
戸数の多い集落ではアンケート調査を実施し、補修が必要な箇所や農作業上苦労している点等を把握して話し合いを行うことで、保全活動に対する意識の向上に繋げています。
また、各活動組織と広域組織の事務局が協力し、サケの稚魚放流による生態系保全活動や遊休農地を利用したさといもの栽培による交流活動、地域の子供たちを交えた農業施設の見学会等を複数組織合同により取り組まれています。
2.組織の活動内容や受賞に対する思いをお聞かせ下さい。
各地区の特色ある取組 |
私達の活動は、子供達や非農家の方も取り込んだ集落全体で活動する取組です。
これまで、畦畔や水路等への芝桜の植栽による景観づくり、ダムや用排水機場の見学による農業施設等への意識の向上、サケの放流やホタルの保護活動、生き物調査等による在来生物の育成、遊休農地を活用したそばやさといも等の農産物の栽培・収穫等の農業体験、いも煮会やそば打ち体験等、世代を越えた様々な交流活動によって、農村文化の伝承を通じた農村コミュニティの強化に取り組んでいます。
北陸農政局長賞の受賞には驚きと感動がありましたが、これまでの地域の交流や保全活動が認められ、これからの活動の励みになると考えています。
今後とも地域が連携し継続した活動により、農業や農村の持つ多面的機能の維持と地域の活性化を図りたいと思っています。
3.組織の広域化について教えて下さい。
多面的機能支払 富山市婦中環境広域協定 実施エリア図 |
富山市婦中地域は、市町村合併前の旧婦中町で平地から山間地を含む地域です。環境資源等の保全管理は、農地・水・保全管理支払交付金時には、集落単位の26組織で取り組んでいましたが、平成26年度に多面的機能支払制度に改正され42組織となりました。
制度の改正に伴い、各組織から複雑な事務負担の軽減や地域間の連携と交流を図りたい等の要望があり、平成27年6月に事務局を一本化して、富山市婦中行政サービスセンター内に設置し組織の広域化を図りました。
平成29年度には、婦中地域49組織の内42組織が広域参加し、平成30年度の対象農用地は約1,140haとなっています。
広域化による地域資源の保全活動の取組は、当初は平地・中山間地・山間地により各集落で課題が異なり困難な状況でしたが、課題を全体で共有するこ
とにより、解決方法の糸口が見つかりやすくなったと考えています。
4.現在の状況や今後の目標をお聞かせ下さい。
婦中環境広域協定運営委員会の特色は、一つの活動組織の取組に別の活動組織が参加することや複数の活動組織が合同で取組を行う等の連携を図っていることです。また、戸数の多い活動組織ではアンケート調査を実施し、補修が必要な箇所や農作業等で苦労している点等を把握して話合いを行うことで保全活動の向上に繋げています。
そのほかには、年に1回総会を開催し、活動組織の代表者と意見・情報交換を行い課題の共有化を図っています。
現在、中山間地域でイノシシの被害が多発しており、複数の地域が連携した取組が必要となっています。
喫緊の課題として、高齢化や子供達の減少により活動組織が縮小し、活動が困難になるのではないかと危惧しています。
今後はこれまで以上に広域な地域間交流を図る必要があると考えています。特に中山間地では人手が不足すると思われるので、そのような地域には、平地の地域から人材を派遣し、農道・水路等の草刈りや水路の泥上げ、農業施設等の点検・保守等の活動に協力できる体制作りが必要になるのではないかと考えています。
これからも地域間の情報交換を密にして、様々な発想や創意工夫を取り入れて地域活動や環境保全活動の維持・発展に努めたいと考えています。
そば打ち体験 | 田植え体験 |
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