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北陸農政局

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クローズアップ北陸農政局長賞


平成29年度に北陸農政局長賞を受賞された方々の取組や現在の様子をご紹介します。

中島 由起子(なかじま ゆきこ)さん(富山県下新川郡入善町)


【受賞名】男女共同参画優良事例表彰(経営参画部門(個人))

【表彰目的】北陸農政局の管内において、農林水産業、農山漁村における男女共同参画の実現を目指して経営参画や社会参画等の優良な取組を行っている個人や団体を表彰し、その活動事例を広く紹介することにより、北陸地域における男女共同参画の一層の気運の醸成と女性による農林水産業・農山漁村の活性化のための取組の促進に資するものとしています。

1. 受賞概要

お話を伺った中島由起子さん(中央)とご主人(右)
お話を伺った中島 由起子さん(中央)とご主人(右)



初めはご主人を手助けする感覚で農業に従事されていましたが、会社を退職し平成5年に就農されました。
元々、花と米の専業農家でしたが、平成10年頃から町内の消費者の皆さんから新鮮な野菜のニーズが高まり、野菜の本格的な生産を開始されました。
家族内で役割分担を明確にし、地元直売所等へ販売する作物の包装、運搬、陳列、売り上げ管理等を担当するなど、経営に参画されています。

農産加工にも取り組まれており、生産しただいこんを原料とした「姑のたくあん」、「嫁のはりはり」等の漬け物を自宅で製造。
また、実家近くの山々で採れる山菜の瓶詰めを地元JAの農産物直売所「あいさい広場」の加工室で製造するなど、積極的に新規部門を取り入れられています。

さらに、女性農業者組織「入善町女性農業士GOGO農会」の会長や入善町農業委員を務め、行政や関係機関への提案や要望の窓口を担うなど地域の女性農業者のリーダーとして活躍されています。 

2. 受賞に対する思いをお聞かせ下さい。

「あいさい広場」で販売されているすすたけの水煮
 「あいさい広場」で販売されているすすたけの水煮

北陸農政局長賞受賞の連絡を受けた時には、私の取組は周りの女性農業者の皆さんと比べても特に変わったことをしてきたとは思っていなかったので、ただただ恐縮していただけでした。
そのため、この受賞は私の家族や周りの皆さんの協力の賜物であり、私が代表して頂くのだとの思いでした。

受賞後は、周りから「おめでとう」と言われたいへん嬉しく、今後の励みにもなり、幅広い年代で頑張っている女性農業者の皆さんを見ると、私も更に頑張ろうという気持ちが湧いてきました。

私の受賞が周りの皆さんへの良い刺激となって、元気な女性農業者が増え、そうした皆さんの相談相手になれればと思っています。
更にそうした皆さんとともに地域がもっと元気になるその一助になればと思っています。
 

3. 取組のきっかけを教えて下さい。

出荷作業を行う中島由起子さん
   出荷作業を行う中島 由起子さん

私は嫁ぎ先と同じ入善町で生まれ、町内にある電子部品製造会社に就職しました。
当時、同じ職場に勤務していた現在の主人と知り合い結婚しました。
主人の家は花卉(菊)と米を営む専業農家であったこともあり、数年後に主人は会社を退職し専業農家として就農しました。

私は子供が生まれたことから、子守をしながら菊の生産を手伝うようになりました。
菊の生産はお盆用の切花生産から始まり、電照菊にも取り組んでいたため年末までが繁忙期でした。
家族経営のためなかなか外へ出られなくなり、私も会社を退職し農業に従事することとしました。
今思うと、家にいて一緒に農業をやってほしいといった家族の思いもあったのではないかと思っています。

私の実家は、自家消費する米を生産する程度の農家であったため、農業に関する知識や技術はまったくの素人であり、正直、農業はあまり好きではありませんでした。
まさかこのように菊の生産や加工品の製造等を手掛けるようになるとは思ってもいませんでした。

4. 現在の状況や今後の目標をお聞かせ下さい。

出荷を控えた洋菊
出荷を控えた洋菊

地元JAの農産物直売所「あいさい広場」での野菜販売を増やそうと一昨年、野菜を生産している女性農業者12名で、端境期に対応した出荷や新たな品目等による付加価値の高い野菜作りを進めるため、「おいしい野菜部」を立ち上げました。
毎年テーマを決めて企画し、これまでにいんげんやカリフラワー、今年はオオマサリ(落花生)、ブロッコリーに取り組みました。
 
会員は本業の主穀作で多忙なため一堂に会する機会が少ないことから、無料アプリのラインやスマートフォンによる画像等を活用して会員間で情報交換をしています。
これらは特に、画像を送ることができるため、直接現場に行かなくても生育状況や病害虫等の情報を確認することができ、情報の共有化や適切なアドバイスができるところがたいへん便利で重宝しています。

「あいさい広場」は、新鮮な野菜や加工品等を求める人達が年々増加傾向で活気もあり、良いものを出荷すれば次も買ってもらえることや、消費者の皆さんが何を求めているのかを直接把握できます。
こうした、お互いの顔が見える直売所へ出荷できることは、私にとってはとても良い励みになります。

これからも、女性から見た消費者目線を取り入れた商品開発や農業経営について、女性農業者や農家の皆さんといろいろなアイデアを出し合い連携しながら、「あいさい広場」を中心に地域がさらに元気になるよう少しでも貢献したいと思っています。

お問合せ先

富山県拠点
〒930-0856 富山市牛島新町11-7 富山地方合同庁舎
ダイヤルイン:076-441-9305
FAX:076-441-9325

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