今月の園芸特産作物:9月 カリフラワー
カリフラワー(アブラナ科アブラナ属)
カリフラワーは、地中海沿岸が原産地とされ、野生種のケールから分化したブロッコリーが、突然変異により白化したものといわれています。冷涼多湿の気候を好みますが、耐暑・耐寒性はあまりありません。
食用とするのは、茎の先にある花蕾(からい)と呼ばれる部分です。カリフラワーという名前には「キャベツの花」の意味がありますが、その名のとおり蕾(つぼみ)が発達せずに肥大して花球となった野菜です。
日本には明治初期に渡来しましたが、食用としても観賞用としても当時は普及せず、第2次世界大戦後に進駐軍向けに栽培が行われ、日本での洋食文化が広まった昭和30年代後半から需要が高まり、昭和50年代後半には11万t生産されていました。
しかし、昭和50年代以降にブロッコリーが急速に普及する一方で、カリフラワーのの生産は減少に転じ、平成25年には1万8千tまで生産量が減少しています。
カリフラワーの種類
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画像・情報提供:独立行政法人 農畜産業振興機構
生産概況
全国のカリフラワーの作付面積は1,290ha、出荷量は18,500トン(平成25年産)で、徳島県(2,280t)、茨城県(1,940t)、長野県(1,930t)、熊本県(1,900t)、愛知県(1,800t)で全国の出荷量の約5割を占めています。
北陸の作付面積は、95haと全国の作付面積の7%で、県別に見ると、新潟県85ha、富山県6ha、石川県3ha、福井県1haとなっています。
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出荷時期
品種改良や多様な作型の組み合わせにより、一年を通じて出荷されていますが、冷涼な気候に適しているため、10月からの出荷が多くなっており、夏場は長野県産が主体となっています。
主な産地の出荷時期は、徳島県(11~5月)、茨城県(4~5月、10~11月)、長野県(5~11月)、熊本県(11~3月)、愛知県(10~3月)となっています。
おいしいカリフラワーの選び方
花蕾は、収穫後も発達します。貯蔵日数が長くなると、過熟となってだんだんすき間ができ、色も褐色に変色しやすくなります。また、蒸散作用も行われるため水分が減り、花蕾重も減少していきます。
そのため、花蕾がかたくしまり、全体的にずっしりとした重みがあるもの、色は変色がなく純白なものを選びましょう。
保存方法
20℃以上のところでは、花蕾が開いてしまいます。ラップで包むかポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に立てて入れます。
すぐに使い切れない場合や鮮度が劣るものは、かためにゆでてから冷蔵庫で保存します。また、冷凍保存する際は、小房に分けてかためにゆで、水気をよく切り冷ましてから、密閉袋等に入れて保存しましょう。
栄養素
カリフラワーで特徴的な点は、加熱してもビタミンCが失われにくいということです。豊富に含まれるビタミンCは、有害な活性酸素から細胞を守り、病気にかかりにくい丈夫なからだづくりに役立ちます。また、皮膚や軟骨等を構成するコラーゲンの合成に不可欠なビタミンであるため、皮膚や骨の健康維持に欠かせません。
ビタミンC含有量
注:含有量は可食部100g当たり
調理のヒント
アクが強いので、下ゆでしてから調理しましょう。白色種は、酢またはレモン汁を加えてゆでると、真っ白に仕上がります。ゆであがったら、水っぽくならないよう、ざるに広げて冷ましましょう。
簡単レシピ
≪ 野菜のサワー漬け ≫
【材料(4人分)】
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【作り方】 野菜は食べやすく切って、調味酢に漬け、 ラップをしてレンジで30秒加熱し、さっと 混ぜて冷ます。 |
≪ カリフラワーとかきのグラタン ≫
【材料(4人分)】
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【作り方】
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資料提供:独立行政法人 農畜産業振興機構
お問合せ先
生産部 園芸特産課
担当者:流通指導官
代表:076-263-2161(内線3335)
ダイヤルイン:076-232-4314
FAX:076-232-5824