今月の園芸特産作物:2月 れんこん
れんこん(スイレン科ハス属)
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私たちが食べているれんこんは、ハスの地中にある茎の部分が肥大したものです。
明治以降に中国から導入された中国種と、それ以前に渡来したもの及び日本在来種に大別されます。
わが国では、最初は主に「ハスの花」として観賞用に利用されていたようですが、シャキッとした食感が魅力のれんこんは、穴のあいたその形状から、先の見通しがきく縁起ものとして正月料理や精進料理に用いられ、親しまれている野菜です。
生産の状況
れんこんの全国の年間収穫量(平成28年産)は年約6万トンで、主産県は茨城県、徳島県及び佐賀県となっています。
なお、北陸管内では主に新潟県、石川県で生産されています。
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北陸管内の主なれんこん産地
れんこんの収穫のピークは12月。農家の皆さんは、「たくさんの人達にたべてもらいたい」という思いで厳しい寒さのなか頑張っています。
新潟県長岡市(大口れんこん)
長岡市の大口地区で栽培されており、長岡野菜の一つです。
皮を剥くと真っ白で、先端部が特に柔らかく、肉厚で歯切れのよいのが特徴です。
石川県金沢市(加賀れんこん)
金沢市小坂地区、河北潟干拓を中心に栽培されており、加賀野菜の一つです。
ほかの産地のれんこんと比べて、でんぷん質が多くて粘り気があるその味は、加賀野菜の中でもとりわけ地元の消費者に愛され続けています。
![]() 収穫風景(鍬掘り) |
![]() 収穫風景(水掘り) |
収穫作業は、水を干した状態で行う「くわ堀り」と、かんがい用水を利用したホースからの水圧で行う「水堀り」により行われています。
れんこんを食べて丈夫な体に!(栄養素・機能性成分の紹介)
れんこんは、でんぷん質とビタミンCを多く含んでいます。ビタミンCは強い抗酸化力によって動脈硬化や脳卒中、がん等の病気を予防したり、皮膚や骨を強化する働きがあります。
ビタミンCは熱に弱い成分ですが、れんこんに含まれるでんぷん質に守られているため、加熱調理による損失はそれほど多くありません。
そのほか、高血圧の予防に有効なカリウム、ビタミンB群の一種でエネルギー代謝を大きくサポートするパントテン酸、糖質代謝の補酵素として働き、疲労回復に効果的なビタミンB1等も含みます。
資料:独立行政法人 農畜産業振興機構
まめ知識(れんこんの穴はいくつ?)
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れんこんとして食べているのは、ハスの茎の部分が肥大したものにあたります。
れんこんの穴は、呼吸するための空気を送り込む通気口の役割を果たしています。
その数は、れんこんの大きさによって異なることがありますが、だいたい切り口の真ん中に1個、その周りに9個あります。
お問合せ先
生産部 園芸特産課
担当者:課長補佐(野菜)
代表:076-263-2161(内線3332)
ダイヤルイン:076-232-4314
FAX:076-232-5824