今月の園芸特産作物:8月 日本なし
日本なし
日本なしの原産地は日本の野生種を改良したという説と、中国や朝鮮半島から伝えられたという説があり、10世紀以前から全国各地で栽培されていたと考えられています。栽培が本格的に始まったのは、江戸時代中期といわれ、関東地域や関西地域に多くの産地がありました。現在流通されているなしは、明治20年代後半に二十世紀や長十郎が発見され、大正時代に入ってから数々の新品種が発見されました。
(資料:毎日くだもの200グラム!うるおいのある食生活推進協議会)
日本なしの生産状況
全国の日本なしの栽培面積は11,400haとなっており、主な産地である千葉県(1,450ha)、茨城県(975ha)、福島県(880ha)で、全国の栽培面積の約30%を占めています。
北陸管内での栽培面積は784ha(全国の約6.8%)で、新潟県が410haで北陸の栽培面積の約50%を占めています。
次いで富山県が168ha、石川県が139ha、福井県が67haとなっています。


(資料:農林水産省令和元年耕地及び作付面積統計及び令和元年産日本なし、ぶどうの結果樹面積、収穫量及び出荷量)
北陸の日本なしの産地
北陸管内の日本なしの主な産地は、新潟県新潟市、加茂市及び三条市、富山県富山市及び射水市、石川県加賀市及び金沢市、福井県あわら市及び坂井市などです。
なかでも、富山市や射水市を中心とした呉羽地区で栽培される梨は「呉羽梨」というブランドで出荷されます。
品種は主に4種類で、8月中旬から収穫が開始され、「幸水」、「豊水」、「あきづき」、「新高」の順で10月まで収穫されます。

北陸の日本なし
【新美月・新王】
新潟県オリジナル品種で、両品種とも自家受粉で着果する特性を持っているため、開花期の天候不良の影響を受けにくく、農家の労力軽減にもなります。
新美月は9月中旬から下旬に出荷され酸味を伴う甘さ、新王は9月下旬から10月上旬に出荷され甘味の強さが特徴です。
〈新美月〉
〈新王〉
(画像提供:新潟県)
【加賀しずく】
石川県オリジナル品種のなしで、石川県農林総合研究センターが16年の歳月をかけて育成した品種です。
収穫時期は8月下旬から9月中旬で、比較的大玉で酸味を抑えた上品な甘さと、ジューシーで、なめらかな口当たりが特徴です。
(画像提供:石川県)
毎日くだもの200グラム運動
「毎日くだもの200グラム運動」とは、1人1日200g以上のくだものの摂取を推進する運動です。近年の研究により、くだものにはさまざまな生活習慣病に対して予防効果が高いことが分かっています。1人1日200g以上のくだものを食べて、健康で豊かな生活を送りましょう。
(資料:毎日くだもの200グラム!うるおいのある食生活推進協議会)
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生産部 園芸特産課
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