今月の園芸特産作物:12月 さといも
さといもの原産地と由来
さといもの原産地はインド東部からインドシナ半島にかけての熱帯地方で、タロイモと同じ仲間です。原始マレー族の移動とともに、太平洋一帯に広まったとされています。
日本へは中国を経て縄文時代に伝わったといわれており、お米より古い主食であったとも考えられています。
さといもの名前は、山でとれるやまいも(自然薯)に対して、村(里)で栽培されることに由来しています。

写真:(独)農畜産業振興機構提供
さといもの主な種類と特徴
アジアの熱帯に分布する多年草で、種子ではなく「いも」で増えます。いもは茎が肥大したもので、株を中心に大きな親いもがあり、そこから子いもが分球して増えていきます。孫いもは子いもからさらに分球したものをいいます。
さといもは、子いも・孫いもを食べる「子いも用品種」、親いもと子いもを食べる「親・子いも兼用品種」、親いもを食べる「親いも用品種」に分類されます。このほか、ズイキと呼ばれる葉柄を食べる「葉柄専用品種」もあります。
子いも用品種
どだれ
土垂

子いも用品種
いしかわわせ
石川早生

子いも用品種
とうのいも
唐いも

親・子いも兼用品種
やつかしら
八つ頭

写真:(独)農畜産業振興機構提供
さといもの生産
全国の作付面積は12,200ha、収穫量は154,600tとなっています。
作付面積の全国1位は、千葉県(作付面積1,390ha、収穫量20,700t)、2位は宮崎県(作付面積1,110ha、収穫量10,500t)です。
北陸の作付面積は1,080ha(全国シェア8.9%)、収穫量は13,400t(同8.7%)となっています。
新潟県は作付面積が全国4位、収穫量は全国7位です。
北陸のさといも産地
北陸の代表的な産地として、新潟県新潟市、五泉市、富山県南砺市、福井県大野市、勝山市などがあげられます。これらの産地には、「帛乙女(きぬおとめ)」(五泉市)、「上庄里芋(かみしょうさといも)」(大野市)といった味や食感が異なるなど人気のさといもがあることでも知られています。
帛乙女(きぬおとめ)
肌が白くきめ細かで、ぬめりのある食感です。
上庄里芋(かみしょうさといも)
ぬめりが少なく歯ごたえがあり、煮崩れしない特徴を持っています。
出荷時期
出荷は、10月中旬から12月中旬ごろがピークです。
また、冬期から春先までは、秋に収穫したさといもを貯蔵庫で保管したものが、順次出荷されています。

写真:(独)農畜産業振興機構提供
さといもの選び方
土が適度についており、表面がしっとり湿っているものが新鮮です。シマ模様がくっきりと出ているものが、順調に生育した良品です。重量があり、固くて、しまったものを選びましょう。
さといもの保存方法
熱帯地方原産なので高温多湿を好み、乾燥や寒さに非常に弱い作物です。泥付きなら新聞紙にくるみ湿度を保ち、常温で保管します。表面が湿っている場合は、そのままだとカビ臭くなるので、天日でさっと乾燥させるのが良いでしょう。
お問合せ先
生産部 園芸特産課
ダイヤルイン:076-232-4314
FAX:076-232-5824