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まじめに会社辞めて新規就農する方法 vol.1

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こんにちは!
僕は2012年までメーカー勤務のサラリーマンでしたが、現在は千葉県で新規就農し、米を主に栽培する個人農家をしています。

よく言う脱サラ農業というやつですが、現在までに紆余曲折あったのでその体験を交えながら、新規就農する方法についてお話します。

会社辞めて農業始めたい、新規就農に興味あるけどどうしたらいい?
という方のお役に立てればうれしいです。

僕は一人でも多くの人と「農業」もしくは「農」ある暮らしをしたいと考えています。
理由は3つ。

  • 農業はとても未来がある仕事であると考えている
  • 「生きるチカラ」を身につけることができるナリワイの1つ
  • 「食べることは生きること」そのもの

そのため今の仕事にとても誇りを持っていますし、これからの日本にとって、絶対無くしてはならない職業だとも思っています。

なので、1人でも多くの人に、この世界を知ってもらいたいという気持ちで、このブログを書きます。だからと言って、もちろん良いことばかりではありません。このあたりも赤裸々に、現実として知っていただくために、事実をお話したいと思います。

サラリーマンが会社辞めて新規就農した方法

ここではどんな人間がどんな風に就農したかをお話します。

一言で「就農」と言ってもたくさんの道があります。無数のケースがあります。

「こーゆー道もあるのねー」程度の例として捉えてくださいね。

すっごい簡単なプロフィール

僕は高校から理系に進んで、工業大学を出て、何の疑問もなく大手電気機器メーカーに勤めていました。がっつり理系です。

家はサラリーマン家庭で、祖父母まで含め農業とはまったく無縁の家系です。

東日本大震災をきっかけに食への関心が高まり「農」を目指すきっかけになりました。2013年に会社を辞めたあとは農業法人で3年働きながら、米作りのいろはを実践で学びました。研修という形ではなく、従業員(アルバイト)でやらせていただきました。

さらに1年間の地域おこし協力隊での農業研修を経て、千葉県で新規就農。

2019年はやっと独立して3年目に入る、新規就農者です。

自分が歩んだ道

新規就農についていろいろ調べていると、いろいろありすぎてわからなくなりますよね。br「で、結局どうしたらいいんだ!?」となります。僕もそうでした。

僕のケースは最初から新規就農しようと思って始めたわけではありませんでした。

簡単にフローにするとこんな感じです。

会社員時代に東日本大震災を経験

食へ興味がわく

農業法人とご縁ができ、働かせてもらう

九州で農業をしたいと考え、地域おこし協力隊で就農目指す

行政や地域との温度差を感じ、千葉で就農

米と落花生を中心に栽培し試行錯誤中

ご覧いただいたように紆余曲折しながら今があります。

どんな道を歩んだらいい?

自分で切り拓くしかない

結論を言葉にするととってもシンプルですね。

就農するまでの道を大きく分けると5つのパターンがあると考えています。

  • 農業大学校に入学する
  • 農家さんの元で研修する
  • 農家さんの元で研修する
  • 地域おこし協力隊で地域に根ざし、就農する
  • 農家さんと結婚する

などがあり、人によってはこの組み合わせで進む人もいるのではないでしょうか。

その無数の中、決めなければいけません。今から自分にできることや、生活面や収入面、お子さんがいる方はもっと考えることが多くなるかもしれません。

しかし、会社を辞めて農業を始めてみたいという方にとっては、やっぱりできるだけ早く「答え」が欲しいものです。

ですが、ここでテキトーにスタートを切ってしまうと、後から思わぬ方向に進んでしまうことにもなりかねないため、やはり最初が肝心です。

サラリーマンだけど農業をやってみたいと思ったらまずやること4つ

  • 全国新規就農センターのHPを見てみる
  • twitter、インスタグラムで新規就農した人の様子を見てみる
  • 農家に見学、手伝いに行ってみる
  • ちょっとだけ会社を辞めるイメージをしてみる

まずはやはり情報収拾につきます。

サラリーマンをしていると、自分の会社以外の人がどんな仕事をしていて、どんな生活をしているかなんて考えもつきません。

僕は毎日、会社から外に出ない生活をしていました。

会社内では作業服に着替え、昼は社員食堂があるため仕事中はずっと会社の中にいることになります。こうなると、やはり外の世界は認識しにくくなります。出張の時昼休みに外食しているサラリーマンがいる光景を見て驚いたくらいです。笑

このように会社で日々を過ごしている方にとって、自分が考えている以上に世界が狭くなってしまっていることと思います。

まずは外の世界があるということを認識して、農業はどのような世界なのかを知る必要性があります。

と言っても漠然としすぎているので4つのことにしぼってみました。
これだけでも、ぜんぜん世界が変わってくるのではないでしょうか。

全国新規就農センターのHPを見てみる

まずは基本情報を集めるためにおすすめのホームページはこちらです。

全国新規就農センター

ここでは就農までのフローや相談窓口、各地域の支援内容まで、新規就農にまつわる基本を知ることができます。ぜひ、熟読しなくてもいいので、さっと目を通すことをおすすめいたします。

まず最初にどんな流れか、どんな自治体がどんな支援をしてるのか程度を全体的に知っておくだけでもOKです。

twitter、インスタグラムで新規就農した人の様子を見てみる

より具体的に、リアルな面を少しだけのぞいてみるのも楽しいです。

実際に新規就農して頑張っている農家さんをみつけ、フォローしてみてください。

日々、どんな生活をしていて、どんなトラブルがあって、どんな景色を見ながら仕事や生活をしているかがなんとなく見えてくるのではないでしょうか。

もちろんタグは「#新規就農」から始めてみてくださいね。

農家に見学、手伝いに行ってみる

やはり画面より、「よりリアル」に実感できるのが現場です。

1番いいのはとにかく、やってみる、体験してみるということ。体験する中で自分が感じることや、そこの農家さんがお話してくれたことが「リアル」なのでそれを積み重ねる経験が必要になってきます。

農業の場合、ブログとちがって途中でやめる、方向性を変えるというのはコストも時間もかかることなので、事前の体験がとても大切になってきます。

もちろんタグは「#しかし、まったく農業に関係無い人生を送ってきた場合、ここがけっこうハードルが高いかもしれません。

見学っていったって、農家の友人も親戚もいないしなー。という方がほとんどですよね。僕もそうでした。

そんな時、僕は何をしたかというと、「とにかく人に言う」でした。
「田んぼやりたい」といろんな人に伝えておくと、ここ行くといいよ、この人に会うといいよという情報が集まってきます。今の時代ではSNSを使ってもすぐに情報は集まってきます。

それをする勇気がないという方は、直接働いてみてしまうというのもおすすめ。

ボラバイトというサイトでは農業に特化したアルバイトを募集しています。ただ、ある程度まとまった期間が必要なことがほとんどのため、サラリーマンには厳しいのも現実です。

本当に困った場合は僕の田んぼでも手伝いにきてください♪笑

ちょっとだけ会社を辞めるイメージをしてみる

リアルにちょっとだけでいいので想像してみてください。

できるだけ具体的に、現実的な範囲で妄想してみます。

例えば「3ヶ月後、お世話になったこの会社を辞めて、農家さんの元で研修している。けれど今までみたいに毎月の給料が入ってくるわけではない生活に切り替わる。」

どんな感情が湧いてきますか?ワクワクですか?それとも恐怖ですか?

今がどんなに大変でイヤな会社に通っているとしても、毎月入ってくる給料のありがたさはありますよね。

こんな風に少しずつ、その環境を妄想することで、感情の振れ幅を少なくすることも大切かもしれません。

サラリーマンから農業を目指すメリットデメリット

僕の家はもともと農家ではありません。祖父母も農家ではありません。
農業高校や、農業大学を出たわけでもありません。
本当にまっさらの状態から始めた純粋無垢な新規就農者です。
そんな僕からみた、サラリーマンから脱サラして農業を目指すメリットデメリットについてお話します。

メリット「会社員時代に培ったスキルはす活かせる」

もちろん今やっていることが全て無駄になるということはありません。今までやってきたあなたの仕事の中にも必ず農業で活かせる部分はあるはずです。

僕の場合はこんな能力が実際に役立っているのではないかなと感じています。

  • コミュニケーション能力
  • プレゼン能力
  • 資料作成などのPCスキル

農家だからと言って、会社員の時のようなコミュニケーションがなくなるなんてことはありません。むしろ、地主さんや地域の方々、時には役場の方とのコミュニケーションはとても重要になってきます。

同時に自分がやっていることや、発信すること、まとめる能力も当然必要なスキルです。

これに加えて僕の場合は工場の生産ラインを立ち上げる仕事をしていたためこれらのスキルもとても役立っていると考えています。

  • コスト管理
  • 作業効率(タクト)
  • 安全に対する意識

農業の世界に入って驚いたことはコスト意識が大雑把ということ。企業では乾いた雑巾をしぼるように1円単位で切り詰めるのが当然ですが、農家ではあまりそのような姿は見かけません。自然相手のため、そこまでやる意味がうすれるにしても、コストに対する意識は会社員と比べると低い実感です。

また、作業効率という面で見てもまだまだ無駄は多い世界です。生産ラインでは1歩を少なくするためにはどうしたらよいかを考えたりもしますが、農業はそこまでの意識は当然ありません。もちろんここまですることはないのですが、「ムダをできる限り減らす」という意識は持っていて損はしません。

そして、一番大切なのは安全に対する意識。企業に比べるとまったく追いついていない現実です。農業機械による事故も後を絶ちません。

このように、企業内ではあたりまえの感覚は、農業の世界では当たり前ではないということもたくさんあります。

今まで自分がやってきたことで活かせることは何だろう?とぜひ考えてみてください。

会社を辞めることへの不安が少しでも和らぐのと、今いる会社でできることに意味を見出すことに繋がるのではないでしょうか。

デメリット

  • 農地がない
  • 機械がない
  • 人脈がない

この3つは農業をしていく上で必須のものになりますが、非農家の人にとってこれらはゼロから解決しなければならない問題になってしまうということです。

特に米作りの機械を全て最初から揃えるとなると、中古で見積もったとしても軽く1,000万は超えるでしょう。

地域での信頼関係がなければ農地も借りることはできませんし、相談できる人もいない状態です。

だからこそ、最初の「入り方」はとても重要になってきます。

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まとめ

まず農業を始めたいと思い立ったらとにかく情報収拾をしてみてください。

まずはそこからです。

よく、本やホームページには、「どこでどんな作物を作って、どんな計画で就農するか計画を立てましょう。」とか、よく書いてありますが、ぶっちゃけそんなこと言われても、会社員しかやったことないからわからないの当然です!

だからこそ、まずはその業界にちょっとだけ触れてみるということが大切です。

幸いなことにこの時代ではツールはたくさんあります。

少しでも「農」に関わる人が増えますように!

この記事についてのお問い合わせ先

百姓まるしぇ
https://earthfarmer100.com/shinkisyuunou

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