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食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会第65回家きん疾病小委員会議事録

日時:平成29年12月26日(火曜日)13時29分~15時09分
会場:農林水産省   第2特別会議室

議事次第

1.開 会

2.あいさつ

3.議事

(1)家きん疾病小委員長の互選について

(2)最近の家畜衛生をめぐる情勢について

(3)米国における高病原性鳥インフルエンザ発生時の郡単位のゾーニング適用について

4.閉会

配付資料一覧

  • 議事次第
  • 食料・農業・農村政策審議会 家畜衛生部会
  • 家きん疾病小委員会委員名簿
  • 資料1   最近の家畜衛生をめぐる情勢について
  • 資料2-1   米国における高病原性鳥インフルエンザ発生時の郡単位のゾーニング適用に係るリスク評価報告書概要(案)
  • 資料2-2   米国における高病原性鳥インフルエンザ発生時の郡単位のゾーニング適用に係るリスク評価報告書(案)
  • 参考資料1   諮問文
  • 参考資料2   米国における高病原性鳥インフルエンザ発生時の州単位での地域主義の適用に係るリスク評価報告書(案)の概要
  • 参考資料3   食料・農業・農村政策審議会関係法令集等(家畜衛生部会関係)

午後1時29分   開会

伊藤国際衛生対策室長
皆さん、こんにちは。
定刻となりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会第65回家きん疾病小委員会を開催いたします。
皆様におかれましては、年末のたいへんお忙しい時期にもかかわらずお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
本日進行を担当いたします動物衛生課国際衛生対策室の伊藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、開会に当たりまして、消費・安全局審議官の小川よりご挨拶を申し上げます。

小川消費・安全局審議官
皆さん、こんにちは。消費・安全局担当の審議官でございます小川と申します。
本日は、第65回の家きん疾病小委員会の開催に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。委員の皆様におかれましては、日ごろから農林水産行政の推進にご理解、ご協力を賜りありがとうございます。特に師走の最終週でございますけれども、お集まりいただきまして重ねてお礼申し上げます。
さて、我が国は、安倍政権のもと、農林水産物、食品の輸出額を平成31年までに1兆円にするという目標を掲げております。我々といたしましても、検疫協議、輸出できるようにするということで畜産物の輸出拡大に取り組んでいるところでございます。
昨年の日本国内における鳥インフルエンザ発生時におきましても、香港、シンガポールといった近隣のアジア諸国は、発生県以外の家きん肉、それから鶏卵等の輸入を認める、いわゆる地域ゾーニングを適用していただけたところでございます。先日報道もございまして、皆さんご存じかもしれませんが、日EU・EPAも大枠合意から交渉妥結にまで持っていくことができました。これらを活用して輸出拡大に取り組んでいくということになってまいりますが、その際、大切なことは、科学的であることはもちろんでございますけれども、国際ルールに基づいていく、あるいは双方向に持っていくといったことに留意して取り組んでいくことになります。
一方、家畜の衛生状況でございますけれども、昨シーズンはもとより、本年も韓国や中国におきまして高病原性鳥インフルエンザが発生しております。特に鳥インフルエンザ、先月以降も隣の韓国では、野鳥、あるいはアヒル農家で発生が確認されているところでございます。日本国内でも、農家での発生はまだ確認されておりませんが、死亡野鳥から鳥インフルエンザウイルスの検出がされるといったようなことでございますので、依然発生リスクは高いというふうに認識しております。
このような状況に対応するために、関係機関と連携しながら発生予防に努めるとともに、万が一でございますけれども、発生した場合には早期発見、早期通報、迅速な蔓延防止といったことに取り組んでいく必要がございます。
また、外国からのお客様も最近たいへん増えてございますので、これらを想定いたしま して、靴底消毒、あるいはポスター等による周知、検疫探知犬の活用といったこともございますし、皆様も外国から帰ってこられる時にご経験されたことがあるかもしれませんが、航空会社の協力を得て、外国から到着する航空機内でのアナウンスによる動物検疫の制度の周知徹底にも取り組んでいるところでございます。
本日ご議論いただきます、米国における高病原性鳥インフルエンザ発生時の郡単位のゾーニングの適用についてにつきましては、まさにこういった動植物検疫におけるルール、国際ルールのもとになっておりますWTOのSPS協定に従い、科学的根拠に基づいたリスク評価を行うことで国際水準の検疫体制を整備し、畜産物の安定供給や輸出入双方向の検疫協議の促進に資するものと考えております。
なお、これは米国からの鳥の問題でございますけれども、現在、日本の牛肉等の米国向け輸出に関しまして、口蹄疫等発生時のゾーニング適用につきましても要請しているところでございます。
委員の皆様方におかれましては、家畜衛生行政の推進のため、それぞれのお立場で忌憚 のないご意見を賜りますようお願い申し上げまして、私の挨拶にかえさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。

伊藤国際衛生対策室長
ありがとうございました。
さて、現在、家きん疾病小委員会の委員は9名となっております。家きん疾病小委員会につきましては、本年7月の委員改選以降、初めての会合となりますので、本日ご出席の委員の皆様を、私より向かって右からご紹介をさせていただきます。
米田委員でございます。森口委員でございます。西藤委員でございます。中島委員でございます。伊藤委員でございます。
筒井委員でございます。眞鍋委員でございます。白田委員でございます。矢野委員でございます。
続きまして、本日出席しております私以外の事務局の紹介をさせていただきます。動物衛生課長の熊谷でございます。
家畜防疫対策室長の石川でございます。課長補佐の林でございます。
専門官の北野でございます。
なお、本日、予定では15時までの会議となっておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、これより家きん疾病小委員会の小委員長を選出していただきます。
食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会運営内規第4条の規定により、当小委員長の選出は、小委員会に属する臨時委員の互選によるものとされております。つきましては、小委員長候補につきまして、どなたかご意見がございましたらお願いいたします。
眞鍋委員、どうぞ。

眞鍋委員
私がというのは冗談なんですけれども、伊藤先生にぜひお願いしたいと思います。伊藤先生、ご存じのように、我が国だけじゃなくて世界的な専門家ですし、この小委員会も随分ベテランで、非常に的確に対応されてきていますので、ぜひお願いしたいと思います。

伊藤国際衛生対策室長
ありがとうございました。ほかに。
ないようですので、ただいま眞鍋委員より、伊藤委員に小委員長をお願いしてはどうかというご提案がございましたが、いかがでしょうか。よろしければ拍手をお願いいたします。

(拍手)

伊藤国際衛生対策室長
ありがとうございます。拍手をもって承認いただきましたので、伊藤委員に小委員長をお願いしたいと思います。
それでは、ご挨拶をお願いします。

伊藤小委員長
ただいま小委員長の再任のご承認をいただきました鳥取大学の伊藤でございます。
私は、前任の喜田先生が委員長をされた後を引き継いで、ことしで6年目になります。 ご存じのとおり、高病原性鳥インフルエンザ、世界の状況は決して楽観視できるものではありませんし、なお一層気を引き締めて、国内防疫体制を確固たるものにしていくように、微力ながら努めさせていただきたいと思います。皆様のご協力をどうぞよろしくお願いい たします。

伊藤国際衛生対策室長
ありがとうございました。
それでは、伊藤委員長におかれましては、小委員長席にご移動をお願いいたします。 続きまして、食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会運営内規第7条の規定によりますと、小委員長の職務を代理する委員については、小委員長があらかじめ指名することとされております。
伊藤小委員長、ご指名をお願いいたします。

伊藤小委員長
それでは、私からは中島委員を指名したいと考えておりますが、皆様、よろしいでしょうか。よろしければ拍手をお願いいたします。

(拍手)

伊藤小委員長
ありがとうございます。それでは、拍手をもって了承いただきました。それでは、中島委員、どうぞよろしくお願いいたします。

伊藤国際衛生対策室長
恐れ入りますが、ここでカメラは退出をお願いいたします。続きまして、配布資料の確認をさせていただきます。
配布資料は、資料1から2-2、参考資料1から3までをお配りしておりますので、ご確認をいただきたいと思います。落丁等ございましたらお知らせくださいますようお願いいたします。
なお、資料の2-2及び参考資料2につきましては、机上配布のみとさせていただきますので、ご了承ください。
それでは、これより審議に移りたいと思います。
まず初めに、議事1として、最近の家畜衛生をめぐる情勢について事務局よりご説明いたします。続きまして、議事2としまして、昨年10月6日付で農林水産大臣から諮問がありました、アメリカにおける高病原性鳥インフルエンザ発生時の地域主義の適用範囲について事務局より説明し、その後、委員の皆様方からご意見、ご質問をいただきたいと考えております。
それでは、これからの議事進行につきましては、伊藤小委員長にお願いしたいと思います。伊藤小委員長、よろしくお願いします。

伊藤小委員長
それでは、まずは最近の家畜衛生をめぐる情勢についてということで、事務局から説明をお願いいたします。

熊谷動物衛生課長
お手元の資料1でございます。本年7月の委員改選以降初めての会 合ですので、家畜衛生をめぐる情勢について私のほうからご紹介したいと思っております。
まず、ページの1ということで下段でございます。
こちらのほう、防疫対応と、あと国内での対応ということでございますけれども、水際検疫、動物検疫所が行ういわゆる物理的な対応、これは貨物と、あと人間の動きも含まれます。あと、このほか、実際の貨物については、あらかじめ輸出国と我が国、私ども家畜衛生当局との間で条件協議して、合意されたものが輸入されるということで取り組んでおりますし、あとは大事な点は、真ん中にありますけれども、農場の飼養衛生管理の徹底という点については、特に鳥インフルエンザを経験している養鶏の生産者の方々は非常にすぐれておりますけれども、こういったみずからの周りのバイオセキュリティーを高める取り組みというのは、牛の生産者、また豚の生産者にも取り組んでいただけるよう情報発信に努めているところでございます。
次のページでございます。
上段に、昨年の9道県12事例の鳥インフルエンザの発生事例を掲載しております。11月28日に青森県と新潟県ということで、同時期に2つの県での発生、また採卵鶏とアヒルということでございました。また、3月24日に至るまで宮城と千葉県での発生、また、この中では初めての発生を経験した県もあったということで、関係者の協力を得ながら、先ほど冒頭のご挨拶にあったように、横に広げないような形での取り組みができたというふうに考えております。
それから、下段に総理指示を挙げております。特に1点目、これは発生にかかわらず、ふだんから注意してもらう事項だと思っております。家きん業者の方々に対して、これは例えば野鳥での発生事例、確認事例も含めまして情報発信して、今、予防に取り組んでいただいているという状況でございます。
それから、次のページの下段のページの5というところに書いてございますけれども、写真が載っている資料でございます。疫学調査チームからの提言の中では、渡り鳥がたくさん飛来した中で、またウイルスも、環境中にたくさんのウイルスが存在していたということが評価されております。また、野生動物による侵入の持ち込みの可能性ということで、こういった点を特に重点的に農家指導に取り組んだということで、次のページを開いていただきますと、上段6ページ、下段7ページということで、一般的な予防対策の重要ポイ ントをわかりやすく写真を添えて、みずからの畜舎との関係をイメージしやすいようにということで情報発信に取り組んできました。
また下段には、小規模な家きんの養鶏農家の方々の場合の取り組みの、ふだんからあるようなものも活用しながら、例えば漁業で使うような網とかネットを活用した野生動物の侵入防止とか、また消石灰の消毒の扱いの仕方というものも具体的に示したところでございます。
それから、8ページ、9ページということで、上段の8ページでございます。
鳥インフルエンザ対応というのは、渡り鳥が来るシーズンからやっているわけではなくて、4月、6月からの全国会議、また9月には日中韓のアジア地域のシンポジウムということで中国、韓国、モンゴルの専門家からも情報を発信したり、また地域が一丸となって取り組むということで情報の共有にも努めたということでございます。また、12月になって、野鳥での島根県での確認事例をきっかけに対策の強化の通知を行っております。
また、下段のほうには、関係する政府機関、先ほど総理からの指示事項があったように、関係省庁連携して取り組んでいるということをご紹介したものでございます。
それから、次のページ、10ページ、11ページという表でございます。
上段のほうに農林水産大臣からの感謝状ということで、9道県12事例に関しまして、きょう、委員の皆様方の鳥取大学の伊藤先生の鳥取大学、また筒井委員の農研機構の動物衛生研究部門、また白田一敏先生のピーピーキューシー、森口先生の新潟大学、また山口委員の京都府、米田委員の自然環境研究センターなどに、合わせまして57機関・企業・団体に大臣から感謝状を手交してございます。
また、下段は、これまでの我が国での発生例を掲げたものを1枚にまとめたものでございます。
それから、12ページ、13ページの、これはもうまさにアジアだけでなくヨーロッパでも高病原性鳥インフルエンザの発生が継続しております。タイプについてはH5N6でなくH5N8ということも発生がありますので、そういった意味でグローバルな協力が今必要になっているということで、実際にローマで行われたG7のCVOフォーラムでも鳥インフルエンザが議題に掲げられたところでございます。
次のページ、14ページ、15ページということで、一番近くの中国、あるいは韓国の動きでございます。中国のほうでは注目すべきは、やはりH7N9の亜型でハイパソ化しているということが、これは注目していく必要があると思っていますし、また9月のシンポジウムでも中国の当局の研究者から非常に詳しく説明があったところです。それから、韓国の発生事例は、野鳥も、またアヒルのケースも含めまして、直接私どもの担当部局に、その日のうちに発生情報が入るような関係ができておりますので、この点もご紹介しておきたいと思います。
16、17ページには、台湾とヨーロッパの状況を掲げております。いずれにしても渡り鳥の侵入のあるシーズンになって、警戒を今強めて各国とも取り組んでいるということでございます。
それから、次のページ、18ページ、19ページ、特にここで強調しておきたいのは、18ページの右側に、アヒルの肉でございます。これは旅行者の方が携帯品で持ってきたものでございます。このアヒルの肉の中にH7N9、上段から4行目に3株というふうに書いてございますけれども、昨年の1例、1株は低病原性、ローパソだったわけですが、ことしの6月と9月に携帯品から見つけたものについては、いずれもハイパソだったということでございます。ウイルスが分離されたという意味でも、非常に意味のある、また警戒する上で大事なことを示唆しているものだと考えております。
そういったものを未然に防ぐためには情報発信に取り組んでいるわけですけれども、知らないで来るお客様もいたり、また意図的に持ち込むお客様もいますので、全国の空港、主要空港に下段のように、現在26頭の検疫探知犬を配置しております。これも、ちょうど予算の時期でございますので、来年に向けて、来年までに29頭までふやすということで、現在予算のほうを要求しているところでございます。
それから、20ページ、21ページということで、特に下段のほう、ポスター、こういったものを日本語以外に中国語、韓国語、また英語なども使ってわかりやすく、到着した方々に間違って持ってきたもの等については放棄していただくということでアナウンスに努めておりますし、また、政府間を通じてあらかじめ旅行者の方々に情報発信できるように、例えば韓国のホームページの中で日本の動物検疫所の情報の発信といったことも現在努めてやっているところでございます。
それから、ページを少し飛ばしていただきまして、28、29ページということで、上段には国際的な連携ということで、先ほども少し触れましたが、左下のほうにG7の主席獣医官フォーラムの中では、ローマで10月に開催されたわけですけれども、高病原性鳥インフルエンザ、これは薬剤耐性のAMRとあわせまして主要課題ということで議論がされましたし、また、あわせてサイドイベントで世界会議ということで高病原性鳥インフルエンザの会議を行っております。その際にも、日本で見つけた携帯品から出たH7N9のウイルスの分離についてご紹介したところ、非常に多くの国から関心を持たれ、また、その重要性について再認識されたということでございます。
それから、中国との間で、非常に連携が比較的難しいと言われている国でしたけれども、右側の丸の3つ目でございます。出入国旅客の携帯品の検査等の協力強化ということで、小川審議官と中国当局の副局長級との間で、この携帯品の協力、こういった関係をしっか り両国で対応していこうということで仮署名が行われております。これはまた閣僚級なりのレベルを上げて合意される見通しでございますので、ご紹介しておきたいと思います。
あと、以下、参考でございますので少し飛ばしまして、輸出の関係が38ページ、39ページというページでございます。
上段の38ページのところに、日本からの畜産物の輸出ということで資料を用意してございます。牛肉が非常に注目されておりますけれども、家きん肉、あるいは殻つきの卵ということで、上段から3行目、4行目ということで、既に香港など、あるいは卵であればシンガポールということで輸出されております。また、下段から3行目、2行目のところにありますように、家きん肉、または家きんの卵につきましては、EUを初めとして関係各国と今解禁協議をしているところでございます。特に生鮮の卵についてはアジアを中心に、また家きん肉については品質的にもすぐれたものもありますので、そういったものがアジアの、あるいはEUの地域で支持されるようにということで、現在、解禁協議を行ってございます。
以上、私からのご説明にかえさせていただきたいと思います。

伊藤小委員長
ありがとうございました。
それでは、本件につきまして、委員の皆様からご意見、あるいはご質問がありましたらお願いいたします。
ございませんか。よろしいですか。
それでは、ないようでしたら、次に進めさせていただきたいと思います。
次は、議事の2ですね。米国における高病原性鳥インフルエンザ発生時の地域主義の適用範囲の変更について、事務局から説明をお願いいたします。

林課長補佐
動物衛生課輸入検疫企画班を担当しております林と申します。本日はよろしくお願いいたします。
座らせていただきます。
お手元の資料の2-1、リスク評価報告書の概要に基づきましてご説明をさせていただきます。
現在、米国から、高病原性鳥インフルエンザが発生した場合に、その適用範囲を郡にしてもらいたいという要請を受けているところです。今回、これに関するリスク評価を取りまとめましたので、小委の先生方にご議論いただくんですけれども、その前に若干これまでの経緯、また評価方法、背景等をお話させていただきたいと思っております。
まず、我が国は、2012年6月以降、米国に対して州単位の高病原性鳥インフルエンザのゾーニングを適用しているところです。発生があった場合に、その州を輸入停止州として、その他の州からは輸入を認めるという措置を講じているところです。このことにつきましては、家畜衛生部会へ諮問し、答申をいただいた上で地域主義を適用しているところです。今回、米国から郡単位の適用単位とする地域主義の要請を受け、発生郡以外の地域から我が国に輸出される物品、卵とか家きん肉を介して我が国に、高病原性鳥インフルエンザが 侵入するリスクに関する定性的評価を行いました。本小委でご議論いただきたいと思っております。なお、あくまで我が国に、それらの物品を介してウイルスが侵入するリスクを 議論いただくものであって、疾病の発生やまん延リスクを議論いただくものではないとい
うことを前もってお話させていただきます。
私ども輸入検疫企画班、数多くの国から解禁要請を受けるんですけれども、その中でも特に地域主義というのは、ヨーロッパを初め多くの国から要請を受けているところでございまして、地域主義を導入できるかどうか、その適用範囲を我が国は許容できるかどうかを我々は3つの観点から評価をしてございます。
まず、輸出国の獣医組織体制によって発生が適用単位内に封じ込めるための法令、権限、人員配置が整っているかどうかというのが1点目。2点目としまして、疾病発生時の対応の計画が法的根拠をもって整備され、適用単位に封じ込めるための防疫措置が明確に規定されているかどうか。そして3点目、地域主義を適用し疾病が発生したときに、適用単位由来の物品が日本向け輸出されることがないことを保証して、また、疑義が生じた場合には由来地域を特定できるシステムが備わっているかどうか、すなわちトレースバック、トレースフォワードできるシステムが要請国に備わっているかどうか、その3点にわたって評価をさせていただいております。
また、評価においては、輸出国の防疫措置が、我が国の国内措置と同等か、もしくはそれ以上の措置であるかということも考慮して加えながら評価を続けているところです。今回、米国から郡単位ということで要請を受けましたので、米国における獣医組織体制、発生時の防疫措置、またトレースバック、トレースフォワードなどについて郡単位を適用して差し支えないかどうかを今回評価報告書に取りまとめたところでございます。
あわせて、もう一点ご紹介をしたいところがございます。先ほど来、私ども農林水産省としまして輸出促進の動きを進めているという話がありました。その中で、今回、米国から家きん肉、卵を輸入する際に発生があれば輸入停止範囲を郡単位にしてもらえないかという要請を受けている訳でして、それとあわせて、仮に日本で高病原性鳥インフルエンザが発生した場合には、日本から米国向けに輸出する家きん肉、卵についても同様の措置、適用範囲を認め合うようなことができないかという協議を2015年3月以降、米国との間で協議を進めているところです。今回、米国に対して郡単位を適用できないかという要請ですけれども、我々としては、日本の同じ位の範囲─日本でいえば県よりもう少し小さい単位になると思われますが、それらの範囲を適用単位として、日本で発生した場合にはそれ以外のところからは輸入を認めてもらうための協議、交渉を引き続き粘り強くやっていることをご紹介させていただきます。
次に、州単位の適用範囲を認めた以降、米国は2014年、2015年と大規模な高病原性鳥インフルエンザの発生の経験をしました。多大なる損失を受けたんですけれども、その発生を踏まえて米国側で数多くの強化措置が講じられておりますので、発生を踏まえたそれらの措置についても評価の対象として今回評価してございます。
次に、郡の概要について少し紹介をします。
米国は、日本の約25倍の国土面積を有する国であります。国に50の州がありまして、郡というのは、その州の下位の行政区分になっております。面積は州によってばらつきがあるんですけれども、大体、通常HPAIが発生した場合に設定される半径10キロのコントロール区域を包含できる最小の行政単位ということで御理解いただければと思っております。
資料に米国の地図をつけてございます。特に養鶏産業の盛んな州、ジョージア、アラバマ、アイオワを州で線引きをしておりまして、その中にある細かな区切り、これが郡になってまいります。郡を面積的にいいますと、(大きい郡、小さい郡、ありますが平均すれば)日本の東京都全体のちょっと小さいぐらいの範囲が郡の行政区分になっているとイメージしていただければと思います。
郡によりますが、中心部が市街地で、家きん農場等は郡の辺縁部に所在していることが多いと聞いております。
次に、評価内容についてです。
まずHPAI防疫対応に関する計画を説明します。
まず、米国では農務省、USDAがございまして、そのもとに動植物検疫局、APHISという局が設置されております。そのもとにVSといいまして獣医部が組織としてあります。その組織の長が、CVO、首席獣医官です。このAPHISが、海外動物疾病が発生した場合の一義的な対応、管理の責任を有している連邦機関であり、対応計画を策定をしています。
根拠法令として、我々にとっては家畜伝染病予防法ですが、米国では家畜衛生保護法と いうのがまず総則法としてありまして、そのもとに連邦規則というものを定めております。
CFRというものですけれども、そこで法で定められた権限を執行するための根拠規定を定めている。さらに、いざ重要な海外動物疾病が発生した場合、どう対応すべきかという準備対応計画がつくられていて、今回ご議論いただくHPAIの発生があった場合の計画として、国家HPAI対応計画、レッドブックを定めて、発生した場合の細かな対応を定めているところです。レッドブックは、日本の特定家畜伝染病防疫指針に当たるものでございます。これらの内容を精査した結果、対応計画、法的な整備は整っているという評価です。
次に人員計画のところでございます。
対応計画において、HPAIが発生すればAPHISが防疫対応に責任を持つんですけれども、具体的な実行は、州の獣医当局がAPHISと緊急対応チームをつくり、その発生に対応していく。そのための人員も準備されております。日本で発生した場合、対策本部を私どもの本省に置きながら県に現地対策本部を設置してというようなイメージで、それぞれが連携を持ちながら、発生に対して人員は足りているか、防疫資材が足りているかなど状況を把握しながら、適時、的確な防疫措置を講じられるシステムをということでございます。
次に、HPAIの防疫対応についてです。
早期摘発・まん延防止が発生した場合の一番大事なところなんですけれども、HPAIは症状があらわれますので、パッシブサーベイランスを一番重視し、症状のあまりないLPAIに対するアクティブサーベイランスを種々のサーベイランス計画のもとで実施をしているということでございます。
一番メーンのサーベイランス計画が全米家きん改良計画、NPIPという計画でして、全州で行い、これは商業用家きんの100%をカバーしているものでございます。日本向けに輸出される家きん肉は、全て商業用家きん農場からの輸出になりますので、その計画をしっかりとクリアされたものが送られてくる。それ以外にも全米鶏肉協議会、また生鳥市場のサーベイランス─生鳥市場というのは、特定の民族、アジアとかヒスパニック系の、そういう鶏肉に関する需要を満たすために設置されているものですけれども、それらに対してのサーベイランスも別途行っておりますし、野鳥のサーベイランス、米国には4つの渡り鳥のルートがあると言われているんですけれども、それらについて米国ではリスクに応じ、湖とか沼等野鳥が飛来する場所をリスクの高い場所として、そこから独自に野鳥に対するサーベイランスをAPHISのみならず関係機関と協力し合いながら実施しているということです。
診断につきまして、まずは確定診断が行われるのは、NVSLという国立獣医学研究所であり、鳥インフルエンザのレファレンスラボですけれども、その他全国に56施設、全米の動物衛生研究所ネットワークNAHLNというものを敷いてございます。公的、民間の研究所もあるんですけれども、全てNVSLが、その診断機関の精度管理も含めて監視・監督をし、適切な診断結果が得られるような体制を敷いてます。
なお、HPAIが大発生した場合には、診断がしっかり対応できるのかということがあるんですけれども、発生時には米国全土のNAHLN、地方の動物衛生研究所ネットワークから検体採取、または検査のための人員が、その発生州のネットワークに糾合されるような、人員が融通される仕組みを整備しているところでございます。
次に、不法輸入対策。密輸阻止、貿易の適法性確保のためのプログラムを実施して、違法の輸入物品が取り扱われる市場等の調査を水際で対応しているという状況です。また、緊急時の対応能力向上のため、各州の家畜衛生当局の実際に初動措置を担当するメンバーに対する訓練を実施しているところです。
あと、数理学的モデルによる対応策の評価ということで、2014年、2015年の大発生を受けまして、発生した場合、どのように蔓延していくのかシミュレーションして、どこに必要な物的・人的資源を投入すべきかという数理学的モデルを家畜衛生センターで実施をしていると聞いております。
あと、バイオセキュリティーが甘かったために、2014年、2015年、大発生に至ってしまったという米国の反省から、USDAのホームページにおいて飼養衛生管理の徹底を呼びかけるための啓発指導が公開されております。裏庭農場も含めた全体の飼養者が見ることができ、しっかりと運用されているかどうかについても当局が管理しているということで聞いております。
あと、次に、発生後のまん延防止措置ですけれども、図にございますように、まずHPAIの迅速な摘発のために推定陽性例というものが確認されれば、CVO、またはAPHISの長官から各地域事務所に殺処分をするということを許可する通達が出ます。それに基づきまして、ここの図1にあるような流れを踏んでいきます。まず殺処分する、発生農場の隔離をする、そして疫学関連農場の追跡をするということが24時間以内に行われるということになります。この段階で日本に米国から速やかに通知されるということです。
なお、2014年、2015年には、24時間以内に殺処分できないような大規模な発生に至った。それがウイルス量をふやしまん延をさせてしまったという状況があったものですから、それを受けまして、24時間殺処分できないような場合、通常は二酸化炭素ガス、水性泡剤に よって殺処分を行うんですけれども、場合によっては家きん舎、ウインドレスの鶏舎等の換気遮断を通じた殺処分をするという措置もとれるようなことになっております。
もう1点、補足説明をしますと、3ページの下から3行目、殺処分された家きんの死体、汚染されている物品を「堆肥化、地上部への積み上げ」ということで書いてありますが、ちょっと表現ぶりがまずくて申しわけないです。英語ではランドフィルと言っておりまし て、これは、殺処分された家きんをそのまま埋めるのは埋却なんですけれども、このランドフィルというのは、産廃処理場へそれを持っていきまして、それを産廃処理場のところ で積み上げる、ランドフィルするんだというような意味ですので、補足説明をさせていた だきます。
あと、24時間経過後、感染地域、バッファーゾーンの制限区域の設定等の防疫措置がしっかりと機能しているかどうか検証を踏まえながら、72時間までに全ての措置を講じられるような体制になっております。
なお、発生した場合の移動制限ですが、米国においては発生農場を周囲半径3キロの感染地域、感染区域の外側の7キロをバッファーゾーンとしまして、この3キロ、7キロ、合わせて10キロをコントロールエリアと定義してございます。日本における措置の移動制限区域、搬出制限区域と同等の区域をコントロールエリアとして防疫措置を講じる対応を設けているということです。基本は、その中の家きんはもとより、家きん生産物、由来製品の移動は行われないということです。発生
終了後、適切な処分、または消毒等が実施されて、問題がなければ防疫措置完了後、解除されていく。一連の防疫措置が完了して、21日間新たに発生がなければ、その発生農場は制限区域が解除されるということで、レッドブックに記載されてございます。
次に、発生に伴う発生状況を3点ご説明をします。
2014年、2015年の発生では、15州の211の商業用家きん及び21の裏庭農場で発生が確認されて、4,300万羽の鶏、740万羽の七面鳥が処分されました。経済的な損失としましては33億ドルを、防疫措置等を含む全体の経済的な支出として計上したということです。
この大発生につきましては、感染拡大の要因を3点、米国は挙げております。まず1点目に、農場間での器具の共有が頻繁に行われていたこと、2点目に、バイオセキュリティーが甘くて、農場において野鳥の侵入を許してしまったこと、3点目に、作業者、訪問者に対する指導が徹底されていなかったことが原因として挙げられております。大発生になりましたので、ウイルス量が莫大にふえて、鶏舎同士が近接しているためエアロゾルによる感染、また、適切な死体の処理、衛生管理の不遵守も要因として挙げられているところです。
そこで、どのように米国としてバイオセキュリティーを強化したのかということです。米国では、2016年2月に連邦規則を改正し、レッドブックに、バイオセキュリティーをしっかりとやっていないと発生農場に対し補償しませんよと規定するとともに農家に対する啓発を積極的に行うこととした。バイオセキュリティーの向上に向けてウエブサイト等を用いて紹介をし、しっかりと運用されているかどうかを、少なくとも2年に1度、州当局により実行状況を確認することをもって、バイオセキュリティーの甘さの穴を埋めたということでございます。
発生に係る対応につきましては、2014年、2015年、ここまで米国としても大規模発生に至るとは思っていなかったんだと、油断があったんだということで書いてありますけれども、その際には3,400名以上─請負業者3,000名が投入されたんですけれども、これは急ごしらえというか、殺処分の作業が間に合わずに処分し切れないという状況をもって、急遽パートタイムというか、それで作業者を募ったという状況でございます。
6ページ下段のほうに、今まで述べてまいりました2014年、2015年を境とした強化措置を詳しく載せております。
次に2016年、強化措置を踏まえた上での発生ということになるんですけれども、2016年1月、インディアナ州で、まず1件発生しました。高病原性の鳥インフルエンザH7N8のタイプです。2014年、2015年とはタイプが異なりますが、これらについて強化された防疫措置のもと、実際に換気遮断等の措置も講じられております。その後は、発生農場と関連の周囲8農場において低病原性の鳥インフルエンザの発生が確認されましたが、郡単位で押さえ込んだ状況になってございます。
2017年、今年に入ってからも3月2日にテネシー州で発生を見ております。これも高病原性ですが、同じコントロールエリア内に所在していた1農場で、HPAIが確認されております。それらの発生は水平感染と考えられてはいるんですけれども、郡内でおさめております。
また、そのほか、サーベイランス計画に基づいて実施されたLPAIに対する結果として、アラバマ、ケンタッキー、ジョージアでLPAIが確認されている。しかし、これらについては水平感染等は認められなく、いずれも単発の発生に抑えられております。
我々評価チームとしましては、現状として、大発生以降、2016年、2017年と発生はあったんですけれども大規模発生に至らず、防疫措置の強化策が効果的に作用していると評価してございます。
最後に総合評価ですけれども、米国におけるHPAIの発生予防、発生時の蔓延防止に対する対応計画、人員計画は整備されている。また、サーベイランス及び啓発活動の実施による早期摘発体制、また緊急対応計画に基づく防疫措置の実施、早期封じ込め体制、清浄性確認のためのサーベイランスの実施体制が整備されていることを改めて確認をしました。これらは州単位の導入のときにも確認をしておるんですけれども、今回改めて確認をさせていただきました。また、2014年、2015年に大規模発生後、強化策を講じ、2016年、2017年について、発生規模はいずれも限定的であったことを確認しました。
以上の状況をもって、米国でHPAIが発生した場合であっても、今、現状の家畜衛生体制、防疫措置を講じられれば、設定されたコントロールエリア内に封じ込められる可能性が高いと考えてございます。今回の評価につきましては家きん肉等を通じて我が国にHPAIウイルスが侵入するリスクを評価、ご議論いただくんですけれども、我々リスク評価チームとしましては、家きんの発生地域を郡単位に適用したとしても、それ以外の地域からの家きん肉を通じてHPAIウイルスが
我が国の家きんに広がるリスクは無視できるのではないかということで考えてございます。
次に、講じるべきリスク管理措置を考えております。ひとたびHPAIが発生したときに、発生が単発で終わるのか、水平感染して蔓延してしまうのか、それは、そのときのウイルスタイプとか感染力によっても大きく左右されると思っております。したがって、やはり輸入するに当たっては、日本に入ってこないようなリスク管理措置を講じなければならないと考えております。まずHPAIが発生した場合、米国から速やかに情報提供があるんですけれども、そのものについて水平感染が起きていない、また、仮に起きている場合であっても、当該郡内に限定されていることを確認する必要があります。また、実際に疫学関連のところで発生がないかなども含めて米国側から情報をもらった上で、郡に縮小できるかどうか判断すべきだと考えており、まず今、現状適用されている州単位のものを維持しながら、その中で防疫措置の状況、発生状況等を見きわめて判断していくということが必要かなと思っております。その上で、【2】の(a)、(b)、(c)、(d)の前提条件を二国間の家畜衛生条件の中には盛り込んでいきたいと考えています。
また、仮に州を郡に縮小した場合であっても、不測の事態が生じ、その他の郡で発生が続発するような場合には、やはり野鳥による単発の感染ではなく、郡を超えた水平感染だということが強く示唆されるようなときには、一旦また郡から州へ戻す措置を講じられるように、米国と今後協議をしていく。ある意味、発生状況を見きわめた上での臨機応変な対応というか、検疫措置を講じていきたいと思っております。
すなわち、現状のリスク管理措置を家畜衛生条件の中に盛り込むための日米協議を続け、合意できれば郡単位を適用しても差し支えないのではないかということが私ども評価チー ムの総合評価でございます。

伊藤小委員長
ありがとうございました。
それでは、本件につきまして委員の皆様からご意見やご質問等がございましたらお願いします。
その前に、まず私のほうから少し質問というか、意見というか、させていただきたいんですけれども、先ほど事務局のほうから説明がありましたように、2012年ですか、米国に対してこれまで州単位での地域主義を認めてきたというところですが、この今の段階で、それをさらに郡単位にまで緩めるということの必要性というか、先ほども申し上げましたように、この高病原性鳥インフルエンザの世界の状況というのは決して楽観視できるような状況じゃない。いろいろなことがEUも含めて、あるいはアメリカ国内も含めて発生している段階で、なぜこの時期に緩める必要があるのかということに関して、一度ご説明をいただけないかと思いますが。

林課長補佐
ありがとうございます。
現状としまして、郡単位の評価ということなんですけれども、なぜ今なのかと問われま すと、まずアメリカから要請があったという前提があります。基本、私どもリスク評価チームにおきましては、要請があった国、地域から情報をいただきながら、そのものについて、発生がその国の衛生体制、獣医組織体制でしっかりと封じ込められるのかどうか、そういったものを評価する。すなわち今回の場合であれば、アメリカの防疫措置、防疫体制は半径3キロ、10キロの防疫制限エリアを設けて、なおかつ郡で封じ込められるかどうか。現状の病気の発生によって輸入停止措置を講じられる範囲というものが州というのは、日本でいうと半分ぐらい、日本の半分ぐらいの地域が一遍に1つの発生によってとまってしまう。他の影響を受けていないような農家も、それらの農家の養鶏、鶏肉、卵等がストップするような貿易への影響を少しでも緩和したい。でも、単に緩和するのではなくて、そ の中でやはりしっかりと防疫的な安全を確保しつつ縮小したいんだという要請でございました。
我々としましては、米国側からの要請を受けて、そのものについて科学的、技術的な検討を行った上で、郡単位、半径10キロを含む最小の行政区分単位として導入するかどうかを評価し、今回小委の先生に議論いただける状況に至ったということです。答えになっているかどうかあれですが。

伊藤小委員長
お聞きしたかったのは、州単位でこれまで認めていた中で、それをさらに郡単位に狭めるという要求がアメリカから来た、その理由です。

林課長補佐
理由につきましては、米国からの要請であり、輸入停止となる地域を縮めたいという要請ですけれども、片や一方、私どものほうでも双方で検疫協議を継続している状況がございます。発生のリスクをやはりしっかり双方、両国でシェアしようじゃないかということがゾーニングの相互認証の協議の部分だと思っておりまして、今回の評価では一面的には州を郡に縮小するような形には見えるんですけれども、その範囲を防疫的に許容できるかどうかは日本で発生した場合も、アメリカに対して輸出がその地域以外からとまらないような検疫協議の交渉を今続け、まとまりそうであるということです。

熊谷動物衛生課長
端的に答えたほうが多分よかったと思うんですけれども、例えばEU域内は、これはメンバーなのでというのはあるんですけれども、半径10キロ。日本も半径10キロですけれども、アメリカも他国の先進国、これもEUを例示にとれば、EUとアメリカとの間では半径10キロなんです。ですから、彼らは─彼らというか、私どももそうなんですけれども、今、輸出する気になって最近思うのは、日本が今措置している封じ込めのエリアと同じものでトレード、こっちは貿易のほうのトレードが続けばいいなという、そういう思いがあっての、どちらかというと狭いほうが一番の各国が、いわゆる先進国と言われている国がやっている封じ込め措置で、その前段には組織体制がしっかりしているということだと通報体制が早いという、これがあって、さらに封じ込めがあると、日本がそうだったように横に広がらない。
そういう意味では、半径10キロというのは、恐らく世界を見渡したときに一番防疫措置にしっかり取り組んでいる国々のスタンダードな層だということでございますので、本来は最初から10キロを要求したかったのかもしれませんけれども、日本との関係での協議では、少し広いエリアから協議してきたというのが実態でございます。これは協議ということですので、そういうことでございます。

伊藤小委員長
わかりました。ただ、日本の場合は極端に言うと、10キロでの防疫がもう10年以上実績がある国として自負できる国としてございますが、EUの諸国にしてもアメリカにしても、その条件を同じように適用するにはかなり厳しい目で、科学的な目で審査をしないといけないのではないかなというふうに思っていて、それであえて、なぜこの時期にそれをしなければいけないのかなという質問をさせていただいたんです。わかりました。
それでは、ほかに委員の方々からご意見等ございましたらお願いいたします。白田さん、どうぞ。

白田委員
今回、この資料を検討してくれということでご連絡をいただいた際に、養鶏業界で私は仕事をしているものですから、ぱっとイメージしたこととしては、日本は、外国から採卵鶏やブロイラーの親鳥を入れていたり、原種鶏を入れているというようなことがあります。例えばアメリカで原種鶏農場のある州で、鳥インフルエンザが発生すると、そこからの種鶏の輸入がとまる。だいたい、種鶏の供給については、会社のほうでリスク分散ということで、原種鶏農場をアメリカやヨーロッパという具合に、いろいろなところをリスクヘッジのために数カ所持っています。しかし、リスクヘッジした種鶏が全て同じではなく、例えば、アメリカから輸入していた種鶏を、EUのほうからの種鶏を入れた途端に、日本の一般的な病気、例えばアデノウイルスだとか、そういうものがブロイラーのほうがコマーシャル農場で発生しちゃったとか、そういう話もあります。現場サイドとしては、あまり種鶏、原種鶏をいろいろ入れかえることを好まないというのが、まず業界の要望としてはあります。向こう(アメリカ)も、出荷というか、輸出する立場としても、バイオセキュリティーがきちんと整備するから、州から郡に狭めて、できれば出荷をさせてほしいということなのかなと理解して資料を読んだわけなんです。
ただ、ちょっと私のほうとして、今、伊藤先生がおっしゃったように、(制限区域を週単位から郡単位に狭めるということを)安易に許すというのはどうかと思うんです。ただ、ちょっと私たちは具体的にわからない点がありまして、結局今、アメリカから日本に対して種鶏がどれぐらいの頻度で、どういう地域からどんな感じで輸入─向こうから言う と輸出ですね。こっちは輸入ですけれども、されているのか。実績というのはどれぐらい のものなのか、ご存じでしたら教えていただきたいところです。
私のイメージしたのは種鶏とか原種鶏のことなんですけれども、家きん肉とか、そういった物量というんですか、どういったものがどのぐらい日本に、どういうところから輸入されているという資料がございましたら教えていただきたいなと思います。よろしくお願いします。

林課長補佐
今、確認しておりますので、戻ってき次第報告します。

伊藤小委員長
その前に、私のほうからもお聞きしたいんですけれども、種鶏に関しては英国に対してコンパートメント施設からの輸入というのは我が国も認めていて、米国の今回の要請の中には、それは含まれていないですよね。家きん肉等の……。

林課長補佐
コンパートメントについては要請は受けておりません。

中島委員
質問をさせていただきます。
今回の米国からの要請は、郡単位のゾーニング適用を米国一律に認めていただきたい、継続としてということだと思うんですが、先ほどのご説明の中に、2014年、2015年で大規模な発生があったミネソタ、アイオワでは種々の課題があって、それに対して対応の強化を行った。その対応を行った結果、どういうふうに強化が行われたのかという検証として示されているのがインディアナ州での七面鳥の発生とテネシー州での家きんの発生ということで、恐らく防疫体制に関しては州ごとに随分違いがあるんではないかというふうに思うんですけれども、肝心のミネソタ、アイオワでどういうふうに強化がなされて、それがどういうふうに検証されたということが示されていないんではないかと思うんですね。
ということであると、この今のご説明で、果たしてミネソタ、アイオワの問題というか、課題が克服できたのか、対策が強化されたのか。米国全体で見た場合に、その対策の強化がどの程度実施されているのかという検証がもうちょっときちんと何か出てこないかなという気がするんですけれども、いかがでしょうか。

林課長補佐
ありがとうございます。
検証につきまして、先ほどお話ししました2014年、2015年以降の発生を例にとってご説明をしているんですけれども、我々、その後の米国の発生結果をもって、強化策が講じられ、的確に運用されているから郡内に封じ込められたという結論づけですけれども、さらに深掘りというか、検証していくべきものはあるのかなとは思っています。ただ、現状、発生があって、そのものについて措置が適用され、そのものが本当に運用上うまくいっているかどうか、評価に当たっては、現地に私ども評価チームを派遣して防疫措置等は確認をしましたが、テネシーなりはこの程度でおさまったんだという、いわゆる科学的・技術的な検証というものは、踏まえる要素が多くあり、なかなか難しいことだと考えております。ウイルスタイプも違いますし、感染力も違いますし、強化策が講じられたことのみをもって郡単位を適用できるとの判断は一面難しいのかなと思います。

中島委員
ご質問としてさせていただいているのは、この4ページの(4)、【1】の発生 状況で、先ほど資料の説明でもありましたけれども、下から5行目の文の中で、ミネソタ州、アイオワ州では問題の原因として、養鶏場間での器具の共有とか、野鳥の侵入、作業 者、訪問者が挙げられている。バイオセキュリティーの遵守の不備というものも指摘されている等々の課題がそこで指摘されているわけですから、当然そのフォローアップとして、その課題がちゃんと対応されていて、それが遵守されているということが、少なくともその後、この発生した州ではフォローアップされるべきだと思うんですね。だから、少なく とも反省として上がった課題として認められているところに関しては、それがちゃんと克服されましたよということは確認する必要があるんではないかというのが質問の意図であります。

林課長補佐
ミネソタ、アイオワにつきましては、2014年、2015年の発生を受けまして、現地調査に行っております。そこで委員のご指摘のあった農場間での器具の共有とか野鳥の侵入、作業員、訪問者のいわゆるバイオセキュリティー上の取り扱いについて聞き取っ た上で、改善されている、強化されていることを確認してございますし、先ほど来お話をしておりますレッドブックの中にも、それ以降、農場間での器具の共有をやめるべしとい うような条項が入ったり、野鳥の侵入についても農場における飼養衛生管理を徹底すべきというようなものについて入れ込まれ、米国当局としても監視する体制ができ上がっているところです。また、作業者、訪問者の部分への啓蒙につきましても、ウエブサイトとか生産者との集会、またラジオとか新聞、雑誌等を通じ啓蒙をした上で、養鶏産業に携わる関係者の方々が衛生意識を高められるような対策を米国として可能な限りやっておるということは確認をしてございます。
なお、強化策につきましては、今回、概要版にはお示しはしていないんですけれども、詳細版の19ページ以降に準備・対応の強化というところで、強化されたそれぞれの事項について列記してございますので、ご確認いただければなと思っております。
先ほどご質問のございました米国からの輸入の実績、そういったものについて回答させていただきます。
まず、生きた家きんのひな、初生ひなですけれども、米国のほうからは2014年、約3万5,000羽、2015年、8万羽、2016年、約17万羽が輸入されてございます。家きん肉につきましては、大体押しなべて2万2、3千トンが輸入されているという状況です。卵につきましては、大体8,000か
ら1万トンぐらい、卵として輸入されているという状況でございます。産地につきましては、ブロイラー種鶏、それはアラバマとかジョージアに集中しておりまして、採卵鶏につきましてはアイオワがメーンな生産州になってございます。

伊藤国際衛生対策室長
補足ですけれども、また2014年、2015年の発生というものの同じものが来るというのはなかなか考えられないものですから、中島委員がおっしゃるとおり、やはりそのとき起きたことの検証ということ、改善策、これの検証はどうできているのかというのは、今後これを考える上で非常に重要な点だということで、私どももそれを調べて、あと、ここにいる北野が現地のほうに行って、それを確認したというようなことでございます。

北野専門官
先ほど林から説明は既にさせていただいたんですけれども、2014年、2015年の発生の後に清浄性評価のためにミネソタ州、アイオワ州、両州を訪問させていただきまして、両州の当局と意見交換をしたりとか、あと実際、農場を訪問したりして、バイオセキュリティー、特にここで指摘されているようなことに関して改善が図られているということを調査してまいりました。

西藤委員
やはり2014年、2015年の大きな発生を受けて、その後どうなったかというと、どういうふうな対応が練られたかというのは非常に気になるところで、確かに2016年、2017年の発生、今ご説明がありましたように、高病原性鳥インフルエンザが発生した場合は1例、テネシーの場合は2例のほうにおさめられたということで、発生した後の対応というのはかなり迅速になっているのかな。ただ、これは2014年、2015年の発生と、多分侵入・発生そのものの形態が違うので
、ちょっとなかなか同一視はできないのかもしれませんが、見つけたらすぐに対応ができるということにはなっているのかなとは思うんです。一方で、低病原性に対する、最初のほうにご説明がありましたが、アクティブサーベイランスはやはり低病原性の鳥インフルエンザを中心にというか、それを検出するためにやっているという、これは日本でも恐らくそうなんですが、そういう観点から見ますと、2016年にしても、高病原性の発生があってからコントロール区域内で8農場の低病原性の発生、非常にウイルス学的に似たものを見つけたと。2017年のほうも、実はテネシーの件では3件の低病原性が出ていて、これも高病原性が発生してから見つかっているのではないか。アラバマのほうも似たようなウイルスが見つかっているということで、そう考えると、低病原性に対するアクティブサーベイランスの評価というのを少しきっちり、それがどれぐらいできているのかということについて、少し気になるところがあったんですが、その辺については何か検討事項とかございましたでしょうか。

林課長補佐
ありがとうございます。
アクティブサーベイランスにつきましては、詳細資料の中の4ページから、それぞれのサーベイのデザインをおつけしておりまして、その中である意味、西藤先生ご指摘は、このサーベイランスがきっちりとできていないんじゃないかというようなご指摘かとも思うんですけれども、やはり現状として、なかなか発生があった状況をもって周りを見てみて「あら、LPAIがありました」というような、結果的にはそのような状況になっています。
ただ、米国からの情報によりますと、まずサーベイデザインとしまして、各州で1%の有病率を摘発できるような水準で農家を選び、その農家において25%有病率、95%の信頼性の中でサーベイデザインを組んで、そのものについてサーベイしている結果がお示ししてあるとおりなので、現状、デザインが妥当かどうか、逆に先生方の技術的な見解なりをいただければなとは思っておるところでございます。

伊藤小委員長
ほかにございませんか。筒井委員、どうぞ。

筒井委員
すみません。冒頭のリスク評価のやり方についての質問です。お話があったように、ここは獣医組織体制、それから法整備への実施状況についての評価をメーンにするということだったんですけれども、発生とか蔓延リスクの評価ではないということだったように聞いたんですが、例えば、そうしますと、これは野鳥による発生がほかの郡内で出たときには、これは水平感染ではないから、これはまた同じようにゾーニングをして、次々とゾーニングしていくということになるんですか。

林課長補佐
野鳥における発生リスクというのはどこでもありまして、同じ郡内であっても、野鳥が飛来する場所によって単発的に発生することがあり得るんだとは思っています。ただ、明らかにそれが水平感染ではない、野鳥によるものだということが強く示唆されるものであれば、郡は適用を維持しながら、その制限を設けていくような形で考えております。

筒井委員
そうすると、恐らく冒頭課長がおっしゃられたように、これは相互にそういう発生のリスクを受け入れるということで、ここでは州単位を郡単位に変えることによって、恐らく州というのは、ある程度周りにリスクがあるんだろうということで、そこで発生はするんだろうということで、そこをがばっととめているわけですよね。ただ、個々になると、コントロール措置を完全に信用して、その周辺の措置以外のところは、例えば日本で発生があったのと同じように、そこで周りで起こることについてはリスクを受け入れましょうということですよね。したがって、そう考えると、このリスク評価で、じゃ、その周辺で起こる発生というものについては、日本はみずからそこは受け入れますよということ。いわゆる単発的に起こるリスクというのは、相互承認の上で日本は受け入れましょうということですよね。
ですから、私、相互承認は、それは構わないと思うんですよ。その相互承認、日本も受け入れて向こうが受け入れてくれるなら、それはある意味国際的な流れかもしれませんので、そういうことはあるのかもしれませんけれども、そこの評価は、この中ではされていないんですよね。いわゆる封じ込めはできるという評価はされているんですけれども、じゃ、同じような発生があったときに、野鳥なんかですと、当然隣の郡で出る可能性は高いわけですよね。そこのリスクはどう考えられるのかというところが、少しこの評価の中でわからなかったんですよ。
つまり、早期発見をして、日本と同じように、そういう日本向けの肉は絶対そこから出ませんよと、すぐ早期に見つけて出荷する前に抑えますよというような話があるのであれば、何となく日本へのリスクは低いなという気がしたんですけれども、その辺のいわゆるゾーニングと言っても、州単位と、ある程度広い周辺の発生も加味した上でのリスク評価ではないという点についてのところが少し抜けているような気がしたんですけれども、その点はいかがですかね。言っていることはわかりますか、言いたいことは。

林課長補佐
郡の中での発生……。

筒井委員
再発は絶対ないですよ。恐らくないと思います。

林課長補佐
ええ。ただ、その周辺の郡で発生する可能性というものは否定できないとは思っています。ただ、その隣の郡で発生すれば、その郡についてはもちろん発生郡として輸入停止措置を講じられるわけですし、なおかつ現状、郡の適用した中で、郡を越えて水平感染するような事象というか、移動制限なり、そういったものが機能していなくて、そういったものを越えて動いてしまったんですというような状況がわかったときには、それはやはり郡単位の適用はできないので、それは州に逆戻りさせるようなリスク管理措置を講じなければならないのではないかと思っております。

筒井委員
ただ、水平感染での発生であったとしても、野鳥での発生であったとしても、発生した事実は変わらないわけですよね。そのときのリスクをどう考えるかということだと思うんですね。それは、例えば、言葉は悪いんですけれども、アフリカ豚コレラ、何でもいいんですけれども、その近くで野生動物が広げている状況の中で、豚農場から豚農場へうつらないからといって、そこの豚農場のリスクがほかの地域に比べると低いわけでは ないんですよね。そういうリスクをどう考えるかということだと思うんです。

伊藤国際衛生対策室長
というのは、例えば昨年のようにたくさん野鳥で全国的に出ましたといったときに、日本全国をとめるべきじゃないかということですか。

筒井委員
アメリカはね。

伊藤国際衛生対策室長
しかしながら、国際基準によっても、野生で起きたものについては、これは発生ということではないので、それ自体をとめてしまうということはなかなか、全体をとめてしまうというのは難しいので、起きたらそこのところをつぶしていくというようなことではないんですか。

筒井委員
それは構わないんですけれども、今まで日本は海外に対してそれをやっていなかったわけですよね。発生があったということは、ほかに隣で発生する蓋然性が高いということで、その国をとめたり周囲をとめたりしていたわけですよね。今度は発生の封じ込めを信用しましょうと。隣に発生するかもしれませんけれども、隣の封じ込めという措置を、結果としての措置を信用しましょうということで、私はかなり大きな考え方の変換だというふうに、実はこれを見たときに思ったんですよ。いわゆる封じ込め、コントロールを認めましょうということなので、ですから、私はだめだと言っているつもりはないん ですよ。そういうことは、恐らくこれからの国際社会の中では、相手国の措置を信じて、お互いにそのリスクを受け入れましょうということはありだと思っているんですけれども。

伊藤国際衛生対策室長
おっしゃるとおりだと思います。基本的には措置の同等性ということですよね。日本でも、発生した地域で制限区域を設けて、それ以外のものについては野生動物での発生があったとしても、そこは流通をしていますから、それから見れば、日本と同じものを相手国に求める、相手も日本と同じものを求めるという措置の同等性という意味では、今後ともずっとそういう方針になっていますけれども、そういうことになると思います。

筒井委員
ということは、今まで認めていた、いわゆる州の考え方とは全く違う考え方であるということですよね。そうにはならないんですか。

北野専門官
すみません。理解が間違っていれば恐縮なんですけれども、今のご指摘というのは、ある郡で出たときに、そこのエリアで野鳥によるリスクが高まっているので、隣接している郡に対して予防的にどう考えるかという話じゃないかなと思うんです。今の我々の考え方としては、OIEコードに照らしてポートリーで出たときにとめる。それは前提としてあって、ある郡で出たときに、その郡をとめます。その後、近隣郡で出たときに、それが明らかに野鳥によるものだと、米国当局の分析によってそれが明らかなのであれば、単発で判断して郡単位で続けるということになると思いますけれども、もし多発的に、そこで野鳥がウイルスをいっぱい持っている可能性が高いので、近隣郡で野鳥による事故がいっぱい起こってしまった場合は、こちらからしたら、もうどちらなのかわからない。そういう場合は郡単位でぽんぽん続けるというよりも、一旦州単位を維持するということになります。なので、相手の措置を信用する部分もあるんですけれども、今の州単位の考え方と完全に相手を信用することの間というようなイメージですね。

筒井委員
すみません。私ばかり質問しても変なので終わりますけれども、私が言いたかったのは、措置はできるんですよ。ただリスクは違うだろうと言っているんですよ。リスク評価というのは、リスクを評価して、その上で措置をかけなければいかんので、州単位でかけるよりは、その上でのリスクは多分高いはずなんですよね。それに対してどう対応するかというのはあくまで措置であって、その高いリスクに対してどういう措置をとるかということなので、もしこれがリスク評価というのであれば、そこの高まったリスクに対してどう対応するかということについて整理する必要があったのではないかというのが私のコメントです。

伊藤小委員長
ありがとうございました。何か発言されますか。

熊谷動物衛生課長
すみません。私も平成16年の日本の国内の初発のときもいましたけ れども、たしかその前に日本国内の措置も半径30キロとか、広い面積をとって、その間に
流通できない卵も、もう一日に100万個オーダーみたいな感じで累積したんですけれども、別に日本の防疫措置が最初からすぐれていたとは言うつもりは全くなくて、それでいろいろな経験をして、あと法制度も改善されて、今になって国内の措置であれば、あと農家の 方々の早期通報も含めて、そうすると半径10キロで、また清浄性確認などをすることによって、産品によっては速やかに動かせるような形になってきています。
そういった意味で、やはり相手国と日本の措置の同等性を確認することが一番で、あと、リスクの話はあるんですけれども、それはどちらかというと将来性の話が含まれてくるので、やはり同等性、いわゆる通報が農家の方々の教育がしっかりしていて、あと蔓延防止の取り組みが日本と同等レベル、そこを評価していただいて、そのレベルの中で、10キロまでいくと、これはまさに同じ周辺のリスクを評価するという話になるんですけれども、今やっているのは、州単位を郡という、ちょっとサイズの違いはあるんですけれども、そこの範囲ですので。
あとは、もう一つ言いたいのは、やっぱり将来のリスクになってしまうので、あくまでも10キロをおいたときに、その外は同じかというと、同じじゃないんですけれども、日本も10キロでおいている。あと、今見ているのは30キロでしたっけ、日本国内。

石川家畜防疫対策室長
10キロ。

熊谷動物衛生課長
10キロまでだよね。だから、そういった意味では、日本と同じ措置か講じられていれば、10キロ見ておけば、本来発生のポイントから見ておけば、リスクは見たのが面積になる。ただ、きょうはそのことを議論するつもりはないんですけれども、州単位という大きい網をかけていたのが、郡単位という網でも対応できる、信頼できる、日本と同じような措置ができている国かどうかということを評価いただきたいという趣旨です。

筒井委員
当然まん延防止措置はもちろん大変重要だと思うんですけれども、そういった、次に発生するかもしれない、ある意味じゃ高いリスクがあるのかもしれないですよね。そういった地域の中で、いかに日本向けにそういったものを出させないかというようなことについて、それが完全にアメリカの中で早期摘発でそういったものをさせないという状況にあるのであれば、それはそれで一つの考え方だとは思いますけれども、少しその点が気になったのでお話をしたという次第です。

熊谷動物衛生課長
ありがとうございます。
多分、先ほどの中島委員のご質問に的確に答えられていないのでこうなっていると思います。2つの州がその後とった改善策というのが、まさに2014年のときは、この中で、10キロの中でうつったケースとか、あるいは疫学的にうつしたやつがあったはずですので、それをどう改善したかについて具体的に、ただ、その改善したことによって発生がなくなったと言うことはできないので、改善した中身と、教育というのも詳細版には少し掲げていますけれども、もう少しこの辺を詳細にお示しすることによって、日本が今、この十数年かけて行ってきた防疫措置と同じレベルのものだということが理解できるようなデータでお示しすることがやはり必要なのかなというふうに思いました。
あともう一点は、低病原性のあれですね。アクティブサーベイというか、サーベイランスのお話についても、やはりどのようなサーベイをやってサンプリングしているかというのも、これも具体的に示す必要があるのかなというふうに感じております。ありがとうございます。

伊藤小委員長
ほかによろしいですか。どうぞ、森口委員。

森口委員
1つだけ、先ほど2016年、2017年のほうでバイオセキュリティーが上がったから封じ込めがうまくいって、家きんでの発生がかなり数が抑えられたというお話があったと思うんですけれども、この封じ込めがうまくいったかどうかというのは、もともとその地域に野鳥由来の持ってきたウイルスがたくさんあったかどうかというのもかなり関係していると思うんですが、野鳥での発生はどれぐらいあったのかというのが、2014年から2015年にかけての野鳥での発生と、2016年、2017年のときの野鳥での発生と家きんでの発生との比較というので見ることはできないでしょうか。

林課長補佐
ありがとうございます。
まず野鳥での発生事例ですけれども、2014年12月から2015年6月までに99例のH5亜型のHPAIが野鳥から検出されているという情報がございます。あと、2015年7月からの1年間では野鳥での発生が2例、2016年7月からの1年間でも2例ということで、委員ご指摘のように、ウイルス量がその当時、2014年、2015年、野鳥で高かったんじゃないかということはご指摘のとおりだと思います。まさにウイルス量自体で照らし合わせれば、2014、2015以降の野鳥におけるウイルス量自体は少なかったということはデータとしてございます。

森口委員
だとすると、バイオセキュリティーが向上したことを評価する根拠として家きんでの発生が少なかったことを挙げられていますが、封じ込めがうまくいったから家きんでの発生が少なくなったというのは、ちょっと言いにくいのではないかと……。

林課長補佐
封じ込められているという要因の一つに、もちろん強化措置もあるでしょうし、ウイルス量が少なかったから、そもそもそれだけの発生でおさまったんじゃないかということも、もちろんその中で考えられると思います。ですから、それによって、それだから郡にできるんですというところまでは言い過ぎかなというところがあります。さまざまな要因があると思っています。

伊藤小委員長
ほかにございませんか。よろしいですか。どうぞ、矢野先生。

矢野委員
すみません。先ほど熊谷課長さんからのご回答で、私の質問もほぼ解決したんですけれども、やはり同等の措置といいますか、防疫対応がアメリカでもとられているのかというのを、この前の大発生以降にきっちり改善されたのかというのを、私どもも非常に知りたいところです。日本では私ども家畜保健衛生所が飼養衛生管理基準に基づいて農家に行って点検して、それを数値化して出したり、そういうチェックをしているというようなこともあります。そういう防疫対応がどのレベルでされているのかということを、また教えていただければと思いますので、よろしくお願いします。

伊藤小委員長
ほかにいかがですか。よろしいですか。
じゃ、時間も過ぎておりますが、ほかにもしないようでしたら、本件につきましては、先ほど課長のほうから取りまとめのお話をしていただいたんですけれども、なかなか今回だけで結論を出すということは難しいと思いますので、事務局のほうで本日の意見を踏まえて論点をもう一度整理していただいた上で、再度小委員会を開催するということでいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(異議なし)

伊藤小委員長
それじゃ、そういうことで、本日はこれで家きん疾病小委員会─その前に、全体を通して委員の皆様から何かご意見、ご質問、追加がございましたらお願いいたします。
よろしいですか。
特にないようでしたら、本日の家きん疾病小委員会、終了させていただこうと思いますが、事務局のほうからは何かございますか。

熊谷動物衛生課長
本日は、大変熱心なご議論をありがとうございました。
米国における高病原性鳥インフルエンザ発生時の地域主義の適用範囲の変更につきましては、科学的根拠に基づいて、また国際的な水準にも照らし、また日本が十数年にわたって取り組んできた防疫措置の具体的な改善、またそれによって関係者が実際に実践可能な形で取り組んでいる、こういったこともございますので、今回の委員の皆様方のご指摘、あるいはご質問に答える形で、米国当局の協力を得て詳細なデータを集めた上で、また取り組みの状況を集めた上で、次回の小委員会に諮った上でご審議いただければと思っております。
ちょうど今、シーズンですね。渡り鳥も来て、また寒さも厳しくなっております。鳥インフルエンザの発生に予断を許さず、全国のまさに家畜保健衛生所、また生産者の方々、業界を挙げて協力体制を整えた上で、またこの年末年始も迎えたいと思っております。
委員の皆様方におかれましては、引き続き今後ともご指導、ご鞭撻いただけるよう、よろしくお願いいたしたいと思います。

伊藤小委員長
それでは、これをもちまして食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会第65回家きん疾病小委員会を閉会といたしたいと思います。
ありがとうございました。

午後3時09分   閉会

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