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食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会75回家きん疾病小委員会 及び令和2年度第1回高病原性鳥インフルエンザ疫学調査チーム検討会 合同会合の概要

令和2年11月5日から12月23日までに国内で確認された高病原性鳥インフルエンザ発生事例の1~31例目(※1)について、疫学調査の状況や今後の発生予防・まん延防止対策について検討を行った。
(※1)疫学調査の詳細については30例目まで

疫学調査の概要

令和2年11月5日から12月23日までに香川県、福岡県、兵庫県、宮崎県、奈良県、広島県、大分県、和歌山県、岡山県、滋賀県、高知県及び徳島県の計12県において発生した高病原性鳥インフルエンザ(H5N8亜型)の事例について、発生直後に実施した農場及びその周辺環境や、関係者からの聞き取りも含めた現地調査、分離ウイルスの特徴、環境省で実施している野鳥の調査等に基づき、農場における衛生対策の実施状況や農場への侵入要因の検討を行った。

1.発生の概要

(1)発生農場

  • 発生農場は滋賀県から宮崎県までの西日本に分散している。いずれの農場も、農場のすぐ側又は近隣に、カモ類等の野鳥が飛来するため池、川、水路等があり、この中には、現地調査の際に多くの野鳥が観察された池もあった。また、兵庫県(※2)を除きいずれの発生農場においても、周辺に雑木林等があり、野生動物の生息にも適した環境であった。
    (※2)兵庫県の事例の周辺は水田が主であったが、複数のため池も認められた。
  • いずれの農場も、野生動物の侵入防止対策等が実施されていたが、野生動物が侵入可能と考えられる箇所が確認された事例もあった。
  • 香川県では13事例が確認されており、そのうち東かがわ市で発生した2例目を除き、全て三豊市で発生している。三豊市においては、移動制限区域として設定された範囲内において発生が継続している。養鶏密集地域で複数の農場が短期間に感染することにより、環境中のウイルス量が増大していったことが想定されるため、それぞれの農場の周辺環境から野鳥を含む小型の野生動物、人等を介し伝播した可能性がある。また、発生農場同士が隣接又は数百mしか離れていない事例もあることから、農場間の伝播の可能性も引き続き検証する必要がある。
  • 一方、宮崎県では8事例が確認されており、このうち3~5例目は半径500m以内の地域において6日間で相次いで発生が確認された。特に、宮崎県3例目と4例目は隣接していたことから、農場間の伝播の可能性も考えられる。また、宮崎県3例目と5例目は約400mと近距離に位置していたが、川を挟んで両岸での発生であったことから、同じ川にいる野鳥が感染源となり、その野鳥又は野鳥を含む小型の野生動物が両農場にウイルスを運んだ可能性も考えられる。この他の事例については、それぞれの農場の周辺環境から野鳥を含む小型の野生動物、人等を介し伝播した可能性も考えられる。

(2)分離ウイルスの特徴

  • 国内1例目及び2例目で分離されたウイルスは、遺伝子解析の結果から昨年ヨーロッパで流行したウイルスや、今季北海道及び韓国の野鳥糞便等から分離されたウイルスと近縁であることが確認された。
  • 今後、国内外での家きんや野鳥から検出されたH5N8亜型ウイルスとの遺伝子レベルでの比較により、詳細な解析を進めていくこととされた。
  • 感染実験の結果から、国内1例目分離ウイルスは、過去に国内家きんから分離されたウイルスと比較して、鶏に対して高い致死性を示すものの、死亡するまでの期間が長い傾向が確認されたことから、引き続き死亡率の上昇を指標とする早期通報を徹底するとともに、死亡率が2倍未満の場合であっても、まとまって死亡している、元気がない、餌食いが悪い、沈うつ等といった通常と異なる症状等が認められる場合の報告の徹底が重要であると考えられた。

2.ウイルスの侵入経路

(1)国内への侵入経路

渡り鳥などの野鳥による国内への具体的な侵入経路については、今後、野鳥や家きんから確認されたウイルスの特徴や渡り鳥の渡りの時期等の情報を整理・分析の上、検討を進めていくこととされた。

(2)家きん舎への侵入経路

家きん舎への侵入経路については、一般的に、(1)人・車両の動き、(2)飼料・飲用水、(3)野鳥を含む小型の野生動物によることが考えられるが、推定される侵入時期及び経路については死亡羽数の推移、農場での侵入防止対策の実施状況の分析、鶏舎の内壁や床、入気/排気口付近、小動物の糞、死体・生体等の環境サンプルからのウイルスの分離状況等を分析し、検討を進めていくこととされた。

3.今後の対応

引き続き、分離ウイルスの性状分析(海外や国内野鳥での分離ウイルスとの比較を含む)、発生農場の疫学調査(環境サンプルの検査、必要に応じて、関係者への更なる聞き取り)、環境省との連携により全国的に野鳥に関する情報収集(死亡野鳥、糞便等)を行い、本病対策に活用することとされた。
複数の発生事例が確認された地域については、引き続き調査継続して発生要因等について整理を進めることとされた。

高病原性鳥インフルエンザの発生予防・まん延防止対策の強化・徹底

今季の31例目までの本病の発生事例を踏まえ、飼養衛生管理の更なる徹底等による本病の発生予防・まん延防止対策の強化・徹底について検討を行った。

  1. 都道府県においては、農場における更なる飼養衛生管理の徹底のために、地域や関係団体とも連携の上、地域の協議会の活用、直接訪問、飼養衛生管理者メーリングリストの活用等の方法により、指導強化を図る必要がある。

  2. 国内各地の野鳥等からも本病ウイルスが確認されていることから、全国的に本病が発生するリスクが極めて高い。国内1例目分離ウイルスは、比較的死亡までの期間が長いという感染実験結果からも、引き続き、日頃からの綿密な臨床観察によりまとまって死亡している、元気がない、餌食いが悪い、沈うつ等といった通常と異なる症状の早期発見・早期通報も含めた厳重な警戒が必要である。

  3. 野鳥やネズミ等を含む小型の野生動物対策の徹底が重要であり、小型の野生動物が家きん舎の外部から侵入し得る経路がないかといった点検に加え、野生動物を家きん舎近くに寄せ付けない対策も重要である。このため、家きん舎周辺の整理・整頓(家きん舎周辺に野生動物の隠れ場所となる物品は置かないことや、家きん舎周辺の草刈り)、さらには、周辺の樹木の枝が家きん舎まで伸びている場合にはその剪定といった取組も効果的である。

  4. また、ウイルスが人や車両を介して農場内に、さらには、家きん舎内に持ち込まれることを防止する観点から、車両は農場の出入口で入念に消毒、家きん舎に入る者は、特に手指及び長靴の消毒、家きん舎専用の衣服及び長靴の使用を徹底する必要がある。また、この消毒等の措置については、その実効性を高めるためにも、例外を作らない(どんな場合でも確実に実施する)、衣服や長靴の定期的な洗濯・洗浄、記帳により習慣づけるといった取組が重要である。

  5. 複数の発生事例が確認された地域については、防疫措置が完了していない状況にあっては、地域一体となった面的な消毒等の防疫の徹底が重要である。

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