このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

第27回 食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会牛豚等疾病小委員会 議事録

日時:平成29年12月22日(金曜日)13時30分~15時34分
会場:農林水産省   第2特別会議室

議事次第

1.開 会

2.あいさつ

3.議事

(1)最近の家畜衛生をめぐる情勢について

(2)豚コレラ及びアフリカ豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針を変更することについて

(3)アルゼンチン・パタゴニア地域(口蹄疫ワクチン非接種清浄地域)からの生鮮牛肉及び羊肉の輸入について

(4)ウルグアイ(口蹄疫ワクチン接種清浄国)からの生鮮牛肉の輸入に係る現地調査について(報告)

(5)その他

4.閉会

配付資料一覧

  • 議事次第
  • 食料・農業・農村政策審議会 家畜衛生部会 牛豚等疾病小委員会 委員名簿
  • 資料1   最近の家畜衛生をめぐる情勢について
  • 資料2-1   前回(第26回)の牛豚等疾病小委員会における主な意見
  • 資料2-2   豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針改正案
  • 資料2-3   アフリカ豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針改正案
  • 資料2-4   アフリカ豚コレラ野外感染豚の臨床症状
  • 資料2-5   アフリカ豚コレラ感染実験の実施状況
  • 資料2-6   静岡県における移動式レンダリング装置の設置・運営訓練の概要
  • 資料3-1   アルゼンチン・パタゴニア地域からの生鮮牛肉及び羊肉の輸入に係るリスク評価報告書(案)概要
  • 資料3-2   アルゼンチン・パタゴニア地域からの生鮮牛肉及び羊肉の輸入に係るリスク評価報告書(案)
  • 資料4-1   ウルグアイからの生鮮牛肉の輸入に係る現地調査報告
  • 資料4-2   ウルグアイからの生鮮牛肉の輸入に係るリスク評価報告書(案)
  • 参考資料1   諮問文
  • 参考資料2   第27回家畜衛生部会及び第26回牛豚等疾病小委員会配付資料
  • 参考資料3   食料・農業・農村政策審議会関係法令集等(家畜衛生部会関係)

午後1時30分   開会

石川家畜防疫対策室長
こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会第27回牛豚等疾病小委員会を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、本日はご多用中のところお集まりいただき、まことにありがとうございます。
本日の進行を担当いたします動物衛生課家畜防疫対策室長の石川でございます。よろしくお願いします。
それでは、開会に当たりまして、消費・安全局審議官の小川よりご挨拶申し上げます。

小川消費・安全局審議官
皆さん、こんにちは。消費・安全局担当の審議官の小川でございます。
本日は、第27回牛豚等疾病小委員会の開催に当たり、一言ご挨拶申し上げたいと思います。
まず最初に、委員の皆様におかれましては、日頃から農林水産行政の推進にご理解、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げたいと思います。
また、本日は、師走ももうあと1週間を残すだけとなったタイミングでございますけれども、このようにお集まりいただきましてありがとうございます。
さて、現在、我が国は1つの重要な政策として、農林水産物・食品の輸出総額を平成31年までに1兆円という目標を掲げております。農林水産省としても、また我々消費・安全局としても、このために検疫協議を積極的に推進しているところでございます。
特に牛肉に関して申し上げますと、今年は伸び率が例年にないような高い伸びを示している中で、検疫協議においても、この9月には台湾、さらにはマレーシアと新しいマーケットを開くことができました。特に台湾に至っては、ちょっと数字を示させていただきますと、人口2,000万人程の国で毎年400万人日本に訪問客がございます。つまり、国民の5人に1人が毎年来るといったようなマーケットでございますので、大きな伸びを我々も期待しております。
また、皆様報道等でご存じと思いますが、先日妥結いたしました日EU・EPAを最大限活用して畜産物を輸出していこうということになっておりますので、その意味では牛肉はもう出せることになっておりますけれども、豚、鶏、あるいはそれらの加工品、さらには乳製品といったような形で協議を進めているところでございます。
一方、最近の牛豚の家畜衛生をめぐる状況というものを見ますと、本年もお隣の韓国、あるいは近隣の中国においても口蹄疫が発生しております。そのほかも、ロシアにおいても豚コレラ、あるいはポーランド等東欧諸国、ロシアにおいてはアフリカ豚コレラが継続して発生をしているという状況にございます。
他方、日本には近年、訪日外国人旅行客数が毎年ふえているといったような状況で、人や物がどんどんと入ってくるといったような状況でございますので、越境性の動物疾病が侵入するリスクは依然として高い状況にございます。
こういった状況に対応するため、動物検疫においても靴底消毒、あるいは年末年始など人・動物の動きが活発化したときに、皆さんもご覧になったことあるかもしれませんが、ポスターによる周知活動、あるいは探知犬の対応等々水際の対策を強化しておりますし、これもご経験あるかもしれませんが、航空会社の協力を得て、外国から到着する航空機内で動物検疫所からのお知らせですということでアナウンスを行っているところでございます。
また、動物検疫の中でも、今年の11月からは乳製品を動物検疫の対象とし、これがスタートいたしました。皆様のご協力もあり、問題なく制度の運用は開始することができております。
国内防疫につきましても関係者一体となって飼養衛生管理の向上による慢性疾病も含めた発生予防や蔓延防止策を図って、生産現場でのコスト削減や生産性の向上に一層取り組んでいくこととしております。
こうした中、本日ご議論いただくものは大きく2つございます。最初が豚コレラ及びアフリカ豚コレラに関する特定家畜疾病伝染病防疫指針を変更することについてでございます。国内防疫体制の維持・強化に資するものでございます。
もう一つが今度は国際的なものでございまして、アルゼンチン・パタゴニア地域(口蹄疫ワクチン非接種清浄地域)からの生鮮牛肉及び羊肉の輸入についてでございます。これは、まさに国際問題でございますので、WTOのSPS協定に従いまして、科学的根拠に基づいたリスク評価を行うことで国際水準の検疫体制を整備し、畜産物の安定供給や輸出入双方向の検疫協議の促進に資するものと考えてございます。
委員の皆様におかれましては、家畜衛生行政の推進のため、それぞれのお立場で忌憚のないご意見を賜りますようお願い申し上げまして、私の挨拶といたします。本日はよろしくお願いいたします。

石川家畜防疫対策室長
ありがとうございました。
さて、現在、牛豚等疾病小委員会、委員数は9名でございます。本日は芳賀委員、入江委員におかれましては、所用によってご欠席となっております。
続きまして、本日出席しております私以外の事務局を紹介させていただきたいと思います。
動物衛生課長の熊谷と国際衛生対策室長の伊藤につきましては、後ほど来る予定となっております。そのほか担当の課長補佐、林、大石、近藤、木下、それと係長の幸野が出席しております。
なお、予定では本日は15時30分までの会議としております。
カメラがいらっしゃいましたら、ここでカメラは退席をお願いしたいと思います。
続きまして、お手元の配布資料の確認をいたします。
配布資料でございますけれども、資料1から資料4-2、また参考資料1から3をお配りしておりますので、ご確認ください。
落丁等ございましたら、事務局までお知らせください。
なお、資料3-2につきましては机上配布のみとしておりますので、ご了承ください。
それでは、これより議事に移りたいと思います。
議事次第では、最初の議事の1番目「最近の家畜衛生をめぐる情勢」でございますけれども、これは課長の熊谷が来た時点で先生方にご説明したいと思いますので、まず初めに、議事2として昨年10月6日付で農林水産大臣から諮問がございました本年7月28日の第26回牛豚等疾病小委員会で審議いたしました「豚コレラ及びアフリカ豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針を変更することについて」事務局から説明いたします。その後、委員の皆様からご意見やご質問をいただきたいと考えております。
その次、議題3でございます。これは本年5月12日付で農林水産大臣から諮問がありました「アルゼンチン・パタゴニア地域について口蹄疫の地域主義(清浄性が確認された地域からの輸入を認める措置)を適用して牛肉及び羊肉を輸入すること」について事務局から説明いたします。その後、委員の皆様からご意見、ご質問を賜りたいと考えております。
最後に議事4でございます。昨年3月17日付で農林水産大臣から諮問がありました、またその後、2回の牛豚等疾病小委員会で審議いたしました「ウルグアイ(口蹄疫ワクチン接種清浄国)からの生鮮牛肉の輸入を認めること」について、本年10月に実施しました現地調査結果について西委員のほうからご説明いただきたいと考えております。
それでは、これからの議事進行につきましては、村上小委員長にお願いしたいと思います。
小委員長、よろしくお願いします。

村上小委員長
それでは、議事2からご審議いただきたいと思います。
それでは、議事2、豚コレラ及びアフリカ豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針を変更することについて、事務局から説明をお願いいたします。

木下課長補佐
事務局から木下でございます。よろしくお願いします。座って説明させていただきます。
私から、防疫指針全般として資料2-1、それと資料2-2、ちょっと厚いやつでございます。それと、資料2-3について防疫指針全体として説明させていただいた上で、幸野のほうから資料2-4、感染実験の様子とかを説明させていただきます。
資料2-6なんですけれども、今回この資料を用意しましたのは、今回の防疫指針の変更、豚コレラとアフリカ豚コレラが対象となりますけれども、特にアフリカ豚コレラ、ワクチンがない、有効なワクチンがないことから、万一の際の対応は感染豚の処分までの初動対応が極めて重要となります。
豚の場合、一般的に埋却が基本となると思うんですけれども、埋却地が確保できない場合に備えて、農林水産省では移動式レンダリング装置を整備しております。豚コレラやアフリカ豚コレラの発生リスクも踏まえて、今年の10月、静岡県において移動式レンダリング装置を実際にどう使用するのか設置・運営訓練を行いましたので、関連対策ということで資料2-6を大石のほうから後から説明させていただきます。
資料2-1から2-5までは、事前に委員のほうに送付させていただいておりますので、全体で15分弱で簡単に説明させていただきます。
まず、参考資料2をご覧いただきたいんですけれども、7月に開催されました前回の小委員会の資料、参考資料になりますけれども、前回は当方のほうから、この資料に基づきまして、今般の防疫指針の見直しのポイントとして野生いのしし対策を強化することとしたい旨、説明させていただいたところでございます。
それで、その際、委員の皆様からいただいた主な意見を資料2-1としてまとめております。
私からの説明は、このご意見をどう防疫指針に反映させていただいたのかを中心に説明して、その後、若干の補足説明をさせていただきます。
まずは資料2-1と資料2-2をあわせて見ていただけると幸いでございます。
資料2-1の1点目でございます。関係機関や猟友会等の関係団体との情報共有、これら機関等からのバックアップが必要であるため、連携体制を確立する必要というご意見をいただきました。
これにつきましては、資料2-2の6ページをちょっとご覧いただきたいんですけれども、6ページの下のほうに黄色マーカーを引いておりますけれども、この部分、留意事項の部分、それと飛んで23ページ目をご覧いただきたいんですけれども、真ん中あたりなんですけれども、防疫指針第6の1の(1)に係る留意事項として盛り込みました。
野生いのしし対応という点では、自然環境サイドはもちろんのこと、ジビエの関係からも公衆衛生サイドとの連携が必要であることから、この点を盛り込んでございます。
このほか、野生いのししへの対応としましては、またちょっと飛んでいただくんですけれども、31ページ目の防疫指針第7の3の(1)の黄色のマーカーで塗った部分、またちょっと飛んでいただきまして37ページの一番下でございますけれども、第9の1の(5)に係る留意事項、さらには53ページ、ここに一番盛り込んでおるんですけれども、防疫指針第15に係る留意事項に野生いのしし対策を盛り込んでおります。
このように野生いのしし対策は、発生前から発生時の種々の段階で対応を盛り込んでいることから、これら対応は最後のページ、69ページと70ページ、全部黄色で塗り潰しておるんですけれども、ここにまとめまして関係省庁、具体的には環境省自然環境局、あるいは厚生労働省医薬・生活衛生局、それから都道府県で言いますと家畜衛生担当部局、野生生物担当部局、あるいは公衆衛生部局、さらには猟友会等の関係団体との連携・協力体制を示す野生いのしし対応マニュアルとして整理しました。
最後の2枚は、防疫指針に基づく留意事項通知として添付する考えでございます。
もう一回、資料2-1に戻りまして2点目のご意見でございます。2つ目のご意見は、現行の防疫指針では、「海外における最新の発生状況を把握し、」とあるが、既に国際連携による双方向のやりとりも積極的に取り組まれているので、この取組を防疫指針に書いてはどうかというご意見でございます。
これは5ページ目の一番上のほうになりますけれども、ご意見を踏まえて反映させていただきました。
もう一度資料2-1、3点目のご意見でございます。
両疾病の研究、例えば野生動物に対する簡易な検査方法、こういった研究は進めていく必要があるんではないかというご意見をいただきました。これにつきましては、3ページの中段よりちょっと上、これ黄色マーカーで塗り潰しておりますけれども、「動衛研等が実施する研究を推進する」という表現をつけ加えさせていただきました。
4つ目の意見でございますけれども、どのような状況であれば、豚コレラを否定した後、検体をアフリカ豚コレラの検査のために動物衛生研究部門に送付すべきか、判断基準を示す必要があるのではないかというご意見をいただきました。これは、19ページをご覧ください。
19ページの上のほうになりますけれども、「アフリカ豚コレラの診断のための動物衛生課との協議」ということで反映させていただきました。村上委員長からの事前のご指摘も踏まえて、山川委員ともご相談させていただき、どのような場合にアフリカ豚コレラの検査を行うのかという判断基準を整理させていただきました。
なお、グレーの網掛けのところは、各委員に資料を事前送付させていただいた後に修正したところでございます。ここの部分は、慢性型も念頭に若干追記・修正しております。
以上がおおむねの説明なんですけれども、その他全体を通じて、赤字、見え消しのスタイルで資料をお配りしているんですけれども、黄色の網掛けの部分は実質的な内容の変更を図った部分、または内容の明確化を図った部分、その他の赤字、見え消しの部分は、口蹄疫等のほかの防疫指針の書きぶりとの整合性を図った部分となります。
なお、資料2-2の26ページ目をご覧いただきたいんですけれども、26ページ目の上のほうの原因究明班の業務の一つにグレーの網掛け部分を入れましたけれども、これは西委員から事前にいただいたご意見を踏まえて追記したものでございます。
また、32ページ目、いろいろ飛んで恐縮なんですけれども、32ページ目の下段のグレーの網掛けの部分は、万が一発生があった場合には、豚コレラウイルスやアフリカ豚コレラウイルスの不活化のためにスラリーなどの具体的な消毒措置が課題となると考えられることから、動物衛生研究部門の研究者からのご助言もいただき、消毒方法を具体的に盛り込んでみました。
以上が資料2-1と資料2-2の説明になりますけれども、資料2-3はアフリカ豚コレラの防疫指針の変更案でございますけれども、特段の追加説明はございません。
私からの説明は以上になります。

幸野係長
動物衛生課の幸野と申します。よろしくお願いします。
私からは、資料2-1の一番最後にございますとおり、前回の本委員会におきまして、実際の海外における発生も含めて、感染豚がどういう症状を示すのか周知する必要があるというご意見をいただいたことを踏まえまして、資料2-4及び資料2-5について説明をさせていただきます。
まず資料2-4でございます。野外での発生を経験しているポーランド及びリトアニアの家畜衛生当局から画像等の提供を受けましたので、ご紹介させていただきます。
まず1ページ上段になりますけれども、臨床症状は発熱、元気消失、食欲不振を主徴とし、母豚の死亡が最初に見られてのことでございます。また、子豚では豚コレラのように発熱により重なり合う、いわゆるパイルアップが見られております。下段は剖検所見となりますが、国内での感染実験と同様に、脾臓の腫大と腹腔内リンパ節の赤色化を主徴とし、その他、次のページに示すような腎臓、あるいは膀胱の出血等が確認されております。
ただ、PRRS、あるいはサーコウイルス等による複合感染でさらに重篤になるという話は受けてはございませんでした。
野生いのししにおける発生は、死亡個体として発見されるものが中心でありまして、解剖所見は脾臓の腫大を主徴としております。東欧諸国における発生では、いわゆる裏庭養豚と野生いのししが伝播リスクの要因と見られているという状況でございます。
続きまして、資料2-5をお願いいたします。
こちらは感染実験についての資料となりますが、論文投稿前であるということもあり、一部の資料は委員の先生方限りとさせていただいております。
前回の委員会におきまして、動物衛生研究部門が実施している感染実験の状況報告をさせていただいたところでございますが、本年9月に第2回の感染実験を行いましたので、その概要について、9ページ以降に整理をしております。
9ページから解剖の写真、10ページの下段には、第2回実験の結果概要を示しておりますが、ほぼ全ての感染豚が発熱、元気消失、食欲不振を示すとともに、特徴的な解剖所見を示しておりまして、これらはアフリカ豚コレラの病性鑑定を実施するか否か、これを判断する重要な判断基準になると考えております。
なお、9月の感染実験では、全国の家畜保健衛生所の職員約50名が受講する海外病講習会において、臨床症状や解剖所見を直接観察してもらい、その後、画像資料としても都道府県に提供しているところでございます。
また、最後のページになりますが、第3回の感染実験として、感染豚から同居豚への水平感染についての調査を現在実施中でございます。これらにつきましては、動物衛生研究部門と連携し、成績がまとまり次第、随時、情報発信していきたいと考えております。
私からは以上でございます。

大石課長補佐
続きまして、資料2-6についてご説明差し上げます。病原体管理班を担当しております、大石と申します。
口蹄疫や豚コレラなどが発生しますと、第一義的には埋却ということの対応を考えておりますが、埋却地が確保できないというようなご報告もございまして、農林水産省では移動式レンダリング装置を整備しております。10月18日に静岡県と静岡県の畜産協会の主催で、移動式レンダリング装置の設置、運営訓練が実施されました。静岡県の職員だけではなく、当日は36都府県、家畜防疫員が全国から集まり、また、台湾のほうからも防疫検疫局の方、2名の方が来られ、見ていただくということで、防疫演習を実施いたしました。
1ページ目の下段のほうなんですが、まず移動式レンダリング装置について、ご説明差し上げます。この装置は、殺処分した家畜の死体を破砕、加熱処理するために用いる装置で、平成23年度に農林水産省が購入しております。購入に当たっては、デンマークから部品などを取り寄せまして、南国興産にいろいろ開発をしていただきました。
購入以降、試験運転は実施しておったんですけれども、実際の実践を想定した訓練というのは、今回初めて実施いたしました。
装置につきましては、農林水産省の動物検疫所、中部空港支所で保管、配備しております。
処理能力としては、1日当たり、24時間当たり、牛であれば180頭、豚であれば2,000頭という処理能力がございます。原理としましては、家畜を破砕した後に、破砕物が殺菌ユニットというところを通過しまして、80度5分以上の加熱を行うということで、口蹄疫ウイルスや豚コレラウイルスが殺滅されるということになっております。
ただ、何分機械が大きいので、運搬、あと設置については、トレーラーとかクレーンが必要ということになっております。
1枚おめくりいただきまして、2ページ目をご覧ください。処理の流れということで、上のほうが模式図、下のほうが実際に組み立てた装置の全体像ということになっております。上の段の模式図のほうをご覧いただきたいんですけれども、まず構成としましては、右側のほうから破砕ユニット、これは家畜の死体を投入して、破砕するということで、破砕ユニット、その後に殺菌ユニット、その後に生成物の排出口、製品サイロということになっております。装置を稼働するに当たっては、加熱ユニットのボイラーであるとか、発電機が必要になるということになっております。
実際に静岡県の訓練で組み立てました装置については、この下段、写真が模式図と全く同じ向きで写真を撮ったものが1枚、こういう形になっております。
ただ、各ユニット、組み立てる配置とか、距離というものも自由に変えられることができるということになっておりますので、万が一発生した場合には、農場の敷地、あと条件等によっては、曲げてL字型にするであるとか、あと距離を伸ばすということも可能だというふうに考えております。
次、3ページ目をご覧ください。実際に当日は牛7頭、豚4頭を移動式レンダリングの装置の中に投入しまして、破砕物の生成ということまで行いました。
まず下段の上のほうが、実際に動物を処理する工程を順に追ってご説明差し上げます。
まず【1】、当日はトラックに死体を積んで、装置の場所まで運んでまいりました。投入口に投入するに当たっては、ホイールローダーで家畜を高い位置まで上げて、投入口に入れるということが必要ですので、トラックからホイールローダーへ牛を投入するということで、いろいろ、ウインチを使ったり、あと豚の場合は、そのままバケットに直接落とすというようなことで作業いたしました。
3ページ目の下段をご覧ください。実際に投入口に投入するに当たっては、ホイールローダーで家畜を運んで、家畜を持ち上げて、投入口に動物を入れるという段取りで行いました。
ただ、投入口に入れた後に、家畜を破砕するということで,いろいろ体液などが飛散するということも想定されましたので、当日は、投入後に消毒液を噴霧して、体液の飛散防止をするということを実際にやることにいたしました。
次のページ、4ページ目をご覧ください。今度、破砕されましたものが、隣の殺菌ユニットというところを通過して、加熱処理をするという図で、この図の写真が殺菌ユニットになっております。ちなみに殺菌ユニットの内部の模式図についても、その下におつけしておりまして、右から左側に、ローラー式で押し出されていくことで、その途中で加熱をされていくので、病原体が殺滅されるという仕組みになっております。その中にスクリューがありますが、スクリューと、あと外側で加熱されたオイルが通過をしているということで、中身の生成物が加熱をされて、殺菌されていくという工程になっております。
その殺菌ユニットを通過した後に、生成物が出てくるわけなんですが、その4ページの下段が実際に出されている生成物の写真になっております。実際に、最後、出てくる生成物は、大体、大人のこぶし大ぐらいの大きさのものになります。基本的には固形なんですけれども、水分も多少、投入当初は水分もかなり多く排出されるということになっております。
実際に肉片、塊は、皮とか骨とか毛なども含まれているというような塊になっております。
次のページをご覧ください。5ページ目になります。当日は、今度、排出されます生成物を処分するということで、密閉容器に入れて、焼却場まで運ぶという想定で、2種類の密閉容器を用意して、訓練を実施いたしました。
まず1つは、ミッペール、これは20リットルサイズの、医療用廃棄物容器なんですけれども、これは大きなダンボールとかキャスターつきの箱に敷き詰めて、その中に生成物を充填をして、ふたをして、焼却場まで運ぶというもの、あともう一つは、大きなドラム缶、これは200リットルサイズのものに、中にビニールを敷いて、実際に生成物を充填して、焼却場まで運ぶということで、それぞれ2種類について充填をするということで実施いたしました。
下段には、ミッペール容器に実際に生成物を入れるということで、写真をお示ししております。
まず1番目に生成物を容器に入れるということで、出てくるものを、生成物をミッペールに充填をすると。下にキャスターがついていますので、その容器ごと違う場所に運んで、生成物を平らにならして、容器からミッペールを取り出して、ふたを閉めるということを行ったのですけれども、何分、容器の縁にいろいろ肉の破片などがついたり、液体がついたりということで、ふたを閉めるまでにちょっと手間がかかったということが、後でご説明差し上げますが、一つ大きな課題かなというところで残っております。
6ページ目をご覧いただきます。続いて、密閉容器をトラックに運ぶためにラッピングをして、トラックに運んで、焼却場に運ぶという写真をおつけしております。
6ページの下段には、ドラム缶に実際に充填をして運ぶということで、こちらもドラム缶に生成物を入れますと、何分、重くなりますので、ドラム缶にアタッチメントをつけて、フォークリフトで運ぶというようなことも、今回、静岡が気がつきましたので、そういったものも実際に使って、処分をしたということでございます。
当日、1日は午前中かけて、動物の投入、あと生成物を密閉容器に詰めるということで実施いたしました。
7ページ目をご覧いただきたいんですけれども、今後の課題としましては、出てくる生成物をどうやって運搬可能な形態にするのかという課題、これはまずは焼却場、恐らく処分をする焼却場というのは、県内の処分場というものを探すことになると思うんですが、処分場の投入口に応じた容器包装を検討するということが必要かなと。一番は、大型容器に生成物を入れて、焼却するというのが効率的でいいのかなと思うんですが、焼却場が引き受けてくれるのかというような調整も必要かというふうに考えております。
また、汚染区域と清浄区域の作業員の交差防止ということも非常に大事なことだというふうに考えておりまして、装置の配置を工夫をしたりとか、あと作業員の境界線を明示したり、何か衝立をして、交差汚染がないようにというようなことが必要だという意見も出ております。
これ以外にも細かいもの、いろいろ課題が出ております。静岡県、あとほかの県のご意見もいただきながら、実践に向けて、対応策を検討して、マニュアルを整備する予定です。ご説明は以上です。

村上小委員長
ありがとうございました。
それでは、本件につきまして、委員の皆様からご意見やご質問がありましたら、お願いいたします。

西委員
最初に豚コレラの防疫指針の関係、資料2-2ですけれども、木下さんのほうから、アフリカ豚コレラの部分です。診断のための、どういった時点で検体を送るかということで、いろいろな多種多様な病性があると思いますので、豚コレラを全面否定してというよりは、豚コレラを、例えばPCRでやって、それで、豚コレラではないと判断し、それから、ほかの細菌性疾病だとか、要は豚丹毒だとか、トキソだとか、それでもなさそうだというときに、どうしてもこれはアフ豚をやらなきゃならないなというときには、実際には協議しながらだと思うのですが、その時点で材料を送付するというふうに、まず理解すればいいのか、それが一点です。
それから、資料2-4とか2-5ということで、実際の野外感染例だとか、それから、実験感染をやった写真です。こういうのを我々が見ておくというのは非常に重要だと思っていまして、豚コレラも含めて、どちらかというと、急性疾病の豚コレラとか、アフ豚だとか、豚丹毒だとか、トキソプラズマ、いろいろ類症鑑別があると思うのですけれども、できれば、そういうものの写真集を後々つくっていただければなと思います。
その時には、正常なものとの違いがわかるような、それも正常なものは放血した個体の脾臓を見るのではなくて、正常な豚の放血していない脾臓です。それと、豚コレラのときの脾臓の腫大の仕方がどう違うのかという、と畜後を見ると、全然違いますので、そこはしっかり我々、現場は理解しなければいけないと思っていますので、ぜひともそういうこともやっていただければというふうに思います。
それから、最後、レンダリング装置の関係ですけれども、確認なのですけれども、牛と豚の処理能力というのがあるわけですけれども、それの通常のサイズです。牛だったら、何キロを想定してこれは、180頭を焼けるかとか、豚だったら何キロとか、それと、肥育豚だとか肥育牛の場合って、油が相当あると思うのですけれども、この加熱処理をすることによって、油が溶けて、何か機械上の問題というのは出ないのかなというのと。これはどんどんやっていかなければわからないと思いますけれども。
それから、全部終わった後の消毒は、この機械はどうやってやるのかなという、その辺を教えていただければと思います。
以上です。

村上小委員長
お願いします。

木下課長補佐
アフリカ豚コレラの関係、豚コレラの関係、私のほうからですけれども、アフ豚は当然、豚コレラの検査中であっても、アフ豚を疑うのであれば、すぐに動物衛生部門に送ることとしたいと考えております。
2点目、ありがとうございます。確かに我々は豚コレラはよく、昔、日本にあった病気なのでと思っていたんですけれども、考えれば、平成4年が最終発生ですので、家畜防疫員の中でも見たことがある人って多分、かなり減っていると。ほとんどいないような状況になっていると思いますので、ちょっと動物衛生研究部門とか、あるいは県の方と相談して、わかりやすい写真を、アフリカ豚コレラの豚から、それと普通の状態という感じで、類症鑑別できるような写真を提供していきたいと考えております。
ありがとうございます。

大石課長補佐
レンダリングについてのご質問いただきまして、ありがとうございます。
想定は、牛は1頭当たり650キロ、豚ですと、すみません、ちょっと確認をして、後でお答えいたします。
装置自体は、200度近くのオイル、加熱されたオイルが注入されて、かなりな温度がかかっているので、装置を通過している段階では、動物の油脂が固まったりということは想定されていないんですけれども、出てきた生成物は、しばらくは随分高温な状態なんですけれども、冷めると固まってしまうということがあるので、実は静岡は、今回、車に、いわゆるバキュームカーの中に入れて、処理場に運ぶということも考えたんですけれども、バキュームカーに多分入れると、動物性油脂が固まってしまって、今度、バキュームカーの中から出せないという南国興産からのアドバイスもあったので、密閉容器に入れて、そのまま焼却施設で燃すということで想定して、準備をいたしました。
あと、終わった後の消毒、今回も相当いろいろ準備をして、消毒までやったんですけれども、稼働させている中で、動物を投入していくと、最後、生成物が出ていくんですけれども、これでもう終わりだという段階では、あとは水を入れたりとか、消毒液を入れることによって、最後は消毒をして、パーツや、ユニットを分解をして、間に残されているものも全部取り除いて、密閉容器に入れて処分をするということで対応しております。
ただ、恐らく最後、分解して残されている生成物まで回収してということになると、最後、終わった後に、多少、若干時間がかかるのかなということも課題として残されているので、いかに早く処理を終えて、撤収できるかというものも、これから検討したいなというふうに思っています。

村上小委員長
ほかにございませんか。
お願いします、佐藤委員。

佐藤委員
アフリカ豚コレラについてなんですけれども、全く経験がないので、想像がつかないのですが、野外で疑うものを見つけた場合に、もちろん臨床症状だけからわからないわけですよね。そういった場合を想定した場合、病性鑑定施設まで運んで、そこで解剖した段階で脾腫を見つけて、初めて疑わしいということになるわけじゃないですか。それというのは、それしか仕方がないということになりますか。

村上小委員長
お願いします。

木下課長補佐
現実問題としては、特に初発はそういう対応になるかと思います。ただ、やっぱり豚コレラもそうなんですけれども、その豚コレラも、明確な臨床症状って、発熱とか、食欲不振、一般的な症状がばたばたと広がる状況なので、恐らくふだんと違う病態が現場で見られるというのが引き金になると思いますので。

佐藤委員
そうすると、豚コレラに準ずる形というか、そういう形を想定しているということでしょうか。

木下課長補佐
さようでございます。

佐藤委員
はい。わかりました。

西委員
死んだやつもそうだと思うんですけれども、私も実際には見たことがないのですが、発症豚あたりは、白血球の減少症があるということと、それから、熱がすごく出ているということもあるので、白血球もいい目安になるというふうに、先輩からよく聞いています。

村上小委員長
ほかにございませんか。
山川委員、お願いします。

山川委員
今までおっしゃったとおりの認識でいいと思うんですけれども、補足しておきます。海外から導入したアフリカ豚コレラウイルスを用いて感染実験をしてみても、やはりこれといった特徴的な症状は見られておりません。これまでの発生状況から恐らく野外で病気が出た場合は、高病原性鳥インフルエンザをイメージしていただければいいのですが、突然かつ急激に死亡する豚が増えると想定されます。恐らく数頭解剖しても何も肉眼的異常はないという形で出てくるんだと思います。
西委員がおっしゃったように、血液検査をすれば、白血球の減少等は見られますので、診断の一つの目安になると思いますけれども、最終的にはやっぱり解剖して検査しないといけないでしょう。感染豚を解剖すると周囲の環境をウイルスで汚染させてしまう懸念がありますが、アフリカ豚コレラの場合、口蹄疫とは違って身体の表面に病気として見えてこないので、そこはしようがないと思います。

村上小委員長
よろしいでしょうか。
ほかにございませんか。
お願いいたします。有川委員。

有川委員
豚コレラの平時からの対応ということで、野生いのししの調査ということが今回かなり詳しく載ってきたので、すごくいいことだなというふうに感じたんですけれども、今、既にされている野生いのししの検査で、豚コレラに限らず、例えばオーエスキーとか、ほかの検査もされていると思うんですけれども、ぜひそういう情報を積極的に流してほしいなというのが、思いのほかやはり、現場でウイルスが野生いのししの中で循環しているというのが実態ですから、そのことが、生産者がやっぱり実感すると、やはりいのしし対策というのは大事だというのを再認識すると思いますから、そういった情報はぜひ積極的に出していただきたいなというのがあります。
それともう一つは、これはなかなか悩ましいんですけれども、防疫対応のと殺のところですけれども、動物福祉に配慮した方法でということでは書いてあるんですけれども、実際のところはかなり難しいんだろうと思うんです。豚の場合は、どんなに小さなロットでもやっぱり在庫は1,000頭はいるわけですよね。ちょっと大きなところだと5,000頭、1万頭といるわけですから、短時間の中で、それに対応しようと思うと、そうも言っていられないということもあるかもしれませんけれども、ただ、実際、と殺に当たる人間とか、生産者のストレスを考えると、やはり極力、そこが大事かなと。福祉。そうしたときに、この具体的な、標準的な方法というのがあるのかというのが。例えば薬殺にしてもです。以前、種豚でやったときに、たしかマフロパンか何かを前もって静注しておいて、あと薬殺するということ、意識を消失させてというのが本来の形かもしれませんけれども、何かそういった情報がありましたら、またお教えいただけるといいかなというふうに思います。

村上小委員長
お願いします。

木下課長補佐
ありがとうございます。
まず野生いのししの抗体、オーエスキーなりの情報発信、去年、おととしとやりまして、結果が出ておりますので、我々の中では普及しているはずなんですけれども、全く届いていないようであれば、改めていろいろな形で皆さんに結果を周知していきたいと思います。
2点目の殺処分の方法なんですけれども、口蹄疫に関して、ほかの病気、口蹄疫に関しては防疫マニュアルみたいなのがございますので、ちょっとそこを確認して、不都合な点、あるいはまだ不十分な点があれば、何ができるのか。過去の事例、例えば、平成16年に鹿児島で疑似患畜が出たときに、電殺で処分しましたので、あのような事例も皆さんに紹介していきたいなと思っております。

有川委員
わかりました。

村上小委員長
よろしいでしょうか。
ほかにございませんか。
どうぞ、追加でお願いします。

大石課長補佐
先ほど西委員からご質問のありました豚のレンダリングの想定体重なんですけれども、平均60キロということで計算しております。

村上小委員長
お願いします。山川委員。

山川委員
そのレンダリング装置の処理能力はここに書いてあるとおりなんですが、実際、稼働させるとなるといろいろな作業が伴うので、準備から完了に至るまでの全体の時間はもうちょっとかかると思うんです。作業人数もそれなりに必要ですし、かなり大がかりになりますね。これを一回動かしたら、しばらくは動かせないというようなことがあるのかどうか、どのくらい連続稼働することが可能なのか、といった作業効率に関わるところを確認させていただきたいです。当然、これだけを使って殺処分を進めていくわけではないんでしょうけれども、これに多くの時間と人を投入することにどのくらいの価値を見出しておられるのでしょうか。防疫活動全体の中で、どこまでレンダリングにこだわってやるかというところの判断はどうされるのでしょうか。使い方が非常に難しいかなという気がするんですけれども。
あともう一つウイルスをたくさん含んだと体を持ってきて装置に投入するとなると、処理過程でウイルスが大気中に飛散するのではと気になります。逆にレンダリングで汚染を広げることになるのではないのかという懸念があり、この活用に非常に気をつける必要はあるかなという気がします。これから具体的に決めるのだと思いますけれども、この装置にどの程度の重きを置いて、どういう場面・条件で使うことを想定されているかをお聞きしたいです。

熊谷動物衛生課長
よろしいでしょうか。私もちょうど現地に、レンダリング装置を動かしている場面に行きました。これは、どういう場面でも使おうというものではなく、やはり割と広大で平らな土地があって、それが豚舎とか牛舎、鶏舎の近くに確保できた場合、あともう一つ大事な点は、やはり地下水、富士山麓でなぜやったかというと、地下水汚染が懸念されるようなケース、あと台湾の方もいらっしゃったのは、島国ですので、そこを掘ると、すぐに海水が出てくる、そういった条件、あともう一つは、これはレアケースですけれども、例えば穴を掘ると、その下に岩盤があったり、あるいは別な要因で掘れない。そういうところで、かつ、土地が確保されていたときに、従来の方法の処分方法と組み合わせれば、大量にスピード感を持ってできると考えております。そういった意味では、最初の初動の段階は、従来方式を適用しつつ、一定の要件がクリアできるものについては、これを積極的に活用できる可能性があると実感しましたので、こういうデータも積み重ねて、また、ハンドリングの改善点も関係者の意見を聞きながら、いいものに仕上げて、実際に条件が整った場で使えるようにしていきたい、そういうことでございます。

山川委員
この装置というのは今、1台なんですか。

熊谷動物衛生課長
今のところ1台ですので、またそういう必要性とか、あと大きい補正とかの予算のときを狙って、こういう使える可能性についての情報をしっかりつくり上げていきたいというふうに思っております。今のところ1台でございます。

村上小委員長
この件に関しては、少し私も関わったことがあります。具体的には、動物衛生研究部門が担当した農林水産省の研究予算においてこの装置について実際の問題点
などが点検されてございます。病原体の汚染に関しては、投入口のあたりが一番可能性があるということで、実際にどの程度飛散するか、どのような微小な粒子が飛ぶのかといった詳細なことまで検討されておりまして、資料の2-6の3ページの下のほうに、投入口に覆いをかぶせてありますよね。ああいったことも実際に、その研究データからどのような場所で飛散の可能性があるかということを確認した上で、このような囲いをつくっているということのようであります。さらに、今回は右の図のように、消毒もされたということですので、その後の運用についての色々な技術的な問題点も解消されているのかなというふうに、私、拝聴いたしました。
ほかにございませんか。
レンダリングのことでもう一つ意見ですが、最後に、冷えると、重油というのですか、オイルの部分が固まるということだったのですが、液化するような技術はないのでしょうか。界面活性剤などで、完全に液化してしまえば、あとは本当にバキュームカーなどで、密閉型の容器でもって最終的に運べる。つまりこれは、最終的には再生産して活用するわけではないですよね。なので、何らかの形でそのような液状化させるような技術があれば、よりハンドリングが易しくなるのかなという印象を受けました。可能であれば是非ご検討いただければと思います。
ほかにございませんか。
よろしいですか。
それでは、ほかにないようでございましたら、本件につきましては、事務局において、本日のご意見を現在の案に反映させて、私が確認させていただいた上で、都道府県から意見聴取を行うこととし、その結果を踏まえて、再度、小委員会を開催する必要があるかどうかは、私にご一任いただけませんでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは、熊谷課長がお戻りですので、議事の1に戻りたいと思います。

熊谷動物衛生課長
恐縮でございます。順番はちょっと前後していますが、次の議題の前に国際的な重要疾病の発生状況なり、また今日もいろいろパネル等もご用意したり、またポスターも張っておりますけれども、水際の対策ということで特に日本に訪日される外国人の方も大変ふえております。そういった中での取組をご紹介したり、また国際連携ということでグローバル、または日中韓ということで周辺国との間の協力が極めて大事になっておりますので、この点についてもご紹介して、さらには輸出の取組、あわせまして最近渡り鳥の飛来シーズンになっておりますので、鳥インフルエンザに対する対策の状況をご紹介したいと思っております。
資料1のほうでございますけれども、まずは1枚めくっていただきますと、上段に2ページ、3ページというような世界地図が載っているものでございます。世界地図と中国の地図でございます。これからお話しするような南米の側から見ると、むしろ真っ赤になっているものはアジアであったり、あるいはアフリカの側ということで、口蹄疫の発生状況を見ますと、むしろアジアのほうは非常に注意すべき状況にあるということでございます。
また、3ページにある中国、モンゴル、それから韓国では今年の2月に口蹄疫の発生を確認しておりますけれども、いずれにしましても、モンゴル、中国などでは継続的な発生が確認されているという状況でございます。
それから、ページのほう少し飛ばさせていただきまして、上段に6ページ、下段に7ページと書いてあるところでございます。アフリカ豚コレラが上段のヨーロッパ・ロシアの状況の地図に掲げております。
具体的に申し上げますと、ヨーロッパですとポーランド、リトアニア、それからルーマニア、チェコまで飼育豚も含めまして陽性の確認がされております。また、ロシア、ベラルーシ、ウクライナということで、依然として、やはり1度いのしし、野生いのししの中に入ると発生が、また季節的な変動もあるということがわかってきておりますので、しっかりと防疫対応、また情報も集めながら、あと先ほどの動物衛生研究部門の研究なども通じて、万が一に備えた見る目も養うというようなこともやっていくところでございます。
それから、次のページの上段が8ページ、下段が9ページでございます。年末年始、あるいは冬休みを迎えますので、口蹄疫等、あるいは鳥インフルエンザなどの侵入防止のための水際対策ということで各種取り組んでおりますし、最近ではキャセイパシフィックエアラインにも協力いただきまして、鳥インフルエンザなどの対策について機内放送ということで、これは日本語だけじゃなくて英語、中国語などで機内でアナウンスしていただいております。こういった取組も地道に今進めているところでございます。
また、下段に検疫探知犬、現在26頭でございますけれども、今年度中に28頭になって、また来年度予算、今日ちょうど予算の閣議決定でございましたけれども、1頭でございますけれども追加できるような状況になっておりますのでご紹介したいと思います。
それから、次10ページ、11ページとなっております。アヒルの肉から、携帯品からH7N9が見つかっているというケースでございます。これはこの資料では2つの株になっておりますけれども、1つはローパソで1つがハイパソ、さらにこの11月になっても同様に中国からの持ち込み品からハイパソのH7N9が見つかったということで、これは国際的に見ても、なかなかウイルスがとれるということ自体が非常に注目されている案件ですので、国際的な協力関係の中でも生かしていけるんじゃないかと思っております。
それから、少し飛ばさせていただきますが、16ページ、17ページというページでございます。16ページ上段に、乳製品につきまして指定検疫物にこの11月から、この委員会でも検討していただいた内容でございます。11月から実際に適用して、順調に検査のほう進んでおりますので、そういった意味では動物検疫所の新しい業務、また今後乳製品を輸出する上でも役立つことだということでしっかり取り組んでいきたいと思っております。
それから、次のページ、上段が18ページ、下段が19ページでございますけれども、これは参考情報としまして、左上のほうに繁殖牛ということで、ちょっと緑色っぽい棒グラフがございます。昨年348頭が現在1,825頭ということで、これは繁殖牛、今牛が非常に高いということで、酪農用の後継牛をとるために、確保するために豪州から輸入しております。そういった意味で動物検疫でしっかり健康を確認しながら、国内の必要な場面で検疫をした上で輸入しているということでございます。
あと下段のほうで、ちょっと小さい字なので言葉で申し上げますけれども、中国との間で出入国のお客様の間の携帯品の検査などについて、いわゆる動物検疫関係の協力覚書ということで、現在仮署名になっておりますけれども、今日ご出席の小川審議官と中国当局の副局長クラスで結んでおりますので、これもまた後々閣僚級での合意に結びつけることによって、より水際対策が双方向でしっかりできるようにしたいと思っております。
あと国際関係でございますけれども、少し飛ばしてもらって、上が24ページ、下が25ページというページになります。国際関係、OIEとの協力というようなことで各種ワンヘルスであったり、あとAMR、薬剤耐性の関係も今取り組んでおります。あとまた情報の収集ということでも、今回ここでご紹介しておきたいのは予算関係で、普通であれば査定というのは減額でございますけれども、増額査定という非常に珍しいケースで、OIEへの拠出、あるいは国際関係の協力予算ということで財務省から、ありがたくも非常に大幅アップの増額されておりますので、これをしっかり生かしていきたいというふうに思ってございます。
あと1点、上段が32ページ、下段が33ページというページでございますけれども、下の段に豚の病気のPEDの状況です。PED、平成25年の秋口から大変ご心配いただいた、あるいは対策が必要になったことでございますけれども、先ほどの話のように、農家のバイオセキュリティがしっかりしたり、あるいは母豚へのワクチン接種によって、今シーズンは今4戸となっておりますけれども、21日に1つ見つかっておりますので、全国で5戸の確認になっておりますけれども、野生動物もサーベイランスのデータなどをまさにしっかり農場さん、あるいは指導する獣医さんにフィードバックすることによって、農家みずからやるバイオセキュリティを高めていただくことによって十分コントロール可能な病気だというふうに考えております。
それから、40ページ、41ページと書いてございます。下段に鳥インフルエンザの対応でございます。これは昨年のケースでございますけれども、現在も考え方は一緒で、総理指示が昨年出て、要すれば、申し上げたいことは全省庁、関係省庁が協力して政府挙げて取り組んでいるということでございます。これをご紹介した上で、また今もこういうシーズンになっておりますので、ページが46ページに飛ばさせていただきます。恐縮です。4月以降、また12月に至るまで各種点検なり指導して、また今は渡り鳥シーズンということで、また下段のほうには関係する省庁の取組なども記載しておりますので、ご参考にしていただければと思ってございます。
あと最後に輸出の関係ということで、1つ戻ってもらって34ページ、35ページということで棒グラフがございます。34ページ、35ページとありますけれども、牛肉を例にとっておりますけれども、現在、輸出のほうが順調に伸びているのは、先ほど申しましたように、日本にいらっしゃるお客様方にやはりおいしいものを食べてもらって支持されて、また輸出できる国についてはこのような形で伸びておりますので、多分冒頭、小川審議官からのご挨拶にあったとおり、台湾向けの輸出も解禁して、特に台湾の場合は鍋物など、ステーキとかだけではなくて鍋需要までありますので、肩とかモモとかウデといったような、ちょっと今までと違う部位についても売れるというポテンシャルがありますので、こちらは蛇足かもしれませんがご紹介しておきたいと思います。
以上でございます。

村上小委員長
ありがとうございました。
では、ただいまのご説明に対してご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。
よろしいですか。
それでは、続きまして議事3、アルゼンチン・パタゴニア地域について口蹄疫の地域主義、これは清浄性が確認された地域からの輸入を認める措置でございますが、これを適用して牛肉及び羊肉を輸入することについて、事務局から説明をお願いいたします。

近藤課長補佐
リスク分析班の近藤でございます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。座ってご説明させていただきます。
本件につきましては、参考資料3の法令集の中でめくっていただいて最後のページにございます指定検疫物の輸入に関する要請についての標準的手続に従いまして、この中のプロトコール1に当たる案件として検討を進めているものでございます。
ここの内容の説明は割愛させていただきますが、本日は本委員会におきまして専門的、また技術的な見地からご検討いただければと思っております。
それでは、内容に関する資料につきましては、3-1と3-2になります。
3-2は大部になりますので、3-1に簡単にまとめた概要がございますので、この3-1に従いましてご説明をさせていただきます。
初めに、この資料3-1のめくっていただきまして、一番後ろの紙になりますけれども、別添1のアルゼンチンの地図をご覧いただけますでしょうか。ページで申しますと6ページになります。
この図は、アルゼンチンにおけるOIEの口蹄疫のステータスを色分けして示しているものとなります。
オレンジ色、北部の部分、こちらがワクチン接種清浄地域である北部地域、あとこの図で申しますと黄色、黄緑、水色の地域、こちらが今回お諮りするワクチン非接種清浄地域であるパタゴニア地域となります。
パタゴニア地域には、水色で示されております南パタゴニア地域、黄緑の北パタゴニアB地域、黄色の北パタゴニアA地域の3地域が含まれております。
パタゴニア地域内のこの3地域の色が分かれているのは、それぞれワクチン接種清浄地域としてOIEに認定された時期が異なるということでございまして、それぞれ南から順に2002年、2007年、2014年に認定されているということになっております。
また、最初のページに戻っていただきまして、資料の本文に沿ってご説明させていただきます。
経緯の部分でございますが、今般アルゼンチン当局よりパタゴニア地域からの生鮮牛肉及び生鮮羊肉の対日輸出の解禁要請があったことから、アルゼンチン当局から情報提供いただくほか、技術的な協議及び現地調査も行った上で情報収集をいたしまして、輸入のリスク評価を行いました。
続きまして、評価の内容に早速入らせていただきます。
初めに、獣医当局及び法制度に関しましては、アルゼンチンの当局といたしましては、アルゼンチン農産業省国家農畜産品衛生管理機構、ちょっと長いので、この後は「SENASA」というふうに呼ばせていただきますが、SENASAが家畜衛生と食品衛生の両方を所管する中央当局となっております。
SENASAは全国に14カ所の地域センターと377カ所の地方事務所を有しておりまして、それぞれに獣医師を含む職員が配置されており、管轄地域における家畜衛生・公衆衛生の担当をしております。
また、SENASAの動植物検査総局、通称「DILAB」と呼ばせていただきますが、こちらがナショナルリファレンスラボラトリーといたしまして疾病の診断及びワクチンの品質管理や検定などの業務を行っております。
法制度に関しましては、動物衛生施行法等により、国策として動物疾病の予防、管理、撲滅を行っていくことを宣言しているほか、さらにこのSENASAに法的な権限と責任を付与しております。
また、さまざまな決議で、疾病発生時に発動される国家動物衛生緊急システムが定められているほか、その通報の対象となる疾病や通報のルールについても定められております。
特に口蹄疫に関しましては、口蹄疫法におきまして口蹄疫の撲滅に取り組んでいくということがまた宣言されているほか、撲滅に向けた具体的な対策が規定されております。
さらに、実際に口蹄疫が発生してしまったときの封じ込め計画も決議によって定められております。
これらのことから、アルゼンチンにおきましては、国家中央当局及び地方において平常時、あるいは緊急時における口蹄疫対策を実施するための十分な人員が配置されており、また法制度に基づいて、アルゼンチン全体で実効的に対策を講じる体制が整備されているというふうに考えられました。
めくっていただきまして、次に家畜の飼養状況など、一般状況につきまして簡単にご説明いたします。
アルゼンチンは牛の飼養が非常に盛んな国でございまして、全国で約5,500万頭が飼養されております。
こちらの7ページの別添2に地図が2つございまして、左側が牛の分布、右側が羊の分布になっております。こちらを見ていただきますとわかりますように、今回の評価の対象となっておりますパタゴニア地域は、牛のほうの分布を見ていただきますと、非常に飼養密度が低い。これは中央から北東部にかけての肥沃なパンパ・パンパス地域と呼ばれる地域が主に牛の主要な産地となっておりまして、今回の評価対象の地域は、むしろ右側の羊の分布を見ていただきますように、羊の飼養が盛んな地域となっております。
それでは、もう一度本文の2ページのほうに戻っていただきまして、アルゼンチンでは、年間に1,200万頭の牛がと畜されておりますが、全てのと畜場と、食肉処理施設につきましてはSENASAの認定を受けることになっております。
と畜場にはSENASAの検査官が配置されておりまして、全ての生体及びと体について、と畜前検査、と畜後の検査が行われております。
と畜後の検査におきましては、口蹄疫を含む水疱性疾病を確認するために蹄、あるいは尾部、あと口腔内の水疱性の病変の有無を確認しているということでございます。
また生鮮牛肉、羊肉を輸出するための輸出用の施設につきましては、輸出先国ごとの異なる要件がございますので、そういった要件を持たすことについてSENASAがあらかじめ実際に現地に入って確認をして、その上で輸出用の施設としての認定を受けることが必要となっております。
輸出用の施設に対しては、定期的な査察も行われておりまして、そういった輸出用施設が全国で牛肉で50カ所、羊肉で12カ所が認定されているという状況でございます。
続きまして、個体識別とトレーサビリティにつきましてご説明させていただきます。
アルゼンチンでは、全ての農場がSENASAに登録をされて、固有の番号であるRENSPA番号というものが付与されることになっております。また、全ての牛には、個体単位で個体識別番号が付与されまして、今申し上げました農場の番号や個体識別番号などが含まれた耳標が装着をされます。
なお、もう一つの3-2の詳細版の資料のほうには写真を載せているんですけれども、耳標には、それぞれ異なる色が決められておりまして、これは口蹄疫の清浄性ステータスによって分けられております。
一方、羊、山羊、豚につきましては耳介に切り込みを入れることによって農場単位で識別を行っているということです。
農場の所在地、飼養動物の頭数、あとワクチン接種履歴と動物衛生の関連情報は全て動物衛生の管理システムに登録をされることになっておりまして、家畜の移動の際には移動許可書、「DT-e」と呼ばれる移動許可書が必要なんですけれども、このDT-eを発行するときに、このシステムを通じて申請することになりますので、ワクチン接種情報も移動許可書に反映されるというような仕組みになっております。
と畜段階になりますと、今度はと畜場に搬入された群単位で識別されることになりまして、最終製品である食肉段階では、群単位でのトレーサビリティが確保されるという体制になっております。
これらの状況を踏まえますと、と畜・食肉処理施設におきましてはSENASAの認定がまず必要であるということ、またSENASAの検査官による、と畜前、と畜後の検査が行われておりまして、輸出用の施設につきましては、輸出先が求める要件を満たすことをきちんとSENASAが確認をした上で認定をされているということで適切な管理が行われているというふうに考えられました。
また、牛及び羊につきましては生体段階、あるいは食肉段階でトレーサビリティが確保されておりまして、家畜の移動情報が適切に管理されているというふうに考えられました。
続きまして、国境検疫措置につきましてご説明させていただきます。
動畜産物の輸入に当たりましては、SENASAが実施をする評価に基づいて衛生条件が定められると、こういったことは日本と同じなんですけれども、口蹄疫に関しましてはOIEの認定に加え、SENASAにより口蹄疫の接種、または非接種清浄と認定された国、または地域由来の動畜産物に限り輸入を認めているということでございます。
このうちのワクチン接種清浄国由来の生鮮牛肉につきましては、脱骨・熟成の処理が行われたもののみ輸入を認めています。
SENASAは空港、海港、陸路、ほかの国とつながっている橋などの国境検疫ポイントにSENASAの職員を配置して輸出入検疫を実施しているということです。
書類審査のほか、全ての貨物、手荷物につきましてもX線検査や目視による検査を行っておりまして、コマーシャルのものだけでなく一般旅客の手荷物までしっかり確認をしてきているということでございます。
また、近隣諸国において口蹄疫の発生のあった場合、あるいは疑われた段階で直ちに国境検疫の強化、あるいは発生地域からの輸入の停止が行われる体制がとられているということでございました。
一方、輸出に関しましては、輸出用のと畜場に常駐するSENASAの獣医官と、畜産物を輸出する港にいるSENASAの獣医官と二段階の確認を経た上で最終的に輸出の検疫証明書が発行されるというような仕組みになっています。
また、今度はアルゼンチンの国内において口蹄疫が発生した場合には、直ちに港、空港、あるいは海港に所在しますSENASAの事務所に情報が伝達されまして、畜産物の輸出が一時停止されるというような体制がとられているということでした。
これらのことを踏まえますと、アルゼンチンにおきましては輸出入につきまして適切な国境検疫措置がとられるとともに、近隣諸国において口蹄疫が発生した際には速やかに当該国・地域からの輸入が停止されるというような体制が構築されていると考えられました。
最後に、国内防疫措置についてご説明させていただきます。
今回は、ワクチン非接種清浄地域に関する評価でございますが、口蹄疫対策の重要なポイントであるワクチン接種政策につきましても簡単に触れさせていただきます。
先ほどの地図でお示ししましたオレンジの部分、ワクチン接種清浄地域になりますが、これらの地域では毎年地域内の全ての牛及び水牛に対しましてワクチン接種が行われております。これは年に1回か2回のワクチン接種キャンペーンの期間が設定されておりまして、その期間に集中して組織的に行われる形になっております。
ワクチンはDILABにより品質管理と検定が行われたものが使われることになっておりまして、実際に接種に携わるのは地方の家畜衛生組織、生産者団体、地方のSENASAの獣医官などから成る地方家畜衛生組織である、「ENTE」と呼ばれる組織が各地域に設置されておりまして、そのENTEがワクチンの購入、保管、接種と接種記録の作成までを担っているという形になっております。
ワクチン接種は生産者みずからが行うことは認められておらず、SENASAの認定を受けた民間獣医師が実施するということになっております。
ワクチン接種地域におきましては、ワクチン接種による抗体の保有状況を確認するとともに、ウイルス循環の有無を確認するために血清学的サーベイランスが実施されています。
今回の評価対象でございますパタゴニア地域のうち、北パタゴニアA地域、地図でご覧いただきますと黄色い部分なんですが、こちらは最後に非接種清浄として認定された地域でございまして、2012年までワクチンを打っておりました。そのため、過去にワクチン接種を受けたことのある牛の─繁殖牛となりますが、そういった牛が約19万頭、北パタゴニアA地域で飼養される牛の頭数の25%弱残っているという情報でございました。
ただ、これらの過去にワクチンを接種されたことのある牛につきましては、南パタゴニア地域、または北パタゴニアB地域に移動することは認められていないということになっております。
それでは、続きまして口蹄疫発生時の対応につきましてご説明させていただきます。
家畜に口蹄疫を疑うような症状が見られた場合には、家畜の所有者はSENASAの地方事務所に通報する義務がございます。通報を受けたSENASAの事務所の獣医官は直ちに現地に行きまして、そこで疑わしいとなった場合には、まず動物や車両の移動制限がかかります。同時に確定診断のためのサンプルがDILABに送付される。そこで確定診断で口蹄疫の発生が確認された場合には、国家動物衛生研究システムを発動して、OIE、あるいは諸外国への通報、移動制限、患畜等の殺処分、あと疫学調査、あと緊急ワクチン接種などの防疫措置が講じられるということになっております。
これらの緊急時の対応を円滑に行うために、定期的にSENASAの本部、あるいは地域センター、あと地域の生産者、あとENTE、あと港湾部隊などが参加した形で防疫演習も実施しているということでした。
次に、サーベイランスについてです。
口蹄疫に関するサーベイランスとしましてはパッシブサーベイランスとアクティブサーベイランスが両方実施されております。
パッシブサーベイランスの担い手といいますか、実際に行うのは、まず、と畜場や家畜市場に配置されているSENASAの獣医官、これは公的な臨床検査に該当しますが、それだけでなく、通常から診療に当たっている民間獣医師、あるいは家畜の飼養管理者、生産者、あと家畜の輸送を担当するような者からも通報が行われるということになっております。
通報を怠った場合には罰則規定が適用されまして、殺処分に係る補償が受けられないというようなことがもう法に規定されておりますし、あとはアルゼンチンではSENASAがリーフレットとか、マスメディアを活用して、口蹄疫に関する啓発活動も積極的に行っています。それに加えて、2000年から2001年にかけての口蹄疫の大発生の経験から実際に家畜の飼養者の間でも非常に意識が高いということで、ふだんから家畜の観察を通じた水疱性の病変の早期発見や通報に対して非常に意識が高いということで、パッシブサーベイランスが有効に機能する環境が整っているというふうに考えられました。
特にワクチン非接種清浄地域では、パッシブサーベイランスが主要なサーベイランスの手法となっていると考えられます。
2013年から2016年の間には全土で24件の通報がありまして、水疱性の疾病ということで類症鑑別を行いました結果、全て口蹄疫については否定をされております。
なお、一般的にワクチン接種牛に関しましては、ワクチンを接種していない牛と比較すると、感染時に症状を示しにくいということで、このことがワクチン接種牛が残っている北パタゴニアA地域におけるパッシブサーベイランスの有効性にどのように影響があるのかという点についても検討させていただきました。
北パタゴニア、2012年までワクチンを接種していた牛がまだ一部残っているんですけれども、これらの牛、繁殖牛ですので、年々更新をされていって、どんどん群に占める割合は少なくなっております。さらにワクチンを最後に打ってから、もう数年間も経過しているということを考えますと、そういった牛を含む牛群に新たに感染が起こった場合にも症状を伴うというふうに考えられますので、この北パタゴニアA地域であってもパッシブサーベイランスそのものは有効に機能するというふうに判断いたしました。
ただ、一方で個体レベルで考えますと、ワクチン接種後にキャリア化した牛が牛群にわずかに存在する可能性というのを完全に否定することは難しいというふうにも考えられ、その点については留意が必要というふうに考えております。
次に、アクティブサーベイランスにつきましては、アルゼンチンでは毎年全国で一律のアクティブサーベイランスをやるというような形ではなくて、数年単位でターゲットを絞って血清学的サーベイランスを実施しています。
2013年から2015年、これは2012年に最後のワクチン接種が終わった後になりますが、北パタゴニアA地域におきましてハイリスク農場を対象としたウイルス循環の有無を確認するための血清学的サーベイランスが実施されています。
具体的に、どのようにハイリスク農場というのを抽出したかと申しますと、SENASAが家畜の移動のデータを保有しておりまして、ほかの地域から家畜の導入が多いような農場、パタゴニア地域と北部地域の境界となっている川の周辺の農場、家畜が多く集まる市場やと場、ごみ捨て場付近の農場をハイリスク農場として抽出して、そこからサンプルをとるというようなサンプリングデザインとなります。
検査は非構造たん白に対する抗体を検出する間接ELISAであるELISA 3ABCとウェスタンブロットを組み合わせて行います。最初に間接ELISAでスクリーニングをしてウェスタンブロットで確認をするという手法を用い、初回の検査で検査結果が陽性となった場合には、陽性となった牛についてプロバングテストを実施するとともに、同一の牛群、同一農場で飼養される若齢牛、あるいは同一農場に羊がいれば、そういった羊についても採材を行い、最終的にウイルス循環があるかないかを確認しております。
この結果、この表にお示ししているとおり、ウイルス循環については否定されております。
最後に、ワクチン接種/非接種地域の境界における動畜産物の移動管理につきましては、まず北部地域からパタゴニア地域への口蹄疫の感受性動物の移動につきましては、ワクチン接種歴の有無にかかわらず禁止をされております。畜産物に関しましては、北部地域からの生鮮牛肉と羊肉につきましては脱骨・熟成をしたもののみが移動することが可能となっております。その北部地域から移動してくる畜産物が要件を満たしていることをどのように確認しているかという点につきましては、パタゴニアに輸送していいという特別な認定をSENASAにより受けた施設からのみ、北部地域産の肉が移動できるような管理の方法になっております。
実際に移動する動畜産物の監視体制といたしましては、5ページの図にございますように、パタゴニア地域と北部地域の境界にはバランカス川とコロラド川という物理的な障壁がございます。ここに橋がかかっておりまして、それぞれの橋には衛生防疫ポイント、いわゆる国内の検疫ポイントが設定されておりまして、ここを通過する全ての車両、一般車両、コマーシャル、全ての車両を対象に書類の確認及び実際に現物の確認をするというような形で通過を認めております。
ほかに空港も域内に12カ所ございますけれども、こちらにつきましてもSENASAの職員が配置されておりまして、X線検査等により手荷物の検査を行っております。
これらのことを踏まえますと、口蹄疫の早期摘発のための通報、あるいは発生時の防疫体制がアルゼンチンでは整備されていて、口蹄疫のパッシブサーベイランスが有効に機能しているほか、アクティブサーベイランスも適切に実施されているということが確認をされました。
また、パタゴニア地域の口蹄疫の清浄性を維持するための北部地域からの動畜産物の移動もしっかり規制されており、これらのことを踏まえますと、パタゴニア地域の口蹄疫に関する清浄性が確認されていて、さらに新たな侵入を防ぐための境界措置がしっかり行われているということが確認をされました。
最後に、結論になります。
結論としましては、口蹄疫の防疫という観点において、アルゼンチンの獣医組織体制、国境検疫措置、国内防疫措置等が適切であると確認されました。また、口蹄疫に地域主義を適用する上で、評価対象地域の清浄性が確認されることと、当該地域にウイルスを侵入させないための障壁が機能していることが非常に重要となりますが、これまでに実施されたサーベイランスによりパタゴニア地域そのものに、口蹄疫の発生やウイルスの循環がないことが確認をされており、さらに衛生防疫境界ポイントにおける移動管理が確実に実施されているということで、パタゴニア地域における口蹄疫の清浄性は維持されていると評価できると考えております。
したがいまして、パタゴニア地域への動畜産物の移動管理などの現行の措置が今後も継続されるならば、アルゼンチン・パタゴニア地域からの生鮮牛肉及び羊肉の輸入により口蹄疫が我が国に侵入するリスクは極めて低いというふうに判断をいたしました。
しかしながら、北パタゴニアA地域には、過去のワクチン接種を受けた牛が残存していることから、パタゴニア地域からの生鮮牛肉の輸入を認める場合には、これらの牛に由来する牛肉の取り扱いを含めた管理措置については検討すべきというふうに考えられました。
事務局からの説明は、以上となります。

村上小委員長
ありがとうございました。
本件につきましては、当委員会では今回が初めての議論となりますけれども、事前に資料もご検討いただけたものと思います。
事務局からは、総合評価としてパタゴニア地域の動畜産物の移動管理等の現状の措置が今後も継続されるならば、アルゼンチン・パタゴニア地域からの生鮮牛肉及び羊肉の輸入により口蹄疫が我が国に侵入するリスクは極めて低いと考えられるとの評価案が示されました。
なお、パタゴニア地域には、ワクチン接種歴を有する牛が残っている地域が含まれることから、同地域からの生鮮牛肉の輸入を認める際には、ワクチン接種歴のある牛由来の牛肉についての取り扱いを含めたリスク管理措置を検討するべきという見解も示されております。
それでは、委員の皆様からご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。
小渕委員、お願いします。

小渕委員
ワクチンのことで、あまり不勉強でよくわからないんで教えていただきたいんですけれども、最終が2012年で、かなり前ということなんですけれども、それでもマスキングされるくらい25%まだ残っているということで、ワクチン接種、そういう牛を今やったとしても、やはりマスキングされるような抗体なり、そういう検査結果が出ているということなんでしょうか。

近藤課長補佐
お答えさせていただきます。ありがとうございます。
ワクチンの一般的な免疫の持続期間と、毎年打ち直しをしていることを考えますと、十分な免疫が維持されるのは数カ月から1年に満たない程度というふうには考えられるので、群としては、発症をマスキングするほどの免疫の状態が維持されているというふうには考えておりません。
一方で、キャリア化した個体につきまして、なかなかそれを検査で検出するというのは難しい部分がございまして、文献的には数年にわたってキャリア化をする個体もいるということです。個体レベルではそういった個体がわずかにいる可能性は否定できないですが、群単位のサーベイランスとしてはパッシブサーベイランスが有効に機能する、つまり感染があれば発症を伴うような感染となって、摘発できるような群の状況になっているというふうに判断いたしました。

村上小委員長
ほかにございませんか。
私のほうから1点ですが、ワクチン接種歴を有する牛由来の牛肉の取り扱いを含めたリスク管理措置というのは、どのようなものを想定されているでしょうか。

伊藤国際衛生対策室長
国際衛生対策室長の伊藤でございます。
例えば家畜衛生条件、輸出入するに対しての、輸入に対しての条件なんですけれども、そのときに日本向けの生鮮牛肉はワクチン接種歴のない牛に限るといった要件を求めるというようなことを考えております。

村上小委員長
ありがとうございました。
ほかにございませんか。
よろしいですか。
中島委員お願いします。

中島委員
1点確認と1点質問です。
先ほど近藤さんからご説明あったところで、抗体を調べる検査で、「構造たん白の抗体」というふうに言っていましたが、それは……。

近藤課長補佐
非構造たん白です。NSP、非構造たん白です。

中島委員
非構造たん白で。じゃ、僕の聞き間違いですかね。そこの確認と。
あともう一つは、アクティブサーベイランスの個体数なんですけれども、パタゴニア地域は羊のほうが多くて、牛はどちらかというと飼育密度が低いということなんですが、アクティブサーベイランスではサンプリングの数のバランスはどういうふうに考えられて決定されているんでしょうか。

近藤課長補佐
ワクチン非接種清浄地域のサーベイランスでよろしいでしょうか。

中島委員
はい。

近藤課長補佐
ワクチン非接種清浄地域の口蹄疫の血清学的サーベイランスにつきましては、まずハイリスク農場を対象とした最初の抽出を行った上で、牛群単位での有病率、いわゆる感染農場率を1%と仮定した場合に、95%の信頼度で、感染農場を摘発可能な数の農場を選定して、さらに牛群内の有病率を20%と仮定した場合に、95%の信頼度で、感染動物が摘発できる数が設定されているということでございました。

中島委員
私が勘違いしていなければいいのですけれども、2016年のパタゴニア全地域で牛のサンプリングの数より羊のサンプリング、山羊のサンプリングの数がかなり少ないというのは、一律に1%で95%の信頼度でということの適用とは別の何か視点があるのかということと、恐らく1%で95%の信頼度でいっても、地域ごとに検出するための地域というのを設定して、その中で有効なサンプリング数というのを決定していると思うんですけれども、そのあたりの考え方が羊と牛で違うのかどうかということに関してはいかがでしょうか。

近藤課長補佐
2016年に関しましては、3種類以上の感受性の動物、つまり牛と羊と山羊を一緒に飼養している農場、家畜の移動が多い農場、地理的な分析によって感受性動物の飼養頭数が多いエリアの農場、と畜場や家畜市場から近いところに所在する農場、これらの農場がまずハイリスク農場として、地域ごとではなくて、パタゴニア全域から抽出された母集団として形成されて、今のパラメータを使って数が設定され、その数を満たすようランダムに農場が選定されたというふうに聞いております。

村上小委員長
よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
ほかにございませんでしょうか。
有川委員お願いいたします。

有川委員
1つ教えていただきたいんですけれども、ワクチン非接種清浄地域からの輸入に関しては、脱骨・熟成処理までは求められないということになるわけですか。今回の場合は、そういう理解でよろしいんでしょうか。

近藤課長補佐
ワクチン非接種清浄地域として認めた地域からの生鮮牛肉については、先ほどのワクチンを打った牛由来の肉は認めないといった条件は必要ですが、地域として
は脱骨・熟成の管理措置が必要という評価はしておりません。

村上小委員長
よろしいですか。
ありがとうございます。
ほかにございませんか。
よろしいですか。
それでは、アルゼンチン・パタゴニア地域について口蹄疫の地域主義を適用することに関して、牛肉及び羊肉を輸入することについて本委員会として了承し、その旨、家畜衛生部会に報告したいと思います。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
続きまして、議事4、ウルグアイ、これは口蹄疫ワクチン接種清浄国ということでございますが、ウルグアイからの生鮮牛肉の輸入に係る現地調査について報告を西委員からお願いいたします。

西委員
今年の10月、ウルグアイのほうに行ってまいりましたので、お手元の資料は字で書いてあるものですので、それは後ほどお読みいただいて、私のほうから写真とかも撮ってきてございますので、それで見ていただければと思います。
まず最初に、今回派遣するに当たって私なりを選んでいただきまして、都道府県の家畜衛生の専門家として行けたということで自分としても非常に勉強になりましたし、改めて感謝したいと思います。
また、あと現地のほうでは、ウルグアイの衛生当局の方々、そして日本大使館の、今日も来られておりますけれども、田中大使ほかの方々にいろいろお世話になりました。本当にお世話になりました。ありがとうございます。
では、目的としましては、7月28日に小委員会において肉のpH処理や脱骨等の上乗せ管理措置の実効性が実際に現地のほうで間違いなくできるのかどうかということを目で見て確認してくるということで行ってまいりました。
10月16日から23日ということで8日間なのですが、実質は行くのに片道約32時間から40時間かかりますので、現地のほうでは4日間の滞在で、朝早くから夜まで見せていただきました。
場所的には皆さんご承知のとおり、ウルグアイというのはブラジルとアルゼンチン、そしてパラグアイに囲まれた日本の半分の大きさの国でございますけれども、行ってきた場所については、獣医衛生当局と研究所、そして肉用牛の育成・肥育牧場、地方事務所、そしてと畜場ということで、このようなところを行ってまいりました。
まず、肉牛の生産牧場ということで、対日輸出を想定している農場ということでサン・ホセ県にあります肉用牛の育成・肥育牧場でございます。ここは繁殖がいない形で、牛を導入して、それを太らせて、そのままと畜場に出荷するという農場でございます。約1,800頭飼っておりまして、毎月120頭を通年で出荷しております。放牧中心でございますので、総面積は2,000?ということで非常に広い農場でございます。
ご家族の3名と、それからガウチョ2人ということで、合計5名でこの農場を管理されているということでございます。
まず、結論のほうから言いますが、まず調査の結果、家畜衛生当局、直接的には地方事務所になりますが、畜産総局に登録されている認定獣医師、これは民間の獣医師でございますけれども、そこと連携しながら農場の監視、指導を適切に行っているということが確認された。また、牛の履歴データの管理は認定獣医師及び公的獣医官により行われており、牛の個体識別・トレーサビリティシステムを活用したトレースバック、トレースフォワードが可能であるということを改めて確認いたしました。
私自身は家畜衛生の現場にいましたので、農場と獣医師、それから民間の獣医師、そして公的獣医師がどのようにつながりを持っているかをしっかり確認したいということもありまして、そこを重点的に見せていただきました。
実際に追い込みに牛を追い込んでいただきました。放牧されておりますので、ガウチョが集めてきて、右に写っている方は民間の獣医師なのですが、出荷前には健康検査ということで口蹄疫の検査は、口をこのように開いてやりますよということを見せていただきました。
それから、個体識別の情報ですが、以前の評価書だけを読んでいると、左耳にある耳標と右、これがマイクロチップなのですけれども、2つつけるというふうになっていて、どうして2つつけるのだろうかというのが私もよく理解できなかったのですけれども、実際に行ってみますと、こちらのほうは目で見てわかる耳標システムになっています。こちらのほうはマイクロチップが入っておりまして、こういう黄色い長い棒があるわけですけれども、これをマイクロチップ側に近づけることによって読み取ります。この1本で2,000頭まで読み切れるというふうに言っておりました。
2種類ここに見せていただいていますけれども、新しい機種と古い機種ですということで、これは実際に説明を受けているところです。
牛がここに10頭ぐらい並んでいたのですけれども、本当にあっという間に耳標を読み取っております。
それが、その登録情報そのものがワイヤレスでそのままパソコンに転送されるようになっています。また、読み取り機をUSBで接続しても見られるような形で、これは農場の事務所のほうに行って、実際に読み取ったやつをウエブ上で登録情報とリンクさせるような形を見せていただきました。
ちょっと戻ります。
この農場で本当にわかったことというのは、まず農場の方が、何かあれば民間獣医師に通報する。農場も単なる所有者だけじゃなくてガウチョ、いわゆる従業員の方が異常を見つけたときは日本と同じような、飼養衛生管理基準にも書いてありますけれども、通報する義務があるということで、日本と同じようなシステムを持っているということ、そして臨床獣医師と公的獣医師とがつながっております。
この情報そのものが、後ほどと畜場のところで説明していきますけれども、農家情報と、それから牛個体の情報が全て管理されて、それが全て同じように使われるようになっています。
牛を移動する際には、まず農場の方がウエブ上で申請を出せるような仕組みにもなっています。もちろん、ファクスだとか電話もできるということも言っていましたけれども、ウエブ上で「この牛を出荷したい」と。そうしますと、公的獣医師の地方事務所のほうで、その個体情報を確認して証明書が発行されます。その証明が発行されると、認定を受けた民間の獣医師が出荷前に臨床検査を行います。この出荷前の申請については、48時間前までにそれを出すことになってございます。そして、民間の獣医師が最終的に先ほどの臨床検査をやって、その証明書を持って、これは日本とまた違うシステムだったのですけれども、その証明書を警察署に持っていって、そこでもう一度判を押してもらって、そしてと畜場に運んでいくと、そういった仕組みになってございました。
次は、と畜場のほうですけれども、対日輸出が想定されると畜場ということで、ドゥラスノ県にあると畜場、これは牛専用の輸出向けのと畜場でございます。最大の処理可能頭数が1日当たり1,200頭ということで、実際には大体1日700~800頭を処理していますというふうにお伺いいたしました。
結果のほうを先にお話ししますけれども、脱骨、そしてpH処理等の処理については、まず作業員向けのマニュアルがきちんと整備されています。この作業員も1か月間の研修を受けて、そして3か月後には再度評価を受けるという、そういう仕組みになってございます。公的獣医官による監視のもと、適切に実施されているということがわかりました。
それから、全工程を見せていただいたのですが、製造ラインがしっかり分離されておりまして、処理後にほかの肉との接触がない体制が確認されておりました。
それから、施設に常駐する公的獣医官がと畜の前後の検査を実施し、口蹄疫の疑いがない、そしてウルグアイで生まれ育ったなどの輸出国が設定した条件、ここのと畜場はアメリカですとかEUですとか中国にも出しているのですけれども、その全ての条件を満たしていることを確認しているという状況でございます。
あと熟成後の枝肉段階までは個体識別番号が全て貼付されておりまして、個体レベルの管理が可能です。。
肉の塊になっていくと今度はロット番号になるわけですけれども、農場段階まで追跡できるような体制が整えられておりました。
実際の写真でございますが、まず係留場。実際にはと畜場に入る際には、一番きれいな作業場所から入って、最後にここを見せていただいているわけですけれども、今日の説明は、と畜の順に見ていきたいと思います。
係留場が、全て入れると1,400頭まで入るということだそうです。トラックでここに入ってきて、獣医官のほうが臨床検査をやって、もし異常があれば、これが少しよける場所なのですけれども、隔離に持っていくようなスペースになっています。この奥に隔離スペースがさらにあります。健康な牛については、この通路を通ってと畜のほうに回っていくという形になってございます。
この一つ一つのマスが100平方メートル当たり40頭収容されているということ、それで係留されているときに、まず入ったときの臨床検査もあるわけですけれども、今度係留されている段階で検査員によって、それぞれマスごとにチェックがされています。
それから、EU向けということもあろうかと思うのですが、動物福祉に非常に配慮していて、給水施設もちゃんとついておりましたし、当日、牛を和ませるという理由だそうですが、音楽も流れておりました。
最初の受け入れ時のときに異常が見つかった場合については隔離スペースがあって、そこから隔離棟があります。隔離棟に行くと保定枠もあって、そして仮に病畜と判断されたものについては別な棟のところでと殺して、それはもう焼却処分するというふうにおっしゃっておりました。
今度、と畜場の中なのですが、まず中に入るには服を着がえて、写真はございませんが、一番最初に長靴を強制的に横と底を洗う機械がありまして、そこを3mぐらい歩いていくような形になります。
その後、手を洗って、乾燥させて、最後、と畜施設に入るときはアルコール消毒の装置があるのですが、1人ずつ、ここでアルコールを手に浴びたということがないと、ここのバーが動かないような形になっております。
と畜で、最初にと殺銃で、と畜いたしますけれども、一番最初に見る検査ということで口蹄疫の検査ということで、ここにぶら下がっているのがあるのですが、これが口蹄疫を見るための口腔粘膜です。口腔粘膜が下げられています。それから、足をすぐ外して、この口腔粘膜と足をシャワーもかけながら、要は汚れている部分がありますから、そういったところもシャワーをかけながら検査員が見るという作業になっています。もし、疑う事例があったら、と畜作業は全面停止というふうにおっしゃっていました。
と畜される牛については1頭にラベルが5枚出てくるわけですけれども、枝肉に対して4枚と内臓に1枚ということが張られます。こちらの方は現地のと畜場のほうの獣医師の方です。
これは内臓検査をやっている風景です。このつり下げられているのは頭部と肝臓とか肺です。こちらは胃とか腸とかですけれども、ちょっと見づらいのですが、この奥のところの赤いヘルメットをつけた方がまず検査員で、異常があれば、肺炎だとか、そういう病変というのはどうしても肉牛ですからあるわけですけれども、そういうものについては、赤いビニール袋で縛ってしまって、これは廃棄という印がつくそうです。
それから、今度は温度管理ですけれども、枝になった肉については冷蔵庫の中に入っていくのですが、それぞれの冷蔵庫、たくさんあるわけですけれども、温度が表示されています。そして、それぞれの冷蔵庫については施錠がされています。36時間のpHの確認ということがあって。この鍵は公的の獣医師しか持っておりません。
36時間でpH5.8になるまで冷蔵室で熟成させるということになっています。その段階で仮に5.8にならないもの、これは実際にならなかったものというふうに見せていただいたわけですけれども、札がついて、あわせてスタンプが押されます。これは20番という冷蔵庫に入っているのですが、もちろんそれも、これが要は輸出に向かないものなのですが、これももちろん鍵がかかっているところで公的獣医師だけがあけられるというような形になっております。
熟成が終わった後の解体作業になりますけれども、それぞれのと体には個体識別番号と、それから枝肉の重量、そういったものが個体の情報が全て入っています。これをこの後脱骨していく前で、いま一度この機械で読み取って、間違いないかというのをここの検査官が突合していくという形になっています。
いよいよ脱骨されたものが、今度は肉の塊としてそれぞれの部位に処理されています。多くの作業員の方が手際よく、流れ作業でやっておりました。
それぞれモモですとか分かれた部位についてはロット番号が張られていまして、どこどこの国行きの、例えば中国向けだったらこういう部位のように部位ごとによって国の要望が変わるということなので、部位ごとでロット番号が張っているという形になります。
箱詰めされていくわけですけれども、その中に骨ですとか金属片があるかないかということでX線装置があって、それで確認する作業をとってございます。
X線装置を通しますが、そのX線装置が本当に働いているかどうかということを、こういうバーが3本ぐらいあるのですけれども、いろいろ大きさが、中に入る異物の大きさが違うらしいですけれども、これを抜き打ちで定期的に箱に入れて、機能しているかどうかをチェックしているということだそうです。
それから、この青のヘルメットをかぶった方というのは、先ほどのX線検査が終わったものを再度抜き打ちで箱を1回あけて、もう一度ちゃんとロット番号がついているかとか、骨片が入っていないかとか、そういったものを確認されております。
こういったものが一箱一箱あるわけですけれども、大体パレットに1個乗るぐらい箱としてラッピングされますので、パレットとしてのもロット番号というもので情報管理されておりました。
以上がと畜場の部分ですけれども、実際私も日本のと畜場を見ておりますけれども、日本のと畜場の衛生レベルと遜色ない、あるいは非常にシステマチックになっているということで驚いた場面もたくさんありました。
一つ一つのところで綿密に間違いがないような形でロット管理をされているというところ、それがシステム化、先ほど言いました農場の情報が全て肉になるまでは、全てを一連、ウエブ上を使いながら見られるというか確認できると、そういう仕組みになっておりました。
最後ですけれども、今度はウルグアイ当局との意見交換ということで、着いた日と、それから帰る前日ですけれども、入口及び出口会合を行いました。そこで、向こうの家畜衛生当局の方、それぞれの専門部門の全ての方が出席していただきまして、私どもと意見交換を行いました。また、獣医学研究所のほうも訪問させていただいて、そこで意見交換をやりました。
調査の結果ですけれども、まずウルグアイはさまざまな情報網を活用し、周辺国の口蹄疫発生情報の把握、そこがしっかりされている。そして、南米におけるワクチン非接種に向けた取組に積極的に関与しているということがわかりました。各国のワクチンの接種政策ですとか、防疫体制等についても迅速な情報収集に努める体制があるということがわかってございます。
それから、口蹄疫のサーベイランスが引き続き適切に実施され、早期通報、診断体制はもとより、緊急事態に対応する関係機関との円滑な連絡体制というのが構築されているというのがわかりました。
ウルグアイ当局が国全体として今進めており、最後の出口会合のときにも話を受けたのですけれども、ワクチン非接種の清浄化に向けて取組を進めていくという方針をもう持っているということでございます。
ワクチン接種プログラムを今後変更するに当たっては、速やかに日本のほうに情報提供していくというふうにお話をいただきました。
入口会合では、アゲレ農牧大臣、こちらの方ですけれども、こちらが畜産総局長で、こちらにももっとたくさんいるのですが、それぞれの専門家の方が出席していただいて、私どもの質問に的確に答えていただきました。
出口会合にはアゲレ大臣は出られなかったのですが、出口会合の後、ちょうど昼食しているときにわざわざ来ていただいて、全体を通して何か不足する部分がなかったかどうかということもお聞きになって、もしそういう不足する部分があれば速やかに情報提供したいというふうにお話をいただいております。
まとめですが、今回の現地調査を行いまして、「ウルグアイからの生鮮牛肉の輸入に係るリスク評価を踏まえた上乗せのリスク管理措置(案)」、それについて「考慮すべき事項」とされている事項のうち、ウルグアイ側の体制に係る項目については確実に実施できる体制が構築されているということがわかりました。
「考慮すべき事項」については、ここに書いてあるとおりですけれども、まず感染牛が日本向けの輸出牛肉になるリスクを低減することが現地での通報体制ですとか、日頃の病性鑑定体制だとか、そういったところでもわかりました。
2番目としまして、牛肉中に感染性のある口蹄疫ウイルスが生残しているリスクを低減させるということで、36時間のpH5.8以下のところ、それから脱骨も処理しているということも見てまいりました。
もし発生があった場合、あった場合にそれがトレースできるかという話なのですけれども、先ほど見ていただいたように、と畜場のところでずっとつながって情報が来ておりますので、もしそういった牛肉があれば早期に特定することができるということがわかりました。
それから、周辺国における発生、ウルグアイにおけるワクチン接種プログラム、そういったものの変更などがあれば、発生リスクの変化があれば、早期に検知して必要な措置を講じることができるということも、出口会合は半日ぐらいですけれども、そういった中で私ども意見を収集することができました。
4日間の調査ですが、現場を見て改めて確認させていただいたという形になっております。
以上でございます。

村上小委員長
ありがとうございました。
本件につきましては、これまで当委員会でもご審議いただいてまいりました。前回の委員会において事務局からリスク管理措置として上乗せリスク管理措置が必要ということがございましたが、その上乗せ管理措置の実効性について当委員会委員も含めて現地調査へ行くということについてご承認いただいたところでございます。
また、委員の皆様のご意見を伺いつつ、私と事務局とで相談し、当委員会の西委員に加え、専門の動衛研の深井主任研究員、それから動物衛生課の林課長補佐の3名で本年10月に委員ご懸念の事項を中心に現地調査を実施していただいたということでございます。
ただいまの西委員の報告につきまして委員の皆様からご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。
よろしいでしょうか。

西委員
1点ちょっと言い忘れたのですが、これは審議とは別ですけれども、今回見せていただいた家畜のトレーサビリティのシステムが向こうの大臣もおっしゃっていましたけれども、非常にいいシステムだというふうに思います。どういうシステムかということで、先ほど見ていただいたように、個体の情報をこういうバーみたいなもので簡単に読み取れる。それが全て情報としてつながっていて、また昨年からは単なる個体の情報だけではなくて薬物の使用歴もわかるような形、ですから当然残留の問題が起きないだとか、そういうのもわかりますし、今後その情報を、疾病情報もどんどん入れていきたいというふうにおっしゃっていましたので、日本もBSEの発生があって個体識別ということにはなったのですけれども、輸出をしていくためには本当にこういうシステマチックになっているというのがやはり必要になってくるのかなと思います。今現在ですと、輸出するに当たっては家畜保健衛生所に来て、個体の、検査データを確認してだとかやっているのですけれども、そういったことも非常に、これは逆に倣うべき良い仕組みだなというふうに思いましたので、あわせてご報告しておきたいと思います。

村上小委員長
ありがとうございます。
ほかにございますか。
先ずは詳細な現地調査を実施していただきました西委員を初めとする調査団の皆様方に感謝申し上げます。
それでは、ただいま西委員からご報告いただきました内容のとおり、現地調査により上乗せのリスク管理措置につきましては、ウルグアイにおいて確実に実施できる体制が構築されているとのことが確認されました。そこで、当委員会としては上乗せのリスク管理措置を講じた上でウルグアイからの生鮮牛肉を輸入することについて了承し、その旨を家畜衛生部会に報告したいと思います。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、全体を通して委員の皆様からご意見、ご質問はありますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特にないようでしたら、時間も来ておりますので、このあたりで牛豚等疾病小委員会を終了したいと思います。
事務局から何かございますでしょうか。

熊谷動物衛生課長
委員の皆様、本日は熱心なご議論をありがとうございました。
豚コレラ、アフリカ豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針を変更することにつきましては、国内における家畜の伝染性疾病の発生を防止するために非常に重要な取組となりますので、引き続き国内防疫の徹底に努めてまいりたいと思います。
また、途中、野生動物のサーベイランスの結果の活用についてのご意見もいただきました。また、レンダリング装置の活用についても、これからもますます議論していく必要があると思いますけれども、こういった準備もしっかり進めていきたいと思っております。
また、今日ご審議のあったアルゼンチン・パタゴニア地域について口蹄疫の地域主義を適用した上で牛肉及び羊肉を輸入すること及びウルグアイからの生鮮牛肉の輸入を認めることにつきましては、本日の牛豚等疾病小委員会の審議の結果を家畜衛生部会に報告させていただくことにしたいと思っております。
年末年始に向けて牛豚の病気、また鳥インフルエンザということで気を緩められないシーズンでございますけれども、しっかりと侵入防止、また蔓延防止に努めてまいりたいと思います。委員の皆様方におかれましては、今後ともご指導、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
本日は大変ありがとうございました。

村上小委員長
それでは、これをもちまして食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会第27回牛豚等疾病小委員会を閉会いたします。ありがとうございました。

午後3時34分   閉会

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader