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食料・農業・農村政策審議会 家畜衛生部会 第35回牛豚等疾病小委員会 議事録

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日時及び場所

令和元年9月27日(金曜日)11時29分~12時58分
農林水産省 共用第1会議室

議事次第

  1. 開会
  2. あいさつ
  3. 議事
    (1) 豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針の見直しについて
  4. あいさつ
  5. 閉会

配布資料はこちら

議事録

午前11時29分 開会

  • 山野室長
    それでは、定刻となりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会第35回牛豚等疾病小委員会を開催いたします。
    委員とオブザーバーの皆様方におかれましては、本日はご多忙中にもかかわらず、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
    それでは、開会に当たりまして、江藤農林水産大臣からご挨拶申し上げます。
  • 江藤農林水産大臣
    皆様方におかれましては、本当にご多忙の中に先週から連日、科学的知見に基づいて、すばらしいご議論を重ねていただきましたこと、本当にありがとうございます。心から感謝申し上げます。
    豚コレラが発生して、1年以上がたちまして、茨城でも、極めて飼養衛生管理基準を守って頑張っているというふうに私どもとしても評価していた農家もついに侵入を許してしましました。やはり人間の限界といいますか、ウイルスのすごさを改めて痛感したような次第でございます。そんな中にあって、毎日のご議論を重ねていただきましたことに本当に、私だけではなくて、全国のこの養豚業にかかわる者、それから、地方自治体の責任者の方々も感謝しているということをお伝えしたいと思います。
    今日もまた委員長のもと、大変なご議論をしていただくということになりますけれども、また結果がいただけましたら、私としてもまたすぐに本部を招集いたしまして、皆様方からいただきましたご見識を検討させていただきたいと思いますので、どうぞ積極的なご議論、ご忌憚のないご議論を賜りますように、改めてお願いいたします。これまでのご苦労に感謝申し上げ、これからのご苦労にもまた敬意を表しながら、ご挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございます。
  • 山野室長
    ありがとうございました。
    さて、現在、牛豚等疾病小委員会の委員数は10名でございます。本日は9名の委員の先生とオブザーバーとして、国立大学法人北海道大学大学院獣医学研究院の迫田義博教授と農研機構動物衛生研究部門疫学ユニット長の山本健久先生にご出席いただいております。
    失礼いたしました。ここで大臣はご退室させていただきます。ありがとうございました。
    続きまして、本日、出席しております事務局の紹介をさせていただきます。
    審議官の小倉でございます。
  • 小倉審議官
    小倉です。よろしくお願いします。
  • 山野室長
    審議官の神井でございます。
  • 神井審議官
    神井でございます。よろしくお願いします。
  • 山野室長
    畜水産安全情報分析官の山本でございます。
  • 山本畜水産安全情報分析官
    山本でございます。よろしくお願いします。
  • 山野室長
    食品安全政策課長の鋤柄でございます。
  • 鋤柄食品安全政策課長
    よろしくお願いいたします。
  • 山野室長
    畜水産安全管理課長の石川でございます。
  • 石川畜水産安全管理課長
    石川です。よろしくお願いします。
  • 山野室長
    動物衛生課課長補佐の伴でございます。
  • 伴課長補佐
    伴です。よろしくお願いします。
  • 山野室長
    畜水産安全管理課課長補佐の丹菊でございます。よろしくお願いします。
  • 丹菊課長補佐
    丹菊でございます。よろしくお願いします。
  • 山野室長
    申しおくれましたけれども、私は本日の司会を担当いたします、動物衛生課の山野でございます。どうぞよろしくお願いします。
    恐れ入りますけれども、ここでカメラのほうはご退室をお願いしたいと思います。
    では、続きまして、配付資料の確認をいたします。
    配付資料は、資料1から5と、参考資料をお配りしておりますので、ご確認いただければと思います。落丁などございましたら、お知らせください。
    よろしいでしょうか。
    続きまして、本日の会議の進め方についてご説明いたします。
    議事1といたしまして、豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針の見直しにつきまして、事務局よりご説明いたします。その後、現在の検討状況をご報告し、ご出席の皆様方よりご意見をいただきたいと考えております。
    それでは、これからの議事進行につきましては、津田委員長にお願いしたいと思います。
    津田委員長、どうぞよろしくお願いします。
  • 津田委員長
    津田でございます。よろしくお願いいたします。
    それでは早速議事に入りたいと思います。
    まず議事(1)豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針の見直しについて、事務局のほうから説明をお願いします。
  • 伴課長補佐
    それでは、私のほうから資料1から資料4を用いまして、今回の豚コレラ特定家畜伝染病防疫指針の一部変更の概要と、そのポイント、また、改正案につきまして、ご説明させていただきます。
    まず資料の1でございます。豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針の一部変更の概要についてということでございます。
    まず指針の変更の背景でございます。防疫指針につきましては、家伝法第3条の2第6項に基づきまして、少なくとも3年ごとに再検討を加えて、必要に応じて、これを変更するということにされております。豚コレラと、それにあわせまして、アフリカ豚コレラに関する防疫指針につきましては、前回の最終改正から3年が経過したことから、昨年の平成30年10月に一度内容を見直して、変更しているところでございます。
    しかしながら、昨年9月の豚コレラの発生、それが拡大しているという状況を踏まえまして、飼養農場における今回の議論になりますワクチン接種の考え方、また、感染拡大の大きな原因となっております野生イノシシへの対応といったところにつきまして、再検討を加える必要が生じたという認識でございます。これらに対応して、これ以上の発生拡大を防ぐということと合わせて、イノシシにおいても、早期の清浄化を達成するために、今回、防疫指針の一部を変更したいということでございます。
    なお、アフリカ豚コレラの指針につきましては、今回の豚コレラの指針に先んじる形で見直しを進めておりまして、先日、8月27日に本委員会での議論を終えて、本委員会での了承を得たというところでございます。
    ページをめくっていただきまして、2ページ目でございます。今回の指針の変更の方針につきまして、まずご説明させていただきます。
    (1)から(7)までございますけれども、まず(1)番、野生イノシシの調査でございます。国内における豚コレラの浸潤状況を把握するために、野生イノシシからの検体を収集して、豚コレラウイルスの有無を調査するという項目を新たに設けるということでございます。あわせて、イノシシの生息状況の把握に努めるということでございまして、これにつきましては、既に昨年の9月から、こちらから発出している通知に基づきまして、既に運用はしているというところでございます。それを指針の中にも位置づけるということでございます。
    また、もう一つイノシシのことでは、経口ワクチンの散布というところがございます。指針上、定めの規定としまして、イノシシ対策の有効性の検証結果に基づいて、イノシシにおける感染拡大時の使用の是非について検討するという項目を追記するということでございます。
    また、予防的ワクチンの接種、これはもちろん飼養豚での話でございますけれども、これまで防疫指針で規定していた緊急ワクチン接種とは別に、野生イノシシにおける感染拡大状況や対策の効果などを踏まえて、予防的ワクチンの接種の規定を追加するということをご議論いただきたいということでございます。
    また、(4)早期発見・早期通報の徹底ということで、家伝法第13条の2の第1項で規定しております、特定臨床症状というところでございます。チアノーゼとか、あと一定期間における死亡率の増加、また、白血球数の減少といった特定症状を既に家伝法の中でも規定しておりますけれども、それを指針の中でも明記するということを考えております。
    また、5番目、殺処分前後のネズミ対策等の徹底ということでございまして、今回の豚コレラの拡大につきまして、疫学調査チームからも指摘があったとおりでございますけれども、ネズミとか、そういった小型の野生動物が感染拡大に寄与しているということも考えられるということで、殺処分の前後にネズミ捕獲のための粘着シート、あるいは殺鼠剤の散布といったようなところで、そういったネズミなどの小型野生動物の対策を徹底するということでございます。
    また、(6)番目、報告徴求ということでございまして、発生農場の周辺、また、発生農場と疫学関連のある農場に対しまして、移動制限といった措置を講じますけれども、それに加えまして、毎日の健康観察、また、飼養豚の死亡頭数といったところを法律に基づいて、報告を徴求するという規定を追加したいということでございます。これも実際には、岐阜県8県を初めとした発生県では既に運用されている内容でございます。それを指針に位置づけるという意味合いでございます。
    次のページ、3ページ目でございます。
    (7)番、豚等の再導入の前のモニター豚の導入ということでございまして、発生農場が経営を再開するに当たって、モニター豚を導入して、小頭数ずつ導入して、農場の清浄性の確認を実施するという規定でございます。
    以上が今回の指針の大まかな方針ということでございますけれども、あわせて、今後のスケジュールをここでご説明しておきたいと思います。
    まず、本日検討いただいた結果を踏まえまして、家伝法の規定に基づきまして、都道府県へ意見照会をしまして、あわせて、パブリックコメントを実施したいと思っております。
    また、今日の委員会での検討結果と、あわせて、都道府県の意見、また、パブリックコメントの結果を踏まえて、家畜衛生部会に報告ということを、委員長のほうから報告いただきまして、最終的には家畜衛生部会から、変更の内容につきまして、答申を得まして、その後、速やかに指針の変更について実際に施行していきたいというふうに考えております。
    次に、資料1の内容に基づいて、事務方で考えております指針の変更案の、まず構成につきまして、ご説明させていただきます。
    資料の2でございます。1枚紙のものですけれども、これが今回の指針の変更案のまず構成ということでございます。これまで指針の構成につきましては、前文から始まりまして、第1の基本方針から、第16のその他という構成になっておりましたけれども、それをわかりやすくしたいということで、第1章の基本方針と、あと第2章の発生予防対策で、次に第3章の蔓延防止対策ということで、要すれば、家伝法のつくりに合わせたような構成にしたいというふうに思っています。
    その中で、新たに設けた項目が赤字で書いてあるところですけれども、例えば、第2章の発生予防対策の第2節、第3-1の4番、野生イノシシの調査を新たに追記したいと思っております。また、第3-2で、野生イノシシの捕獲の強化と経口ワクチンの散布、第3-3で予防的ワクチンという項目を追記ということを考えております。
    こちらが指針の構成ということになります。
    具体的な指針の変更点につきまして、資料3をご覧ください。
    あわせて、資料4も参照する形でご説明させていただきたいと思います。
    まず資料3でございますが、防疫指針の主な変更点ということで、まず白丸が、防疫指針本体の変更内容、黒丸が、防疫指針の下に位置づく形の留意事項、局長通知の変更内容ということになっております。
    まず前文でございます。前文の中で新たに追記する事項としまして、豚コレラの豚等への感染リスクの低減を図るために飼養衛生管理基準の遵守が極めて重要だということを改めて明記したいと思っております。その推定侵入ルートを遮断するための対策を確実に実施すること、また、飼養衛生管理基準の水準をさらに高めて、遵守のための指導を徹底する必要があるということを、ここ、前文の中でも明記したいと思っております。
    第1章の基本方針につきましては、まず白丸の上のところですけれども、発生時の迅速なと殺、死体の処理が重要であることはもちろんですけれども、都道府県が疫学関連家畜を早期に特定しまして、厳格に監視することが重要であるということを追記したいと思っております。同じ内容の項目につきましては、アフリカ豚コレラの指針でも追記しているところでございます。
    また、今回の野生イノシシの感染の拡大を踏まえまして、野生イノシシに感染が確認された場合には、イノシシの蔓延の防止及び農場への侵入防止に万全を期すために、国、都道府県、市町村等の役割分担ということを明記したということで、これにつきましては、防疫指針の改正案の資料4でございますけれども、資料4の5ページをご覧ください。赤字で書いてあるところが追加した内容になりますけれども、これの5番というところでございます。ここに野生イノシシ対策における役割分担を明記しております。
    5の(1)が国の役割ということで、野生イノシシにおける豚コレラの浸潤状況の的確な把握と感染拡大防止のための基本方針を示すと。これに則した都道府県の具体的な防疫措置を支援するということでございます。都道府県においては、国が示した基本方針を参考にして、また、都道府県の実情を踏まえまして、農地対策を推進すると。それにあわせて、市町村が都道府県の進める具体的な対策に協力していくといったような役割分担といったところを明記したいと思っております。
    資料のほう、資料3に戻っていただきまして、資料3の1ページの第2章、発生予防対策でございます。発生の予防及び発生時に備えた事前の準備ということで、都道府県の取り組みとしまして、飼養衛生管理基準につきましては、生産者の義務ではあるんですけれども、関係してくる飼料販売業者、また、死亡獣畜運搬業者といった関連業者への、そういった飼養衛生管理基準の周知、また、と畜場などの家畜処理施設における消毒設備の指導、また、食品残渣、ごみの対策についても追記したいということでございます。
    やはりアフリカ豚コレラ対策といったところもございますので、こういった食品残渣とかごみの放置対策といったところも、今回、新たに追記しておりまして、それが、行き来して恐縮ですけれども、資料4の6ページにございます。
    資料4の6ページ、第2章、第2-1の1の農林水産省の取り組みの(4)でございます。食品残渣を介した豚コレラウイルスのイノシシへの伝播を防止するため、不特定多数の人が出入りする公園、キャンプ場、観光施設等におけるごみの放置禁止、また、野生動物の接触防止等のごみ対策について、関係省庁と連携して推進するということで、関係してくる環境省、あるいは官公庁、国交省といった関係省庁との連携を進めて、ごみの対策も進めていきたいといったところでございます。
    続きまして、また資料の3に戻っていただきまして、1ページ目の第2章、発生予防対策、第2節、第3-1、浸潤状況を把握するための調査ということでございます。先ほど資料の1の中でもご説明させていただきましたけれども、野生イノシシの生息状況の把握とイノシシの、豚コレラとアフリカ豚コレラの抗原検査を実施することを追記してございます。今後、アフリカ豚コレラにつきましても、都道府県段階におきまして、PCR検査を実施していくといったことを想定しております。
    また、一番下のところですが、イノシシの捕獲の強化・経口ワクチンの散布ということで、国は捕獲の強化を推進するとともに、経口ワクチンの散布を含む有効性評価に基づきまして、イノシシでの感染拡大時の使用の是非について、2ページに行きますけれども、専門家の意見を踏まえて、経口ワクチンの散布につきましても決定していくといったことを追記しております。
    また、予防的ワクチン、第3-3でございますけれども、イノシシの感染拡大状況を踏まえて、予防的ワクチンの接種の規定を追記したいと考えておりますので、ここにつきましては、後ほど改正案のほうを使いまして、丁寧に説明させていただきますので、ここは一旦端折らせていただきまして、第3章の蔓延防止対策のほうに行きたいと思います。
    まず異常豚の発見及び検査の実施ということで、先ほどもご説明しましたけれども、豚コレラの特定症状を定めておりますので、それを指針に明記して、確認された場合の早期通報の徹底といったところを改めて強化したいと考えております。
    また、野生イノシシで豚コレラウイルスが確認された場合には、周辺農場への迅速な立ち入りと臨床症状の確認といったところと、飼養衛生管理基準の遵守の指導というところを追加と。あわせて、イノシシの捕獲の強化によって、浸潤状況を調査することを明記したいということで、具体的にはということで、その内容としましては、半径10キロ以内の豚飼養農場への立ち入り検査と移動制限、また、野生イノシシの調査と感染した野生イノシシの適切な死体の処理といったことを、具体的に留意事項の中に明記しております。
    今回、第5、第6といったところの指針には、内容の変更はございません。
    第7、発生した場合の防疫措置といったことでございます。最初の白丸は、先ほどご説明したとおり、ネズミの対策のほうも徹底していくと。
    また、一番下でございますけれども、と殺、埋却等の完了の目安につきましては、原則として、そういったネズミ等の対策が終了した後、3ページ目に行きますけれども、24時間以内に殺処分を完了、また、72時間以内に埋却まで完了するといったことで、その時間の開始カウントのタイミングを修正しております。
    また、発生農場における疫学調査、非常に重要でございますけれども、感染経路究明のための検体数について、指針の中で、各豚舎、目安としては10頭以上、また、必ず的確に感染状況を把握するために、無作為の抽出としてくださいといったことを明記してございます。
    次に第9の移動制限区域及び搬出制限区域の設定といったところでございます。
    都道府県が、移動制限、搬出制限区域内の飼養者に対しての指導事項ということでございますけれども、毎日の健康観察、また、野生イノシシなどの野生動物の農場への侵入防止対策といったところを徹底的に指導していただく。
    また、法律に基づく報告徴求です。毎日の死亡頭数の報告などといった報告を求めるといったことを明記しております。
    また、下の黒丸の2番目でございますけれども、制限区域内の農場に対して、実施する清浄性確認検査についてといったことで、豚等が明瞭な臨床症状を示さない場合におきましては、制限を解除する直前に検査を追加するということでございまして、現行の防疫指針におきましては、移動制限を解除にするための検査が、発生状況確認検査が1回目、その後、防疫措置が終了した後、17日後に、清浄性確認検査を実施するということで、2回の検査で、移動制限を解除しているという状況でございますけれども、今回のような豚コレラが病原性がさほど強くないといった場合には、もう一度最後に解除の前に検査を実施するといったことができるといった項目を追加しております。
    また、移動制限区域内のと畜場への豚の出荷の要件といったところも、今回、指針の中で明記しておりますけれども、それが資料4の45ページになります。45ページの留意事項の丸36といったところでございます。と畜場へ出荷する農場の要件及び出荷のためのPCR検査、検体数といったところで、これまでも指針上、規定はあったんですけれども、それをさらに内容を詳細に書いたといったことでございます。
    (1)が出荷計画とか、搬入する経路といったところを事前に家畜保健所に提出するといったこと、また、出荷前日には、農場主が過去1週間の豚の死亡頭数や健康状態、また、体温測定といったことを必ず実施すると。また、出荷の2日前までには、出荷豚から25頭を抽出して、PCR検査を実施するということに規定しております。こういった具体的な内容につきましても、指針上に明記したといったことでございます。
    また、資料のほう、資料3に戻っていただきまして、資料3の3ページ、第11の消毒ポイントの設置といったところでございます。消毒ポイントにつきましても、これまでも指針上、規定はございましたけれども、今回は、新たに消毒ポイントで、消毒した旨の証明書を発出すると。都道府県で消毒の実施の記録、保管をするといったことを明記するということでございます。
    また、第12、ウイルスの浸潤状況の確認ですけれども、疫学関連家畜が飼養されていることが確認された場合には、その農場に対して、迅速に立ち入って、特定症状の有無を確認すると。また、都道府県は、疫学関連家畜が飼養されている農場の飼養者に対しまして、毎日の健康観察の徹底を指導すること、それと、先ほどもご説明した報告徴求を疫学関連家畜が飼養されている農場に対しても求めるといったことを明記しております。
    ページをめくっていただきまして、4ページ目でございますけれども、その当該疫学関連家畜飼養農場におきましては、蔓延防止措置が適切にとられている場合には、動物衛生課と協議の上に、特定の場所へ豚を移動できるといったことを明記しております。
    その具体的な要件及び検査内容につきまして、新たに指針上に明記しております。その内容が、また行き来して恐縮ですけれども、ページでいきますと、資料4の55ページでございます。55ページのところ、留意事項の丸42、制限の対象外というところでございますが、これが疫学関連家畜飼養農場に対して、移動制限がかけられた場合の制限の対象外として動かせる場合の要件になります。
    1番目が、と畜場に出荷できる要件ということでございます。疫学関連家畜飼養農場の農場、基本的な移動制限がかかっている状況でございますけれども、と畜場に出荷できる要件としましては、(1)のところからですけれども、原則、1カ月間の出荷計画を事前に家畜保健所に提出すると。変更になった場合は、その旨も報告すると。また、管理獣医師または農場主は、出荷前の1週間程度、経時的に臨床確認をして、出荷前日の朝には、出荷予定の豚、全頭の体温測定をして、臨床観察をして、その結果を家畜保健所に報告すると。報告を受けた家畜保健所が、報告の内容によって、異常が確認された場合には、(4)になりますけれども、農場に立ち入り検査を実施して、精密検査として血液検査とPCR検査を実施するということでございます。このような内容を検査をして、と畜場に出荷をするということでございます。
    また、他農場へ豚を移動する場合の内容が2番に書いておりまして、56ページのほうに移りますけれども、他農場へ生体の子豚や種豚を移動する場合、この内容も、と畜場に出荷するときの内容に準じたような中身になっておりますけれども、原則1カ月間の移動計画を家保に提出して、移動豚全頭に対してPCR検査を実施する、その内容が(3)に書いておりますけれども、生体の豚が移動する場合には、移動豚全頭についてPCR検査を実施すると。移動先の農場でも、少なくとも21日間経過観察をすると。可能な限り隔離をしてくださいといった内容のことを書いております。
    また、他農場へ精液とか受精卵を移動する場合につきましても、今、ご説明しているような内容になりますけれども、ここの(3)精液を移動する場合ですけれども、採精後、当該豚について、特定症状の有無の確認をして、また、PCR検査を実施して、陰性を必ず確認してくださいという内容にしております。
    また、下のほうの3番の豚の死体、排泄物、飼料、敷料を移動する場合といったことでございますけれども、(1)の移動する際の措置につきましては、移動日または前日の夜に家畜防疫員が報告徴求等によって、当該農場の豚に異常がないことを確実に確認をすると。また、移動させる場合は、原則として、密閉車両や密閉容器を用いるように指導するという内容が書いております。
    57ページのほうも、焼却、化製処理または消毒を行う場合の措置といったことも書いてありますけれども、基本的には運搬車両から死体などの投入場所までシートを敷くなど、そういった飛散がないように措置を講ずると。また、死体等の置き場を製品置き場と隔てて設置するといった内容を記載しております。
    また、資料のほう、資料3に戻っていただきまして、資料3の4ページ目でございますけれども、第14、家畜の再導入といった内容でございます。
    発生農場において、経営を再開する場合には、モニター豚を導入して、当該農場の清浄性を確認するということでございますけれども、具体的な確認する内容としましては、黒丸の2つ目でございます。導入したモニター豚の検査につきましては、原則として、豚舎当たり30頭以上を配置すると。当該豚を導入後、15日経過した後、全ての豚舎に立ち入って、臨床検査及びPCR検査を実施するということがモニター豚への検査内容ということを明記しております。
    また、最後に第4章、その他のところでございますけれども、今回、野生イノシシの対策を指針上、明記しておりますけれども、野生イノシシの対応マニュアルの中で、野生イノシシ陽性確認地域の農場については、移動制限を実施するといったことを追記しておりまして、その対象外となる要件、要は移動制限がかかった状況で、と畜場に出荷できるような要件、検査の内容について、追記しておりまして、その内容につきましては、先ほどご説明した内容と、疫学関連農場と同じ内容が検査内容として追加されるということでございます。
    続きまして、今回の予防的ワクチン接種の具体的な内容、プログラムにつきまして、丹菊補佐のほうから説明をお願いします。
  • 丹菊課長補佐
    予防的ワクチン接種に関する考え方、指針の内容についてご説明します。時間があまりございませんので、かいつまんでご説明させていただきます。
    資料4の12ページをご覧ください。予防的ワクチン接種に対する基本的考え方でございます。農水省としてはワクチンの使用は慎重に判断する必要があるということで、予防的ワクチン接種は原則、行わないということでございますが、(2)に書かれていますとおり、豚等における感染の防止が困難と考える場合に、6条に基づく予防的ワクチン接種を認めるということで、整理させていただいております。
    その際に、接種地域の(1)にございます、ワクチン接種推奨地域の設定ということを小委の先生方の、専門家の意見を踏まえて設定するということで、整理をしております。その後に、都道府県におけるワクチン接種プログラムを作成いただいて、これについて農水省が確認をするということになってございます。含まれる内容として、この番号の丸囲み数字1から丸囲み数字9にございます内容について、都道府県に作成いただくということでございます。
    その内容について、農水省が、この家畜防疫の観点から適切に実施されることを、確認を行うということでございます。
    その上で、都道府県知事の命令の対象となる区域を設定していただくということとともに、それで、6条の接種に当たっては、家畜伝染病予防法第50条に基づく許可を行うということでございます。
    それから、接種推奨地域の見直しにつきましては、これを随時行うと。イノシシの感染等に着目するということでございますので、随時、見直すということでございまして、その見直しを受けて、各都道府県は法6条の接種命令の区域の見直しということを検討していただくということでございます。
    それから、対象家畜及び初回の接種方法についてですが、対象家畜は、接種地域内で飼養されている全ての豚ということでございますが、高度な隔離・監視下にある豚等について、農水省の確認を受けたものについては、除くことができるというふうにしてございます。
    それから、ワクチンは承認された用法・用量ということですが、初回接種は原則としまして哺乳豚を除き全頭ということでございます。
    それから、接種地域における遵守事項ということでございまして、飼養頭数の届け出、ワクチン接種時の留意点等を書かせていただいております。
    それから、台帳の作成を生産者にお願いするとともに、移動の管理ということで、丸囲み数字1から丸囲み数字6に関する移動の管理をしていただくということでございます。
    具体的な移動の管理の方法ということでございますが、まず生きた豚と精液、受精卵、これにつきましては、まず、これは接種地域の農場への移動・流通に限るということでございます。
    焼却、埋却、化製処理、堆肥化、消毒を目的とした、豚等の死体、豚などの排泄物、敷料、飼料、家畜飼養器具等については、以下の要件、ア、イ、ウの要件を満たしていただいたものに限り、域外に動かすことができるということでございます。
    それから、生きた豚のと畜場への移動、原則として地域内のと畜場への移動に限るということでございますが、出荷先のと畜場の所在する都道府県が交差汚染防止対策の実施の確認ができた場合に限定して、域外に出せるということでございます。
    それから、接種農場の監視ということで、ワクチンの接種の有効性の確認を行っていただくと。それから、移動に当たっての確認は、臨床症状をきちんと確認し、異状が確認された場合は、連絡し、必要な検査を受けるということでございます。
    それから、と畜場における交差汚染防止の対策の実施ということでございますが、これについては、出荷元となる都道府県からの要請を踏まえ、と畜場の所在する都道府県が、以下の1から5の交差汚染防止対策が講じられていることの確認を行うということでございます。この確認が行われていない場合は、その移動を認めないということでございます。
    それから、予防的ワクチン接種農場における防疫措置でございます。これにつきましては、現在の第3章により実施することを基本とすることでございますが、小委の委員等の意見を踏まえて、第9の1による制限区域の設定等について必要な措置を講じるということにさせていただいておりますが、これまでの小委の、さまざまなこれに関するご意見が出されているところでございます。事務局としては、現状のいろいろ出された意見の中で、安全側に振った考えということでございまして、発生農場については、全頭殺処分ということで考えていることを申し添えさせていただきます。
    それから、ワクチン接種の終了につきましては、ワクチン接種推奨地域に含まれなかったときは、ワクチン接種を終了と。それから、接種実績の報告をいただくということでございます。
    それから、参考資料、資料5をご覧ください。
    今、ワクチン接種推奨地域というこの設定ということで、第3-3の2(1)に指針の改定案として入れさせていただきましたが、今の接種地域の(1)のワクチン接種推奨地域の設定でございますが、現在の状況に照らして、これは、この後、指針の改定がなされるわけなんですが、現在、今、この状況に当てはめると、現在、想定される地域は資料5に書かれている地域というふうに事務局としては考えているということでございます。
    私からの説明は以上でございます。
  • 津田委員長
    ありがとうございました。
    それでは、この件に関しまして、委員の皆様からご意見、ご質問がございましたら、お願いいたしたいと思います。
    大きくは第1章、2章、3章とあるんですけれども、第2章の発生予防対策のところの予防的ワクチンに関しましては、既に33回、34回のこの小委員会で議論したものが大体そのまま反映されているというふうに理解していますけれども、何かご意見等ございましたら、お願いしたいと思います。
    もう一つ、もしなければ、次ですけれども、第3章の蔓延防止対策、先ほどの丹菊さんのほうからご説明があったと思うんですけれども、ワクチン接種農場における発生時の病性の判定、ここの部分について、もうちょっとご議論があるかなというふうに思います。それにつきまして、ワクチン接種農場で発生した場合の患畜、疑似患畜の捉え方ですが、資料4でいきますと、27ページ、28ページになります。28ページの患畜及び疑似患畜ということで、この指針では、発生した特定症状ということで、確認されたものについて、患畜とするというふうになっていますけれども、これについて、前のこの牛豚小委の中でもいろいろな議論がございまして、どの範囲をとるかということで、ちょっとその代表的な意見として、オブザーバーで今日見えています、迫田先生と山本先生のほうからご意見をお願いしたいと思います。
    山本さん、よろしいですか。では、お願いします。
  • 山本オブザーバー
    動衛研の山本といいます。集団の疾病防疫対策を専門としておりますので、今回、お声がけいただいております。
    私のほうからは、発生時の防疫対策については、その影響と効果を踏まえて、最適なものを選択していく必要がありまして、防疫対策が過剰ですと、その対策自体が被害になりかねないということで、いろいろ関連する材料を見ながら、慎重に検討する必要があるというふうに考えております。
    今回、私からご提案しますのは、委員限りで資料を配らせていただいておるんですけれども、「ワクチン接種農場での発生時の防疫対応について」に考え方、関連の情報等をまとめておりますので、これに触れながら、ご説明をさせていただきたいと思います。
    まずポイントのところに書いてあるんですが、この資料の趣旨としては、ワクチン接種農場で感染が確認された場合の対応として、同居豚が全頭どうか、要するにワクチン非接種農場と同じ措置ではなくて、野外ウイルスに感染した個体のみを殺処分していくとともに、緊急ワクチン接種を実施し、あとは抽出検査により、抗体保有状況、ちゃんとワクチンが効いているなというのを確認していくのがいいのではないかというご提案でございます。
    その材料といたしまして、あとはポイントに書いてあるんですけれども、本文のほうにちょっと触れながら、ご説明してまいります。
    1番に、まずワクチン非接種農場で、今、どういった防疫対策がしているのかということについて書いてございます。今、ワクチンを使用してございませんので、豚農場に感染が、ウイルスが入りますと、農場内に急速に感染拡大いたしまして、多くの個体が感染することになります。そうしますと、農場で大量のウイルスが発生しますので、当該農場での感染拡大に加えて、その農場が新たな感染源になって、ほかの農場とか、その地域の野生イノシシへの感染源になるだろうということで、これはとめられませんので、同居豚を含めた殺処分ということでございます。
    また、ほかの農場が感染していないのかということを確認する必要があるんですけれども、豚はウイルスにかかりやすい、ワクチンを打っていないという状況の中で、ウイルス侵入の当初は検査をしても、抽出検査ですので、見つからないんですけれども、感染が拡大してくれば見つかるであろうということで、例えば発生農場の周辺農場に対しては、移動制限をかけまして、21日とか28日とかいう間隔をあけたところで再度検査する。そうすれば、もし農場にウイルスが入っていれば、感染拡大して、見つけられるだろうということで、清浄性の確認をしているところであります。それが1番です。
    続きまして、2番ですけれども、そういった形で対応しておって、農場間の感染拡大というのは基本的に防げているんですけれども、いかんせん、野生イノシシの感染拡大というのは、これはなかなか防ぐのは難しくて、現状においても、イノシシの感染拡大に応じて、イノシシの感染が認められた地域を中心に、農場で感染が認められているというところでございます。
    これについては、発生すると、農場が全て殺処分になってしまって、経営が一旦中断する。あるいは、イノシシ感染、野生イノシシの感染は岐阜県でまだ続いておりますので、再導入、再開もなかなか容易でないということで、今回、ワクチン接種によって、感染拡大を防ごう、農場の感染を防ごうということで、議論が進められていると承知しております。
    3番に参りまして、2ページですけれども、このワクチンの有効性ですけれども、現在、使用が計画されておりますのは、過去にも使用されておりました、不活化生ワクチンです。豚に接種しますと、体内で、ウイルス自体が定着して、そこから抗体が生み出されていくということになりますので、親豚と肥育豚に打つんですけれども、1つ注意がありまして、母豚が抗体を持っていると、赤ちゃんのほうにも抗体が行っちゃうと。そうすると、せっかく打ったワクチンも、移行抗体というのですが、親から移行抗体で不活化されてしまうということで、この時期、移行抗体が消える時期を見計らって、ワクチンを打つことになります。ただ、消えちゃった後、あまり時間があいて打つと、またそこが感染の機会になりますので、今のワクチンプログラムでは、生後30日から40日の間で打ってくださいということでやっておるのですが、この期間は当然、個体差がございます。高い、低い、あるいは早い、遅いがありますので、30日から40日、打つんですけれども、このときには、移行抗体がまだある個体、あるいは、このときに、移行抗体消失から時間がよりたっちゃっている個体みたいなものが出てくるものですから、プログラムにのっとって、まじめに接種をしていても、一部の個体はワクチン未接種の状態、あるいは、ワクチン接種を実際に受けていても、十分な抗体が発現していないケース、これも個体差で生じてまいることになります。
    ということで、2ページの真ん中にありますけれども、接種豚の一部には、ワクチン接種による抗体を持たないか、抗体の発現量が少ない個体が生じるということで、要点は、ワクチン接種農場といえども、全ての個体が守られているわけではなくて、一部、感受性のある個体が残っちゃうということでございます。
    3ページに参りまして、ということですので、では、ワクチン接種農場の感染ということで、どう考えるかなんですけれども、今回、ワクチン接種を実施いたしますのは、感染イノシシが存在する地域では、防疫対策、あるいはフェンスの設置等を実施しても、なかなか完全には感染を防ぐことはできないだろうということで、ワクチン接種を適用してまいりますので、ワクチン接種を実施しても、その接種農場の周辺には、引き続き感染イノシシが感染源として存在することになってまいります。ですので、接種後の状態としては、ワクチン接種で防いでいる、感染機会を減らしているんですけれども、周りからは感染のチャンスが常にあるということで、例えば、今、岐阜県では、ワクチン接種を使っていない状態で、大体その半分ぐらいの農場が感染しているんですけれども、これが仮にワクチン接種によって10分の1になっていくかということでも、5年ぐらいすると、最初の年は半分の10分の1で5%で、5年以内にそれがどうなるかというと、大まかに計算すると、2割ぐらいの農場で感染してもおかしくないだろうという計算が出てまいります。感染してもおかしくない、あるいは感染を前提に考えなければいけないということでございます。
    感染した場合にはどうなるかというと、これは3ページの5とも関係してくるんですが、ワクチン接種しておりまして、8割とか9割の個体は感染しない、守られている状態ですので、その農場には、守られていない個体にウイルスが入ってくると、感染が成立するんですが、そうなったときに、守られていない個体の間でだけ、感染が広がっていくということになってまいります。もちろん広がりにくくもなるんですけれども、ですので、これがどういうことを指すかというと、今までは全てが、ウイルスが入れば、その農場の全ての個体に感染が広がりますので、抽出検査でも摘発が可能だということを見込めたわけですけれども、そうはいかなくなってくると。もともと感染する可能性のあるものが1割とか2割しかいないことになっていますので、その中に感染豚が混じってくるとすると、集団の中で数パーセントということになってまいります。
    そうすると、抽出検査で検査をするんですけれども、例えば、4回に1回しか当たらない、5回に1回しか当たらない、そういう具合になってまいりますので、検査で感染を見つけていくことというのが難しくなってくる。これは農場の中で、感染が起こっている豚舎を見つけるということも同じように難しくなってくるということになってまいります。
    また、もう一つ、4ページの上のウのところに書いてあるんですけれども、ワクチン接種によって、一部の個体、あるいは症状が弱くなってまいりますので、摘発まで、あるいは検査で感染が見つかってくるまでには、相当時間がかかっていくということが想定されます。そうしますと、現在のワクチンを打っていない状況でも、これまでの発生農場の大体8割ぐらいでは、複数豚舎で感染豚が確認されているんですけれども、これも時間がかかってまいりますと、やはり農場内の豚の移動に伴って、農場内の感染が拡大して、複数豚舎での感染が起こってしまう可能性は高いだろうというふうに考えています。
    これは何が言いたいかというと、発生時の防疫対策として、発生豚舎に限って対応しようという考えというのはあり得るんですけれども、なかなか発生豚舎だけを絞ろうと思っても、いくつかの豚舎に広がっていることが、可能性が高いんじゃないかという考えでございます。
    6番に、ワクチン接種農場で発生しない状態です。通常の防疫対策について示しているんですけれども、先ほどからのご説明のとおり、ワクチン接種農場が感染の機会は常にあって、感染も起こり得ると。それが見つけられるかというと、発症豚の頭数も少ないですし、症状も抑えられる、あるいは抽出検査では見つけにくいということで、なかなか見つからないということになってまいります。
    結果、ワクチン接種を実施した後の状態としては、ワクチン接種農場が、たくさんの農場がワクチン接種を受けていて、そのうちの一部に、実際に野外ウイルスがある、見つからない状態ですけれども、感染している農場が幾らか混じっているという状態になってまいります。この混じっている感染農場というのは、検査で特定することはできませんので、防疫対策としては、ワクチン接種農場から出てくるもの、豚とか、排泄物とか、そういったものについては、ウイルスを持っている可能性があるものとして、対応せざるを得ないということになってまいります。
    ということで、今回、ご提案されている指針のほうに参りますけれども、ワクチン接種地域内の農場の生きた豚、精液・受精卵、糞尿等については、接種地域外の農場には出してはならないと。これは接種している農場であれば、当然、守られていますので、大した問題にはならないんですけれども、これが接種地域外の農場に出てしまうのは問題であるということで、管理措置が組まれていることになります。
    例外といたしまして、お肉です。肥育豚がと畜場に出荷された後に、出ていくお肉については、当然、清浄地域にも出ていく可能性がある。今回、流通制限しないということで、あるんですけれども、こちらについては、通常、豚肉が豚に行くことは、通常ということではなくて、例外的に、食品残渣としての飼料利用があり得ますので、これについては現状と同じように加熱処理条件というのをきっちりと守っていただくということで、このルートを閉ざしていく、あるいは閉ざされていることで、管理措置が成り立っていると考えております。
    7番になりますけれども、このようなワクチン接種農場であれば、農場経営を続けてもいいですよ、ワクチン接種農場、感染しているかもしれないけれども、農場経営を続けて大丈夫ですよというのは、ワクチン接種地域の周りの農場が、まじめにワクチンを打っていて、守られているということが前提ですので、この守られている状況にあるのかということについては、常に監視をしていく必要がございます。ですので、今回の指針にも含まれてくる内容ですけれども、検査を実施して、抗体が獲得されていくことを確認する。あるいは、ワクチン接種の実施に当たっては、記録をとって、接種をされた豚についてはきちんとマーキングをしていくと。と畜場では、そのワクチン接種がされているかきちんと確認をしていく、そういった取り組みが必要になってまいります。
    5ページに参りまして、こういう状況の中で、では、この状況で、ワクチン接種農場で発生があったらどうするのかということでございます。発生というのは何かということなんですけれども、ワクチン接種農場の中にも、先ほどのように、接種を実際に受けていない豚がございまして、これはもう普通の裸の豚ですので、感染をいたしますと、時間の経過とともに、発熱をしたり、あるいはチアノーゼ、流産、死亡とか、見ておかしいとわかるような症状を示すというふうに期待できます。
    また、恐らく定期的に検査をされて、ウイルスPCR検査を受けたりしますので、見つかりにくいんではあるんですけれども、何回かの検査を受けるうちに、ちょっと感染が見つかってくる、そういったことがきっかけで、農場で野外ウイルスの感染、あるいは発症事例が見つかってくることはあり得るということになります。
    これをどうするかということなんですけれども、非接種農場では野外ウイルス感染の農場について、患畜、あるいは疑似患畜として、全頭殺処分しているところでもありますので、目の前にある野外ウイルスについて、これを放置するということは現実的じゃないだろうということがございます。
    一方で、じゃあ、その農場の中の感染豚を全部見つけられるかというと、これは全頭検査をしても、なかなか難しい。全頭検査自体がなかなか現実的ではないということがございますし、また、このワクチン接種地域でとられている防疫対策は、もともとワクチン接種農場にはウイルスがいるかもしれないですよということを前提として組まれてございます。ということからすると、積極的に根絶やしにする合理性もないだろうということで、発生がありましたら、まず農場内の感染豚を見つけまして、緊急にワクチン接種を実施すると。その後、一定期間をおいて、ワクチンがちゃんと効いているかということ、あるいは残された感染豚がいないかということを確認した上で、またもとのワクチン接種農場に戻していくと。そういう措置がやられている間は、と畜場出荷、あるいは農場への出荷というものをとめて、一旦動きをとめてしまうという手順が考えられるのではないかというふうに考えてございます。これが、こちらの資料でご説明している感染豚のみを殺処分する方法の概要でございます。
    ちょっと、いろいろな考え方がございますので、最後の横表に、その殺処分の範囲を変えていくときの、いろいろな要因がどう違うのかということについてご説明してございます。
    並べておりますのは、農場内の全頭を殺処分する方法、あるいは陽性豚の飼養豚舎を殺処分する方法、最後は、私がご提案しております陽性豚のみを殺処分する方法です。
    殺処分対象豚舎は、全頭の場合は全ての豚舎が対象になります。陽性豚の飼養豚舎とする場合には、1棟の場合もありますけれども、多くの場合は複数豚舎、あるいは全ての豚舎になる可能性もあるということになります。
    陽性豚の場合には、殺処分対象の豚舎はなくて、個体だけを対象とするということですので、農場生産への影響は全頭をやる場合に最も大きくて、豚舎ごとにやると中程度、陽性豚のみとすれば、ありません。あるいは、経営停止期間、農場が全く、豚がいなくて、停止になっちゃっている期間というのが、全頭対象分だと出てくるんですけれども、部分殺処分や陽性豚個体のものの殺処分であれば、ない。あるいは、移動制限です。周辺農場の移動制限……ごめんなさい、これはワクチン接種農場とは関係ないので。
    それで、そういう措置の差は出てくるんですけれども、じゃあ感染豚が残存する可能性はどうかというと、当然、全頭殺処分をすればありませんと。陽性豚の飼養豚舎だけを殺処分する場合は、これはほかの豚舎がきれいだということの担保が難しいですので、中程度ですけれども、残存の可能性はあると。陽性豚のみを淘汰する場合は、検査で見えたものだけを対応することになりますので、目に見えて感染豚というのはいないんですけれども、それでも残存する可能性は当然あるということになります。
    一方で、再適発の可能性です。これは再摘発と言っているのは、1回のウイルスの侵入から、1回発生農場になって、そのまま改めてウイルスの侵入を許すことなく、やっぱり再発しちゃう、そういう可能性はどうなのかということについて、農場内の全頭を殺処分すること自体、一旦、個体がみんないなくなっちゃいますので、再発というのはないということになります。部分殺処分の場合は、ほかの豚舎で感染が出る可能性がありますが、あり。個体のみ殺処分の場合は、残念ながら全部の感染豚を根絶やしにできるわけではないので、これも再度、摘発の可能性があるということになります。
    次は、再感染の可能性です。再度、ウイルスの侵入がないのかということについては、これは殺処分が全頭なのか、部分豚舎なのかによらず、いずれの場合も、再感染の可能性はあるということで、全頭殺処分した場合であっても、再導入後にまた改めて感染する可能性はあるということで、こういった各措置の効果、あるいは影響というものも考えながら、検討していった場合に、個体で殺処分を考えていくということは、病気の拡大への影響、悪影響ということを及ぼさずに採用可能な対応の一つではないかというふうに考えております。
    以上です。
  • 津田委員長
    今、山本委員からいろいろ提案があったんですけれども、全頭殺処分、これまでどおりやる方法と、それからワクチンの前提として、一部を対応するというときのリスク、それからその効果ということもあるんですけれども、いくつかのご意見の紹介でございました。
    一方で、今、ワクチンを打っているところのメリット、メリットといいますか、拡大が、被害が防げますということもあるんですけれども、ほかにウイルス学的にもちょっといろいろな考え方があるんじゃないかなということで、迫田先生のほうから、何かご意見いかがでしょうか。
  • 迫田オブザーバー
    山本先生が詳細に説明してくださったので、状況はわかったんですけれども、まずこの議論をすることになるような農場の数を減らさないといかんですよね。これは非常にマイナーな例だという前提で進めないと、話がとんでもないことになると思います。というのは、まずはワクチンをきちっと、プログラムワクチネーションを打って、免疫の高い壁をつくっているということが1つ。
    もう一つは、飼養衛生管理基準で、不可抗力的に持ち込まれる可能性のあるウイルスの量を、今以上に下げる。要するに飼養衛生管理基準の見直しをされると思うんですけれども、まずそれを徹底して、これが日常茶飯事で起こることではないんだという前提で皆さんが一致しないと、話にならないんじゃないかと思うんですけれども、その前提で考えたときに、非常にレアなケースで、ウイルスがワクチン接種農場でもし見つかったとすれば、そのPCR陽性以外に必ずほかにいるはずで、追加でワクチンを接種しても、今の2型のウイルスは子豚に感染すると、持続感染豚になります。これはドイツのグループが実験的にやっているので、岐阜県知事の命を受けて、8月下旬にドイツに行きました。これは持続感染豚なのよという写真を、岐阜県の人たちも我々も見ています。豚コレラとBVDの持続感染豚は、本来は、お母さんに感染して、胎盤を通過して、そこから生まれてくるのが持続感染豚なんですよ。ところが、今の弱いやつは、生まれてすぐの子豚に、だから、胎盤感染なしでも生まれてきて、出生すぐのところで感染すると、持続感染豚になるんです。持続感染豚は免疫学的に寛容だから、持続感染するので、そこに追加でワクチンを打っても、抗体は上がりませんから、それはBVDのPI牛と同じです。というような落とし穴がいくつもあると思います。
    以上です。
  • 津田委員長
    ありがとうございました。
    最初にいろいろご紹介があったと思うんですけれども、いろいろな考え方があると思います。ワクチンを打っていることで、要するに周りへの蔓延は、その後、免疫を持っている豚群だから防げるだろうと。ですから、その中で、発症はレアケースとして起きたときに、そこだけを適用すればいいんじゃないかという話があるんですけれども、そもそも、そういった事態が起こること自体がやはり少ないんだと。要するに、先ほど迫田先生のほうでは、飼養衛生管理基準の遵守、野生イノシシ対策を強化する、その前提でのワクチン接種ですから、やっぱり侵入防止というものには十分配慮された上で、さらにその侵入があったとしても、そこに感受性の動物がいない、要するにワクチンをきちんと打っていれば、感受性がいないということで、そういうことはなかなか少ないのではないかと。そうすると、全部これまでどおり、全頭処分して、それを摘発して、そういったさっきの持続感染という話もありましたけれども、そういったリスクもゼロにしていったほうがいいのではないか。要するにこういったケースは、そうそう多くはないだろうというような、今の状況では、ですから、当初の考えでは、最初の全頭殺処分という考えでもいいんじゃないかというご議論なんですけれども、これについてはいかがでしょうか。
    山本さん、ございますか。
  • 山本オブザーバー
    2点あるんですけれども、先ほど迫田先生からご説明があったPI豚については、感染の検査をしてまいりますので、母豚がPCR陽性になった場合には、その子豚を自動的に淘汰するという仕組みを追加することは可能かなというふうに思っております。あと侵入防止措置については、岐阜県、昨年9月に発生をしまして、ほぼ1年たっているということで、その間、農水省からも直接ご指導されたり、フェンスの設置、電柵の設置ということで、かなり防疫対策を進められてこられて、少なくとも周辺県の農場よりもかなり進んだ状態にある。周辺県はまだ柵の設置も不十分だということもありますので、あると思っております。
    一方で、現在、どうなっているかというと、農場の衛生対策は当然いろいろありまして、道路があったりとかということで、十分できないような農場もあるんですけれども、そうではなくて、フェンスで完全に囲んで、シャワーイン・シャワーアウトしているという農場もございます。
    ただ、そういう農場も含めて、感染が継続していて、今のところ50%と、大体半分ぐらいの農場で発生しているということについては、やはり今後、どういった農場が曝露の対象になっているかを考えると、かなり重く受けとめないといけない。あまり楽観はできないんだろうというふうに考えております。
  • 津田委員長
    そういう話で、その上で、そういった農場への侵入があったとしても、一部の除去で、そのままワクチンを打っているからといって、許容できるかどうかという議論になっていくと思うんですけれども、いかがでしょうか。
    どうぞ、筒井先生。
  • 筒井委員
    お二人の専門家のご意見、どちらも確かに利があるんですが、ワクチンを打つということが一体どういうことかということを考えたときに、結局、リスクがある地域について、そこに対して予防的に打つという話ですよね。予防的に何を打つかというと、このワクチンの効果が何を期待するかといったら、1つは被害の低減、それから、予防、発生しないということ、この2つを恐らく期待しているんだろうというふうに思うと、じゃあ発生した場合、それがどれだけレアかということもあるんでしょうけれども、発生した場合に、本当に清浄地域と同じ対策をとるのかといったときに、私は少し疑問に感じます。そのためにワクチンを打っているということからすると。
    ただ、一方で発生した場合に当然、豚舎、農場なりに、野外ウイルスがいるということは間違いないと。ということは、どういうことかというと、恐らくワクチン非接種地域とワクチン地域の間をどれだけ区別できるか。そこからどれだけ非接種地域にウイルスを出さないようにできるかというところが一番大きなポイントだと思うんですね。ですから、私の考え方とすると、できれば殺さないほうがいいと。ただ、そのリスクが、例えば十分防げないということであれば、ある程度の措置はやむを得ないだろうというふうに思います。
    今、農水省さんから提言されているのは、これは全く同じということですよね、ウイルス清浄地域と。いわゆるワクチン非接種地域と同じ対策をとるというのは、これはマキシマムな話ですよね。今、我々はまだどこまで、そういった境界、接種地域と非接種地域、逆に言うと、ワクチン接種地域では、ウイルスと共存しているということを前提にという話は、山本さんが言ったとおりだし、迫田さんが言ったとおりですよね。だから、そこをどれだけ清浄地域からブロックできるか。今、我々もそこまでの対策はどう、実態上として、できるかということはなかなかわかっていないというところもありますので、仮に、当初は非接種地域と同じ対策をとるとしても、私は実効性を見て、緩和していくべきだというふうに思います。
  • 津田委員長
    今の議論のように、ここで指針としては、今、提案されたような形で、清浄地域と同じ体制になったんですけれども、これが、先ほどのご意見もありますけれども、山本先生のように、ある確率で起こり得るのか、それとも、迫田先生がおっしゃるように、ワクチンを接種していることで、相当、集団の免疫が高ければ、1つのウイルスが入ったとしても、これは疫学調査でもそうですけれども、非常に細かい隙間からウイルスが侵入しているというふうに思われる。そこに免疫があれば、なかなかその後の感染が持続しないのではないか、要するに感染がそこで広がらないんじゃないかというふうな考えもあります。ですから、ちょっとそこは一概に、それで全て言い切れるかどうかというのもありますし、もう一つは、こういったリスクを、例えば部分的に処分しても、ウイルスと共存できるだけのものを許容できるかどうか。あるいは、今までと同じような方法で、完全に安全性を担保していくほうがいいのかというのは、こちらの、科学的なだけではないものですから、なかなか決めかねるんですけれども、そこら辺で、今、筒井さんがおっしゃったように、段階的にこれを変えていくというのは、前提で必要かもしれないですけれども、だから前段として、どこまで書き込んでいくか、この指針にですね。
    要は、最初からウイルスは共存するんだと。ワクチン接種地域においては、感染は起こっているけれども、前提にするのか、それとも、これ以上、豚での感染を広げないために、きちんとワクチンの接種を徹底していただいて、侵入防止も徹底していただいて、その上で、もし発生すれば、それは、もうそういった小さなリスクでも、全てなくすために、これまでどおり当面はやっていくんだというふうに考えるかということなんですけれども、なかなか結論は得られないですから。
    事務局、どうでしょう。
  • 小倉審議官
    ありがとうございます。今、最後、筒井委員がおっしゃったとおり、我々もこれから今、ご説明したルールを運用していくわけですけれども、もちろん厳格に運用していくということではありますけれども、実際、どんな形になってくるのかという部分もございます。今は、先ほどちょっと話がありました、とにかくリスクを最小限にする形でスタートをしたほうが、我々、いいのではないかと思います。加えて、その辺の運用の状況を見ながら、また後々、見直すということはあるかもしれませんけれども、今回、全ての仕組みがスタートということもありますので、リスクを最小限とする。全ての豚を今までどおり処分するということで、スタートしたいなというふうに思いますが、どうでしょう。
  • 中島委員
    中島です。先ほどのワクチン接種の群の中で、感染陽性例だけ処分するという場合に、いくつかちょっと懸念されることがあると思います。
    1つは、陽性以外の感染がある。つまり、感染した後、検査陽性例になるまでのウィンドウ時期をどういうふうに捉えるのかという話も、ご指摘あったとおりですが、あとはキャパシティの問題です。対応が複雑化することと、今、恐らく、地域の行政の方も含めて、生産者も含めて、リスクの高い地域での対応にかなりの人的な、あと経済的なコストがかかっていると思うんですね、オペレーションですね。それが限界を超えていかないようにすることを考えないといけないとは思います。そのキャパシティの問題が一つどうかということと、あと、そういうふうに一部処分して、一部を残していった場合に、陰性化の判断をどうするかです。どの段階をもって、感染群をマイナスというふうに捉えるのかということが、うまく整理されていないと、それに対応するときには、事前に陰性化についても検討する必要があるのではないかなと思います。
    以上です。
  • 津田委員長
    ありがとうございました。
    いずれにしても、このリスクがどの程度あるのか。それをコントロールするために、どれくらいのコスト、人的資源も含めて、投入して、それが抑えられるかどうかという。どこまでがアクセクタブルリスクかどうかということだと思うんですけれども、ほかにご意見ございましょうか。
    どうぞ。
  • 筒井委員
    1つは、どこまでの範囲、範囲にもよると思うんです。例えば日本が全面ワクチンを打っていた時代というのは、恐らく私が聞いた話では、全頭殺処分ではなくて、発症したものだけを殺処分して、あとは追加免疫を打って、あとは流通させていた。これはもちろん、周辺の豚が、日本国中、全部、ワクチン、免疫を持っているので、そういった意味では、感染リスクが低いだろうということだったんだろうと思うんですね。
    ですから、その対策が今とれるかどうかといったら、まさしく清浄地域で、打っていない地域と打っている地域が、全く別の国のように、隔離できているかどうかというところにかかわってくるんだと思うんですね。もしそれができないということであれば、ある程度の措置をとるべきだと。どこかに難しい面があるのであれば、というふうに思います。
  • 津田委員長
    今、筒井さんがおっしゃったように、それこそワクチン接種のしている時代は、やはりある程度発症が抑えられていたと。ただ、発生しているところは、おおむねワクチンを打っていなかった。あるいは打ち漏らした分ということも事実ですから、そういったことでは、あのときの病気が非常に見やすかったということからすると、割とはっきりしているんですけれども、今回の場合は非常に病気を見つけにくいということもあって、そこが一つ悩ましいところで、さらに先ほど、迫田委員も言ったように、PI豚がいるという可能性もあるということから考えると、ここもまた悩ましい部分でもあります。
    山本さん、どうぞ。
  • 山本オブザーバー
    ちょっと今、お触れになったPI豚については、母豚の全頭検査というのを仕組む必要があるのかなと思いました。それはそれとして、全頭殺処分というのは、大変防疫措置としては大きくございまして、生産者の人生を左右しかねない、大変強い措置かというふうに理解しております。今までの接種していない状態であれば、感染を放置すると、必ず農場内、感染拡大して、見えてまいりますので、これは黙っているというのは不可能だというふうに理解しております。
    一方で、今後、ワクチン接種をしてまいりますと、仮に発症豚があっても、その後、ワクチンをまじめに打っていくと、そのまま自然消火してまいりますので、異常豚があったときの早期通報について、どう推奨していくのかという部分については、ちょっと工夫が必要かなと思います。
  • 津田委員長
    本当に最初のステップなものですから、ワクチンを使って、防疫を行うということは。そこで非常に悩ましいところであるんですけれども、基本的には、今回のワクチン接種の対象というのが、非常に環境中のウイルスも多い、要するに侵入リスクが高いところを限定的に選択してワクチンの接種をして、侵入があったとしても、そこで発生しないような、予防ワクチンというふうな考え方ではございます。
    迫田さん、どうぞ。
  • 迫田オブザーバー
    なぜこの議論になるかというと、GPE-ワクチンを使うからなんですよ。だから、多分、農水省さんはマーカーワクチンを使いたかったはずなんですけれども、感染抗体とワクチン抗体をウィンドウの広い抗体で識別できるから。だけれども、我々はGPE-ワクチンを使うということを舵切りをして、GPE-ワクチンの信頼性と有効性がある分、1960年代に先人たちがつくったワクチンで、最新の何か機能があるわけではなくて、そういうところは、やはりディスアドバンテージがある前提で、何かというと、やはり見えない感染をつまみ出しにくい状況だということだと思うんです。我々が清浄国に戻ることが、皆さんの一致した意見であれば、もちろんずっとGPE-じゃなくて、マーカーワクチンに切りかわっていくような、そういうことになれば、今のような議論ももっとプラクティカルな議論ができるんじゃないかと思うんですけれども、我々が今、持っているツールは、GPE-しか打てるものがないという前提だと、かなりグレーなところを引きずったまま。
    もう一つは、来週、僕の本当の仕事というか、これも本当の仕事ですけれども、鳥インフルエンザのリファラボ長ですけれども、鳥インフルエンザの地域の会議、二十四、五国のCVAの皆さんを集めて、話しますけれども、そこで決議する予定は、見えない感染の届け出を、届け出る感染があったら、ちゃんと防疫措置をしようと。見えない感染を見つける努力をしようと。これははっきり言うと、中国やベトナム、ワクチンを打っている国が、目の前の症状が出ているところだけつぶして、あとはそのままにしているから、20年間、我々が痛い目を見ているわけですね。それに対して、我々、我が国日本は、いやいや、ちゃんときちんと芽を摘むためには、見えない感染を徹底的につぶしていかないと、清浄化はこの地域からできないよということを、鳥インフルエンザではうたっていて、豚コレラではどうなのかというダブルスタンダードが、さて、韓国や台湾、我々をじーっと見ていると思いますけれども、さあどう反応するのかなと思いますし、OIEのリファラボ長として、鳥フルをこういうふうにしたいんだと言っても、日本の政府は豚コレラ、違うじゃないかと言われるのを懸念しています。
    以上です。
  • 山本オブザーバー
    ちょっと補足させていただきますけれども、今、DIVAのご提案がありましたけれども、ワクチン接種農場で感染を見つけられないのは、識別できないことが問題ではなくて、多くの個体が感受性を失って、非感染、抵抗性になっちゃうと。一部の個体にしか感染が広がらない。したがって、抽出検査で見つかりにくくなっちゃうということですので、そこは仮にDIVAだったとしても、ワクチン接種地域での感染がどの摘発、あるいは発生農場内での感染個体の摘発ということが困難であることには変わらない。
  • 津田委員長
    ありがとうございました。いずれにしても、今、おっしゃったようにインフルエンザの話は置いておくとしても、今回の豚コレラを考えたときに、今回、清浄国としての防疫対応として、摘発淘汰で清浄性を保とうという中で、イノシシの感染が起きて、イノシシから豚への侵入リスクが非常に高いときに、集団の免疫を与えて、豚群に、それで、もし一旦、少しの量でも入った場合でも、最初の感染を何とか防いで、その後の豚群への侵入、蔓延を抑えようというのが今回の目的だと思います。
    一方で、ワクチンを使っていることで、さっき言ったような、全頭殺処分にならないという経済的被害も最終的には求められるんですけれども、まだその段階に行っているかどうか。要は、それでも、どんどん発生が起きてくる状態なのか、それとも、先ほど迫田先生がおっしゃったように、そういう状態であれば、なかなかその発生というのは起きにくいんじゃないかというところの議論だと思います。
    今回、事務局のほうからご提案のあった、まず、いろいろな意見、この委員会の中でもありまして、いろいろなリスクを分析したんですけれども、やっぱりコントロールできるかどうかと、管理できるかどうかというところ。一つは、この豚コの防疫をやったときに、皆さん方に与える安心感というか、そこにまだウイルスが潜んでいないかという、共存を許容できるかどうかという観点から、今回は全頭殺処分というふうな案が出てきているんですけれども、この辺についてはいろいろな判断があると思います。
    ただ、この時点で、この委員会としてはある程度、この案で了とするのか、あるいは先ほど言ったとおり、もう少し細かい手間がかかるけれども、一部の除去でいいのかどうかという議論になっていくと思うんですけれども、ここで、とりあえず議論しても、同じようなリスク、話になっていきますので、ちょっとまとめたいんですけれども、この現在の案でご了承いただける方は挙手をお願いしたいと思いますが。
  • 山本オブザーバー
    指針案ということですか、今。
  • 津田委員長
    今の案です。
  • 山本オブザーバー
    前の措置のところというのは、ワクチン接種地域も、今、同じようにかかるように書いちゃっているんですけれども、何度かご指摘させていただいたんですが、移動制限とか、搬出制限とか、あの辺を引き上げるという、あの1行だけでやっちゃうんですか。
  • 丹菊課長補佐
    これは16ページです。第9の1、移動制限の設定等について、必要な措置を講じると。ここで念頭にあるのは、ワクチン接種地域内で仮に起こったときに、同じような移動制限ということには多分ならないのかなというのが、事務局の考え方でございまして、その考え方をどういうふうにまとめていくかということがございますので、この1文を加えさせていただいているということでございます。
  • 山本オブザーバー
    1文というのは、16ページの上の。
  • 丹菊課長補佐
    16ページの1行目でございます。
  • 津田委員長
    これは留意事項として、またさらに書き込む可能性があるということですね。
  • 丹菊課長補佐
    そうですね。
  • 津田委員長
    ということで、今、最初にここで決めていただきたいのは、この殺処分の範囲をどうするかということで、今、手が挙がりましたけれども、一応、この委員会としては、この事務局のほうで提案のあったようなこの指針を了として、これに合わせて、それに付随する移動制限の範囲等々、もし必要があれば、そこの部分を留意事項として、さらに検討を進めていくということでよろしいでしょうか。
    では、そういうふうにしたいと思います。
    あと、このほかに細かいところまで全部詰め切っていないというか、留意事項等々で補足する場合がございますけれども、大まかなところはよろしいですか。
  • 丹菊課長補佐
    津田委員長からございましたけれども、留意事項につきまして、今現在、豚コレラの予防的ワクチン接種の部分については、追って検討ということで、今、鋭意検討しているところでございますので、これにつきまして、あわせて小委の委員の皆さん方にお諮りするということで、進めさせていただければと思っております。
  • 津田委員長
    ありがとうございます。
    そうしましたら、大体、これで大きなところでは。
    どうぞ、筒井さん、何かありますか。
  • 筒井委員
    今の話なんですけれども、DIVAも重要なんですが、やっぱり感染源であるイノシシをどうするかというところが実は、ツールとしてのDIVAは確かに有効ですけれども、実際、感染源をどうしていくかということについての議論というのも重要であると私は思っています。
    以上です。
  • 津田委員長
    イノシシ対策、それから末端の、要するに豚の口に入れないような対策につきましては、これは非常に豚コだけではなくて、アフリカ豚コに関しても重要な課題でございまして、これについては進めていただいているんですよね。いいですね。
  • 小倉審議官
    ご指摘のとおりで、大変重要な取り組みになります。アドバイザリーグループをつくって、経口ワクチンの散布をしたり、また、識者を集めて、いろいろとイノシシ対策の検討をしていますので、先日もご指摘ありましたけれども、そういうイノシシの専門家も入れた議論もしっかりしなければいけませんし、そういう議論もまたこの小委の場でもやっていただくことになろうかと思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
  • 津田委員長
    ちょっと時間も押しておりまして、申しわけございません。大まかなところ、この指針について、ご了承いただけるということでよろしいでしょうか。
    はい。それでは、この豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針の変更につきましては、この事務局からご説明いただいた内容で、本委員会として了承するというふうにしたいと思います。
    今後の進め方について、事務局のほうからご説明をお願いします。
  • 伴課長補佐
    ありがとうございます。今後の進め方でございますけれども、本日、指針の本体につきまして、委員の皆様から委員会としてご了承いただいたということでございますので、この内容をもちまして、都道府県に対しての意見照会と同時にパブリックコメントを早急に始めたいと思います。最終的に、その意見を踏まえました案を、津田委員長のほうにご確認いただきまして、その後、津田委員長のほうから家畜衛生部会、親部会のほうに報告いただきたいと考えております。
    そのような進め方でよろしいでしょうか。
  • 津田委員長
    それでは、事務局はそのやり方で速やかに作業を進めていただきたいというふうに思います。
    そのほか、事務局のほうから何かございますか。
  • 山野室長
    特にございません。
  • 津田委員長
    それでは、最後ですけれども、全体を通しまして、委員の皆様から、確かに非常にまだ議論が、この短い期間の間で、非常に深いところまであるので、なかなか発言が少なかったと思うんですけれども、ほかに全体を通してでもご意見等あれば。
    どうぞ。
  • 芳賀委員
    すみません、東京大学の芳賀です。
    豚コのことはそうなんですが、アフ豚、最後、ちょっと津田委員長も言われた、豚コとアフ豚が結構混同されている。特に報道なんかでは、その辺が明確に区別されていないところが割と見受けられて、一般の方になかなかそこが伝わっていないところがあると思うんですが、万一、アフ豚が、今、日本は入っていないからいいですけれども、入ったら、ワクチンがないわけですよね。ですから、そういうところを先回りしてできる対策を今のうちからやっぱりとっていく必要があるということは、特に強調しておかないといけないかと思います。
    今回、豚コのほうも、豚コレラ、やっぱり獣医がよく使っている、明確に分かれる豚コとアフ豚という言葉を、ちょっと明確に使ったほうがいいのかなとも思うんですけれども、そういったことを、後ろにそういうものが控えているんだということも念頭に置いて、この豚コ対策、ワクチンについてもうまく活用できるといいのかと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
  • 津田委員長
    ありがとうございます。芳賀先生のほうは学術会議のほうでも、いろいろな講演、普及、啓蒙活動をやられておりまして、その中で、豚コレラとアフリカ豚コレラがしっかりした区別ができていないということで、業界用語であるんですけれども、アフ豚、豚コといった言葉を定着してはどうかというふうにおっしゃっているんですけれども、いずれにしても、このアフリカ豚コレラ、あるいは豚コレラにしても、野生動物、イノシシということまで考えると、やはりいろいろな国でも同じような問題で、やっぱりワクチンなしでの防疫というのが必要だということで、今回の日本の豚コレラも、これも一つのきっかけになると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
    ほかにご質問がないようでしたら、これで終了させて……
    どうぞ。
  • 迫田オブザーバー
    コメントだけですけれども、しょっちゅう呼んでもらえるものでもないので。
    やっぱり残渣について、加熱を強化するじゃなくて、結局、ヨーロッパがどうして残飯養豚を禁止しているかをしっかりとやっぱり、わかっていらっしゃると思いますが、そこに踏み切ることをやっぱりそのうち、今できないのはわかっていますが、それはもう考えておかないと、先ほどの芳賀先生のアフリカ豚コレラを経験しているから、みんな残飯養豚を禁止しているわけですね、ヨーロッパは。そこを先回りしないと、残飯養豚で養豚場で、アフリカ豚コレラが発生したから、そこから禁止するという後手にならないようにしてほしいなと思います。
    以上です。
  • 津田委員長
    ありがとうございます。残飯養豚もそうですけれども、現在、豚コレラ、それからアフリカ豚コレラ、この豚の一番大きな病気に直面している現状で、これまでのような養豚のやり方だけでは、やっぱり続けていけないという現実をしっかり理解いただくというのが、まず前提にあると思うんですね。養豚の皆さん方に。これまでどおりではなくて、やはりきちんと豚を、そういった遺伝子病が入らないように飼っていくという前提からスタートして、このワクチンの議論があると思いますので、そこはやはり、いの一番に徹底していただきたいと思います。ありがとうございました。
    それでは、質問がないようでしたら、これで終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
    事務局のほうからお願いします。
  • 山野室長
    どうも本日は熱心のご議論をいただきまして、どうもありがとうございました。
    最後、閉会に当たりまして、小倉審議官のほうから一言ご挨拶を。
  • 小倉審議官
    ありがとうございました。先週の金曜日、夕刻に無理をお願いしてから、今週は本当に無理に無理を重ねてお願いしています。ご対応、また、熱心なご議論をいただいて、ありがとうございました。
    先ほど事務局から話のあったような形で手続をこれから進めていきたいというふうに思います。また、いろいろ初めての取り組みにまたなってきますし、また、いろいろ先生方のご助言も受けながら、ご指導を受けながらやっていくということになろうかと思います。引き続きよろしくということで、感謝をして終わりにしたいと思います。
    今日は本当にありがとうございました。

午後0時58分 閉会

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