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農林水産省

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第60回牛豚等疾病小委員会 合同会議 議事録

1. 日時及び場所

令和2年8月31日(月曜日) 14時01分~17時56分
農林水産省本省   第2特別会議室

2. 議事次第

  1. 開会
  2. あいさつ
  3. 議事
    (1) 豚へのワクチン接種状況と野生イノシシにおける感染事例(ワクチン接種推奨地域の定期的な見直しを含む)について
    (2) CSFの国内発生から2年を受けた今後の取組について
    (3) ワクチン接種による免疫付与状況確認検査等結果について
    (4)ASFのゾーニングを適用したハンガリーからの生鮮豚肉の輸入再開について
    (5)フランスにおけるASF発生時のゾーニング適用に係るリスク評価について
    (6)その他
  4. あいさつ
  5. 閉会

3. 議事録

午後2時01分   開会

  • 星野家畜防疫対策室長
    それでは、定刻となりましたので、ただいまから、食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会第60回牛豚等疾病小委員会を開催いたします。
    委員の皆様方におかれましては、大変御多忙中にもかかわらず御対応いただきまして、誠にありがとうございます。
    私は当小委員会の事務局を担当しています、動物衛生課の家畜防疫対策室、星野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
    それでは、開会に当たりまして、審議官、伏見の方から御挨拶を申し上げます。
  • 伏見審議官
    4月1日付というと古いかもしれませんけれども、小倉審議官の後任でなりました伏見と申します。よろしくお願いいたします。
    委員の皆様方におかれましては、常日頃からいろいろアドバイス等頂きまして、誠にありがとうございます。
    それでは、第60回になりました家畜衛生部会牛豚等疾病小委員会の開催に当たりまして一言、御挨拶申し上げます。
    家畜伝染病予防法に係る政省令の改正、飼養衛生管理基準の改正の際には新型コロナウイルス感染症の影響もありまして、皆様に集まっていただくことができずに持ち回りにて委員会を開催するということでございました。
    委員長をはじめまして委員の皆様方には多大なる御協力を頂きましたことに対して改めて御礼を申し上げます。
    さて、本日の議題でございますが、CSFについては間もなく発生から2年がたとうとしております。これまでも委員の先生方をはじめ多くの関係者の皆様の御理解、御協力を頂きながら飼養衛生管理基準の遵守徹底の指導、野生イノシシに対する経口ワクチンの散布等、様々な対策を行ってきたところでございます。こうした対策の効果もあり、今年の3月以降でございますけれども、飼養豚、飼っている豚における発生はございません。
    今回の牛豚等疾病小委員会では、発生から2年が経過する節目ということで、これまで実施してきた施策を説明しますとともに、振り返りまして、また、これからの対応について御議論させていただきたいと思っております。
    また、同じく本日の議題でございますが、ハンガリー及びフランスからの生鮮豚肉の輸入に関するリスク評価につきまして、事務方から後ほど説明しますが、専門的見地からの御意見を賜りたいと存じます。
    以上のことにつきまして、委員の皆様方におかれましては、忌憚のない御発言を頂きまして活発な御議論をお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
  • 星野家畜防疫対策室長
    ありがとうございました。
    さて、現在、牛豚等疾病小委員会の先生方の数、委員の数は10名でございますけれども、本日は8名の委員の方の御出席、それからオブザーバーといたしまして、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究部門の方から國保ユニット長と山本ユニット長、国立大学法人北海道大学大学院獣医学研究員、迫田教授、日本獣医生命科学大学獣医学部獣医保健科学科青木准教授に御参加いただくこととしております。
    なお、國保ユニット長につきましては途中から参加ということでございます。
    続きまして、本日出席させていただきました事務方の方の紹介をさせていただきます。
    まず、冒頭御挨拶がありました審議官の伏見でございます。
  • 伏見審議官
    よろしくお願いします。
  • 星野家畜防疫対策室長
    動物衛生課長の石川でございます。
  • 石川動物衛生課長
    石川でございます。よろしくお願いします。
  • 星野家畜防疫対策室長
    それから、国際衛生対策室長の沖田でございます。
  • 沖田国際衛生対策室長
    沖田です。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 星野家畜防疫対策室長
    それから、同じく国際防疫対策室長の星野でございます。よろしくお願いします。
    それから、動物衛生課の山本でございます。
  • 山本畜水産安全情報分析官
    山本です。お世話になります。よろしくお願いします。
  • 星野家畜防疫対策室長
    同じく動物衛生課、青山補佐でございます。
  • 青山課長補佐
    本日はよろしくお願いいたします。
  • 星野家畜防疫対策室長
    同じく髙木補佐でございます。
  • 髙木課長補佐
    髙木です。よろしくお願いいたします。
  • 星野家畜防疫対策室長
    それから、畜水産安全管理課、郷課長でございます。
  • 郷畜水産安全管理課長
    郷でございます。
  • 星野家畜防疫対策室長
    同じく畜水産安全管理課、小佐々補佐でございます。
  • 小佐々課長補佐
    小佐々です。よろしくお願いいたします。
  • 星野家畜防疫対策室長
    それから、動物医薬品検査所の方から山下さんでございます。
  • 山下動物医薬品専門官
    山下です。よろしくお願いいたします。
  • 星野家畜防疫対策室長
    よろしくお願いいたします。カメラ等撮影の方、いらっしゃいましたらここで退席をお願いいたします。
    続きまして、お手元の配布資料の方の確認をさせてください。
    配布資料につきましては、資料番号が振ってございます。資料の1~1-2、それから資料2、そして資料3につきましては3-1~3-4、そして資料4につきましては4-1と4-2、そして資料5につきましては5-1~5-7ということで、大部でございますけれども、お手元にございますでしょうか。また、ざっと見ていただいて、もし、乱丁、落丁等あるようであれば、こちらの方にお知らせください。よろしいでしょうか。
    それでは、よろしいですか。
    それでは、議題の1から本日は5つ、議題がございますけれども、ここからの議事進行につきましては、津田委員長の方にお願いをしたいというふうに思います。
    津田委員長、どうぞよろしくお願いいたします。
  • 津田小委員長
    津田です。よろしくお願いします。
    それでは、これから議事に入りたいと思います。まず、議事の1番目、豚へのワクチン接種状況と野生イノシシにおける感染事例についてから委員会を始めたいと存じます。
    事務局の方から御説明をお願いします。
  • 青山課長補佐
    それでは、お手元に資料5-1を御準備ください。まず、飼養豚へのワクチンの接種状況について御説明させていただきます。
    表の真ん中の列辺りにありますように、接種推奨地域設定については、最初、2019年10月15日に設定いたしまして、同月25日から接種を開始しております。24都府県が現在接種対象となっておりますが、全ての都府県について初回接種は終了しておりまして、本年7月29日付で沖縄県が終了したところでございます。
    次に資料5を御覧ください。こちら、ワクチン接種推奨地域の運用についてということで、今までの考え方、また、今回のワクチン接種状況ですとかイノシシでの発生、陽性確認状況を踏まえての運用について記載しております。
    まず、1番、防疫指針におけるワクチン接種推奨地域の考え方です。現在の推奨地域の設定については野生イノシシにおけるCSFの感染状況、まず農場周囲の環境要因でございますが、これについては野生イノシシの生息状況、周辺農場数、豚等の飼養密度、山や河川の有無等の地理的状況、これらを踏まえましてCSFのリスクが高い地域を設定するということを防疫指針で規定しております。
    また、これらの区域の設定に当たっては面的に範囲を設定し、接種区域と非接種区域の接触面が最小になるよう設定することとしております。また、防疫指針に加えまして、2、これまでの牛豚等疾病小委員会で推奨地域設定の考え方について議論いただいているところでございます。
    (1)にございますように、基本、予防的ワクチン接種は防疫指針に基づき進めていくことが必要としております。それに当たって、野生イノシシでの感染が確認された県に加え、これまでの感染拡大の状況から今後の感染拡大が想定される地域については先行して、これから述べますような点を考慮し、推奨地域を設定するべきとしております。
    まず1つ目は農場の環境要因としております。こちら、ページをめくっていただきまして別紙1という形で模式図を添付しております。資料5-2を中心に御説明させていただきますと、まず農場と野生イノシシの感染区域と地域的なつながりがある場合、それから、農場の密度等を考慮します。また、農場と野生イノシシの感染区域との間でと畜場等の畜産業や養豚業との関係の強さを考慮すべきとしております。
    丸囲み数字2としまして、接種区域と非接種区域の接触面を最小化するということで、面的な接種が行えるよう、接種する県につきましては生産者のコンセンサスが得られている必要があり、接種は飼養豚の発生地域や野生イノシシの陽性確認地点、また既存の接種地域の側から順に接種をするよう各都道府県、ワクチン接種プロクラム策定を指導するとしております。
    また、ページをめくっていただきまして、丸囲み数字3にございますように経口ワクチンの散布地域につきましても、これらの地域については野生イノシシの感染拡大の可能性を踏まえたものであることから、これも考慮すべきとしております。
    また、(2)にありますように、これまでの感染拡大速度についても東側で半径100キロ、西側で半径60キロの円を引くような形をしまして、その区域に入る県を推奨地域とするなど感染拡大の速度について予測し、考慮することとしております。
    また、(3)今後の飼養豚等へのワクチン接種状況や野生イノシシへの感染拡大状況を踏まえて、接種推奨地域の拡大の必要性については、小委に定期的に諮ることとしております。
    今回でございますけれども、今回のワクチン接種推奨地域の再設定の考え方としまして、まず(1)、前回、本年の4月30日に推奨地域見直しをして以降の、野生イノシシでの陽性確認状況でございますが、東側では新たに茨城県6月、東京7月及び神奈川県5月で発見されております。こちらについては資料で申し上げますと、まず、別紙2に横の地図に記載をしておりまして、赤い星マークが凡例のところにもございますように、令和2年5月から8月にかけての豚熱陽性イノシシの確認地点となっております。
    また、既に感染が確認されていた群馬県では、直近で福島県境から約20キロメートルの地点で陽性が確認されております。これが8月で先ほど申し上げた別紙2でも群馬県のところ、R2、8月というところで1つプロットを打っておりまして、福島県の西南端に近いところになってございます。ここで、野生イノシシでの検査状況ですとか拡大状況についても資料5-3以降の参考資料を使って御説明させていただきたいと思います。
    資料5-3については全国の野生イノシシでのCSF検査実績でございます。こちら、遺伝子検査をしておりまして、今までの累計の数、平成30年9月から本年8月までの数字を記載しております。また、その裏面でございますが、こちらは野生イノシシで同様にASFについても検査をしておりますので、こちらも累積したものを取りまとめている資料でございます。
    次のページへ行っていただきますとCSF感染陽性イノシシ発見地点ということで、8月19日時点の地図がございます。こちら、陽性が確認された地点のみをプロットしておりまして、その裏面には検査陰性の地点もプロットした地図となっております。
    検査実績を見ながら、陽性がどの程度どの地点で発見されているかというときにこの地図を御覧いただいております。
    また、次のページへ行っていただきますと、8月19日時点で地形が分かる地図を御準備し、陽性確認地点を赤でプロットしているものでございます。山脈や平野部等、野生イノシシの移動等を考慮するときの情報を記載しているものでございます。こちらも裏に陰性の検査結果をプロットした地図がございます。
    また、次のページに行っていただきますと、地形の地図に更に河川が分かるように追加したものを準備しておりまして、表のところは陽性、裏に陰性と陽性を確認できる地図としております。
    また、これ以降については資料5-4に4か月ごとの時系列での拡大状況、野生イノシシでの陽性確認の拡大状況を累積で示した地図になっております。細部、御案内は省略させていただきまして、陽性イノシシでの確認は以上となっております。
    こうした野生イノシシ全体での陽性確認状況に加え、別紙2で群馬県の新しい事例について御紹介しましたが、ちょっと細かいところを別紙3の地図で御覧いただきますと、8月27日に陽性であるということが確認された群馬県での北東端での陽性事例をプロットしたものでございます。こちら、8月20日に捕獲された幼獣でございまして、山脈の連なりからすると、福島県にまたがる山の裾で見つかっているということで、また、別紙4で御覧いただきますと、こちらは赤点が養豚施設になっておりまして、黄色の群馬県での野生イノシシ陽性確認地点から見ると、福島県において半径100キロの円をこれは引いてございますが、その中に福島県の農場も入ってくるといったような距離関係となっております。
    資料5-2の2ページ目に戻っていただきまして、先ほど御説明の途中だった3の(2)からですけれども、こうした群馬県での陽性確認地点とその周辺地域の地理的状況を始めとする環境要因を踏まえますと、福島県へのウイルス侵入リスクの増大につながる可能性も否定できないと考えているところでございます。
    また、今後の対応といたしましては、引き続き地域の野生イノシシの生息密度を踏まえた捕獲強化、経口ワクチンの適切な散布等の対策により、野生イノシシの感染拡大を防止してまいりたいと思います。こちらについては資料5-5に野生イノシシでの捕獲の取組ですとか経口ワクチン散布状況などの資料を参考として添付しております。こうした感染状況を踏まえた接種推奨地域の拡大の必要性については、今後も牛豚等疾病小委員会に定期的に諮ることとしたいと考えております。
    資料の御説明は以上でございます。
  • 津田小委員長
    ありがとうございました。これまでのCSF対策の飼養豚に対するワクチン接種、それから野生イノシシへの経口ワクチン散布、それから野生イノシシの感染状況の調査といったことについて御説明いただきました。現在、群馬県の福島県に近いところでの新しい野生イノシシ感染例が発見されたという報告があったわけですけれども、これにつきまして、委員の方からの御意見、御質問がありましたらお願いします。
    つながっていますかね、リモートの方は。
  • 事務局
    はい、つながっているんですが、やや聞き取りづらいようですので。
  • 迫田オブザーバー
    ちょっと聞こえません。
  • 事務局
    聞き取りづらいようですので、大きめの声でお願いいたします。
  • 津田小委員長
    大きな声で話してくださいということですね。これで聞こえますか。
  • 迫田オブザーバー
    津田先生、聞こえています。ありがとうございます。
  • 津田小委員長
    はい、じゃ、これくらいの音量で行きたいと思います。どなたか御質問等ございますでしょうか。佐藤委員、お願いします。
  • 佐藤委員
    かなりの速度でイノシシの間で陽性が出てきているというのが非常によく分かってきまして、今回、また群馬、福島の県境近くでもという御説明があったかと思います。それで、資料の5-3を拝見しますと野生イノシシのCSFの遺伝子検査の実施状況という表になっておりますけれども、赤字で書かれているところを中心に今現在問題になっているところ、それからワクチンを接種しているところ、ベイトワクチンを散布しているようなところでは、多くの件数について検査をしているようにも見受けられるのですが、ほかの地域ですね、これからどんどん広がっていきそうな気配があるわけですから、この辺りについて、もっとどんどんイノシシの検査範囲を広げて、拡大して、拡充していくべきではないかと考えるのですが、そのあたりについてはいかがでしょうか。
  • 津田小委員長
    どうですかね。
  • 青山課長補佐
    御指摘があったとおり、今、ワクチン接種推奨地域の外につきましては検査数が少ないという状況でございますので、こちら動物衛生課、農水省といたしましても、都道府県に依頼をしまして検査数を引き上げていただけるように依頼をしてまいりたいと思います。
  • 津田小委員長
    よろしいですか。ほかにございませんか。山川委員。
  • 山川委員
    すみません。この資料5-3の参考の1のこの遺伝子検査の結果のところなんですけれども、これは経口ワクチンをまいていないところ、経口ワクチンのまいているところとかも場所的には含まれているんでしたっけ。
  • 青山課長補佐
    経口ワクチンをまいた直後の地域では余り捕獲はしないようにというようなこともしておりますけれども、個体によっては経口ワクチンを食べたと思われる、ワクチン株に感染している個体も発見されますので、若干重複している部分はあると思います。
  • 山川委員
    あと、死亡はかなり難しいと思うんですけれども、捕獲の場合は血清とかを採られていると思うので、例えばELISAの検査とかをされているとその遺伝子検査だけではなくて、抗体の動きが見られるような状況でデータを整理していただけるといいなと思いました。
  • 青山課長補佐
    血清抗体についてはお手元の地図では御用意していないんですけれども、情報としては取り集めているものがございますので、今後、どのように取りまとめて先生方に御提供できるかといったことを検討してまいりたいと思います。
  • 津田小委員長
    野生イノシシの対策につきましては別途、経口ワクチンの対策、散布も含めてそういった対策をチームの方で結果を取りまとめておりますし、それを基に散布地域、あるいは捕獲の調整等も行っておられるというふうに伺っておりますので、そちらの方はまたちょっと別途整理されているということでよろしいですよね。
  • 石川動物衛生課長
    経口ワクチンにつきましては、その部分で抗体と抗原の状況をプロットしてマトリックスでおまとめしていますので、また御提供できる範囲で提供したいと思います。また、先ほど佐藤委員の方からイノシシの感染拡大のスピードが上がっているというようなお話がございましたけれども、状況とすればそれほど上がっていないです。
    ただ、プロットの数が多いものですから何となく広がっている感は見えますけれども、距離とすれば想定の範囲内でということでございます。
  • 津田小委員長
    ほかにございますか。今に関連する話ですけれども、以前、ワクチン接種推奨地域を拡大するときに、これまでの野生イノシシの感染が西では60キロ、東では100キロというふうなことを暫定的に出して、この範囲で飼養豚へのワクチン接種推奨地域を拡大しようという話があったんですけれども、それにつきましてこのスピードというか、その辺については何か目安というか、あるいはこれを見直す、あるいはもう1回、整理し直すということは考えておられるんでしょうか。
  • 青山課長補佐
    現在のところ、60キロ、100キロというふうに想定したもののスピードを超える範囲ではないのですけれども、地域によって地形ですとか地理的な要因によって、そういったスピードも変わってくることはあると思いますので、今後、また、次回、定期的な見直しの際にお諮りするときには、その距離についても引き続き60キロ、100キロを採用するのか、それとも異なる考え方を採用するのかといった点について御相談させていただきたいと思います。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    ほかにございませんか。リモートで参加している先生方、委員の方々、いかがでしょうか。よろしいですか。
    それではこれにつきましては今回発表にありましたとおり、今後の進め方でございますけれども、これまでの議論を踏まえて進めていきたいと思いますが、事務局の方から今後の進め方について御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
  • 青山課長補佐
    すみません、ちょっと、1点確認なんですけれども、福島県については事務局案としましては、福島県のウイルス侵入リスクの増大につながる可能性も否定できないと記載しているところなんですけれども、こちら、接種推奨地域の再設定につなげていくという形でもよろしいかどうか、御確認させていただきます。
  • 津田小委員長
    そうですね。じゃ、それについてはちょっと議論いただきたいと思いますけれども、今回、確認地点が群馬県でございますけれども、これが周りの地理的状況を考えますと福島県への侵入リスクの増大につながる可能性も否定できないということでございます。
    このさっきの60キロ、100キロという話が出ましたけれども、このときには群馬県につきましては、ここから福島県につきましては山脈のつながりがないとか、あるいは尾瀬といったものがあって、そこから余り広がらないんではないかということで一旦見送った経緯がございます。
    そうした中で、今回、この福島県の方に連なる山脈の方でこういった感染イノシシが発見されたということからすると、イノシシの専門家の方からも標高は高いんだけれども、やはりその調査がこの間はできなくなる可能性もあるというふうな意見も頂いております。そうした中でこの福島県の方を接種推奨地域に指定するのはいかがかということが提案されているんですが、いかがでしょうか。御意見、ございますでしょうか。
    ないようでしたら、これまでの考え方のような進め方で山脈、あるいは近場の養豚場とも距離がだんだん近づいているということで、加えるというようなことを考えてもよろしいかなと思うんですが、何か御意見はございますでしょうか。よろしいですか。リモートは誰が参加しているんだっけ、委員は。
  • 事務局
    リモートは北海道大学、迫田先生、青木先生、あとは小渕先生、入江先生、及び大東文化大学の中島先生と宮崎共済の嶋田先生が参加されています。
  • 津田小委員長
    分かりました。委員の先生方ですけれども、いかがでしょうか。もし御意見がなければ、今のようなことで取りまとめてよろしいでしょうか、この委員会の方としては。じゃ、よろしければ、今後の進め方については今の方向で福島県も含めて、ちょっと事務局の方から御説明をお願いしたいと思います。よろしいですか。
  • 青山課長補佐
    ありがとうございます。今後の進め方ですが、本日の議論を踏まえ、ワクチン接種推奨地域については、追加で福島県を設定いたしたいと思います。その後、福島県からワクチン接種プロクラムの提出がございましたら、本委員会を開催し、委員の皆様に内容を御確認いただきたいと思います。その結果を踏まえまして、適宜、ワクチン接種を開始するという流れとなります。
    また、先ほど、野生イノシシでのCSFサーベイランスの数について御指摘がありましたので、疾病の早期発見に重要であるとこちらも考えているところから、野生イノシシのCSFサーベイランスについて、全国的に積極的に実施していただくということを考えております。
    また、CSF、御指摘いただいたところですけれども、同じように資料にASFの遺伝子検査結果も記載しておりまして、こちらについても同様に検査数が少ないというような御指摘というか考えもあろうかと思いますので、CSFの検査材料などを活用するような形でASFについても同時並行で検査を確実に実施するようにということを併せて通知していきたいというふうに考えております。
    以上でございます。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。それでは、CSFにつきましては、今、説明がありましたように福島県を接種推奨地域に指定することを了承するということと、それから、サーベイランスについて今のような対応を頂きますということで御説明のとおりでございますが、今の進め方でよろしいでしょうか、委員の皆さん。よろしいですか。
    それでは、事務局はそのやり方で速やかに作業を進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
    続きまして、議題の2番、CSFの国内発生から2年を受けた今後の取組について事務局の方から御説明をお願いします。
  • 石川動物衛生課長
    それでは、動物衛生課長の石川でございます。
    お手元の資料、CSF・ASFをめぐる情勢と今後の対応ということで、来月でCSFの発生から2年となりますので、これを受けて、現状と今後の進め方について御説明させていただきたいと思います。
    まず1ページ目でございます。おさらいになります。CSF発生の経緯でございますけれども、2年前の2018年9月9日、岐阜での発生以来、8県58事例、これまでに16万6,000頭余りを殺処分しております。
    それで、2019年、昨年の9月24日にワクチン接種を決定いたしました。10月25日から実際にワクチン接種を開始したわけでございますけれども、このワクチン接種の徹底と農場段階における飼養衛生管理の徹底、また、野生イノシシ対策、これらの対策を組み合わせた結果、本州では2019年12月17日、愛知での発生を最後に、また、沖縄県では2020年、今年の3月12日の発生を最後に新規発生はないというような状況でございます。
    下が、発生の折れ線グラフは合計の殺処分頭数、棒グラフは発生件数になってございます。4月以降は新たな発生はないということでございます。
    2ページ目になります。現在、我が国はCSFの清浄国、一時停止という状況でございますけれども、清浄国となっております。
    まず清浄国とはどんなものかということを書いてございます。OIEが加盟国・地域の申請に応じまして、専門家が評価した上で総会で採択し、公式に認定するというスキームでございます。
    ただ、このステータスを維持するためには、OIEコードに規定されました清浄国の要件、これは2段目に書いてございます清浄国の要件、4つの要件が書いてございますけれども、この要件を継続的に満たす必要がございます。それで、現在の我が国の状況ですけれども、2007年4月から清浄国でございました。ただ、2018年9月の国内での発生を受けまして、このステータスは一時停止ということになっておりました。
    ただ、この一時停止というのは最長2年間、2年間のみでございますので、2020年の9月3日に我が国は清浄国のステータスを消失することとなります。
    清浄国の要件は、繰り返しですけれども、過去12か月間、CSFの発生が豚でないこと、また、同じく12か月間、豚でのワクチン接種が行われていないこと、ここで言うワクチンは、マーカーワクチンは除かれます。
    さらに3番目、過去12か月間、飼養豚でサーベイランスが実施されていること、また、感染野生イノシシが国内にいる場合、我が国もそうでございますけれども、飼養豚と野生イノシシの群が分離されていることが清浄国の要件となります。
    一番下の段でございます。清浄国ステータスの取得を今後、再度目指していくわけでございますけれども、その中でのメリットを幾つか書いてございます。1つが、新たな輸出先国、例えば今で言う、米国ですとかEUになります。この2つの国・地域につきましては、今、輸出が行われていませんけれども、その輸出先の開拓につながるということが1点。
    もう一つは、CSFが発生していたり、また、CSFのワクチンを打っているような非清浄国からの輸入解禁要請に対して優位な立場を保てるということがメリットとしてございます。
    また、このステータスの取得・維持に向けた取組、例えば飼養衛生管理の徹底といったものは、ASF対策にも通じるものでございます。また、最終的にワクチン接種が不要というような状況になれば、コストの低減にもつながると考えております。
    1枚めくりまして、3ページ目でございます。では、CSF清浄国へどのように道筋を付けていくのかということでございますけれども、なかなか今の段階で明らかな道筋というのはなかなか見えづらい状況にございますけれども、基本的にはこの三本柱だと思っております。
    1つが感受性動物対策、これにつきましては、今、野生イノシシにおけるCSFが発生しております。この撲滅前にワクチンの接種を終了するという判断は困難ではないかというふうに考えております。そのため、ステータスの早期再認定のためには、今、使っている通常のワクチンからマーカーワクチンに切り替えるというような方法もあるのではないかと考えております。
    2つ目が飼養豚-野生イノシシの遮断対策でございます。これはワクチン接種の有無にかかわらず、きちっとしなければならない対策でございます。そのため、引き続き飼養衛生管理基準の遵守徹底による遮断を目指したいと思っております。
    3つ目が、野生イノシシ対策でございます。これは引き続きでございますけれども、CSFの撲滅に向けて、捕獲強化を継続する。また、経口ワクチンについては、有効性とサーベイランスの調査結果を踏まえまして、適切に散布することが必要だと思っております。
    また、CSFの撲滅後においても、やはり野生イノシシでの感染状況を把握するということは、豚への感染を防ぐ意味でも重要でございますので、サーベイランスは一定頻度で継続する必要があるだろうと考えております。
    4ページ目でございます。先ほどから述べておりますCSFのマーカーワクチンについてお話しさせていただきたいと思います。詳細はこの後、動物医薬品検査所の山下の方から御説明いたしますけれども、結果だけ私の方から簡単に御説明いたします。
    我が国では、ゾエティス社、米国にございますゾエティス社のCSFのマーカーワクチンの評価をいたしました。左側のワクチンに求められる要件でございます。通常のワクチンですと、有効性、効果があることということと安全であること、この2点でございます。この2点につきましては、ゾエティス社のワクチンにつきましても、いずれも確保されておりました。
    一方、このマーカーワクチンで重要な識別性、3点目でございます。これはマーカーワクチン接種豚と野外株感染豚が識別できることということでございますけれども、残念ながら、このワクチンと使いました2つのキットの組合せでは、この識別性が確保されていないというような結果が出ました。
    したがいまして、現在のようなこの組合せでは、防疫面では支障を来すことから、現場では使用できないというような結論に至っております。
    したがいまして、今後でございますけれども、国産のCSFマーカーワクチンの開発を含めたCSFに関する研究事業を今年度から開始しております。これを引き続き継続することによって、早期の撲滅正常化に向けていきたいと思っております。
    5ページ目でございます。これまでの対策と今後の対策も含めて御説明いたします。野生イノシシ対策でございます。野生イノシシにつきましては3本柱、サーベイランスの強化、2番目の捕獲の強化、3番目の経口ワクチン散布、この3本柱を引き続き徹底していきたいと思っております。サーベイランスにつきましては、先ほど先生方から御意見いただきましたとおり、都道府県に対しましては、積極的な検査を指導していきたいと思っております。
    捕獲につきましても、CSFが豚で確認されている県のみならず、この隣接県も含めまして、24都府県、これは今回、福島を含めましたので、25都府県になりますけれども、捕獲重点エリアを設定しまして、捕獲を強化していく。また、経口ワクチンにつきましても、福島も含めて、今後ともきちっと経口ワクチンの散布、効果的、効率的な散布に務めていきたいというふうに思っております。
    6ページ目でございます。野生イノシシ対策で参考となるのは2点、左側が経口ワクチンの空中散布でございます。基本的には、人が手まきで散布を行っているところでございますけれども、山が急峻であるとか、人がなかなか入れないような地域におきましては、ヘリコプターでの空中散布も考慮に入れております。これはこれまで、自衛隊の御協力を得て、マニュアル、手引を作成しております。もう既に民間の会社に対しましては、この説明会を開始しておりますので、今後、このヘリコプターによります空中散布が必要な地域におきましては、このような対策も併せて行っていきたいと思っております。
    右側がCSFの経口ワクチンの国産開発でございます。現在、イノシシのCSFの経口ワクチンにつきましては、ドイツの方から輸入したワクチンを使っておりますけれども、今後、安定的に使用できるような体制を確保するために、今年度から委託事業におきまして、国産化を進めております。
    また、その中で、下の方に書いてございます、幾つか課題等もございます。いわゆるワクチンの効果を現すためには、注射よりもウイルス量が多く必要だとか、口の中に長くとどまる必要がある。あとベイト剤については、今、トウモロコシでございますけれども、ほかの剤も検討する必要がある。いろいろなことがございますけれども、これらの課題を解決して、国産化に向けていきたいと思っております。
    7ページ目でございます。感受性動物性対策ということで、豚への予防的ワクチン接種でございます。これまで、24都府県、今回の福島を含めまして、25都府県でワクチン接種を実施してまいりたいと思っております。もちろん福島につきましては、基本的に都道府県からプログラムを提出して、この小委員会の中でお認めになった後ということでございますけれども、地域としては25都府県ということになります。これらの地域を指定して、きちっと豚への免疫を付けて、感受性動物対策を進めていきたいというふうに思っております。
    8ページ目でございます。感染経路遮断対策ということで、これは農場段階における飼養衛生管理基準の徹底ということでございまして、特に野生動物侵入防止のための柵の設置ですとか、あとエコフィードの加熱の厳格化、このような新たな基準を今回の基準改正で含めております。生産者にも分かりやすいガイドブック等を作りまして、新たな基準の周知、また徹底に務めてまいりたいと思っております。
    2番目の法改正等の対応につきましては、飼養衛生管理、農場ごとに飼養衛生管理責任者を選任するですとか、あと都道府県ごとに、この飼養衛生管理の指導の内容がばらつきがないように国から指導等指針を策定しまして、都道府県段階においては、都道府県の県計画を策定するというような制度も創設しております。このような対策によって、確実に飼養衛生管理が守れるようにしていきたいと思っております。
    9ページ目でございます。水際対策でございます。基本は相手国から持ってこさせないということで、SNSとか、現地メディアを使った注意喚起、また、右側にございますポスター等を掲示したり、機内アナウンスで注意喚起を行っております。
    真ん中の、日本に入れさせないということで、報道等でよく御案内しておりますけれども、検疫探知犬の増頭という対策がございます。現在、96頭、全国に配備しておりますけれども、今年度末までに140頭体制としたいと思っております。もちろん犬だけでなくて、家畜防疫官の増員についても手当させていただきたいというふうに思っております。
    また、違法な持ち込みに対する対応の厳格化ということで、違反者情報をデータベース化しまして、関係省庁と共有して、逮捕等の事例につなげていきたいというふうに思っております。
    また、一番下でございます。今回、法改正によりまして、家畜防疫官の質問ですとか、検査権限、廃棄権限が法的な裏づけができました。これまでは指導等の範囲でございましたけれども、法的に実施できるような体制が整いましたので、動物検疫所で厳格な対応を行ってまいりたいというふうに思っております。
    10ページ目が、これが水際対策で使っておりますポスターでございます。英語版、中国語版、ほかの言語についても作成し、周知、徹底していきたいと思っております。
    一番最後の11ページ目でございます。これはASFの発生状況でございます。赤が昨年の4月以降にASFの第1例目が発生した国で、最も新しいのは、インドでございます。今年の1月にASFの発生が確認されておりました。この地図を御覧になってお分かりのとおり、日本以外で白い国・地域というのは、台湾ですとか、マレーシア、タイ、あとブルネイといった限られた国・地域になってございます。引き続き水際検疫の徹底もございますけれども、農場段階における飼養衛生管理の徹底等を組み合わせまして、ASFの発生についても、発生がないように予防を徹底してまいりたいというふうに思っております。
    私の方からは以上でございます。
  • 津田小委員長
    ありがとうございました。
    引き続きまして、輸入ワクチンマーカーの有効性及びこれにかかる試験報告について、動物医薬品検査所の山下専門官から御説明をお願いします。
  • 山下動物医薬品専門官
    それでは、動物医薬品検査所の山下です。動物医薬品検査所でマーカーワクチンの有効性と有用性について調べるために感染試験を実施いたしましたので、報告させていただきます。
    資料1-2、左肩に委員限りと書いてある資料を御覧ください。
    では、次の資料、マーカーワクチンについてですが、マーカーワクチン、製品名、スバキシンCSFマーカーは、ゾエティスの組換え弱毒生ワクチンです。野外で使用した実績はないんですが、EUと米国で承認されています。
    ワクチン株の母体はBVDV、1b型のCP7株でE2たんぱく遺伝子をCSFV1型のアルフォート株で置換しています。したがって、CSFVの抗E2たんぱく抗体と抗Ernsたんぱく抗体を検出することで、ワクチンを接種した豚と野外株に感染した豚の識別、いわゆるDIVAシステムが可能なワクチンの設計となっています。
    理論上は、下の表にお示ししますように、本ワクチンを接種したのみの豚では、E2抗体のみが陽性となり、本ワクチン接種の有無にかかわらず、野外CSFVが感染した場合は、E2抗体に加え、Erns抗体も陽性となります。
    今回、DIVAシステムによる識別のために、E2抗体検出には、JNCの豚コレラELISAキット2(ローマ数字)を、Erns抗体検出にはインディカルバイオサイエンスのピッグタイプとサーモフィッシャーのプリオチェックを使用しました。
    2種類のErns抗体検出ELISAは原理が異なります。
    では、お手元の資料で御説明させていただきます。
    ELISAキットの原理についてですが、プリオチェックは競合ELISAで、抗原と血清を反応させた混合液を抗Ernsモノクローナル抗体を固相化したプレートで反応させるため、発色しなかった場合を陽性、発色した場合を陰性と判定します。
    一方、ピッグタイプは、Erns抗原を固相化したプレートに直接血清を反応させるため、発色した場合は陽性、発色しなかった場合を陰性と判定します。
    今回の試験の目的ですが、マーカーワクチンの有効性を確認することと、ELISAキット3種類を使用して、丸囲み数字1から丸囲み数字3の豚でDIVAが機能するかどうかを検証するために実施いたしました。
    次の資料です。試験設計です。
    ワクチン非接種群とワクチン接種群、4頭ずつの合計8頭を設定し、ワクチン接種時に約45日齢のゼンノー・プレミアム・ピッグを使用しました。接種群は、ワクチン接種後、28日目にウイルス攻撃した後、28日間観察し、無処置の非接種群はウイルス攻撃後29日間観察しました。
    攻撃ウイルスは岐阜県の18例目発生農場由来の当所分離株、遺伝子型2.1型で力価が107TCID50/mlを1ml経口で投与しました。
    次に、ウイルス攻撃後の臨床所見ですが、ワクチン接種群では特に所見はなく、ワクチン非接種群ではウイルス攻撃後、24日目に1頭が急性経過で死亡しました。
    ほかの3頭にも一般状態の軽度な悪化や目の異常、鼻汁の漏出、下痢などが見られました。
    次に、死亡豚の臨床所見です。死亡豚では、死亡6日前から耳根部に発赤と浮腫が認められた後、死亡3日前から血便や下血、死亡前日に出血斑が見られました。死亡当日は起立困難となり、エンドポイントに達したと判断した後、剖検の準備中に死亡いたしました。
    次に、臨床スコアの資料です。先に実施した感染試験の結果から、4ポイントを病畜との境界と設定しました。ワクチン接種群では試験期間を通して2ポイント以下でしたが、非接種群では、ウイルス攻撃後、15から17日目に4ポイント上回り、その後、18から20日目にピークに達した後、死亡豚以外は徐々に症状は改善しましたが、死亡豚はそのまま高いポイントを維持し、死亡に至りました。体重の推移は両群間で差はありませんでした。以上から、マーカーワクチンは臨床症状の発現を抑制しました。
    次に、臨床スコアの観察項目ですが、表示の論文を準用して、当所で規定を作り、使用しました。
    次に体温、白血球数です。体温については、ワクチン非接種群では全頭40度を超えた後、死亡豚を除いて順次解熱し、接種群では、試験期間中、全頭がほぼ40度以下でした。白血球数については、ワクチン非接種群では全頭1万個以下に減少した後、死亡豚以外は改善しました。接種群では、試験期間中、全頭がほぼ1万個以上を維持していました。以上から、マーカーワクチンは発熱と白血球数減少を抑制しています。
    次に、RT-PCRです。ペスチウイルス遺伝子検出プライマーを使用したRT-PCRを血清、唾液、鼻腔スワブ、糞便スワブで実施したところ、ワクチン非接種群では、全ての検体で遺伝子が検出されましたが、接種群では全ての検体で検出されませんでした。以上から、マーカーワクチンはウイルス血症とウイルス排泄を抑制しています。
    次に、剖検時に採取した主要臓器からのウイルス分離とペスチウイルス遺伝子検出、RT-PCRを実施しました。
    ワクチン非接種群では、死亡豚では全主要臓器でウイルス分離陽性、かつ、ウイルス遺伝子が検出されましたが、ほかの3頭ではウイルス分離は陰性で、扁桃とリンパ節から遺伝子が検出されました。一方で、ワクチン接種群では、全ての臓器でウイルス分離陰性で遺伝子も検出されませんでした。以上から、マーカーワクチンはウイルスの主要臓器での増殖を抑制しています。
    次に、各種ELISA抗体と中和抗体価です。表の上半分はワクチン非接種群、下半分がワクチン接種群の結果です。抗E2たんぱく抗体検出キットでは、ワクチン非接種群では死亡豚を除いて、ウイルス攻撃後14日後から陽性となり、接種群ではワクチン接種後、14から21日後から陽性でした。これはDIVAの理論どおりの反応です。
    次にピッグタイプとプリオチェックによる抗Ernsたんぱく抗体検出は、ワクチン非接種群では、死亡豚を除いてウイルス攻撃後10から14日目に陽性となり、野外株のみの感染に対しては、DIVAの理論どおりの反応でした。死亡豚については、プリオチェックでは反応しているため、多少のErns抗体が産生されていた可能性があります。
    ワクチン接種群では、ウイルス攻撃前に両キットでは検出されないはずですが、ピッグタイプはオレンジで丸がしてあるところですが、ピッグタイプでは2頭で、プリオチェックは1頭で連続性はないものの、検出されていました。
    また、ウイルス攻撃後は、両キットで検出されるはずですが、ピッグタイプでは全頭で検出されましたが、プリオチェックでは2頭では検出されませんでした。これらはDIVAの理論から逸脱する反応です。
    なお、両群ともに攻撃ウイルスに対する中和抗体は、抗E2たんぱく抗体が検出されると同時期に検出され、ワクチン接種群では、接種後、二、三週間で検出されました。
    次に、ELISAキットの特異性についてです。
    CSFVとBVDV及びBDVは同属のペスチウイルスで、各種抗体の交差反応が以前より報告されています。
    今回使用したELISAキットで、BVDVとBDV感染豚の血清を用いて交差反応を確認しました。血清は北海道大学より分与いただいています。
    結果、CSFV感染血清のみで陽性を示したのがプリオチェックのみであったため、プリオチェックが最も特異度が高い可能性があることが分かりました。
    このことは前の資料で、ワクチン接種群の攻撃後血清で、ピッグタイプでは抗CSFV-Erns抗体を検出できていたと考えるのは不確定であり、ピッグタイプで検出されたのは、ワクチン株のBVDV由来のErns抗体で、抗CSFVのErns抗体が産生されていなかった可能性も否定できない状況といえます。このことは、ワクチンによる免疫が十分構築された場合に、攻撃ウイルスが速やかに体内で中和され、抗CSFV-Erns抗体が産生されなかったか、あるいは既に報告されている論文でも、プリオチェックはマーカーワクチン接種豚へのウイルス攻撃後、抗CSFV-Erns抗体の検出に35日ないし49日を要する場合があることが報じられており、攻撃後28日間では検出されなかったか、いずれかによると考えられます。
    いずれにしろ、これらの識別ELISAキットによるワクチン接種豚における野外株感染後、28日以内の個体ごとのDIVAは困難であることが分かりました。
    なお、下の表にお示ししますように、岐阜県発生農場における野外感染豚群に対しては、3種のELISAキットは感染をほぼ検出することができていたため、ワクチン非接種豚の感染については感度は問題がないと言えます。
    次に病理所見ですが、ワクチン非接種群では資料中の写真で見られるような所見がありましたが、接種群では肉眼病変はありませんでした。このことから、マーカーワクチンは病変の形成も抑制しています。
    最後に結果とまとめですが、ワクチン接種群は国内流行株の攻撃による発熱、白血球減少、臨床症状、ウイルス排泄及び病変の形成を抑制したため、マーカーワクチンは国内流行株に対して有効であることが分かりました。
    また、ワクチン接種群において、DIVAの理論上の反応と逸脱する結果が見られたことから、今回供試した識別ELISAキットでは、DIVAによる個体ごとの感染、非感染の明確な識別は困難であり、マーカーワクチンの有用性については、更に識別法について検討する必要があるという結論に至りました。
    以上です。ありがとうございました。
  • 津田小委員長
    ありがとうございました。
    それでは、この件に関しまして、委員、オブザーバーの皆さんから御意見、御質問がありましたら、お願いしたいと思います。
    この件につきましては、北海道大学の迫田先生、日本獣医生命科学大学の青木先生もオブザーバーとして参加いただいておりますので、よろしくお願いします。
    では、迫田先生、お願いします。
  • 迫田オブザーバー
    しゃべります。EUの連中が言っているとおりだと思います。
    以上です。
  • 津田小委員長
    要は識別については若干課題があるということですか。
  • 迫田オブザーバー
    そのとおりです。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    青木先生、いかがでしょうか。
  • 青木オブザーバー
    私も同じ考えです。やはりその識別の部分では、実際に臨床材料等を使って評価すると、完全な識別が難しい、課題が残っているというようなことをEUが報告しておりますので、そういった結果が国内でも確認されたのではないかと考えています。
  • 迫田オブザーバー
    津田さん、いいですか。
  • 津田小委員長
    どうぞ。
  • 迫田オブザーバー
    今回の2つのELISAは無理としても、マーカーワクチンはそれを使うけれども、検出として、ものを日本でなり開発していくということでそれを使うということはできる。というのは、有効性と安全性を確認するのに相当時間がかかりますから、それに比べたら、ELISAを組むというのは比較的容易なのかなと思います。
    以上です。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    ほかにどうでしょうか。
    山川さん。
  • 山川委員
    この識別用のキットというのは、世の中にはこの2つしかないんですか。
  • 山下動物医薬品専門官
    このワクチンに対していろいろ試験がされているんですけれども、論文に書かれてあるキットはプリオチェックがメインで、プリオチェックとピッグタイプを両方比べているというのもあるんですけれども、ちょっとほかに関しては、この識別目的では、ちょっと名前を聞いたことがないんですけれども。
  • 山川委員
    なるほど。感染実験というか、攻撃試験の結果を見ると、このマーカーワクチンの効果は見られているということなので、迫田先生がおっしゃったように、ワクチンを作るのも大事ですけれども、よりいい検出系を独自に作るというのも一つ手かなという気はします。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。今、このマーカーワクチンについての議論もあるわけですけれども、最初に石川課長の方からも御説明がありましたように、今回の国内のCSFの対策につきましては、戦略目標というか、ストラテジック・ゴールというのが最終的には清浄化であると、エラディケーションであると。そのために、それを達成するために幾つかのタクティカル・ターゲットといいますか、要するに飼養豚への免疫付与、あるいは野生イノシシの対策、それからもう一つは、一番大きなバイオセキュリティの構築ということがあって、バイオセキュリティについてはASFにもつながることで、ほかの2つについては、ASF対策としてはないものだから、これは最優先しなければいけないだろうというような考え方だと思います。
    そうした中で、このマーカーワクチンについて、最初、御説明がありましたけれども、これについては、要するに農水省としてはどのくらいの力の入れ具合というか、あるいはこのタクティカル・ターゲットをクリアするために、どういったスケジュール感というか、そういうのをお持ちでしょうか。
  • 石川動物衛生課長
    私の方から、ではお答えさせていただきます。
    今の段階で、今日のこの海外のマーカーワクチンの性能を見ても、なかなか先々、見えにくい部分があると思います。なので、いつまでとなかなか明言できないわけでございますけれども、ただ、今年度からこのマーカーワクチンも含めて、先ほど御説明したとおり、CSFに関する研究事業を始めたということは、国とすれば、もちろん清浄化に向けて今後進んでいく必要があるんだろうと思っております。
    ただ、その部分についても国の考えもありますけれども、もちろん養豚している生産者の方、関係団体の方、いろいろな方々の合意の下でやはり進めていかないと、なかなかうまくいかないのかなというふうに思っています。
    ただ、今の時点で期限を区切ることは難しいのかなと思っております。
    以上です。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    先ほど迫田先生からもありましたように、ワクチンの開発に走るか、それとも現行のものを考えて、その識別ができるようなものを捕捉していくかということがあって、今、課長の話もありましたように、どのくらいの時間感覚、要するにスケジュール感を持って進めていくかということも含めて、研究開発の方をやるのであれば、そちらも生かしていただければと思うんですけれども、ほかに委員の方、御意見ございますでしょうか。
    そちら、中島先生とはつながっていませんか。大丈夫かな。何か来ていますか。チャットか何かで来ていない。大丈夫ですか。
    よろしいですか。
    それでは、これ以上ないようでしたら、この議題を終了いたしたいと思いますけれども、事務局の方から何か。
  • 山下動物医薬品専門官
    事務局からすみません、1点、資料1-2なんですが、今回、第163回獣医学会で登録させていただいていますので、左肩に書いてあるとおり、委員限りの資料ということでお願いいたします。
    以上です。
  • 津田小委員長
    取扱い注意、よろしくお願いいたしたいと思います。
    それでは、よろしいでしょうか。
    では、この議題を終了いたしたいと思います。
    それで、ここで休憩を挟みたいと思いますので、次は10分からまた再開したいと思います。休憩します。 午後3時02分
    休憩 午後3時10分
    再開
  • 津田小委員長
    それでは、次の議題に移りたいと思います。よろしいですか。
    それでは、議題の3番目でございます。ワクチン接種による免疫付与状況確認検査等結果について、これから委員会を開催します。この議題(3)につきましては、事務局の方から説明をお願いします。
  • 青山課長補佐
    資料2-1を御準備ください。
    飼養豚へのCSFワクチン接種後の免疫付与状況についてという紙でございます。
    まず、1、飼養豚における免疫付与状況確認検査でございます。
    予防的ワクチン接種区域においては、CSFの防疫指針に基づき、都道府県はワクチン接種による免疫付与状況等を確認するため、全てのワクチン接種農場で検査を実施するとしております。
    参考のところに書いてございますのが、指針とその留意事項に記載しているワクチン接種の仕方や免疫付与状況確認検査の内容になっております。
    まず、CSFワクチンは承認された用法・用量に従って接種することとしております。
    その接種対象としては、繁殖豚又は6か月以上飼養する豚を含みます、初回接種から6か月後に2回目の追加接種を行う、その後は1年ごとに接種をするとしており、原則最大4回までの接種となっております。
    肥育豚については、母豚からの移行抗体の影響を考慮し、1~2か月齢で1回のみ接種するとなっております。こちらが、その用法・用量に記載されている事項でございます。移行抗体の影響がない初回の接種のときのみ、日齢に制限なく1回のみ接種することが可能としております。
    免疫付与状況確認検査につきましては、初回接種後概ね概ね4週間以上経過した後に1度行い、その後は6か月ごとに検査をすることとしております。こちら、ELISAによる抗体検査でございます。検査頭数としましては、農場当たり少なくとも30頭、原則として各豚舎から5頭以上を無作為に抽出することとしており、群、こちら、豚舎又は接種群の単位でございますけれども、この中で抗体陽性率が80%に満たない場合は、都道府県が動物衛生課と協議の上、当該群全頭に追加接種を行うとしております。
    2が、これまでの免疫付与状況確認検査の結果と、また追加的な調査についての御説明でございます。
    これまでのワクチン接種区域である24都府県において、初回接種後1回目の検査を実施した結果、繁殖豚と肥育豚について、こちら移行抗体の影響のないものとなりますが、群として概ね概ね90%以上の免疫付与率となっております。
    一方で、初回接種を受けた母豚から出生し、移行抗体の存在下でワクチンを接種した肥育豚については免疫付与率が低く、追加接種の対象となる群が多数報告されております。
    このため、下の(1)にございますように、免疫付与状況に関する追加的な調査を実施しました。また、これまでの小委での議論を踏まえまして、次のページの(2)にあるような調査を実施したというのが以下の御説明でございます。
    まず、(1)については、指針に定めております免疫付与状況確認検査について、都道府県から更に詳細なデータを頂き、解析をしたというものでございます。
    こちら、農場の飼養形態ですとか飼養頭数や検体ごとの出生日、ワクチン接種日、採血日、ELISAの結果等、農場と検体ごとの個別のデータを頂いて、可能な限りそのデータを取りまとめてございます。
    また、ページをめくりまして(2)でございますが、ワクチン接種適齢期確認のための調査ということで、こちらについては、一部都道府県、現在5県ほどですけれども、実施いただいているところでございます。
    内容としては、資料2-2にも記載がございますが、この後ろの方に付けているポンチ絵ですが、ワクチン接種母豚から出生した豚の適切な接種時期を検討するために、分娩ごとの母豚、初乳及び哺乳豚の経時的な抗体価について、ELISAとウイルス中和試験による調査を実施しているというものでございます。
    ちょっと資料2-2を簡単に御説明させていただきますけれども、実施の背景・必要性につきましては、小委での御議論を踏まえております。
    現行のGPE-ワクチンの哺乳豚の接種適齢期は、生後1~2か月を経過して移行抗体が消失した時点ということで、用法・用量の参考事項では示されております。
    過去のワクチン接種を行っていた時代には、ワクチン接種母豚は通常抗体価が64~128倍程度だったというデータがございますけれども、この抗体価が2048倍といった高値の場合は、哺乳豚での移行抗体の持続期間が長くなる可能性があると指摘されております。
    現在の我が国の流行株とワクチンによる移行抗体、これらの関係性は詳細が調査されていないため、改めて哺育豚の適齢期を確認する必要があるという御議論がございました。
    調査の実施方法につきましては、畜産試験場等の県の施設において実施していただいております。
    丸囲み数字3にございますように、産歴の異なる複数の品種の母豚5頭以上について検査いただいておりまして、丸囲み数字4にございますように、母豚の初乳の抗体価も測っていただき、哺乳豚5頭以上の経時的な抗体価の測定も行っていただいているところでございます。
    下の絵にございますように、母豚の抗体価については分娩ごとに経時的に追いかけていただくということにしておりまして、更にその分娩ごと、四角囲みにしておりますけれども、その分娩ごとに初乳の抗体価を測定するとともに、哺乳豚については初乳摂取後15日に1回測定、また、哺乳豚の採血は2か月齢まで測定といったような形で、移行抗体の状況を見ていただくというような調査をしているところでございます。
    2ページの3に戻りまして、追加的な調査の結果といたしまして、(1)に免疫付与状況確認検査の詳細データの解析について記載をしております。
    データについては、19都府県から提出のあった検体ごとの個別データのうち、移行抗体を含む初乳を摂取している可能性が高い豚、こちらは各都府県の初回接種終了日から1か月経過後に出生した豚という絞り込みを行いまして、12都府県のデータのうち、約6,500頭分のデータとなっております。これを抽出いたしまして、ワクチン接種時の日齢とワクチン接種から採血までの日数について、ELISA検査による抗体陽性率との関連性を解析しております。
    こちらの解析結果が3ページの表と図になっておりますが、内容の御説明としましては、2ページで引き続き御説明させていただきます。
    次の2パラグラフ目で、ワクチン接種時の日齢と抗体陽性率との関連を、接種後40日以降に抗体検査を行ったデータで見ると、こちら図のグラフになりますけれども、50日齢以降に接種した場合、横軸のところ50~55という数字がございますけれども、これ以降について接種後の抗体陽性率はお概ね80%に達しているというものでございます。
    このグラフ、表に基づいて作っておりますので、表も同じ、同様のデータが読み取れるところでございます。
    また、次のパラグラフ、30日齢以上50日齢未満で接種された場合には、ワクチン接種から90日未満の検査では抗体陽性率は80%に満たない。しかしながら、90日以上経過後に検査した場合にはお概ね80%に達しており、抗体価の上昇により時間がかかった可能性が考えられております。
    また、なお書きとしておりますけれども、表の左上にございますように、40日齢未満で接種された豚について、接種後20日未満で検査した場合には、高い抗体陽性率が認められておりますけれども、これは母豚からの移行抗体をそのまま検出していると考えられております。
    なお、一部都府県で実施していただいたELISAとGPE-株を用いた中和試験はお概ね相関しておりますけれども、その相関の情報については、また別途取りまとまりましたら、御報告させていただきたいと考えております。
    また、結果の続きですが、(2)のワクチン接種適齢期確認のための調査については実施中としております。先ほど、資料2-2で申し上げましたような調査をしておりますが、その取りまとめについては、また結果が出てまいりましたら、先生方に情報を提供させていただき、御議論いただきたいと考えております。
    4として、今後の対応方針(案)を記載しております。
    まず、前提としては、防疫指針において、ワクチンは承認された用法・用量に従って接種することとしており、その用法・用量の参考事項に、子豚では母豚からの移行抗体を考慮して1~2か月齢時に初回接種すると記載があるとおり、移行抗体の状況を踏まえて、適切な時期に接種をすることが重要となっております。
    今回の抗体検査の結果によれば、CSFワクチン未接種の母豚への初回接種後に出生した子豚については、ワクチン接種時の日齢が低い場合、表からもございますように、お概ね50日齢未満でございますけれども、この場合は抗体陽性率が低いという傾向が認められております。
    小委でも指摘いただいていたとおり、CSFワクチン未接種の母豚に初めてワクチンを接種した場合は、母豚の抗体価が非常に高くなる可能性があるということで、当該母豚から出生した子豚については、移行抗体の影響が長く続くことにより、50日齢未満で接種した場合には子豚の抗体価の上昇が抑制されたり、遅延したりする可能性があるということでございます。
    括弧書きしておりますのは、先ほどの結果に記載していたとおり、一方、30日齢以上50日齢未満の場合、接種90日以上経過後の場合は、抗体陽性率80%にお概ね達するということも補足で入れております。
    このため、こうした抗体価の影響にある子豚については、適切に免疫を獲得させるためには、接種日齢を50~60日齢程度に遅らせることが望ましいと考えられました。また、抗体検査のための採材時期としては、接種後40日齢以降が望ましいと考えられました。
    ただし、今回の結果については、個体や農場での抗体価の動向を解析したものではございませんので、現在実施中のワクチン接種適齢期確認調査の結果等を踏まえまして、移行抗体が接種後の抗体価に与える影響などについて検討していく必要があると考えております。
    特に、今回の検査について、都道府県の方には留意としてお伝えしようと思っておりますけれども、今回のこの日齢の情報についてはELISAによる抗体陽性率を基に接種県から頂いているデータを平均化したものでございますので、飽くまで傾向を述べたものとなりまして、県や農場としての個別のデータは異なっている可能性もございます。そのため、都道府県には、農場ですとか県全体での傾向を把握していただきながら、適切な接種日齢や免疫付与状況の確認を検討いただくことが重要と考えており、その旨情報提供したいと考えております。
    また、母豚や子豚の個体差からも、移行抗体の消失時期が異なることや接種後のワクチン抗体価の上昇も一律ではないことから、飼養衛生管理基準の遵守により、野外株の侵入を防止することが引き続き重要という点についても留意いただくよう、情報提供予定でございます。
    パラグラフ最後、戻りまして、また今後、哺乳期に移行抗体を含む初乳を飲んで育ち、若齢期にワクチン接種された豚により母豚が更新されるにつれて、母豚の初乳中の移行抗体価が徐々に低下することも予想されております。こうした変化にも対応するため、適切な接種時期を引き続き調査する必要があると考えておりまして、今後も情報収集を行っていきたいと考えております。
    最後、5、その他でございますけれども、こちらについては、最初のページにありました哺乳豚、初回接種時のみ接種可能と書いていましたが、これは移行抗体の影響がないことから、日齢にかかわらず、動物衛生課と協議の上、接種可能となっているものでございます。1都府県において、哺乳豚への接種を協議の上行っておりまして、この免疫付与確認検査を実施したところ、免疫付与率は80%以上の良好な数字でございました。
    したがいまして、新たにワクチン接種区域が拡大された場合については、引き続き、初回接種に限り、動物衛生課との協議の上、哺乳豚への追加接種を可能として対応してまいりたいと思っております。
    事務局からの説明は以上でございます。
  • 津田小委員長
    ありがとうございました。
    これの件に関しまして、委員、オブザーバーの皆さんから御意見、御質問ありましたら、お願いしたいと思います。この件につきましても、迫田先生、青木先生、山本先生、オブザーバーで参加していただいておりますので、御意見ありましたら、お願いいたしたいと思います。何かございますでしょうか。
  • 迫田オブザーバー
    迫田しゃべります。
    今、御説明いただいたとおりで県の人たちは安心するんじゃないかと思いますが、おっしゃられていたとおり、一律に遅らせばいいというもんでもないので、母豚のやっぱり抗体をきちんと追っていくということをここ数年は継続してやらないと、要するに母豚の抗体の中央値が変わってくると、また考えを変えなきゃいけないと思うので。
    また、農場によって、今お話あったとおり、農場によっても農場間のばらつきがあるので、そこの辺り、県でかなり作業量多くなると思うので、そこのところをやっぱり動衛研さんも含めて、どんどんとELISAなり中和抗体の検査が速やかに出てくるような技術的なサポートもしていただきたいと思います。
    以上です。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    迫田先生、1つ御質問なんですけれども、この場合、ELISAで調べておりますけれども、中和の場合はどういうふうになるんでしょうか。何倍以上だったら防御するという視点で見ると、ELISAで見たときより抗体上昇はもっと早くなるんでしょうか、遅くなるんでしょうか。これから調べるということになっているんですけれども。
  • 迫田オブザーバー
    説明、質問がちゃんとつかめていないんですけれども。
  • 津田小委員長
    ELISAと中和抗体の関係で、例えば、ELISAよりも中和が感度がいいとなると、ワクチン接種適期はもう少し後になるのかなという話もあるんですけれども。そこは何か変わる可能性がありますか、中和試験の結果によって。
  • 迫田オブザーバー
    中和の方が感度がいいので、なので中和試験をやれば、見えていなかった陽性、抗体を持っている豚が見えてくるので。ELISAをやって陰性で、しょぼんとした検体を中和試験やったら4倍あったとか、そういう中和抗体を持っているという豚はいると思います。
    以上です。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    もう一つ、現在のワクチン接種が、子豚への、30日~40日ということで大体設定されていると思うんですけれども、これは以前のCSFのワクチン接種のときに豚丹毒と同時に接種をやっていたときの、ある程度それを目安にして30、40日というのを使ったというふうなことも聞いていたんですが、これは今回のように例えば50日ぐらいにするとか、そういったときはやはりこの抗体の動きを見ながら設定を新たに作った方がいいということで、余り30、40日にこだわらないということでもよろしいんでしょうか。
  • 迫田オブザーバー
    そもそもに戻りますけれども、用法・用量に母豚の抗体の状況を確認しながら1~2か月齢で接種すると書いてあるはずなんですね。そういうニュアンスだったと思うんですけれども。じゃ、全ての母豚の抗体を把握できるか、それは難しいと思いますが、そこのところはどういう抽出率で全体をざっと把握していって、今お話あったように、政策転換世代にワクチンを打たれた豚は、お母さん豚は抗体が異常に高いので、そいつらが更新される時期であるとか、そこをちゃんと逃さないようにモニターしていくことが重要だと思います。
    以上です。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    その点は注意ということで、きちんと都道府県の方には連絡いただきたいというふうに思います。
    ほかに何か御意見、御質問等ございますでしょうか。
    山本さん。
  • 山本オブザーバー
    動衛研の山本です。
    今、津田さんと迫田先生のやり取りと関連なんですけれども、ELISAの感度と中和の感度で、ELISA陰性のものも中和抗体価として把握できるんですという御紹介があったんですけれども、もう一つ別の関連の観点として、中和抗体価でどの程度あれば、防御能を期待していいのかということについて、ちょっと知っておく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、これについてはどうでしょう、ちょっとざっくり言うのは難しいのかもしれないんですけれども、中和抗体価としてウイルスに対する防御を期待するのはどれぐらいからというふうに考えていればよろしいでしょうか。
  • 津田小委員長
    迫田先生、答えられますか。
  • 迫田オブザーバー
    答えたいんですが、ちょっと質問が聞き取りにくくて。津田先生、ちょっと繰り返して簡単に言ってくれますか。
  • 津田小委員長
    中和抗体価で何倍以上あれば、感染防御が期待できるかという質問なんですが。
  • 迫田オブザーバー
    これまで言われているとおり、だから16倍というようなところだと思いますよね。なので、今のJNCのELISAが中和16倍以上だと、全ての抗体陽性を検出できるということなので、ELISA陽性イコール今言っている議論の数字と読めますよね。
    ただし、ワクチンによる免疫率、テイク率というのを考えたときには、ELISAの数字である程度ざっとは見た方がいいと思うんですけれども、ちょっとこの母豚、本当にこれなのとか、そういうときにはやはり中和試験で精査する必要はあると思います。
    以上です。
  • 津田小委員長
    ありがとうございました。
    ほかに御質問ございますでしょうか。
    これから、ワクチンの接種適齢期の確認のための調査というのも行っていくという話がちょっとあったんですけれども、これはどういうふうにやるんですか。要するに、先ほど迫田先生の方からもありましたけれども、抽出率とか、あるいは特定のところを見ていくとか、あるいは品種を見ていくとか、どの辺、どういうところに注意すればいいんですかね。ちょっと事務局の方から、どういったプランがあるかどうか、ちょっと教えてください。
  • 青山課長補佐
    接種適齢期の確認の検査、調査については、もうやってくださる県の方で、畜産試験場でお願いしている母豚5頭以上というやり方にしておりますので、そういう意味ではちょっと抽出率という考え方ですとか、そういったものはちょっと適用できない状況ではございます。
    ただ、5県ほどで母豚5頭以上、哺乳豚5頭以上ということでデータを集めていただいていますし、あと、母豚も分娩ごとに哺乳豚5頭以上で継続的にデータをするということから、哺乳豚のデータとしてはそれなりの母数のものになるとは思います。押しなべて広く全国というか、全都府県に適用できるかどうかについては、結果を見てからとなると思いますが、一定の傾向はつかめるのではないかというふうに期待しております。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    という話だったんですけれども、迫田先生、ここで一つ、この抗体価が高いのがあったり、低いのがあったりするときに、どのくらいで半減するか、減衰していくかという傾きというのは、これは大体同じと考えてよろしいんでしょうか。
  • 迫田オブザーバー
    これ、青木先生、データ、昔の薬検のお持ちですよね。先生からお話ししてもらった方が。
  • 青木オブザーバー
    移行抗体の減衰ですかね。
  • 津田小委員長
    そうです、移行抗体の減衰。例えば4,000倍あれば何日ぐらいで半減期があるとかいうのは、ほとんどの豚で同じ傾きで落ちていくのかどうかということなんですが。
  • 青木オブザーバー
    豚によって大分変わってくると思います。ほとんど同じということはないと思います。それは1つには移行抗体で、例えば血中抗体価を測定したときに、豚の成長率などによって血中抗体価が希釈されたりとか、そういった現象が大分重なってきますので、必ずしも半減期というのが、個体別で見た場合には同じにはならないというふうなことだと思います。
    以上です。
  • 津田小委員長
    そうすると、やはり母豚の抗体価だけではなくて、やはりどのくらい……。多産系の豚もいますし、増体のいいのもいますけれども、そういったものに合わせて作っていく必要があるということでしょうか。
  • 青木オブザーバー
    はい、そのとおりだと思います。
  • 津田小委員長
    なかなか難しいですね。ありがとうございました。
    ほかに質問等ございますでしょうか。あっちの方の、ほかからはないですか、リモートの先生方はないですか。
  • 事務局
    青木先生から質問がございます。
  • 津田小委員長
    どうぞ、お願いします。青木先生、どうぞ。
  • 青木オブザーバー
    資料2-1の4ページの5番のその他なんですけれども、これ、30日前にワクチンを接種した事例が1都府県でということだと思うんですけれども、具体的には、これ何日齢で接種しているかなど、大体どのくらいの日齢の範囲で接種したかなどはお伺いできないですかね。
  • 津田小委員長
    分かりますか。ちょっと待ってください、今、調べていますので。
  • 青山課長補佐
    接種日齢として、もう日齢1日目から行っているというようなデータもございます。特段、何日以上という規定は設けておりませんので、1日齢から何日齢でも、哺乳豚全て、その農場にいたものについて打っているという形でございます。今、手元にあるデータとしては、1とか6とか10日齢で打っているものについて、陽性となっているというようなデータがございます。
  • 青木オブザーバー
    そうしますと、そのCSFワクチン1ドーズ分の用量を例えば娩出後1日目から接種しても、基本的にその病原性とかではなくて、ワクチン接種による安全性に問題なくて、若しくはワクチン接種による事故というのは、今のところ報告はないということですかね。
    以上です。
  • 青山課長補佐
    そうですね。この1都府県については、子豚に打ったことによる、例えば1日齢の豚に打ったことによる事故といったような話は聞いておりません。
  • 青木オブザーバー
    ありがとうございます。
    30日より早くワクチンを接種するというところも、効果があるんだというふうな変な誤解があってもよくないと思いますので、その辺の情報についてはしっかり管理した上で発信するときは発信する。これは動物衛生課と協議の上ということになっているものなので、心配はないと思うんですが、一応ちょっと気になったのでお伺いしました。
    以上です。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    山本さん、どうぞ。
  • 山本オブザーバー
    それで関連で、念のための確認なんですけれども、今、事故の話があったんですけれども、多分1か月~2か月という指示書の内容から逸脱してくることについて、家伝法のワクチン事故の手当金の対象になるのかならないのかというのは整理されていますでしょうか。
  • 星野家畜防疫対策室長
    法律に基づいたワクチン接種でございますので、もちろん家伝法の中で防疫員の方が措置をするものについては、家伝法の中で、万が一の事故のときでも手当の対象にはなると。
  • 山本オブザーバー
    それは指示書の1か月より早い場合も含むということですね。
  • 星野家畜防疫対策室長
    もちろん、我々と相談しながらなんですけれども、防疫員の判断で接種するものについて、家畜伝染病予防法の中で的確に行っているものについてはきちんとした支援の対象になります。
  • 山本オブザーバー
    ありがとうございます。
  • 津田小委員長
    よろしいですか。
  • 事務局
    スカイプの先生方、特にないようです。
  • 迫田オブザーバー
    1つ追加していいですか。
  • 事務局
    失礼しました。
  • 迫田オブザーバー
    哺乳豚は安全というのは、実は開発段階の1960年代には清水先生とか、ちゃんとデータ取っていたらしいです。今回、これ、沖縄の件だと思いますけれども、そのときにも「先生、昔こういうことやったの」と聞いたら、「ちゃんとやっているよ」ということは聞いています。
    以上です。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    あと、これ、分かってからでいいんですけれども、過去に幾つか子豚の病性鑑定事例等が幾つか来ていると思うんですけれども、その中でウイルスが分離されているという中において、ワクチン株が取れたというのがあると思うんですけれども、それについてはどういうふうな整理をされているんでしょうか、それも整理されていたと思うんですけれども。
  • 迫田オブザーバー
    迫田ですが。あれ、誰がしゃべる、僕が。
  • 津田小委員長
    ちょっと今、事務局に聞こうと思ったんですけれども、迫田先生、何かありますか。
  • 迫田オブザーバー
    じゃ、事務局をお先に、最後に。
    以上です。
  • 津田小委員長
    じゃ、ちょっと事務局、分かっていれば、ちょっと説明してください。
  • 青山課長補佐
    ワクチン株がPCRで抗原陽性になったということが、何件かございます。特に臓器の場合、打ってから、多分この辺りは先生方の方が詳しいと思われますけれども、30日、40日ぐらい最長で残ることがあるということで、打ってから数週間ぐらいの場合に、扁桃などウイルスが高く分布すると言われているところでそういった事例がございました。その場合、動物衛生研究所でシークエンスをした上で、ワクチン株か野外株かの判別をした上で対処をするということにしております。
  • 津田小委員長
    という事例があるということなんです。迫田先生、何か御意見ございますでしょうか。
  • 迫田オブザーバー
    実際に、扁桃が光ったり、ワクチン株でウイルスが分離されるというときは、20世紀、僕が病鑑やっていた頃は、それこそ群馬県でサーコ2型陽性の農場とかPRRS陽性とか、そういう複合感染の弱った子豚、そういうのではウイルスが分離若しくは扁桃が光るということはありましたね。
    以上です。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    当時は蛍光抗体で調査されたと思うんですけれども、最近、皆さん、PCRをやるもんですから、かなりの感度で検出できるということがあって、ただ、その中で、先ほどのように豚の病性鑑定についてはすべからくCSFの検査を行うという中において、今のような扁桃を中心に一部の臓器からウイルスが、遺伝子が検出され、シークエンスをしたら、ワクチン株だったという事例があるということで、ただ、ここは副作用ではないんですよね。ただそこにウイルスが残っているということで、先ほど迫田先生、おっしゃったように、そういった事例が昔からなかったわけではないという話です。
  • 事務局
    本件に関して、青木先生からも御意見あるようなので。
  • 津田小委員長
    青木先生、どうぞ。
  • 青木オブザーバー
    迫田先生が病性鑑定されているときに、私、ちょうど動薬検で豚コレラの担当でして、やはりそのときに蛍光抗体を用いた扁桃を使っての診断というのが主流でしたが、その辺の診断の仕方、光り方とか、そういったところに関して一部混乱があったので、そういった事例もあったと思うんですけれども、ひね豚といいますか、ワクチンを打った豚で複合感染プラス発育が悪い子豚などで扁桃の細胞質が光る、いわゆる豚コレラが感染しているように見えるという事例は複数の事例があったと思います。
    以上です。
  • 津田小委員長
    佐藤先生、どうぞ。
  • 佐藤委員
    今まで、こういった例が何件かあったというように記憶しています。やはり、今のような話があって、病性鑑定に回すというようなことがあるのですけれども、実際にどういったときにどうだったという記録を、是非まとめておいていただきたいと思います。結構な例数があったと思いますので、何日齢で接種して、どのワクチンを使って、こういったときにこうだったというような事例を、是非しっかりとまとめておいていただきたいと思います。
    以上です。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    ほかに御意見。
  • 事務局
    群馬県、小渕先生から御質問あるようです。
  • 津田小委員長
    小渕先生、どうぞ。
  • 小渕委員
    群馬県の小渕です。
    今、質問というか病性鑑定の関係なんですけれども、うちの県も打っている中で、少し調子が悪いといえば立入りになるわけなんですけれども、体温とか白血球とかの様子を見て、今までたまたまワクチン株が取れてこなかったのでよかったんですけれども、絶対これワクチンだなと思いながらも取れた場合、いろいろな機関に情報提供とか、あと出荷停止とかを指示しなければならないので、その後、うちの方が情報提供してシークエンスとなった場合に、大体最短、最長でどのくらいの時間で結果が頂けるかということが1つあります。
    ともう一つ、免疫付与の関係で、品種によって、バークだとテイクの調子が悪いとか、それは品種のせいなのか産子の数なのかとか、何か傾向があったら教えてください。
    それと、最後まで免疫付与を保たせるというのが目的だと思いますので、出荷豚の関係で知見が出ているようであれば教えてください。お願い、3点です。
  • 津田小委員長
    じゃ、1点目の、あと、できますかね。
  • 青山課長補佐
    まず、最長でどのぐらいでワクチン株なのか野外株なのか判定できるかというところですけれども、大体翌日ですね。都道府県から御連絡を頂いたその翌日には、通常動衛研に材料を持ち込みいただいていると思いますので、それは多分全国どこでも飛行機を使っていただいたりなどして、翌日持ち込んでいただいて、その日のうちに検査結果が出るというのが通常の流れとなっております。
  • 山川委員
    補足しますと、材料、ウェットで大体6時間から8時間の間ですね。PCR産物をそのままシークエンスするということになるんですけれども、その産物の量が少ないとか質が悪いとかいうときには、PCRからやり直さないといけないんで、そういうときはちょっと時間がかかります。でも、大体、お昼までに受け取れば、確実にその日の夕方、勤務時間内には大体出るという、そんな感じです。
  • 津田小委員長
    次の質問ですけれども、品種による差ですよね。ここは迫田先生か青木先生か、情報お持ちでないでしょうか。
  • 青木オブザーバー
    青木から、じゃ、先によろしいでしょうか。
  • 津田小委員長
    青木先生、お願いします。
  • 青木オブザーバー
    これ、過去のデータなんですけれども、ちょっとバークシャーは入っていないんですが、一応、1980年代ぐらいに当時家畜衛生試験場が品種による違いを見ていまして、それに関しては差が出ていないというふうな報告があります。
    一方で、最近の豚はちょっとまた昔と違っておりますので、いろいろな品種、地方によって独特な品種があると思うんですけれども、そういったもので抗体の上がりが悪いというふうな、悪いんではないかという意見が出ているのも実際あります。ただし、同じ品種で抗体が上がる、抗体が上がらないとかという、そういった情報も入っていますので、まだ現段階では品種による差というのは明確にはちょっと出ていないのが現状だと思います。
    以上です。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    迫田先生、何か補足ありますでしょうか。
  • 迫田オブザーバー
    青木先生ので十分です。
  • 津田小委員長
    そうすると、やはり接種回数を増やすとか、そういうことも一つの手ということでしょうか。
  • 青木オブザーバー
    はい、そうなると思います。先ほど議論になっていましたが、母豚の確認をしながらとか、そういったところを合わせなければいけないと思うんですけれども、現段階ではそうなるかなと思います。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    もう一つ何だったっけ、最後の質問は。小渕先生、何でしたっけ、最後は。
  • 小渕委員
    と畜場での免疫状態とかはどこかが調べているかなという、出荷ですね、出荷時に。
  • 津田小委員長
    出荷時の抗体ですね。
  • 小渕委員
    初回接種ではなくて、接種した母豚から生まれた子豚に接種をして、もう出荷になっていると思うんですけれども、その点をどちらかに情報提供お願いしているかなということです。免疫が最後まで保たれているかということです。
  • 津田小委員長
    迫田先生、これ、昔のデータとかございませんか。
  • 迫田オブザーバー
    昔はないんですけれども、今回のワクチン打っている中で、県によっちゃ、もうやっていますよね。いわゆると畜場検査ですよね、出荷豚の。厳しいなという成績や安心という成績やいろいろありますので、そこはちゃんと見ていった方がいいと思います。
    面白いなと思ったのは、ELISA陰性だけれども、中和でやっと2倍か4倍しか引っかからないという出荷豚もいたりして。なので、ELISAだけで全部判定すると怖いなというのを某県との共同研究でデータを持っていますが、うまくそういうのを各県から国に、そしてほかの県に情報共有ができるようにしてください。僕の方からはライン的に難しいです。
    以上です。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    その点につきましては……。ちょっと待ってください。
  • 山本畜水産安全情報分析官
    先ほどの資料2-1の表がありますけれども、ワクチン接種日齢が高いもの、そしてワクチン接種から採血までの日数が高い、90~100日以上、この辺の組合せで見ると、もう出荷月齢時の抗体価ということになると思いますんで、今後も更にこういうデータが積み重なっていけば、判断材料が増えていくと思います。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    じゃ、その辺も含めて、これからのこの免疫付与状況調査等々も進めていただきたいというふうに思います。
    それでは、よろしいですかね。
    じゃ、ここまでの議論を踏まえまして、今後の進め方について、事務局の方から御説明をお願いいたしたいと思います。
  • 青山課長補佐
    ありがとうございます。
    今後の進め方ですが、都道府県には本日の概要を情報共有し、ワクチン接種時期については本日の議論を踏まえての、各接種都府県における適切な接種時期について検討していただけるよう情報提供してまいりたいと思います。
    なお、免疫付与状況確認検査につきましては、ワクチン接種開始からおよそ1年近く経過しているところでございます。これまで全農場を対象に調査を実施してきましたが、今後も引き続き、免疫付与状況の確認や接種適齢期の情報収集をすることが必要であることを踏まえつつも、都府県での検査の効率化を図っていくため、農場の抽出等の調査方法の見直しも検討していきたいと考えております。
    この場合、今後、防疫指針の改正も必要となりますことから、小委において、その調査方法の方向性について、また御相談させていただき、お諮りしてまいりたいと思います。
    あと、迫田先生から御意見ございましたけれども、動物衛生研究部門ともELISAや中和試験の今後の母豚の調査等、技術的な支援、協力いただけるように相談させていただきつつ、都道府県に情報提供等支援してまいりたいと考えております。
    以上でございます。
  • 津田小委員長
    よろしいですかね。ありがとうございました。
    じゃ、そのような進め方で御了承いただけますでしょうか。よろしいでしょうか、委員の先生方。よろしいですか。リモートの方も大丈夫かな。今の進め方でよろしい、御了承いただけますでしょうか。委員の先生方、いかがでしょうか。リモートの方、見えないので、反応してください。
  • 事務局
    迫田先生、嶋田先生、青木先生、中島先生より了承しますとのお返事を頂きました。
  • 津田小委員長
    ありがとうございました。
    それでは、事務局の方、そのやり方で速やかに作業を進めていただきたいと思います。
    ここで時間なんですけれども、どうしましょうかね。次の議題については、オブザーバー、参加されるんですよね。時間はどうなっているのかな。
  • 事務局
    じゃ、10分休憩で。
  • 津田小委員長
    10分休憩でよろしいですか。それでは、4時からスタートしたいと思いますので、10分間休憩したいと思います。ありがとうございました。
    迫田先生、青木先生、オブザーバー参加、大変ありがとうございました。 午後3時50分
    休憩 午後4時02分
    再開
  • 津田小委員長
    それでは、再開したいと思います。
    次は議題の4番目でございます。ASFのゾーニングを適用したハンガリーからの生鮮豚肉の輸入再開についてということから再開します。
    ここから、オブザーバーとして國保先生が参加していただいておりますので、よろしくお願いします。
    それから、ネットの方では、筒井委員の方も参加ですね。筒井さん、聞こえますか。
  • 筒井委員
    画像が全然見えないんですけれども、画像、今出ているのですか。
  • 津田小委員長
    画像なしでやっていますので。
  • 筒井委員
    画像なしでやっているんですか。分かりました。参加するタイミングがちょっと分からない、発言のタイミングが難しいかもしれませんが、よろしくお願いします。
  • 津田小委員長
    チャットで何かくれれば、こちらの方で返しますので、よろしくお願いします。
  • 筒井委員
    分かりました。
  • 津田小委員長
    それでは、スタートしたいと思います。
    では、ASFのゾーニングを適用したハンガリーからの生鮮豚肉の輸入再開について、事務局の方から御説明をお願いします。
  • 髙木課長補佐
    動物衛生課リスク分析班の髙木でございます。
    本件、アフリカ豚熱(ASF)のゾーニングを適用したハンガリーからの生鮮豚肉輸入再開について、御説明させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
    本件につきましては、本年6月に農林水産大臣より家畜衛生部会に対して諮問させていただいた案件ですが、まず初めに、改めて本件について皆様に御審議いただく背景について御説明させていただきます。
    資料3-3の後ろに付いております参考資料をお手元に御用意ください。よろしいでしょうか。
    我が国への指定検疫物の輸入に関する要請があった場合、その検討に係る標準的な手続を農林水産省の訓令により定めております。標準的手続では、家畜衛生の影響の度合いに応じて、プロトコールを1から3まで設定しております。このうち、プロトコール1は、当該要請により家畜衛生上の新たな考え方の受入れを必要とする場合、その他家畜衛生上の影響が大きい場合が該当いたします。
    ASF発生国に対するゾーニングの適用については、以前、ポーランドについて御審議いただいたことがありますが、答申後の発生状況の変化を受けて、実際の適用には至っておりませんため、本件は新規の家畜衛生上の考え方の受入れを必要とする場合に該当すると考え、プロトコール1に位置づけまして、家畜衛生部会に諮問を行い、今般、牛豚等疾病小委員会において、より専門的な見地から御審議いただくこととなったものです。
    続きまして、本件に係る経緯です。
    スライド、お願いします。
    日本は、ハンガリーから輸出される生体豚及び生鮮豚肉について家畜衛生条件を締結しておりますが、2018年4月、ハンガリー国内において野生イノシシでのASF発生が確認されたことから、同国からの輸入を一時停止したところです。
    そのことを受けまして、2018年7月、ハンガリー当局からゾーニングを適用し、同国内の清浄地域からの生鮮豚肉の輸入を再開することについて要請がありました。
    そのため、標準的手続に従い、質問票や現地調査を通じて情報収集を行い、ゾーニングを適用して生鮮豚肉の輸入を解禁した場合のASF侵入リスクについて評価を行ったものです。
    画面上の地図は、2018年4月から現在までのハンガリーにおけるASF発生をプロットしたものです。
    なお、詳細は後ほど御説明させていただきますが、この発生は全て野生イノシシにおけるものです。また、この地図上の色分けは、ASFリスクに従ってハンガリーが実施しているエリア分けを示したものになります。こちらについても、後ほど詳しく御説明させていただきます。
    それでは、評価事項について、資料に沿って御説明させていただきます。
    資料3-1をお手元に御用意ください。
    まず初めに、ハンガリーにおける獣医組織体制ですが、ハンガリー農業省が家畜衛生に係る中央当局として機能しており、中央食品流通安全局(Nebih)という部局が動物疾病の防疫対策の策定や発生時対応を担当しております。また、ASFのような重要疾病発生時には、首席獣医官により国家疾病戦略室という部署が省内に設置され、対策本部としての機能を果たしております。本来は一時的に設置される部署でしたが、現在はASF発生を受けて設置された国家戦略対策室が常設の部署となっております。
    また、地方当局としましては、県及び郡に首相府の出先機関が設置されており、出先機関の職員が農業省の指示を受けて、家畜衛生に係る管理や疾病発生時の防疫措置の実行部隊として機能しております。
    続いて法制度ですが、食品流通法という法律が家畜衛生を含むフードチェーン全般の規制法となっており、この法律に基づいて、農業大臣又は首席獣医官に家畜疾病の予防、撲滅、監視のための国家プログラム策定や実施命令の権限が与えられております。具体的な措置は政令や首席獣医官令で定められております。
    また、食品流通法により、動物が疾病に罹患している疑いがある場合は通報を行うことが義務づけられており、通報を怠った場合には補償金の支払がなくなる又は罰金が科されるなどの罰則が科されることとなっております。
    また、ASFについては、ハンガリーにおいて、農業省令により届出対象疾病に指定されております。
    以上のことから、ハンガリーにおいては、ASFの発生を把握し、的確に封じ込めるための基礎となる家畜衛生体制及び法令が整備されていると考えられました。
    続きまして、家畜の飼養状況と農場における衛生管理等を説明いたします。
    ハンガリー全体における豚の飼養頭数は約279万頭で、農場数は約2万9,000戸です。この地図にありますとおり、農場はハンガリー全土にほぼ偏りなく分布しております。
    ハンガリーにおいては、飼養頭数が100頭以上を大規模、100頭未満を小規模という形で農場を分類しておりますが、大規模農場が約1,000戸、小規模農場は商用・非商用合わせて約2万8,000戸と、小規模農場が非常に多いことが特徴です。
    一方で、小規模農場で実際に飼われている頭数は非常に僅かで、豚全体の9割が大規模農場で飼養されております。
    続きまして、農場における衛生管理ですが、農業省令により、平時より農場が遵守しなければならないバイオセキュリティ基準が定められており、年一回、当局の公的獣医官若しくは当局から委託を受けた獣医師による遵守状況の立入検査が実施されております。
    大規模農場の方が遵守すべき基準は厳しく設定されており、農場周囲のフェンスの設置、民間獣医師との契約、疾病発生に備えた防疫計画の策定が大規模農場には義務づけられているとともに、入場時の車両消毒用のゲートや更衣室の設置など、設備に関しても大規模農場の方が遵守すべき義務が多いという規則となっております。
    さらに、ASF発生後は、首席獣医官令により、農場におけるバイオセキュリティ措置が更に強化されております。放牧については全土で原則禁止され、屋外に運動場がある場合には二重フェンスを設置し、野生動物との接触を防止することが義務づけられております。
    また、ハンガリーではASFのリスクレベルに従い、国内がエリア分けされております。
    今、スライドで映しておりますが、エリアは狩猟のために設定された狩猟区ごとに設定されており、ASFの陽性イノシシが発見された狩猟区及びその隣接する狩猟区及び周辺最低5kmのエリアを含む狩猟区が特別管理エリアとされており、この地図上の灰色のエリアになります。その周辺のエリア、この地図上の紫のエリアですけれども、こちらを感染エリアと呼んでおります。さらに、その周辺をバッファーゾーンとして、高リスクエリアというエリアを設定しておりまして、それは地図上の赤色の地域になります。
    ここまではEUのルール上も設定されている制限区域となりますが、ハンガリーはその外側にも、更に独自のエリア設定を行っており、今この地図上でオレンジ色に塗られているエリアは、ハンガリーにおいては中リスクエリアというエリア設定とされております。さらに、その外側に設定される低リスクエリアというカテゴリーもございますが、現在のハンガリーには存在しておりません。
    スライド、お願いします。
    なお、先ほど申し上げましたEUのルールというのは、EU委員会の実施規定2014/709/EUというEUの法令で規定される、ASFが発生した際のゾーン設定とゾーンごとの防疫措置、これは主に移動制限になりますが、こちを規定したルールとなります。この規定におきましては、簡単に申し上げますと、パート3(ローマ数字)、この地図上の赤色の地域ですけれども、こちらが家畜豚での発生エリア。パート2(ローマ数字)、この地図上のピンクのエリアとなりますが、こちらが野生イノシシでの発生エリア。パート1(ローマ数字)、この地図上の青色の地域になりますが、これがバッファーゾーンで、パート4(ローマ数字)というエリアもあるんですけれども、これはイタリアのサルジニア島のみに設定されており、ASFが常在化していると考えられる地域になります。
    ハンガリーが設定しているエリアとEUのルールの関係を申し上げますと、先ほど申し上げました灰色の特別管理エリアと紫の感染エリアがEUのルール上のパート2(ローマ数字)、そして、赤色のバッファーゾーン、高リスクエリアがパート1(ローマ数字)という関係になります。
    このゾーンの区分では、主に移動制限が規定されておりまして、詳細は先生方のお手元にお配りしておりますリスク評価書詳細版の11ページから12ページにまとめてございますが、簡単に申しますと、パート3(ローマ数字)、家畜豚での発生が確認されているエリアからは、豚生体も豚肉も原則移動禁止。パート2(ローマ数字)、野生イノシシで発生が確認されている地域からは、豚生体が原則移動禁止。パート1(ローマ数字)はバッファーゾーンになりますので、特段の制限はないというルールになります。
    野生イノシシに関しては、生体も肉も全てのゾーンから移動禁止。パート1(ローマ数字)からは例外的に検査を行った上での移動が認められているというルールはあるんですけれども、基本的にはパート1(ローマ数字)、2(ローマ数字)、3(ローマ数字)、あと4(ローマ数字)ですね、そこからの移動は禁止ということになっております。
    ハンガリーも基本的にはこのEUのルールをベースに移動制限を行っているんですが、さらにその上に独自の上乗せ措置も講じているという状況です。
    ハンガリーは、先ほど申し上げましたとおり、このエリアごとのASF対策を講じておりまして、農場のバイオセキュリティ強化についても、エリアごとに措置が異なります。
    この灰色のエリアとか紫のエリア、特別管理エリアと感染エリアに関しては、獣医師の巡回指導の強化や、飼料や敷料の待機期間の設定等の措置が強化されております。
    また、農場におけるパッシブサーベイランスにおいても、ASF発生後、全土で強化されておりますが、このエリア、色ごとに強度が異なっておりまして、一番厳しい灰色と紫のエリアでは、小規模農場では死亡豚は全て、大規模農場は毎週2頭の死亡豚がASF検査を行うことが義務づけられております。
    なお、ハンガリーにおきましては、バイオセキュリティ基準を遵守できていない農場に対して、当局の指導にもかかわらず改善措置を講じなかった場合には、法律に基づき、営業停止命令などの措置を講じることができるというシステムになっております。
    以上のとおり、ハンガリーにおいては、ASFを農場に侵入させないための措置が適切に講じられているとともに、万が一侵入したとしても、可能な限り早期に検知できる体制が整えられていると考えられました。
    続いて、豚のトレーサビリティ制度についてです。
    ハンガリーにおいては、繁殖用豚においては耳標による個体ごとの識別が行われており、肥育豚については群単位の識別が行われることが義務づけられております。
    なお、ASF対策として、特別管理エリア、野生イノシシでの発生が確認されているエリアについては、肥育豚も個体識別が必須とされております。
    また、商用・非商用に限らず、農場登録が義務づけられており、新たに農場の経営を始める際には当局に関連情報を申請し、受理されれば識別番号が付与されるとともに、当局のデータベースに関連情報が登録されるというシステムになっております。
    また、豚の移動についても、当局のデータベースに登録することが義務づけられており、ハンガリーにおいては、豚の飼養状況と移動履歴が把握可能な体制が構築されているといえます。
    また、豚が移動する際には、獣医師が発行する健康証明書を含む書類が添付されている必要があり、移動前に獣医師による健康チェックが行われる体制が平時より整っております。
    さらに、ASF発生を受けて、リスクエリアごとの移動管理措置を取ることとしており、特別管理エリア及び感染エリア、野生イノシシでの発生が確認されているエリアからの移動に当たっては、先ほど申し上げましたEUのルールで、移動前30日間の隔離ということが義務づけられているんですけれども、ハンガリーではそれに加えまして、移動前7日以内のPCR検査や移動前24時間以内の臨床検査、また、移動先農場到着後の40日間の着地検疫等の措置を上乗せとして講じております。
    なお、万が一、家畜豚でASF発生が確認された場合には、農場周囲の半径10kmからは一定の条件を満たした上での緊急とと殺以外の移動は禁止となります。
    以上の状況を踏まえますと、ハンガリーにおいては、生体豚でトレーサビリティが確保されており、家畜の移動情報が適切に管理されております。また、豚の移動に伴うASFのまん延防止措置も適切に講じられていると考えられました。
    次に、とと畜場について御説明いたします。
    ハンガリーには、豚のとと畜が可能な施設は、現在197か所ございます。その全てがハンガリー当局の認定を受けており、とと畜場には地方当局の公的獣医官が常駐し、とと畜前後検査を行うとともに、日々の業務を監督しております。
    先ほど御説明しましたとおり、ASFのリスクエリアごとに移動の制限がかかっておりますので、公的獣医官はととと畜場への受入れの際に、受入れ可能エリアからの出荷であるかどうかということを、書類をもって確認しております。
    また、とと畜前後検査において、ASFを疑う事例が発見された場合には、即時に操業を停止し、当局に通報を行う体制となっております。
    また、食肉製品のトレーサビリティについてですが、こちらについては、EUの規則に従って、製品から由来農場レベルまで遡ることが義務づけられておりまして、ハンガリーにも可能な体制が整備されております。
    以上のことから、とと畜場においては適切に業務が遂行される体制が整っており、仮にASFが摘発されても、確実に封じ込めることが可能と考えられました。
    また、食肉製品のトレーサビリティについても確保されており、製品から由来農場まで遡る、また、逆に農場から製品を特定することが可能な体制が整っていると考えられました。
    次に、国境検疫措置についてです。
    ハンガリーはEU加盟国でありますため、EU域外から豚の生体や畜産物を輸入することを輸入としておりまして、その際には、EUの第三国リストに掲載されている国からのみ輸入が可能となっております。また、EU域外からの輸入を行う際には、このスライドにございますボーダーインスペクションポスト、国境検査ポストで検疫を受けて輸入する必要がございます。
    なお、EUの第三国リストに掲載されるためには、EUによる評価を受ける必要がございまして、豚肉若しくは豚生体の場合は、ASFを含む疾病の清浄国であるということが認められる必要があります。
    EU加盟国間に関しましては、動物や畜産物の流通は輸出入とはみなされず、移動とみなされるので、国境管理措置というのは特段講じられないんですけれども、ASFについては、先ほど申し上げましたEUのルールによって、発生地域からの移動というものが制限されております。また、EU域外から入国する家畜生体の運搬車両については、入国に当たり消毒が義務づけられております。
    以上のことから、EU域内外のASF発生国からの侵入防止については、EUの法令及びハンガリー国内の法令に基づき、適切に措置が講じられていると考えられました。
    次に、ASFの検査診断についてです。
    ハンガリー国内でのASF検査は、Nebih本部にある獣医衛生診断課、こちらのブダペスト本所で実施されており、ハンガリー国内で採取されたASF検査用のサンプルは全てこの施設に送られております。現在、1日約500検体以上のASF検査を実施しており、サンプルを適切な状態で迅速に搬送するため、Nebih所属のASF検査サンプル専用輸送車が国内各地を回ってサンプルを回収するという、独自の輸送システムが確立されております。
    また、ハンガリーにおけるASF検査は、EUのASF診断マニュアルに従って行われておりまして、基本的にはリアルタイムPCR検査が行われております。また、必要に応じて、血清学的検査(ELISA検査)も実施されます。
    検査施設の精度管理はISO17025に準拠して行われており、適切な検査を遅滞なく実施する体制が整っていると考えられました。
    続いて、ハンガリーにおける野生イノシシのASF発生について、御説明いたします。
    冒頭に申し上げましたとおり、ハンガリーでは2018年4月に野生イノシシで初めてのASF事例が確認されました。第1例目は、北東部のヘベシュ県、今そちらの地図上で緑色の丸が付いているところですけれども、こちらで発見された死亡野生イノシシの検査を行ったところ、ASF陽性だったことが確認されたという事例でした。それ以降、東部から中部にかけて広がりを見せつつ、野生イノシシでの発生が継続している状況ですが、家畜豚での発生は現在のところ確認されておりません。
    スライドをお願いします。
    ハンガリーでは2020年6月までで9県、7,022件の発生が確認されており、発生件数の推移はこちらのグラフのとおりです。
    このグラフにありますとおり、2020年以降に増加傾向が見られるんですけれども、こちらに関しては、先ほど申し上げましたとおり、発生範囲が拡大しているということもございますが野生イノシシの生息頭数が多い県、北東部のボルショド・アバウーイ・ゼンプレーン県にASFが侵入したことによって検査頭数も感染頭数も増えたということが要因の1つではないかというのがハンガリー当局の見解でした。
    なお、ハンガリーは、発生状況の変化に伴い、随時リスクエリアの見直しを行い、措置を講じているところです。
    続きまして、野生イノシシにおけるASF対策について御説明いたします。
    ハンガリーにおきましては、野生動物は国の所有物であるという考えの下、関連法令が整備されており、農業省と地方当局が狩猟を所管しております。国内をおよそ1,400の狩猟区に分割して、各狩猟区を管理する狩猟協会が設置されております。
    狩猟協会は、管轄区域内の野生動物の生息頭数推定を行って、この推定数を基準に県当局が翌年度の狩猟目標数を設定するというシステムになっているんですけれども、狩猟協会は、この目標が設定されますと、この目標を守らなければならないという法的義務が課されています。
    現在は、ASFの発生を受けまして、確実に野生イノシシの個体数削減を達成するために、目標頭数が引き上げられるとともに、より確実に狩猟を実行するために、推定生息数ではなく前年の狩猟実績を基に目標頭数が設定されております。
    続きまして、ハンガリーにおける野生イノシシにおけるASF対策なんですけれども、こちらは、狩猟による個体数削減と検査による感染状況の把握がメインとなります。
    狩猟については、今スライドで映しておりますこちらの表にありますとおり、リスクエリアごとに可能な狩猟の形態若しくはその検査状況というのが異なっている状況です。今、パート2(ローマ数字)、特別管理エリア及び感染エリアについては診断的狩猟のみ可というふうになっているんですけれども、診断的狩猟というのはハンガリーで個体数削減のために行われている狩猟なんですが、これにより狩猟された野生イノシシというのは、全てASF検査を受けることになっております。
    また、リスクエリアにかかわらず、パッシブサーベイランスを強化しておりまして、野生イノシシの死体の積極的な捜索ということを行っています。見つかった死体については、全てASF検査を行うという形で検査を行っております。
    続いて、先ほど申し上げましたとおり、感染エリア及び高リスクエリアからの野生イノシシの生体ですとか、野生イノシシ肉の流通というのは制限されております。
    全く制限区域が設定されていないエリアでは、食用を目的としたジビエのような形で野生イノシシ肉を流通することは可能なんですけれども、野生イノシシは家畜とは異なる専用の加工場で処理されておりまして、家畜豚と交差することはございません。
    また、狩猟直後に個体識別票がイノシシに装着されて、専用書類が添付された上で加工場に送られますので、トレーサビリティも確保されているといえます。
    以上のとおり、ハンガリーにおいては、従来から野生イノシシの狩猟が体系的に行われてきており、ASF発生後も既存のシステムを活用した個体数削減や、野生イノシシのASFのパッシブ及びアクティブサーベイランスが適切に実施されていると考えられました。
    続きまして、家畜豚におけるASF発生時の対応です。
    何度も申し上げておりますとおり、これまでにハンガリーでは家畜豚でのASF発生事例というのは確認されておりません。ですが、感染を疑う動物を発見した際の通報のフローや発生時の対応については、ハンガリーの国内法令及び防疫指針において規定されております。なお、これは、EU規則として定められたものを加盟国が国内法令ですとか、各国の防疫指針に落とし込む形で規定しているものです。
    ハンガリーの防疫指針によれば、民間獣医師や郡当局よりASFの疑い事例について通報があった場合には、県の当局は農場に対して移動禁止を指示した上で、農場への立入検査や情報収集等を行います。
    検査の結果、発生が確定した場合、郡及び県当局により制限区域、この制限区域というのは農場の周囲最低3kmを保護区域、そして農場の周囲最低10kmをサーベイランス区域として設定するんですけれども、こちらの区域を設定した上で移動制限を講じます。さらに、発生農場における殺処分や疫学調査などを実施することになっております。
    これらの措置に関しましては、野生イノシシでの発生時と同様、発生場所を所管する県当局が中心となって防疫対応に当たることとされておりまして、報告ルートや初動の指揮命令系統も明確化されております。
    以上のことから、ASFが仮に家畜豚で発生しても、早期に封じ込めができる体制が整っていると考えられました。
    これまでに御説明した内容を踏まえまして、結論としましては、ハンガリーにおける現在の獣医組織体制、農場のバイオセキュリティ管理体制、個体識別、トレーサビリティ制度、検査診断体制等は、国内で発生したASFを早期に摘発し、防疫措置を適切に実施して、発生を封じ込めるために必要な体制となっていると考えられました。
    また、国内の全ての農場、とと畜場は、当局の認可、登録を受けるシステムとなっており、豚個体及び群レベルでの識別情報及び移動履歴については、法律に基づき、当局のデータベースで管理されております。
    また、生産された豚肉製品についても、EU規則に基づきトレーサビリティが確保されており、更に豚肉製品と野生イノシシの製品は別施設で処理、加工されるため、処理工程で家畜豚と野生イノシシが交差したり、製品が混入する可能性も低いと考えられました。
    また、とと畜場においては、地方当局の公的獣医官が常駐しており、輸出条件の遵守を含め、とと畜場のオペレーションを監督しております。そのため、仮に日本側が指定する地域又は農場に由来する製品のみを日本向け輸出製品として識別、管理するといった上乗せ要件を要求した場合においても、それに対応することが可能な体制が整っていると考えられました。
    さらに、現在ハンガリー国内で発生が確認されている野生イノシシでのASFに対しても、EU規則で定めるリスクエリア区分に加えて、国内の発生リスクに応じた独自のリスクエリア区分を上乗せで設定した上で措置を講じており、リスクレベルごとに家畜豚及び野生イノシシに対する措置が講じられていると考えられました。
    一方で、ハンガリーでは2018年4月以降、野生イノシシでの初発事例以降も野生イノシシでの感染が継続して確認されており、発生地域が拡大していることも事実でございます。これは積極的なサーベイランス体制が機能していることの反映と考えられますけれども、家畜豚での発生リスクを的確に推定するためには、引き続き、ハンガリーにおいて、サーベイランス機能が適切に維持され、今と同レベルの野生イノシシでのサーベイランスが行われる必要があると考えました。
    また、野生イノシシでの発生状況の把握に加え、個体数管理対策の実効性、個体削減が適切に行われているかということについても、引き続き注視していく必要があると考えております。
    また、先ほど申し上げましたとおり、ハンガリーでは、万が一家畜豚でASFの発生が確認された場合にも、国内の関連法令及びASF防疫指針に基づいて迅速な措置が講じられる体制が整っておりますが、ハンガリーにおいては、いまだに家畜豚での発生が確認されておりませんため、もし実際に発生した場合の防疫措置の実施状況やその実効性については、的確な情報収集を通じて把握に努める必要があると考えました。
    以上のリスク評価結果を踏まえて、事務局としては、ハンガリーからの要請事項であるゾーニングを適用した上でハンガリーからの生鮮豚肉について輸入を解禁することについては、野生イノシシと家畜豚での分離は適切に行われているものの、野生イノシシでの発生が継続して確認されていることを踏まえ、我が国にASFが侵入するリスクを無視できるものとするため、一定の上乗せの管理措置を講じた上で輸入することとしたいと考えております。
    この後、上乗せの管理措置案について、国際衛生対策室長の沖田より御説明させていただきます。
  • 沖田国際衛生対策室長
    それでは、上乗せの措置についてお話をしたいと思います。
    お手元、委員の皆様の机上配付のみとさせていただいております資料の3-3を御覧を頂きたいと思います。資料の3-3については、図式化したものを準備しております。図式化したものについては、前方のスクリーンに投影させていただいております。
    これらを使いまして、上乗せの措置、先ほど髙木から説明しましたとおり、基本的にゾーニングを使って生鮮豚肉を輸入するのは、家畜豚と野生イノシシは分離されておるというふうに考えておりますけれども、野生イノシシで発生が止まらないということを考えての上乗せの措置として、事務局としてはこういったものを御提案をして、御審議を頂きたいというふうに考えているものでございます。
    まず、定義でございます。
    今回のゾーニング、ハンガリー側からの要望も踏まえまして、ユニットとしては県単位ということでゾーニングを考えているというところですけれども、では、その県単位のゾーニング、どこが清浄なゾーンだと、清浄な県だということを考えるというところでございますが、これを事務局としては制限区域、先ほど説明をしました高リスクエリア以上の区域を制限区域というふうに考えますが、その制限区域を含んでいない県かつ、含んでいないということと、もう一つは制限区域を含んでいる県と県境を接していないところということを清浄な県というふうにしたいというふうに考えております。
    前方の図でいいますと、青い線の枠で囲ったところが全く制限エリアを含まず、制限エリアと県境を接することなく存在している県ですので、この県を清浄県とすると考え、この当該県に所在する農場及びとと畜場由来の豚肉のみを輸入可能とするという案を基本としたいというふうに考えております。
    ハンガリーからは、当初、ASF発生に伴って、設定された制限区域を含まない県ということで要請を受けておったところですけれども、その後の野生のイノシシでの発生の拡大、発生が止まらないことに鑑みて、このゾーンが発生に伴って、日々刻々と変化するということもありますので、制限区域を含まない県と、それから制限区域に隣接していない県を清浄県として扱うこととしたいというふうに考えております。
    次に、日本向けの輸出に供される豚農場、とと畜場についての条件でございますが、この資料の3-3にお示ししたとおりの要件としたいと思います。
    まずは、輸出に供される豚の要件でございますが、豚については、まず(1)として、ハンガリーの制限区域以外若しくは第三清浄国でのみ出生し、飼養されたこと。それから、(2)として、出生以降出荷まで若しくは出荷前の90日間は対日輸出用の指定農場において飼養されていたこと。(3)として、とと畜場への出荷前に公的獣医官が検査を行って、ASF感染の兆候が確認されていないことという、この条件を日本向けの輸出に供される豚の要件としたいというふうに思っております。
    続いて、対日輸出用の指定農場の要件です。
    これは、地図で見ていただきますと、地図の緑色のDと書いてあるところ、これがいわゆる指定の農場、要件を満たした農場ということで考えております。当然、ゾーニングを適用しますので、こういった農場は清浄県の中になければいけないというのが基本的な条件でございますが、それに加えまして、バイオセキュリティレベルが一定のレベル以上にあること。そのための条件として、管理獣医師と契約していること。それから、飼養動物と野生動物の接触防止措置、具体的にいうとダブルフェンスのような、そういった措置が講じられていること。それから、ASFの早期摘発に努めることし、ハンガリー当局が定めた計画に基づいて、ASFの強化パッシブサーベイランスを実施していることといったような条件を付けて、このバイオセキュリティレベルが一定のレベル以上にあると。
    基本的な考え方としては、先ほど説明のあった大規模農場についてはハンガリーもしっかりと管理をしているという、大規模農場の管理のレベルというものが一つの水準と考えていただければと思います。少なくてもそういったバイオセキュリティレベルをクリアしているものであるということを考えております。
    それから、追加として、バイオセキュリティの計画については、当局の認可を得て、適切に実施されているということを条件とします。
    それから、生体の導入なんですけれども、農場については、導入について一定の条件を課して導入を認めることとしたいと思っております。もちろん、日本向けの農場と同じ条件を満たすところからは導入するのは大丈夫ということといたしますけれども、それに加えまして、清浄県以外であっても、いわゆる制限区域の外、図でいいますと、青の枠の外ですけれども、薄いオレンジ色のところ、これが制限区域以外のところ、清浄県ではないけれども制限区域以外のところ、ここについては導入をしても認めようというふうに考えております。
    また、パート1(ローマ数字)、高リスクエリア、野生イノシシでも発生はしておりませんが、サーベイランスを強化する等のバッファーゾーンとして取ってあるところ、ここについても導入をすること自体はオーケーとしましょうと。ただし、パート1(ローマ数字)から持ってきた豚については、これは日本向けには出せないという条件の下、導入を認めることとしたいというふうに思っております。
    導入豚は、出荷元の農場で30日間以上継続飼養されていたこと。それから、出荷元農場は指定農場への移動前30日間以上、制限区域から豚を導入していないこと。こういった条件も課していきます。また、導入豚は指定農場に移動する前15日以内にハンガリー当局によってASFの検査を実施されて、陰性が確認されていること。そして、指定農場への移動前24時間以内に公的獣医官により臨床検査を行い、異常が認められていなかったこと。そして、導入豚は指定農場へ導入後30日経過時点で、獣医師による臨床検査で異常がないということ。そして、指定農場は、導入後30日間以上は日本向け輸出豚肉に供される豚を出荷しないことという条件を付した上で、導入を一定程度認めたいというふうに考えておるところです。
    また、農場については、ハンガリー当局による少なくとも1年ごとの査察を受けて、今ご説明した条件がきちんと満たされていることを確認することを求めたいというふうに思っております。日本の求めに応じて、ハンガリー当局には査察結果も提出することを条件として課しておきたいというふうに思います。また、これらの条件を満たすことを確認をした上で、日本向けの輸出農場として、ハンガリー当局が指定をしていること、これをきちんと条件として課すことにしたいというふうに思っています。
    以上が、豚の生産農場に関する条件というふうに考えております。
    また、続いてはとと畜場及び食肉処理の施設ですけれども、基本的にこちらも、図でいいますと青の囲みの中にあって、食肉処理場ということで工場の絵にしていますけれども、そこにあるものということが、まず最初の条件ということでございます。
    それから、原則として対日輸出用と畜場については、対日輸出用の豚肉を生産するための豚、そしてそれらの豚由来の製品以外を取り扱わないということを条件といたしますが、農場における導入と同様、一定程度の条件を課して、対日輸出施設においてもほかの豚の処理をするということについても認めたいというふうに思っております。
    その具体的な条件ですけれども、それは制限区域以外、先ほど言ったようなオレンジ色のところ、あるいは赤いところですね、パート1(ローマ数字)、高リスクエリアというところ由来の豚若しくはそれ由来の豚の製品というものについては、これは取り扱うこと自体は禁止はしない。ただし、取り扱うのは、当然対日輸出向けではございませんので、それらと対日輸出向けの処理をするときには、完全に時間的な分離を行う。日にちを変えるとか時間を変えるとか、そういった形で処理を完全に分けて混じらないようにするというようなことを条件としたいというふうに思っております。もちろん、こういった条件を満たしていることを、ハンガリー当局が確認をした上で、日本向けの輸出施設として指定しているということも条件としたいというふうに思っております。
    また、ハンガリーのASF対策に関する条件でございますけれども、基本的に先ほど説明したとおり、現在講じられている措置が継続的に講じられていることを前提に評価しておりますので、これが継続されていることを条件とします。
    特に、豚とイノシシにおけるサーベイランス、アクティブ、パッシブ両方ですけれども、サーベイランス、あるいは制限区域からの野生イノシシやイノシシ製品の移動制限、移動に伴うトレーサビリティ、それから制限区域からの豚及び豚肉製品の移動の制限及び移動に伴うトレーサビリティの確保、こういったものについては、現行の措置を継続的に求めていきたいというふうに思っております。
    もし、これが変わるということであれば、その変わるものについては、事前に日本の当局に通報を頂くということと、日本の当局はその情報を受け取った上で、必要に応じて、場合によっては一時輸入を停止する、あるいは当然家畜衛生条件の見直し等、必要な措置を講じることができることとしたいというふうに思っております。
    また、ハンガリーにおけるASFの発生状況に関しても一定の要件を求めたいというふうに考えております。先ほど説明しておりますとおり、家畜豚での発生はございませんが、野生のイノシシでの発生、継続しております。エリアについても広がってきているということを考えまして、このASFの状況の変化、農場での発生や家畜豚での発生があったということ、あるいは新たな地域での感染野生イノシシが確認された、あるいは病勢の変化等、こういったことがあった場合には、それは速やかに日本当局にその旨を報告頂きたいというふうに思っております。
    また、日本当局においては、それを受けて、例えば農場での発生があった、あるいは、今は紫と灰色の地域だけですけれども、それ以外の地域でのイノシシで発生が確認されたというような場合には、ハンガリー全土から、まず一旦輸入停止をいたしまして、ゾーニング適用について再検討を行うことができるよう条件としたいと思っております。
    以上、全体的な上乗せの措置案の概要でございます。これらの上乗せの措置をすることによって、ハンガリーからゾーニングを適用して豚肉を輸入したとしても、ASFがそれによって我が国へ侵入するというリスクについては無視できるのではないかというふうに考えておるところです。
    事務局からの説明については以上になります。
  • 津田小委員長
    ありがとうございました。
    ASFのゾーニングを適用したハンガリーからの生鮮豚肉の輸入再開に関するリスク評価の概要書、それから、その後追加のリスク管理措置ということ、上乗せ措置の説明がございました。この件に関しまして、委員、オブザーバーの皆さんから、御意見、御質問ありましたら、お願いしたいと思います。
    嶋田さん、つながっていますか。
  • 嶋田委員
    はい、聞こえています。
  • 津田小委員長
    何かございますか。
  • 嶋田委員
    ありがとうございます。
    宮崎の嶋田です。音声大丈夫でしょうか。
  • 津田小委員長
    ちょっと時々切れるな。ゆっくり話していただければ大丈夫かと。
  • 嶋田委員
    はい。事前の意見書の方で質問はさせていただいたんですけれども、その中で、飼料の関係なんですけれども、現地調査された農場とかでは、飼料、完全自給ということだったと思うんですけれども、ヨーロッパでは乾草を育成豚であったり繁殖豚とかに与えたりとかというのが普通にされているというのを聞いたことがあります。例えば、野生のイノシシが圃場に現れたりすることで、ちょっと「農場内で飼養豚が直接口にしたり接触する飼料の汚染のリスクとかあるんじゃないかなということで質問をさせていただきました。その点について、よろしいでしょうか。
  • 津田小委員長
    お願いします。
  • 髙木課長補佐
    御質問ありがとうございます。
    御指摘の点につきましては、EUのルールで、屋外で生産された飼料や敷料による感染を防ぐために、野生イノシシでの発生が確認されているエリアにつきましては、飼料として利用されるものについては30日間、敷料として利用されるものについては90日間の待機期間を設けることとされておりまして、この待機している間は野生イノシシとの接触がないような形で保管することというふうに定められております。
  • 津田小委員長
    嶋田さん、よろしいですか。
  • 嶋田委員
    はい、ありがとうございます。
    それで、ASF、食肉とか加工肉で非常に長く生存するという話は聞くんですけれども、例えば、飼料とか乾草とかそういったものについては30日とか、そういった分で十分安全性を担保できるというふうに考えてよろしいでしょうか。
  • 沖田国際衛生対策室長
    ヨーロッパがこういう措置を取っている、その科学的な根拠としては、EFSAのサイエンティフィックオピニオンということで、それを基にしておりますので、科学的な根拠をもっての措置というふうにお考えいただいて結構です。
  • 嶋田委員
    承知しました。ありがとうございます。
  • 津田小委員長
    ありがとうございました。
    ほかにございますか。こちらの方では、じゃ、こちらの方で芳賀先生、どうぞ。
  • 芳賀委員
    ちょっと教えていただきたいんですけれども、指定農場に関して、バイオセキュリティ基準を満たしていることというのを項目として挙げられているんですが、これは国レベルで、多分農場バイオセキュリティ、日本の飼養衛生管理基準みたいなのがあると思うんですが、それにアディショナルに何か加えた条件があるということが、もしあったら、ちょっと教えていただけるでしょうか。
  • 髙木課長補佐
    御質問ありがとうございます。
    先ほど説明の中でも申しましたとおり、ハンガリーにおいては大規模農場と小規模農場という区分がございまして、小規模農場に関しては、遵守すべき項目が何個か免除されていたりということがございますので、日本向けに輸出をされる指定農場に関しては、大規模農場と同じレベルのバイオセキュリティを守らせるということを考えております。ハンガリーが定めているものに上乗せをするというよりは、ハンガリーでもともと定めている大規模農場のレベルを求めるという方向で考えてございます。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    ほかにございませんか。あとは、筒井さん、どうですか。
  • 筒井委員
    筒井ですけれども、いいですか。
  • 津田小委員長
    どうぞ。
  • 筒井委員
    すみません、ちょっと流れに乗っていないかもしれないんですが、やっぱりハンガリーで現在まだイノシシで広がっているという中でゾーニングを適用して輸入するというのは、私、結構心配性なもんですから、慎重に考える必要があるなというふうには思っています。
    ちょっとメールでも意見させてもらったんですけれども、まず、今回の書き方といいますか、あれなんですけれども、リスク評価ということを考えたときに、この報告書の内容を見ますと、侵入リスクについて評価するというふうになっているんですが、じゃ、リスクはどうなんだということについての結論めいたものがちょっと私には読めないんですよね。
    先ほど髙木さんが説明していただいた中では、こうこうこうでリスクはないとか制御されているとかという話はあったんですが、この概要書の中、それから報告書の中もそうなんですが、一体リスクをどう評価したんだということが少しちょっと見えてこないので、そこはやはりリスク評価の報告書ですので、結局そのリスクはどうなんだということを是非書いた方がいいんではないかというのが、私のまず1点目の意見です。
  • 津田小委員長
    それについて、どうぞ。
  • 沖田国際衛生対策室長
    ありがとうございます。
    筒井委員の御意見につきましては、確かにこの報告書自体は淡々と調べてきた事実等を述べたというところがありました。先ほど説明させていただいたとおり、例えば上乗せ措置を課すに当たって、評価自体は問題ないと思うけれども、広がっているので上乗せを課す、このことによって日本向けは大丈夫だということを考えております。こういったことをはっきりとリスク評価の報告書には書いていきたいというふうに思います。今回の御提示した案を、ちょっと事務局の方で修正はさせていただきたいというふうに考えております。
  • 筒井委員
    まず、1点目、お願いします。
    それと、ちょっと気になるのが、先ほどのどうリスクを評価するかというところに絡むところで、まず1点はやっぱりイノシシで広がっているというところですよね。2018年4月に入ってから、今年の2月までどんどんエリアが拡大しているということですよね。そうした場合、このちょっと資料をざっと読ませてもらったんですが、イノシシが一番多い地域というのが、正に今輸入解禁しようとしている地域なんですよね。サーベイランスをやっておられるということで、引き続きということで御説明があったんですが、現状ね、現状の評価として、いわゆる今の検査、体制、それから検査頭数、若干何か少ないような気もするんですけれども、そういったものを見たときに、現状、イノシシの感染状況を確実に把握されているという評価をされたのかどうなのか。もし、されてあるんであれば、それは書き込むべきではないかなというふうに思います。これ、2点目です。続けますか。
  • 津田小委員長
    ちょっと待ってください。回答しますから。
  • 沖田国際衛生対策室長
    2点目、ありがとうございます。
    確かに、ハンガリーの措置というのは発生したところについて重点的にやるということで、その部分はそちら側にフォーカスを置いているというのはそのとおりなんですけれども、かといって、全土を中リスクエリア以上というふうに、ハンガリーはEUの措置に更に加えて、自らリスクが高いエリアというふうに判断をして、それに応じたサーベイランスをやっております。
    このサーベイランス自体は、体制としてきちんとしたものを行っているということから、数は少ないとはいえ、見逃すというおそれについては、それは少ないものと考えておりますので、出ていない地域というのはサーベイランスのした結果に従って出ていないんだというふうに考えていただいて結構だと思います。その点についても、一定程度評価をしたということを、リスク評価報告書にも追記していきたいというふうに考えます。
  • 筒井委員
    このリスク評価報告書の内容というのは公表される予定ですよね。
  • 沖田国際衛生対策室長
    はい。概要についてはそうです。
  • 筒井委員
    であれば、やはりどう判断したかというのは、繰り返しになるんですけれども、しっかりここに書き込まれた上でこう評価しましたということにならないと、なかなか非常に厳しいのかなという気がします。
    それともう一点、先ほどイノシシで広がっているという状況からすると、やっぱり農場のいわゆるバイオセキュリティが、いわゆるイノシシと完全に隔離されているということを担保しているということが極めて重要なんだろうなというふうに思います。それで、その報告書の中には、一部、大規模と小規模とにはかなりバイオセキュリティに差があると、かなりとは書いていませんが、差があるというふうに書いていますので、そういった意味では、そこのバイオセキュリティ、イノシシとの接触禁止、それからイノシシとの感染防止対策について、この中でどう評価したかということについても、やはり理路整然と書く必要があるんではないのかなというふうに思います。
  • 沖田国際衛生対策室長
    御指摘ありがとうございます。
    確かに、バイオセキュリティの評価というものについて、今回の案では少しはっきりしない、足りないところもあるかと思います。ですので、その部分についても追記をしたいと思いますが、基本的にバイオセキュリティ、もちろん小規模と大規模とで濃淡はあるんですけれども、結果として、リスクの高い地域についても小規模、大規模を問わず、農場での発生というものが全く起こっていないということからすれば、例えば野生のイノシシとの接触の遮断であるとか、そういったところについてのバイオセキュリティの担保はしっかりとできているというふうに考えておりますので、その点もリスク評価の報告書として、少し充実させたいというふうに考えます。
  • 筒井委員
    豚で発生したときのバイオセキュリティの、いわゆる発生がないということの前提が崩れたときにそれをどう評価するかというのが一つ重要だと思います。
    それと、これって、手続を開始して1年やそこらかかるんですか。といいますのは、ポーランドで、結局出ちゃったじゃないですか。
  • 沖田国際衛生対策室長
    手続から申し上げますと、今回ここ、この牛豚疾病小委で御議論を頂いて、家畜衛生部会の答申を仮に頂いたというふうになったときには、その答申いただいたリスク評価の結果をもって、家畜衛生条件の協議に入ります。
    ですので、直ちに適用されるということではないと思いますが、ただ、どのくらいの期間かかるかは、これは交渉事ですので、ちょっとなかなかいつできますというのは言えないんですけれども、手続の進め方としては、この後のステップを定められたとおり踏んでいこうというふうに考えております。
  • 筒井委員
    分かりました。国際基準に沿って評価をされるということ自体、もうある意味仕方ないことなのかなという気がしますけれども、是非ですね、やはり現状発生が、イノシシとはいえ継続している中でですので、恐らく心配される方、結構多いんじゃないのと思いますので、よくよくその点はリスク評価の結果として説明していただければというふうに思います。
    以上です。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    今の件につきましては、若干修正するということですよね。実際に、ここではリスク評価を行っているわけでございますけれども、今回のこういった個別の輸入とか、具体的になってきますと、更により詳細な交渉等も必要になってくると思いますし、それの前提となる評価ということですので、ここについては事務局の方でもう少し、今の意見も踏まえて修正いただきたいというふうに思います。
    ほかにございませんでしょうか。
  • 事務局
    小渕先生より、質問がございます。
  • 津田小委員長
    小渕先生、どうぞ。
  • 小渕委員
    小渕です、お願いします。
    衛生対策の1つなんですけれども、二重フェンスで義務づけているというのがあるんですけれども、今、国内でASF、CSFの対策として、フェンスだけではなくて、防鳥ネット等もパドック等に全部するとか、そういうのを義務づけられてきたかと思うんですけれども、そういう必要性はハンガリーでは余り、野鳥とかが物理的に運ぶとか、そういうことは余り考えられないということなんでしょうか。
    それともう一つ、先ほど嶋田さんの方から質問があったところと重複するんですけれども、頂いた資料の3-2の34ページのところで、衛生対策の強化というところで、真ん中、飼料、敷料の待機期間というのを先ほど説明していただいたんですけれども、この待機期間が農家の自ら家畜を守るための取組であるため、当然遵守されることから、巡回とか、対象では罰則でも設定されていないというところが、必ず、この辺は私たちだと、すぐに飼料とか見に行くということが割としなくてはならないことに課せられるけれども、守られているというのが視察に行ったときの感覚なんでしょうか。
    その辺をお聞かせ願いたいのと、あと、同じ資料の56ページのところで、違法持込みの畜産物への対応についてというところで、56ページの一番最後のところで、ちょっと私が読み間違えているのかもしれないんですけれども、検査件数が年間40件で、2017年の検査開始以来、3件が陽性というブダペストの例が書いてあるんですけれども、この検査件数というのが違法持込みの検査として妥当な数なのか、検査対象のうちのサンプリングの割合とかというのが何か決められているのか、その点を教えてください。
    以上です。
  • 沖田国際衛生対策室長
    まず、防鳥ネットの話なんですけれども、ルールとして決められているのは、野生のイノシシとの接触を防ぐためのダブルフェンスということで、フェンスだけになっております。特に防鳥ネットを張りなさいというような義務はございません。
    ただ、当然バイオセキュリティを高めていく中で、そういう外部との接触についてもきちんと、バイオセキュリティの一環ということがあるのと、それからもう一つは、そういった形でもし農場に何らかのことがあった場合には、農場自体の通報が、異常に関しては通報するというふうになってございますので、日本の課している防鳥ネットというところまではルールとしては求められておりませんが、全体として、バイオセキュリティの中で対処しているというふうに考えていただいて結構だと思います。
    それから、まず、飼料の待機期間でございます。待機期間については、罰則規定、もちろんそういうものはないというふうになってございますけれども、別にそれはないから守らなくていいということではなくて、巡回指導の中で、当然不適切な事例があれば、それは全体として指示するという巡回指導の一環で指導はされているというふうに承知をしているところです。
    国境措置、国境におけるサンプルの取り方ですけれども、現在もらって、頂いている情報では、ここにある情報が全てでございます。ですので、全体が幾らであるかとか、検査件数は出ているんですけれども、それが妥当な件数であるのかというようなところについては、それは評価を、質問をしてはおりませんので、もし、そういう情報がこの評価に必要ということでありましたら、ハンガリーの方に確認をしたいというふうに思います。
  • 津田小委員長
    小渕先生、いかがですか。
  • 小渕委員
    ありがとうございました。
  • 津田小委員長
    その点について確認する必要があるかどうかなんですけれども。
  • 小渕委員
    これがすごく少ないような気がしただけなんですけれども、どのくらいが普通は対象なのかなと思いました。
  • 津田小委員長
    じゃ、これについては確認しておきますかね。
  • 小渕委員
    はい。
  • 沖田国際衛生対策室長
    はい、分かりました。では、事務局の方で、ハンガリーの当局に確認をしたいと思います。
  • 小渕委員
    ありがとうございます。
  • 津田小委員長
    よろしくお願いします。
    ほかにございませんでしょうか。
  • 事務局
    大東文化大学、中島先生より御質問が。
  • 津田小委員長
    中島先生、よろしくお願いします。
  • 中島委員
    中島です、聞こえていますか。
  • 津田小委員長
    どうぞ。
  • 中島委員
    1つ質問させていただきます。野生イノシシに対する対策なんですけれども、まず、報告書と事務局の説明から、私の理解では、まず野生イノシシの感染確認エリアは増えてきていると、広がってきて、数も増えていると。
    もう一つは、サーベイランスはパッシブ、アクティブがかけられていて、よく見つかってきている状況であるので、今後、見逃しはあまりないだろうということで、よく見つけられるシステムはあると。
    一方で、対策としては、これまでの対策で野生イノシシでの感染拡大を完全に防ぐことは困難であるというふうな状況ということで書かれているというふうに、考えているわけですけれども。
  • 津田小委員長
    切れたんですかね。中島先生、聞こえますか。
  • 中島委員
    すみません、中島ですが、聞こえましたでしょうか。
  • 津田小委員長
    ちょっと切れていました。ごめんなさい、もう一回お願いします。
  • 中島委員
    すみません、時々、20分ぐらいで定期的に何か接続が切れているので、それに当たったんだと思います。
    質問はですね、報告書等の説明から3点が僕の認識なんですが、1つは野生イノシシの感染汚染エリアは数が増えているというのが今のトレンド。そして、サーベイランスは十分に機能しているので、新しいエリアが汚染された場合には、それは見つけ切れる状況であるだろうというのが2点。それと、これまでの野生イノシシの感染拡大防止策に関しては不十分で止め切れていないというのが報告書の中から読めるんですけれども、この状況でこれから数年後のことを考えた場合に、事務局の予想としては、この状況が続けば、汚染エリアは広がっていくという予想が成り立つということになるんでしょうか。もし、それであれば、今、清浄地域というふうに設定されているところも、このままの状況が続けば、いつしか汚染の、ウイルスが入ってくる可能性というのは予想されるということなんでしょうか。これが質問です。
  • 津田小委員長
    ありがとうございました。
    じゃ、お願いします。
  • 沖田国際衛生対策室長
    ありがとうございます。
    感染のエリアは確かに広がってきておるということは、これは事実でございます。ハンガリーの当局とも意見交換をする中で、やはり彼らもイノシシから完全にASFを駆逐するというのは非常に困難を伴うだろうというふうに考えておるようです。
    したがいまして、エリアはこのままの状態で行くかどうかということ、これは本当に蓋を開けてみないと分からないところございます。ですので、我々、今回取った措置は、今現在で発生していないということだけをもって清浄県とするのではなくて、例えば高リスクエリアという、制限区域と県境を接しているようなところも、たとえ今清浄であっても、それは清浄とはしないというふうに、いわゆる安全装置を付けているというところです。
    今後については、現時点でも既に今後大きな変化があるときには一度止めて、もう一度検討し直すということを上乗せの措置の中で求めているところですので、そういった上乗せの措置の中で、今後の変化についてもしっかりと踏まえて、検討しながら進めたいと思っております。
    現時点で、今後広がって、今清浄となっているところがなるのかどうかということについては、答えとしては蓋を開けてみないと分からないということだと思いますが、そうであっても、それにきちんと対処できるような上乗せ措置を、現時点では提案をしておきたいというふうに考えておるところです。
  • 津田小委員長
    いかがでしょうか。
  • 中島委員
    分かりました。ここからちょっとお願いですが、恐らく2018年、19年とサーベイランスを強化しながら、今の状況が見えてきていると思いますので、十分に広がり方のスピードが、サーベイランスの強化によるものなのか、本当に広がり方のスピードを実数として反映しているのか、なかなか判断しにくいところもあると思うんですね。それですので、今後もこの、これからの広がり方の状況を、特にスピードが速いときには評価の頻度を早くしないといけないということがあると思いますんで、その辺りの状況をフォローしながら、適宜、同国と、ハンガリーと協議していただければなというふうに思います。
    以上です。
  • 沖田国際衛生対策室長
    ありがとうございます。
    御指摘を踏まえて対応していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    ほかにございませんでしょうか。リモートの方からはないかな。
  • 事務局
    ないですね。
  • 津田小委員長
    よろしいですか。
    それでは、今までの議論を踏まえまして、このリスク評価書については、先ほど筒井委員の方からもございましたけれども、少し書き加えというか、充実させていくということと、それから中島委員からもありましたように、今後のサーベイあるんだけれども、向こうと連絡を取りながらサーベイランスをきちんとして、きちんとそれに備えていくということを踏まえて、まとめて、もう一回修正を加えながらまとめていただきたいと思います。本件につきましては、事務局で、この案に加えて、今の修正を加えて、再度、小委員会開催するかを含めて、私に一任いただくということでよろしいでしょうか、皆さん方、よろしいですか。
    ありがとうございます。
    こちらの参加の方もよろしいですか。
    ありがとうございます。
    それでは、そういうことでまとめていただきたいというふうに思います。ありがとうございました。
  • 沖田国際衛生対策室長
    ありがとうございます。
  • 津田小委員長
    事務局、それでいいですね。
    それでは、最後の議題に移りたいと思います。フランスにおけるASF発生時のゾーニング適用に係るリスク評価について、事務局の方から説明をお願いします。
  • 髙木課長補佐
    ありがとうございます。
    リスク分析班の髙木でございます。本件について、御説明させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
    本件につきましては、先ほどのハンガリーとは異なり、まだASFの発生が確認されていない状況ではございますが、発生に備えて、あらかじめゾーニング適用に係る協議を始めたいとの要請がフランスからあったことから、協議を始めたという経緯でございます。
    ASF非発生国に対するゾーニングの適用は、これまでに評価を行った事例はなく、先ほどハンガリーの際に御説明しました標準的手続における分類上の新規の家畜衛生上の考え方の受入れを必要とする場合に該当すると考え、プロトコール1に位置づけて、家畜衛生部会に諮問を行い、今般、牛豚等疾病小委員会において、より専門的な見地から御審議いただくこととなったものです。
    まずは、本件に係る経緯を簡単に御説明させていただきます。
    フランスでは、先ほども申しましたとおり、現在のところ、家畜豚、野生イノシシいずれにおいてもASFの発生は確認されておりません。しかしながら、2014年頃からのEU各国でのASF発生に加えて、2018年9月フランス隣国のベルギーの野生イノシシでASFが発生し、さらにはそれがフランスとの国境から僅か数kmの地点であったことから、フランス当局としてはASFの侵入リスクが高まったと考え、万が一フランスでASFが発生した際にも、豚肉、豚肉製品の輸出が継続できるよう、ゾーニング適用について日本に対して要請を行ったものです。それを受けまして、農林水産省としては、標準的手続に従い、質問票や現地調査を通じた情報収集を行い、本件に係るリスク評価手続を行ってまいりました。
    それでは、評価事項について、資料に沿って御説明させていただきます。
    まず初めに、フランスにおける獣医組織体制ですが、フランスは中央集権的な国家であり、中央政府が整備した法令や立案した政策を中央政府の出先機関である地方当局が実行しています。動物衛生分野については、農場・食料省の食品総局(DGAL)が中央政府であり、DGALの政策に基づき、地方政府である県当局が管理措置や防疫措置を実行しております。また、ASFのような重要疾病発生時には、県当局のトップであるプレフェが、警察を含めた省庁横断的な対応を取るという体制になっており、このことにより迅速な対応が可能となっております。
    続きまして、法制度に関してですが、農業海洋漁業規約という法律が、家畜衛生を含む食品流通分野全体に関する国内法令として制定されております。この法律に基づいて、ASFを含む家畜疾病の届出義務が規定されるとともに、農業大臣やプレフェに家畜衛生の予防や撲滅のための措置を講じる権限が与えられております。また、措置の具体的内容については農業省の省令で定められており、ASF関連では、ASF発生時の措置を定めた省令が2003年に制定されているとともに、2018年のベルギーでのASF発生を受けて、国境での措置や農場のバイオセキュリティ強化を定めた省令が2018年に施行されております。
    これらのことから、フランスにおいては、ASFの発生を把握し、的確に封じ込めるための基礎となる家畜衛生体制及び法令が整備されていると考えられました。
    次に、家畜の飼養状況と農場における衛生管理等を御説明させていただきます。
    フランス全体における豚の飼養頭数は約1,080万頭で、農場数は商用が約9,600戸、非商用が約5,000戸ですが、そのほとんどが北西部のブルターニュやその周辺地域に分布しております。農場については、ブルターニュ近郊の北西部にその70%が集中している状況です。
    フランスにおいては、農場を規模ではなく、商用・非商用という飼養目的で分類しており、非商用農場は自己消費用や趣味のために少ない頭数を飼養し、市場に由来製品が流通することのない、いわゆるバックヤードファームになります。
    また、フランスにおいては、全ての商用農場がフランス豚肉委員会、INAPORCと呼ばれておりますが、こちらの業界団体に所属しており、そのネットワークを通じて情報を周知したり、教育活動や管理指導等を行うことが可能となっております。
    続いて、農場における衛生管理ですが、フランスにおいては、養豚の衛生管理に関する一般的なガイドラインというものがもともと定められておりましたが、それに加えまして、先ほど御説明しました農業海洋漁業規約という法律によって、DGALが委託契約を行った民間獣医師が少なくとも年1回は農場への立入検査を行いまして、先ほどの一般的なガイドラインについて、バイオセキュリティの項目がきちんと守られているかということをチェックするという項目が定められております。また、商用農場に関しては、日常的な衛生管理を行う獣医師を指定し、契約することが義務づけられております。
    こちらが平時の体制なんですけれども、こちらに加えまして、2018年のベルギーでのASFの発生を受けて、新たな農業省令が施行され、農場のバイオセキュリティ管理が強化されました。この省令によりまして、新たに農場が行わなければならないこととして、バイオセキュリティプランの設定、農場内のゾーン設定、こちら、今スライドで映しておりますけれども、農場内を動物との接触のリスクによってゾーンごとに分けたり、動線をルール化する、フェンスを設置するなどして野生動物の侵入防止を行う、また死体処理のルール化を行うといった義務が定められております。こちらの省令は、罰則規定も定められておりまして、違反が確認された場合には、豚の出荷・入荷禁止や操業停止等の罰則が科されることになっております。
    これに加えまして、ベルギーでのASF発生時に別の省令が施行され、その省令に基づいて、国境地帯における農場のバイオセキュリティレベルの評価が当局により行われました。その結果として、操業停止や改善命令が行われた農場というのも実際にあったんですけれども、それに加えて、先ほど申し上げました業界団体のINAPORC等の働きかけによりまして、国境地帯にあった農場は全て自主的に早期出荷や操業停止などを行いまして、、当時そこに存在していた60戸の農場のうち、2020年6月現在営業を継続しているのは3戸のみというふうに聞いております。
    以上のことを受けまして、フランスにおいては、ASFウイルスの農場への侵入を防ぐための農場のバイオセキュリティが強化されており、それを維持するための体制が構築されていると考えられました。
    続いて、豚のトレーサビリティ制度についてです。
    フランスにおいては、BDPORCという団体が、フランスの当局の委託を受けて運営している全国的なデータベースがございまして、このデータベースに商用・非商用を問わず、豚を飼養する全ての所有者が施設、農場情報や、飼養頭数及び種類等を登録することが省令により義務づけられております。
    このデータベースには農場の情報とか飼養情報だけではなくて、豚の移動情報についても登録することが義務づけられておりまして、農場から農場への農場間移動が起きたときですとか、あとは農場からとと畜場への出荷が行われた際には、その移動後7日以内にこのデータベースに登録することが義務づけられております。また、その移動に当たっては、移動元、移動先、あと、その移動する豚の情報などを記載した書類一式がございまして、そちらが添付されることが制度として義務づけられております。
    また、繁殖用豚については、耳標などによって個体ごとの識別が行われていまして、肥育豚については群単位の識別が行われております。こちらの個体識別情報についても、先ほど申し上げましたデータベースへの登録が行われておりまして、移動の情報の登録ですとか、飼養情報の登録の際に活用されております。
    獣医当局でありますDGALは、疾病発生時の疫学調査に使用する防疫マッピングシステムというものを持っているんですけれども、データベースに登録された位置情報を含む農場の情報をその防疫マッピングシステムに反映することで、疾病発生時の移動制限の措置ですとか、疫学関連農場の特定の際に活用しております。
    これらのシステムによって、DGAL若しくは県当局において、全ての農場や飼われている飼養豚、またその移動履歴等が把握可能となっておりまして、豚のトレーサビリティが、フランスにおいては確保されていると考えられました。また、ASF発生時にも、迅速に疫学関連農場や移動制限の範囲等把握可能な体制が整っていると考えられました。
    次に、とと畜場について御説明いたします。
    フランスには豚のとと畜が可能な施設が、現在国内に181か所ございます。この全てが当局の認定を受けておりまして、全てのとと畜場に県の公的獣医官が常駐し、とと畜前後検査とともに、日々の業務の監督を行っております。
    公的獣医官は、とと畜前後検査においてASFを疑う症状を確認した場合には、とと畜作業を停止した上で当局に通報して、それを受けた当局が省令や防疫指針に従った対応を行うという体制となっております。
    食肉製品のトレーサビリティについては、先ほどハンガリーの際も申し上げましたが、EU規則に従って、製品から由来農場レベルまで遡ることが可能な体制というのが整備されてございます。
    以上のことをもちまして、とと畜場においては適切に業務が遂行される体制が整っており、仮にASFが摘発されても、確実に封じ込めることが可能と考えられました。
    また、食肉製品のトレーサビリティについても確保されており、製品から由来農場まで遡る、また逆に農場から製品を特定することが可能な体制が整っていると考えられました。
    続きまして、国境検疫措置について御説明いたします。
    フランスもハンガリーと同様、EU加盟国でございますので、EU域外から豚生体や畜産物を輸入する際を輸入と申しまして、その際には、第三国リストに掲載されている国からのみ輸入が可能となっております。また、輸入に当たっては、こちらの地図、スライドの地図に示しておりますボーダーインスペクションポストにおける検疫を受ける必要があります。
    先ほど、ハンガリーのときに申し上げたとおりなんですけれども、EUの第三国リストに掲載される豚肉、豚肉製品の第三国リストに掲載されるためにはASFを含む疾病の清浄国であると認められる必要があります。
    フランスに関しましては、EU加盟国以外との陸路の国境というのは存在しませんので、第三国からのASFの侵入防止対策は主に空海港における動畜産物の検疫と、あと税関による旅客の手荷物検査により行われているという状況です。
    こちらも繰り返しになってしまいますが、EU加盟国間の動物や畜産物の流通は輸出入には当たらず、移動というふうにみなされますので、国境検疫措置は講じられないんですけれども、ASFについては先ほど申し上げましたEUのルールで、発生地域からの畜産物や生体の移動というのは制限されております。
    以上のことをもちまして、EU域内外のASF発生国からのフランスへのASF侵入防止については、適切に措置が講じられていると考えられました。
    続きまして、ASFの検査診断についてです。
    フランス国内のASF検査は、フランスのナショナルリファレンスラボラトリーであるANSES及び2か所の大臣認定検査施設でのみ実施可能となっております。サンプルは、まず2か所の大臣検査施設に送られまして、そこで一次検査としてPCRが行われるんですけれども、その結果、陽性又は判定不能となった場合に、ANSESに確定診断のためにサンプルが送られまして、そこで一次検査とは別の手法で再度PCR検査を行うというフローになっております。
    フランスにおけるASF検査はEUのASF診断マニュアル、あと、またOIEのマニュアルに従って行われておりまして、ハンガリー同様、ISO17025に準拠した精度管理も行われております。
    このことから、フランスにおいては、ASF検査を適切に実施する体制が整っていると考えられました。
    続きまして、野生イノシシにおけるASF対策です。
    フランスにおいては、狩猟に関連する動物衛生ですとか野生動物の保護というのは、先ほど当局として名前を出しました農業・食料省と、あと環境省が共管する野生動物狩猟管轄当局というのがございまして、そちらが担当しております。その当局は、国レベルで野生動物のモニタリングですとかサーベイランス、また狩猟に係る政策決定といったことを行っております。
    ハンガリーと同様に、狩猟区ごとに民間組織として狩猟連盟が設置されておりまして、その狩猟連盟と野生動物狩猟管轄当局が協力して、年間狩猟計画を作成しております。
    今、そちらの地図にフランスにおける野生イノシシの狩猟頭数を地図に示したものをお出ししているんですけれども、フランスにおいては、野生イノシシは全土に生息するというふうに考えられております。こちらの年間の狩猟頭数を生息数のおおよその目安としているんですけれども、色の濃いところがイノシシの生息が多いところになるんですが、ベルギーとの国境近辺である山間部に比較的多く生息しておりまして、先ほど、養豚の盛んな地域と申し上げました北西部には余り分布していないというのが傾向としてございます。
    野生イノシシについては、平時からハンターが疾病の疑いのある動物や死亡した動物を発見した際の届出をしなければならないということが法律によって定められておりまして、その届出された動物から採材を行って死因を究明するという、SAGIRネットワークという取組が行われております。また、2018年のベルギーにおける発生を受けて、国境地帯で更に野生イノシシ対策を強化しました。
    今、スライドに映しております地図にありますとおり、このベルギーの国境地帯にリスクに応じて、ホワイトゾーン、強化観察ゾーン、また観察ゾーンというゾーンを設定しております。ホワイトゾーンというのが、ちょうど地図上も白くなっているところなんですけれども、ここではイノシシの全頭殺処分を目標としまして、一般狩猟、何の許可も得ずに行う狩猟というのを禁止した上で、当局の管理の下で、軍の協力も得ながら、徹底的な狩猟が行われました。
    軍は、実際ハンティングのための射撃というのは行わないんですけれども、兵士の方が列を組んで歩いて、イノシシを追い込んだりですとか、あと、イノシシの生息状況を確認するために、赤外線監視装置を軍から供与するといったような協力を行っていたとのことです。
    あと、今、地図上で赤い線で示されているところなんですけれども、これがイノシシの移動を抑制するためのフェンスになります。ホワイトゾーンを囲むように、全長132kmにわたりフェンスが設置されております。
    こちら、今映しているのがそのフェンスの写真なんですけれども、こういったフェンスをホワイトゾーンを囲むように設置して、イノシシがよりフランス国内へ、感染したイノシシが万が一入った場合にも国内に移動しないようにという措置を取っております。
    それ以外にも、ホワイトゾーンでは森林活動の禁止ですとか、積極的なイノシシの死体の捜索、捜索した上で死体は全てASF検査を行うんですけれども、あとはアクティブサーベイランスとして狩猟したイノシシの20%についてはASF検査を行うといったことを行っております。
    ホワイトゾーンの周辺に、先ほど申しました強化観察ゾーンとか観察ゾーンというゾーンが設定されているんですけれども、こちらにおいても積極的な狩猟が行われまして、個体数の削減に取り組んでいるという状況です。
    ジビエとして食用に供される野生イノシシというのは、こちらもハンガリーと同様で、専用の加工場で処理されることになっておりまして、家畜豚ととと畜ラインで交差するということは起きないようなシステムになっております。
    また、これもハンガリーと同様、狩猟直後に個体識別票が装着されまして、専用書類が添付された上で加工場に送られますので、食用のために流通する野生イノシシについてもトレーサビリティは確保されているという状況です。
    仮に、フランス国内の野生イノシシでASFが確認された場合なんですけれども、こちらは農業省令若しくはDGALが作成した防疫指針に従って行われます。これはEUのルールに従った措置が取られることになっておりまして、先ほど申し上げましたパート2(ローマ数字)ですとかパート1(ローマ数字)といった移動制限が設定されるとともに、そういった設定されたエリアの中では狩猟の強化を行って、ASF検査を行うというような措置が想定されております。
    以上のとおり、フランスにおいては、狩猟管理体制や国内法令等が整備されており、仮にフランス国内の野生イノシシでASF発生が確認された場合にも、適切な対策を講じることができる体制が整っていると考えられました。
    続きまして、家畜豚におけるASF発生時の対応です。
    こちらも繰り返しになるんですけれども、現在フランスにおいては、家畜豚、野生イノシシもなんですけれども、ASF発生は確認されておりませんが、感染を疑う動物を発見した場合の通報や発見時の対応については、国内法令、農業省令若しくは防疫指針において規定されております。これは、EU規則として定められているものを各加盟国が国内法に落とし込む形で規定されているものになるんですけれども、省令によりますと、もし、家畜豚でASFを疑う症例が、症状が確認された場合には、飼養者は直ちに契約している獣医師又は県当局に通報し、それを受けて当該農場への立入検査が行われることになっております。
    立入調査の結果、ASF疑い事例であると判定された場合には、県当局は当該農場に対して移動禁止を指示した上で、農場への立入調査や情報収集を行い、サンプリングをして検査を行います。検査の結果、発生が確定しましたら、郡当局や県当局が周辺3kmの保護区域、周辺10キロメートルのサーベイランス区域という制限区域を設定しまして、移動制限や殺処分、疫学調査等を実施することとなっております。
    これらの防疫措置に関しては、先ほど家畜衛生体制のところで申し上げました県当局のトップであるプレフェが主導をしまして、省庁横断的な体制をすることが可能となっております。報告ルートや初動の指揮命令系統も明確化されておりまして、人員とか資材に関しても、平時より確保するような体制が整っております。また、その発生地点の管轄する県当局が中心になるんですけれども、足りなくなった場合には県当局、あと地域間で融通し合うという体制が整っておりまして、そういったことを確認する防疫演習も定期的に開催されているということですので、仮にフランスでASFが発生しても、早期に封じ込めるために必要な体制が整えられているというふうに考えました。
    以上、これまで御説明した内容を踏まえまして、結論としましては、フランスにおける現在の獣医組織、農場のバイオセキュリティ管理、個体識別、トレーサビリティ、検査診断等は、国内で発生したASFを早期に摘発し、防疫措置を適切に実施して、発生を封じ込めるために必要な体制が整っていると考えられました。
    また、国内の豚農場、とと畜場等は全て当局の認可、登録を受けるシステムが構築されており、豚個体レベル若しくは群レベルの識別情報及び移動履歴についても、法律に基づき全国的なデータベースで管理されております。
    生産された豚肉製品についても、EU規則に基づきトレーサビリティが確保されており、豚肉製品と野生イノシシの肉製品は異なる施設で処理、加工されるため、処理工程で家畜豚と野生イノシシが交差したり、製品が混入する可能性も低いと考えられました。
    また、とと畜場においては、地方当局の公的獣医官が常駐しており、とと畜前後検査を行うとともに輸出条件の遵守を含めたとと畜場のオペレーションを監督しておりますので、仮に日本側が何らかの条件を課したとしても、それに対応することが可能な体制が整っていると考えられました。
    一方で、現在、フランス国内の家畜豚及び野生イノシシ、いずれにおいてもASFの発生は確認されておりませんので、フランス国内でのASF発生後に清浄と認められる地域からの豚肉、ゾーニングを適用して清浄と認められる地域からの豚肉等の輸入を継続することについては、発生時における制限地域の具体的な設定方法や地域ごとに課される規制の内容について明確化し、これらの措置が実施されることを前提として、輸入継続のためにフランス側が遵守すべき要件をあらかじめ設定する必要があると考えられました。
    さらに、実際の発生に際しては、防疫措置の実施状況やその実効性に関する情報を速やかに収集し、あらかじめ取り決めた要件の遵守状況を確認した上で、輸入継続の可否を判断する必要があると考えられました。
    以上、リスク評価結果の概要について御説明いたしましたが、続けまして、本評価についての事務局の考え方について、国際衛生対策室長の沖田より御説明させていただきます。
  • 沖田国際衛生対策室長
    リスク評価の概要につきましては、今の説明のとおりなんですけれども、繰り返し説明をしているとおり、フランスにおいては、家畜豚においてもイノシシにおいてもASFは発生していないという状況の中で、要請に応じてこのリスク評価を行うということから、基本的なアプローチをまずはピン留めというか、説明をしたいというふうに思っています。
    この全く発生していない中で評価するということについては、当然、発生国とは異なっていまして、今現在の措置を評価するということができません。ですので、飽くまで、家畜衛生当局の基本的な体制であるとか能力であるとか、そういったものについて、あるいは発生時に取られるとされている措置を評価し、その評価に基づいて、ゾーニングを適用できるか否かを判断するということが重要になります。
    ですので、今回、先生方に御審議をお願いしたいのは、今までの情報の中で、これから取られる措置というものがこれこれこういうものだというのを前提にして、リスクの評価を、それで大丈夫かどうかということをリスク評価を頂くということをお願いをし、実際にこれを、例えばフランスにおいて、野生イノシシあるいは家畜豚においてASFが仮に発生した場合には、新たにそこで取られる措置を調べた上で再度リスク評価をするのではなくて、取られる措置というものを、その実施を確認する。この実施を確認するために、一旦全土を停止するということは必要になるんだと思いますが、一旦停止して実施を確認をするということで、その実施が確認できれば、それに従ってゾーニングを適用するということを、そういうアプローチを取りたいとふうに思います。
    これは、今までとは違って、発生していないところですので、考え方をちょっと根本的に変える必要があることから、まずはリスク評価でこういう上乗せの措置、こういうものがあった上でゾーニングが適用できますかどうかということを評価いただく。それに従って、実施を確認した上で適用するというアプローチで進めたいというふうに考えております。
    したがいまして、御審議いただいて、ゾーニングを適用することについて差し支えないという答申を仮に頂いたとしても、直ちに適用するのではなくて、一旦実施を確認をした上でゾーニングを適用するというアプローチを取りたいというふうに思っております。
    この基本的な考え方を御理解頂いた上で、フランスにゾーニングを適用することについて御審議を頂きたいというふうに思っております。その観点につきまして、例えば、どういうような措置が必要になるか、その必要な措置を検討するためにはどういった情報が必要になるか、どういう点を明確にしなければいけないかということについて、先生方の御意見を頂ければというふうに考えております。
    事務局からの説明は以上になります。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    そうすると、今の説明ですと、一応このリスク評価は行いました。これに基づいて、今のようにゾーニングの適用に当たってはどういった要件が必要かということを、さらにここの委員会で追加的なもの検討するために、改めてもう一回小委員会開くということになるんですかね。
  • 沖田国際衛生対策室長
    現時点で、先ほどのハンガリーのように、上乗せの措置はこういうものを取りたいと思いますという原案を現時点で事務局として持ち合わせているものではございません。それらに必要な情報を、まずどういったことをチェックすればいいかという観点を先生方に御意見を頂いた上で、それをフランス側に情報を求めまして、その情報に基づいて上乗せの措置について、もう一度事務局の案を御提示した上で、適用の可否の判断をそこでしていただきたいなというふうに、改めてしていただければというふうに、今のところは事務局では考えておるところです。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    というふうな説明でございました。今の説明に関しまして、委員の方々、オブザーバーの先生方、意見をお願いしたいと思います。
    フランスについては、まだ野生イノシシにおいても、飼養豚においても発生していないもんですから、その上で、実効性のあるということがなかなか判断できないものですから、あらかじめそういったリスクを想定した上でどういった措置を適用するかということを具体的に、ポイント、大事な点を指摘していただきたいということでございます。
    今回、参加いただいていないんですが、山口委員の方から1つ事前に頂いている意見がございまして、フランスに関しましては、現在発生がない中でのゾーニングの想定でありますので、その想定している発生の対応が、実効性があるかどうかということを確認することが大事だというふうに考えておりますということです。
    フランスは、ハンガリーと比較しまして、面積も広く、リスク地域の区域の設定もハンガリーのように細かく設定されるかどうか分かりませんけれども、区域の設定の考え方など、もう少し明確化されるといいと思いますという意見が寄せられております。
    これに関連しまして、先ほど御説明ありましたように、フランスにおいて豚の密度についてはかなり地域によっても異なっておりますし、そこで地域区分あるいはそういった単位をどのように設定して、どういうところに集中して防疫措置を行うかということにも関係すると思うんですけれども、何か御意見ございますでしょうか。
    今の山口委員の意見は、もう把握されていますよね。
  • 沖田国際衛生対策室長
    はい。
  • 津田小委員長
    それはちょっとつかんでください。
    委員の方々から、何か御意見ございますか。リモートの方はどうですか。
  • 事務局
    リモートの方もないようでございます。宮崎の嶋田委員より、1点御発言ございます。
  • 津田小委員長
    嶋田さん、どうぞ。
  • 嶋田委員
    ありがとうございます。
    ちょっとどうなるか分からないという部分が多いと思うんですけれども、要はフランスの国境近くのベルギーで出たということがありましたよね。先ほどのハンガリーについては、周辺のイノシシが面的にというか、じわじわ広がっているというイメージだったんですけれども、ちょっと不勉強な部分もあって申し訳ないんですが、ベルギーはちょっと飛んだというイメージがあるんですけれども、要はベルギーでの発生した原因、ルートというのは分かっているんでしょうか。要は、フランス国内でもいきなりぽんと出る可能性、その辺もちょっと教えていただければなと思います。
  • 沖田国際衛生対策室長
    御質問ありがとうございます。
    ベルギーで発生をしたのは、確かに全く、もう本当に飛び地みたいにぽんと飛んだと。ある日突然という形だったんですが、ベルギー当局の報告等を読んでみますと、いわゆるヨーロッパの東側から物資を運ぶためのトラックドライバーが入ってくるわけですけれども、そのトラックドライバーがASFが発生しているような地域において、食品、食材、肉を使った食材を購入して持ち込んでいる。それを、トラックドライバーですので、いわゆるサービスエリアみたいなところで食べて捨てる。どうも、そういうものが原因ではないかということをベルギー当局から聞いておるところです。
    ちなみに、ベルギーにおける野生イノシシでの発生ですけれども、今年の3月を最後にして、それ以降発生していないという状況で、ベルギー当局も、これまで張っていた制限区域を見直す方向に今あるということで、ベルギーのイノシシの発生状況はコントロールされているというふうに、我々見ているところです。
  • 津田小委員長
    よろしいですか。
  • 嶋田委員
    ありがとうございました。
    それこそ、そういうドライバーさんのようなことがあったということであれば、フランスとしてもリスクとしては捉えていらっしゃるとは思うんですけれども、その辺もちょっと重要なのかなというふうに感じました。ありがとうございます。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    そういったことも含めて、やっぱり発生の、どういった状況で起きるか分からないので、そこのフランス自体がどういったリスクを考えているか、今回は野生イノシシだけのリスクとしてゾーニングの対応ということなんですけれども、そういった外からいろんな形で入ってくるものに対してどういう対応をするか。もし、発生があった場合に、どういうふうな防疫の範囲でどういった対応をするかというのも、EU令では書いてあるでしょうけれども、国内でどういうふうな、フランス国内で対応しているかというのもちょっと調べていただきたいなと思います。
  • 沖田国際衛生対策室長
    ありがとうございます。
    御指摘いただいたとおり、ちょっとフランスの当局から情報を収集して、どのような上乗せ措置にするかというのを検討したいと思います。
  • 津田小委員長
    ほかにございませんでしょうか。
  • 事務局
    動衛研、筒井先生より、御質問が1点ございます。
  • 津田小委員長
    筒井さん、お願いします。
  • 筒井委員
    発生がないときのリスク評価ということで、事務局に説明していただきまして、内容は理解したんですが、これ、全く、全くではないでしょうけれども、新しい形で、今後リスク評価を進めていくということで、ちょっと幾つか質問があるんですけれども。まず1点、これはいわゆる発生がない状況の中でのリスク評価ということなので、かなり発生状況に応じて、その対策、それから必要な対策とかは変わってくるとは思うんですけれども、その辺りはどう考えればよろしいんでしたっけ。
  • 沖田国際衛生対策室長
    ありがとうございます。
    正に、なかなかその評価が難しいというのはそのとおりだと思います。ただ、リスク評価というか、発生した場合のどういう対応を考えているのかというところは、フランス側にこれは情報を求めていきたいと思っておりますけれども、例えば場合分けをして、状況に応じて対応を変えていこうとしているのか、そういったことをちょっと詳細な情報を収集をしたいと思います。その中で、その情報をまた先生方にフィードバックしながら議論をしていただこうかなというふうに考えておるところです。
  • 津田小委員長
    筒井さん、分かりますか。
  • 筒井委員
    いずれにしても、ちょっと発生がない状況なので、そのリスクを具体的に評価するというのはちょっと難しいというか、検討が必要かなというふうには思いました。
    あと、具体的にその発生状況を、発生した場合に、私がちょっとこの説明を聞いて印象に思ったのは、いわゆるそもそもの相手国、例えばフランスのシステムを評価して、そのシステムがちゃんとワークするかどうかということについて、実施状況の実効性といいますか、その確認をやるということになると、具体的にその時点で評価するというのは、例えばシステムをあらかじめ、こういった牛豚小委なり、今回のリスク評価チームで評価をして、実際に発生した場合にそれが適切かどうかというのは農林水産省のどこで判断されるという流れになるんでしょうか。
  • 沖田国際衛生対策室長
    御質問は、発生した場合にリスク評価をするということでしょうか。
  • 筒井委員
    発生した場合に実効性を評価するというのはリスク評価ではなくて、行政的にそれを判断する、そして判断した結果がよければ、そのまま輸入手続に入るということになりますか。
  • 沖田国際衛生対策室長
    はい。基本的な考え方は、発生してから改めてリスク評価ではなくて、発生してからするのは措置の実行の確認です。そこの部分だけをやるということで、リスク評価のコンポーネントは一切入らない。もうそれは既に最初の段階で終わらせるということで行きたいというのが、考えているアプローチです。
  • 筒井委員
    なるほど。結構難しいですね。リスクがどうかということについて、実効性も含めた話だとちょっと思いましたので、その点はまたちょっとおいおい整理をしていく必要があるのかなという気はしました。
    それと、私としては、これはシステムの評価なので、これは例えばアフリカ豚コレラに限らず、口蹄疫だ、鳥インフルエンザだというものにも、こういうものを適用していくということですか。
  • 沖田国際衛生対策室長
    はい。正直言いますと、ASFについては、今回こういうリスク評価をするのは初めてなんですけれども、これまでにも高病原性鳥インフルエンザに関しては、それに近いようなというとあれですけれども、実際にまだ発生していない現状の中でリスク評価をした上で一定の条件を付けて適用するというようなことも、既に行っておるところです。
    また、既に家畜衛生部会の諮問をさせていただいているところですが、例えば、アメリカに関して、口蹄疫が発生した場合のゾーニングというものについてのリスク評価、既に諮問をしているところですが、そういった動きは既にもう始まっているところです。
  • 筒井委員
    分かりました。今後の制度として、こういった発生がない段階であらかじめ、リスク評価なのかシステム評価なのかは別として、もうこういった評価を行って、発生した段階では、もうそれが行政的に、その実効性の評価を行って、輸入の継続等について決定していくというスキームになっていくということですね。
  • 沖田国際衛生対策室長
    全部が全部、一気に移るわけではないですけれども、そういったことも既にほかの病気でも始めておりますので、通常というか、今までやってきたようなものも、この先必要に応じては当然やることになると思いますけれども、両方あるというふうに理解いただければと思います。
  • 筒井委員
    分かりました。それが輸入リスク評価になるかどうかというのは、ちょっと、言葉使いの問題なのでこだわりませんけれども、リスク評価になると、何がリスクなのかというのが少し不明確でしたので、質問をさせていただきました。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    それぞれの国の事情にもよって、そのリスクの、要するに侵入可能性の多いか少ないかというのも、それぞれ国の事情なり、社会制度なりということもいろいろ違うでしょうから、そこら辺も含めて、きっちり調査していただければというふうに思います。
    ほかにございませんでしょうか。リモートの方はどうですか。
  • 事務局
    ないようです。
  • 津田小委員長
    よろしいですか。
    それでは、ほかにないようでございましたら、この件につきましては、事務局において今日の御意見を整理していただいて、情報収集の上で、再度小委員会開催ということにしてもらうことでよろしいでしょうか。よろしいですか、委員の皆さん方。オーケー来たかな、リモートの方。
  • 事務局
    小渕委員、中島委員、嶋田委員より、全委員より承諾、返信ありました。
  • 津田小委員長
    ありがとうございます。
    了解いただきました。それでは、ありがとうございました。
    それでは、これで全体の議題が終わりましたけれども、全体を通して委員の皆さんから御意見、御質問ありますでしょうか。全体を通してです。もう大体議題、終わりましたので。
    特にないようでしたら、これをもちまして終了させていただこうと思いますが、事務局の方からお願いします。
  • 星野家畜防疫対策室長
    今日は長時間にわたり、ありがとうございました。
    本日、御議論いただきました中身をベースに、これからの対策あるいは手続の的確な実施に努めていきたいというふうに思います。先生方におかれましては、引き続き、御指導いただければと思います。今日はどうもありがとうございました。
  • 津田小委員長
    それでは、これをもちまして食料・農業・農村政策審議会の家畜衛生部会第60回牛豚等疾病小委員会を閉会いたします。
    ありがとうございました。

午後5時56分   閉会

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