このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

食料・農業・農村政策審議会企画部会(令和元年9月19日)議事概要


PDF版(PDF : 486KB)

1.日時:令和元年9月19日(木曜日)15時00分~17時26分

2.場所:農林水産省本省第2特別会議室

3.出席委員:有田委員、磯崎委員、大橋部会長、栗本委員、近藤委員、佐藤委員、染谷委員、髙島委員、髙野委員、中家委員、堀切委員、宮島委員、柚木委員、大山専門委員、図司専門委員、中谷専門委員、西村専門委員(三輪委員は欠席)

4.概要

〇現行基本計画のうち、食料の安定供給の確保に関する施策について検証。

 

【主な発言】

(中家委員)

・非常にボリュームがあり、読み込めない部分がある。次の回に返すことがあっても容赦願いたい。

・P13のGAPについて、中長期的に目指す姿を「2030年までに、ほぼ全ての産地でGAPを実施」としている。JAグループとしてもGAPの取組を進めているが、なかなか進まないのが現状。その要因として、GAPに取り組むメリットが見えづらいこと、コストがかかることを言われる。来年のオリパラがGAP推進の起爆剤となると言われていたが、それほど進んでいない印象。推進体制を含めた支援が必要ではないか。現状を踏まえると、「2030年までに、ほぼ全ての産地でGAPを実施」には少し違和感を覚える。

・P15原料原産地表示について、中食や外食が増えていく中で、それらの表示も徹底して進めることで国産の消費拡大にもつながる。ぜひ取り組んでほしい。

・食育について、食育基本法ができて十数年になるが浸透していないというか国民的な運動になっていない。都道府県や市町村が計画を作るのが目的でなく、どう実践に活かされるかが重要。農水省だけではなく省庁横断的に、特に文科省との連携で、学校教育の中に食育をもう少し取り入れてもらいたい。私の地元の和歌山のJAグループでは、学校で農園を作って教育の中に活かしている。先生方からは情操教育にも役立っていると聞いている。こういった活動を全国展開して、農業に関わる部分を教育の中に入れてもらいたい。

・和食について、日本型食生活を推進しており、和食は日本人に最も合った食生活だと思っている。厚労省とも連携して科学的に良いということを証明し、発信できたらインパクトがあるのでお願いする。

・FANの取組について、是非とも、我々も一緒にやっていくので、推進をお願いする。

 

(大山委員)

・中家委員の最後の意見に賛同。和食について、本計画が閣議決定されるものであり、拘束力を持つものであることを鑑みると、どこまで書き込めるかという問題があるとともに特定の疾患の名前を書くのは気が引けるが、大腸がん、乳がんなど食の欧米化に伴う脂質の増加、生活習慣病などカロリー過多によっておこる病気について、和食の優位性に科学的定見のある部分は計画に盛り込むべき。この優位性に係るデータを盛り込んで、国民の健康と自分の健康を保つという観点により訴求力にある計画とすることが、やがて和食を中心とした地産地消、自分の国を愛することにつながると考える。国産の中で食べていくものも、健康面での科学的優位性をにじませた方がよい。多岐にわたって、専門的なこと、実務的なことも網羅されているが、国民への訴求力、見て聞いてなるほどなと思うような工夫が必要。

 

(堀切委員)

・食育、和食について申し上げる。企業の事業活動の一環として2005年から食育に取り組んでいる。和食と一言で言っても世代によって異なる。定義はあると思うが、私は、和食とは四季折々の旬の食材を活かした一汁三菜をベースとした食事だと思う。他方、若い人にとってはラーメンもカレーも和食。人や世代、生活環境によって捉え方が異なるのできちんと整理するとよい。学校教育の中で、食体験、農業体験などをと言われているが、基本は家庭。だが、最近は家庭での調理が減っている。一世代変わると、調理時間が10分くらい短くなる。かつて3食で1時間くらいあったものが、今は30分を切っているともいわれる。顧客を見ても食品に対する知識や技能が減ってきていると感じる。中食で手軽においしく食べられる環境が整ってきたともいえるが、今は母親の作った料理を3食食べることは少なく、家庭において食育を実践していく必要があると考える。

 

(中谷委員)

・和食なんぞやという話があったが、食育についてもさまざまな面からの取り組みがある。学会において食育に関する包括的な研究は少なく、この原因として、大枠での食育の定義がなされていないためと理解している。食育のさらなる推進のためには、家庭レベル、大人に対する食育等の議論も必要。そのうえで国レベルでネットワークを築き、地域で地道に頑張っている人の努力を、国レベルで共有できるとよい。また、PFCバランスの推移を学生とともに分析したところ、F(脂質)は増えていると言われているが、C(炭水化物)が減っていることでFが相対的に増えている結果となった。副菜と併せてごはんを摂るということを推進することが、自給率、国民の健康や生活習慣病予防にもつながる。

 

(有田委員)

・食育の定義の有無について役所側にお伺いしたい。食育という言葉が世に出て何年も経過している中で、共通認識を持っていないがためにこのような定義の問題が起こっているのかお答えいただきたい。例えば、世代間による言葉のイメージの違いについて言えば、小中学校ではカロリーが必要だが、高齢になるとカロリー過多になるように世代間で違うと思う。

 

(消費・安全局審議官)

・定義については、食育基本法のなかで「様々な経験を通じて食に関する知識や選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てること」と定義されている。食育の中でも和食の推進について、日本型食生活の推進や食文化の継承という形で取り組まれている。国の計画に基づき、全ての都道府県で、市町村では9割程度で計画が策定されている。学校教育の取組としては、2020年から順次実施される新しい学習指導要領の中で食育の位置付けが強化されている。先進的な取組を横展開することで、実際の学校の取組が広がっていくことが重要。

 

(食料産業局長)

・食品表示は、消費者は多くの情報を表示してほしい、企業からはコストがかかるというせめぎ合いの中で、両者のバランスにより義務付けや推奨といったことが定められており、こうしたルールの中で偽装表示等がないように徹底するのが政府の役割。

・「和食」の定義については、和食をユネスコに登録した際にも議論があったが、「自然の尊重という日本人の精神を体現した食に関する社会的慣習」としており、古来から続くものだけでなく、カレーやナポリタンも和食に位置づけている。

・健康にいいことをすぐに証明できればよいが、エビデンスに基づく整理は数年でできるものはではない。

・昭和のPFCバランスが健康にいいということは、これまでも国民に訴えており、PFCの乱れを含め、国民に訴える必要。

 

(生産局長)

・GAPの取組については、「GAPを実施する」と「GAP認証をとる」に分けられ、「2030年までにほぼ全ての産地でGAPを実施」するというのは「GAPを実施する」の取組である。GAPを実施することは、食品安全、環境保全、労働安全等に取り組んで記録に残して経営改善につなげるもので、経営管理に必要なことと考えている。農林水産省では、GAPの推進に当たってオリパラ東京大会までを第1期としている。オリパラ東京大会の食材調達基準でGAP認証等が要件化されており、選手村にしっかり国産食材を供給することを目指して推進しているところであり、総量としては十分に供給できる状況である。また、オリパラ東京大会後、2030年までを第2期として、ほぼ全ての産地でGAPを実施していただくことを目標としている。GAP認証取得にコストがかかる点については、グループを作って団体認証してもらうことで農業者当たりのコストを低く抑えられるので、ぜひJAの部会等で進めていただきたい。

 

(図司委員)

・食育について今までは総合学習のような形で取り組まれてきたが、高校教育の地域魅力化型カリキュラムの中では、課題解決型教育で地域を元気にするプログラムで取り組まれている。高校生の場合、地域課題解決で農業が取り上げられる。もう一つ上のレベルとして、地域経済の中で農業を捉えて、農産物を加工して付加価値をつけるような繋がりを扱ったり、教育の現場でももう少し広げて、給食だけではなく、地産地消や地域活性化の観点から食育と繋がっていくと動きが出てくる。

・HACCPについて、都心の百貨店、スーパーへの販売や輸出では求められるが、地元の加工業者や福祉施設との取引では求められず、なかなかHACCPを取ろうというところまで至らないが、ある程度のレベルは必要。家族経営等では投資ができず取り組みにくいという声を聞くので、地場の中小企業への支援が盛り込まれると実績が上がると思う。

 

(柚木委員)

・国産農産物の消費拡大について、中食・外食が増えてきている中で、ターゲットを中食・外食にして日本型食生活・和食を広める必要があるのではないか。外食事業者や中食事業者の方々にその方向等を示す必要がある。

・家庭内での食事についても国民的な運動として引き続きやっていくべき。

・学校給食の地産地消は大事。ヒアリングでもあったように、学校給食の費用の上限がある中で、地場の産品がなかなか使えていない。農業政策として地域の産品を提供できるように強化していく必要。

・肥料制度の見直しについても重要。同時に生産サイドでも土づくりや土壌診断の意識をもっと持つ必要がある。地力が落ちてきているので、土づくりを徹底し、生産現場と肥料の制度見直しをリンクしながら進めていくべき。

 

(宮島委員)

・和食や食文化を守る必要はあるが、変化に即して実現可能な範囲で働きかけがなされると良い。「やっぱりご飯でしょ!」自体は必要だが、ご飯を食べろというだけでは進まない。この世代の人達にはこうとか、きめ細かにする必要。この世代に対しては、これが効くというのをしっかりとアピールすることが必要。全部が素晴らしいというわけではなく、世代ごとの丁寧なやり方が必要。若い人は多く食べればというが、スポーツ前は多くごはんを摂るけれども、夜は良質なたんぱく質といったことがある。現実的には共働きが広がっているが、働き方改革が相当進まない限りは父母が家庭で1950年代の和食を作るのは現実的に厳しい。より簡単に現実的にできるように。外食でもよい地産地消や国産が提供できるような提案があれば、みんながついていける。外食でもこういうことに気を配っているということをウリにしていくこともいいのでは。こうした情勢でも可能な範囲での提案が必要。

 

(染谷委員)

・生産した米を学校に供給しているが、「給食費を払っているからいただきますという必要はない」といった親もいるそう。

・「カンボジアに学校を建てる会でカンボジアに行ったが、日本人目線では質素な食事だがおいしかった」という話を柏市の中学生にしたら、多くの反応があった。こうした親がいる中では、農家からこのようにしっかり情報発信する必要があると感じており、実践している。

・末端の学校まで分かるように進めていく必要。各学校で食育集会も行われているが、そこで農水省の取組も共有されるとよい。

 

(栗本委員)

・農薬に対する農業者の知識がく、本が更新される速度も遅い。薬剤への抵抗性もすぐ付いてしまう。再評価は迅速にしっかりやってもらいたい。

・メインのテーマとなっているが食育や和食の定義を聞いても腑に落ちない。子供たちは給食を通して食育の恩恵を受けているが、親は何をやっているのか分かっていないように思える。一汁三菜の話があったが、女性活躍の中で、母親はこれ以上どうすればいいのかという声もある。目標設定にこうしたダイレクトに影響を受けている方々の声が反映されていないように感じている。

 

(髙野委員)

・和食の健康性の証明は時間がかかるがやっていかないといけない。食事は一定期間の中でどのようなものを食べているのかという解析であり、大学や研究機関を活用して進めていくべきではないか。調理や栄養に関わる人たちの活用も必要。三世代居住から変わり、祖父母からの伝承が減っている。時間を有効的に活用するために色々なものを使っているが、子供の食育という観点でどうかなというのはある。自ら、自分が健康になるために何を食べればいいかという知識を身に着けることが必要。

・フードロスの問題は、捨てられたものをどう活用するか。エネルギーにするか肥料・飼料にすることを効率的に取り組んでいく必要。フードロスをうまく減らしていくと良い。日本人はもったいないという気持ちを持っているので、そうしたところも活用できる。

 

(西村委員)

・食のトレンドは変わるのが早い。誰が発信するのかが重要。約20年前に米国からマクロビオティックが入り、海外セレブが玄米菜食を流行らせた。その流れで女性や若い世代が支持する農家レストランが増えた。抹茶もスーパーフードとして逆輸入されているし、味噌や醤油等の発酵食品の価値も高まっている。和食の定義をする際に、どのフィールドで定義するかによってばらばらになってしまうのではないか。日本の食文化を継承するには、世界の中で認められる文化にする必要があり、日本政府や生産者だけがPRするのではなく、海外著名人からも発信されることがグローバル化につながる。

・地元産品の海外販路開拓を目的とする地域商社事業に取り組むなかで、輸出戦略において国と地方が連携がとれていないと感じる。日本ブランドではなく地域ブランドの消耗戦をしている。地方自治体や地域商社がバラバラに営業コストをかけるならジャパンブランドとして連携して売込みをするべき。また国から委託を受けて、これら自治体や地域商社のサポートをする事業者いるが、マニュアル化された現地でのプロモーションなどでは、継続的な商流作りまで支援していないのが現状。政府の目的としているグローバル戦略と事業者のKPI、KGIが共有されてないのではないか。

(髙島委員)

・和食の健康への寄与に関するエビデンスについて、健常者向けと疾病者向けではアプローチが変わってくると思う。健常者向けについての問題点は和食が体にいいという英語論文数が圧倒的に少ないことである。国内と海外とで和食に対する認識が異なっている。一方で地中海料理の英語論文はたくさんある。日本人が思っているほど、海外では和食と健康がリンクしていないのではないか。著名人によるプロモーションだけでなく、和食についても健康への寄与に関するエビデンスの量と英語論文を増やす必要。

・疾病と食について、これからは100歳まで生きる中で病気と付き合いながら食事をしていくことになるので、厚労省と農水省の領域の重なるところでビジネスのイノベーションが起きやすい環境をつくることが必要。糖尿病向けの食事や、がん治療者の副作用を抑制する食事など、エビデンスを示すことは難しいがビジネスがやりやすい環境整備をすることが有効だと思う。

・食育について、健康に対する意識があるが、地球にいいという意識は極めて低い。欧米では幼少期から地球環境にいいという意識を育てており、市場も大きい。サステナブルに関する教育も必要。

 

(農林水産技術会議事務局長)

・和食をグローバルに進めていく中で、地中海料理は確かに文献がたくさんある。推進力が強く、どんどん打っていくために文献が出ている。和食もエビデンスをしっかり作っていきたい。農学の分野だけでなく、栄養学や医学の分野も含めて推進していきたい。3年前から「知」の集積と活用の場でオープンイノベーションの取組を進めている。大学を中心に和食の優位性に関する研究をしているが、まだ基礎研究段階であるため、これからもしっかり取り組む。味噌など発酵食品を中心に優位性を持ちたい。現在も各省と検討中だが、ヘルスケア産業の分野で、医療器具や創薬のプロジェクトの中で科学的知見に基づいた医食同源プロジェクトを創ろうとしている。医療よりも食の側面で取り組んでいこうとしている。

 

(食料産業局長)

・HACCPは2021年に全ての食品事業者が導入することとしており、これまで研修や手引書の作成、金融措置等の支援を講じてきた。今後も対応できるようにしていきたい。

・外食・中食業を通じた食生活推進について、企業がコストだけを考えるのではなく、SDGsの観点から国産原材料の使用が企業イメージの向上につながるようなムーブメントを作りたい。

・和食の伝承者がいないという課題については、地域の伝統食のデータベースを残す取組を始めた。

・輸出でブランドの消耗戦になっているのはそのとおり。ブランドを統一して輸出するべきだが、事業者の自主的な取組なので止められない部分もある。農水省ではJFOODOで統一的なプロモーションを行っている。

・農水省ではJETROを通して海外の販路開拓をしており、事業者に委託はしていない。西村委員御指摘の件については事業者独自でやられたことではないか。

 

(消費・安全局審議官)

・食育については、関係省庁を含めた評価専門委員会で検討している。その議論の中では若い世代でバランス取れた食事をとっているか、そもそも朝食をとっているのかを調査すると、数字があまりよくない。若い世代をターゲットにして、企業を通した取組の強化やSDGsとの連携などの重要性が議論されている。

・エビデンスを実際の取組に活かした成功例として、朝食をとることと学力との間に相関関係があるというエビデンスに基づいて、「早寝、早起き、朝ごはん」という実際の運動につながっていた例がある。このような例を他分野に広げていくことも重要。

・肥料の関係については、土づくりに重要な堆肥と化学肥料の混合を可能にし、あまり手間をかけずに土づくりができるようにしていきたいと考えている。また、農薬の関係については、改正農薬取締法に基づき、再評価をして、安全性を確認していきたい。現場への情報提供についてもやり方を工夫する。

 

(大山委員)

・基本計画は白書と違ってトピックで打ち出すことはないと思うが、自給率が4割切っていて、国民の耳にも届いていると思う。しかし次の日には気持ちから流れていく。通商的な枠組みもあると思うが、自給率と安保のことは国民に分かるような記述が必要ではないか。エネルギー安全保障については、ホルムズ海峡が1か月閉鎖されるとあっという間に日本全土で計画停電をする必要が出てくるなどの予測があり、背景説明で出やすい。豊かなのでそういう心配がないが、円が弱くなったら、輸入が多いときにコストが上がることもある。為替の問題で書くのはどうかと思うが、小麦輸出国が大不作になったら、どの国も自国が大事となる。世界の需給はひっ迫することはあっても緩むことはないと思う。食料自給率と食料安全保障、この2つの概念がいかに大事なのかをしっかりとリンクさせて説明していく必要があるのでないか。よく読むとリンクしているが、していないように思える項目もある。生々しくというか論理的に、明確に記載して、国民に理解してもらうことも重要。

 

(中家委員)

・食料安全保障の確立という項目があるが、これは自給率等とは切っても切れない。P24に安保確立、中長期的に目指す姿で、輸入穀物が安定的に供給されていると記載があるが、それだけでは安全保障にならないと思う。今回、そうした国内の話とは別の観点でということなのか、確認したい。

・安定供給という部分では、ものすごくリスクが高まっている。生産基盤の弱体化や世界的な異常気象による災害、人口増など、もし食料輸入が止まった時どうなるのか、このリスクを含め国民にどう知らしめていくかが重要。国内生産を基本に賄うことが大前提であり、食料安保は今回の計画の柱になると思う。

 

(磯崎委員)

・農業は農家がやるだけではなく企業と一緒に取り組んでいかないとますます衰退していく恐れがある。ビールと言えばホップだが、ホップ農家はこのままではなくなってしまう。現時点では海外産の方が安いが、国内産がゼロになると価格は吊り上げられる。クラフトビールはホップを大量に使うため、国内で生産できれば海外に輸出することもできるようになる。弊社では、育種して、それを育ててもらっているし、人がいなければ若い人にやらせている。単純に安いものを持って行っても付加価値がない。ブランドとして確立し、高付加価値化するためには、食の安全が大事であり、有機農業や減農薬栽培といった取組をしっかり進めることが必要。官民一緒にやっていくべき。ブランドがないものは単なる素材。日本の職人的良さをぜひ広めていきたい。

 

(総括審議官)

・食料安全保障について資料で取り上げているが、今日の議論は、食料・農業・農村基本法第19条に「国民が最低限度必要とする食料の供給を確保するための必要があるときは、食料の増産、流通の制限そのほか必要な施策を講ずるものとする。」とあるとおり、危機的状況に陥った時にどう備えをするかという議論。中家委員の言うとおり、国内生産が基本というのは、基本法の最初に書いてあることなので当然維持しつつ、必要最小限な輸入が止まった時にどうするかというのが今日の議論。国内生産については、次回以降の議論としたい。

・大山委員の言う、危機的状況の国民へのPRについては、以前「緊急事態食料安全保障指針」というものを出しており、その時はマスコミにも取り上げてもらった。今後も定期的にこうしたアラームを発信していきたい。

 

(髙島委員)

・輸出について、日本の良さをローカライズしていくことが、日本のいいものをブランディングしていく上で重要。りんごを香港とタイに輸出しているが、香港人が良いとするりんごと、タイ人が良いとするりんごは違う。日本で余ったものを売ればよいというアプローチでは太刀打ちできない。それぞれの輸出先国用に栽培するなど、輸出を前提に栽培しないと本当の意味で受け入れてもらえるものにならない。この国でこれが必要という情報を生産者に共有することは難しい。タイでは小さいりんごでないと売るのは難しいが、小さいりんごを大量に作るのを国内生産者に依頼しても、やってみようというのは勇気がいる。タイ人が好む物を作れば売れるのに、なかなか民間企業でも流通業者と生産者が一体となっていない。生産者にとって勇気がいる部分について支援があるとよい。

・生産、加工、流通については、国よりも民間企業でやることだと思うが、食品業界でシェアリングエコノミーがあると良い。様々な地域で付加価値を作ろうという動きがあるが、ジャムを作ろうという時に、大きな工場が地域にないが、小さい加工場ならあるという時に、小さな工場でやっていてもなかなか拡大できない。そんな時に、隣の県に稼働率の低い工場があった場合に、マッチングができればビジネスが広がるが、たまたま出会えない限り難しい。食品業界の物流機能や稼働率がどういう状況にあるのか民間でマッチングできれば良いが、現状生まれそうにないので、Airbnbのようなものができれば活性化すると思う。

 

(宮島委員)

・食品ロス削減について、商慣習の見直しに取り組んでいるが、現実に、システムそのものが食ロスを生みやすくなっているが改善できていない。個別の事業者にどこまで口出しするかは別の話だとは思うが、コンビニは仕入れとお金の分担が違うのでそもそも食品ロスを生みやすい。本部はたくさん発注した方が良いが、廃棄は加盟店が負担する仕組みになっているので廃棄ロスが出るような仕組みになっている。具体的に手を入れて見直していかないと、大きな形としてロスを減らすことは難しい。

・料理を持ち帰れないのはもったいない。地域でもドギーバックを取り入れていることころはあるが、多くの企業では食中毒のリスクが嫌でやっていない。消費者との間でルール化をしていくような明確な基準を作り、同意したなら持って帰る、食中毒になったら自己責任というようにすれば、持ち帰りたいのにできないということが減ると思う。商慣習だけでなく、現状のシステムがロスを生み出していることについての改善も必要。

 

(中谷委員)

・P19の先物取引について、マーケットには卸売市場と先物市場があるが、現行の基本計画はそれらを整備するとされているが、コメの先物について今後どう取り扱っていくのか。マーケットがあることは大事なので、先物市場も必要だと思う。マーケットを作っても一度閉じると、また作るのは大変な労力が必要。標準的な農産物を広く行き渡らせようとするときに、マーケットは必要だと思うが、どう考えているのか。

・衛星データの利活用についてはデータサイエンスの世界になる。世界的な作柄や作況の把握に活用していると思うが、国内の土地利用を含めて統計データを集めるということで活用方策を検討していくのか。

 

(政策課参事官)

・衛星データについては、JAXAと連携協定を締結して主要農産物の輸出国の作柄データを作成しており、白書などにも掲載している。作柄だけでなく、国内の災害発生後のモニタリングや農地の現況確認などにも活用できるということであるので、幅広い活用ができるよう省内で研究を進めていきたい。

 

(食料産業局長)

・輸出について、日本で余ったから輸出するという発想ではだめだと思う。GFPでは商社からの商品リクエスト情報と生産者・製造業者から提供できる食品情報を双方向に交換できる。このような取組を増やしていきたい。

・食品産業のシェアリングについては面白いアイディアであり、また話を伺いたい。

・持ち帰りについては、消費者庁、環境省、厚生労働省とともに「飲食店等における食べ残し対策に取り組むに当たっての留意事項」を作成し、周知しているが、そもそも外食では食べきれるようにすることにも取り組まないといけないと考えている。

・先物取引の試験上場延長については、第3期回目と第4期回目の違いは取引量が減っているということ。先物市場は必要という意見と、必要ないという意見があり、今回次が最後の試験上場になるが2年間で本上場の是非を見極めたいと考えている。

 

(生産振興審議官)

・髙島委員からりんごの輸出の話があったが、輸出相手国が求めるものの情報のやりとりをして、例えばさつまいもは小さいものが売れるということで、小さい規格となるように栽培したり、長芋は逆に国内より大きいものが売れるということで、大きいものができる確率の高い品種を入れて栽培したりしている。生産者側で色々と試しており、意見を聞きつつ支援をしたい。

・ホップのブランド化では、横手や遠野での取組事例がある。新規就農のコースを設けたり、現場で検討会が行われたりしている。生産施設も古くなっており、農政局が検討会に参加し、支援できる方策を考えつつ対応している。

 

(統計部長)

・食品廃棄物について、直近の2018年のデータでは、食品産業全体で、年間約1,800万トンの食品廃棄物等が発生している。このうち、飼料、肥料、メタン、油脂・油脂製品、燃料、還元剤、エタノール等に再生利用されている量の比率は、業種間でばらつきがあるが、発生量で大宗を占める食品製造業では83%が再生利用されており、最終的に廃棄されている量は3%。食品卸売業、食品小売業、外食産業の順で再生利用の割合が小さくなるが、各業種でどう有効活用するかが重要だと思う。

 

(近藤委員)

・食料、農業、農村のバランスを取りながらどう自給率をあげるか。直近のセンサスでは就業人口183万人のうち漁業者を抜くと168万人で、65歳以上は2/3もいる。ほとんどが未来がない数字。他方、所有者不明の農地が拡大しており、なかなか農地の集約も進まないという構造を抱える中で、食料の安定供給ができるのか。輸出の議論もあるが、昨年のりんご生産量が80万トンあるが、産地から年内で出荷が終わりと言われ、輸出の方が高いから、輸出に振り向けると言われた。需給どころの話じゃない。みかんも今年は80万トンを切ると言われている。輸出にウェイトを置くべきかという議論もある。マーケットとしては海外も必要だが、政策のバランスの取り方が重要。

・なぜお金を出してまで新しい農家を育てるかだが、今は労働評価などが低いと思う。野菜の価格も下がっているのでこのままでは、新規就農を進めても暮らしが成り立たないとなる。昔と同じ政策をやっても効果がない。労働評価や再生産などのあり方の議論をしないといけない。

・たまたま今日の日経新聞でNSCに経済部門を位置づけるという話があったが、そこに農業や食料安全保障については入っていない。食べ物がなえれば戦えないので、国として食料安全保障を位置づけるくらいの農水省の主張があってもいいと思う。

 

(佐藤委員)

・食育について、農業者として、母として、女性として感じていることがある。食育は食べることの重要性を小さい頃から学ぶことで農業への理解が高まると思う。グローバルな話もあったが、まず自給率で考えると、日本の国内に都道府県があり、コメの生産が多い県、少ない県があり、補い合っているということを今の子供達が理解しているのかどうかと感じる。私は果樹をやっているが、果物を売ってお米を買っている。米を作る農家がいないと自分たちが食べているものが買えない。子供たちにどのくらい農家に助けられているかということを、食育で知るような内容を伝えられているか疑問。グローバル戦略も必要だし、国内にとどまっているだけではいけないが、福島県は規制の問題もあり、まだ苦境に立っている。規制の早期解決をお願いしたい。

 

(中家委員)

・家畜伝染病対策について、豚コレラについて大変心配。グローバル化、人とモノの交流が進んでいる中で非常に心配している。アフリカ豚コレラが韓国で発生しており、農家の衛生管理の徹底や水際対策の徹底をしないと大変なことになる。これも、施策の方向に記載いただきたい。

・国際交渉について、RCEPや日中韓FTAなどがあるが、協定が締結された後の影響がどれくらいあるのか、また、それを受けての。万全の国内対策についても、文言も盛り込む必要がある。

 

(柚木委員)

・電源確保対策について、北海道や台風15号などがあるが、流通だけでなく、生産サイドでも装置化された農業が多く、生産から加工流通までトータルでの電源確保対策が必要。

 

(総括審議官)

・近藤委員から政策のバランスの取り方の意見があった。再生産価格を維持するために収入をあげて、コストを下げれば所得として儲かるということを作ることが基本。今回の計画の見直しは、経営を持続することが大きなテーマなので、そういう方向でしっかり検討していく。

・電源確保対策については、装置産業化して、電源が農業に大きな影響を及ぼすことが増えた。ブラックアウトした際の対策も強化したい。

・国際交渉後の国内措置は協定後の影響を鑑みて講じていくものであり、農業経営の持続性も考慮して対策を検討していく。

 

(有田委員)

・エビデンスがあった上で消費者や国民にわかりやすく伝えることが必要。エビデンスが必要という話やイメージが大事という話もあり、まだ議論が蓄積されていな部分もあると思うが、少しでも科学的に解説ができた上でわかりやすく進めてほしい。

・食育の検討会にも出ているが、地産地消のデータについて、目標値が上がらないのは地域ごとに作っているものが違うということがある。日本全国網羅して国内産を使う目標値を作れば数値が伸びるのでは。検討会でも、若い人にどうやって和食を食べてもらうかばかり聞かれるがそれは難しい。同じ方向を向いて議論できればよい。

 

(大橋部会長)

・科学的エビデンスに加えて政策のエビデンスも必要。何を狙っているのかわからないと効果も把握できなくなる。だから政策のエビデンスがでてこない。やるなら、政策をやる前に効果がどうかということを見ていかないと。サイクルを作る必要があると思う。

・時間の関係もあるのでここで終わりにするが、コメントがあればまた事務局に提出してほしい。

 

(以上)

お問合せ先

大臣官房政策課

担当者:岡本、加集、早坂
代表:03-3502-8111(内線3086)
ダイヤルイン:03-3502-5515
FAX番号:03-3508-4080

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader