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農林水産省

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食料・農業・農村政策審議会企画部会(令和元年6月27日)議事概要

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日時:令和元年6月27日(木曜日) 10時00分~11時57分
場所:三番町共用会議所大会議室
出席委員:大山委員、大橋部会長、栗本委員、近藤委員、佐藤委員、染谷委員、中嶋委員、中家委員、三輪委員、柚木委員(有田委員、伊藤委員、髙島委員、十倉委員の4名は欠席)
概要:
【農業者等からのヒアリングを踏まえた意見交換】
(大山委員)
  • ヒアリングを通じて、農業者や食品事業者から日々の生産現場の生々しい課題を聞けたが、ほぼ全員が少子高齢化の中での将来の持続可能性に対する懸念を表明しており、国の政策においても重要。政府はSociety5.0で少子高齢化の中でも産業振興を進めているが、歴史的に見ても、通貨や財政の信任と同じくらい大事なのが農業。
  • 産業間で労働者を取り合う中、中長期的に安定して収入が得られることに不安があれば、新規就農者は来ない。資材費等の経営コストが上がる一方で、農産物の価格は上がっていない。農業者の所得を上げる方策については、国際ルールがある中で、日本独自の直接支払など、きめ細かにやっていると思うが、農業は市場メカニズムだけでも、規制と保護に偏っても失敗する一番難しい産業であるため、特に持続可能性、担い手確保、産業振興に係る施策については、きめ細やかに講じていただきたい。
  • やはり、需要喚起が重要であり、農業への国民的理解を向上させていく必要。国民に強迫観念を持たせるため、例えば、「将来の日本の農業と食を守るための新次元のエンゲル係数概念」など、新しい概念を示していくことも重要ではないか。
(中家委員)
  • 様々な農業者から話を聞けて大変参考になった。現基本計画を見返すと、課題や問題点はほとんど網羅されている。今後、次期基本計画の検討を行う際には、まずは5年前に立てた現計画、どういう取り組みをして、どういう結果だったかなど、検証・総括をする必要がある。
  • TPP11など国際化の進展、多発する自然災害での農業被害、各政策の変化など、この5年間の環境変化を見極めることが重要。
  • 基本計画の一番目にある「食料の安定供給」のリスクはこの5年で高まっていると認識しており、次期計画では食料安全保障を中心に掲げて欲しい。
  • ヒアリングでは、人や農地の持続可能性に対する不安が共通していた。一番重要なことは、国民・消費者に農業・農村は大切と認識をしていただくこと。切り口の一つは食。食は誰しも必要なもので、その背景に自然災害や農業生産基盤の弱体化、世界的な人口増加の問題などがあり、食を安定供給する上でのリスクが高まっている実態をきちんと国民に知らしめていくことが重要。そういう農業・農村の理解を得る運動を議論し、次期計画に位置付けて欲しい。
(三輪委員)
  • 昨今、審議会が自らリーダーシップを取るべきと多方面から指摘される中、今回のヒアリングは、農業者に寄り添い新しい未来を拓くという決意やメッセージとなり、非常に良いやり方。
  • 経営継承について、特に畜産分野や大規模施設園芸の事業継承に向け、制度的には相続税等もあるので、省庁間連携が必要となり、スムーズにバトンタッチが出来るような取組を考える必要がある。特に畜産は、新設が難しい状況で、今あるリソースや地域のポジションを継続することが重要。就農には様々な形態があり、形によって支援に軽重が付かないよう、きめ細やかな支援が必要。
  • スマート農業については、普及のための補助や税制措置があると良い。今後はそれぞれの農家自らが機械を所有することは少なくなり、複数でシェアしたり、地域でまとまって使用する方法でも補助対象となるよう見直しが必要。小規模農家でも、集まって作業効率を上げたとのことで、一つの大きな農家と扱えるようなサポートが必要。
  • ドローンや自律走行ロボットの問題、再生可能エネルギーの農業者間での活用、空のトラック荷台を活用した宅配共同事業等、他省庁所管のものも合わせて大胆に規制緩和に取り組むことが必要。
  • 耕畜連携を進める際、所有者不明農地など耕作放棄地をうまく活用していくことが重要。
  • 6次産業化について、成功事例、失敗事例を集め、そのコツを知ることが重要。
  • 海外展開について、日本の技術で現地生産、現地販売することは今後重要性が高まる。逆輸入には留意しつつも、5年、10年先を見据えて、インフラ輸出、知財輸出について、日本の農業者のためになる海外展開を描いて貰いたい。
(柚木委員)
  • ヒアリングでは幅広い方から意見を聞くことができた。次期基本計画を検討する上では、地域ごとの課題を具体的に明らかにしつつ在り方を示す必要。また、農業・農村の持続可能性についても、打ち出していく必要。
  • 経営継承については、家族経営・法人経営・集落営農のいずれの経営体であってもこれから重要であるが、それぞれに課題を抱えていることが分かった。特に集落営農については、地域のリーダーとなる次の人材の確保が困難。また、土地利用型で大規模の認定農業者はほとんどが借地なので、リタイアすると地域に大きな影響。
  • 新規就農について、特に畜産や果樹は大きな初期投資が必要だが、無収益期間をいかに短くするかは大切。また、雇用型の経営が増えている中、働き方改革の影響もあり、労働環境の整備が必要。
  • 農地集積についても、それぞれの地域性を踏まえて進め方を検討する必要。農地については所有権の放棄や寄付の要望もあり、モラルハザードにも留意しつつ、受け皿を検討する必要。その際の農地利用の仕方としては、粗放的な使い方もあり得る。
(中嶋委員)
  • 農業においては多様性が重要ではあるが、ヒアリングでは様々な分野で挑戦されている方々の話を聞くことができ、農業がますます魅力的な産業になっていく可能性を感じた。
  • 個別の経営体の規模が、これまで想定した以上のスピードで拡大している。その中で農地中間管理機構等、行政の対応すべき課題がよりクリアになった。集落営農については、そのガバナンス等の在り方を見直すべき時期に来ていると感じた。
  • おそらくこれから昭和の成功体験は通用しなくなるのだろう。令和になり、より持続可能性、SDGsが求められてくる。今までの成功体験やしがらみに捉われない、新しい発想に基づいた挑戦をすることが重要。
(染谷委員)
  • 基幹的農業従事者は65歳以上が3分の2であり、あと10年でリタイアする。そうすると食料自給率38%も維持できなくなるのではないかと懸念。
  • 現在、スマート農業を進めているが、機械代が大きな負担となっている。農業機械メーカーは農業の未来を考えて商品づくりを進めていただきたい。農業側の努力が足りないところもあるが、あらゆる立場の人たちに理解をしてもらい、補助金に頼らなくても再生産できるようになると良い。
(栗本委員)
  • ヒアリングした方々はみなさん確固たる理念を持ち、また、経営をなりわいとして捉えていたと感じた。
  • 農地中間管理機構に対する意見が多かったが、自分自身も新規就農者の面倒を見るために相談するが、結局自分が地権者に直接会いにいかなければならず、また、農業用水や排水等の情報が一元化されておらず、もっと積極的になってもらいたい。
  • 担い手の次世代への継承が重要。30~40歳代で就農したとしても、20~30年後にはすぐに次の世代へ継承することとなる。新規就農する人に対して、そういった観点も啓発しつつ、行政やJAのサポートを期待。
  • ヒアリング対象者には外国人労働者を活用している事例があまり多くないように感じた。まずは今いる地域の人を育てるという観点だった。確かに、日本人を幸せにできない人が、言葉や文化が違う外国人労働者や外国人技能実習生を幸せにすることはできないだろう。
  • 農業だけではなく、建設業や食品産業も高齢化や担い手の減少に苦しんでいる。社会全体でどう循環させていく必要があるのかを考える必要。「農学栄えて農業滅ぶ」といった事態に5年後、10年後ならないように、政策を進めていく必要。
(近藤委員)
  • ヒアリングは大変参考になったが、県・市町村の政策担当の方の意見も聞ければいいなと思った。市町村によっては農林部がなくなり、農政担当がいないところが増え、いくら良い政策を作っても伝えられていない。この問題をどうしていくかは課題。
  • 国際化の中、農業が産業として成り立つ仕組みを作っていくという視点が大切。私の地域では約360名の海外人材がいるものの、行政に対応窓口はないとのことであり、国際化に伴う農村の在り方を考えていかないといけない。過去に資材価格の国際比較をやっていたが、生産現場で生かせていない。国際化のマイナス面とプラス面を整理する必要。
  • 後継者問題については、所得をしっかり確保することが大切。後継ぎがいないのではなく、儲かっていないので継がせない。新規就農を推進すると、「国が食えない職業に就けと応援するのか」といった厳しい意見もある。
  • 有機農業は多くの方が触れており、ニーズが高まっているように感じた。次の基本計画では、大きく触れていただければと思う。
  • ながさき南部生産組合に生産者は140名いて、圃場数が1万超、1区画当たりは10a以下、それでも1人当たりの売り上げは1千万円以上。ただし、10年以内にいなくなる人は38名もいる。引き続き楽観視できない局面が続いている。
(佐藤委員)
  • 農業が大切であることを知ってもらうためには、食を介してだと思う。農家カフェを始めて4年、地元では桃を買うという意識はなかったが、お金を出しても桃パフェを食べたいという人が増えた。やはり、地元から意識を変えていくべきと感じた。
  • 自分の農園では、20代から70代まで雇用しているが、一般常識的な研修を外部の業者に委託したところ、途中で挫折する人がいなくなった。外から専門家の知見を入れることは、やはり効果的だと感じた。
  • 15年前から地元の学生の職場体験を受け入れているが、そうするとアルバイトの求人に応募してくれたりする。学校教育の中で農業の項目を入れてもらうとよいと思う。
  • 福島県にも耕作放棄された果樹園がたくさんある。その実態を行政が把握して、すぐに再利用できる仕組みや、後継者がいない人が耕作放棄地になる前に連絡するような仕組が必要。
(大橋部会長)
  • 今回のヒアリングでは、単に成功しているということだけではなく、他の人が共鳴・共感できる高いレベルの理念を持っている方が多かった。農業の持続可能性を考える上では、次世代に何を残せるかが非常に重要で、こうした視点で議論していくことが必要だと改めて強く感じた。立派な人ばかり呼んでいるのでは、という批判もあるかもしれないが、ロールモデルを考えることは重要であり、様々なロールモデルがあったと考えている。
  • 毎回、「次期基本計画も見据えて」と申し上げていたが、現在の施策がその目的を達成できているのかを浮き彫りにする意図もあったと受け止めている。これを改善に繋げていくには、あくまでヒアリングは一部の意見なので、統計等も含めて検証が必要。そういう意味では、EBPMの地道な作業は、農林水産省若手の政策立案能力も高めるための重要な訓練にもなるし、これからの基本計画の立案に繋がっていくのだと思う。
  • 国の政策の在り方について、国がもっと前面に出てきても良いのではないかという指摘が多かった。また、JAへの期待も大きかった。輸出、集落営農の合併・提携等、地元で頑張っても難しいものの方向付けをしっかりしていくと、個別の農家の潜在能力も発揮されるのではないかと感じた。
  • 暮らしは農業だけで完結するものではなく、農業政策は交通、福祉、介護、都市政策等と密接に絡んでいる。他省との連携や複数の局をまたいでの政策について、企画部会の場で横串を刺してEBPMで改善していく作業が必要だと思う。
(中家委員)
  • 輸出促進について、日本の人口が減る中で必要な取組だと思うが、一方で日本はその10倍輸入をしており、その額はますます増加している状況。改めて、国産農産物の消費拡大を大々的にPRすることが非常に重要。海外の輸入農産物に押されて国内のパイが小さくなっているイメージがあるため、このことを今回の基本計画のポイントとしてあげて欲しい。
【最後に大橋部会長より、農業者等からのヒアリングや本日の意見交換を踏まえ、事務局で論点を整理した上で、次の期の食料・農業・農村政策審議会に提示し、次期食料・農業・農村基本計画の議論に積極的に活用いただきたいと発言。】
(以上)


お問合せ先

大臣官房政策課

担当者:岡本、川上、潮田
代表:03-3502-8111(内線3086)
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FAX番号:03-3508-4080