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令和元年度第4回畜産部会議事録

PDF版(PDF : 519KB)

1.日時及び場所

日時:令和元年8月21日(水曜日)12:59~15:23
会場:三番町2階大会議室

2.議事

(1)開会

(2)挨拶

(3)委員紹介

(4)資料説明

(5)意見交換

(6)閉会

3.概要

開会

〇伏見畜産企画課長
それでは、定刻になりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会令和元年度第4回畜産部会を開催いたします。

委員の皆様方におかれましては、本日はご多忙中にもかかわらず、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。

私は、当部会の事務局を承っております、7月8日付で私は畜産振興課長から畜産企画課長になりました伏見でございます。どうぞよろしくお願いします。

開会に当たり、水田生産局長より挨拶がございます。水田生産局長、よろしくお願いいたします。

挨拶

〇水田生産局長
皆さん、こんにちは。私は7月8日付で生産局長になりました水田でございます。この第4回の畜産部会の開催に当たりまして、一言、ご挨拶を申し上げたいと思います。

委員の皆様方におかれましては、日ごろから農林水産行政、とりわけ畜産の行政の推進に当たりまして格段のご理解とご協力を賜っているところでございまして、この場をお借り申し上げまして厚く御礼を申し上げる次第でございます。

現在、ご承知のように次の酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針、これを視野に置いてこの畜産部会におきまして畜産農家を初め、関係する方々から現場のご意見を頂戴しているところでございまして、そして、論点を整理してまいりたいというふうに考えているところでございます。

本年4月から、これまでのこの部会で、まず1回目は肉用牛、そして、2回目は酪農、さらに3回目では食肉流通ということをテーマに、さまざまな生産、流通に関係いたしまして、現場の皆様方からご意見を頂戴したところでございます。今回は第4回でございます。生乳流通、これをテーマに現場の皆様のご意見を頂戴したいというふうに考えているところでございます。

今後の酪農、肉用牛が目指すべき姿というものを検討していく上で、現場の声、また、委員の皆様方のご意見、これを十分に踏まえまして、検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございますので、皆様の活発なご意見を頂戴できればというふうに思っているところでございます。本日はよろしくお願い申し上げたいと思います。

以上でございます。

〇伏見畜産企画課長
どうもありがとうございました。

水田局長は所要により、途中退席させていただきますので、よろしくお願いします。

それでは、議事を進めていただく前に、7月6日付で食料・農業・農村政策審議会委員が改選されております。この中で、知久委員がご本人から委員を辞任する意思を示されましたので、後任者として北海道の株式会社マドリン代表取締役、砂子田 円佳様を委員としてお迎えすることになりましたことから、そのことを私のほうから報告させていただきます。

この委員の改選を受けまして、畜産部会としても改めて食料・農業・農村政策審議会令第6条第3項の規定により、部会長を委員の互選により選任いただく必要がございます。つきましては、部会長の選任についてどなたか、ご意見がございましたらご発言をお願いいしたいと思います。

事務局としては次期酪肉近の見直しに向けたヒアリングを既に開始しているところでございます。引き続き、三輪委員に部会長をお願いできればと考えておりますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」の声)

〇伏見畜産企画課長
ありがとうございます。

異議なしという声でございますので、それでは、三輪委員を部会長に再任という形で、ご提案について異議なく了承されたということで進めさせていただきたいと思います。三輪委員、よろしくお願いいたします。

〇三輪部会長
皆様、改めましてこんにちは。ただいま部会長に再任いただきました三輪でございます。引き続き、委員の皆様におかれましては活発なご議論をいただければと思います。それでは、座って失礼します。

本日の部会でございますが、今日は生乳というところでございます。先ほど局長のほうからお話いただきましたように、酪肉近の検討を進めていくに当たりまして、食肉及び生乳等、幅広に事業者の方々から、もしくは流通事業者の方々からご意見をいただいてまいりました。このようなスタンスで部会を運営していくということに関しては、非常に多くの農業者の方々からも共感をいただき、ご支持をいただいているというふうに私自身は全国を回っている中で感じているというところでございます。

特に委員の皆様方及びヒアリング協力の事業者の皆様におかれましては、かなり率直なご意見もこの部会の場でいただけると、特になかなか、こういう場にお越しいただく機会も少ない生産者であったり、流通事業者の方には、この会議室でご発言されること自体、ご緊張されるというお話等もいただいておりますが、そういうような中で、日ごろの思いをぶつけていただいているというのが次の計画を立案するにあって、非常に重要なことだというふうに思っておりますので、ぜひ、そのような観点で委員の皆様及びヒアリング協力事業者の皆様方におかれましては、積極的なストレートなご意見をいただければというふうに思っております。私自身、若輩者でございますので、部会運営の拙い点が多々あるかと思いますが、そこの点はご容赦いただければ幸いでございます。

それでは、早速ではございますが、本日、非常に限られた時間でございます。また、各委員の方々、途中退席でございましたり、あとはオンタイムでご退席というふうなことを伺っておりますので、円滑な議事進行にご協力いただければ幸いでございます。

それでは、撮影の方は大丈夫ですか。この場でご退席という形でよろしくお願いいたします。

それでは、初めに委員のご紹介、出席状況のご報告をいただきたいと思います。事務局より出席状況等のご報告をよろしくお願いいたします。

委員紹介

〇伏見畜産企画課長
私から、本日、ご出席いただいている委員の方々を順にご紹介させていただきます。

まず、部会長の三輪委員でございます。

〇三輪部会長
よろしくお願いいたします。

〇伏見畜産企画課長
続きまして、石澤委員でございます。

〇石澤委員
よろしくお願いします。

〇伏見畜産企画課長
続きまして、小野寺委員でございます。

〇小野寺委員
よろしくお願いいたします。

〇伏見畜産企画課長
加藤委員でございます。

〇加藤委員
お願いします。

〇伏見畜産企画課長
金井委員でございます。

〇金井委員
よろしくお願いします。

〇伏見畜産企画課長
小谷委員でございます。

〇小谷委員
お願いします。

〇伏見畜産企画課長
里井委員でございます。

〇里井委員
よろしくお願いいたします。

〇伏見畜産企画課長
須藤委員でございますが、1時間ほどおくれるという連絡を受けておりますのでご了承願います。

それから、砂子田委員でございます。よろしくお願いします。

〇砂子田委員
よろしくお願いします。

〇伏見畜産企画課長
続きまして、藤嶋委員でございます。

〇藤嶋委員
よろしくお願いします。

〇伏見畜産企画課長
松永委員でございます。

〇松永委員
よろしくお願いします。

〇伏見畜産企画課長
西尾委員でございます。

〇西尾委員
よろしくお願いします。

〇伏見畜産企画課長
なお、有田委員、大山委員、釼持委員、築道委員、前田委員におかれましては、所要によりご欠席という連絡をいただいております。

審議会に関する規則では、委員及び議事に関係のある臨時委員の3分の1以上の出席がなければ、会議を開き、議決することができないと定められておりますが、本日は全体で17名のうち、後ほどいらっしゃる方も含めまして12名の委員にご参加いただいておりますので、規定数を満たしていることを報告いたします。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

先ほども申し上げましたが、本日の畜産部会の開催趣旨でございますが、酪肉近に向けた論点整理のためのヒアリングでございます。本日は第4回というところでございまして、生乳関係の生乳流通の観点からのヒアリングを実施させていただければと存じます。

本日、ご参加いただいている4名の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、ご参加いただきまして誠にありがとうございます。感謝を申し上げます。

それでは、本日のヒアリングご協力者の方々につきまして、事務局よりご紹介のほうをよろしくお願いいたします。

〇伏見畜産企画課長
それでは、本日のヒアリングご協力者の方々のご紹介をいたします。4名の方がいらっしゃいまして、ヒアリングご協力者の選定に当たっては、生乳の取引実態、生乳の処理状況や牛乳乳製品の今後の需給見通しといった観点から4名の方にお越しいただき、お話をお伺いいたすことといたしました。

まず、お一人目でございますが、北海道のホクレン農業協同組合連合会の瀧澤義一様でございます。ホクレン農業協同組合連合会は乳製品に向け、生乳の主たる供給地である北海道の指定生乳生産者団体であり、生乳の大産地である北海道で生産された生乳を北海道だけではなく、本州にも出荷しております。酪農家の生乳を一手に引き受け、乳業者へ配乳調整を行う指定生乳生産者団体のお立場からプレゼンを行っていただきます。

お二人目は、福岡県の九州生乳販売農業協同組合連合会の隈部洋様でございます。九州生乳販売農業協同組合連合会は、牛乳向け生乳の主たる供給地である都府県の指定生乳生産者団体であり、都府県の大産地である九州で生産された生乳を九州だけではなく、近畿地方の乳業工場にも出荷しております。ホクレン農業協同組合連合会様と同様に酪農家の生乳を一手に引き受け、乳業者へ配乳調整を行う指定生乳生産者団体のお立場からプレゼンを行っていただきます。

3人目は、栃木県の有限会社那須高原今牧場の髙橋雄幸様でございます。有限会社那須高原今牧場は、牧場内にチーズ工房を整備し、牛乳とヤギ乳を用いたチーズの製造販売を行っている牧場であり、当該牧場で製造されるチーズは数々のチーズコンテストで上位入賞し、国内大手航空会社の機内食にも採用されています。生産した生乳をみずから乳製品に加工する酪農家のお立場からプレゼンを行っていただきます。

4人目は委員でございますが、東京都の一般社団法人日本乳業協会の西尾啓治様でございます。畜産部会の臨時委員もご担当されております。一般社団法人日本乳業協会は、乳業メーカーで構成される団体であり、国内の生乳を処理し、消費者の需要に応じた牛乳乳製品を供給するお立場からプレゼンを行っていただきます。

本日、ヒアリングにお越しいただいた方々の紹介は以上でございます。よろしくお願いいたします。

続きまして、資料の確認をさせていただきます。お手元のタブレットPCをご覧ください。資料一覧から始まりまして、資料1から7の資料、参考資料1、参考資料2、参考資料3の計11個のPDFファイルが表示されているでしょうか。もし表示されていない場合、または議事進行中に不具合が生じた場合には、お近くの事務局までお申しつけください。

以上でございます。

〇三輪部会長
ご説明、ありがとうございます。

さて、本日の議事の進め方でございますが、まずはただいまご紹介いただきました4名のヒアリングご協力者の方々から、それぞれ約10分で経営の概況でございましたり、経営の課題と対応その他、ご意見、ご提言等についてご自由にご説明いただきたいというふうに存じます。引き続きまして、委員の皆様方から各ご協力者の方々へのご質問、ご意見等をいただくという形で進めさせていただければと思います。また、時間がございましたら、最後に全体を通して委員の皆様方から改めて意見をいただく場を設けさせていただければと考えております。時間は約2時間を予定しておるところでございます。

それでは、早速ではございますが、ヒアリングのほうに移らせていただければと思います。まず、初めは瀧澤さんからどうぞよろしくお願い申し上げます。

資料説明

〇瀧澤氏
皆さん、こんにちは。よろしくお願いいたします。ただいま紹介いただきましたホクレンの副会長をしております瀧澤でございます。今回、次期酪肉近につながるヒアリングということで、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。お礼を申し上げます。

では、早速ではございますが、まずはホクレンについてご紹介を申し上げます。座ってもよろしいでしょうか。ホクレンは道内のJAが出資いたしまして、経済事業を担うことを目的として設立された組織です。そして、今年4月18日でございましたけれども、創立100周年を迎え、式典を行い、これを機会に経営理念とコーポレートメッセージを設定いたしました。そして、改めて100周年を機会にホクレンの原点を確認するとともに、新たな100年に向けて各種事業に取り組んでいく思いでおります。

続いて、組織の概要についてであります。販売・購買事業を含め、取扱高は2018年度において1兆5,301億円、このうち、本日、お話しさせていただく生乳は、3,433億円と単一品目ではホクレンの取り扱いの中で最も大きいものとなっております。なお、ご案内のとおり、平成30年度より新たな畜安法に基づき、北海道知事より指定を受けて指定団体として業務を推進しております。

次に、北海道酪農の現状についてであります。日本の生乳生産は平成8年度がピークで、その後、減少が続いており、北海道においてもこの10年間で5度の前年比減となり、一進一退の状況にありましたが、平成30年度には前年比101.2%と増産を果たし、全国の54%が北海道で生産される状況となっております。これまでも離農者は一定数存在し、本会受託戸数は25年間で半減しておりますが、現状においても出荷乳量が1,000トン以下のいわゆる家族経営戸数は全体の8割強を占めており、この層が生乳生産量の維持・拡大及び北海道における地域コミュニティの維持に直結する重要な位置にあります。また、地域別生乳生産もバランスは大きく変わっている状況にあります。

このように生乳生産が停滞する状況において、再度、北海道酪農を将来展望のある魅力あるものとすべく、平成26年、JAグループ北海道として、このようなめざす姿を策定しております。特に本会としては、全道を共通目標に掲げた担い手が多様な経営方針を実現するための所得の確保を含め、さまざまな取り組みを行ってまいりました。

まずは乳価の関係であります。目指す姿の実現に向け、各乳業者の皆様と協議・交渉を進め、相互理解を図り、取引乳価の引き上げを実現してまいりました。これは生産者の系統結集の成果でもあり、本会及び北海道酪農への期待だと捉えているところであります。一方、下の図、棒線グラフになってございますが、過去には生乳需給の緩和に伴う乳価の低落及び減産型計画生産によって生乳生産基盤が弱体化し、その後の生乳生産への大きな影響がありました。持続的な酪農経営の確立に向けては、一定の所得水準の維持・継続が極めて重要です。なお、近年は特に牛舎建設等、必要な投資にかかわるコスト上昇が著しく、統計の平均値では表現されない部分もあるというふうに考えております。

また、酪農振興への取り組みについても並行して進めてきております。国等の各種事業に加え、本会としても独自の振興策を立ち上げ、取り組んでまいりました。また、生産現場の省力化の推進をすべく、スマート農業についての情報収集、発信、実証試験を進めております。人材育成に向けては、訓子府実証農場にて酪農研修生を受け入れ、今年度、新たに研修棟を設置するほか、行政、乳業者と協力のもと、農業経営塾を開設しております。なお、多くの関係者により外部支援組織の充実が図られつつありますが、一方では酪農ヘルパーの利用日数を見ると、酪農家の働き方改革とまで至っていないと捉えております。

続いて、安全安心な生乳の供給についてであります。北海道の衛生的乳質は、過去に取り組んだ生菌数削減運動や乳房炎防除対策等により改善が図られ、極めて高いレベルを維持しております。加えて、近年は生乳品質のデータを蓄積し、客観的な安全安心の担保等に取り組んでおります。

次に、牛乳・乳製品の消費拡大と北海道酪農への理解醸成についてであります。これまでの飲用需要の減退、輸入自由化等に伴う海外乳製品との競合等もあり、本会出荷生産者の拠出により、北海道牛乳普及協会等と連携して消費拡大事業を継続的に取り組んでまいりました。具体的な例としては、今年、東京・自由が丘にMILK LAND HOKKAIDO→TOKYOというアンテナショップを設置したほか、国のご支援もいただき、北海道地チーズ博等、さまざまな取り組みを進めてまいりました。

最後に、酪肉近計画策定に向けたヒアリングということでもありますので、4点ほど今後についての課題等を含めてお話をさせていただきたいと思います。

まず、1点目、生乳生産目標と生産基盤強化についてであります。需要に対し、生乳生産が追いつかない状況が続きましたが、北海道では消費者の方々への安定供給に向け、持続的な酪農経営の確立に向け、めざす姿を掲げ、誇りとプライドを持って増産に取り組んできたことにより、後継牛の頭数が増加に転じるなど、今後、増産が期待できる環境となりつつあります。

これに対し、方向性としては酪肉近における地域別の生産目標及び生乳需要の長期見通しについては、次の4点を踏まえた設定をお願いしたいと考えております。1点目、展望ある酪農乳業の未来に向けて前向きで意欲的なものであること、2点目、酪農家の生産意欲の後押しとなるものであること、3点目、食の安全保障の観点を考慮すること、4点目、飲用向けと乳製品向け双方の国産需要に応える内容とすること、なお、国内における需給調整機能、乳製品工場の稼働安定、処理能力確保等がございます、これらを確保していく観点からも検討を加え、生乳用途ごとの目標を設定すること。

また、安定供給に向けた増産型生産目標数量の達成には、JA北海道自らの取り組みに加え、生産現場の実態を踏まえ、これを後押しする政策的支援をお願いしたい。具体的には大きく8つの観点を記載させていただきました。画面の右下に記載してございます。

次に2点目でございます。飲用安定供給と日々・季節の需給調整についてです。飲用向けの安定供給を図るため、都府県の生乳生産量と飲用需要に連動する形でほくれん丸2船をフル活用し、生乳を道外移出しており、都府県の生乳生産量の減少が続く中、数量増等に対応するべく、本年、船舶を入れかえし、積載能力は23%増と現状はなっております。しかし、近年の輸送規制強化やドライバー不足、さらにはJR貨物にかかわる課題もあり、他の農産物を含め、需要に応じた輸送対応が困難となりつつあります。

これに対し、方向性としては、都府県の生乳生産基盤の立て直しが重要であり、適切な支援が必要であると考えております。本会としては、今後も飲用牛乳等の安定供給に向け、最大限、取り組んでまいりますので、乳業者及びその先の関係者の方々への理解醸成及び輸送効率化に向けた支援をお願いしたいと思います。また、近年は各地の乳製品工場の稼働が低下し、需給調整機能が脆弱化しつつあります。業界全体の課題として、国に適切な関与をお願いしたいと考えております。

次に、3点目といたしまして、乳製品在庫を含めた需給緩和に備える万全な対策についてであります。現状と課題については、前段の資料で触れさせていただいておりますが、持続的な酪農経営の確立には所得の安定が極めて重要です。これまでの生産振興や生産者の投資等を踏まえ、過去の経験や生乳・酪農の特性を鑑み、需給緩和時の出口対策の強化が必要であります。何よりも消費者の方々へ安定的に国産牛乳、乳製品が届けられるよう、次代を担う酪農家がTPP11、日EU・EPA等の発行により、将来展望に不安を抱かず、営農に取り組めるよう万全の支援をお願いいたします。

参考資料がありますが、お目通しいただきたいと思います。

次、最後でございます。私ども指定生乳生産者団体についてであります。本会は農協の相互扶助の精神のもと、生乳共販を通じて本道酪農の発展に取り組んでまいりました。法改正後においても、期待される指定団体機能が発揮できるよう、また、生産者間の公平性を維持すべく取り組んでいるところであります。今後、都合のよい部分委託や需給逼迫時に直接販売する等、個人主義的な動きが強まれば期待される指定団体の機能が損なわれ、国内酪農全体の衰退につながるおそれがあります。

本会は、これからも生産者組織としてその機能を果たすべく、最大限、取り組む所存であります。国は国内のミルクサプライチェーン全体を俯瞰し、生産者組織、生乳流通がどのようにあるべきか、改正畜安法の目的に照らし、いま一度、しっかりとあり方を示し、指定生乳生産者団体及びその機能を酪肉近に位置づけるとともに機能充実へ向け、支援をお願いしたいと考えております。

次の画面には、私どもが法改正に沿って生産者にその内容を発信した内容となってございます。

いろいろとお話をさせていただきましたが、私どもとして最もお伝えしたいのは、ホクレンの存立理念、北海道農業の着実な生産振興を図り、消費者に安全安心でおいしい食品を提供すること、これが非常に大事だと思っております。いずれにせよ、ホクレンは生産者のための協同組合であり、また、ステークホルダーの皆様との信頼関係を大切にし、誠実に事業に取り組むことで北海道の未来を担う思いでおります。どうか、委員の皆様におかれましては引き続きご指導をお願いし、以上をもって資料の説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

〇三輪部会長
瀧澤様、ありがとうございました。

それでは、引き続きまして、隈部様、よろしくお願いいたします。

〇隈部氏
九州生乳販売農業協同組合連合会会長を務めている隈部でございます。今日は、こういうプレゼンの機会をいただきましてありがとうございます。早速ですけれども、九州の指定団体の取り組みについて座って説明させていただきます。

まず、組織の概要ですけれども、九州生乳販連は福岡に事務所を構えており、九州7県の県団体を会員としております。平成10年の畜産局長通知、指定生乳生産者団体の広域化の推進についてに基づいて平成12年に設立いたしました。職員数は20名で、うち10名は生乳検査所勤務となっております。

次に、九州酪農についてでございますけれども、当初、3,133戸あった農家数は毎年4%から5%減少し、本年度初めには1,332戸になっております。受託乳量は平成16年度に78万トンとピークを迎えますが、平成29年度は60万トンまで減少し、30年度には若干増加しております。経産牛飼養頭数も設立当初、11万頭だったものが7万5,000頭まで減少しております。

沖縄を除く全国の指定団体における九州の受託乳量の割合は8.7%となっております。九州における受託乳量の割合が一番大きいのは熊本であり、九州の中で40.9%を占めております。

販売については、用途別には60万5,000トンのうち、飲用向けが70.2%、発酵乳向けが15%、加工向けが10.1%、生クリーム向けが4.8%となっております。全体の82.9%が九州域内への販売、17.1%が中国や関西など域外への販売となっております。九州域外からの生乳の移入はありません。

続きまして、九州生乳販連の役割を紹介したいと思います。主な役割としては、生乳の量をまとめて交渉することによる価格交渉力の強化、効率的な集送乳による輸送コストの低減、日々変動する生乳生産や需要に対応した需給調整能力の強化、確認・検査などを通じた安全安心の担保となります。

参考として、平成28年熊本地震の際の対応について紹介します。平成28年4月に発生した熊本地震では、熊本県内の工場が被災で操業停止となり、生乳の受け入れが不可能になりました。そこで、九州生乳販連は熊本県外の乳業工場へ配乳し、処理ができるようにしました。また、全国の指定団体と連携し、不足していた集送乳車両を都合してもらったり、九州域外の乳業工場への配乳を行ったりし、可能な限り、生乳の廃棄を最小限に抑えました。このように指定団体の役割である需給調整力の強化という部分がいかんなく発揮された事例だと考えております。

九州域内で生産者が行う基盤強化の取り組みですが、まず、九州生乳販連では平成30年度に増産奨励措置を設けました。これは年間及び需要期、6月から11月ですが、の生乳受託販売数量がともに前年を上回った生産者を表彰することとしたものです。その結果、域内生産者の半数を超える689戸が年間で増産を達成いたしました。平成30年度に始めたこの増産奨励措置ですが、この取り組みを一つのモチベーションとして増産の取り組みを継続してもらうために、増産奨励対策事業として令和2年度まで継続することと決定しております。

私が熊本県酪連の会長であることもあり、熊本県酪連が実施している基盤強化の取り組みも紹介させていただきます。平成30年度には乳牛資源を確保する取り組みとして、性判別精液、性判別受精卵の受精・移植に対する助成、乳用牛生産頭数の増頭分に対する助成、育成牧場の増頭分に対する助成、自家育成奨励、供用年数の延長支援、優良乳用牛導入への助成、乳用雌牛の輸入・供給に係る助成など、さまざまな取り組みを行いました。その結果、熊本県における乳用雌子牛出生頭数は、平成29年度に4,544頭だったのが平成30年度には4,982等と400頭以上増加しております。また、2歳以上乳用雌牛頭数も平成30年度当初と比べ、令和元年度当初では200頭近く増頭しております。そのほかにも熊本県酪連では、暑熱対策の実施、カウコンフォートの推進、ヘルパーの人材確保、ヘルパー利用組合の強化、牛群検定の推進、ゲノム検査に対する助成などを行っております。

最後に、酪肉近への要望について述べさせていただきます。

まず、一つ目として生産目標数量についてですが、増産を基本としつつ、現実的な数値に政策的な支援効果を含め、決定することが必要だと考えております。また、生産者は需給が緩和し、減産するのではないか、乳価を下げられるのではないかと不安を抱えております。この不安を払拭していただくことが最も重要だと思います。そのためにも指定団体が果たす機能の位置づけとして、取引価格や需給調整に関して、指定団体が果たす機能の重要性を酪肉近に位置づけることが必要だと思います。

指定団体は、多くの酪農家から生乳の販売委託を受けることによって、販売交渉力の強化、輸送コストの削減、需給調整力の強化といった機能を果たしてきました。しかし、自分のことだけを考えた都合のより部分委託の増加で生乳の受託割合が減っていき、機能が低下するおそれがあります。このまま放置しておくと、指定団体が果たしてきた機能が崩壊していくおそれがあることから、酪肉近に位置づけしていただきたい。

三つ目として、生乳流通対策ですが、現状ではならしと調整保管しか需給調整対策がない状況です。酪農家は借金をして設備投資をしますが、安心して搾る環境を作るためにも、例えば乳製品の委託加工や調整保管品の輸入品との置きかえや海外への輸出といった出口対策、需給が緩和した際にも生乳廃棄を生じさせないよう、国内での必要な乳製品処理能力の維持などをあらかじめ今の時期から位置づけておくことが必要だと考えます。

また、指定事業者が取り組む合理化への支援として、広域的な生乳検査体制の効率化、集送乳車の大型化、バルククーラー大型化による隔日集乳化、貯乳施設の再整備への支援のさらなる拡充をお願いしたい。さらに国内酪農が成長していけるような取引数量と乳価の実現について、乳業者への適切な指導もあわせてお願いしたいと思います。

四つ目として、さまざまな都府県の生乳基盤強化対策をお願いいたします。まず、地域の資源を利用した持続可能な地域資源循環型酪農の推進、転作事業でWCSだけではなく、トウモロコシも対象に土地利用の単価アップを図ってほしい、また、糞尿処理が規模拡大のネックと今はなっております、耕畜連携した広域での堆肥センター構築への取り組みの支援、自家育成のためのスペースや飼料基盤が不足していることから育成牧場建設への補助など、ヘルパーやコントラクターの要員確保が今は困難であり、ヘルパー事業への支援対策の継続と拡充及びヘルパー及びコントラクターの要員確保の対策、需要期の生産を増やすための暑熱対策の拡充、熊本では66.6%の酪農家がバルククーラーの冷媒にR22フロンガスなどを使っているため、R22フロンガスの製造中止に伴い、R22フロンガスを使用するバルククーラーの交換や更新についての補助など、初期投資が大きく、新規就農者が不足しているため、新規就農者と離農者とのマッチングを全国で情報共有するなどの対策、廃業農家の施設や機械などを継承する際の支援(税制上の優遇、中古農機具も事業対象に、廃業者の住宅と牛舎が隣接する場合の近隣への牛舎の新築など)、新規就農者の乳牛導入に対する支援、九州は全国の需給調整のために広域流通を行っていますけれども、その費用を負担しているのは九州の酪農家であります、そのため、広域流通を行い、需給調整をしている団体の送乳経費の一部助成をお願いしたい。

以上、たくさんの要望を述べさせていただきましたが、酪肉近への反映をご検討いただければと思います。

これでプレゼンを終了させていただきます。ご清聴、ありがとうございました。

〇三輪部会長
隈部様、ありがとうございました。

それでは、続きまして、髙橋様、よろしくお願いいたします。

〇髙橋氏
皆様、こんにちは。栃木県の那須高原から来ました那須高原今牧場の髙橋と申します。本日はこのような貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。感謝を申し上げます。私どもの牧場は酪農部門と加工部門ということで、部門分けしてやっておりますので、小さな話になるかもしれませんけれども、チーズ加工をやっている取り組みを本日、説明させていただきます。それでは、着座にて失礼いたします。

まず、会社概要になります。有限会社那須高原今牧場ということで、設立と書いていますけれども、法人化したのは平成6年8月に法人化しました。代表は私の妻の父、今耕一が代表で役員はほかに2名います。家族中心なんですが、タイ人の技能実習生とパートを含めてやっておりまして、酪農教育ファーム等にも入っております。

加工部門としては、平成24年4月にオープンしたんですけれども、この加工部門は国の六次産業化の認定をいただいて始まりました。整備事業のほうで始まりまして、国の中でもきっと4~5番目とか10番以内、かなり早い段階でやらせていただきました。

次の写真は何枚かあるんですが、初代はうちの社長のまた父親が満州から引き揚げてきて開拓で入りましたので、本当に当時は苦労して大きな石も手で動かしたり、本当に開拓地で汗がにじむ開拓の話を聞いております。開拓で1頭から始めたんですが、なかなか、最初は開拓で入るところというのは農作物が育たないということで牛1頭を飼い始めて、そこから酪農を始めました。

この夏現在ですが、経産牛は200頭おります。実際に搾乳しているのは、今は170頭ほどのホルスタインを中心に、一部、ブランスイスとホルスタインのF1を入れて、牛のほうは170頭ほど搾乳しています。また、加工するに当たり、ヤギもいまして白いヤギのニホンザーネンというヤギなんですが、このヤギも現在、搾乳頭数は今現在33頭ほどになりまして、子ヤギ等も入れると60頭ちょっとになります。

私どもで加工部門を始めたきっかけですけれども、先ほど申し上げましたように、今牧場では私の妻がチーズをやりたいということで始まりました。ちょうど学校を卒業するときに、県の農業大学校を卒業したんですが、そのときに先ほどお話もありましたように20年ほど前、ミルクが余ってきて、さらに捨てたりするのではなくて、さらに付加価値をつけて加工品をやりたいという、そういった強い思いがあって、この加工部門が始まるきっかけとなりました。

その中でも先ほどありましたヤギなんですが、実は、私は新潟の出身でありまして、新潟のときには役場の職員だったんですが、村おこしの担当ということで、チーズ職人で農林水産課でやっていまして、そのときにもヤギチーズの製造経験があり、今年も行われますが、ALL JAPANナチュラルチーズコンテスト、中央酪農会議さん主催のコンテストで賞をいただいたりした経験がありました。また、戦後から昭和40年代前半ぐらいまでには日本各地において一つの農家にはヤギがいて、ヤギのミルクで育ったということで、飼育が牛に比べるとしやすい、そして、堆肥の処理なども楽だというのもありますし、差別化をつけるというのが一つの大きな理由です。

余談になるんですが、私もドイツに1年間、農業研修で行っておりました。北ドイツで牛200頭とヤギ200頭を飼っている大きな酪農家だったんですけれども、そのときから話があったんですが、この写真は、実は私の知合いのお子さんです。手の指というか、手のほうから赤い丸が二つ、よく見ると見られると思うんですけれども、これは大学病院でバッジテストをしたところ、牛乳とか乳製品の製剤で反応が出たんですが、一番下、赤いぽつっと点があるんですが、これは実はうちから持っていったヤギのミルクでテストした結果です。

実は、私の知り合いのお子さんは牛乳アレルギーだということで、ヤギだとなかなかなりにくいというような話を聞いたので、ちょっとだけヤギミルクを分けてくれないかということで渡したところ、こういった反応が出ましたので、うちのフレッシュタイプのヤギチーズを、これは3年ぐらい前なんですが、ずっと少しずつですけれども、ヤギチーズを取り続けていって、今、ようやく牛乳アレルギーも克服して、牛乳を飲んだり、牛乳のチーズも食べられるようになったというような話を聞いています。

これもまた余談ですみません。ヤギを飼っているということで、生き物を飼っているとどうしても肉のほうも当然考えていかなければいけないんですけれども、今年、初めて経産のヤギの枝肉を割ってみました。今までは4年ほど子ヤギの肉をやっていたんですが、初めての経産ヤギだったんですが、これだけサシが見事に入って、シェフからもおいしい、おいしいということでかなり高評価ということで、新たな可能性もまたできたかなと思っています。

本題ですが、国内のチーズ工房の業界の現状ということで、今日は何点かお話しさせていただきたいと思います。EPAで新たな国際化の時代へ突入したということもあります。補給金、そして、補給金・奨励金の制度について、また、国内対策、輸出の整備の必要性、そして、チーズの品質の向上、安定化の課題、中小規模のチーズ工房を業界として新たな組織を今度、法人化する予定でいます。そして、日本のチーズの可能性ということでお話しさせていただきたいと思います。

現在、農水省調べではありますが、平成22年に約150カ所のチーズ工房が全国にありましたが、平成29年は306カ所ということで、7年間で倍に増えています。ヤギチーズは中でこのあたりで12カ所しかまだないんですが、そういったことでチーズを作る方はかなり増えてきています。

日欧EPA、そして、TPP11などの国際化の進展ということですが、当時、有志で集まった会もありまして、そういった会とかでいろんな意見交換もさせていただきました。ここにも書いておりますとおり、新聞やテレビ等を見ると本当にかなりの大打撃を受けるんじゃないかということで、生産者の中ではその話もあったんですが、ちょっと待てよということでいろいろと勉強したりしているうちに、逆に今回のEPA対策については、本当にかなり早い段階から政府、そして、国から大きなご支援を発表されまして、本当に向かい風がまさに50年に一度の追い風に変わったと、こういうふうに我々は思っています。

補給金に奨励金、そして、チーズ工房の設備、建物だったり、熟成庫ですとか、そういった事業もあります。そして、品質向上対策ということで研修会、あるいは海外からの技術者の招聘に関すること、また、輸出へのサポートということで、これはこれから進んでいくことだと思いますが、本当に大きな追い風、そして、ご支援をいただきまして、この場を借りてまた改めて御礼を申し上げたいと思います。この国の国内対策、これがありまして本当に今、チーズ生産者は意欲が湧いて、また、さらにこれをきっかけに今、横のつながりが強くなったところであります。

補給金・奨励金の制度につきましても、私も説明会にも行きましたし、いろんな仲間と話しているときに、当初、どうしても資料が多くなるとなかなか資料を見ただけで実際の農家でしたり、チーズ工房の職人さんたちは資料の厚さを見ただけで悩むところがあったんですが、ただ、よく説明を聞いていろいろと勉強していくうちに、日常作業をしっかりこつこつとやっていれば、あえてわざわざ補給金や奨励金に対してプラスで何かに投資したりだとか、技術的なことだったりが必要だということでは、それほど大きなものはありませんでした。

補給金・奨励金制度につきましては、金銭的な支援も確かに大きいところはあるんですが、この制度のおかげで、また、生産意欲が湧いていいミルクを搾ろうという、そういった現場サイドでは声も上がっていますし、また、おいしいチーズを作るにはおいしいミルクがないといけないということで、酪農、そして、加工のほうでお互いに意欲が湧いて、おいしいチーズを作る原動力になっているところです。

また、品質の向上と安定化の課題というところですが、チーズ仲間と話をしていますと、皆さん、開設当初、開業当初は一人でしたり、二人で小さくやっていますので、なかなか、技術を教わったりするにも時間がとれないという人も中にはいます。そんな中で、現在のやり方なのかなとは思うんですが、YouTubeを見たり、SNSで見たり、ネットで勉強して独学で学んでいる人が多いのが現実であります。私はチーズを作って16年、17年になるんですが、北海道の共働学舎というところで勉強させていただいて、そういった師弟関係でやっているところが昔は多かったんですが、現在では短期間での研修か、こういったネット等での勉強という方が多いということになっております。

その中でも、今年4月から栃木県宇都宮市でIFC調理師専門学校という調理師を養成する専門学校ですが、ここで発酵醸造科というものが開講しまして、チーズを1年間のカリキュラムになるんですが、1年間を通してチーズをようやく学べるようになりました。ここには私も月に2~3回ほど行って、生徒たちと勉強しているんですが、本当に意欲的な生徒で、こういったチーズの基礎を学べる学校が、1年間を通して学べるというところが今までなかったのがまた今後の課題というか、これを何とかクリアしていかなければいけないところかなと思っています。

フランスの話にはなりますが、フランスですと国立乳製品学校という学校がたしか6校か7校ぐらいあったと思います。ここでフランスでは技術、そして、知識を専門的に学べるのですが、この国立乳製品学校で研修として作るチーズの量が各学校によっては違うとは思うんですが、ある人から聞いた乳製品学校ですと1トンのミルクを使って研修を始めるそうです。その辺から少し差があるのかなとは思っております。

また、品質向上に対しましては国内のレベルでも、後でも出てきますが、海外のコンテストでも最近、賞をとったりということも過去にはありましたが、その中でもまた上のチーズを作ろうと思いますと、国内の生産者同士だけでの研修ですとか、勉強会ではなかなかまだ、さらにその上をクリアすることができませんので、今までもあったんですが、ぜひともまた海外からの技術者の招聘が必ず必要になってくると、こう強く感じているところであります。

高品質のチーズを安定して出荷できることが売り上げを上げることであったり、もうかることだと、そこにつながっていくことだと感じています。そのために近年は3~4年、フランスから超一流という本当に超がつくほどのベテランの先生に来ていただいているんですが、そういった製造者が来て、直接、研修会で大きな部屋で研修するのではなくて、各工房の中に入っていって的確なアドバイスをいただくということが、品質を上げるための一番早い的確な指導だと思っています。

この写真も何枚かあるんですが、この方、背の高い方、後ろ向きなんですが、フランスで今、73歳になると思いますが、ジャン・クロード・モランさんという方で、フランスの各工場で白カビからヤギのチーズから、いろんなチーズを工場長として歴任しまして、その後で自分でヤギを70頭ほど飼ってチーズを作ったところ、フランスのコンクールを総なめにしたような物すごい方です。

次の写真は、右側にいる方がイブ・マンソンさんという方で、この2~3年はイブ・マンソンさんが来られていますが、この方もフランスでチーズの講師をしたり、指導したり、また、フランスの中でも立て直しというと言葉が悪いんですが、経営を改善するためのスペシャリストということで、アドバイザーなんかもしている方も日本に来ていただいています。

その結果、私どものところでもそうですし、ほかのチーズ工房でも品質が上がり、コンテストでの受賞につながったり、また、ロスが減って利益が残る、また、当然、おいしいチーズができますので、販路の拡大につながったということであります。フランスから来ますので、どうしても100万を超えるような費用が一回来られるとかかるんですが、その辺もチーズ工房は家族規模での工房ですと、受けたくてもなかなか受けられないというような金銭的な課題も多くあります。その辺もぜひとも引き続き国のほうにはご支援をいただきたいと思っております。

これは去年のチーズコンテストでの写真です。外国人審査員特別賞というのを私はいただきました。

次の写真は那須高原サービスエリア、那須はご用邸もありますし、観光地なんですが、サービスエリアでも大きな集客があるんですが、その中でもこうやって冷蔵庫を1ケース借りられるようなところまで、今、きて販売しているところであります。

実は、これは新聞なんですが、昨年、ヤギのほうの国際展示会なんですが、ここに畜産技術協会さんの事業のほうで行かせていただきました。そのときにたまたま写真の右に見える方が、さっきの製造の指導をしていただいたイブ・マンソンさんなんですが、こういったビッグネームの方と一緒にいると、日本からヤギのチーズだったり、後ろではヤギの審査会なんかをやっているんですが、ヤギ専門のこのときは展示会だったんですが、そこで日本から来たということで取材を受けたりもしました。

そういったところで、これからは本当に日本のチーズは守りではなく、当然、十分に攻めていける環境がおかげさまでできてきたと思っています。まずは個々の生産量を上げていくということが一番大切なことだと思うんですが、その中でも国内の販路の拡大、地元の中でも例えば那須でいえば地元のホテルとかレストラン、また、そういった飲食店に使っていただいたり、お客様の声も那須に来れば那須のものを食べたい、北海道に行けばきっと北海道のものを食べたいというのは旅行をしている人の気持ちだと思います。そういったお客様の気持ちにも応えられるように、まずは地元であったり、国内でどんどん生産量をふやして販路を拡大していきたい、そう思っております。

そして、海外のコンテストに出品すること。これは現在、国のほうからも大変ご支援をいただいて、これから海外に向けて輸出という話があります。私の作っているチーズも、ぜひとも海外のチーズコンテストに出して、まずは自分の力がどのくらいあるのか、よく日本に住まれている、あるいは日本に来られた例えばフランスですとか、ヨーロッパの方からはおいしいねという話はいただけるんですが、ぜひとも本場のコンテストに自分のチーズを自信を持って持っていって、そして、しっかりとトップをもらえるようなチーズを作っていきたい、そんな意欲があります。

これはチーズ生産者としてもそうなんですが、私どもの社長と話している中でも、例えば今牧場のチーズが海外のコンテストに行って賞をとったということは、搾乳している搾乳者自身も意欲的な、また、やる気も出る本当にうれしいニュースになりますし、生産意欲もまた湧いて、よし、では、おいしいチーズを作るためにおいしいミルクを搾ろうということで、本当に前向きなことだという話になりました。ぜひともまずはコンテストに出品するような準備を調えていきたいと思います。

続きましては、新たな法人化の話ですが、今まで中央酪農会議さんにお世話になりまして、日本チーズ生産者の会という会をつくってきましたが、また、その会をさらに生産者みずから自分たちの力でやっていこうということで品質を上げて、さらには海外にも持っていけるようなチーズを作っていこうということで、今、一生懸命頑張って準備をしているところです。こういった会で、それこそ業界として何か国内のチーズを振興していけるような会にしていきたいと、準備しているところであります。

これからの課題ということですが、何度もしつこくなるかもしれませんけれども、ぜひとも今、50年に一度と私は勝手に思っていますが、大きな国からご支援をぜひともまた続けて、今後ともご支援いただきたい、ご協力いただきたいと強く願うところであります。また、販路の拡大もそうです。そして、先ほど来の海外からの技術者にもお越しいただいて、直接、現場で指導を受けて高品質のチーズを作りながらも、衛生のことなんかもご指導いただきますので、衛生面の向上、また、ロスも少なくして経営的にもしっかりと利益を残せるような指導をいただきたい、そういうふうに思っております。また、下にも書いています。チーズは当然、ミルクがないとチーズは作れませんので、酪農家の基盤整備、これをしっかりとやっていただきたい。この辺はご協力をいただきたい。そして、新たな会をしっかりと運営していくということが我々の課題かと思っています。

結びにということで、熱意は磁石ということで書いていますが、私はどうしても人前でお話しさせていただくときに最後にくっつけるんですが、松下幸之助さんの言葉で、仮に知識や才能がない人でも強い熱意を持ってやることで、磁石の周りに鉄粉を磁石が引きつけるように事が進んでいくということです。生産者自らまずは頑張って、そして、国、そして、業界あるいは団体、そして、消費者や販売・流通の皆さんと一緒になって日本産のチーズを盛り上げていきたい、こういうふうに強く思っています。

ご清聴ありがとうございました。

〇三輪部会長
髙橋様、ありがとうございました。

それでは、続いて西尾様、よろしくお願いいたします。

〇西尾氏
ただいまご紹介いただきました日本乳業協会の西尾でございます。本日はこのような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。私のほうからは、初めに世界と日本の生乳需給をめぐる情勢についてお話しした後、乳業の基本的な役割、そして、今後の課題、それから、検討の方向性について少しお話しさせていただければと思っております。

初めに世界の生乳生産量でありますけれども、現在、約8億トンと言われております。これに対して我が国の生乳生産量は約730万トンということですので、世界の生産量のちょうど1%というか、わずか1%に当たるということであります。また、世界で牛乳乳製品を消費する人口ということで見ますと、2019年現在、約77億人が乳製品を消費しているということですが、これが30年後の2050年は約98億人が消費するということで、約3割、実数にして約20億人が消費人口として世界で拡大することが見込まれております。

また、酪農情勢でありますけれども、近年、環境に対する規制ですとか、水資源確保の問題、アニマルウェルフェア、それから、SDGsへの対応等、さまざま、生産の制約要因というのが増えてきているという状況であります。

このような中で我が国の生乳生産を見ますと1996年度の866万トン、これがピークであります。それから、20年以上にわたって生乳生産は減少してきております。また、牛乳乳製品の自給率でありますが、1996年は72%ありましたが、昨年度(2018年度)は59%まで低下しております。このため、端的な言葉で言うと、我が国には1,200万トンもの需要がある。しかしながら、国産の高品質な牛乳乳製品を求める消費者からの強い需要がありながらも、生乳生産の減少により、その需要に応えることができていないという非常に残念な状況にあると考えております。したがって、官民の協力によって生産回復の芽がやっと出てきた今、それから、長期的に見ると海外からの輸入がだんだん難しくなってくるということを考えると、酪農乳業の未来に希望の持てる意欲的な基本方針を定める必要があるのではないかと思っております。

それでは、初めに乳業、いわゆる乳業メーカーの基本的な役割を3点まとめてみましたので、お話しさせていただきます。

1点目は、乳業にとって最も重要なことでありますけれども、消費者の皆様に安全で安心していただける牛乳乳製品を安定的に供給するということであります。

そして、2点目は商品開発を通じて乳の価値、いわゆる付加価値を向上させていくということであります。ほかの農畜産物とは異なって生乳はそのままでは販売ができません。このため、乳業メーカーは生乳を牛乳、ヨーグルト、生クリーム、練乳、バター、チーズ、脱脂粉乳など、さまざまな乳製品に処理・加工して付加価値をつけて販売しています。

3点目の役割ですが、酪農経営の支援であります。乳業は酪農なくしては存在できません。酪農と乳業は密接な関係があり、一体であると私は考えております。牛乳乳製品の需要は、季節や消費者の嗜好の変化でどんどん増減をしていきます。一方、生乳の生産は、牛という生き物を介して生産されるため、需要が増えたから増やそうかとか、減ったから減らそうか、そういうことができません。このため、私ども乳業メーカーは、酪農家の皆様が安心して生乳を生産していただけるように、牛乳が過剰のときも不足のときも生乳を安定的に受け入れて、牛乳乳製品の製造と販売に努めております。このようなことで、乳業は酪農の振興にも非常に重要な役割を果たしていると考えております。

参考として、今、スライドに映しましたけれども、主な乳製品についての需要の状況をご覧いただきたいと思います。牛乳については、長らく減少傾向が続きましたけれども、近年は減少傾向に歯どめがかかり、堅調な消費で推移しております。生クリームについても、発酵乳、いわゆるヨーグルトについても、順調に市場は拡大しております。それから、バターについては、グラフの色の濃い部分が輸入量を示していますが、これが常態化しています。また、国産バターの需要は非常に強いのですが、国産バターに対して十分に生乳を供給ができていないというような状況です。チーズについては確実に市場が拡大しているというような状況ですので、このような需要の動向についてもぜひ参考にしていただければと思っております。

さて、これから課題と検討の方向性について少し意見を述べさせていただきたいと思います。

まず、酪農・乳業、その課題の第1は酪農生産基盤の弱体化であります。酪農家が安心して生産するためには、酪農関連制度が安定して信頼ができるということが非常に大事だと思います。そういう意味で、2018年度から導入されました新たな酪農制度の運用が本当に生産者、乳業者の公平性が確保される仕組みとなっているのか、また、需給の安定や集送乳の合理化、また、安全性の確保など、指定団体の機能が維持される仕組みとなっているか、このようなことについてしっかり検証して、必要に応じて制度の運用改善を図っていただきたいと考えております。

それから、もう一つですけれども、生産基盤を維持・強化していくためには後継者、それから、新規参入者が魅力を感じるような産業であることが必要であると思います。酪農はほかの産業に比べて労働時間が長く、休日が少ないと言われております。このような課題を改善するためには、搾乳ロボット等の新技術の導入や酪農ヘルパー、また、コントラクターなど、外部支援組織の活用などにより労働時間を減らしていく、休日を確保していく、このような取り組みが必要であると思っております。また、後継者がいないため、廃業せざるを得ない酪農家の方もいらっしゃいますが、このような方の施設が有効に活用できるように、第三者への資産継承が円滑にできる仕組みの構築も非常に重要であると考えております。

また、長年の課題である乳用後継牛の確保のためにも、肉用牛の頭数を需要に応じて十分に増やしていただく、そして、乳用牛の腹を利用した交雑種などの生産を抑制して乳用後継牛を安定的に確保すること、このような体制を構築することも重要であると思っております。

それから、第2の課題でありますが、生乳需給のミスマッチであります。このグラフを見ていただければわかりますように北海道の生乳生産、青のグラフですけれども、これは着実に増加傾向にあります。しかしながら、都府県の生乳生産、赤で示したグラフですが、これは毎年、減少傾向で歯どめがかからないというような状況であります。このようなことから幾つかのミスマッチが発生しております。

その一つが都府県の生産と飲用需給のミスマッチです。都府県の生乳生産の減少に歯どめがかからない中、人口が多いのは都府県であります。そこでは飲用の需要は非常に堅調であるという構造的な問題であります。そこで、都府県で不足する生乳については北海道から移送しておりますが、この必要量が年々拡大しております。北海道から運べる量も、ほぼ限界に達しているというのが現状であります。したがって、都府県における酪農生産基盤の強化は、我が国酪農乳業にとって最大の課題であると考えております。

次に、2番目に書いてありますけれども、北海道の乳製品需要と生乳供給のミスマッチであります。今、お話ししたように都府県へ飲用向け生乳がどんどん送られることによって、北海道の乳製品工場ではバターに使う乳製品向けの生乳が大きく不足しております。そのようなことで、消費者には非常に需要が強い国産バターが十分に供給できていない。このようなミスマッチも生じております。

それから、中長期的に想定され得る需給緩和というミスマッチであります。今後、TPP11や日EU・EPAによって乳製品の輸入がどんどん増えてくる、また、乳用後継牛が増加していくという中で何の備えもしていない場合、中長期的には需給緩和という事態も想定されないわけではありません。今後、生産調整による対応というのはなかなか難しい中で、こうした事態を未然に防ぐために、対応の方向性について明確にしておく必要があると考えます。

それから、第3の課題でありますが、酪農支援組織の弱体化であります。とりわけ都府県においては、酪農家戸数がどんどん減っていく中で、地域の酪農支援組織も統廃合等によって合理化され、事業の受け皿として十分に機能していない実態があります。その結果、せっかく国がつくった貴重な対策が酪農家に十分に活用されていないという状況も生まれています。このような実態を踏まえ、酪農支援のための組織のあり方や活性化の方法について検討する必要があると考えます。

それから、第4の課題は消費構造の変化及び消費者の信頼確保です。少子高齢化の進展や外国人の増加に伴って牛乳乳製品への消費行動、これがどんどん変化してきております。乳業としては、こうした変化に対して新商品の開発などを含め、乳の価値向上に努めてまいりたいと考えております。

また、学校給食用牛乳については、子どもは味の変化に非常に敏感であることから、しばしば風味変化の問題が発生しております。酪農乳業としては、各種研修、食育活動を通じて、この発生の抑制に努めてまいります。また、行政におかれましては、事案の発生時には迅速かつ適切な指導をお願いしたいと存じます。

それと、平成30年3月に策定された適正取引推進ガイドライン及び小売り団体による自主行動計画を踏まえ、牛乳乳製品の適正取引を推進し、適正な付加価値が確保されることが重要であると考えております。引き続き乳業者の自主的な取り組みを支援していただくとともに、小売り側への働きかけや指導もお願いしたいと存じます。

第5に国際環境の変化への対応であります。我が国の酪農乳業を取り巻く国際環境としては、TPP11による輸入圧力の増大ばかりでなく、SDGsへの対応、アニマルウェルフェア、環境配慮など、どんどん、国際的なルール、規範、このような対応が必要となってきております。また、HACCPの制度化に伴い、衛生管理水準の向上に努めることも重要であります。加えて、乳業工場の再編にも取り組み、輸入乳製品に対する競争力の強化や乳製品の輸出など、海外事業の拡大にも努めてまいります。

最後に、数量目標について意見を述べたいと存じます。現行の基本方針に沿って、この5年間、官民一体となって生産基盤の強化に取り組んできた結果、ようやく生産基盤回復の芽が出てまいりました。次期基本方針においては、この芽を伸ばし、生産回復を本格的な軌道に乗せることが重要であると考えております。これまでの基本方針では、国産ナチュラルチーズの需要増加を基本に据えて生産目標を設定し、乳業もチーズの生産能力を増強してまいりました。これに応えてきた経緯があります。このため、関税率の段階的削減により、関税割当制度の維持が困難になったとしても、対策を講じて生産余力のあるチーズの生産に生乳を仕向け、生産者のためばかりでなく、消費者の需要にも応えていく必要があると考えております。

先ほども申し上げましたが、消費者の国産乳製品へのニーズは非常に高いにもかかわらず、その需要に応えられていないという実態にあります。そのためにも、生乳生産量の長期見通しについては、生産者の生産意欲の喚起や生産が回復した場合の国産乳製品に対する需要の回帰・増加にも配慮し、前回水準以上、800万トンに設定するのが適切であると考えております。

1996年をピークに20年以上にわたり、生乳生産は減少を続けてまいりました。我が国の経済の各種指標が失われた20年から回復に転じたように、次期基本方針では目標を高く掲げ、我が国の酪農乳業という産業の発展を期して失われた20年を取り戻すこと、これが令和という新しい時代の幕開けにふさわしい次期基本方針のテーマであると考えます。なお、基本方針はおおむね5年ごとに見直すこととなっている中で、計画どおりに産業の実態が推移しているかどうか、都度、検証し、必要に応じて見直していく作業も必要であると考えております。

以上、乳業者を代表しての意見表明とさせていただきます。

ご清聴ありがとうございました。

意見交換

〇三輪部会長
西尾様、ありがとうございました。

それでは、意見交換に移らせていただければというふうに思います。ただいま各ヒアリングご協力者の皆様方から、非常に示唆に富むお話をいただけたというふうに思っております。なお、金井委員が中座をなされましたので、金井委員からはご意見のほうをお預かりしておりますので、後ほど私のほうから代読させていただければと思っております。

最初に1点だけ、議論の前提になるところかと思いますので、私のほうからご質問させていただければと思います。今、最後にプレゼンをいただきました西尾様のほう、乳業業界の立場から生乳の生産数量の目標について具体的な800万トンというご示唆をいただきました。こちらについて生産者団体の立場から、まず、どのようなお考えがあるのかということにつきまして、瀧澤さんと隈部さんのお二方にご質問させていただければというふうに思っております。それでは、瀧澤さん、800万トンという生産数量の目標についてご意見をいただければと思います。

〇瀧澤氏
実は、800万トンという数字は今回、初めて耳にする数字ではございませんで、将来的な生産目標数量という形では耳にしている数字でもございますけれども、現状の状況を見たときに、増産していく概ねの部分を北海道が担っていくという方向をとらざるを得ないとすれば、隈部さんもおっしゃっていたように、これから次代を担う酪農生産者がそれだけ増産したときに所得の低下につながらないのか、それから、さらに増産のための投資を担保できるだけのものが今のコスト、特に建築等々を含めた中での経営投資という部分で、少なくとも800万トンのうち、500万トン以上を北海道で生産していくとなれば、相当な投資をして、投資したものを回収できるだけの所得が担保されるのかということが現状において、次に向かう経営者たちの最大の心配事だというふうに考えています。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

続いて、隈部様、いかがでしょうか。

〇隈部氏
800万トンということでありますけれども、私が一指定団体の立場で全国の都府県のことを言う立場ではないんですけれども、今、都府県で320万トンを搾ろうということでやっていますけれども、今、肌で感じるのは800万トン、北海道も今、500万トンというお話がございましたけれども、北海道が450、都府県が350というようなことを考えると、肌で感じると無理なのかなと思います。現実的な生産目標、目標ですから増産目標はいいんですけれども、現実的な目標数量ということがいいのではないかなというふうに思っております。

〇三輪部会長
ありがとうございます。まさに、このような形でさまざまなご意見をそれぞれ検討していくというのが重要だと思っておりますので、ご協力いただきましてありがとうございました。

それでは、少し時間が押しておりまして、30分弱しかない状況ではございますが、委員の皆様からご意見をいただきたいと思います。最初に、大変恐縮でございますが、金井委員からお預かりしましたご意見のほうを代読させていただきまして、大体3~4名の委員の方々からご意見、ご質問をいただいた上で、ヒアリング対象者の方にご回答いただければと思います。それでは、金井委員のご発言について代読させていただければと思います。

金井委員からは西尾様へのご質問ということでいただいております。今のご質問と同じで、生産数量目標についてのところでございます。国内需要に対し、可能な限り、国産の牛乳乳製品を供給していくという思いは、生産者団体としても同じであり、乳業側より意欲的な目標を提示していただいていることはありがたいと考えている、その上で質問と意見を述べさせていただきたい。

まず、800万トンの根拠となる用途別の需要をどのように考えているかをお聞きしたい。特にTPPや日EU・EPAなど、かつてないほどに国際化が進展する中、バターや脱脂粉乳、チーズなどの乳製品において今後の輸入量や国産需要がどのように変化していくのか、その見通しをお聞きしたい。また、生産現場において生乳需給の緩和に対する根強い不安がある。設備投資などを含め、生乳生産が拡大してもしっかりと引き受けていただける、処理していただけるというメッセージがあれば、生産現場もより前向きに生産拡大に取り組めると考えているが、その点について乳業側の考えをお聞きしたい。あわせて国産の牛乳乳製品の需要拡大については生処一体となった継続した取り組みをお願いいたしたいというところでございます。こちらについては、後ほどまとめて各ヒアリング対象者、今回でいくと西尾様からご回答いただければと思います。

それでは、ほかの委員の皆様方、ご意見、ご質問のある方は挙手いただければと思います。小野寺委員、お願いします。

〇小野寺委員
それでは、私のほうからは先ほど北海道のホクレンの瀧澤さんからもお話がありましたけれども、北海道としての相対的な考え方を日本乳業協会の西尾さんに質問いたしたいと思いますが、北海道も生産目標の実現に向けて、これから消費者に対して安定供給を図っていくということで大規模化を進めたり、あるいは中小の家族経営といった多様な農業経営を今、支援しながら生産の増産に取り組んでいくことが必要ということは認識しておるわけでありますけれども、特に家族経営のこれからの支援をどのようにやっていただけるかということが、一番生産者にとって最も心配なところであります。

これらについては、過去の逼迫と緩和を繰り返して、非常に大変な経験を持っている生産者の方々が非常な懸念を持って、生産が特に強まってくればくるほど、その懸念というのを払拭できないということでありまして、この部分について万全な出口対策をきちっと組んでいただいて、これからしっかりと農水省ともこういったことについての議論を深めていただければなということを思ってございますし、もちろん、北海道での乳製品の工場において、500万トン、800万トンの中での北海道の果たす乳業メーカーの方々のいわゆる体制を将来に向けて維持することは、もちろん、必要なことでありますし、お願いいたしたいと思いますが、飲用向けと、そしてまた、乳製品向けの国内需要にどのようなバランスで応えていくかは、非常に大きな問題であるというふうに我々は考えてございます。

これは北海道全体の酪農家の方々の意見でもあり、私どもとしてもぜひこの部分をお願いしていきたいというふうに思ってございますし、また、このような課題の対応に対して、短期的な自給緩和の委託加工及び調整補完の出口対策にかかわるコストの負担のあり方などについては、次期酪肉近の中でしっかり議論していただくことが重要なポイントであるというふうに、我々も位置づけていただきたいということをぜひ生産者団体、そして、乳業メーカー、そしてまた、国と一体となった議論の中で、今日、それぞれ指定団体の北海道、九州からもお話をいただいたことは、全く我々もそのような非常に強い生産者の疑念を持っておる部分、こういった部分を乳業メーカーにぜひ担っていただいて、我々と一緒に今後の増産体制に向けて頑張っていけることをぜひお願いいたしたいと思います。そういったことでご意見とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

それでは、ほかの委員の皆様、いかがでございますか。小谷委員、お願いします。

〇小谷委員
ありがとうございます。4人の皆様、それぞれの現場でのお話をありがとうございました。

皆さんの資料のキーワードで幾つか感じたことなんですけれども、皆さん、共通して酪農家の生産意欲とか、生産意欲の後押し、意欲の喚起という言葉が全員に共通して出てきたというふうに感じました。改めて一番大きな今の問題は、生産基盤の弱体化ということと後継者がどんどん減っていくということだと思うんですけれども、具体的な質問としましては、一つは九州の隈部会長さんの増産に奨励を出しているということですけれども、これは報奨金のようなものがあるんでしょうか、ありましたら具体的にということを教えていただきたいということです。

それから、全体的には瀧澤副会長、ホクレンさんも展望ある酪農乳業の未来とか、生産意欲の後押しに関しては所得のことと、あと、乳価の保障というのはもちろん共通したことというのはよくわかるんですけれども、私もあちこち取材していて感じるのは、所得と乳価という経済以外の意欲をかき立てる何が必要なのかなと感じています。生乳生産の性格上、いわゆる顔の見えない生産になってしまうのは仕方ないことなんですけれども、その中で特別、髙橋雄幸さんはチーズという加工で見える化というのを図っていらして、本当に日本をリードする取り組みをチーズを含めておやりになっているのはよくわかったんですけれども、それがいい理由は、ただ、補助金をもらうだけでなく、自分のチーズの技術が向上したり、評価される喜びがあると思うんです。

ただ、生乳生産にはそれがなくて、総合的に言いますと、先ほど隈部さんも糞尿処理のことを瀧澤さんもおっしゃっていたので、いわゆる持続可能な資源循環型の酪農の推進とか、あるいは酪農の見える化ということの解決策の一つは六次化と、でも、六次化はとても少ないですよね。そうじゃなくて、酪農教育ファームのような教育という部分、前回の酪農家に対するヒアリングで、酪農教育ファームの後継者は千葉の加茂さんの意見でしたけれども、自分の知る限り、100%後継者がいるというすごい話を聞いて驚いたんですが、それと含めて顔の見える生産に何か持っていくために、意欲を持たせるために、放牧というのが一つあるのではないかと私は感じているんですけれども、生産意欲の後押しに対して皆さんのお考えをお聞かせいただきたいと思います。すみません、雑駁な質問です。

以上です。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

もう1名、2名いただいてからで、では、先ほど加藤委員、挙げていただいたので、加藤委員までして、一回、一巡させていただきます。

〇加藤委員
皆様のヒアリング、ありがとうございます。

私は技術的なところを少しお聞きしたいなと思っています。昨今のいろんな気象条件がすごく激しくて、我々は野菜のほうをやっていますので、右往左往しながら生産していますけれども、生乳の生産に対してもここ数年の1頭当たりなのか、野菜の場合は反収といって1反当たりの生産量みたいなところがあるんですけれども、それが最近、どうなっているのか、今までどおり、この気象条件でも安定しているのか、夏は落ちてしまうのかというのを一つお聞きしたいところと、もし落ちているのであれば、どういう生産環境が望ましいのかというのをお聞きしたいなと思います。もうちょっとファンをいっぱいつけないといけないとか、もうちょっとクローズドにして涼しい環境にしたほうが生乳の生産性は上がるのかとかというところをお聞きしたいです。

もう一つは、北海道じゃないとなかなか生産量が上がりそうにないというお話で、ただ、一方で西尾さんのほうから運ぶのも大変なんだという話があって、北海道しかないのであれば、どういうルートで運ぶことが、便を増やせば運べるようになるのか、もしくは便をふやしても帰りがないから、なかなか、現実的には運びにくいのか、物流費がすごく高騰している中で、非常に苦しいところなんじゃないかなと思いまして、そのあたり、物流の苦しさみたいなことをお聞かせいただければありがたいです。

以上です。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

それでは、一度、ここで区切らせていただきまして、各ヒアリングご協力者の皆様方からご質問、ご意見に対してご回答いただければと思います。それでは、一番ご質問が多かった西尾様よりご回答をお願いできますでしょうか。よろしくお願いいたします。

〇西尾氏
生乳生産量については、先ほど申し上げました1996年の866万トンからずっと20年間減少し続けていて、昨年は728万トンということです。生産数量目標を現行の750万トンから800万トンに引き上げることについては、少し高過ぎる印象をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますけれども、まず、これまで実需者がやむなく輸入乳製品で、国産がないために対応せざるを得なかった、このような需要については国産に回帰してくる可能性が高いと考えております。また、液状乳製品、それから、ナチュラルチーズ、こういった商品の需要の伸びが非常に期待できる、顕著であるということと、それから、乳業メーカーはチーズの生産設備についてはまだまだ活用されていない生産設備を持っておりまして、十分、それで増えた乳量の加工ということは可能であると考えております。

20年かけて140万トンを減らしてきた生産を、その半分の10年をかけて半分の70万トン増やそうと、それで800万トンということですので、そのような形で乳業としては考えております。当然、乳業者としての需要拡大、いかに魅力的な商品を作っていくかということも当然かかってくるわけですが、そのような需要拡大に対する乳業者の意欲というものも非常に旺盛であるということをつけ加えさせていただきたいと思います。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

それでは、髙橋様、お願いいたします。

〇髙橋氏
私どものところですが、生産量ということでミルクのほうは平均でいうと1頭当たり1日、うちは30キロちょっと出ていたんですが、この暑さで29キロ前後、あるいは割ったりするときもあります。毎日といいますか、定期的に獣医さんだったり、飼料メーカー等と常々数字を出して、1頭ずつ個体管理をしていくというところですが、昨年だったと思うんですが、たしか栃木県内では去年7月、8月は70頭近くだったか、暑さで死亡するようなこともありました。暑熱対策というのは、本当に1頭ずつしっかりと牛を見ていくという基本のところから始まっていくと思いますし、また、いろんな対応は獣医さん等といろいろ相談しながらやっているものですが、個人の農家では経費的なところといいますか、その辺もできないところも出てくると思いますので、この辺につきましてはさらに今までどおり、国からも支援もいただきたいと思っております。

また、物流等に関しまして、私どもでいえば、私の立場からいえばチーズなんですが、加工をやっていますと我々は直で消費者との対応になりますので、本当に小谷さんが先ほどおっしゃられたように見える化ということで、とにかく私も今日朝、チーズを作って600個ぐらいチーズを反転して、それから新幹線に乗ってきたんですが、全て自分でやらなければいけないという時間的なことだったり、労働力だったり、大変なところはあるんですが、とにかく今はまずは情報発信をして、生産者が消費者に対して直接、安心を届ける、そして、高品質を届けるということに今、私もそうですし、ほかのチーズ仲間はそうやって情報発信を常々やってファンをつくっているところです。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

続いて、隈部様、よろしくお願いします。

〇隈部氏
小谷さんからの先ほどの増産奨励措置ということですけれども、九州ではその措置はやっているんですけれども、250トン未満とか、小さい、中くらい、そして、大型と分けてやっています。お金は400万弱を使いながら、そこの1位になったら、多分、30万だったと思いますけれども、そういうお金を渡しながら増産奨励をやっております。

また、私は熊本ですけれども、熊本の話をしますと、熊本は乳業プラントも持っていますので、そこで利益を出しながら、その利益を酪農家に返しながらいろんな事業をして、期中で1億ぐらい使いますかね、酪農家に。そういう単体で事業をしながら、指導は刺激だと思っていますので、刺激を与えながら若い人に元気を出していただいて増産に取り組んでいるというようなことをやっています。

先ほど家族経営の話が出ましたけれども、酪農家も高齢になって次の後継者がいないという人は廃業していきますけれども、若い後継者が魅力のある酪農にしていかないといかんなといつも考えております。社会的地位というか、酪農して格好いいよというような、お金もある程度、入ってきますよというような形になれば一番いいなというふうに思っております。

うちの息子もトヨタに勤めていたんですけれども、やめて、今、うちに入っています。そのときに息子が言ったのは、父ちゃん、休みがない酪農なんて継ぐ人はいないよというようなことを言われました。今、息子も入ってやっていますけれども、シフトを組んで休みをとりながら今はやっています。休みをとるということは、コストがかかるんですけれども、そこは自助努力をしながら、みんな、休みをとりながらできる酪農を目指しながらすると、若い後継者もそこに入ってくるんじゃないかなというふうに今は思っております。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

続いて、瀧澤様、いかがでしょうか。

〇瀧澤氏
それでは、まず、小野寺委員は私の北海道と同じということで考え方は一緒でございますので、その思いで一緒に頑張りましょうということでございますが、特に乳製品工場の各メーカーさんに進出していただいて、乳製品加工をするという前提で北海道酪農は急速に生産を伸ばし、それを処理・販売、付加価値をつけていただいたということで、現在の北海道酪農があるということですから、そのことからいけば、今後もそのことがしっかり維持されていくということが酪農家の意欲という部分も含めて、安定的に生産したモノが処理・販売されるというのが大前提でございます。

それに、小谷委員のご質問の部分、酪農家の生産意欲、これはまさにいろんな部分がありますが、もともとをいけば、北海道の寒地農業の中で土地を利用しながら限界地に挑戦できたのは、畜産、牛、馬を利用した有畜農業ということで、温暖化ということも含めて北海道全域まで農業の生産ができる土地地域になったということで、その先進的な動きをしたのが酪農家であっただろうと思いますし、その中で特別に、今日、社長がいらっしゃるので、有畜農業が最大、相当な貢献をしていただいたということで感謝しておりますし、その中で私の出身でもあります酪農学園の黒澤酉蔵という方が有畜、デンマークとかに並んで普通の畑作農業の生産ができない地域は、家畜を使って国民に安定的に食料を供給するという、それが北海道では酪農であったということで、そのことの誇りとプライドです。安定供給する、それが第一です。

それから、若手の特に世代が交代してきまして、労働時間の問題ですとか、かつて私どもがやった時代は他産業並みの所得、生活というのを目標にして意欲を持って取り組んできたという経過がありますが、今後はいかに労働時間を減らして所得・生産を上げるかという方向の部分で、労働力も大変少ない、それから、そういう部分を補完する機械設備もしなければいけないということも含めて、それを担保・補完するのは安定的な販売価格、所得ということでございます。

あと、六次化というお話もされましたけれども、これは国の奨励等々もありまして、法改正の中では、それらを奨励するような法改正部分、自由な販売ということもございますが、私ども指定団体の部分からいけば、そういう部分は既にずっと以前から受け入れてございまして、先ほども申し上げたと思いますが、プレミアム乳価というようなことで、放牧、有機、NON-GMO飼料給与等々を含めて、そういう生産物、生乳を生産された方にはプレミアム乳価をつけて、販売を個別にするということの支援もしてきた経過がございます。

さらにあと、加藤委員ですが、生乳生産は非常に暑さに弱い、今回も8月の盆前から生乳生産は北海道でも落ちましたし、都府県では相当な影響があったというふうに思います。乳牛ですから、マイナス25度よりプラス25度のほうが生産が落ちるというような、そういう年間を通して毛皮をまとっておりますから、暑熱対策というのは非常に重要で、都府県では特にそのことに留意して飼料管理されているというふうに思います。

あと、輸送、物流の関係ですが、ほくれん丸を2艘、毎日、運行している部分で、これについては重油等の燃料価格の動向にもよりますが現況では移出している乳量㌔当たり19円80銭です。さらに集乳経費、これは各酪農家から工場まで集荷するローリーの運送経費、運転手費用、管理費用等々を含めて、これにはホクレン全体の受託乳量㌔当たり1円85銭が30年度実績であります。それから、クーラーステーション等に集乳されたものを日々の注文等に対応するためのクーラーから乳業工場間の移送、これもコストとしてかかっておりまして、これにつきましては、30年度はホクレン全体の受託乳量㌔当たり83銭かかっております。これら関連費用等々を含めると受託乳量㌔当たり4円87銭かかりまして、187億円という費用が輸送、管理等々に総額でかかっております。

以上です。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

それでは、ほかの委員の皆様方からご意見等がございましたら、では、砂子田委員、お願いいたします。続いて、須藤委員、里井委員でそれぞれご意見をいただければと。

〇砂子田委員
私も酪農家の生産者なので、今日、お話しされた方のお話はすごく同感というか、同じふうに思うところがあるんですけれども、正直、私の今日の朝、搾乳してきて、あと、帰ってまた今日も搾乳するんですけれども、ヘルパーさんとか、そういう従業員さんとか実習生とか、そういう人がなかなかいなくて、休みがないというのはすごく酪農の現状であるし、あと、そういう意味で働き方改革がまだできていないというのはすごくあると思うんですよね。

それこそ、私の立場でこういうことを言っていいのか、わからないんですけれども、畜産クラスターとかで結構補助をもらって規模を拡大したりとか、施設を新しくしたりとかしている酪農家さんがたくさんいるんですけれども、大きくしても技術的なことが伴っていなくて事故が増えたりだとか、計画どおりの乳量を生産していない酪農家さんがたくさんいるんですよ。

そういうのを私は近くで見ていて、私は家族経営なので50頭ちょっとぐらいしか搾乳していないんですけれども、1頭当たりの生産量を上げれば、自分たちも一応畜産クラスターで受けて施設を新しくしたんですけれども、それで、大分1頭当たりの乳量が2,500キロぐらい上がっているんですよ。それで、出荷する乳量がそれだけ得られているという人もいると思うので、規模拡大だけが全てじゃないというふうに私自身は思っているから、規模を拡大してもいいんですけれども、それに対する技術的なサポートとかがないと、施設をフルに使えていないという人がたくさんいると思うので、その辺の指導だとか、サポートとかにもっと力を入れないといけないんじゃないかなというふうに思います。

あと、もう一つ、これから新規就農者がいっぱいやってほしいとか、若者の育成とか、担い手とかという話をすごく今日もたくさん聞いているんですけれども、酪農家は投資が多いから大変とかというのもあるんですけれども、私自身、12年前に一人で酪農を始めたんですけれども、ある搾乳をやめた酪農家さんの施設を借りて8年間ぐらい一人で作業していたんですよね。そういう人間関係なんですけれども、そういう後継者がいなくて離れなければいけなっちゃった人の施設を借りたりとかするような環境がつくれたら、新しく意欲を持ってやろうとする人たちにお試しじゃないけれども、そんなふうにやったりすることも一つの案なのかなというふうに思ったりします。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

では、続いて、須藤委員、お願いします。

〇須藤委員
お世話になります。今日はどうもご苦労さまです。

今の砂子田さんと同じ私も酪農家なのでございまして、考えることはいろいろあるんですけれども、本当に牛乳の需要が伸びているんだというのをまず前提に少し話したいんですけれども、本当に質問等は特にございませんで、団体の皆様、そして、農水省の皆様に聞いていただければというふうにお願いということでございます。よろしくお願いします。

牛乳は大変重要な農産物であるというのは、誰もが承知しているところでございまして、私らも経営するに当たりまして、牛乳の生産、そして、販売だけではなくて、その先にある先ほどもお話しいただきました髙橋さんのような経営の選択肢を持ち得るということが私は将来の酪農、次世代の酪農後継者にとって大きな力、魅力になると、そのように考えておるわけでございまして、全員が髙橋さん等を目指すわけではないと思いますけれども、私は団体も国も大規模等、確かに大変絞っていくというのも大事ですから、そういうところを奨励するだけではなくて、当然、小規模な多角経営というものを育成するような方向に政策誘導していく、シフトしていくというのが大変重要であるというのが今のこの時期に大変大事なことだというふうに思っておりまして、そこでの酪農家のモチベーションアップというのがまず第一だと思っておりまして、リタイアしていく人というのはお金ではないんです。ということを考えると、そういったところをしっかりとリサーチして、そして、政策に持っていくというのが大変重要であると。

そして、制度も去年変わりました。そして、今までの指定団体の役割というものは大変重要です。これをなくすわけにはいかないと私も思っております。しかしながら、だからといって、一方的なルールとか、枠をはめて酪農家を縛ったりとか、酪農家の生乳の自由販売等も含めた多様性を阻害するようなものであってはならない。そこが私は一番大事なところかなというふうに思っておりまして、常に酪農家というのは牛も飼っておりますということは生きているということでございまして、いつまでも下請けでやるということではない、ある意味で、別に強気で言っているとか、そういうのではなくて、酪農家というのが楽しい酪農であるということを目指すために、皆さんで知恵を絞るということが一番先決であるかなと。

補助金を投入するのも大事ですけれども、補助金に頼らない酪農を築くためのベースの酪農教育というものを皆さん、オールジャパンで構築していくというのが今、一番ここの時期に重要なところにきている、酪農の重要なところにきているというふうに思っております。ですから、酪農家だけでもだめです。乳業さんだけでもだめです。団体だけでもだめです。ですから、一体となるようなところでどういうふうにして、そこの横のつながり、そして、若い人がつながるようなインテグレーションといいますか、そういったテーブルをつくっていくというのが大事です。ですから、そこで新しいチーズであり、バターなりの国産チーズも生まれてくると思いますので、ぜひ、原点のところに一回戻って、そして、酪農を築いていくというところにスタートしたいというふうに思いますので、ぜひ、皆さんご協力をひとつお願いしたいというふうに思います。酪農家の希望でございます。よろしくお願いします。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

里井委員、お願いいたします。

〇里井委員
ありがとうございます。

実は何回も手を挙げていたんですが、結局、順番が最後になりまして、ほとんどの方と質問がほぼダブります。一番最初に金井委員のほうからご意見をいただきまして、今回、4名の方々からの非常に貴重な講演を聞かせていただきまして、一番最後に具体的には10年間で2分の1回復、800万トン程度を目標と、こういう会議の際に具体的な数字を出していただけるというのは、とかくふわっとしがちなところに一つメスのようにぱんと数字で言ってくださるというのは、非常にありがたいなということを感じました。それについてのお話というのも皆様からもご意見を賜りまして、ほぼお伺いしたいことというのはほとんどいけたので、最後に1点だけ消費者側の目線ということでのチーズ、それから、乳製品での今の現状というのを簡単にご報告だけさせていただこうと思います。

一言で申し上げますと、チーズといったときに食べ物業界では非常にはやっていると。私も実は本当にチーズのバスクチーズケーキ、そして、来年はチーズティーがはやるであろう、それから、チーズタッカルビ、漠然と消費者の中ではチーズってはやっているよねという位置づけなのが今の食べ手側の一般の多くのものです。そこにさらに踏み込んで北海道チーズ、これはブランドが非常に高いという、選ぶならこれみたいなイメージ、そして、発表の中にも出てきましたように国産のバター、知り合いの方々というのは、パテシエの皆さん方も喉から手が出る、これからクリスマス商戦といったら、一番欲しいものは何だといったらそれぐらい。

ただ、現状、そこが若干いろんな面で消費者のずれというふうに西尾様もおっしゃってくださっていたように、みんな、チーズというものはそういうふうに漠然とそう思っているんだけれども、実は食べているものは国産ではなかったりだとか、我々の生産者さんの思いが届かないまま、何となく食べているだけというものでもあったりします。今後、私自身はこの10年間で2分の1回復、800万トンというのを目標にしたいと思っていますし、チーズという食べ物を一つとったとしても、消費者側からとっても明るい希望の食べ物のジャンルであるということに間違いはないと思うんです。

髙橋さんからもお話がありましたように、私も大会にもよく出させていただいていますし、今日、新たにイブ・マンソンさんやジャン・クロード・モランさんというお話も出ました。一見、チーズ、国産、フランスからも輸入が解禁になってどうなるのという中を国産の食材を使ってフランスの技術者を、こんな組み合わせというのは、実は私たちの願ったり、かなったりなんじゃないかなとひそかに思っています。

今、熱い思いも須藤委員からも聞きました。本来は国産というものをとっても応援する立場ではあるんですけれども、まず、牛乳、それから、チーズ、こういったものの価値そのものもせっかく上がってきているさらに加速させれば、私はまだまだ伸びるんじゃないかなと思います。なので、具体的なそういう消費者の思い、それから、つくり手さんとの思いのずれを国の方のお力、それから、皆さんのお知恵を拝借しながら、狭めながら底上げ、それから、基盤の強化、そして、世界への発展と明るい未来を築いていけたらなと思いました。

以上です。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

松永委員、藤嶋委員、追加でございましたら。

〇松永委員
それでは、私は牛乳の流通について、今、須藤委員も言われたように牛乳の流通の自由化はある程度、自由にできるようになってはきたんですが、これによって例えば西日本には自由に販売する人はまず誰もいないと思うんです。関東、東北、北海道のほうではある程度の人たちが自由に販売する。これによっていろんな酪農、私も酪農をやっていますから、いろんな人から聞くのは二また流通していいどころ取りする人もいっぱいいるとか、いろんなことによって一つの問題点が出てくるんじゃないか、しかも、それは大規模酪農家の横暴じゃないかという話までいっぱい出てくるわけなんです。

今、小野寺さんも言われたように、これからの酪農で一番大事なのは家族経営をどうやって守るのか、流通コストをある程度、みんなで負担して今まできた日本の流通がこれで壊れるんじゃないか、ヨーロッパは一本化されているのに、日本は逆行に向かっているという話も聞きます。僕も自由な販売というのはいいと思うんですが、それによって家族経営が潰れる流通形態というのは、酪農をやるみんなで考えるべきじゃないかな。

そこどこにあるかといったら、僕は一つは乳販連が酪農家で立ち上げた団体じゃない、自分の身近なところにいないという思いが、逆に乳販連の人たちが自由にやっているというところに問題があって、もっと酪農家と乳販連で意見の交換があれば、そういう流通をきちんと考えることができるんじゃないかなと。僕は今からの酪農の一番の問題点は、大規模化を国はどんどん進めますが、大規模化と家族経営との所得格差というのが物すごく僕は出てくるような気がするんですよ。これをクリアするためには、国が一定の重石をつけて家族経営をどうやって守るか、その一途で僕はいいような気がするんですが、そういう政策をしてほしいなというのも一つあります。

以上です。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

藤嶋委員、お願いします。

〇藤嶋委員
最後にお時間もないでしょうから、生産の増頭といいますか、生産の増強なんですけれども、皆さん、隈部さんが一番おっしゃっていた糞尿の処理なんです。これは環境的には北海道でしかなかなか増頭はできない。例えば熊本県においては、出てくる副産物、堆肥にしろ、肥料にしろ、これをリサイクルできる農家がいない。あり余っちゃっていて東南アジアにも輸出もできない。

この問題をさっき堆肥センターとかおっしゃっていましたけれども、行政と一体となって解決していかなくてはいけない。かといって、コンプライアンス上、糞尿の処理、におい、環境問題、これはデッドロックだと思います。これのリサイクルシステムをきちっとつくらないと、熊本県、北九州は農家の方はほとんど廃業なさっていますから要らないんですよね。だから、ディールが成り立たない。そうしたら、それでとまってしまう。非常に難しいと思います。栃木、それから、茨城、千葉もその問題です。簡単に増やそうと思っても糞尿の処理ができない。

これを行政と一体化して考えていかないと、サプライチェーンと申しますか、需要と供給の関係があって、今、酪農というのは非常にバランスがとれていて、乳価も安定しているし、ほかの畜種に比べたら非常にいい事業だと思います。養豚とか、養牛とか、卵なんかも暴落しちゃってどうしようもない。その中で単純に相場がよかったから増産するわけです。だから、酪農においても今は非常に巡航速度で乳価というのは形成されていますので、簡単に増産できない、糞尿のこともございますけれども、需要と、どこに売るんだ、一体、いつ、どこの誰に乳製品を売るんだということをきちっとサーベイして組み立てていかないと、なかなか、相場が崩れてしまってもとのとおりにいくんじゃないかと、こういうこともございますので、また、今日のお話は大変参考になりました。

我々飼料メーカーとしても、できるだけ糞の出ない餌をつくるのが開発目標なんですけれども、養鶏ではでき始めているんですけれども、かといって、それは根本的問題にならない。これを何とかご協力しながら、また、相談させていただければというのが私のこれも印象でございます。ありがとうございました。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

今は、ご質問というよりご意見だったところでございますが、ヒアリングご協力者の皆様方で追加のご意見がもしございましたら、よろしくお願いします。

〇瀧澤氏
砂子田委員のご発言、ご質問の中で後継者教育という部分ですが、実は先ほどの説明でも若干触れたところでありますけれども、北海酪農人材育成協議会というのを昨年立ち上げまして、ホクレンが事務局を担当しておりますけれども、農業団体、乳業メーカー、酪農関係団体、関係大学、北大とか帯畜大だと思いますけれども、酪農大学も入っていると思います。それから、北海道庁で構成しております。

これは北海道酪農の持続的発展を図るため、将来の北海道酪農を担う専門人材の育成を図るという目的ですが、農業経営塾というのを開設いたしまして、その中の酪農経営者管理コースといいます。それで、3日間を3期ということで、9日間の日程で経営管理、財務管理、労務管理、マーケティング等を学ぶということで、レベルを上げるという塾を開設しております。砂子田さんは入学する必要はございません。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

あと、最後、西尾様、委員としてのお立場から何か追加のご意見表明等があればいただければと思います。特段、ございますでしょうか。

〇西尾氏
特には。

〇三輪部会長
承知しました。ありがとうございます。

それでは、お時間が超過してしまいまして、私の拙い進行で大変恐縮でございました。

最後に、私のほうからも一言だけ申し上げさせていただきたいなと思います。ふだん、私も野菜の農園を共同運営していますので、農業者の立場から申させていただくことについては、今日はいろんなステークホルダーの方がおられます。一歩引いて一農業経済学者の立場から申し上げさせていただきます。

先ほど各ヒアリングご協力者の皆様からご発言にただきましたように、目下の貿易構造及び需要のトレンドを見ますと、今、日本の生乳生産というところについてはビジネスチャンスが非常に大きいところだというところは、皆様、ご意見として一致しておるところかと思います。一方、いわゆる経済学的な論理に基づきまして、単純に増産しますと価格弾力性等に伴いまして価格が下落してしまう。そこがまさに皆様方の今、ご懸念されているところでございますし、そこに対しての少し感覚であったりとか、お考えであったり、対策というところでそれぞれ委員の方々及び今日お越しいただきました事業者の皆様方でも、地域性であったり、お立場を含めて少し認識、お考えのところの違いがある。こういうようなところは、今後、ぜひ酪肉近を検討する中で、一つ重要なポイントになってくるのかなというふうに思っておるというところでございます。

その中で、先ほど瀧澤様からお話しいただいたプレミアムの生乳のお話であったり、あとは髙橋様にご紹介いただきましたような非常に評価の高いチーズ、実は私の親戚がちょうど牧場から3~4キロのところに住んでおりましてよくいただいております。特にフレッシュチーズが非常に大好きなんですが、ああいうようなものというのは、リッター幾ら、キロ幾らというようなこととは全く違った次元で取引されるものなんですよね。

なので、単に増産したからといって価格が落ちる、だから、今、その残りの部分は輸入で致し方なしというわけではないという、今、世界観になってきていますし、先ほど小谷委員や里井委員からもご意見をいただきましたように、まさにいろんな打ち出し方ができて、今、消費者の方にそれを認めていただけるような市場構造になっています。これは10年、20年前とは大きく違うような購買行動が出てきていますので、そういうところまで一歩踏み込んだ中、今日、いただいたような貴重な意見も踏まえて、前向きな議論を引き続きさせていただければと思っております。

各委員からいただきましたご質問について、農林水産省のほうから補足の説明等はございますでしょうか。ありがとうございます。では、また、個別にございましたらフォローいただければ幸いでございます。

それでは、お時間が超過しておりますので、本日のヒアリングはここまでとさせていただければと思います。瀧澤様、隈部様、髙橋様、西尾様、本日は誠にありがとうございました。

本畜産部会でございますが、本年4月から4回にわたり、計15名の方々をお招きさせていただきました。その中で現場の声をお聞きさせていただきまして、直面する課題や今後の経営発展に向けた力強い取り組み、意欲など、率直なご意見をいただきました。これは今後、政策を検討していく中、非常に重要なものだというふうに私自身は考えております。部会長といたしまして、改めて御礼を申し上げたいというふうに思います。

本日の議論を踏まえまして、事務局で論点を整理していただいた上で、次回の部会においてご提示いただきまして、次期酪肉近の議論に積極的に活用させていただきたいというふうに思っております。

最後に、事務局からございましたら、よろしくお願いいたします。

〇伏見畜産企画課長
委員の皆様方には4月からこれまで、計4回にわたるヒアリングにご協力いただき、誠にありがとうございました。

酪肉近の見直しにつきましては、本年秋ごろを目処に畜産部会に諮問を行う予定であります。ヒアリングご協力者からいただいた現場の課題や委員の皆様からいただきましたご意見、ご示唆につきましては、部会長からもお話があったとおり、事務局で論点を整理した上で、次期酪肉近の議論に積極的に活用させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

閉会

〇三輪部会長ありがとうございます。

それでは、これをもちまして本日の畜産部会を閉会したいと思います。

本日は誠にありがとうございました。

 

お問合せ先

生産局畜産部畜産企画課

代表:03-3502-8111(内線4893)
ダイヤルイン:03-3501-1083
FAX番号:03-3501-1386