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農林水産省

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令和元年度第8回畜産部会議事概要

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1.日時

令和元年11月18日(月曜日)10:00~15:00

2.場所

農林水産省第2特別会議室

3.出席委員

有田委員、石澤委員、大山委員、小野寺委員、金井委員、加藤委員、釼持委員、小谷委員、里井委員、須藤委員、砂子田委員、藤嶋委員、前田委員、西尾委員、三輪部会長(築道委員、松永委員の2名は欠席)

4.概要

省内より適宜説明。

【意見交換】

(加藤委員)

〇堆肥について、物流コストが高すぎて採算があわない。肥料会社が今のまま肥料を作っているままだと物流も分散し、根本的に解決が見込めない。ある程度の品質の均一化が必要。肥料が欲しい時に、同じような品質の肥料が近いところから供給される仕組みを作らないと、物流の課題は解決しないと思う。臭いというイメージがあるので、他の物と一緒に運ぶことは難しい。

○メタン発酵施設の運営管理について、技術を持っている中小企業の新しい分野としてエネルギーシステム事業を地域と連携してできれば、次の世代にエネルギー事業を繋げられるのではないか。

○農産物は、海外のほうが日本より高く買ってくれてる状況。自給率をあげるのであれば、それ相応の強いメッセージを出さないと難しいと思う。輸出に対応する農業を作ること、また、耕作放棄地での放牧や飼料生産の連携をプッシュし、肥料は近くの農家から提供されるような循環ができれば、課題解決につながるのでは。

(前田委員)

CSFの名称変更について大変感謝している。普及は大変だと思うので、引き続きよろしくお願いしたい。

○バイオマス利用のメタン発酵について、私たちも取り組もうと思ったが、系統接続ができないため断念している。メタン発酵をするにあたり、消化液の取扱をどうするかが課題。

〇スラリーを畑にまくのは容認されてきたが、最近ではそれを全面禁止にする行政も増えてきている。消化液が容認されるかどうか。不安なく取り組むには、深掘りした情報や事例が必要。

○熊本、佐賀、大分へ堆肥をフレコンに詰めて10トントラックで持って行き、帰りに飼料用米を積んで帰ることを継続して行っている。

○農業高校のマッチングついて、解決策は難しいと思うが、畜産農家が法人化もしくは法人化できなければ労働環境を整えることを進めて行く必要がある。

(有田委員)

○農業高校へのヒアリングについて、主な意見の5つはヒアリングしなくても結論がわかっていたこと。その解決のために何が必要なのかをヒアリングしてほしい。

○先週、企画部会のヒアリングの際に、経営継承された方から、農水省の基本計画が数年後に変わって振り回されるということを聞いた。その時期で解決すべきことを基本方針として示すことになるが、丁寧な説明によって理解を得る努力が必要。

〇基本計画の目標値と現在値の乖離が課題。食育の関係で、学校給食における地場産利用の目標を100%に掲げたが、現実ではあり得ない。計画を見直していく中で目標数値を改定し、できることできないことを見据えて取り組む必要。

 

(石澤委員)

CSFASFの対応に感謝。引き続き、気を引き締めて今後もよろしくお願いしたい。

○肥料の品質について、畜産物は安定しない部分がある。現場をよく把握していただきたい。良い肥料を作るためには、畜産農家が地域と協力することが必要。1千万トン以上のトウモロコシが日本へ輸入されているので、肥料の輸出も考える必要がある。近隣アジア圏への輸出は国際貢献に繋がる。

○人材確保について、大規模経営への就職は大卒が多く、高卒では大変な状況。農業高校だけでなく、普通高校も視野にいれたPRをすべき。最近ではJAも推進を行っているので、情報開示していく必要。

○林間放牧等、山を活用する方法が非常に大事。台風被害等見ても、放置された森林に被害が出ている。竹林は牛の放牧によって、きれいな農地になる。ある程度コンクリで整備すれば鶏の放牧にも使える。鳥獣害の被害も少なくでき、山林の保護が将来的に川や海の保護にも繋がる。畜産部と林野庁が連携していけば、それが自給率向上にも繋がってくる。

 (大山委員)

〇家畜改良増殖目標の改定では、前回の改定から大きな変更があるわけではないが、委員からは、和牛4品種において、これ以上脂肪交雑の改良は必要ないという意見が出ている。流通において脂肪交雑の入った牛肉は高く購入されており、農家の方の意識も変わっていない状況。

○堆肥の問題は、農家段階では物理的な置き場、堆肥化の作業の問題がある。農家段階で堆肥を作るのはなかなか難しい。大多数の農家で堆肥化の処理の作業は、かなり負担になっている。糞尿を入れておけば、業者が適切な施設に収集し、ペレットなりバイオマスなりに利用される体制が理想的かと思っている。基本方針には処理施設の整備に関する目標を設定することになっているので、併せて検討いただきたい。

○培養肉や人工肉に関して危機感を持っている。本当の肉の価値が高くなると言う人もいる一方で、大きな議論になる可能性があり、業界全体で考えるべき。当大学では、他大学の実習生を受け入れている中で、畜産業界における常識が、一般の方には非常識であることを常に感じており、批判を受ける可能性がある。例えば、人工授精でさえ、一般消費者の方の中には拒否反応を示す場合もある。こういった現状を理解しながら進めていく時代が来ている。

(関村飼料課長)

〇耕作放棄地の活用については、現行の酪肉近のおいても経営指標として入れているが、放牧は耕作放棄地の有効な活用方法であり、現在も施策を進めており、その重要性は変わらない。

○飼料用米と堆肥の交換について非常に良い例を紹介いただいたが、飼料用米の生産振興において、複数年契約でマッチングをすることを進めてきたところ。耕畜連携は非常に有効な方法と考えているので、来年以降の説明会でご紹介させていただきながら、推進していきたい。

○山地での放牧について、林間放牧は以前から推進してきたが、現在は進んでいない部分もある。林野庁とどのような連携が取れるかも含めて検討していきたい。

(犬塚畜産振興技術室長)

〇近隣地からの堆肥供給の仕組みについては、環境機構で何か仕組みが考えられないか意見を聴取する。

○消化液の散布が禁止されているかについては、情報を収集したい。

○堆肥をしっかり作っていくこと、それと平行して市や農協がふん尿を集めて堆肥にしている。地域に質の良い完熟堆肥を還元するため、二つの方法をうまく組み合わせながら、堆肥処理をすすめていきたい。 

(伏見畜産企画課長)

〇輸出の考慮について、酪肉近の中でどこまで書き込むかとは別に、将来的な人口減少が始まっている中、どうやって生産を維持していくかを考えた場合、輸出を視野に入れた形で政策を考える必要があるため検討しているところ。

○経営継承について、中小規模が大規模層に吸収されないと、結果として、営農戸数が減ってしまうことがあるので、一つの解決策として、経営継承をうまくすることを考えていきたい。

○人材確保についても、農業高校からのヒアリングだけではなく、酪肉近の中でどこまで書き込むかはあるが、なんらかの形で書き込んでいきたい。

(熊谷動物衛生課長)

〇堆肥の輸出について、完熟堆肥やペレット化した良い堆肥であれば、アジアのいくつかの国には現在輸出されている。良い堆肥はアジアの国からも求められているので、鶏糞を中心に検疫協議を進めていきたい。

CSFASFの呼称について、定着させていくことが重要。生産者、流通者はもとより、メデイアの協力も得て、正しく理解していただくよう普及させていきたい。

(小野寺委員)

〇家畜排せつ物法の基本方針について、北海道では大規模化、多頭化が進んでいるが、これには生産基盤強化と糞尿処理施設とセットで対応していく必要がある。耕畜連携ができていない地域もある中で、堆肥の移動、堆肥化のコストは課題である。バイオマス利用については、雑草の種子を死滅させるなどの技術が必要であり、投資についても引き続き国の支援をお願いしたい。

○バイオマス利用後の消化液の散布については、面積と頭数が合っていない場合、地下水の汚染等環境に影響を与えてしまう。技術研究を早急に進める必要がある。

〇バイオマス利用になじまない地域と行政あげて取り組む地域とで偏りがあるため、どの地域でも取り組める低コストでできる技術確立が必要である。

〇堆肥処理について、生産者が土地条件に合った処理方法を選択できることも必要。堆肥生産については、良質な堆肥に至っていないことが現状であることから、耕種農家のニーズにあった堆肥生産ができるよう酪農の糞尿処理問題にしっかりと取り組んでほしい。

○酪農経営の指標について、実感の持てる内容が設定されていると思う。外部支援組織の中にコントラ事業が入っていないようだ。TMRセンターの運営や公共牧場、肥育センターなどがここに評価されて記載すべき。

○労働軽減対策、機械導入について、外部化支援を後押しすることをお願いしたい。畜産クラスター事業についても引き続き酪肉近に位置づけて明記してもらいたい。

〇需要に応じた生乳生産について、災害が増えている中、生産基盤を棄損することなく安定供給できるよう万全な仕組みを作ることが大切であると思う。全国の酪農家が安心して生産拡大できるために、北海道に生産のしわ寄せがいくことのないよう、全国的な取組の中で生産拡大を進めてもらいたい。

○畜産経営安定法の改正により、出荷先の多角化が進んでいる。これまで以上に需給調整が難しくなっていると思う。現状を十分に検証した上で、酪肉近における考え方を盛り込んでもらいたい。

○北海道ではクマの被害も増えている。例年よりも放牧期間を短くしている育成牧場もあり、人的被害も心配されるところ。ハンターが減っている現状もあると思うが、環境調和と自然保護に配慮した形で鳥獣害対策も取り組んでもらいたい。

(金井委員)

○家畜排せつ物対策について、特に施設の老朽化が課題である。共同堆肥センター等を推進してはどうか。事例として鹿児島県肝付町では行政が共同の堆肥センター設置・運営し、70歳以上の生産者を対象に、中小規模の繁殖農家で労働負担が大きい堆肥の運搬について、堆肥センターの職員が軽トラ1台あたり300円で堆肥センターまで運搬を行っている。

〇堆肥のペレット化について、個人でペレット化の施設を整備することは難しい場合もあるので、共同でやることが望ましいのではないか。

〇ブロイラーの飼料を変えたことで排せつ物の発生量が減少したという事例もある。排せつ物量が少なくなる飼料や技術を開発してはどうか。

○食料自給率の議論について、これまでのように外国から飼料を買って肉として蓄積するのが良いのか、飼料用米の生産をはじめとして、国産飼料生産の拡大を行うのが良いのか、安全保障の観点や生産額としての目標、多様性等をふまえ、どれが実態として最も合っているのか、深掘りした議論が必要である。畜産サイドの考えをどうするか明確な整理が必要。

○輸出が増えることで自給率はどのくらい上がるのか。輸出が増えれば自給率に反映されると思うが、1%上げるのにどのくらいの輸出量が必要か。

(釼持委員)

○家畜排せつ物法の基本方針について、省力化によってコストを下げられればいいが、現実はコストが下がらない。現状の家畜の堆肥について需要のバランスはとれているのか。

〇将来の堆肥生産目標はどうなっているのか。そして、その生産量をどれだけ活用できるのか。畜産農家の堆肥を持って行く先がないことが問題であると聞いている。耕種農家や販売業者などとの関係をどうつないでいくかの仕組み作りが課題である。

○家畜の飼養頭数が増えることによる環境への影響やメタンガスの排出問題について、日本においても話題になってくるのではないか。それを解決する手法として、アメリカでは代替肉や培養肉、EUでは昆虫食が話題となっており、畜産の将来として非常に危惧される事態だと思う。家畜が環境問題の要因として取り上げられることについて、今後どう考えていくのか。

○改良増殖目標について、ゲノミック評価とは具体的に何か。また、動物愛護のような配慮は必要ないのか。鶏については、触れているが、牛、豚については、記載がない。

○依然から述べているが、和牛へ消費者が望むものと生産者が生産するものとの隔たりは大きいと感じる。

○世界的に肉食への需要が拡大する中、生産は限界に来ている。中国のASFの影響に見られるように流通構造が変わろうとしている。豪州産の牛肉は過去最高価格を記録した。輸入についても今後の考えを聞きたい。

(小谷委員)

○農業高校へのヒアリング結果について、有意義なヒアリングであったと思う。農業高校に出前講座をしているという三重県の生産者から、農業高校の先生方はリクルートとしての農業のつながりを持っていないと聞いたことがある。高校側に知識や情報がないことも要因の一つである。

11年後のインバウンドの予測結果6000万人という数字を見て、これだけの外国人が日本に来るということは、国産のものを提供できるように、輸出はもちろんだが、国内生産も大事。

○家畜排せつ物法の基本方針について、協同施設を作ることなどが検討されているようだが、施設を作る際には、悪臭対策など住民へ正しく理解してもらえるよう配慮が必要である。工場化するような印象を受けるが、日本型の小回りのきく仕組みを新しい記述に求めたい。

○放牧について、持続可能な農業、環境、アニマルウェルフェアの観点からもう少し増やしていく方向にしてもらえればと思う。福島県飯舘村で水田放牧をしている生産者を訪ねたが、グラスフェッドという言い方があるように、ライスフェッドという日本ならではの売り方もできるのではないか。

(水野牛乳乳製品課長)

〇生乳需給緩和時の対策について、ナラシと調整保管で対応しているところ。都府県の飲用向け生産が不足する中、北海道へしわ寄せがいかないよう、都府県の飲用は都府県でまかなえるよう引き続き生産基盤強化に取り組みたい。

○出荷先の変更について、年度途中で出荷先を変更することは契約違反である。集送乳の合理化という観点からもそのようなことがないようしっかりと対応していきたい。

(冨澤食肉需給対策室長)

〇中国のASFによる需給の影響については、いろいろな予測はあるが、中国の豚肉生産量は4分の3に減っている。中国が豚肉の輸入を増やしており、日本への調達が厳しくなっているという意見はある。一方で、影響を予測して商社の方々は輸入を前倒ししていることから在庫は20万tを超えている。当面、豚肉の供給は細ることはないが、世界的な需給状況を見ながら、情報提供する等、国内の安定供給について引き続き対応していきたい。

○豪州の牛肉価格について、中国のASFの影響を受けており、豚肉の代替として赤身肉の輸入を増やしている。豪州は干ばつがあり、将来的な供給には不安な要素があり、輸入を伸ばせない状況にある。牛肉について豪州以外は、カナダ、ニュ―ジーランド、メキシコがあるので、供給先の多様化によって安定的に輸入できるよう進めていきたい。いずれにしても、国内生産を伸ばしていくことが重要。

○様々なたんぱく供給源が増えていることについて、消費者にとって安全で多様なたんぱく源の供給としてどういうものがあるかを検討していくことが課題。

(形岡畜産総合推進室長)

○食料自給率について、輸出が増えれば、自給率は上がるのかというご質問について、生産額ベースの食糧自給率における国内消費仕向額は16.2兆円となっており、輸出は100億円となっているので、0.05%くらい自給率が伸びることになる。カロリーベースについては、改めてお示しする。

○農業高校のヒアリングについて、県立高校では斡旋する際には必ずハローワークを通すことになっているが、農家はハローワークには求人を出さないことが多いため、公式なルールとして高校側はそのような農家へは斡旋できないようだ。

(伏見畜産企画課長)

○小野寺委員から酪農の経営指標にコントラクターが入っていないという指摘があったが、全く書いていないわけではない。今回、5年毎の見直しの中で入れていくことになっている。また、剣持委員から生産基盤の強化で輸入をどう考えていくのかという話があったが、冨澤室長からあったように、国内生産を伸ばしていくことが当然だが、輸入に置き換えて検討するのか考えていきたい。

(関村飼料課長)

○コントラクターについて補足すると、現場実装推進プログラム中に記載があり、現在826組織がある。大規模化が進展している中で飼料生産の外部化は重要な政策になってくるので、しっかりと位置づけていきたい。

○自給率のうち、飼料自給率の扱いには、メリット、デメリットがそれぞれある。現在は飼料自給率を勘案したものと勘案していないもの両方を併記する形でデータを公表している。

○飯舘村で試験的に水田放牧をしていることは承知。有効な放牧手段の一つであり、今後も福島県と相談しながら必要な支援をしていく。

(犬塚畜産振興技術室長)

○バイオマス利用後の消化液について、土地条件にあった処理方法、排せつ物を減少させる飼料などの意見をいただいたが、これらについての将来的に技術会議と相談して進めていきたい。

○家畜排せつ物の発生量について、全ての畜種を合わせた糞尿の発生量は1年で8000万t弱。どのくらい利用されているか統計データはないが、H27年に食産局が出している資料では炭素換算した場合、家畜排せつ物の場合87%が利用されているという試算がある。

○アニマルウェルフェアについて、改良増殖目標の現行には、乳用牛の例であるが、「我が国の実態を踏まえて社団法人畜産技術協会(当時)が平成23年3月に公表した「アニマルウェルフェアの考え方に対応した乳用牛の飼養管理指針」の周知及びその普及を推進するものとする。」とあり、指針は最近改定されているので、改定部分を踏まえて盛り込みたい。

○ゲノミック評価について、能力には環境要因と遺伝的要因の二つがあり、産肉能力などの表型値と親から引き継いだ遺伝的能力を計算して育種価を算出している。その育種価とある能力を持つ遺伝子との相関をとった評価をゲノミック評価と総称している。ゲノム編集とは関係ない。

(里井委員)

○ヘルパーなど人材確保全体に継続的な支援をいただけるとありがたい。

○中小規模は拡大する、しないに関わらず、今持っている経営資産を持続するのが大変。現状、規模拡大に関わる施策になっている中、本当に中小規模、家族経営の方を支えるには、規模拡大するしないにかかわらず、サポート体制の整備、資金繰りへの支援を国からすることが、小さい経営者を守っていくことになると感じている。

○労働負担の軽減の支援で、結果的に家族経営の方々が生産基盤の維持拡大できるのであれば並べるとして、今頑張っている方が規模拡大にかかわらず支援を受けられることが重要。

○家畜排せつ物法については、今現在行われているバイオマス利用の良い例があると思う。専門家の意見に加えて、現場の方からの意見も、まとめることで有意義な意見交換につながる。

○インバウンドが増えている話があったが、消費者というくくりが日本人だけではないことを常々感じている。国の方針として、消費者のニーズに添うことも大切だが、日本の農産物、畜産物の強みをアピールし、消費者を引っ張る強い姿勢がほしい。

○和牛で言うと、確かに赤身のニーズは増えているが、海外の方からのニーズとしては、和牛のしゃぶしゃぶやすき焼きもある。

○国産の和牛にしろ、食べ物のPR点、強化点、強みを国としても、農水省としても方針を議論する必要がある。

(須藤委員)

〇一点目は畜産の大規模化と地域の環境についてである。

○多様な畜産があることが前提として、大規模化が加速している。生産拡大、国産流通においては重要。

○法律的にも、一定条件をクリアすれば大規模化の制約はない。原則的には青天井になっているということだと思う。しかし、大規模化による環境対策の不安から地域社会との強調が難しくなっている。

○日本の現状は、畜産先進国である欧州、米国、カナダ等における考え方がわかれるところではある。欧州は制約型、米国等は日本と同じく青天井型であり、そういう中で経営を選べるという状況。

○私自身は大規模化はある意味では仕方ないと思っているところもあるが、一カ所での飼育頭数の制限は避けられないと思っている。特に府県は地域性があり、より重要になる。経済優先だけではなく、手遅れにならないうちに政策的にも議論は必要。

2点目はやりたくなる農業、畜産を進め拡大するにはどうするかということ。

 (ア)やりたい人材を定める。見つけるではなく、ターゲットを絞る。農家、非農家にこだわらず、農業法人でキャリアを積んで就農に結びつけるシステムを国の主導で作る時期に来ている。

 (イ)担い手を多方面から確保する。Uターン、Iターン、農外、農福連携で一丸となって人材を確保しなければいけない。

 (ウ)若い人が取り組みやすい農業環境を整備する。労働法の中で、農業等は労働時間を制約されないことになっているがおかしい。この法律は農業が家族経営だった頃に作ったものであるが、もうそういう時代ではない。農業も一般の産業と同じようにしなければ、外国人も使えないような状況にある。
農業も他の産業と同じ土俵で勝負するという中で、これはマイナスの要因になっており、変えなければいけない。

 (エ)農業教育を行う。義務教育からカリキュラムにいれて、教えて行かなければいけない。

(砂子田委員)

○家畜改良増殖目標の乳牛の能力に関する目標について、日本はもう乳量を増加させてきているところだと思う。そして乳量を優先したため長生きしない牛が増えている傾向にあるのではないかと思う。

○今の書き方でも良いとは思うが、それより長生きする牛を増やすことに重きを置いて書いてあると良いのではないかと思う。

○日本の酪農において、大規模化などを進めていくと牛が粗末に扱われるようになるのではないか心配。

私自身は自分の牧場で生まれた牛に、能力を最大限発揮して長生きしてもらいたいという思いをもっているが、生産性の向上や大規模化に進んでいくと、牛が人間に合わせるような飼い方になり牛が長持ちしないのではないか。

○それを改良でカバーできればいいが、現地問題、改良だけではそうはならないと思う、環境も大事。

○酪農家が牛を長生きさせられる環境があれば良いなと思っている。

○大規模化を進めていく上で、排せつ物の話はいろいろと聞いてきた。自分の地域でもバイオマスの話が出たが、国からの補助を含めてもコスト面で難しいという話になった。

○農業高校の就職先については、自分が帯広農業高校で授業をしたときも、将来酪農家になりたいと答えた生徒は1/5程度だった。しかし、授業後のアンケートでは、酪農に興味を持ったという生徒が何人かいた。酪農家になろうか迷っている高校生などと、酪農家が関わる機会が少なく現状を知らない高校生が少ないのではないか。

○私自身地元の小学校で授業をしたりしているが、酪農家のお子さんでも牛のことを知らない子がたくさんいる。小学校のカリキュラムでそういうことを学ぶ時間は入っているのだろうが、身についていないのが現状だと思う。

○これからの若者たちに酪農をやってもらうには、酪農家たちが自分の仕事に魅力ややりがいを持っていることが一番大事だと思っている。私自身、今度12月に酪農女性サミットを開催する。全国350人の女性が参加し、半分が生産者の方である。参加者で酪農の話をしてモチベーションを上げていこうというイベントだが、それぞれの参加者に、地域で酪農を盛り上げてもらうことが目標。皆様にも応援していただければと思う。

(藤嶋委員)

○飼料の安全確保について2点述べたいことがある。

○一つ目は現行の酪肉近には「飼料・飼料添加物に関わる安全確保」との表題の元、事業者によるGMP(事業者が実践すべき基本的な適正製造規範)、あるいはHACCPの導入を推進するとの記述がある。我々飼料メーカーはこの方針に則り、GMPの積極的な導入を進めてきた。

○ところで、第6回畜産部会で配布された企画部会の資料に、「飼料関係事業におけるGMP導入の義務化、GMP導入の義務化に着眼した国の監視体制を構築する。」との記載がある。

GMP導入の義務化については、小規模事業者の実態を十分に踏まえた上での推進をお願いしたい。

GMPは事業者自らが行程管理に責任を持つものだと理解しているが、企画部会の資料の、国による監視体制の構築とはどのようなものを考えているのか。

○「監視」と言われると、我々が悪いことをしているようで居心地が悪い。「国による確認」程度の表現が適切ではないか。検討していただきたい。

○二つ目はTPP等により安価な輸入畜産物が増加している中で、良質かつ低廉な飼料の生産供給は国内畜産を支える、飼料メーカーの責務だと思っている。

○飼料の生産コストに影響する、飼料の製造、安全性に関する諸規制について、畜水産安全管理課と昨年から定期的な意見交換をさせていただいてきたが、事情の変化を踏まえて過去の通知を見直していただいており感謝。

○農業競争力強化支援法第8条には「農業資材に関わる規制について国際的な標準との調和を図るため、また最新の科学的知見を踏まえた合理的なものにするため見直しを行う。」とある。飼料規制に関して、国際的な基準との調和をさらに進め、畜産物の輸出国と同等のものになることをお願いしたい。そのような記述を酪肉近のなかに盛り込んで欲しい。

○次に酪農中小家族経営の維持である。中小経営者の離農が止まらない中、規模拡大一辺倒の政策では生産量の維持すらできない。

○第6回畜産部会で、都道府県の60歳以上の酪農家で後継者がいない割合は26%、生産量で占める割合は13%であると示された。北海道だけに頼るのではなく、都府県酪農の減少をどうやって止めるのか。自然災害が多い日本で、牛乳乳製品の安定供給を考える上で重要な課題。

○対策はいろいろあるが、何よりも酪農を魅力ある産業にすることが大切。そのためには所得確保も大切だが、休日確保の体制をつくることも大切。酪農家の働き方も近代化が必要。規模は現状維持でもゆとりのある、持続可能な家族経営を経営指標に掲げて支援しなければいけない。

〇最後に、バイオマスで成功している実例は、今までで北海道興部町の1実例のみである。問題は消化液の処理である。消化液は肥料になるが、定期的なサプライチェーン、受け皿がないと事業の計画通りには行かない。このような大事業は北海道でしか成り立たないだろう。堆肥の利用でモデルとなる地域があるはず。新潟県で鶏糞を米の生産にうまく利用している事例が発表されている。そのような良い事例を紹介して欲しい。

(西尾委員)

○都府県の生産基盤の強化が最重要課題。

○生産基盤の強化について、酪農家が安心して生産を継続できるには、関連制度が安定して信頼できることが重要。

○これまで、生産者や指定団体が生産現場の立場で様々な意見や課題を表明してきたが、その意見等を真摯に受け止めて、必要に応じて制度の運用、改善を図って欲しい。

○生産基盤を強化するには、後継者、雇用を含めた新規参入者が魅力を感じられる産業であることが非常に重要。特に家族経営において、他の産業に比べて労働時間が長く、休日が取りづらいことが後継者が後を継ぎたがらない要因の一つになっている。

○解決するには、搾乳ロボットなどの新技術の導入、酪農ヘルパーやコントラクターなどの外部支援組織の活用が重要。特に酪農ヘルパーは、新規参入者予備軍という視点からも、充実、強化が必要。また、法人経営における労働力の安定的な確保も重要。

○生産基盤の維持強化のためには、家族経営の安定的な継続が基本である。従って後継候補者が進んで就農したくなるように、後継者向けの情報や支援を充実していくことも重要。農業高校、農業大学校等への酪農関連情報の提供、連携も有効ではないか。

○都府県において、耕作放棄地の集積等を図る農地中間管理機構と連携して、資本力と技術的知見のある農協等が酪農経営に参入しやすくなる支援策を検討して欲しい。

○後継牛の確保は生乳生産を回復させるために重要である。貴重な乳用牛を有効に活用する体制を構築する必要がある。肉用牛を需要に合わせて増やし、乳用牛の腹を利用した交雑種の生産を抑え、副産物の生産販売に依存しない酪農経営の確立が重要。

○畜産クラスター事業などによる施設の整備、雌雄判別精液の利用拡大等を図ることで、安定的に乳用後継牛を確保できる体制を作ることが重要。

○後継牛が確保されても、経産牛の更新に用いられ、増頭に貢献しなければ意味がない。更新が早いと言われている大規模経営体を中心に、供用期間を延長して頂く取組も重要。

○乳用牛を有効に活用してくために、能力を他の酪農先進国と同じレベルに着実に改良していくことも重要。連産性、ロボット搾乳にも適した体型の改良目標を設定する必要。

○安定的な生乳生産には、価格変動が少なく、環境問題への対応にも有効で、風味への効果も期待される粗飼料の生産拡大が重要。

○都府県では、水田を活用したWCS、飼料用米の生産拡大が図られている。土地面積当たりの栄養収量や栄養バランス、飼料自給率の向上を考えると、WCS用稲よりデントコーンを生産した方が効率的。しかし、水田活用直接支払いの交付単価は、WCS用の稲が10aあたり8万円なのに対し、デントコーン等飼料作物は35千円と低く、生産利用が進んでいない。

○仮にデントコーン等の飼料作物の単価をWCS用稲並に引き上げ、置き換えても財政負担は変わらないと思う。生産者の背中を押すような、インパクトのある見直しを検討して欲しい。

○飼料コストの低減、資源循環の観点から、エコフィードの生産利用も重要である。しかし、エコフィードの水分や品質が安定しないことが、牛乳の風味変化問題の一因ともなっている。こうした問題が起きないよう、エコフィードの品質改善、安定化を図ってほしい。

○酪農経営強化のためには、経験の少ない酪農家に対する基礎的な技術指導は依然として必要。特に都府県において、酪農家数の減少に伴い、酪農支援組織も統廃合してきたため、技術指導を行える人も減少してきた。酪農支援組織のあり方や、活性化について検討する必要。酪農家が孤立感を感じないよう横のつながりを支援する取組も必要。

○円滑な経営の継承のため、酪農への新規参入者を安定的に確保するための仕組み作り、後継者が居ないために廃業せざる終えない酪農家の施設を新規参入者に円滑に譲渡できるようにする仕組みを構築する必要。

○環境意識が高まっている中、土地面積が少ない都府県において、家畜排せつ物が近隣住民から迷惑がられることや、老朽化した堆肥舎の立て替えにはコストがかかることが、離農につながっているということを聞く。後継者の確保と関連づけて支援策を工夫して欲しい。

(有田委員)

〇西尾委員に対して質問。エコフィードの品質が悪いために、牛乳の味や臭いに影響しているとのことだが、乳用牛のエコフィードで風味に影響するものを聞い
たことがない。具体的にどういうものが影響するのか。

(西尾委員)

○学校給食用牛乳を含めて、牛乳の風味がいつもと違うという事案が全国で何件か起きている。要因は様々であり、エコフィードはその要因の一つである。食品残渣が様々なところから供給され、水分が多いものがある。通常は、臭いに影響しないように発酵させたりしているが、すべてが安定的に供給されているわけではない。

(有田委員)

〇エコフィードは一般の残渣は含まれていないはず。特に乳用牛にそのようなエコフィードを使っているのか知りたかった。首都圏の乳業メーカー等いろんなところを見学したが、風味に影響するのはエコフィードというより食べた飼料という話を聞いた。リキッドタイプのエコフィードを食べさせているという例があるということか。 

(西尾委員)

〇飼料の詳細については、宿題にさせていただきたい。

(三輪部会長)

〇バイオマスの件だが、排せつ物の処理、地域内でどう活用するかが大事。また、発生したエネルギーを地域内でいかに使うか。現在は規制があるため、発電しても、自分で使うか、電力会社に売るかの二者択一。地域でみんなで使うことが大事。

(金澤乳製品調整官)

〇西尾委員から制度の話が出たが、しっかり状況を見ながら運用改善、適正な制度運用に努めて参りたい。

〇須藤委員から、大規模化について環境の観点から意見があった。我々も諸外国で頭数制限を行っている地域があることは承知している。日本国内、様々な気象条件や土地条件があり、地域にマッチした形でやっていただくことが酪農の基本条件だと思っている。単純に規模の制限をかけるのが良いか、地域や環境が調和した形で酪農をしていただくにはどうすればよいか、よく考えていきたい。

〇中小、家族経営の生産基盤の強化については、規模拡大、地域の耕畜連携を含めて、中小規模の酪農家が重要な部分を占めている。ご指摘を踏まえながらしっかり施策を考えていきたい。

(姫野流通飼料対策室長)

〇輸入粗飼料から脱却し、国産の粗飼料の供給体制を拡大させていくというのはまさに我々の政策が目指すところ。

〇デントコーンをやるときのインセンティブをどうするかという話もあったが、まず大事なことは耕種農家と畜産農家が連携できる仕組みを作ること。また、インセンティブをあげるとしても、水はけなどが適した土地でつくれることが土地利用の観点で重要。

〇単価設定については、水田活用の中で何を伸ばしていくかや財政状況などもあるため、金額を同じにすべきかは今答えることはできない。
エコフィードについて、問題を特定して対応できることがあれば取り組んでいきたい。

(形岡畜産総合推進室長)

○大規模化、集約化をしていくような取組をしているところではあるが、中小、家族経営の酪農家が生産基盤を支えていることは当然として踏まえ、どのような支援ができるか考えていきたい。

○酪農ヘルパーは、中小規模の酪農家にとって重要であり、また新規就農者の育成の役割も担っているので、ヘルパーや外部支援組織の促進も踏まえて今後総合的に対処していきたい。

(犬塚畜産振興技術室長)

〇堆肥利用の良い例やバイオマスの成功例が1件しかないとのお話に関して、各地方での取組などで良い事例は紹介されているが、まとまって見ることができるHPなどがない。農政局等と相談してそのような事例を集約できるか、また、インデックスを貼って検索できるようなシステムができないか検討したい。

〇バイオマスの事業については、設計段階から需要、コストなど、いろいろな面を考えて取り組んでいただきたい。

〇改良増殖目標について、乳量は今まで欧米に追いつけ追い越せで高い目標を掲げてきたが、近づいてきた。乳量を下げる方向を目標にすることはないのではないかという意見もあり、上げていく方向性は維持している。それを前提に泌乳持続性も高い乳牛の改良をしていこうという目標にしている。

〇長く飼いたいという意見があったが、長命連産性を向上させるため、耐久性や繁殖性に重点をおいた改良を推進する。砂子田委員のご意見と方向性はある程度同じだと思う。

〇ロボット適応については、血統とロボット適合性との関係を調査し、搾乳ロボットへの適合性の高い乳用牛改良を推進することを掲げている。

 

(石川畜水産安全管理課長)

〇飼料の安全性確保の取組について、GMPの導入推進にあたっては、特に中小規模の事業者の導入における課題等をしっかり把握する必要があると考えている。今年度の中小企業を対象とした調査をしている。調査結果を踏まえた導入支援、またGMP定着に向けたロードマップの作成、関係者における認識共有を深めながら導入推進を進めていきたい。

GMPの導入推進は国際的な動向を踏まえて、最終製品の検査による安全性確保から工程行程管理の徹底による安全性確保に移行することを目指して行っている。国による監視体制の構築とは、国による遵守状況の確認を、工程管理状況の確認に移行することを意味する。表現ぶりについては、双方の認識に齟齬をきたさないよう注意していきたい。

〇飼料規制については、今後も我が国の飼料の給与実態、科学的なデータに基づいて、国際的な調和を図りつつ進めていきたい。

(石澤委員)

○育種に関して、どの種を残していくのか国の方針を示していくべき。病気の問題などで国内で生産できないものが出てくるはず。地域ごとに保存したい種を踏まえて、方針を決めるべき。

○水田活用に関して、機械が高いという問題がある。飼料米でも大豆でも刈り取りができるような機械を使うなど、畜産だけでなく幅広く考えて欲しい。

(犬塚畜産振興技術室長)

○種の保存については、農研機構で鶏の有精卵から性細胞に関わる細胞を取り出し、凍結保存する方法が確立された。この方法を普及することで遺伝資源の保存に役立てると考えている。

(石澤委員)

〇技術は分かるが、すべての種を残せるわけではないと思う。どの品種や畜種を残すかしっかり議論して欲しい。

(犬塚畜産振興技術室長)

〇この技術はすべての県ができるわけではないと思う。どういうものを残すのか、この技術を活用しつつ、関係者で議論していかなければいけないと思う。

(有田委員)

〇種の保存を行うのであれば、多様性を考えて残すべき。ある程度しぼった形で種を残すのではなく、原種に近いものなどを含めて残していくという方向性が大事なのではないか。

(犬塚畜産振興技術室長)

〇遺伝資源については、農研機構が行っているジーンバンク事業と各県で鳥インフルエンザが発生した際に地鶏に用いられる素材等が全滅しないように保存をするという実用的なものの二つある。実用的な面で新しい技術を活用できないかと考えている。

(三輪部会長)

GMPの国の監視について、英語で言うとモニタリングだと思う。言葉の表現には気をつけて頂きたい。

 

(以上)

 

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