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農林水産省

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平成31年度第1回畜産部会 議事概要

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1.日時:平成31年4月22日(月曜日)14時30分~16時30分

2.場所:三番町共用会議所2階大会議室

3.出席委員:三輪部会長、石澤委員、大山委員、加藤委員、金井委員、小谷委員、里井委員、須藤委員、知久委員、藤嶋委員、前田委員、松永委員

(有田委員、小野寺委員、釼持委員、築道委員、宮原委員の5名は欠席)

4.ヒアリング協力者:花房尚徳氏(農事組合法人伍協牧場理事)、木下保洋氏(宮崎中央農業協同組合畜産部長)、峯村誠太郎氏(株式会社牧舎みねむら代表)

5.概要

【ヒアリング協力者からの発表概要】

(花房氏)

○飼養にかかる経費の増大が顕著であり、中でも素牛が占める割合が高い。素牛コスト低減のために繁殖事業を拡大してきたが、繁殖事業は投入した資金が回転するまで時間がかかるため、資金繰りに苦慮している。繁殖牛増頭のための資金的支援を拡充することによる全国的な繁殖母牛増頭の推進をお願いしたい。また、素牛コスト高は交雑種・乳雄においても同じであり、泌乳牛の減少が原因の一つと思うので、泌乳牛の増頭の支援もお願いしたい。

○牛肉消費量の拡大については、国内需要の拡大も必要だが、これ以上の枝肉単価の上昇は消費者離れが懸念されることから、輸出需要に頼るところが大きい。和牛を食す文化、日本食文化の普及も重要であると考えており、こちらと併せて更なる輸出拡大もお願いしたい。また、国際規格に即した生産も必要になってくる。自分もGAPを取得しているが、他の生産者とも連携して和牛ブランドとして海外に売り出せるよう、GAP取得の支援もお願いしたい。

 

(木下氏)

○宮崎中央農業協同組合は、宮崎市及び国富町の1市1町が管内のJA。畜産においては繁殖経営が主体で、子牛の家畜市場を年に10回開催している。生産農家の高齢化による離農等に対応するため、農家の子牛を預かるキャトルステーション(2カ所)や、JA自ら繁殖経営を行う繁殖センター、担い手をアパート形式で入植させる団地の整備(4カ所)など、様々な支援を実施。

○その他にも、関係機関と連携した分娩間隔の短縮や子牛の発育改善など生産性向上への取組や、コントラクター設立による自給飼料の拡大、家畜市場上場牛の抗体検査や陽性牛の買い取り事業による牛白血病の清浄化への取組を実施。

○(ア)若い担い手1戸1戸をいかに育成し、地域の生産基盤を維持していくか、(イ)規模拡大により増加する堆肥の処理が地域の耕種農家の圃場散布等では捌けなくなっていること等が今後の課題である。

 

(峯村氏)

○規模拡大に向けて、雇用の確保が重要と考えている。また、離農等で一度牛舎が空いてしまうと、再度牛を飼うことは近隣住民の理解を得られにくいので、牛舎が空かないよう迅速に規模拡大を行う必要がある。

○畑を受け継いだ若い世代においては、牛糞堆肥を活用する方が少ない。規模拡大に向けて、これからは、堆肥の利用も考える必要がある。

○農場HACCPの取得によって従業員の衛生管理意識や生産成績の向上に寄与している。

○人材育成・雇用が規模拡大への一番の補助になると考えている。また、畜産に携わる女性の活躍する機会が増えるような政策をお願いしたい。

 

【意見交換】

(金井委員)

○皆さんに共通しているのは、牛肉自由化、BSE等の発生、経済情勢の変化等、これまでの環境変化に上手く対応してきているということ。最近はTPP11や日EU・EPA等、国際化の進展が大きな変化であるが、これに対して今後どのような展望を抱いているか。

○花房氏について、全国的に離農が加速化する中で、空き牛舎等の活用も含め、規模拡大等に向けてどのような支援が必要と感じるか。

○峯村氏について、安全・安心で優しい畜産経営という理念に賛成。今後の安全・安心の考え方の一つとして、いわゆるアニマルウェルフェアが世界的に広まりつつあるが、どのように考えているか。

○木下氏について、JAによる外部支援がうまくいっている事例と思うが、新たな外部支援組織の設立や、外部支援のためのランニングコストに対して、具体的にどのような支援等が必要か。

 

(花房氏)

○グローバル化について、和牛は国際的に競争力のある産品であるので、輸出の拡大など、むしろチャンスではないかと捉えている。

○離農した大規模農家の経営を継承して繁殖部門の拡大を実施。最近は、酪農家も離農者が出てきているので、将来はそれらを継承した乳肉複合経営も目指しており、その際には酪農の技術支援が必要と考える。

(木下氏)

○御指摘のとおり、ランニングコストは非常に課題であり、固定資産を持つことはJAにとってもリスクがある。一方で、生産者あってのJAと考えており、繁殖雌牛50頭規模の経営を育成できれば、後継者を確保できるようになるのが現状。年々厳しい状況になろうとは思うが、生産者の育成が大事であると考えるので、支援をお願いしたい。

 

(峯村氏)

○グローバル化の進展と合わせて、消費者が生産者の顔や牛が食べているもの等に対する情報に興味を持っているので、より安全・安心で付加価値のある牛肉を作っていくべきと考える。

○アニマルウェルフェアについて、牛に負担をかけない、ゆとりのある経営を行うことが一番のアニマルウェルフェアと考え、取り組んでいる。今後も、無理な規模拡大等により密飼いになるなど牛に負担をかけることないよう取り組んでいきたい。

 

(大山委員)

○木下氏について、親が畜産を営んでいて事業継承される後継者は順調に育成されているとのことであるが、農外からの新規参入者はいるのか。

○峯村氏について、畜産の分野では6次産業化の取組が遅れていると感じる。直売所を設立する際に制度面で苦労した点はどのようなことか。

○また、消費者のサシ離れという発言があったが、消費者にどのようなものを求められていると感じるか。

 

(木下氏)

○事業継承がほとんどであるが、そのような中で、非農家出身の方がJAの直営施設で働いた後、団地に入植して経営を開始した事例もある。なかなか新規で畜産経営を開始することは難しいが、団地はそのような方への支援施設という位置づけとしても考えている。

 

(峯村氏)

○6次産業化について、食肉加工場の整備等はリスクが高いことを踏まえ、委託加工から始めた。また、営業で手を取られて牛の世話が疎かにならないよう、賞味期限の長い冷凍品を中心に扱っている。加工品についても委託製造しており、食品添加物をなるべく少なくするなど工夫している。信頼のできる委託業者と出会うことが大事。

○消費者のサシ離れについて、直売をしていると、サーロインなどサシの多い部位から消費者が遠ざかっていると感じる。一方、サシの入った芸術的な和牛肉は日本の文化なので、料理方法や食べ方と合わせて提案していくのが良いのではないか。

 

(里井委員)

○和牛は、消費者にとってもブランド価値の高い食材。赤身肉は確かに流行っているものの、実際に和牛の価値として紹介されるのは、サシが入った牛肉をすき焼き・しゃぶしゃぶ等の伝統の和食と結びつけてというものが多い。SNS等のメディアで動いていることと、お金を出して和牛に価値を感じている人との間には、若干のずれがあると感じる。

○牛肉を輸出するだけでなく、フードツーリズムなど、地域へ行って、その土地の良さと牛肉のおいしさを結びつけるような活動をしてほしい。

 

(三輪部会長)

〇ブランド化について、差別化は難しいが、工夫して取り組んでいただきたい。

 

(木下氏)

○脂質、牛肉のおいしさの追求については、改良の面で取り組んでいる。販売面では、管内のAコープで販売する牛肉はすべて管内のものとし、生産者部会を中心とした消費拡大や販売運動を行っている。

 

(金井委員)

○峯村氏について、自身の経営の6次産業化だけでなく、地域のワインや野菜等とのマリアージュ等、人を呼び込むための地域を巻き込んだ幅の広い取組を検討していただければと思う。

 

(峯村氏)

○牛肉の消費が少ない地域であり、経営移譲する時に、ワイナリー設立などがあり、合わせて地元の牛肉を食べてもらいたいという思いで6次産業化に取り組みはじめた。今年10月には、自身の牛肉をメインにした地域のワインイベントも開催される予定。地元にお金を落とすという気持ちでこれからも取り組んでいきたい。

 

(前田委員)

○峯村氏のご意見で、規模拡大に向けた雇用の確保が重要とのことであったが、農業高校や農業大学校では、就職先は農業法人や生産者でなく、異業種に学生が流れてしまっているという話も聞いており、公費を使って農業人材を育てているのに、ミスマッチが起きていると感じる。農業大学校等からの人材の受け入れのためにどうすべきか、要望や期待があれば伺いたい。

 

(花房氏)

○2~3年前から、農業大学校の卒業生を2名採用している。きっかけは研修での受け入れであった。それまではハローワークでも求人を出していたが、勤務が長く続かなかったのが悩みであった。また、酪農大学校の場合はすでに就職先を決めている人が多く、農業大学校よりも前の段階である農業高校に対し、企業側がコネクションを取りに行くことが重要ではないかと考えている。我々も取り組んでいきたいので、支援をもらえればありがたい。

 

(木下氏)

○直営施設で二十数人の臨時雇用者がいるが、なかなか続かないという状況。親の跡継ぎで勉強のために就職する若い人は、1年経つと親元に就農するために退職してしまう。一方で、跡継ぎでない人にとっては休日も勤務しなければならないし、賃金を上げることは経営的に厳しい。また、和牛の世界では外国人労働者の雇用も条件面で難しい。雇用体制を検討していただきたい。

 

(峯村氏)

○規模拡大と雇用条件、どちらを優先すべきかは難しい問題であるが、サポートできる職場体制をつくり、働きがいがあって勤務条件が改善できるよう努力している。2年3年と続けて働いてくれれば、増頭の意欲も出る。

 

(小谷委員)

○堆肥処理について、3者から同時に問題提起があった。堆肥を活用することの意義等の理解を深めていくことが必要と感じた。

○花房氏について、コープおかやまとの連携の中で、消費者からの意見が経営方針や牧場づくりに影響したことはあるか。

○峯村氏について、地域の人たちに提供する牛肉という意味で、交雑種や乳用種を飼養する予定はないか。

○木下氏について、後継者が最近多く残っている要因として、子牛価格の上昇以外の要因があるか。

 

(花房氏)

○コープと連携する中で、消費者との交流会等があり、牛舎環境を清潔に心がけるなど、クリーンな牧場づくりという観点で影響があった。

 

(木下氏)

○子牛価格の上昇が一番の要因であると感じるが、親子間で経営を親と子それぞれ独立させた上で、農作業機械の分担購入及び共同利用をしている事例もあり、若い後継者が経営者としての自覚を持ち経営を確立する上では参考になるところであります。

 

(峯村氏)

○堆肥利用について、有機JASを取得した農家等は副資材への化学物質の混入まで見られるので、なかなか利用が難しい。また、クロピラリドによる作物障害等があったり、耕種農家が腐葉土等を自作するなど、最近は堆肥への需要が以前ほどではなくなってきたと感じる。

○現状の飼養頭数や飼養管理を勘案すると、交雑種や乳牛の飼養に取り組むつもりはなく、繁殖部門の強化により和牛一貫経営を拡大していきたい。

 

 

 

(以上)


お問合せ先

生産局畜産部畜産企画課

代表:03-3502-8111(内線4893)
ダイヤルイン:03-3501-1083
FAX番号:03-3501-1386

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