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農林水産省

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令和元年度第3回畜産部会議事録

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1.日時及び場所

日時:令和元年7月5日(金曜日)

会場:三番町共用会議所2階大会議室

2.議事

(1)開会
(2)挨拶
(3)委員紹介
(4)資料説明
(5)意見交換
(6)閉会

3.概要

開会

〇猪上畜産企画課長

それでは、定刻になりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会、令和元年度第3回畜産部会を開催いたします。

委員の皆様方におかれましては、本日はご多忙中にもかかわらずお集まりいただきまして誠にありがとうございます。

私は、当部会の事務局を承っております畜産企画課長の猪上でございます。本日はよろしくお願いいたします。

開会に当たりまして、富田畜産部長より挨拶がございます。富田部長、よろしくお願いいたします。

挨拶

〇富田畜産部長
畜産部長の富田でございます。畜産部会の開催に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

委員の皆様方におかれましては、日頃から農林水産行政、とりわけ畜産行政の推進に当たりましては、格段のご理解とご協力をいただいております。深く感謝を申し上げます。

現在、次期の酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針、これを作るということで、この畜産部会において畜産農家を始め、関係する方々からご意見を頂戴しているところでございます。ご意見を頂戴して、論点整理を行っているところでございます。

これまで第1回、第2回と行いまして、第1回目は肉用牛、第2回目は酪農をテーマに、現場の皆様からご意見を頂戴しましたけれども、本日は畜産物の流通として食肉流通をテーマにいたしまして、現場の皆様のご意見を頂戴したいと考えてございます。

今後の酪農・肉用牛生産の目指すべき姿というものを、現場の声や委員の皆様方のご意見を頂戴しながら、しっかりと検討していく所存でございます。皆様方の活発なご議論をいただきますようお願いを申し上げて、開催に当たりましてご挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。

〇猪上畜産企画課長
ありがとうございました。

それでは、議事を進めていただく前に、部会長である三輪委員から一言ご挨拶をいただければと思います。

〇三輪部会長
皆さん、こんにちは。部会長の三輪でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

ただいまお話しいただきましたように、今回の部会でございますが、食肉流通に関するヒアリングという形で、4名の方々にお越しをいただいておるところでございます。

これまでのヒアリングを通して、各地、各事業者の方々の、さまざまな課題でございましたり、もしくは今後の政策に対するご要望等もいただいてきたというところでございます。そちらを踏まえて、今後酪肉近を考えていく中、やはり実際の消費者の方々の手元に届くための一つ大事な経路というのが今日の食肉流通というところだというふうに考えておりますので、ぜひ委員の皆様におかれましては、ヒアリングご協力者の皆様に対して、さまざまな意見を聞いていただくとともに、そちらを踏まえて活発なご議論を今後いただければと思うところでございます。

本日は限られた時間ではございますが、皆様に円滑な議事進行にご協力をいただければというふうに思っております。お時間としては2時間を予定しておるところでございます。

それでは、引き続き議事を進めます際に、撮影のほうはこちらで終了といたしますので、ご退室いただければと思います。

それでは、引き続きまして事務局より本日ご出席の委員をご紹介をいただきたいと思います。

それに先立ちまして、このたび委員の改選がございましたので、私のほうよりご報告をさせていただければと思います。

一般社団法人日本乳業協会の会長職のご交代に伴いまして、2年間臨時委員を務めていただきました宮原委員にかわりまして、このたび新しく西尾啓治委員を畜産部会の臨時委員としてお招きすることをご報告申し上げたいというふうに思います。

それでは、事務局より本日ご出席の委員の皆様方のご紹介及びその他委員の出欠状況についてご報告をお願いいたします。

委員紹介

〇猪上畜産企画課長
それでは、本日ご出席いただいている委員の方々を順にご紹介させていただきます。

部会長の三輪委員でございます。

石澤委員でございます。

釼持委員でございます。

小谷委員でございます。

里井委員でございます。

須藤委員でございます。

築道委員でございます。

前田委員でございます。

松永委員でございます。

ありがとうございました。

なお他、有田委員、大山委員、小野寺委員、加藤委員、金井委員、知久委員、藤嶋委員、西尾委員におかれましては、所用によりご欠席というご連絡をいただいております。

審議会に関する規則では、委員及び議事に関係のある臨時委員の3分の1以上の出席がなければ、会議を開き、議決することができないと定められておりますが、本日は全体で17名のうち、9名の委員にご参加いただいておりますので、規定数を満たしていることをご報告いたします。

〇三輪部会長
ありがとうございました。本日の畜産部会の開催の趣旨でございますが、先ほど申し上げましたように、次期酪肉近を視野に入れたヒアリングの第3回目でございまして、今回のテーマは食肉流通でございます。

本日、4名のご協力者の方々にヒアリングにご参加いただいております。本日はお忙しい中、誠にありがとうございます。

それでは、本日のヒアリングご協力者の方々につきまして、事務局からご紹介をお願いいたします。

〇猪上畜産企画課長
それでは、本日お招きした皆様をご紹介させていただきます。

ヒアリングご協力者の選定に当たりましては、安定した食肉生産、食肉の輸出促進、今後の販売戦略といった視点から4名の方にお越しいただき、お話を伺うことといたしました。

まず、お1人目は鹿児島県の株式会社ナンチクファームの北野良夫様です。

株式会社ナンチクは、年間1万6,000頭の牛を処理する産地食肉センターであり、グループとして、肥育牛生産、屠畜、販売まで、幅広く県内外に展開する他、平成2年には日本で初となる米国への牛肉輸出認定施設となるなど、我が国の牛肉輸出拡大の牽引役でもあります。

お2人目は、岐阜県の飛騨ミート農業協同組合連合会の小林光士様です。

飛騨ミート農業協同組合連合会は、年間6,000頭の牛を処理する産地食肉センターであり、JA系統を通じ、地域の生産者と連携をして、岐阜県のブランドである飛騨牛の振興、EU・米国等への輸出、海外観光客集客によるインバウンド消費拡大など、地域に密着した食肉生産・流通に取り組まれています。

3人目は、東京都の伊藤ハム株式会社の野須昭彦様です。

伊藤ハムは、食肉及びハム・ソーセージの両分野で業界トップクラスの販売規模を有し、川上から川下まで一貫した生産・流通体制の構築を図り、牛肉の安定供給の一翼を担われています。

4人目は、東京都の株式会社ゼンショーホールディングスの村尾俊哉様です。

株式会社ゼンショーホールディングスは、牛丼、焼き肉、しゃぶしゃぶ、ステーキ、ハンバーグなど、幅広い外食の業態を持ち、輸入・国産両方の牛肉を取り扱う国内トップクラスの外食企業であります。

本日ヒアリングにお越しいただいた方々の紹介は以上でございます。よろしくお願いいたします。

それでは、資料の確認をさせていただきます。

お手元のタブレットPCをご覧ください。資料の一覧、資料1から7の資料、参考資料1、参考資料2の計10個のPDFファイルが表示されておりますでしょうか。もし表示されていない場合、また議事進行中に不具合があるような場合は、お近くの事務局までお申しつけください。

〇三輪部会長
ありがとうございました。

それでは、議事の進め方でございますが、まず今ご紹介いただきました4名のヒアリングご協力者の方々から、それぞれ10分程度で経営の概況、経営の課題とそれに対する対応、そしてご意見、ご提言等を賜りまして、その後、委員の皆様方からヒアリングご協力者の方々へのご質問、ご意見をいただくという形で進めさせていただければというふうに思います。

また、最後にお時間があれば、全体を通して委員の方々にご意見をいただくという形で進めさせていただければと思います。

なお、時間は全体で約2時間ということで、16時終了を目途としたいと思っております。

それでは、早速ではございますが、ヒアリングを進めさせていただければと思います。

初めに、北野さんからよろしくお願いいたします。

資料説明

〇北野氏
ただいま紹介していただきました北野でございます。

今、農場のほうで牛・豚・鶏を生産しておりますけれども、それまではナンチクのほうで食肉事業、それからその中でも輸出を担当させていただきました。そういった意味から、本日は肉用牛生産及び牛肉の流通についていくつか提案ができたらなというふうに思っております。

スライドにございますように、肉用牛の生産基盤を取り巻く現状ないしは課題は非常に高齢化、後継者不足ということで、農家は年々減少しております。飼育頭数、それから子牛出荷頭数の減、そういったことで子牛の価格が高騰して、それから肥育農家の経営悪化というのが懸念されております。

一方、下のほうですけれども、枝肉価格というのは高騰しまして、A4以上というのが8割を占めるというようなことで、非常に販売に苦慮していると。また、時に過剰在庫を抱えるというようなこともございまして、経営的には非常に不安な状況が続いております。

鹿児島県の場合でございますけれども、肉用牛農家はここ6年で2,300戸減っております。繁殖頭数は微増傾向にあるんですけれども、平成22年のピーク時、134,000頭には至っておりません。

このような中、ナンチクでは、先ほどご紹介ありましたけれども、年間約1万6,000頭の牛を屠畜処理しておりますけれども、下のほうと、真ん中の鹿児島経済連、それから宮崎経済連も自社の食肉処理場を持っているということもありまして、集荷頭数が年々減少してきておりました。そういった中で、ピーク時からしますと2,000頭も少ないという現状になっております。そういったことから、集荷は系統外、それから自社関連農場への出荷要請ということで、非常に厳しい集荷状況になっています。ナンチクの長期ビジョンでは、今後、自社関連農場の出荷シェアを現状の16%から20%に上げましょうということになっております。

そこで、私はいつも繁殖農場、肥育農場、この農家さんがそれぞれ安定した経営がなされない限りは、我々食肉処理場も安定した経営はできないだろうというふうに常々思っております。そのためには、国際競争力をつけるために、市場に左右されることなく、双方がwin-winの形を作り、そしてマーケットニーズの高い牛肉が生産できるよう、経営内ないしは地域内一貫経営を確立する必要があるのではないかというふうに考えております。

今の自社では、黒毛約200頭、それからF1借腹が300頭、計500頭の繁殖がおります。その他は子牛、肥育ということで、全体で5,000頭ぐらいを飼育しております。

自社におきましては、今ここにございますように、黒毛和牛の子牛を確保するために、F1の雌牛に黒毛和牛の受精卵を移植し、途中からでしたので、おおむね2年間で約300頭の子牛を確保しております。

子牛1頭の生産費は、市場価格の約半額ででき上がるために、経営的には非常に有利な方法ではないかというふうに考えております。この子牛につきましては、肥育素牛、それから繁殖素牛になっていきます。このことにより、外部市場の高い子牛の購入が抑制できます。

現在、部分的な経営内関係が確立されております。肥育は生後24カ月の短期肥育で行い、A3ないしはA4を目指しております。そしてまた分娩したF1の雌牛につきましては、1産取りで肥育に移行するということをいたしております。このシステムは、F1雌牛確保の面から、酪農経営にも大きな刺激になるんじゃないかなというふうに思っております。

このように、F1雌牛を用いたET技術による子牛を生産する繁殖農家が、マッチングにより肥育農家へ月齢、血統、衛生対策等を加味した契約に基づく、安価で安定的な子牛を供給する、いわゆるサテライトユニットを構築してはどうかと思います。このユニットに、右上ですけれども、コントラクターによる飼料の提供、そしてまた入札による濃厚飼料価格の削減ということが可能になるのではないかなというふうに思っております。子牛相場に左右されず、繁殖・肥育双方の経営の安定化が期待できます。

繁殖農家は、市場に出すか、それから契約に基づき肥育農家へ販売するのかを選択することが可能で、このシステムを地域内で展開し、肥育農家ではマーケットニーズの高いA3ないしはA4程度の牛肉を作り、食肉流通をスムーズにするということが可能になると思います。

ただし、真ん中下でございますけれども、このシステムを構築する上での阻害要因というのは、子牛を市場に出荷することを強制している子畜売買条例です。鹿児島県の場合はこの条例は過去、離島において家畜商により庭先で安く買いたたかれたということから、市場出荷を強制し、罰則規定を含めて、昭和26年に施行された条例です。この条例により、経営内一貫経営農家は子牛を市場に運び出さずに開設者と協議の上、評価額を設定し、一定の手数料を納めているのが実情でございます。

このことにつきましては、平成27年の九州経済連合会が国への要望の中で、一部の県で条例化していることにつきまして、繁殖農家が自由な取引が行われるよう、条例の廃止を要望しております。

農家戸数が減少し、子牛価格が乱高下していることから、繁殖・肥育農家双方が長期契約により持続的・安定的価格で自由な子牛取引ができるようにする必要があり、そのことにより食肉処理場の安定的な経営を可能にするものと考えます。

食肉処理場はこのような繁殖・肥育ユニット、それから一般農家、それから自社関連農場と契約・集荷するとともに、また販売のほうでは流通業者への委託販売、一般小売、外食産業、輸出、6次化等々と契約し、生産・食肉処理・販売を全てインテグレ化した形を作り上げることが重要ではないかというふうに思います。特に食肉処理場の再編の際は、この枠組みが整う施設に補助金等を交付して、長期安定的な食肉処理場の経営へと誘導すべきものと考えます。

食肉処理場は、今後さらに付加価値をつけるべく、部分肉比率を上げるとともに、スペック対応を図るべきですし、さらに輸出対応可能な加工施設を併設して、賞味期限の延長とか、あるいは国内外への販路拡大を目指すべきだというふうに考えます。

現在、全国の牛の食肉処理場は159カ所というふうに聞いております。1日当たり90頭以下は全体の4分の3であることから、屠畜量の圧縮など、効率的な食肉処理場の運営という観点から、少なくとも1日当たりおおむね100頭以上を処理できる食肉処理場へと再編・誘導すべきものと考えます。

輸出につきましては、ナンチクは平成2年に我が国初めての対米輸出に認定されましたけれども、輸出量を伸ばすために、平成27年に人員をふやすとともに、輸出促進室という部署を新設いたしました。現地の積極的な商談等により、平成30年度は平成25年度ベースの5倍の約350トンを10カ国に輸出しております。国が2030年度までに農林水産物輸出5兆円を掲げておりますけれども、そういたしますと、弊社の輸出量は1,750トンとなります。今後海外拠点施設の整備も考えながら、輸出拡大へ努力をしたいと考えます。

先般開催されました輸出に関する関係閣僚会議並びに自民党のPTでヒアリングが行われ、弊社からは施設認定の迅速化を含め、4つの課題解決を訴えたところです。ヒアリングを受け、農林水産物の輸出促進を担う司令塔を農林水産省に設置をし、国際交渉や申請等を一元的に対応し、輸入規制への対応をスピードアップすることとなりました。このことにつきましては、地元関係者から司令塔が明確になり、スピード感あふれる輸出につながるとの歓迎の声が聞かれております。

また、弊社が申請いたしましたEU認定は、EUへの通知が約2カ月前倒しされるなど、認定事務がスピードアップをされております。今後とも輸出は避けて通れないものであり、国是としてしっかり取り組むべきものと考えます。

また、輸出に関する航空運賃は、日本・オーストラリア間の例では8倍、10倍もいたします。輸出量を伸ばすためには、航空運賃の低廉化が不可欠ですので、関係省庁連携のもと、航空各社の自助努力を促していただきたいと思います。

さらに、今後有利に販売を進めるために、現在我が関連農場では全41農場を来年6月までに最終的にJ-GAPの取得を目指しております。今後、オリパラだけではなく、農場段階での認定取得に関する意識啓発も含め、積極的な取り組みを目指す必要があることから、指導、審査、事務等が滞ることがないように、国・県も含め、関係部局の体制整備が不可欠だというふうに思います。

以上、ET技術の活用による安価な子牛確保対策、長期安定的経営を目指した経営内・地域内一貫経営の確立、短期肥育技術の確立、子畜売買条例の廃止、効率的な食肉処理場運営に向けた再編とインテグレ化の促進、枝肉から部分肉へ、スペックへの対応、加工部門の拡充、輸出促進、積極的なHACCP、J-GAP取得につきまして意見を述べさせていただきました。

以上で終わります。

〇三輪部会長
ありがとうございました。

それでは、続きまして小林さん、よろしくお願いいたします。

〇小林氏
それでは、飛騨ミートの小林でございます。なかなか不慣れですので、お聞き苦しいと思いますが、よろしくお願いします。

まず、私ども飛騨ミートの概要ということで紹介させていただきます。

飛騨ミートは、昭和59年に地元のJA並びに全農の出資等で設立された牛専門の畜産の農協であります。当時、引き継いだ古い食肉センターの老朽化によって平成14年に牛専用の食肉センターを作って稼働したわけです。1日当たりの屠畜頭数は、処理能力として76頭、そのうち部分肉加工できるのが40頭とあるわけなんですが、実質、現在の処理頭数が年間約6,000頭ということで、国内でも最も小さな規模であります。

従業員が臨時職員も含めて51名ということで、屠畜、それから部分肉解体、それから公設市場の開設、食肉販売と、施設稼働率は50%程度なんですが、人の稼働は100%超えということで、何でもできる従業員が経営を支えているというような状況です。

飛騨高山は、小京都と呼ばれている観光地です。ここは季節も春夏秋冬で非常に四季の区別がはっきりしているというところで、冬はマイナス15度ぐらいにもなりますし、夏は35度ぐらいと暑くなるんですが、非常に水がきれいで、それで寒暖差があるという環境で、家畜、特に飛騨牛がここで約2年半育つということで、非常にいいものができ上がっています。

高山市の観光客の状況ですが、全国的にも知られた観光地ということで、高山市の周りには下呂温泉や世界遺産の白川郷があったり、そして「君の名は」などのアニメで有名になった飛騨市があるんですが、特に高山市につきましては年間約460万人以上の観光客が訪れるということです。

そのうち、インバウンドは、年間に約50万人以上ということです。特に飛騨地方の料理の食材としての牛肉は、ほとんどが飛騨牛ということで、国内外から多くの人が飛騨牛を食べることを目当てにやってくるということです。

特に、県とか、それから市がやる国内外のプロモーション等が非常に観光客の誘致と相まって、飛騨牛の大きな地元の需要効果を醸し出しているということで、特にインバウンドの効果は大きなものがあります。

私どもの今までの事業経過の概要でありますが、昭和59年に飛騨ミートを設立したということです。昭和63年までの流通形態は、肉牛、肉豚ともに県外へ荷物を持って行きお互いに価格を決めるという相対取引というものでしたが、特に遠隔地まで運ぶコスト等を考え、また相対取引では生産者になかなか自分の牛の価値が直接見えないということで、市場としては遠隔地までわざわざお客さんに来てもらうというハンディもありますが、飛騨地域外の市場購買者を特に募って、全ての牛・豚を競り販売に変えたというのが特徴であります。

それから平成14年には、5年に一度開催される全国和牛能力共進会の第8回会場、いわゆる和牛オリンピックの会場として、新しい施設を作りました。平成14年4月に開業したわけなんですが、前年の平成13年9月に日本でBSEが発生して、特に乳牛、和牛経産牛、それから県外からの搬入牛などの集荷の目処が立たなくなり、当初の事業計画である8,300頭が全く絵に描いた餅となってしまいました。

特に肉牛の取り扱い計画が大きく崩れたということなんですが、新施設開業にともない処理料等の諸料金の値上げを考えておりましたが、生産者の大きな負担になるためということでかなわず、9月の共進会開催終了後はまさにオリンピックの負の遺産となり、それから2年間は非常に大きな経営損失が出てまいりました。

そこで、施設の稼働は屠畜50%、加工50%と仕方ないにしても、職員が全てのラインを持ち、仕事を複数こなすということで生産性を上げるということ、それから当時、O-157等の腸管出血性大腸菌による食中毒事故が多いということが問題になっていましたので、HACCPを基本とした食肉の衛生管理、そして食品安全の国際規格であるISO22000、FSSC22000などの第三者認証をとることによって、消費者に飛騨牛の安全の見える化ということに取り組んでまいりました。現在このことが市場購買者、それから消費者に理解されまして、特に枝肉市場の活性化や海外輸出につながっています。

フードチェーンということで、生産から消費者までの一つのチェーンをまとめて、いろんな活動をやっています。畜産流通フォーラムというのは、農家や各関係機関を集めて飛騨ミートの年間の事業報告、食肉流通セミナーというのは、食肉業者を中心にして食品安全のための研修会、食肉安全フォーラムというのは、消費者に対して食中毒の防止とか食肉に関する知識の啓発を図るという、このようなフードチェーン全体の外部コミュニケーションを主にやっています。

特に生産農家に対しては、私どもの職員が直接その農場に出向いて、清潔で健康な牛が出荷さるための飼養管理の指導をしています。

消費者に対しては、特に衛生的に食べてもらうまでの食品の取り扱いをどうしたらいいかというような、食品安全のための啓発を図っています。

そんな中で、高校生が非常に活躍をしています。最近の活動成果なんですが、特に言われている全共につきましては、高校生が張り切って出場してくれました。そして、高校の部で日本一という快挙をなし遂げました。

それから、全農が毎年開催する和牛甲子園が1回、2回とあったんですが、それを2連覇したということで、非常に後継者づくりについてもいい刺激が出てきました。

飛騨牛の増頭数ということにかかわってくることですが、現在岐阜県内で年間に生産される和牛雌子牛は約2,300頭いますが、そのうちの約2,000頭が県外の他のブランド牛の肥育用の素牛として出ていってしまいます。本来の飛騨牛の血統は但馬系ですが、特に雌牛は体も小さいし、気質も繊細で、肥育肉牛としては飼いにくいということで、どうしても地元は不足する肥育素牛として去勢牛を県外から導入するという傾向が強いということです。そこで、高校生に雌の肥育技術を研究し、そして実践してもらうために、高校に肥育素牛の雌仔牛を毎年1頭ずつ寄贈しています。現在まで5年間続けていますが、その結果、飛騨ミート市場への雌の出荷割合が当初は約17.9%でありましたが、今は20.7%ということで確実に向上しています。また、生産者も一目を置くほどの肥育技術で高校生が高品質の雌牛を出荷するので、生産者にとっても生徒たちの取り組みが大変良い刺激になっています。

また、私どもも毎年新採用職員を募集するんですが、地元高校生を中心に希望者も安定して来てくれるということで、本当にありがたいです。

それから、飛騨牛は昭和29年頃に飛騨地域で名乗りを上げ、そして昭和63年に岐阜県下全体で「飛騨牛銘柄推進協議会」を作ったんですが、特に兵庫県から昭和56年に導入した「安福号」という種雄牛は、日本中の肉牛の改良に貢献したということです。もともと飛騨牛の血統は但馬系が主ですので、脂肪の質が良く肉のきめが細かい、ももにまでサシが入る、それから全体に無駄な脂肪がついていないという様な特徴があります。

この飛騨牛ですが、現在は岐阜県全体で年間約1万頭ほどの出荷があり、そのうち前年度に飛騨ミートで扱ったのが5,569頭です。内容はここにありますように、飛騨ミートの平成30年度の枝肉格付で5等級率が52.6%と、全国平均を約17%ほど上回る上質なものが出荷されています。

また、これは飛騨ミート市場の枝肉相場なんですが、全国相場の指標である枝肉格付等級の5等級を東京市場と比較してみると、年間を通じて枝肉kgあたり350円から500円高となっています。枝肉の重量は平均約450kgから500kgありますので、掛けていただくと東京市場へ出すよりも約20万円ほど高く売れるということです。先ほど言いました相対取引で売ると、大阪市場なり東京市場の相場が基準の取引になってきますが、枝肉市場販売であれば生産者が自分の枝肉の価値を直接見ることができます。

飛騨食肉センターの衛生管理は、CodexのHACCPでやっていますが、HACCPの第三者認証も取得しており、特に輸出施設認定の取得は、衛生条件の厳しい国から順番に取得しています。

清潔な肉牛、細菌をつけない作業、しっかりとした温度管理、そして衛生的に加工することで、安全で品質のいいものが出来るのです。それと、特に我々のような食肉処理作業には、有害微生物を制御する加熱とか殺菌という工程がありませんので、極力細菌等に汚染されない肉を作り上げていくということです。例えば賞味期限がありますが、通常ですと真空包装の牛肉ブロックで、製品での保管温度2℃で45日というのが普通なんですが、私どものところは4℃保管で60日の賞味期限をつけています。細菌をつけない衛生的な作業をし、そして確実な温度管理をするということで、安全、高品質はもちろんですが、肉の賞味期限も延びてくるということです。

特に先ほど言いましたが、最近はオーストラリアやEU輸出も結構伸びています。これは輸出される飛騨牛というのは市場取引ということで、輸出業者が枝肉の競りの中から好みのものを選んで購買するということです。したがって、やはり市場価格は上がります。市場購買者にとってみれば全体的に割高なものを買うんですが、この割高感については、高品質で安全な枝肉が買えるということで、十分理解をされています。このようにして、輸出規模としては非常に小さな食肉市場なんですが、かなりの勢いで輸出量は伸びています。

今後の課題等を少しまとめたいと思うんですが、まず食肉センターが儲からないという現実の中で、食肉センターの経営安定をどうしたらいいのかというとことです。飛騨ミートでは、地域のブランドを生かし、地域の観光と複合するということで、枝肉市場の価格は安定しています。食肉センターは儲からないという概念はやっぱり捨てて、自力で安定した経営ができるということ、儲ける工夫をするということが大事だと思います。どんな状況でも経営が不安定な企業というものは、社会にも消費者にも理解されないし、特に従業員のモチベーションが下がるだけです。施設の規模や稼働率にとらわれず、効率的な稼業、複合的な経営をやっていくということが大事だと思います。

それから、肉用牛の取り扱い頭数の確保なんですが、市場価格が安定すれば生産者は魅力ある経営ができる、そうすれば後継者も確保できるということだと思います。今後は肉牛の生産頭数の拡大が本当に必要で、そのためには生産者が安定して生産ができるように、国の政策等の充実をお願いをしたいと思います。

また、我々のような産地食肉センターは、生産者が出荷した時点の肉牛の生きている姿、これを生体といいますが、その姿や状態を覚えているうちに枝肉や内臓の状況が見られるということもあり、自分の飼育環境とか、それから素牛のどういうものを選定したらいいかというようなヒントが最短で得られるという利点があります。それから、自分の牛が目の前で競りにかけられることで、納得した枝肉の評価ができるということも、一つの利点として挙げられると思います。

また、消費者に対しての安心・安全な食肉の提供ということですが、やっぱり食の安全はどこから見ても誰でも理解できるような「安全の見える化」が大事だと思います。

それからフードチェーン全体の生産から消費者までかかわる関係者が、それぞれの立場で安全な食肉を流通し、それを安全に消費するという責任があることを自覚する必要があります。

我々は安全な食肉を作るんですが、食べる人にはやっぱりルールを守って食べてもらうということで、特に国の施策としては食肉を安全に消費するための消費者に対する知識の啓蒙、牛の脂身が体に悪いかとか、いろんなことが問題視されてきましたが、正しい知識と牛肉の栄養価の利点などの啓発もしていただくとありがたいと思います。

食肉センターの衛生面では、来年6月に延長1年あるんですが、国内の屠畜場は全てHACCPが義務化になりました。牛のトレーサビリティーも含めて、国内の食肉はとても安全だということも発信していただきたいと思います。

あと、海外の牛肉輸出認定施設として、これは食肉センターの衛生基準の維持ということで、特に対米関係は認定取得後に相手国や、厚労省の出先機関である地方厚生局の定期的な査察、それからHACCPの第三者認証維持等による審査など、考え方によっては衛生管理の維持や職員のモチベーションの向上にもつながるような効果もあるし、食肉センターとしては有利なことも出てきます。

ただし、特に輸出食肉の認定施設としての条件を満たすことは当然ですが、認定後の維持管理にも多くの費用と人がかかるということもまたご理解を願いたいと思います。

例えば、私どものような小さなところですが、輸出要綱に求められる残留抗生物質や残留農薬等のモニタリング費用だけでも年間約900万ほどかかります。輸出するためにも、またそれを維持するためにも多額の費用がかかるということ。それから、あとは施設の維持・補修とかにも多額の費用がかかりますので、補助事業は新規施設の対応だけではなく、こういう既存施設にも対応していただけると非常にありがたいと思います。

この維持管理のための多額の費用は、なかなか利益の中から充当させていくというのは、経営面では非常に大きな課題があります。

最後になりますが、今年度私どもの事業課題に「めざせJA飛騨ミートブランド」とスローガンに掲げています。これは消費者に対しては、食肉の「安全・安心」の見える化により、「飛騨牛」の流通拠点としてなくてはならないと思われる組織になること。それから、生産者に対しては、飛騨牛の流通拠点として必要とされる市場であり食肉センターになるということ。そのためには職員一人一人がJAとして生産者があって、生産者のためにという使命を自覚し、そして日常の生活態度、仕事に対する態度など、全ての人と真摯に向き合える人間性を培うとともに、そのような人づくりを行うということです。

また、生産者に信頼され、かつ生産者の経営安定のために、食肉、特に飛騨牛流通についての価値観と世界観を持ちます。そして職員全体がそれぞれの立場で経営に参画し、JA飛騨ミートの健全経営により、職員みずからの生活を安定させましょう。これが私どものここ2年間の目標として掲げてあるスローガンです。

大変わかりにくい説明となりましたが、以上、私の説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

〇三輪部会長
小林様、ありがとうございました。

続きまして、野須さん、よろしくお願いいたします。

〇野須氏
伊藤ハムの野須でございます。食肉事業者としての取り組みと課題を報告させていただきます。いただいたテーマとしましては、川上から川下まで一貫した生産・流通体制の構築と題して、生産から屠畜・カット処理、販売までの当社事業の一気通貫体制の取り組みを説明させていただきます。

当社は、食肉バリューチェーンの創造と拡大を食肉事業の基本方針として、事業を拡大していきました。全ての畜産物が通り抜ける食肉処理場(屠畜・カット場)がバリューチェーンの要と位置づけ、要となる自社産地食肉センターの処理能力を高めてまいりました。

Step1で食肉処理工場の衛生的レベルと処理規模を引き上げ、これを安定稼働させるために、地域生産者の集荷に加え、繁殖事業を含めたグループの肉牛生産事業を拡充させ、今日に至っております。

バリューチェーンの目的は、収益の最大化と相場の変動等による収益の振れ幅を抑えるのが目的でございます。今後については、事業拡大、疾病等のリスク回避のため、同じように牛生産事業ができる他産地に同様の仕組みを構築していく計画であります。高度の衛生基準を満たす処理場建設、さらに地元肉牛生産者と一体となった生産事業を展開していく考えでございます。

食肉バリューチェーンを表にしたものがこの表でございます。赤点線でつないだものが食肉バリューチェーンでございます。生産事業収益、屠畜加工収益、販売利益をつないで、この一気通貫で事業全体の評価をいたします。当初、肥育事業を起点としたバリューチェーンを構築しました。しかしながら、肥育事業からのスタートでは素牛相場による収益が振られるため、一定比率の相場に左右されない自家産素牛の供給施設が必要と感じ、繁殖事業を起点とした食肉バリューチェーンの構築を進め、バリューチェーンを伸ばしました。現在では、合理化目標価格には届かないものの、一定頭数の素牛供給システムができ上がりました。

この食肉バリューチェーンの相関関係は、屠場・カット場を中心とし、シーソーのような関係となっております。枝肉相場が上がれば生産事業の収益が上がりますが、その高値相場は販売網にとっては逆風で、収益が悪化します。逆に枝肉相場が下がれば生産事業の収益は下がりますが、反面、販売面で売りやすい環境になり、収益が増大します。このバランスで相場による収益の振れを極力抑制する効果を期待しております。

要として、当社が屠畜・加工処理に取り組む理由といたしましては、まずは屠畜からカットまでの一貫した衛生管理・品質管理が可能となること、屠畜業務・カット業務から発生する相場に左右されない一定の安定収益が確保できること。屠畜業務・カット業務を束ねることにより、屠畜部門・カット部門の人員配置を適時バランスをとりながら、円滑な処理が可能となること。そして、引き続き将来に向け処理事業を継続するための屠畜・加工技術を伝承することが挙げられます。

反面、デメリットといたしましては、施設を構えることによって固定経費が発生し、安定した屠畜収益、屠畜処理頭数が求められます。

次に、肉牛生産事業に取り組む理由といたしましては、先ほど申し上げました安定した屠畜処理頭数を実行するために、屠畜場・カット場を回すということが生産事業の大きな目的でございます。

現在の生産事業の取り組みは、肉牛肥育を担うみらいファームグループにて、1万4,000頭の肉牛飼育事業を展開しています。この事業から供給される畜産物で処理稼働の30%を充足しております。これを支える繁殖事業といたしましては、宮崎県のみらいグローバルファーム、北海道のみらい北海ファーム等で4,300頭の繁殖事業を展開し、オーストラリアからの素牛調達を加え、肥育事業に対しての50%の充足率、4,000頭の素牛を供給する体制ができ上がっております。

自社グループの生産物を構えることにより、一般農家さんからの集荷頭数の振れを自社グループの出荷で調整し、定量作業処理が可能となり、処理場はひたすら人時生産性を追求することに専念できるようになっております。

この後、生産事業の今後について、牛、人、飼料に分けて説明を続けさせていただきます。

まず、牛ですけれども、繁殖事業に取り組んできました。2013年の2,000頭規模の繁殖事業を今年度で4,470頭の規模まで引き上げてまいりました。今後についてもこの拡大のペースで傾斜を上がっていくことを目指すべき姿としております。いろいろな幸運にも恵まれて、ここまで全速力で駆け上がってきました。一定数量の繁殖基盤ができたことで、事業拡大の準備が整いましたが、この先、実現に向けての課題が見えるようになっております。

肥育事業については、肥育頭数の約7割強を地元の肥育農家の力をお借りして事業を展開しております。

次に、人でございます。繁殖母牛が倍になったことにより、繁殖母牛に携わる人員も2倍となりました。この繁殖部門人員は、繁殖母牛肥育、種つけ、分娩、離乳、哺乳、育成までを対象としていますが、今後、生産事業拡大につれて従業員も正比例で必要となります。慢性的な人材不足が事業拡大スピードを抑制してきましたが、ようやく休日制度、福利厚生等の待遇見直し、継続的なリクルート活動の成果もあり、近年定着率及び採用に明るさが出てきております。

また、女性従業員の方々に農場内に女性専用の休憩室、トイレを設置し、働きやすい環境整備をしたことにより、女性従業員の就業率が向上していることも貴重な人材となっております。外国人研修生制度にも取り組んでおります。

牧草についても取り組んでまいりました。みらいファームは母牛600頭で、牧草地を利用した繁殖事業のモデルとしてスタートしました。北海道にあるみらい北海ファームにて、70町歩の牧草地を有して採草に取り組みました。年間約700頭トンの収穫を上げ、使用量の3割を担うことができております。不足分は地元より草を調達しております。しかしながら、年2回の集中する収穫時に人をとられ、牛の世話をする人員確保が難しいため、自社での採草を断念し、機材全てを売却し、播種・採草を外部委託をするようになっております。一部牧野を利用した放牧繁殖も研究して実施しておりますが、最終的には終年放牧できる地域での牧草繁殖を進めたいというふうに考えております。

さきに述べました目指すべき姿に対する課題としては、まず牛を飼う場所がない、牛を飼う建物がない、牛を飼う人がいないというのが現実です。この先、繁殖事業を広げていく手法として有効と考えていますのは、地域の農家に繁殖牛を預かっていただく方法です。この手法は手っ取り早く先ほどの3つの課題を解消する方法です。繁殖雌牛をリースするというスキームも今検討中ですが、どちらにしても地域の協力者が求められます。

この事業に不可欠な施設としましては、核となるキャトル・ブリーディング・ステーションの建設を想定しております。繁殖農家で最も負担となる分娩から、離乳保育を解消する施設として期待を寄せます。この施設により同時に牛白血病の浄化の役割も加えたいというふうに考えております。

交雑牛の増頭には、酪農家の協力なしには成り立ちません。酪農家の事業拡大に協力しつつも、施設としては離乳保育・育成施設が必要となります。

その他、排せつ物の処理や流通、さらに省力化に取り組むことも課題として挙げられます。これらの課題を1つずつ乗り越え、生産事業の目指すべき姿に近づけていきます。

あと、食肉事業者としての懸念事項という形で問題提起をさせていただきました。

食肉事業者は、食肉の加工・流通を通じ、季節や部位の食肉需給の調整を担っております。また、産地食肉センターを抱える食肉事業者は、その処理場の稼働率が事業収支の大きい要因となるため、日々生体集荷に努力され、安定供給に寄与されております。

近年、国際和牛の育種改良・肥育技術の向上により、高級和牛の出現率が上昇しており、産地食肉センターで処理されるグレードと、食肉需要のグレードが合わないという現象に苦慮しております。自社グループでは、種の選別や肥育期間の短縮等で、多少は発生率の調整がコントロールできますが、一般生産者においては引き続き優良牛生産を目指した和牛生産が主流となっているため、この傾向は続くと思います。

発生率の高い高級和牛が売れ残り、需要のあるグレードの牛が不足するというミスマッチが食肉事業者全体にとって収益に大きく影響しているというのが現状でございます。

健康に対する意識変化や赤身嗜好といったキーワードに加え、近年、国産肉牛の枝相場の高水準は、消費動向に変化を来し、特に和牛の家庭内需要が縮小傾向にあると感じております。家庭内需要を呼び戻せる水準の流通価格帯での商取引が行われ、かつ畜産生産に関係する方全体が事業を継続する意欲を失わない、安定収益が得られる環境に戻ることを切に願います。

施設の老朽化につきまして、大動物処理施設の多くは老朽化が進んでおり、今後求められる高度な衛生管理レベルに応えるためには、施設更新が必要となり、多額の投資が必要となります。大きな減価償却費を抱えて、大動物の単独の屠畜処理では事業運営が困難であるという現実があります。結果として、施設更新が遅れることが懸念されます。運営に責任を持つ、力強い事業主体が求められ、屠畜処理単体事業ではなく、複合的な機能を構えたバリューチェーンを形成し、収益を集合させ、事業の継続を計画することが望ましいと考えます。

最後になりますが、流通の変化としまして、食肉の流通は、卸、小売、消費者という流れから、輸出事業で海外に送り出す商流や、ふるさと納税のように消費者に直接販売するという商流等、従来型の国内食肉流通ではない商流が需要の一部を支えるようになりました。

和牛の高級部位は海外に消費先を見つけ出し、その位置づけが確立されました。しかし、あまりにも偏った需要では、国内での疾病等で輸出が停止した場合、反動が大きく影響することが懸念されます。今後も輸出事業、ふるさと納税需要等を期待しつつ、インバウンド需要を含めた幅広い外食分野の消費拡大も期待しておるところです。

食肉事業者としての発表を終了いたします。ありがとうございました。

〇三輪部会長
野須さん、ありがとうございました。

それでは、最後に村尾さん、よろしくお願いいたします。

〇村尾氏
ゼンショーの村尾です。よろしくお願いいたします。

今回、外食事業者ということでお声をかけていただきまして、参加をさせていただいております。外食事業者という外食という捉え方をした場合に、そこにはさまざまな事業者、事業主様のターゲットがありまして、いろんな形での外食というものがあるということを理解しております。

また、消費者の方が外食に求めるもの、それぞれの外食の事業主様がターゲットとするところに求めるものというのはまたさまざまでありまして、その中でゼンショー、弊社に関しましては、チェーンストアを展開する、多店舗展開を一応主としておりまして、消費者の方にも来店頻度を上げてご来店いただきまして、外食を楽しんでいただく、そこにバリューを求めていただくという形の展開をしている。その前提で事業の紹介と、あと課題に関しましてお話をさせていただけたらと考えております。よろしくお願いします。

まず、1つ目のスライドなんですが、これは我が社が経営しております事業の中で、皆さんも目にしたことがあるロゴであるとか、もしくはご利用いただいているというケースがあるのかもしれませんが、一応いろいろなレストラン業態であり、その他スーパー業態、介護業態を展開していっております。

一応大きく分けまして4つの分野で展開をしておりまして、まず1つ目は国内外食、すき家、なか卯、牛丼チェーンに始めまして、はま寿司というすしレストラン、ココス、ビッグボーイはファミリーレストラン、ジョリーパスタに関しましてはイタリアンテーストのレストラン、華屋与兵衛に関しましては和風ファミリーレストランという形で展開をしていっております。

2つ目の海外外食に関しましては、基本的にはすき家を中心にこれまで展開をしてきておりまして、AFC、これは昨年、アメリカを中心に展開をしていますお寿司のフランチャイズです。スーパーの中に入っているお寿司コーナーを展開している会社を傘下に入れまして運営をしております。

介護、これはまさに介護ですね。介護の事業にも展開をしておりまして、もう一つは小売という形で4つの大きな分野で展開をしていっております。

先ほどもご説明いたしましたが、国内外食の展開ですね。ここに書いています数字に関しましては、ある一定の時期の数字になっておりますので、いろいろ公表されているタイミングによって変わってくると思いますけれども、チェーン展開ということで、店舗数の多い数が並んできております。

成長に関しましては、今回の主題ではないんですが、過去の19年間で35倍に国内外食に関しまして成長をしてきておりますという内容を書かせていただいております。

海外のすき家の展開、海外展開ですね。これに関しましては、中国、東南アジアを中心にしまして、海外の外食、すき家ですね、牛丼チェーンに関しまして展開を進めてきております。また、南米、ブラジル、中米、メキシコにも展開をしていっておりまして、今後ももちろん経営の内容にもよりますけれども、どんどん展開をしていきたいというところであります。

その次の小売事業に関しましては、北関東を中心にしまして、小売事業も展開してきておりまして、ここでももちろん今、今回の議題になっています国産牛の販売というものは継続的に行っている状況でございます。

最後、介護事業。ここに関しましては、今後この中の食というものを中心に、どういう形で食を提供できるか、これを大きな一つの命題としまして展開をしていっている内容の一つであります。

ちょっと駆け足になってしまいますが、その次のスライドで、実際にどういう形でレストランで和牛を含めた国産牛を販売してきているかというところで、いくつか実例を紹介させていただいております。

1枚目のスライドは、これは和食系のレストラン、焼き肉レストランで展開させていただいております国産牛のメニューになります。やはり我々、チェーンレストランを展開していく中で、肉という意味でやっぱりマジョリティーを占めるのは輸入牛となっております。その中で国産牛、和牛を展開するに当たりまして、やっぱり価格差というものがどうしても出てきまして、国産牛、和牛に関しましては当然だと思いますけれども、一番高いプレミアムのクラスで販売させていただいているというのが今の現状でございます。

過去のものも含めて次のスライドで出させていただきましたが、牛丼チェーンのすき家であり、なか卯でも和牛というものは販売させていただいた経緯があります。後ほどの課題にもかかわってくるんですが、この真ん中の横のスライド、真ん中上のスライドですね、この黒毛和牛弁当というものを展開の中の一つとしまして、ある1店舗で販売をスタートさせて、いろいろ販売させていただいた経緯が数年前にありました。

この販売の中では、その1店舗という意味ではすごく好評を受けまして、そのお弁当を買ってくださる消費者の方が列を作って購入していただくというような状況もある中で、その状況から、これをそれでは横展開できないのかというようなことで、いろいろチャレンジをしまして、実際に他の、これはたまたますき家だったんですけれども、すき家へ展開していったというような経緯がありました。

ちょっと駆け足で、本当に短い発表になってしまうんですが、その中で実際に販売していく中で、課題として挙げられてきますのが、やはり1つ目には数量の確保というところにございました。

先ほどの1つ前のスライドで、お弁当を販売をしましたと。それを横展開したいということで、いろいろ横展開できるための数量を確保できるのか、できないのかというところでいろいろ画策したところ、やはり同じような、もちろんターゲットとする値段帯であり、ターゲットとする売る数量というのは常に企業の中で変わってくる戦略にはなってくるんですが、我々が求めた戦略の中では、数量を確保するのにかなりの時間を要して、タイミング的になかなか販売をスタートすることができなかったという経緯が1つありました。

さらに、実際に販売をしてみたところ、和牛の先ほどの1つ前のスライドで、価格を見ていただきますと、黒毛和牛弁当というものが1,080円という価格帯で販売させていただいた経緯があります。実際に横展開をして、その集めた数量を販売をしていこうとしたときに、なかなか同じような価格帯で同じような期待していた数量が売れていかないというような実際問題が生じまして、この左の縦の写真になるんですけれども、790円という形で、中身は変わってきていますので、その設計も大きく変わってきてはいるんですけれども、やっぱりお客様、消費者の求めやすい価格帯というところで落ちついて、最終的に販売した価格がこの790円だったというような過去の経緯があるような状況でございます。

それに関しまして、数量の確保の問題、それと消費者の求められる品質であり価格と、実際に展開でき、その前の販売が好調だったときのものとの乖離があるのではないかなというところで、実際の課題を感じてきているのが今の我々の実情でございます。

3番目に挙げています問題点としまして、これ正肉規格の標準化という形で挙げておりますが、実際に物を買う際に、我々が仕入れをさせていただきまして、ある程度の一定の加工をして、レストランに送り込みまして、その商品を最終的な商品に変えていくんですが、その原料を買わせていただく段階での商品規格というものが、輸入品と比べましていろいろばらつきというものがあるのではないかというようなところに問題点を一つは感じているところであります。

実際に、同じ値段で、同じ名前で物を入れるんですが、そこに加工した際に歩留まりの差が出てくるであるとか、多少の規格の違いがあるであるとかというものがありまして、それを一気に物を買いに行くという話になった場合には、1つずつ確認をしていかないと物が買えない。一方では輸入品であればある程度規格基準が定まりまして、名前と商品番号というものを伝えた場合には、海外のパッカーがそれを理解しまして、同じようなものが大きなぶれがなく、標準化したものが手に入ると。そこに一つ大きな違いと、あと物を集める際の問題点というのが、課題というのがあるんではないかということを感じております。

また、それは商品の規格、肉自体の規格ではないんですけれども、例えば箱の規格であるとか、個体識別番号ですね。これに関しましても一つ課題というものを感じておりまして、まず箱に関しましては、ものすごく具体的な話になってしまいまして申し訳ないんですけれども、例えば冷蔵庫、倉庫で一旦保管をします。加工する際に原料を集めますので、保管をします。その際に箱のサイズがまちまちであることによりまして、パレットになかなかうまく置けないというような話も数を集めた場合に出てまいります。

それが何が問題になるかといいますと、一般的には大体1パレットに30ケースの商品を集めるという形で規定した場合に、箱の大きさが大きく違いますと、それが例えば25ケースになったりとか、10ケースになったりとかという話の中で、パレット数がどんどん増えてしまって、なかなか保管の融通性がきかない。または、ぱっと見たときに何ケースあるのかよくわからないというような形でというような問題も発生してまいります。

また、あと先ほどの個体識別番号の件なんですけれども、これももちろん、個体識別番号によりましてトレースの面からの安全が担保されているということは重々理解した上なんですが、その番号管理をすることによりまして、箱数が増えるであるとか、パレットを変えてロットをとらなければいけないとか、そういったことが倉庫段階でも発生いたしますし、今後、物を、使用量を増やそうとしたときに、お店の中でも管理というものが同様に発生しまして、その管理が煩雑になるであるとか、なかなかコントロールが難しいとか、そういったようなことも発生し得る状況にあることが一つの課題ではないかなと考えております。

最後、4つ目に挙げました輸出マーケットにおける他国産プレミアム品質牛肉との競合対策という点なんですが、今、一つの柱としまして、海外にお店を展開していっておる中で、もちろん日本からの輸出された、日本からの牛肉というものは、チャンスがあれば売っていきたいという気持ちは常に持っている状態です。

その中で、海外におきましてどういったことが競争になるかと考えますと、例えばオーストラリアであるとか、アメリカから来るプレミアム品質の牛肉、これが一つの競合相手になってくるという状況になります。そこで価格的品質。もちろん価格と品質というのはセットなんで、どこを求めるかというところによりますが、そういったものがかなり規格化された状態で物が流通していく中で、日本からのものはどうなのかというところを常に考えて対策を踏んでいくことによって、今後より広く多くの国産牛、和牛が流通できるようになるんではないかなというところで、そこを一つの課題として挙げさせていただきまして、私からの発表とかえさせていただきます。

以上です。

意見交換

〇三輪部会長
ありがとうございます。

4名の皆様、ご協力ありがとうございました。皆様方からいただきました有意義なお話を踏まえまして、それでは各委員の方々から、ただいまのプレゼンに対しまして、ご質問、ご意見をいただきたいというふうに思います。

本日、お時間の関係もございますので、初めに大体3名ほどの委員の方々からご質問をいただきまして、そちらに対してまずまとめてご回答いただくということを、およそ3巡させていただくという形で進めさせていただければというふうに思います。

それでは、特に順番等はなく、ご質問ある方から挙手をいただければと思いますが、委員の皆様、いかがでございましょうか。

石澤委員、お願いいたします。

〇石澤委員
本当に言いづらいお話をお話ししていただいてありがとうございました。どの農産物もプレミアム品がなかなか売れなくなっているというのは、同じような状況になっている現状ですね。

やはり今日のお話は消費者は高いものは買わない一方、生産者は付加価値を上げて収入を確保したいとの乖離が出てきたのではないでしょうか。また、ゼンショーさんのお話の中で、規格品がばらばらだというお話がありましたけれども、餌の価格なんかでも海外と比べると非常に高いとか、あとワクチン代が高いとか、その他にも、もろもろ課題があります。

その中で牛肉の問題は、高級な肉は売れなくなっているのに素牛価格がかなり高くなっているという何か全体的な課題があるのかなというような気がします。ぜひその辺は農水省さんの見解もお聞きしたいなと思っています。

それと、今日飛騨牛さんいらっしゃいますけれども、各県それぞれの銘柄があるというのも昔は各県の差別化というので重要なんでしょうけれども国内は和牛での統一が必要に思います。

最後に、輸出の部分について、実際高級肉がどの程度の量が売れていて、どの程度の需要があるのかということについて、もう少し詳しい数字というか、その辺も出していただければなと。どんどん伸びていますというお話は聞いていますけれども、本当にその辺が先ほどのお話を聞くと、本当に伸びて、まだまだ先行きまで明るいのか、あるいはもうそろそろ頭打ちしているのかということも、今日のお話を聞いていると不安に思うので、最後はやはり食べていただかないことには、3年かけて一生懸命A4,A5の和牛育てたにしても、売れないと生産者も流通側もそして最後は消費者もお互い大変なことになるのかなと。

本当に今日は4名の皆さん、本当に言いづらい部分、現状をそのままお話ししていただき本当に皆さんに感謝申し上げます。ありがとうございます。

〇三輪部会長
石澤委員、ありがとうございます。

それでは、他の委員の皆さん、ご質問等ございますでしょうか。

松永委員、お願いします。

〇松永委員
ナンチクさんの説明の中でお聞きしたいんですが、今どこの経営も子牛高で大変苦労している中で、子畜売買条例の廃止という今提言されましたけれども、やはり繁殖農家が維持していく、自由に牛を売るために、一般的には市場というものが、すごく子牛市場というものが大事になってくるわけなんですが、これを廃止して繁殖農家が自由な取引ができる、これ具体的に本当にそういう形になるのか。

一貫経営の中で考えれば、自分で育てて、自分で一貫でいくならよく理解できるんですが、地域全体がこういう形に流れていくというのは僕は初めて聞いたんで、実態をお聞きしたいなと思うとともに、雌の1産取りによる繁殖、受精卵による繁殖というのは一般的に進んでいるんですが、この中で問題は1産取りの32カ月で出荷したときに、肉がどのような形になって、どんな格付がもらえているのかということと、それから1産取りの雌がマルキン対応になっているかというのをお聞きしたいなと思います。

以上です。

〇三輪部会長
松永委員、ありがとうございます。

他にご質問等ございますでしょうか。

築道委員、お願いします。

〇築道委員
ナンチクの北野さんにお伺いしたいんですけれども、食肉処理場の再編整備に関しまして、私も思いは同じですが、当事者間ではなかなか話が進まないということがありますが、どこが企画して、関係者の同意を取りつけていくのかといったようなことがあれば、お考えがあれば教えていただきたいと思います。

飛騨ミートの小林さんにお尋ねします。

地域ブランドを立ち上げて発展させ、維持・拡大していくためには、産地食肉センターとしての飛騨ミートさんだけの努力だけではうまくいかなかったのではないかというふうに考えております。どんな関係者がどんな連携をしてきたのか、教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

以上です。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

それでは、もう一方ぐらいご意見いただいて。

里井委員、お願いします。

〇里井委員
本日はお忙しい中を、貴重なご意見の開示、ありがとうございました。

私自身は食の情報を消費者目線で分析しながら、メディアを中心に情報発信している者です。伺った中ででも、今後の販売戦略、それから課題解決においても、消費者のニーズを捉えるという点は非常に重要ではないかなと思っております。その中で何点かちょっと興味深い点がございましたので、もう少し詳しく伺えればなと思ったことが2点ほどありました。

まず、1つが飛騨牛、これ私も常に大好きで、飛騨牛で高山のほうに伺っていたりするんですが、食品安全フォーラム、食肉安全フォーラム、これ個人的にも後でお調べさせていただこうとは思うんですけれども、非常に地元の皆様と懇談会、そしてアンケートも実施。具体的に例えばこの招集、どういう方で例えば300人集まるように応募されていたり、あとアンケートも実施されていた、差し支えない範囲でどういうコミュニケーションをとられているのかなというのを、アンケート内容ですとかそういったもの、またそれをどのように生かしているのかといった、具体的にちょっと伺えればなというのが一つです。

それから、女性が働きやすいというキーワードで、伊藤ハム様の発表の中で、環境整備を整えられたとございました。トイレですとか、衛生面ですとか、休憩室ですとかという具体的な例とともに、例えば年間何人ぐらい増えましたというような、もしざっくりでも構いませんので、数値的なことが、人数的なことがわかれば、私も情報発信できるかなと思いました。

以上、2点について、簡単ではございますが質問させていただきます。よろしくお願いいたします。

〇三輪部会長
ありがとうございます。それでは、今いただきましたそれぞれのご質問、ご意見等に対して、ヒアリングご協力者の皆様方からご意見にご回答をいただければと思います。

あと、4名の方、皆様に向けてご意見であったりご質問といったものもございましたので、場合によってはご自分で該当なしというふうなところがあれば、その旨だけお伝えいただければというふうに思います。

それでは、初めに北野様よりご回答をお願いいたします。

〇北野氏
消費者と、それから我々生産したお肉とのミスマッチということがございますけれども、我々で努力しないといけない部分だとかというのは、やはり経営削減というところではないかなと思います。

実は私、農場を前任者から受け継いだときに、非常に厳しい経営でした。その中で何を先にやったかといいますと、濃厚飼料の入札をいたしました。そのときに、具体的な数字は申し上げられませんけれども、かなりの額がそこで浮いてきたということがあって、やはり先ほど餌とかワクチンとか、そういったことを言われましたけれども、そういったことに関してまず生産者の段階ではそういう努力をすべきではないのかなというふうに思います。

そして差別化というのは本当に表に出して商売をしたいんですけれども、なかなか売れないというふうになってくると、どうしても冷蔵庫の中に眠ったままの状況になって、最終的にはもう放り出すような価格になってしますという、非常に哀れな格好になってしまうということが現実起こっております。

その際に、いつも海外に行ったときに、鹿児島和牛と、ごめんなさい、今日飛騨牛の方が来ておられるんですけれども、どこがどう違うんだというふうに言われるときがあります。即答はなかなか難しいところがあるんですけれども、突き詰めていくと、種牛が違うんじゃないでしょうかとか、適当なことを言っているんですけれども、そういうブランドとして詳しい説明だとかというのは非常に言いづらい、特に牛については言いづらいところがあるんじゃないかというふうに思います。

それから、輸出につきましては、先ほど私、数字を出しましたトン数については、はっきり売れているというふうに自覚をいたしております。その一つの手法として、やはり日本はしゃぶしゃぶであったりとか、焼き肉であったりとか、あるいは豚でいうと豚カツであったり、しゃぶしゃぶであったりというようなものを、向こうの人にして見せて、そして食べさせて見せるということを、うちの専門の人間がいますので、それを現地に連れていって、そういうふうにしてやっているというのが功を奏しているんじゃないのかなと。日本の料理を現地に行って、作って食べさせるということが大事かなというふうに思います。

それから、松永委員が言われましたように、子畜売買条例の廃止の件ですけれども、これは廃止して、市場に出す人も当然いていいと。それから、一貫経営の人は市場に出さないでそのまま肥育をすればいいということで、選択制を持たせたらどうなのかなと思います。

なぜそれを言ったかといいますと、実は市場で牛も運ばずに、言えば市場手数料を取られているというのが現実としてありますので、それはちょっと不公平じゃないのかなというようなことで申し上げたところでございます。

それから、1産取りにつきましては32カ月ぐらいで、等級的にはA3程度ですので、今、1,000円から、高いときには1,200円ぐらいで売れております。マルキンの対象になっております。

それから、屠畜処理場の整備につきましては、これはなかなか今言われるように、言うは易し行うは難しの世界なんですけれども、BSEのときにどこかで乳牛を潰さないといけないということで、1カ所決めたことがあります。そのときは県が音頭を取りました。ですから、各県の当事者というのはやはり県の行政ということが一番ベターじゃないのかなと思います。

今、それと輸出については各施設が非常に認定や申請に動いておりますけれども、本来であれば、例えば九州に1カ所とか、沖縄エリアで1カ所とかというのがあってもよかったのかなという。これはもう後の話になってしまいますけれども、そういったのもあってもよかったのかなというふうに思っております。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

それでは、小林さん、よろしくお願いします。

〇小林氏
地域ブランドのことなんですが、飛騨牛の場合は当初、県内のそれぞれの地域に複数の地域にブランドがありました。飛騨牛、その他に岐阜牛とか、加子母牛とか、いろんなのがあったんですが、ブランドを作っていく中に、どうしてもやっぱり地域の統一と頭数を確保しなきゃいかんということで、県の方針として生産者とも話し合って、一つの統一ブランド、県で一つのブランドに絞りました。ここでの肉牛改良も、先ほど言いましたように、役牛からスタートしたんですが、肉牛中心にするということで、但馬の血を入れて、飛騨の気候でおいしく育つ牛を作っていこうということが飛騨牛の起こりでした。

ですから、ブランドを統一するところの育種の面は、県・行政と生産者で進めてきたんですが、流通のほうについては我々食肉センターがやるということです。そのような中で「安福号」という素晴らしい種雄牛が入って、各共進会等でトップ、また全共などで日本一がとれたということで、そこで我々としては日本一になった飛騨牛を日本一の衛生基準で消費者に届けるということで取り組んで来ました。

ですから、食肉センターだけでこういうふうになったわけじゃないんですが、育種改良していいものを育てるほうと、それから物のいいものが入ってきたから最高の品質に仕上げるということ。それから、当時は不幸にもいろんな家畜由来のO-157等の食中毒などが出てきたところで、なるべく早く、消費者の食肉の安全を確保しようということに取り組んだこと。それからもう一つは、観光客誘致によって食べに来てもらえる環境が整ったということで、今の飛騨牛については各方面、いろんなところの力添えでできてきたということです。ただ物がいいというだけではなく、そのような形で関係機関も含めて関係者全体でできています。

それから、食肉の安全フォーラムということで、立派な名前をつけたんですが、事の起こりは屠畜場で働く職員が衛生基準を守り消費者の食品安全のために、一生懸命やっている自分たちの姿を家族に見てもらうということで始めたのがきっかけです。ですから、毎年8月の第1水曜日にやるんですが、木曜日はちょうど競りですので、水曜日の日に職員の家族を集めてきて、そしてお父さん、お母さんの働いている姿、どういうことをやっているかを見てもらうということで進めたのが起こりです。

それがだんだん口コミになってきました。それで今回、最近は新聞等で期間を決めて一般公募するんですが、約350名くらいの一般消費者の方、それから料理店の方々が見えます。

リピーターもおりまして、川崎から毎年この時期に来るという人もみえますが、そのような中でやっている内容は、まずは食品衛生で、飛騨保健所の先生方に食品の取り扱い等の衛生のお話をしていただきます。他にはどんなことをやるかというと、我々の飛騨牛ブランドの紹介をしたり、食肉のルーツの話とかをやっていただいたり、それから世界中の食肉の話、それからジビエの話をやっていただいた。今年は地元の料理の研究家の先生に来ていただいて、特に飛騨牛と野菜で作ったような料理の課題にして、8月7日に開催します。もしよければぜひ来ていただきたいと思うんですが。

そのような中で、毎年毎年アンケートをとりますと、今度は牛肉の栄養について聞きたいとか、それから今回は料理の仕方について聞きたいということが多かったもので、このような内容にしました。そういう形でアンケートの有効な利用をしています。

そのアンケートの中は、もちろん聞きたい話もそうなんですが、牛肉、特に食肉の安全について理解ができたかとか、それから食肉の作られていく過程は理解できたかとか、いろいろなことをアンケートで聞き取るようにしています。また、質疑応答の時間ではJA、それから関係機関、我々もそうですが、全部表側に出て、一般消費者の方々との討論会、意見を聞というような催しをやっています。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

続いて、野須さん、お願いいたします。

〇野須氏
先ほど女性の雇用ということでご質問をいただきましたが、実際、牛の繁殖事業においては、生まれた子牛の離乳と保育、この段階については女性の持つきめや細やかな感性が非常に活躍できるといいますか、大きな肉体負荷もなく、女性に十分やっていただけると。

具体的な数字で申しますと、先ほど繁殖事業で30名の従業員が60名ぐらいにというふうにお話ししましたが、結果的には恐らく1対1ぐらい。正確な数字はわかりませんけれども、確実にその30人増加した中では1対1の割合で女性のお力をかりるという局面が増えてきた。

どっちが先かじゃないですけれども、そういう環境整備してあげる女性だけの休憩室とトイレというのを農場に作るだけでも、やはり彼女たちも気持ち的な負荷が非常に下がって、安心して進めていただけるのが今の結果になっているなというふうに思います。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

続いて、村尾さん、よろしくお願いいたします。

〇村尾氏
消費者の求めるところと実際の供給とのミスマッチというところの話にかかわってくるのではないかなと思いますが、やっぱり何をターゲットとするかというところが非常にキーになってくるんではないかなと考えております。

ターゲットというのは、売る、販売をする数量と価格帯ですね。もちろんいいものを少量、いいもので高いものは売れる数にもやっぱり限りがありますし、最終的に値段が下がってくれば、そこに対する需要というのは自然と高まってくると考えています。

あともう一つは、お客様が、消費者がどれぐらいの頻度で和牛と言われるもの、例えば和牛とした場合には、和牛を喫食されるのかというふうに考えるかというところに関わってきまして、そこにはやっぱり値段と品質というものが常について回ってくると思います。

実際に我々がもっと和牛を展開して、例えばメニューの中に入れていきたいということを考えた場合には、もちろん今、発生頻度が上がっていますA4、A5という商品、グレードのもの、4等級、5等級というものに関しましては、価格帯的に非常に高価なものと感じられてしまうような現状というのは存在しているんではないかなと考えております。

以上です。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

あと、あわせて先ほどの石澤委員のご質問のほうで、農水省からお願いできますでしょうか。

〇富田畜産部長
役所のほうから石澤委員のご質問について、少し補足をさせていただきます。

1点目は、生産コストに関連して子牛価格が高いという問題でございます。お手元のほうに参考で、酪農・肉用牛をめぐる情勢というのがございますので、見ていただければと思います。22ページに繁殖雌牛頭数と子牛価格の推移という図がございます。

端的に申しますと、繁殖雌牛頭数と子牛価格の推移は反比例でございまして、要すれば子牛の生産頭数が増えれば価格が下がって、生産頭数が減少すれば子牛が上がるという、需要と供給の関係で成り立っているということでございます。例えば、平成22年に繁殖雌牛頭数684,000頭いたときは、子牛価格は39万円でございました。それが28年に589,000頭まで繁殖雌牛が減少したときには、子牛価格は過去最高の815,000円になったという状況がございまして、現在でもまだ70万円台を維持しているという状況です。

私どもとしましては、この子牛価格を安定させるために、まずは生産基盤、いわゆる繁殖雌牛頭数を増加させるということに注力して、いろいろな対策を実施しているところです。

次に、1産取りのマルキンでございますが、北野さんからご回答があったように、マルキンの対象になっております。条件はありまして、通常の肥育と同じように、最低8カ月以上肥育するということと、それから一定の体重が必要ということで、あまり小さいのは対象になりません。そのように要件はございますけれども、マルキンの対象にはなっているということを補足させていただきます。

以上です。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

それでは、続きまして、では里井委員、お願いします。

〇里井委員
すみません、追加で。1点ちょっと聞きそびれていまして、ゼンショーさんの、私も大好きでよく伺っているんですけれども、その価格のというお話の中の流れなんですが、8つの国と地域、513店舗で展開されているとのことですが、大体海外ではおいくらぐらいで販売されているのでしょうか。

あと、今後はプレミアムの和牛との競争というふうにおっしゃっていたんですけれども、今現在は全て、すみません、日本のお肉でしたかしら。ちょっと何か聞きそびれてしまったような気もして、説明いただいたかもしれないんですが、ちょっともう一度伺えますか。

〇村尾氏
海外の展開に関しましては、今、基本的にはその現地で購入できる日本の牛肉ではない輸入牛、アメリカ産であり、オーストラリア産であり、南米であれば南米産でありというところの牛肉を使って展開をしていっている状況です。

販売している価格帯に関しましては、その国々の事情がありまして、いろいろ展開はあるんですが、基本的な姿勢としては日本で購入できるものと同じような為替展開をして、同じような価格帯で売れないかということを一つのターゲットとしておりますので、同じような、日本で見ていただいているものとそれほど変わりがない状態であると認識しています。

〇里井委員
わかりました。すみません。ありがとうございます。以上です。

〇三輪部会長
ご回答ありがとうございます。

それでは、2巡目ということで、残りで、先ほどまだご質問をいただいていない委員の皆様方からご質問をまとめていただければと思っておりますが、いかがでしょうか。

小谷委員、お願いします。

〇小谷委員
ありがとうございます。

今、お話しいただいた話とも重なるんですけれども、ナンチクさんは実際オーストラリアに、8倍の運賃かかる表がありましたけれども、輸出されているということですよね。まさに今、話題になっている、ローマ字でWAGYUというのが浸透しているオーストラリアで、日本の和牛を持っていったときの、さっき多分しゃぶしゃぶとか、食べ方のセミナーはされているとは思うんですけれども、もう少しやっていらっしゃることと、あるいはこういうアイデアがありましたら教えていただきたいなというふうに思います。

それから、質問ではないですけれども、飛騨ミートさんは高校との連携というのは本当に素晴らしいなというふうに思いました。和牛甲子園とか、いろんな全共でも高校生の部があるのは存じていますけれども、これからの後継者の育成ですとか、あるいは地域への誇りということも踏まえて、もっと充実させて、高校生とか、あるいは教育という部分で、学校とつながっていくことは大事だなというふうに思いました。そういうことを制度として何か取り入れることはできないのかなというふうに思いました。

それから、皆さん共通してお話しになったミスマッチの部分ですけれども、すごく明確に伊藤ハムさんが技術の向上により高級和牛の出現率が高まったことでむしろ問題が起きているというのは、本当に今あちこちで聞く話ですので、改めて、たしか5年前のこの審議会でも、畜産部会でも、いわゆる赤身嗜好に対応した、今あるA5段階のランクづけ以外の別の格付のようなものを考えていくことはできないのかなという話がたしか一度出た気がするんですけれども、改めてすごく大きな問題だと思いますので、これは発言者の皆さんに質問というよりも、農水省のほうに、これからちょっと考えたほうがいいんではないでしょうかねという投げかけです。

質問としてはナンチクさんにです。

あとナンチクさん以外にも、輸出されていてローマ字のWAGYUと国産の日本産の和牛との価値の違いの、何かアイデアとかご意見ありましたら教えていただきたいと思います。

以上です。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

それでは、前田委員、何かございますでしょうか。

〇前田委員
豚は500円で仮に売ったとして、プレミアムが最大ついて20円。イチゴとかのあまおうとは違う。もうそのために、つまり5%もないプレミアムのためにどれだけコストをかけるのかという課題が出てきたということと、実際はパッカーさんが生産者を喜ばせるためにそれをブランドを維持して、名前で買っているけれども、販売は一部それで流れているけれども、多くの場合、何とか県産で売られているという実情があったりというふうなことも聞いています。

ここまた5年に至っては、何々産地の豚肉とか、何とかブランド豚とかいうのがさらにちょっと冷え込んできているかなと思います。だから、生産者の名前よりも、どこどこスーパーのオリジナル、チェーン店のオリジナルみたいな、そういう名前にも変わっていきそうな気もしていまして、本当にブランド化が果たしてこのまま続けていっていいのか、それよりもコストダウンのほうが生産者としてはできることなのかなとか、迷いながらちょっといるところでございます。しかし、売ることはとても難しいなというふうに考えております。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

続いて、須藤委員、ございましたらよろしくお願いします。

〇須藤委員
お世話になります。私、酪農なんですけれども、1点お聞きしたいのは、今、肉牛生産というのがまさに酪農と一体となって、車の両輪のように腹を借りて生産をされているというのは、もう今当たり前になっているわけでございまして、まさに今、メガファーム等も含めた酪農と肉牛の将来といいますか、そういうところを考えると、肉牛生産というものが今現状、ちょっと話変わりますけれども、種の海外へ流出しているというところも含めて、大変日本ブランドとして和牛というのが危ないんじゃないかというのを私大変危惧しているんですけれども、その辺の考え方をちょっとお聞きしたいというふうに思います。

以上でございます。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

続いて、釼持委員、ございましたらよろしくお願いします。

〇釼持委員
私は小売という立場で、今日のほとんどの方が流通、それから小売をお持ちということで、非常にお話としては私どもも痛感しているお話でございました。私も何度かここの畜産部会に出させていただいて、毎回同じようなことをお話をしています。過去数年、もう10年以上じゃないですかね。BSEが起こってからずっと和牛が高くなりつつ、この5年はもう我々小売としても和牛が通常の大衆牛ではなくなってしまったと。

一方、今日皆さんからお話あったように、消費者の方々の需要というのは全く違う形になっています。赤身肉嗜好であったり、健康志向であったり、多様性が今までのように単純にいいもの、おいしいもの、和牛というだけではなくて、いろいろな嗜好が変わってきている中で、和牛の生産についてはやっぱりこの消費者とのニーズがあまりにもかけ離れ過ぎているというのが我々小売としても実感をしています。

そのためには、先ほど農水省のほうからもお話があったように、繁殖牛の価格が安定してくるということが一番大事なんだろうなというふうに思っています。このままだと本当に和牛はギフトとか珍味とか、そういったものになってしまう可能性があるので、何とかこれは回避したい。

という中、今日お話しいただきましたナンチクさんの中に、A3、A4を、いわゆる我々としても販売のしやすいランクのところを生産をしていくんだと。そのためには、当然今回お話あったF1の雌を活用するであったり、地域一貫でというお話があったかと思うんですが、これをもう少し具体的にお聞きしたいなということと、伊藤ハムさんのほうからも同様のお話で、今、御社のほうでも繁殖一貫をされて、割合を上げてきたと。そうはいいながら、伊藤ハムさんのようにやはり生産と最終消費者との間に立つということですと、そのバランスをとるのが非常に難しいと思うんですね。その辺の苦労話じゃないんですけれども、こういうことで工夫しているんだということをお聞かせいただければというふうに思います。

以上です。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

それでは、私のほうからも1つだけ4名の皆さんにご質問させていただければと思います。

小谷委員と釼持委員からご指摘いただいたこと、非常に近しいというか、同じ内容でございまして、今の等級の制度であったり、もしくは地域ごとのブランドという、このような形での表示であったり、認定・認証といった制度以外に、何かそれぞれのマーケティングだったりブランディングをする上で必要な制度等がございましたら、ぜひお聞かせいただきたいなというふうに思っております。

もしくは、今のようなそういう等級制度と、あとは地域ごとのブランド認証があれば、あとは個別事業者のマーケティングで十分だという形であれば、そういうような形でご意見をいただければと思います。

背景といたしましては、他の産品や、農産品であったり、食品を見てまいりますと、例えば最近、果物ですと糖度表示をより積極的にやるとか、もしくは三ヶ日のミカンのように機能性食品の認定をとっていたりということで、例えば自らの農産物のよさをアピールしたり、もしくは加工食品のところでいきますと、ワインにつきましては先日は制度変更の中で日本ワインという形で、国産の上にさらに日本ワインができまして、それによって原材料まで含めて地元のものだということがうたえるようになった。それを伝えるためのツールとして新しい名称ができたというのがございます。

もしくはGIのような形で表示しているものもございますし、以前、小谷委員のほうで先ほどご指摘いただいたときも、私のほうでも少しご意見を申し上げたのは、例えば日本酒であったら味の部分、どれぐらい濃いかというのと、あと、辛いか甘いかとかいうことで、2軸で評価していたりするんですが、それに比べると食肉というのは等級制度だけですので、消費者の方になかなか伝え、特に赤身部分の中でご指摘いただいたように、今、等級だけだとその素晴らしさというのを伝えにくいんだと思いますし、必ずしも消費者がこれがおいしいというふうに、それぞれ食の好みがある中で、それと等級が同じ方向で、平行線ではないような事例も出てきていると思いますので、そのような中で皆様方で何かお悩み等がございましたら、ぜひご披露いただければと思っております。

それでは、委員の皆さんからいただいた意見を踏まえまして、先ほどと同じ順番で恐縮でございますが、北野様よりご回答いただければ幸いです。

〇北野氏
先ほど小谷委員のほうから流通価格がオーストラリアから日本に持ってくるものの約8倍、10倍というのが流通業者の話によると非常に高いということで、これはどうにかならないかなというのは常々私どもの中では話になっております。

それで、現地価格はもう何万トン、特にロースなんかについては非常に何万というような金額がつきますので、自ずととそういったものを食べさせるレストランということになります。

ただ、どうしてもそれだけではなかなか商売にならないということがありまして、先ほどお話がありました、Aの3等級でもランクを落としてきて、これはもらえないのかとか、またF1はもらえないのかとか、そういった話も出てきております。

やはり現地での販売量を拡大していくためには、どうしても価格というのはネグることのできないものですので、そこをどういうふうにして販売価格を形成していくかといいますと、やはり流通経費なりそういったものは必要になってきます。

私ども細かいことを言いますと、本来であれば鹿児島空港から出したいところなんですけれども、鹿児島空港は非常に機材が小さい、施設もあるんですけれども小さい。ですから、福岡空港まで持っていって、そこからエアで飛ばすというような形を今とっています。それも近場でやれればもっと抑えられるのかなということも考えております。

それと、和牛ですけれども、実は地方畜産会で和牛統一マークをということでやってきておりますけれども、これまでは各県が独自で走ってきたというようなことがあります。それでばらばらであったのを、どうにか和牛、ローマ字のJAPANで統一して売っていこうということで、私どものほうもそれを統一マークとして箱に張って売り出しているところです。

そうしていくと、やはり日本が外国に対して物を売っているという一体感がありますし、それと先ほど和牛が非常に危ないんじゃないかというお話もございましたけれども、私もヨーロッパに2回行って、それぞれ調査をしますと、3つの和牛があります。一つは全くのピュアな和牛で、もう一つはオーストラリア経由で精液が入ってきているのが地元に牛につけられて、例えばノルマンディー和牛とか、そういうのがあります。それから、冠に和牛をつければ売れるだろうという、そういう和牛もあります。ですから、和牛という定義をしっかりとして対外的に世界にアピールするということが、日本としてはそれをやっていく必要があるんじゃないかなというふうに思っています。

それとあと、先ほど豚のところで、私もちょっと豚のほうをやっておりますけれども、やはり産地のエコフィード、私どものところは柚の産地なものですから、柚の皮とか、内袋とか、そういったものを乾燥させて、粉にして、豚に食べさせると、黒豚より融点が非常に高くて、しゃぶしゃぶの液が濁らないというようなこともあります。

先ほど飼料の入札というふうに言いましたけれども、やはり生産経費をできるだけ細かく落とす努力をとにかくするということに私は尽きるんじゃないかなと思います。ワクチンもできるだけ抑える、抗生物質もできるだけ抑える、そういう方向にやっぱり持っていくべきかなというふうに思います。

それから、A5、それからA3についてですけれども、従来A5でも経営ができる、A3でも経営ができる、だからどっちでもいいんだけれども、それじゃ市場性を考えたときに売りにくいのはA5、A3については非常に市場回転がいいというようなことで、それを私どもはA5の12番は目指さないよと、A3、A4をそれも29カ月、30カ月肥育を24カ月でとめて、それでA3、A4を作っていこうという、今その努力をしているところです。

そのほうが私どものところで潰して、それから流通に回すのには非常に商売がしやすいということですし、消費者も手にとって食べてくれるということになると思います。それがさっき申し上げましたように、海外でもそういうグレードダウンが起こってきているのも実情です。

それとあと鹿児島黒牛につきましては、A4、A5につきまして経済連、それからナンチクが鹿児島黒牛というふうに呼んでおります。それで国内販売、それから海外販売につきましては、ある一定量を売ってくれたところには指定店制度といって、証明書と、それから屋久杉の土埋木で作った盾をお店の前に置いてもらうようにして、それで一定のお店のステータスにしてもらえればなということで、そういうこともやっています。

指定店制度、販売店制度、それから協力店というようなことでやっておりますし、それから和牛日本一をとったという、総合優勝したということで、GIマークもいただいて、それをつけているというようなことです。

それから、加工につきましては、今まだちゃんとしたものはできておりませんけれども、スマイルフードのほうにも挑戦をしているということでございます。

以上です。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

続いて、小林さん、お願いいたします。

〇小林氏
学校教育につきましては、特に我々の地区は岐阜県畜産研究所飛騨牛研究部がありますし、それから肉牛肥育農場があって、飛騨牛の加工場があって、飛騨牛を食べるところがあるということで、学校教育特に小学校から大学まで定期的に教材提供できるところというところが、ありがたいことかなと思います。

それから、去年オーストラリアへの牛肉輸出施設認定が取れ、飛騨牛の輸出が始まったのでプロモーションに行かせていただきました。当初、いわゆるWAGYUはオーストラリアが元で、今、日本が茶々を入れに来たのかというようなのがそこの国の評価でした。ですから、オーストラリアの人たちはみんなローマ字のWAGYUが和牛と勘違いしていると。

行ったときは、こんな脂の多いもの食べないし、オーストラリア国民のステータスとしては自国のものしか食べないということで、売れないと言われたんですが、上陸してから輸出量は順調に伸びております。やっぱり食べてみたい牛肉ということで非常に伸びているということです。そこで今、日本の和牛統一マークもWAGYUを抜いてJAPANというふうにされて、日本の和牛ということでマークが使われるようになってきました。

飛騨牛は、特にヒレとかロースという高級部位を中心に輸出されるんですが、これは飛騨地域独特だと思うんですが、超高級部位はやっぱり外国で食べていただいて、そして残ったバラとか肩ロースとかももとかについてはインバウンドで来ていただいた海外の方々や国内旅行者に料理店やホテル等で提供したり、地元消費者に販売するということで、正直言って、1頭全部輸出してしまうよりは非常に使い分けがいいというメリットが現在は出ていると感じています。

あと、全体にブランドは岐阜県統一したんですが、岐阜県の地図を思い浮かべていただきますと、3,000メートルもあるような我々のような地区から関ヶ原まであります。ですから、同じ県内の中でも確実に同じ血統でも飼育環境で微妙に味が違っていると思います。

ですから、飛騨の味と、美濃の味、そこのところが今のブランドの中でちょっと問題になってきたところです。ですから、それぞれの特徴をしっかりと区別して、ブランドの中にもう一つブランド、消費者に分かり易いブランドが必要なんじゃないかというのが今の一つの問題です。

観光地に来て飛騨牛を食べる人、地元消費者などそれぞれ食べられた方々が、それぞれの飼育環境の違いでの味の違いを理解できるような新たなブランドの定義をしっかり作っていかなくてはならないと思います。

それから、本来和牛の改良は9年から10年かかると言われているんですが、現在の和牛は、以前の牛肉・オレンジ自由化のときから外国の牛肉に対抗するために、脂の質のいい、サシの入る牛にずっと改良してきました。ですから、今さら赤身の肉を作るための品種改良などというのもなかなか無理なことがあります。

先ほど言われましたように、サシがたくさんあればおいしいかというと違います。ある程度脂が多過ぎるとうまみがなくなると言われているんですが、これも乖離なんですけれども、枝肉格付と味は全く違うということです。我々が観光地で売ろうと思うと、Aの5等級というラベルのものじゃないと売れない。それで、それを直接消費者が見て脂が多過ぎると言われるという、そういうところが出てきます。ですから、今後は牛肉の本当のおいしさは何か、国のほうでも研究していただいて、農林水産省さんに何の成分数値がいくつなら非常においしいとか、そういう科学的な根拠を作っていただければ、格付等級と味は全く違うんだよということも消費者に理解していただけると思います。

そういうことを思いますと、外国の牛に対抗できるものとしては、飛騨牛の経産牛、いくつか子供を産んだ、草を食った牛なんですけれども、美味しくて赤身利用のできるようなこういうものをやっぱり有効利用して、第2のブランドとして目指していきたいなと、そんなことを思っています。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

それでは、野須さん、お願いいたします。

〇野須氏
当社も和牛の輸出にはかなり力を入れておりまして、それなりに実績がございます。行政のほうも和牛が海外に出るときに、日本のピュアな和牛の本当のよさを啓発活動、ずっとされていまして、その努力には本当に敬服しますが、私の認識では完全に海外の和牛と日本の和牛というものは全くもう別物。

日本の種が確かに海外に行っているとしましても、日本が長年培った肥育技術という上になって今の日本の和牛がありますので、海外の方もなんちゃって和牛と、日本の和牛というものについては一線を画しているような認識というふうには感じております。

先ほど釼持さんがおっしゃいました、流通の苦労話といいますか、流通はそれをするのが仕事なんで、何が苦労なのか、ちょっと明確にはわからないです。確かに発生する比率と、和牛の今の種が持っている力で発生する比率に対した売り方を販売の方とよく話をして、その等級のグレードをいかにうまく売っていただくかを一緒になっていかないと、なかなか売りと買いの中の組み合わせがうまくいかない。

当然、私ら流通ですので、季節的な部位の需要も担っていますし、中には輸出ということで、非常にサシの入る部位を海外に出したりとか、そのパーツの対応の供給をしたりとか、そういった販売される方々と協働して、いかに和牛をたくさん売っていくかということは進めていかなければならないかと。

やはり発表でも申し上げましたけれども、流通の価格がちょっと行き過ぎているのかなと。やっぱり売りが、販売される方が品質と価格とがマッチして、家庭内でも消費できるところの価格帯に要は素牛が下がればというところの結論に尽きるかもわかりませんけれども、やはり合理化の目標の和牛の素牛価格になれば、少なくとも以前のような販売価格で末端もお売りしていただくことができるというのが私の切なる願いということにさせていただきます。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

続いて、村尾さん、よろしくお願いいたします。

〇村尾氏
ちょっと誰の質問に対して何を答えるかというのは明確になっていない状況に今ありますが、今、野須さんが言われたことに関連しますが、外食としてお客様、消費者のニーズはどこにあるのかという、その情報をやはりしっかり共有をさせていただいて、そこにターゲットを絞っての生産を行っていくという形も一つのあり方ではないのかなと。そこから消費者のほうからの声を上げていくというような形というのも一つ大切な一歩ではないかなと考えております。

以上です。

〇三輪部会長
ありがとうございます。

農水省のほうから補足等ございますでしょうか。

〇富田畜産部長
私のほうからは、2つの点で補足をさせていただきたいと思います。

1つは、小谷委員、それから釼持委員から和牛の消費者ニーズと生産の方法が合ってないんではないかというお話がございました。

和牛の改良の方向については、酪肉近基本方針と似たようなものですけれども、家畜改良増殖目標という中で検討してございまして、前回、平成27年に作りましたときの目標では、牛肉に対する消費者ニーズが適度な脂肪交雑、あるいは赤身肉に対する関心が高まっているということを踏まえて、多様な牛肉を作るというようなテーマを掲げまして、脂肪交雑だけでないおいしさの指標化というのにも少し意を用いてはどうかというような議論をいたしました。その結果として、アミノ酸組成ですとか、オレイン酸とか、そういったものをいろいろ指標化する取り組みも進めましょうというようなことをやってまいりました。

例を申し上げますと、例えばオレイン酸、オレイン酸が脂肪酸のうちで55%以上あるものをオレイン55とか言いながら、例えば長野県、鳥取県、大分県あたりでは、そういった打ち出しで売っておられる状況もございます。残念ながら、日本中に一般化してきているかというと、なかなかまだそういう状況にはございません。

その一つの大きな原因は、先ほど繁殖雌頭数と子牛価格のお話をしましたが、ここ数年、極めて子牛価格が高い状況の中で、やはり1頭当たりの販売額を高める必要が生じております。つまり、生産の側から言いますと、1頭当たりの販売額を高く売らないと、肥育農家は収益が確保できない。子牛価格が高い中ではどうしても高い単価を目指さなければならないということで、消費がもう少しリーズナブルな牛肉を求めているとは言いつつ、それでは生産の現場でのビジネスモデルが成り立たないという、非常に悩ましい問題がございます。

そういったこともまさに今回の議論の中で検証しながら、次の10年に向けてのあり方を検討させていただければというふうに思っております。

それからもう一つは、海外に対する和牛遺伝資源の流出の問題が心配事としてございます。先ほど野須さんのほうからお話がございました。過去に日本の遺伝資源が海外に流出した経緯がございますが、その後の国内の改良努力によって、現在の国内の和牛は全く別物でございます。極めて競争力を有する貴重な遺伝資源であるというふうに考えておりますので、これを今後、世界に輸出という形で打って出るに当たっても、国内の戦略物資として守っていかなきゃならない。そういう意識のもとに、政府のほうでも和牛遺伝資源の適正な流通管理に関する検討会というものを立ち上げまして、先般、中間報告も出したばかりでございます。

そういったご意見を踏まえて、法改正も視野に入れながら対応をとってまいりたいと考えていることをご報告させていただきたいと思います。

閉会

〇三輪部会長
ありがとうございます。

それでは、お時間のほうも参っておりますが、委員の皆様方で何か発言のし忘れ等ございましたらいただければと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

それでは、本日のヒアリングはここまでとさせていただければと思います。本日はヒアリングにご協力いただきました北野様、小林様、野須様、村尾様、誠にありがとうございました。皆様、感謝を拍手で表していただければと思います。(拍手)

それでは、次回の畜産部会でございますが、8月中を予定しております。具体的な日程やヒアリングご協力者につきましては、事務局のほうで調整をしていただきます。

それでは、これをもちまして本日の畜産部会を閉会したいと思います。

本日は誠にありがとうございました。

 

お問合せ先

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代表:03-3502-8111(内線4893)
ダイヤルイン:03-3501ー1083
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