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農林水産省

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令和元年度第5回畜産部会議事概要

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1.日時:令和元年9月10日(火曜日)13時30分~17時00分
2.場所:三番町共用会議所2階大会議室
3.出席委員:砂子田委員、前田委員、三輪部会長、石澤委員、小野寺委員、金井委員、小谷委員、里井委員、須藤委員、築道委員(有田委員、加藤委員、大山委員、釼持委員、藤嶋委員、松永委員、西尾委員の7名は欠席)
4.概要
省内より適宜説明。

【意見交換】
(石澤委員)
〇牛肉の需要が減少しているという説明があった一方で、逆に増加しているという説明もあったが、農水省は牛肉の需要についてどのように考えているか。確かにA4~5の牛肉の需要は減少しているかも知れないが、牛肉全体では需要は増加しているのではないか。
〇新規就農にとって、JAが出資していることは非常に大事と考えているが、農水省としてもJA任せにしないで、新規就農者を増やしたり、離農しない仕組みを作ることが大事である。
〇コントラクターは酪農家以外でも取り組める仕組みを作らないと、飼料価格は下がらないのではないか。
〇トウモロコシ価格が下がっているのに、どうして配合飼料の価格が高いのか。やはり配合飼料価格が上がる仕組みがあるのではないか。
〇ふん尿について、水質汚濁の排水基準が、硝酸性窒素の一般基準値は100mg/Lなのに畜産は500mg/Lというのはいかがなものか。畜産農家にとっては厳しい話であるが、しっかりした基準を作らないと一般の方から苦情が出るのではないか。
悪臭防止法についても、抜本的な基準を作って欲しい。
〇有機質肥料に堆肥が使えるようになった点について、どの程度の堆肥であれば使えるのかを数値で示して欲しい。
〇ペレット化については、やりたくても設備投資が負担になる。広域流通の促進についても、現在、牛ふんが非常に高く、堆肥を堆肥のない地域に運ぶと非常にコストがかかる。日本全国で堆肥が流通できるような仕組みを提案してもらいたい。
〇生乳の生産量が減っているといいながら、昔、生乳を廃棄した時のことを思い出すような話もあり、生産者が疑心暗鬼になっている。生乳生産が多い場合はチーズのような加工品に回すような需給調整をすることで、生産者が安心して生乳生産を増やせる仕組みが必要である。この機会を逃すと突然、畜産農家がいなくなり、輸入に頼らざるを得なくなる恐れがあることを心配している。新規参入だけではなく、現役の生産者に希望を持たせる仕組みが必要である。
〇食料自給率(カロリーベース)について、前回の畜産部会では40%という目標を出していたのに、農水省が37%という数字を出してきたことに納得がいかない。いつの間にか飼料米の話もなくなっている状況にあるので、是非とも明るい農業の見通しについて、畜産部会から提言を出してもらいたい。
(小野寺委員)
〇過去の生乳需給の逼迫と緩和を繰り返す歴史を見て、家族経営の生産者は設備投資に足踏みをしている。家族経営を守って行くには、需給調整への対応をしっかり行っていくことが必要と考えている。全国の酪農生産基盤の観点からも、短期的な需給変動時に現行の調整保管とナラシで万全なのかを議論してもらいたい。
〇コスト負担のあり方についても議論をお願いしたい。道内の乳製品工場について、夏場に生乳を道外へ移出すればするほど設備投資が縮小することになっても困る。輸入の問題も含めて、需給調整をしながら北海道の生乳生産を拡大することについて議論してもらいたい。
〇生乳生産が増えれば堆肥の問題、特に北海道ではスラリーが多くなっているが、既存の処理施設が老朽化していることから今後どう改善していくか。
北海道でも酪農地帯と耕種地帯が偏在していることから、その間の堆肥輸送についても物流のコストが問題となっている。トラック輸送するにも、北海道の場合は運転手やトラックがないことにより輸送が滞る。これにより、堆肥の行き場所がなく、北海道のスラリーを撒くことにより河川の硝酸性窒素が多くなり、孵化事業を行っている水産からクレームが発生していることから、環境に優しい畜産のあり方について議論してもらいたい。
(金井委員)
〇食料安全保障について、需要が伸びているが生産基盤が弱体化していることにより、輸入に依存している状況。今後、世界的な人口増加や自然災害のことを考えると、畜産物の需給については将来が不安な状況と言われている。
次期酪肉近では、国内の畜産物需要に対しては、国内の生産基盤を活用して国内で賄っていくことを基本に取組を出していただきたい。
〇家族経営の位置づけについて、規模拡大だけでは生産基盤の維持・拡大は難しいと考えている。次期酪肉近では、家族経営の意義や価値を評価し直して、位置付けてもらいたい。
〇新規就農や生産基盤拡大の対策について、我々JAグループは経営継承という取組を行っている。自己資金を活用しているが、平成13年から今日まで農水省と連携しながら取り組んできた。これまで278件の実績があり、最近は申請件数も増えている状況である。ただし、初期投資が大きいことから、農水省からも連携支援をお願いしたい。特に第三者継承を行うと、技術・経営支援が求められる。
スマート農業について、搾乳ロボットのような機械はいずれ更新の時期を迎えるなか、10年経過した場合それが安くなるようにしていかないと続いていかない。
〇国際化の進展状況については、次回、その影響や対応についてご説明願いたい。
〇生乳流通改革について、改正畜安法が施行されて1年半経過したが、現場では色んな意見が出ている最中である。酪農家の所得の増大が実現できているか、改革に前向きに取組む観点からも現場の課題を聞いて、それを検証し、制度の強化等をご検討願いたい。
(小谷委員)
〇中小経営が生産基盤を支えていることについて、この5年間は大規模・集約化していく動きがあったが、全体としては依然として中小経営が生産基盤を支えているという結果となった。去年、今年の自然災害が多発しているが、
農業の最大のリスク分散は小規模でも多様な農業が全国で営まれ続けていくことだと思う。農産物を増やすのではなく農地を増やすという視点が必要と感じる。酪農の離農の原因として、肉用に転換している事例が見受けられる。子牛価格や労働時間の問題で、肉用の方が産業的にやりやすいという判断があると思うが、酪農に対する喜びややりがいが見えにくいことが問題となっていると毎回感じる。
〇堆肥の肥料化について、畜産は畜産物を生み出すと同時に良質な有機肥料も生み出す産業という包括的な視点を多くの人が持つことにより、家畜を飼うことが周辺を喜ばせる仕事であるという誇りにつながるものと思う。畜産物と肥料をつなぐことが農水省の仕事ではないかと思う。
〇これからの畜産で大事なことは、飼料の自給と排せつ物の有効活用という循環型、持続可能型そして多様性という視点が必要と感じる。畜産物の量を保つだけではなく畜産農家の戸数を保つ、現役の畜産農家が喜びを感じる方法を考えていただきたい。家畜を飼うことが食料問題を解決するという視点を持てば、強い畜産を生むことになると考える。
(里井委員)
〇牛肉の需要が減少していることについて、農水省の見解を聞きたい。
〇後継者問題、担い手の確保、それに伴う離農問題について、生産者が抱える諸問題の解決、中小経営の方達の位置づけを今後もしっかりと付けていただきたい。資料を見ていると家族経営をイメージした試算という切り口は素晴らしいが、地域によっては様々な状況があることにも着目することで、国の施策で何とかできないか。消費者も含めて人の感情は一律ではないということを共有できたらと思う。
〇消費拡大の面においても、消費者は様々な価値観を持っている。和牛を例にとっても、食べ方も部位の好みも違う。今後は、きめ細やかな視点が必要と思う。そのためには横との連携が重要で、消費を拡大するには物の価値を上げることが前提であるが、その生産者の価値や料理した人の価値を上げることや食べ方の提案等、全てが一丸となることで初めて消費拡大につながると思う。全ての方が一丸となるきっかけとなるような施策を国がリードしてもらいたい。
〇フード・アクション・ニッポンのような国産食材をPRする分野とも連携して、消費拡大のために国産食材の価値を上げていけたらと考えている。
〇フードジャーナリストとしての情報として、最近は肉も牛乳も食べ物を直接食べるという人が減ってきている。その理由は中食事業や外食のように、生産者と消費者の間に人が手を加えたものを食べる傾向が強い。料理をする人が減ってきているし、中食は10月からの増税の対象外ということもあり再び注目を浴びている。牛乳も以前は健康志向から1㍑パックの牛乳が売れていたが、体質・アレルギーの問題もあり、現在は牛乳か豆乳かという傾向である。チーズの消費が伸びる背景としては、チーズを食べる食文化がまだ根付いていない。だからこそ、希望を持って連携しながら価値を更に上げていけたらと思っている。
(伏見課長)
〇牛乳の需要が減少している傾向がある一方で、増加しているという説明があった件は、資料7で需要の長期見通しは、10年前と比較すると減少している傾向にある説明しているが、私が説明した資料8では昨年来、牛肉の国内生産量は少し増えているが、消費量は更に増えていて、その増加分を輸入に依存していることを問題提起したものである。
〇新規就農者の支援については、JAの取組がかなり進んでいまして、都府県の畜産を考える中で農水省も事業を新設したりすることにより、JAと協力しながら意欲のある新規就農者の拡大を支援していきたい。
〇酪農に離農が多いことについては、一番の問題は労働負担が重いことであることから、省力機械を導入する等、労働時間を削減することを支援していきたいと考えている。
(水野課長)
〇牛乳の需給について、需給緩和時に現在取っている対策は、ナラシ対策と調整保管を用意しているが、それ以上に必要ということであれば、この場で議論を深めていく必要があると考えている。
〇乳業においては、意欲的な数値目標をご提案いただいており、生乳の処理能力は確保されているものと考えている。
〇生乳の流通改革で良いとこ取りと言われている問題について、年間契約を結んでおきながら、一方的に契約を解除することは、我々も大変問題と考えている。このため、適正な生乳取引の推進について、今月3日に生産局長通知を出しているところである。この通知を踏まえて、より一層、酪農家に対して契約遵守の意識を持つよう徹底していきたい。
(関村課長)
〇コントラクターについては、飼料生産現場での労働力不足を背景に826組織まで伸びてきている。成り立ちは酪農家の共同作業から組織化したものが多いと承知しているが、中には会社経営で流通飼料を供給するような組織も存在する。飼料生産機械の導入や高度化について引き続き支援していきたい。
〇ただし、コントラクターでもオペレーターの要員確保が問題となってきていることから、ICT等を活用した省力化した機械の導入等により支援していきたい。
〇トウモロコシ価格については、一時期に比べて安くなってきている。原料費が配合飼料価格の約7割を占めている現状であり、原料の調達については安くなる要素があるが、海上運賃や為替の問題等を総合的に勘案して原料価格が決まる仕組みである。原料価格はトウモロコシだけの問題ではないことをご理解願いたい。
〇ただし、配合飼料メーカーも流通価格の合理化に積極的に取り組んでいただいており、。農業競争力強化支援法に基づいて現在5件ほど事業再編に取り組んでいる。製造ラインを統合したり、新工場を建設したりして合理化を進めたり、アグミルを活用して配合飼料価格を抑える取組も出てきている。以前、JAが価格が高くなる要素としていたロット数が多いことについては、現在500銘柄から300銘柄まで集約化が進んでいる。農水省も一緒になって取組を進めていきたい。
〇飼料用米については、平成29年は9万㌶まで進んだが、現在は少し減って8万㌶という状況である。しっかり活用していただくためには、耕種農家と畜産農家のマッチングが非常に重要である。

(犬塚室長)
〇硝酸性窒素の排水基準の今後の方向性について、現在の基準は今年7月から適用されている。いきなり基準が低くはならないが、環境省とは畜産の実態に合わせて今後協議という話をしている。
〇有機質肥料として使用できる堆肥については色々なご意見がありましたので紹介するが、令和2年度概算要求で土づくり対応型・畜産環境対策支援事業を要求しており、畜産農家と耕種農家又は肥料メーカーが協議会を設置し、耕種農家等のニーズに対応する高品質な堆肥を生産するために必要な施設・機械を導入する取組を支援していくものである。
現在、耕種農家が堆肥をより多く使用できるよう堆肥の成分基準などについて省内で検討しており、決定後、その制度や事業の周知をして、利用を拡大していきたい。

(星野室長)
〇資料12に出てくる食料自給率(カロリーベース)37%というのは、平成30年度の実績であるが、27年度に策定した現行の基本計画で定めている目標値は37年度時点で45%としていた。今後の企画部会において目標値を議論していくことになる。
〇中小経営の位置づけについては、酪肉近の中で大きなテーマになると思われるので、皆さんの忌憚のないご意見をいただきながら、今後、議論を進めていきたいと思う。
〇持続可能、多様性のある畜産については、資料12の中でSDGsの説明をさせていただいたが、酪肉近でも今後、このような動きをどう検討していくか、皆さんのご意見をいただきながら議論を進めていきたい。

(須藤委員)
〇ペーパーレス化は理解するが、紙媒体も要望に応じて配布して欲しい。
〇農業・畜産業を斜陽産業ではなく、アカデミックで、成長産業で、儲かるといった明るい産業として前向きに捉えることが重要。国にはこのことを発信したり、キャッチコピーを示したりするような姿勢を見せてほしい。
〇大規模化は当然進める必要があるが、中小家族経営も生産基盤を支えている中で、1番リタイアしているのもこの中小家族経営。雇用を生むためには家族経営も法人経営とする必要があり、農業はやっとこの点までたどり着いたと捉えている。この中で農業をどうやって楽しい、夢のあるものにできるかが課題で、国にはこの部分を積極的に攻めてほしい。
〇特に農外からの就農者が増えてきており、今までの世襲制ではない農業、ビジネスとしての農業が動いてきている中で、従業員として雇用された者が新規就農者としてカウントされていないというのは問題と考えている。生産基盤を支えているのは従業員であり、幹部やマネージャーとして力を発揮しているようなものもいるため、従業員もカウントできるような時期に来ている。ヘルパー等も同じだが、農業を支える基盤を担っている人たちのことを共有し、インセンティブを与え、身分を高めることを国が下支えすることが必要。

(砂子田委員)
〇自身で酪農を行い人工授精も行っているが、これまでの家畜改良増殖目標が乳量を出すことに特化していたからか、国産の種雄牛では初産が絞れても2産、3産になると乳量が維持されなかったり、乳房底面が下がってしまったりと長持ちしない牛も多くいると感じている。このため、周囲では国産種雄牛を利用していない農家も多い。これまでの改良により作出されてきた種雄牛であれば、初産では乳量が出なくても2産目以降では能力が出てくると思うので、長持ちするような牛に変えていくことも重要と考えている。
〇地域でヨーネ病が出ており、堆肥をこの畑に撒くなとか、家の前を通るなとの発言が出たりと問題になっている。堆肥は完熟させると菌が消えると言われているが、正しい知識が認識されておらず苦労している農家もいるので、病気に対する正しい知識を得ることが重要と考えている。
〇酪農を続けるためには、仕事に魅力を持つ人を増やすことが重要だと思っている。また、何年も続けている酪農家はすごいと思っており、今まで続けている人たちを守る、モチベーションを保つようなことができたら良いと考えている。自身の経験としては、一人で酪農を始めたため批判も多くあった中で、助けてくれたのは女性だった。女性はネットワークや横のつながりが重要。集まって悩みや思いを共有できると励みになることから、酪農女性プチネットを開催したりしている。国にこれをやってほしいというのではなく、こういうことが行われていることを知ってほしい。
〇酪農は3K(きつい、きたない、くさい)と言われてきたが、これからは「感動、稼げる、かっこいい」に変えたいといっている女性酪農家の先輩に影響を受けたことがあり、そういったキャッチフレーズも良いアイディアだと感じている。

(築道委員)
〇前回の酪肉近については、肉牛では、子取り用メス牛の維持・増加を最優先課題とすることで、個人経営から地域全体で取り組み収益を上げるという生産構造の転換などにより回復傾向にあるということから、方向性は間違いではなかったと考えている。一方で、子牛価格が高値に張り付いているという条件下であったことを踏まえれば、子牛価格が落ち着いた場合においても「結局リスクは生産者がかぶる。」ということを念頭に置いて、増頭意欲を維持できるような対策を続けていくことが重要。
〇国産牛肉に対しての消費者ニーズの変化について、消費者は頃合いのサシの入った、手頃な価格のものを求める傾向を強めており、前回の酪肉近の中でも、多様な肉用牛・牛肉生産を推進するとされているが、今後も留意すべきと考えている。一方で、生産者は子牛価格が高水準にあることから、販売価格の高い高級霜降り肉の生産を目指すこととなり、ますます消費と生産のギャップが広がっているという状況。現在、和牛肉が高値で推移している中、頃合いのサシがあり、和牛と比べ割安感のある交雑牛の需要が伸びており、食肉市場における枝肉の取引価格も強気で動いている。さらに、和牛の上位等級の発生割合が急速に向上している。消費あっての生産という観点からニーズに的確に対応した、新たな国産牛肉の生産のあり方について、消費者・生産者ともに納得できるような方向性を打ち出していく必要があると強く感じている。
〇食肉処理施設における処理能力は上がっているが、稼働率は60%前半で停滞しており、施設の老朽化と労働力不足が課題となっている。このままの状態が続けば、食肉処理施設の運営には、排水や廃棄物処理、水道・光熱費などの多額の経費、HACCPによる衛生・品質管理のための施設等の整備が必要であり、高度な知識・技術を持った人材の育成もままならなくなることから、国産食肉の生産・流通に支障が生じることが懸念されるため、これまで以上に実効性のある具体的な方向性を打ち出す必要があると考える。

(前田委員)
〇テレビでオーストラリアの放牧牛が取り上げられていて、対比として日本の小規模酪農、配合飼料給与が映し出されていた。その後、オーストラリアの放牧牛は栄養価が高くヘルシーであることをアピールし、レポーターがそれをおいしそうに食べる映像を見て、イメージ戦略の上手さにショックを受けた。国内では売るための研究が足りないと感じた。10~30代のトレンドや女性の嗜好を研究し需要と供給のずれを縮めることが重要だと考えている。そのためにメディアは重要だが莫大な費用がかかる。米や豪では国が広告や販促に費用を出しているようなこともあるようだが、チェックオフが進まないようなこともあり、国内ではすぐに進まない状況にあることは承知している。このような中では、国は本気になって取り組む必要があるのではないだろうか。
〇輸出が拡大していることは素晴らしいことだと考えているが、輸出の伸びは生産量全体の5.5%分に相当する。一方で、輸入は8%増えており、売り場を奪われているともいえる状況について、皆で一緒に考えていく必要があると考えている。

(三輪部会長)
〇日本の畜産は、厳しい現実ももちろんあるが、大きなチャンスのあるタイミングだと捉えている。前向きな明るいメッセージとそれを実現させるための方策や方向性を強く打ち出すのが酪肉近だと思っており、改めて身が引き締まる思いでいる。
〇飲用向けが堅調とのことだが、一方で供給量が限られているため、加工用が減少しチーズの輸入が増加している。このようなことは中・長期的の計画として酪肉近で考える部分。マーケットに需要があり、価格が維持される・政策で支えられている等の状況があれば生産意欲につながる。関係者がハシゴをはずされないかを意識している中で、安心して取り組んでくださいとのメッセージを出せると良いと考えている。
〇カロリーベースの自給率において畜産の寄与率は大きいため、酪肉近でしっかりと取り組むべきで、特に飼料が重要と考えている。飼料用米やWCSはアナウンス効果がなくなったり、補助金がなくなると生産者の関心が下がってしまう。中長期で生産者が計画を立てられるよう、安心して取り組める政策的下支えとハシゴをはずさないといった宣言が重要だと考えている。
耕作放棄地については、これまで経済合理性がなく放置されてきたが、昨今、スマート農業や品種改良で人手をかけずに楽に飼料を作れる状況もでてきた。今後、誰がどうやって取り組んでいくかを考え、フル活用することによって飼料自給率の向上に寄与すると考えている。農業者の経営の中だけで扱うのではなく、例えば、耕作放棄地をゼロにするという公的な目的のために自治体の補助事業等で扱うといった広い範囲での利用もあると思う。すぐに実行できるものではないが、提言していければと考えている。
〇国産の飼料を使っていることをブランド価値につなげることは、本部会や農水省の腕の見せ所だと思っている。日本では栽培、肥育、飼育技術で品質を担保してきたが、もう少し消費マインドが進んでいると思われるヨーロッパでは原材料や環境までがターゲットとされている。例えば、日本ワインとその他のワインを区別して表示できるように制度が変わったことにより、国産のブドウから作られた日本ワインが評価されるようになり、ブドウの生産者にも弾みがついている。日本の畜産物もそういったバックキャストをすることで、生産者が誇りをもって飼料作りに取り組めるようにすることも必要と考えている。
〇酪肉近を検討していく中で、日米貿易交渉といった外部環境の変化をスピーディーに取り入れた上での議論を進めたいと考えているので、よろしくお願いしたい。

(伏見課長)
〇外部環境の変化を取り入れる点については、資料の作り方等も含めて検討した上で、何らかの形で示していきたいと考えている。
〇家族経営を大事にしなければならないとの点については、例えば、資料8の中であえて「中小規模層が生産基盤を支えている」と表記するなどして問題意識を提示しつつ、今後の家族経営をどうしていくかを本部会で議論してほしいと考えている。家族経営は地域の中でどのように行っていくかが重要と考えている。肉用牛においては、肥育一貫を一つの経営体で行うことが難しいことが分かってきた中で、子牛を生産する者、肥育を行う者を地域一貫として考えたり、酪農においては、一から子牛を生産する者がいない中で個々の生産者が高い子牛を購入してくるだけではコストがかかることとなったりと、こういった点も含めて考えていく必要がある。また、補助事業についても個々の生産者で完結するのではなく、その生産者の地域内での位置づけや役割を意識して行っていくことも重要と考えている。
〇前向きで明るいメッセージ、魅力のある畜産業の発信との点については、国の発信力の課題等も含めて、どういった発信をしていけば良いか検討していきたいので、意見をお願いしたい。

(関村課長)
〇自給率の観点からの餌の重要性については、まさしくその通りと考えている。30年度については、天候不順の関係から粗飼料が生産できず自給率がマイナスに振れたような状況にあり、地球温暖化など環境が変化していく中で、リスクに対応した国産飼料の生産が重要と考えており、今後しっかりと対応していきたい。
〇飼料用米やWCSを用いたブランド化については、飼料用米やWCSについての振興を引き続き行うとともに、子実用トウモロコシについて水田の活用やブランド化とからめることにより生産拡大を進めるなど、国産濃厚飼料の生産振興も進めていきたいと考えている。

(望月課長)
〇消費者と生産者のニーズがマッチしていないのではとの点については、価格と質の2つの大きな原因があると考えている。価格の観点から量的な問題についていえば、国内における牛肉の供給量は全体で95万トン、うち国産が33万トン、うち和牛が15万トンと圧倒的に国産が足りていない状況にある。まずは国産を増やすことが価格のギャップを埋めるために重要であるため、クラスター事業等を活用して増頭に取り組んでおり、引き続き取り組んでいく。また、質の観点からは、3等級の要望が強くなっていることに生産者は気づいており、今までは出荷までに29か月かけていた飼育期間を24か月に早めることにより3等級を目指すといった取組も始まっている。さらに、繁殖に使わなくなった和牛や和牛を1回生ませた交雑牛の再肥育により2、3等級の牛肉を生産する、こういった方法も含めて総合的に進めていくことが重要と考えている。
〇食肉処理施設の問題については、稼働率が62%であり酪肉近の目標より低い状況にあり、施設の老朽化や労働力不足の点についてはご指摘のとおり。食肉処理施設は、生産と消費を結ぶ重要な場であるが、生産者サイドからみれば高齢化が進んでおり、消費者サイドからみれば生産者の顔が見える商品に関心が寄せられているところ。今後は、生産から消費までトータルの課題を見据えた形での組織再編が重要と考えている。令和2年度の概算要求において、生産者と食肉処理施設と流通業者がコンソーシアムとなり、5年間の計画を作り食肉処理施設の再編整備を行うものについて、施設整備を補助するものとしている。なお、この施設は衛生面にも気を使い、欧米のHACCP基準を満たすものとすることで消費者の求める安全・安心なものを提供できることも目指していく。

(犬塚室長)
〇乳用牛を長く使うとの点については、平成27年3月に定めた前回の改良増殖目標において、長命連産ということで乳量変化の小さい泌乳持続性の高い牛づくりを通じて生涯生産性を高めることを掲げている。一方で、国産種雄牛をもっと使ってもらうことは課題と考えており、意見をお願いしたい。
〇消費者ニーズの多様性との点については、改良増殖目標ではサシにより差別化することを掲げてきた。これを急激に変更することは難しいが、前回の改良増殖目標でもこれ以上サシを伸ばさなくて良いとし、短期肥育も掲げている。また、消費者視点として、おいしさの指標が何かできないか検討している。
〇ヨーネ病が発生して堆肥を使ってもらえないとの点については、堆肥はしっかり処理すれば大丈夫だが、なかなか使ってもらえない状況があると理解している。国からの情報発信では十分でないところもあるかと思うので、県や役場といった地元でPRしてもらうことも重要だと考えている。また、ペレット化する際の過熱で菌は死滅するので、これもPRの一つになるのではないかと考えている。

(星野室長)
〇離農に係る資料について、調査は経営体の動向を調査するものとして行っているが、雇用を生む産業としての視点で見ていくことも必要だと改めて感じている。
酪農ヘルパーや農業技術者にインセンティブを与える点については、今後の議論での意見等を踏まえながら何ができるか検討していきたい。

(石澤委員)
〇現在、豚コレラのワクチンを使うか、使わないかが話題になっているかと思うが、次回の部会でも構わないので、現状の見解を教えてほしい。

(熊谷課長)
〇豚コレラについては、特定の地域における個々の農家での発生にとどまっており、農家から農家への流行は起こっていない。一方で、野生のイノシシ内で拡大している状況。ワクチンは備蓄しており、使うに当たっての要件・条件を議論している。20年程前とは異なり、日本全体からウィルスがなくなった状態からの再発なので、地域を限定して使用することも考えており、該当地域の農業者や行政など関係者間で検討しているところ。今後も状況については報告していきたい。

(以上)

お問合せ先

生産局畜産部畜産企画課

代表:03-3502-8111(内線4893)
ダイヤルイン:03-3501-1083
FAX番号:03-3501-1386

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