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農林水産省

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平成21年度獣医事審議会第1回計画部会議事録

1.日時

平成21年10月9日(金曜日) 13時30分~16時00分

2.場所

農林水産省第2特別会議室

3.出席者

委員8名 臨時委員9名 合計17名

〔委員〕
小野憲一郎、田中美貴、中川秀樹、中山裕之、細井戸大成、山田章雄、山根義久、米田久美子

〔臨時委員〕
大野芳美、藏内勇夫、佐藤浩二、菅澤勝則、田川福彦、内藤廣信、濱名張彦、堀口幸利、横尾彰

4.概要

【山根部会長】定刻になりましたので、ただいまから平成21年度の獣医事審議会第1回計画部会を開催いたします。

この獣医事審議会計画部会は、獣医事審議会長の付託を受けまして、獣医療法第10条に基づく「獣医療を提供する体制の整備のための基本方針」の策定に関することと、獣医師法第16条の2に基づく臨床研修施設の指定に関することについてご審議をいただく部会でございます。これまで「獣医療を提供する体制の整備のための基本方針」につきましては、昨年度に2回の計画部会、さらに産業動物、公務員、小動物、民間・研究の各分野のワーキンググループに分かれまして、基本方針に盛り込むべき事項を具体的かつ詳細に議論してきたところであります。本日の計画部会では、各ワーキンググループから検討結果をご報告いただきまして、その上で基本方針の骨子について議論していきたいと思いますので、この基本方針を実行あるものにするためにもご協力のほどをよろしくお願いいたします。なお、本日は、16時をめどといたしまして審議を行いたいと思いますので、ご審議が円滑に進みますようお願いいたします。では、まずご出席されている方のご紹介と委員の出欠状況につきまして、事務局からご報告をお願いいたします。

【事務局(吉田)】では、まず委員の方々のご紹介をさせていただきたいと思います。お手元の資料の座席表と、もう2枚めくっていただければ名簿がございますのでご参照いただければと思います。まず、今ごあいさついただきました部会長になっていただいております山根部会長でございます。

【山根部会長】山根でございます。よろしくお願いします。

【事務局(吉田)】その左隣でございますが、田中部会長代理でございます。

【田中部会長代理】田中でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局(吉田)】続きまして、小野審議会長でございます。

【小野審議会長】小野でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局(吉田)】中川委員でございます。

【中川委員】中川ございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局(吉田)】続きまして、中山委員でございます。

【中山委員】中山でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局(吉田)】細井戸委員でございます。

【細井戸委員】細井戸です。よろしくお願いいたします。

【事務局(吉田)】山田委員でございます。

【山田委員】山田です。よろしくお願いします。

【事務局(吉田)】続きまして、米田委員でございます。

【米田委員】米田です。よろしくお願いいたします。

【事務局(吉田)】大野委員でございます。

【大野臨時委員】大野です。よろしくお願いします。

【事務局(吉田)】佐藤委員でございます。

【佐藤臨時委員】佐藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局(吉田)】菅澤委員でございます。

【菅澤臨時委員】よろしくお願いいたします。

【事務局(吉田)】内藤委員でございます。

【内藤臨時委員】内藤です。よろしくお願いします。

【事務局(吉田)】濱名委員でございます。

【濱名臨時委員】濱名です。よろしくお願いいたします。

【事務局(吉田)】堀口委員でございます。

【堀口臨時委員】堀口でございます。よろしくお願いします。

【事務局(吉田)】横尾委員でございます。

【横尾臨時委員】横尾です。よろしくお願いいたします。

【事務局(吉田)】続きましてオブザーバーでございます。文部科学省専門教育課より伊藤補佐でございます。

【伊藤課長補佐】よろしくお願いします。

【事務局(吉田)】続きまして、環境省の動物愛護管理室の今川補佐でございます。

【今川室長補佐】どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局(吉田)】続きまして、厚労省の監視安全課より松岡補佐がいらっしゃっています。

【松岡課長補佐】よろしくお願いします。

【事務局(吉田)】森田補佐につきまして、ちょっとおくれているということでございます。続きまして、農林水産省より三上補佐でございます。

【三上管理官補佐】よろしくお願いいたします。

【事務局(吉田)】事務局側でございますが、本日、梅田審議官がいらっしゃっております。

【梅田審議官】よろしくお願いします。

【事務局(吉田)】続きまして、池田畜水産安全管理課長です。

【池田課長】よろしくお願いします。

【事務局(吉田)】私の横が栗栖でございます。

【事務局(栗栖)】よろしくお願いします。

【事務局(吉田)】吉田と申します。よろしくお願いします。また、委員の出席状況でございますが、本日は、田川委員と藏内委員は所用により欠席というご連絡をいただいております。本計画部会の委員の定数でございますが、全部で17名となっております。本日は、2人の委員が欠席ということで15名ご出席いただいているところでございます。獣医事審議会令の第5条の規定による定足数である過半数に達しているということにつきましてご報告させていただきたいと思います。以上でございます。

【山根部会長】ありがとうございました。続きまして、配付資料の確認を事務局からお願いいたします。

【事務局(吉田)】では、お手元に配付させていただいております資料をご確認いただきたいと思います。配付資料一覧のとおりになっておりまして、まず座席表と本日の議事次第でございます。続きまして、委員の名簿をつけさせていただいております。資料としまして、ワーキンググループからの報告書で、1-1が産業動物ワーキンググループ、1-2が公務員、1-3が小動物、1-4が民間・研究分野という形で4冊の報告書が添付されていると思います。それと、資料2としまして、基本方針の骨子の案をつけさせていただいております。それと、資料2の参考という形でA3の紙をつけております。資料3としまして今後のスケジュールということと、あわせまして参考資料1、参考資料2という形になっております。お手元を確認いただきまして、不足等ございましたら、審議の途中でも結構ですので、ご連絡いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【山根部会長】それでは、これより議事に入りたいと思います。これまで計画部会では平成20年12月以降、獣医療の提供体制をめぐるさまざまな状況がある中、これまでの取り組みについて評価を行いまして、平成21年2月には獣医療の各分野ごとに4つのワーキンググループを設置し、今後の獣医療の提供の整備を図る上で留意すべき事項につきまして、詳細かつ具体的に審議を重ねてきたところであります。今般、各ワーキンググループにおけます検討結果をまとめていただきましたので、各ワーキンググループの座長からご報告をお願いいたします。それでは、まず産業動物分野につきましてご報告をお願いいたします。

【田中座長】産業動物ワーキンググループで座長を務めさせていただきました田中でございます。それでは、当ワーキンググループからの結果につきましてご報告をさせていただきます。私のほうから概要についてご説明をさせていただきまして、その後、詳細については事務局のほうから説明をお願いしたいと思っております。産業動物ワーキンググループの報告の概要でございますけれども、留意事項といたしまして3つの点で整理をしてございます。まず1つ目といたしましては、今後不足が予想されております産業動物獣医師について、その確保対策を早急に強化する必要があるということでございます。2点目といたしまして、生産者が求める獣医療の提供が可能となる専門性の高い獣医師を育成する必要があるということでございます。3点目といたしましては、将来的に産業動物分野に獣医師を安定的に確保していく必要があるという点でございます。対応すべき取り組みといたしまして4点について整理をさせていただきましたけれども、1つ目といたしましては、産業動物獣医師を早急に確保していくためには、学生に対する臨床実習の実施や修学資金の給付、新規獣医師に対する実践的な初期研修の実施を体系的に組み合わせた対策の強化を図る必要があるということでございます。2点目といたしましては、産業動物獣医師の定着を促進していくために、獣医師としての専門性を生かした付加価値の高い獣医療技術の提供による処遇改善が重要であるという点でございます。3点目といたしましては、将来的に産業動物分野に獣医師を安定的に確保していくためには、獣医師としての専門性を生かしていく取り組みと、職場環境の整備について、現時点から計画的に検討していく必要があるということでございます。また4点目といたしまして、産業動物獣医師と他分野専門職とが連携・協力して質の高い獣医療を生産者に提供していくということは、将来の獣医療体制を検討していく上で重要な取り組みになるという点でございます。では、各項目につきまして、詳細については事務局のほうから説明をお願いいたします。

【事務局(吉田)】では、事務局より少しお時間をいただきまして、まとめていただきました報告書の概要について説明させていただきたいと思います。資料1-1を使って説明させていただきたいと思います。1枚めくっていただきまして1ページでございます。ここに「はじめに」がございます。ここはいわゆるこれまでの経緯につきまして取りまとめているものでございます。ここは計画部会の中で獣医療を分野ごとに具体的に検討していく必要があるということで、産業動物分野のワーキンググループがことしの5月に設置された。その中で獣医療の現状や課題等について具体的かつ詳細にご議論いただいているところでございます。このワーキンググループにつきましては、3回にわたりましてご審議いただきまして、その中で産業動物獣医療の現状と課題、それと対応すべき取り組み、この中では早急に取り組むべき事項、さらには中長期的な視点で計画的に取り組むべき事項について整理していただいております。さらに、その他留意事項という形で、この項目につきまして検討いただきまして、この報告書ができ上がっております。A.は本ワーキンググループとしての基本的認識ということでございます。ここでは産業動物分野のワーキンググループでは、何を対象に、どういった検討を行ったのかというようなことの概略をまとめていただいているところでございます。検討の対象につきましては、農業共済団体等の民間団体、それと個人診療施設で産業動物診療を行っている獣医さんを産業動物獣医師として議論を行っていただいております。2のところでございますが、産業動物獣医師の業務、これは考慮したものということでございますが、産業動物獣医師は、家畜の疾病の予防・治療及び安全で良質な畜産物の安定的な供給の観点から重要な役割を担っているという点について考慮いただいております。2ページに移りまして、また需給状況につきましても考慮いただきまして、本ワーキンググループでは、産業動物獣医師に係る需給状況について、新規獣医師の過半数が小動物分野に就業している現状、さらには産業動物獣医師の数が将来的に大幅に減少し、全国的に不足するという予測結果、こういうものにつきまして考慮してご検討いただいているところでございます。4につきましては、どのような検討を行ったのかということでございますが、ここでは産業動物獣医師の確保対策を早急に強化する必要がある。さらには専門性を活かして産業動物診療に魅力を持たせる取り組みを計画的に推進していく必要があるというような柱で取りまとめていただいているところでございます。

B.の現状と課題というところでございますが、これは22条の届出状況ということで、産業動物獣医師につきましては4,500名程度の方々が従事されている現状がまとめられております。続きまして3ページのほうでございますが、需給状況というところでございます。これは平成19年5月に農林水産省で取りまとめました需給に関する検討会報告書、この概要を示させていただいております。この中では、産業動物獣医師の必要数が4,000人でほぼ一定であるのに対し、供給数につきましては、まず、年齢が51.1歳と相対的に高い。今後、獣医師の退職が進むというような見通し、さらに、新規獣医師の方が小動物のほうにどんどん行かれるということで、産業動物分野を選択する割合が相対的に低いということから、産業動物獣医師の数は4,200人から、2040年には3,100人まで大幅に減少する。またすべての地域において産業動物獣医師が減少するという予測がされております。3の要因の分析ということでございます。なぜそのような不足が生じるのかというところで挙げられているものとしましては、まず獣医学教育における産業動物診療に係る授業か少ないというご指摘が1点ございます。2点目でございますが、産業動物獣医師の所得が、小動物獣医師に比較して相対的に低い。さらには、夜間・休日診療等の就業環境の改善、そういうものが必要であるというご指摘をいただいているところでございます。4ページに移りまして、これまでの獣医師確保対策ということで、このような要因を踏まえまして、これまで何をやってきたのかというところでございますが、国のほうとしましては、まず獣医系大学の学生に対する臨床実習の実施、さらには修学資金制度の活用、また新規獣医師に対する卒後研修の実施、さらに離職あるいは休職中の獣医師を対象とした復職研修の実施等を行ってきております。さらには、一部の民間団体では獣医師手当の増額を図るとか、また、就職説明会を開催して積極的に取り組んでいらっしゃいます。そのような現状を踏まえまして「対応すべき取組」というところでございますが、5ページのほうをごらんいただきたいと思います。(ア)から(ウ)までございますけれども、まず、今後産業動物における獣医療の提供体制の整備を図っていくためには、ということで大きく総括をいただいておりまして、喫緊の課題である産業動物獣医師の確保対策を早急に強化する必要がある。2つ目でございますが、生産者が求める獣医療の提供が可能となる専門性の高い獣医師の育成を推進していく、こういう取り組みが必要である。3番目としましては、将来的に産業動物分野に獣医師を安定的に確保していくための取り組み、こういうものを国、都道府県、民間団体、獣医師が組織する団体が連携・協力しながら進めていく必要がある。具体的にどういうものを進めていくのかというご提言が、以降記載されております。

C.-1のところでございますが、これは早急に取り組むべき事項ということで、今後5年間程度を一つの目安にしまして、強力に取り組んでいく取り組みという形で整理いただいたものでございます。ここでは大きく2つの柱がございまして、1つは、産業動物獣医師の育成・確保、これを強化する必要があるという点でございます。ここの中では、まず(1)でございますが、獣医系大学における学生に対する臨床実習等の充実ということでございます。ここでは、2段落目のところでございますが、国とか民間団体、これらが今進めております獣医系大学の学生に対する産業動物分野への誘引活動として非常に効果が高いというような背景がございますので、現在の大学教育の現状、あと新規獣医師の過半数が小動物に就業している現状を踏まえ、大学と連携し、獣医系大学の学生に対する臨床実習を質・量ともに充実させていく必要がある。6ページのほうでございますが、しかもそういう実習等につきましては、低学年のうちから第一線で活動、活躍する産業動物獣医師の講習会を実施する等、学生に対しまして、産業動物獣医師の意義や魅力について知る機会を充実させていく必要があるというご提言をいただいております。「なお」のところでございますが、獣医系大学の学生の臨床実習を積極的に取り入れ充実させるに当たっては、獣医療行為にかかわる実習のあり方について臨床実習の体制を含め早急に整理する必要があるというご提言をいただいております。続きまして、(2)修学資金制度についてでございます。修学資金制度につきましては、産業動物診療の現場に確実に獣医師を配置することができるため非常に効果が期待できる取り組みである。そういうような観点から、今後この修学資金制度のさらなる活用を図っていくためにPR活動を推進するとともに、学生が活用しやすい給付要件、給付額に見直していくことを早急に検討していく必要があるというご提言をいただいております。続きまして、(3)新規産業動物獣医師の育成・定着の促進というところでございます。ここでは、新規獣医師に対しまして実践的な診療技術を習得させ、また、飼育者とのコミュニケーション能力を向上させる、こういうことを図っていくということは、新規獣医師の定着、離職抑制に効果的である。このため、新規産業動物獣医師を対象に、農林水産大臣が指定する研修施設あるいは大学のほうで基礎的な診療技術を習得させる卒後教育を質・量ともに充実させていく必要がある。また、その研修の中身に当たりましては、食品の安全性の向上の観点から重要な役割を担っている。先ほど産業動物獣医師の重要な役割というところで認識がございましたが、そこを踏まえまして、獣医療に関する法律の遵守、さらには食品の安全性に関する理解の醸成、これが図れる内容にしていく必要があるというご提言でございます。(4)離職・休職中の獣医師に対する再就職支援の強化というところでございます。この再就職支援につきましては、獣医師の職域あるいは地域偏在の解消に向けた即効性のある取り組みということで強化することが求められております、このためには、復職研修の実施、さらには就業紹介を行う全国規模のシステムの構築などを通じた再就職支援のための取り組みを強化していく必要があるというご指摘をいただいております。これらが産業動物獣医師の確保対策という形でご提言いただいた主な4点でございます。7ページの2、産業動物獣医師の処遇改善というところでございます。ここでは大きく3つの内容が示されております。(1)管理獣医師を育成するための卒後教育の充実ということでございます。これは生産者のほうから、これまでの家畜疾病の予防・治療の技術の提供ということに加えまして、農場経営ですとか、飼養管理、さらには農場HACCP手法の導入に当たりまして、獣医師のほうから実践的な技術の提供につきまして要望をいただいております。このためにそのような生産者が求めるような技術を提供できるようないわゆる管理獣医師、これを養成するような取り組みについて充実させていく必要があるというご提言をいただいているところでございます。続きまして8ページの(2)でございます。これは管理獣医師に加えまして、高度・専門獣医療技術を提供するための卒後研修の実施ということでございますが、これはまた生産者のほうから要請のある話でございますが、いわゆる最新の診断・診療技術、こういうものを生産者側のほうに適切に提供していくというようなことが求められております。これは農場経営を安定させるとか、結果的には産業動物獣医師の処遇改善につながる取り組みになるということが期待されております。このために、付加価値が高く、効率的・効果的な診断を行うための高度な卒後研修を実施しまして、そういう技術が提供できる獣医師を養成していく必要があるというご提言でございます。(3)民間団体獣医師の処遇改善というところでございます。農業共済団体等の獣医師の給与水準の向上というものにつきましては、産業動物獣医師全体の処遇改善につながることが期待される。家畜共済の診療点数表につきましては、3年ごとに改訂を行っている現状でございますが、社会的情勢の変化を考慮した適切な検討を定期的に行っていく必要がある。さらには、新しい技術、診断方法を学術的に評価し、この点数表の中に配慮できるような取り組みが必要であるということでございます。さらには、家畜診療所の広域合併等により、特に中山間地域において農場への往診に大きな負担が生じている現状を踏まえまして、新たな公的資金等の構築について検討していくことが重要であるというご提言をいただいているところでございます。以上が短期的な視点で早急に取り組むべき事項という形で整理いただいたものでございます。

続きまして、9ページのC.-2でございますが、これは中長期的な視点で計画的に取り組むべき事項ということでございますが、これは中長期的な課題ではありますが、現時点から計画的に検討、さらには取り組みを推進していくべきものという形で整理いただいたものでございます。そこでは大きく2つの内容がございまして、1つは、産業動物獣医師に求められる知識・技術の習得ということでございます。これは産業動物獣医師としましては、技術、経験を生かし、学術的に専門性の高い獣医師を養成していく必要がある。このためには大学等と共同研究を推進していくということの取り組みが重要とのご指摘でございます。さらには、3段落目のところでございますが、獣医療専門技術を習得させる取り組みが、獣医師が組織する団体等におかれまして今実施されておりますが、そういうものをもとにしまして、専門研修をどんどん進めていきまして、そういう研修を修了し、高度な獣医療技術を習得した獣医師に対し、獣医師専門医の認定等の一定の資格認定を行っていく、そういう取り組みを進めることにつきましては、卒後研修を受ける動機づけになるという点、さらには獣医療技術のレベルアップに貢献できるということで推進をしていく必要があるという取りまとめをしていただいております。9ページ、(2)職場環境の整備というところでございます。産業動物獣医師につきましては、けが、病気、出産等で一時的に休業する場合の人の手当ての体制を整えていく必要がある。さらに、獣医師バンクの整備が取り組まれておりますが、そういうものを見ながら計画的に行っていく必要があるというご指摘でございます。さらに、10ページの上段でございますが、近年増えております女性獣医師に配慮した職場環境の整備を計画的に行っていく必要があるというご指摘をいただいているところでございます。10ページ、2の他分野専門職との連携・協力の推進というところでございます。これは産業動物獣医師と他分野専門職との連携・協力、これらにつきましては、獣医師の専門性をさらに生かした質の高い獣医療を生産者に提供していく上で重要なことでございます。将来的に産業動物獣医療の体制を整えていく上で重要な取り組みになる。この連携のあり方について慎重に検討していく必要があるという取りまとめをいただいております。

D.、その他留意事項ということで4つほどございまして、1つは都道府県計画を早期に取り組んでいく必要がある。さらには、診療施設の整備を推進していくためには、日本政策金融公庫の農林漁業施設資金の融資、これを一層活用していく必要があるというご指摘をいただいているところでございます。さらには、大学教育の充実ということで、この検討状況、取り組み状況を踏まえながら獣医師の確保対策を検討していく必要があるというご提言でございます。さらに、11ページの3でございますが、国民の理解醸成の活動、これは産業動物獣医師の処遇改善のためにも、さらには、国民の参画という観点からも、国民の理解醸成の活動を推進するような取り組みですとか、体制を進めていく必要があるというご提言でございます。最後の4、食品の安全性向上のための生産者に対する研修等の充実。獣医師のみならず、そのパートナーである生産者へ十分な情報提供をすることによりまして、生産者の役割が十分果たせるように必要な知識、さらには技術の習得のための研修、さらには講習会を支援していく必要があるというご提言でございます。最後の12ページ、これは今回ワーキンググループでご検討いただきました委員の一覧でございます。少し長くなりましたが、ワーキンググループで取りまとめていただきました報告書の概要を説明させていただきました。

【山根部会長】ありがとうございました。ただいま説明がありました件につきまして、何かご意見、ご質問等ございましたらご発言をお願いいたします。

【山田委員】ささいなことなのですけれども、5ページの夏期臨床実習に参加したという話のところなのですが、こういうものの効果を疑うわけではないのですけれども、就職した方の75%がこの講習に参加したというのは理解できるのですが、逆に夏期臨床実習に参加した人のどのぐらいがこういう方向に行くか。例えば夏期のこういう実習に参加しているけれども、結局小動物の臨床へ行ってしまいましたよというような方がどのぐらいいるのかという資料はありますでしょうか。

【事務局(吉田)】ここはNOSAIさんのほうからいただいた情報を紹介させていただいている内容でございます。私どものほうで、ことし2年目なのですけれども、そういう臨床実習の事業を取り組んでいるのですが、その成果につきまして、どういう効果があったのかということにつきましては、事業を実施している団体のほうに取りまとめていただくように今お願いしている状況でございます。結果につきましては、ことしの国家試験の結果、あとどこに就職したかということでわかるような状況になっておりますので、現段階ではその効果についてはまだ資料としてはございません。

【山根部会長】横尾先生、どうぞ。

【横尾臨時委員】横尾でございます。この数字というのは、実習を受けられたのが何年生かということまではとってないので、3年生、4年生、5年生、6年生といろいろいますので、そういう詳しい数字は、残念ながらありません。ただ、近年の状況を見ますと、去年、ことしあたりは共済団体に就職されている方は90名ぐらいずついます。実習されている方は、ここ2~3年、200名前後が1年で実習されているということでございます。

【山根部会長】そうすると、110名ぐらいはほかの分野に行っているということですね。

【横尾臨時委員】単純にそうはいかない。何年生で実習されているかという累積みたいなものも考えなきゃいけないので。

【山根部会長】4年ばかりではないわけですね。

【横尾臨時委員】はい。

【山根部会長】山田委員、よろしゅうございますか。

【山田委員】はい、結構です。

【山根部会長】そのほかございますか。

【細井戸委員】7ページの(4)の離職・休職中の獣医師に対する再就職支援の強化ということなのですけれども、この案はすごくすばらしいと思うのですけれども、実際にこの15%程度の離職している獣医師の意識調査というか、獣医師として仕事をしたいと思っていて離職しているのか、あるいは実際には自分の能力で他の仕事の中で十分に生活可能な状況になっているのかという、こういう部分の調査というのは可能なのでしょうか。不足しているので、離れている人に復職に取り組んでいただきたいというのは、これは我々のほうからの強い希望としてはいい案だと思うのですけれども、現状の離れている方の意識というのはどこにあるのかということを調査することは可能かというのをちょっとお聞きしたいと思います。

【事務局(吉田)】非常に厳しいご指摘でございますが、私どもがそういう離職、休職されている方をつかまえるというのは、まず仕組み上難しいという状況がございまして、例えば国のほうから調査するというのは、正直難しいと思います。

【山根部会長】細井戸委員、よろしゅうございますか。

【細井戸委員】大学の先生方もいらっしゃったりするので、例えば卒業生が実際離れておられる方とか、そういう方の意識とか、例えばいろんな同窓会、そういうところでそういうことを尋ねられたことがあるのか。逆に言うと、自分は離れているけれども、とにかく戻りたいという声がたくさんあるのかということなんかも調べておかないと、この辺の強化策というのが、絵にかいたもちになってしまわないかということをちょっと危惧しておりますので、特に今調査してくださいといっているのではなくて、皆様方の経験上、離れられている方が15%もいるわけですから、その方々とどこかで出会うことがあると思うので、そのときにその方がどういうふうな意識を持っておられるかなというのが少し気になっただけです。すみません。それで結構です。

【山根部会長】確かに大学が一番把握しやすい立場にあるかもわからないですね。獣医師会ではわからないでしょうし、農水も把握できないでしょうし、なかなか厳しいものがあると思いますけれども、中山先生、どうでしょうか。大学ではやろうと思えば調査できますかね。

【中山委員】同窓会名簿等ございますので、獣医療関係の職業、それから、そうでないものということで可能だとは思います。ただ、それなりに多分理由があって離職していると思いますので、個別に例えばこれからそういう獣医療関係の職業につきたいかどうかというところまではなかなか調べ切れないという状況だと思います。

【山根部会長】ということだそうでございます。農水の方もちょっとご参考にしていただければと思います。そのほかございませんでしょうか。この件につきましてはまた後ほど議論する場があると思いますけれども、よろしゅうございますか。では、次に進めさせていただきたいと思います。続きまして、公務員分野につきましてご報告をお願いいたします。

【山田座長】それでは、公務員分野ワーキンググループの座長を務めさせていただきました山田のほうから、当ワーキンググループの結果を簡単にご紹介させていただきます。まず、先ほどと同じように留意するべきこととして2点挙げられておりまして、1つ目が、今後やはり大量退職が予測されている公務員獣医師の確保をどういうふうにしていくか。その確保対策を早急に強化していく必要があるのではないかという点です。もう一点が、獣医師の専門性を生かし、公務員分野に魅力を持たせる取り組みを計画的に推進していく必要があるのではないかということであります。実際に対応すべき取り組みといたしましては、2点ございまして、1点目は、都道府県等の獣医師を早急に確保していくために、先ほどの産業動物と同じような形ですけれども、学生に対する体験実習の実施、あるいは修学資金の給付、それから新規獣医師に対する初期研修の実施、こういったことを体系的に組み合わせた対策を強化する必要があるのではないかということであります。第2点目ですけれども、将来的に公務員分野に獣医師を安定的に確保していかなければならないわけですが、そのためには、獣医師としての専門性を活かしていく取り組み、それと同時に、職場環境の整備、こういった点について、今のうちから計画的に検討を推進していく必要があるのではないかということであります。詳細については、先ほどと同じように事務局からの説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

【事務局(吉田)】では、事務局より資料1-2を用いて概要を説明させていただきたいと思います。まず、1ページでございます。「はじめに」、これは先ほどの産業動物ワーキンググループと同じでございますので割愛させていただきます。公務員分野のワーキンググループでの基本的な認識というところでございます。まず1、検討の対象というところでございますが、ワーキンググループのほうでは、都道府県及び市町村の獣医師を公務員獣医師としてご議論いただいております。ご議論に当たりましてご考慮いただいたところでございますが、1つは、公務員獣医師の業務というところでございます。公務員獣医師は家畜衛生行政、公衆衛生行政等に携わり、家畜伝染病の予防、蔓延防止、動物や人の健康保護、食品の安全性の向上等広範な職域で重要な役割を担っているということをまず考慮いただいております。さらに2ページのところでございますが、需給状況につきましても考慮いただきまして、まず新規獣医師の過半数が小動物分野に就業しているという現状がございます。さらには、職域の拡大に伴いまして、公衆衛生分野を中心に慢性的な人員が不足しているという現状、また、将来的な見通しとしまして公務員獣医師の確保が今後さらに難しくなるという懸念につきまして考慮いただいております。その結果、どういう形で獣医療提供体制を整備していくのかというような大きなまとめでございますが、今後、大量退職が予定されている公務員獣医師の確保対策、これを早急に強化する必要がある。2つ目でございますが、専門性を活かし、公務員分野に魅力を持たせる取り組み、こういうものを推進していく必要があるということで大きく取りまとめていただいているところでございます。

2ページのB.、現状と課題の現状でございますが、公務員獣医師としましては、およそ8,950人ということでございます。その内訳でございますが、農林水産分野が約4割、公衆衛生分野が約6割というような割合となっております。2、需給状況でございますが、これは先ほどもございましたが、平成19年5月の農林水産省がまとめた報告の中に記載されている内容でございますが、今後とも新規獣医師が小動物分野に集中する。その結果、公務員獣医師の確保が今後さらに難しくなるという懸念が示されております。なぜそういうようなことが起こるかという要因の分析でございますが、まず職域の偏在が起こっているのですけれども、1つの要因としましては、産業動物も同じものでございますが、獣医学教育における行政に携わる獣医師の役割に係る授業が少ない。学生が家畜衛生、さらに公衆衛生行政等の意義、魅力について知る機会が少ないというのが一つの原因になっているというご指摘をいただいております。また、公務員分野におきましては、関係法令に基づく検査業務、これらが占める割合が高い。そういうようなことから獣医師としての専門性を活かす機会が限られている。さらには、公務員獣医師の所得が小動物獣医師と比較して相対的に低いというご指摘をいただいているところでございます。このような背景でこれまでどのような獣医師確保対策を行ってきたのかというところでございますが、農林水産省のほうでは家畜保健衛生所の獣医師を確保することを目的としまして獣医系大学の学生に対する修学資金制度の活用等を推進してきております。また、一部の先進的な都道府県におきましては、独自の修学資金制度、さらには調整手当、こういうものを創設しております。さらには、採用試験の複数回の実施ですとか、受験年齢を緩和する。さらには、大学への就業説明会、こういうものを積極的に取り組んでいらっしゃる状況でございます。

C.、対応すべき取り組みというところでございますが、ここでも産業動物と同じように、早急に取り組むべき事項、それと中長期的な視点で取り組むべき事項と、大きく整理いただいております。4ページのC.-1、早急に取り組むべき事項、この中で挙げられているものにつきましては、公務員獣医師の育成・確保対策の強化ということでございます。このために4つほど挙げられております。1つは、学生に対する体験実習等の実施というところでございます。やはり先ほど問題意識の中でございましたが、大学教育の中で行政に関する内容、さらには意義、魅力を知る機会が非常に乏しいという現状がございます。5ページの上段のところでございますが、そのようなことを背景といたしまして、現在の大学教育の現状、さらには新規獣医師の過半数が小動物分野に就業している現状、こういうものを踏まえて、大学と連携を強化し、低学年のうちから質、量とも充実させた体験実習、さらには講習会を早急に実施していくことが必要だと。さらには、そのような取り組みを通じまして、獣医師の業務、さらにはその魅力について理解を図っていく必要があるというご提言をいただいているところでございます。2つ目でございますが、修学資金制度の見直しということでございます。これは先ほどの産業動物と同じでございますが、学生が非常に借りやすい修学資金制度に見直していく必要があるというものでございます。この中で特に公務員分野につきましては、一番最後の段落の「さらに」というところでございますけれども、獣医系大学における地域枠の設定とあわせた修学資金制度の活用、これは獣医師の地域偏在の解消に向けた都道府県の対策として効果的な取り組みになることが期待できる。こういうことから地域の実情に応じて検討していくことが重要であるというご提言でございます。5ページ、(3)新規公務員獣医師の育成・定着の促進。やはり産業動物獣医師と同じように公務員獣医師につきましても、家畜衛生分野、公衆衛生分野等行政に携わっていく上で必要な広範な知識、さらには診断技術等を習得させていく必要がある。さらには、業務の中で国際対応というものが非常に多くなっておりますので、そういうものに対応できる人材を育成していく必要がある。このためには、社会的なニーズを踏まえた卒後研修を実施していくことが重要であるというご指摘をいただいているところでございます。その研修に当たりましては、公務員獣医師として必要な獣医師に関する法令全般、さらには食品のリスク管理等に関する最新の知識や技術の習得、こういうものが図れる内容にしていくことが重要であるというご提言をいただいております。6ページの(4)、これは先ほどと同じでございます離職・休職中の獣医師に対する再就職支援の強化というところでございます。これは産業動物獣医師と同じ内容になっておりますが、「特に」というところでございますが、公務員分野においては、定年退職や離職した女性獣医師の活用について検討していくことが重要である。そのためには獣医師が再就職しやすい勤務体系、職場環境の整備を進めていくことが重要であるというご提言をいただいているところでございます。

続きまして、C.-2、中長期的な視点で計画的に取り組むべき事項というところでまず挙げられているのが、将来的に公務員分野に獣医師を安定的に確保するための取り組みということでございます。ここでは2つほどご提言いただいておりまして、7ページの(1)のところでございますが、公務員獣医師に求められる知識・技術の習得というところでございます。やはり獣医師としての専門性を高めていくために獣医系大学等で共同研究を推進していく必要がある。さらに産業動物獣医師が不足する等、獣医療の提供体制の整備が必要な地域におきましては、生産者から求められている診療ですとか、さらには管理衛生技術等の専門性の高い技術を習得させていくということも検討していく必要があると。さらには、新興・再興感染症対策ですとか、グローバル化する食品の安全性の確保対策、こういうものにつきましても、中心的な取り組みとして公務員獣医師がどうしても役割として必要になりますので、そういう獣医師を育成していくことも重要であるというご提言をいただいております。2つ目の職場環境の整備というところで、ここは、女性獣医師が増えているという背景を踏まえまして、女性獣医師に配慮した職場環境の整備を計画的に推進していく必要があるというようなご提言でございます。もう一つの柱で、8ページの一番上のところでございますが、他分野専門職との連携・協力の強化。これは産業動物獣医師のところで説明させていただいた内容と同じでございますが、公務員獣医師とそこでともに働いている他分野の専門職との連携、協力につきまして、これは将来の公務員分野の獣医療体制を整えていく上で重要な取り組みになるということから、獣医療行為の明確化に係る検討を含め、協力のあり方について慎重に検討していく必要があるというご指摘をいただいております。

D.、その他の留意事項というところで、ここでは3点ほどご指摘がございます。1つは、都道府県計画を早期に策定していく必要があるという内容でございます。その検討に当たりましては、家畜衛生行政、産業動物分野、これは今までほとんど都道府県計画の中で考慮していた分野でございますが、それに加えまして、公衆衛生行政、さらには動物愛護・福祉行政、さらには小動物診療についても積極的に考慮して、地域の獣医療の実情を十分に評価し、対策を検討していく必要があるというご提言でございます。2のところでございますが、これは大学教育における法規、さらには公務員の職務に関する教育の充実というところで、これから文部科学省のほうでご検討を進められておりますが、そういうものを踏まえながら対策を講じていく必要があるというご提言でございます。最後のところでございますが、国民の理解醸成活動ということでございます。これは公務員獣医師が食の安全確保、さらには動物、人の健康保護等において重要な役割を果たしているという役割につきまして、国民の理解の増進を図っていく、この取り組みにつきましては、獣医師の社会的な地位の向上、さらには処遇改善、さらには将来獣医師を志す中高生の増加に結びつくことが期待される。このために、国民の理解醸成に向けた取り組みを推進していく体制や環境づくりを行っていくことが重要であるというご提言でございます。最後の10ページでございますが、公務員分野ワーキンググループの委員の名簿がついております。以上でございます。

【山根部会長】ありがとうございました。ただいま公務員分野のワーキンググループの説明がありましたことにつきまして、何かご諮問、こ意見等かございましたら、どうぞ。

【堀口臨時委員】5ページの(2)の最後の段落の「さらに」のところの次なのですが、「獣医系大学における地域枠の設定とあわせた」という文言が入っているのですが、これの意味合いをご説明いただきたいと思います。

【事務局(吉田)】では、事務局のほうから説明させていただきたいと思います。16大学獣医系大学がございますが、これは検討ということになりますけれども、例えば大学の中に都道府県の枠を設定いただきまして、推薦ですとか、そういうような形で入学できるような枠をつくっていただきまして、そこに授業料としてかかる金額をカバーできるような修学資金とセットで行うことによって、その地域に、具体的に言えば都道府県のほうに来ていただける獣医師を確保していく、修学資金の活用のさらに一歩先の検討ということになっております。

【堀口臨時委員】多分そういうことだろうなと思って質問させていただいたのですが、現実にこの地域枠ということは、今はないはずです。ということで、ここに入れると、あたかも今あるように見えて、ちょっと誤解を招くのではなかろうか。逆に言いますと、ぜひこれは欲しいなというのが本音なんですが、現実にはないはずなので、ちょっとここに入れるのはいかがなものかなという気がいたしました。以上です。

【事務局(吉田)】ありがとうございます。今のご指摘の点でございますが、ここは地域の実情に応じて検討していくということで、今そういう取り組みとかがないというのは承知しておりまして、実情においてどうしても人が足りないという状況にあるのであれば、そういうようなさらなる踏み出しをしていただくことも検討することが重要であるというご指摘になっております。

【山根部会長】よろしゅうございますか。文章を変えなくていいですか。

【堀口臨時委員】はい。

【山根部会長】そのほかございませんか。

【横尾臨時委員】2点ほどあるのですが、1点目は、実は産業動物のほうの話なのかもしれないのですが、診療されている中に、一部ではありますけれども、市町村営の産業動物診療所というのがあって、また、そういう診療所がないところで、保健衛生所にご協力いただいているとか、そういうことがあるのですけれども、産業動物のほうでは、一応民間団体主体ということで検討ということになっていたのですが、公務員のほうに、そうすると、例えば業務の中に一部にはそういう産業動物の診療みたいなことが見えるというか、そういうような記述がどこかに必要ではないかなと。これは産業動物に入れるということであれば、それでも構わないのですけれども、それを少し思いました。それから2点目なのですが、いろんな分野の連携ということは書かれてはいるのですが、特に私どもから見ていますと、公務員の関係で家畜衛生関係と公衆衛生関係ですね。これが地域、地域でちょっと足並みがそろわないとか、そういうことがありますので、特に公衆衛生関係、家畜衛生関係一体となって取り組むとか、そのようなニュアンスのことが、ここの報告書に入れるかどうかは別として、そういうようなことをぜひまとめの中で入れていただきたいなと。2点でございます。

【事務局(吉田)】まず1点目の市町村で診療を行っている獣医師の扱いということでございますが、大きなくくりとしまして、確かにその方は公務員なのですけれども、統計的な数字を含め、産業動物のほうで大きく整理させていただいております。150名ほど市町村で診療に携わっている獣医師がいらっしゃるという結果がございますが、そういう方は産業動物診療を行っている獣医師という大きなくくりで整理させていただいております。そういう意味では、ここでは家畜衛生行政ですとか、公衆衛生行政等に携わっている獣医師という方々を総称して検討の対象ということで整理させていただいておるところでございます。それともう一点、家畜衛生と公衆衛生の連携という点につきましても、確かにワーキンググループの中でもご議論いただいたところでございます。そういうところにつきまして、いろいろ作業していく中で配慮したのが、例えばですけれども、8ページの1の都道府県計画の策定、検討に当たってというところで、これはなぜ連携しなきゃいけないのかというのは、獣医療提供体制を考えていく上で、いわゆる畜産ですとか、家畜衛生のみならず、公衆衛生ですとか、動物愛護、小動物、こういうものも見ていかなければいけませんねというところで意識をして整理させていただいて、特にこの部分で整理させていただいているところでございます。

【山根部会長】横尾先生、ちょっとお聞きしたいのですけれども、市町村の診療所以外に家畜保健所がやっているところもあるんでしょうか、全国的に。

【横尾臨時委員】まあ一部ですけれども、家保で診療所をお願いしているところがございます。

【山根部会長】それは家畜点数にのっとってやるようなこともやっておられるわけですね。

【横尾臨時委員】ええ、もちろんそうです。

【山根部会長】それから、先生のご質問の2点目の家畜衛生と公衆衛生の分野の連携のことについてなのですけれども、これはちょっと参考になるかどうかわかりませんけれども、日本獣医師会として今進めようとしていますのはどういうことかといいますと、四国地区が私が会長になりました5年前から家畜衛生と公衆衛生職員会とが毎回一堂に会して議論する場をつくっておられるんですね。その中を見ますと、公務員獣医師に対する希望が少ないとか、いろんな同じ土俵で議論する議題があるものですから、非常にいい委員会だなと思っているのですけれども、これを全国的に広めようと思っておりますけれども、この中に入れる、入れないは別にしまして、そういう事例もあるということをご報告させていただきたいと思います。そのほか……。

【横尾臨時委員】ちょっとよろしいですか。1点目のほうなんですが、ご説明はわかったのですが、そういうことであれば、産業動物のほうのどこかに、ここを準じて扱うとかなんか、少しコメントを、市町村営なり何なり公務員で産業動物診療をしている場合も含めての話だみたいなことがわかるようにしておいたほうがいいのではないかと思います。よろしくお願いします。

【山根部会長】ありがとうございます。そのほかにございませんでしょうか。よろしゅうございますか。では、次に行かせていただきたいと思います。続きまして小動物分野につきましてご報告をお願いいたします。

【中川座長】小動物分野ワーキンググループの座長を務めました中川でございます。当ワーキンググループからの概要を報告させていただきます。留意事項といたしまして2点ございます。1点目が、飼育者の多様なニーズにこたえ、質の高い高度な獣医療技術を提供していくために、教育研修体制を充実させる必要がある。2点目が、獣医師と動物看護職等がそれぞれの専門的知識や技術を獣医療に生かすための連携協力のあり方について検討する必要があるということです。対応すべき取り組みにつきましても2点ありまして、1点目が、小動物獣医療の行政窓口の明確化、無獣医師地域での獣医療提供や夜間・休日診療体制の充実、小動物獣医師の社会貢献への取り組み充実を通じて、小動物獣医療の公益性に関する理解を醸成していく必要がある。2点目が、専門性の高い高度な獣医療の提供のため、獣医師の専門医制度の確立や動物看護職等の統一的資格認定について計画的に検討していく必要がある。この2点が対応すべき取り組みとして掲げられました。詳細につきましては、事務局のほうからご説明をしていただきます。よろしくお願いします。

【事務局(栗栖)】それでは、小動物ワーキングの詳細につきまして説明させていただきます。お手元の小動物の資料は1-3でございます。まず1ページをあけていただきまして、「はじめに」、この部分はこれまでもご説明させていただきましたので割愛させていただきます。まずA.、本ワーキンググループの基本認識ということで4点ほど書かせていただいております。まずこの分野でございますが、これまでの公務員、産業動物と違いまして、新規獣医師、およそ1,000名毎年いらっしゃるのですが、そのうちの500名前後、約半数が小動物を選ばれて就業されているということで、数という面では減るということはない。むしろ増えるということを考慮して検討したということがまず1点。2点目といたしましては、この分野の役割ということでございまして、この分野は獣医学、これは日進月歩の医学の進歩というものに追随しまして、非常に高度な医療機器とか、新たな、いわゆる核医学とか、そういうものを用いたような腫瘍診断というような特殊技術を使うもの、こういうものも飼育者の皆さんが求められているというふうな事情がございます。3番目、そういう新たな飼い主の皆様からのニーズというものがあるわけでございますが、この分野の研修体制というものの充実が必要だということ。4点目では、看護職というものがございます。医療の法律にありますように獣医師は診療に専念する。そのほか検査あるいは看護も含めました、その他の部分につきましての専門職との分業というものでパラメディカル分野の皆様の必要性が高まるというようなことも予測いたしまして、以降検討させていただいております。まず現状と課題でございます。こちらのほうは、増えておるということでございます。数のほうは、平成6年と比べまして2倍になっているということでございます。いわゆる国民の皆様のニーズでございますけれども、こちらのほうは飼育動物、いわゆる家庭動物の位置づけというものが向上する。それに伴いまして、飼育動物、家庭動物の生活環境も変化した。それに伴って寿命が延びたことによります成人病、がん、糖尿病等の病気も新たに出てくるようになり、具体的には、今もう約30%が高齢の犬、猫というふうな数字もございますけれども、そのようなことで長寿になってきているということで、飼い主の皆様のニーズは非常に多様かつ高度になってきているということでございます。そこまでは技術についてでございますけれども、次に、非常に飼い主様のニーズというものが多様化している中で、今度は獣医療過誤あるいはトラブルというものも一方で増加してきているというふうなことでございます。これに対する対策というものは具体的なものが求められている。もう一つ、今度は高度な医療を提供する際に必要性が非常に高まっていると言われる動物看護職等の皆様ということでございますが、依然労働条件のほうが整わないということで、早期離職ということで、動物看護等の技術の維持・向上が妨げられているというふうな現状がございます。そのような現状、これはどうしてかということで要因分析、こちらのほうが大きく2つほどございます。まずは獣医師側でございますけれども、トラブル等、これはコミュニケーション能力が非常に不足しているというふうなもの、これが挙げられております。それに加えまして、技能、これもついて行っていない者も少なからずある。もう一つ、これは非常に重要な職業倫理観の不足ということでございます。その背景といたしまして何があるかということで3点。大学教育における臨床研修及び卒後における臨床研修の教育不足、いわゆる教育不足というものが挙げられております。2つ目、卒後研修の整備自体もおくれておったということのご指摘もいただいております。それらに対する制度面での公的支援の不足というふうなものもご指摘いただいている。総じて、小動物獣医師を養成するための十分な体制が整っていないというふうなことが強いご指摘であったところでございます。大きく2番目でございます。看護職の皆さんの早期離職の要因ということでございまして、こちらのほうは看護職の皆さんの専門教育のレベルが一定でないということもございまして、地位、身分あるいは処遇というのが不安定で、一生の職業とすることは非常に困難だということが挙げられるということでございます。これに対しまして、これまでの対策ということでございますが、3点ほどやっておるということでございます。まず卒業後の臨床研修の体制の整備ということでございますけれども、小動物における臨床研修の実態を踏まえまして、農林水産大臣が指定する指定基準というものの見直しを行いまして、1カ所ではございますけれども、指定が民間のほうでなされたということでございます。2点目、高度獣医療の導入・普及ということでございますが、本年導入、改正したばかりでございますが、アイソトープの化合物、放射性医薬品を用いた核医学診断というふうなものがいよいよできるようになったということでございます。それに対する規則改正を行い、高度放射線診療の導入・普及を図っているところでございます。3点目でございます。倫理教育の点でございますけれども、既に大学側の求めに応じる形でございますが、国あるいは都道府県等の自治体が大学と協力いたしまして、倫理、関係法令、あるいは責務といったことにつきまして出前講義を行っているということでございます。これら現状あるいは取り組みを踏まえまして、先ほど座長からご説明がありましたように質の確保というふうなもので教育研修あるいは看護職の皆さんの課題ということについて取り組むべきということでいただいております。

早期に取り組むべき事項ということでございます。まずC.-1でございます。1番目、小動物医療の質の確保ということでございますけれども、大学教育からいわゆる卒後の研修という全体を含めてご提言いただいております。まず大学教育における臨床研修の充実ということで、(1)を挙げてございます。この大学教育の課題でございますけれども、大学におきましては、いわゆる獣医療に関する幅広い知識を習得させるばかりではなくて、実践的な獣医療技術を習得させる必要があるということでございますけれども、現在、臨床実習に必要ないわゆる動物、あるいは施設等の確保の面で限界がございます。また、職業倫理あるいは動物本人とその家族の身体的あるいは精神的ケア、ターミナルケアというふうな動物福祉、あるいは関係法令に対する知識というふうなものも十分ではないという状況でございます。これら技術面あるいは知識面の不足、あるいは考え方といったものが飼い主の皆さんとのトラブルというふうなものの原因であるということが書いてございます。具体的にどのようなことをする必要があるのかということでご提言いただいた中では、臨床実習におきまして、獣医療行為の範囲を明確にして、臨床実習の内容を充実させる必要がある。これによりどのような効果があるかということでございますが、獣医学生が獣医療の実際のスタッフとして参加できるということでございます。それによりまして、学生自身が責任の一端を担うことによりまして、学生に獣医師としての責任を自覚させる。それに伴ってコミュニケーション能力や技術のより効果的な習得が期待できるということでございます。また、職業倫理、動物福祉の知識、考え方ということでございますが、既に取り組みがございますので、そういう大学あるいは国、都道府県との連携というものを強化いたしまして、このような教育、講義を充実させることが必要だということで、「また」ということで書かせていただいております。(2)、今度は卒業した後ということでございます。これまでも技術の生涯研修等々としてさまざまなプログラム等はあったのでございますけれども、卒後の臨床研修におきましては、大臣の指定する研修施設等におきまして、臨床研修プログラム、あるいは目標を明確にいたしまして実際の診療に必要な技術を身につけさせるとともに、技術にとどまらず実務上必要な倫理、あるいはターミナルケアを含む動物福祉、法令順守、こういうものも再認識をさせる必要があるということでございます。卒後の研修、これも日進月歩する獣医学の進歩に関する知識・技術に関する研修を充実させる必要があるということでございます。6ページ、(4)専門医でございますけれども、学協会等の獣医師が組織する団体において既に資格制度を設けられておりますけれども、これらの取り組みにつきましては、欧米など諸外国における専門医制度等を参考にいたしまして、獣医療分野における専門医制度の確立に向けて獣医師が組織する団体等の活動を強化する必要があるということでございます。その際、専門医を育成するばかりではなく、一次診療、二次診療というふうなものの連携・協力の体制もあわせて考慮しながら進めていく必要があるということでございます。(5)でございますが、近年トラブルが増加傾向にあるということでございます。それに対する行政側の監視・指導体制ということでございますけれども、いわゆるこの分野の窓口というものが明らかでないということがございますので、中段から自治体や獣医師が組織する団体等は本分野に係る相談窓口を明確にするほか、生活消費センター等の苦情窓口との連携体制について具体的に検討する。その際には、紛争解決窓口等の活用ということも顧慮するべきではないかということでご提言いただいております。さらに、非常にこの分野における監視・指導体制でございますけれども、行政側の人数的なものが不十分であるというふうなご指摘もございましたことから、把握した情報を踏まえて、行政上必要な指導を適切に実施するための人員確保、あるいは必要な関係部署との連携強化を図ることが必要だということでございます。2番目、看護職等との連携ということでございます。まず看護職等と連携するに当たりましては、看護職のみならず獣医師が看護職とお互いそれぞれが専門職業人であるという認識をすることがまず第一歩であるということでございます。相互にそのような認識を深め、その知識や技術を獣医療に生かすための連携・協力のあり方ということを獣医師が組織する団体を中心として検討する必要があるということで、看護職との連携というのが大きく2番でございます。3番目、本分野でございますけれども、非常に公益性というふうなものについては知られておらないということがございますので、公益性に関することを大きく3つに分けて書かせていただいております。まずは行政窓口、こちらのほうはよくわからないということもございますので、国、都道府県、獣医師が組織する団体等は本窓口、あるいは対処法等における情報提供を積極的に行う。受け身ではなく積極的に行うとともに、診断体制とか連携体制というものも広く国民に提供していくというふうなことが必要だということでございます。夜間・休日診療でございます。こちらのほうは狂犬病等、人獣共通感染症への迅速な対応、あるいは適切な獣医療に資するため獣医師会等が中心となって夜間・休日診療体制というものの充実を図っていく必要があるということでございます。3番目、具体的な社会貢献への取り組みの充実ということでございます。現在、自治体あるいは獣医師が組織する団体あるいはその関係団体が実施している具体的な活動、愛護活動、動物福祉活動、情操教育、あるいは動物介在活動、いわゆる社会福祉活動というものを既にされておるわけでございますけれども、こういった公益活動をより一層国民の皆さんに理解していただくという取り組みが必要だということでございます。このような非常に多くのご意見でございますけれども、こういうことについて早急に取り組む必要があるということでご意見をいただいて、このようにまとめさせていただいております。

B.、中長期的ということで、現段階から計画的に取り組むということでございます。こちらのほうは先ほど来高度化する獣医療というふうな言葉が出てまいりますけれども、そういう飼育者ニーズに対応した獣医療を提供するための診療業務をする獣医師に対しまして、最低限実施すべき研修内容はどういうものなのか、あるいは適切な期間というのはどういうものなのかというふうなことについて検討する必要があろうというご提言。2番目、8ページは非常に重要なところでございまして、動物看護職等に必要な知識・技術水準の検討ということでございます。現在、関係団体が独自の資格制度を実施されておりますけれども、臨床現場で必要な一定水準以上の知識、あるいは技術を習得させる独自の取り組み、このようなものが行われているわけでございますけれども、まず、この分野の皆さんの地位あるいは身分を確立していくために、今後統一資格というものを視野に入れて、動物看護職協会というふうなものが本年設立されましたけれども、そのような団体を中心といたしまして、動物看護職等に必要な教育内容及びそれを確立するための教育体制について検討していく必要があるということでご提言をいただいております。このような中、動物看護職というふうなものとのチーム医療というふうなもの、分業を進めるなど合理的な診療体制で臨むことが求められる。こちらのほうはチーム医療というふうなものでございます。このような取り組みが求められている。このため、動物看護職等が実施できる業務内容についても、今取り組まれております教育内容あるいは教育体制を、関係法令を踏まえて今後検討していく必要があろうということでございます。その他の事項、3つでございます。無獣医地域の獣医療体制の充実、これは小動物についても検討していく必要があるのではないかということが1点。2番目、これは広告のことでございますけれども、ホームページ情報というふうなものですが、ホームページ情報によってさまざまな被害というものも出ているということがございますので、獣医師が組織する団体等が中心となってホームページによる情報提供の指針、いわゆるガイドラインというふうなものを早急に検討する必要があるのではないかというふうなご提言でございます。3番目は、小動物におきましては、フィラリア薬あるいはワクチンを除きますと、9割程度が人用に承認された医薬品が使われているという現状がございます。これら医薬品がより適切に使用されるよう動物用医薬の承認を進める取り組みを促進してほしいというふうなご意見を3番目としていただいているところでございます。長くなりましたが、最後9ページに、ご意見を賜りました委員の皆様の一覧をつけさせていただいております。以上でございます。

【山根部会長】ただいまの小動物分野ワーキンググループのご説明につきまして、何かご質問、ご発言等がございましたら、どうぞ。

【山田委員】さっきの産業動物も公務員も、それから小動物もみんな教育を充実させて、それぞれの分野の獣医師の能力を上げていこうというふうなお話なんですけれども、今、事務局からお話があったように、小動物の臨床に携わる人たちは減らないという前提でこのままいくと、教育を充実させることは非常に結構なことなのですけれども、そうすると、産業動物や公務員の獣医師確保策と真っ向から対立するというか、やはりこの状況が続けば産業動物、公務員の確保というのは、教育を充実させてもかなり難しい状況が続くのではないかというふうに思うのですけれども、そこら辺についてどういうふうにお考えなのかということを知りたい。

【山根部会長】何かご意見はありますか。

【事務局(栗栖)】小動物分野でございますけれども、確かにそのような相反することもございますけれども、小動物での現状は非常に高い技術あるいは知識あるいは総合的な能力、いわゆる飼い主さんとのコミュニケーションというふうなものを教育する中で、小動物でそういう機会があれば、その実情を考えて、進む人、あるいはその実情を十分に踏まえて、産業動物あるいは公務員について幅広く逆に知る機会にもなるのかなというふうに考えておるところでございます。

【山根部会長】山田委員、部会長の立場といたしましても、教育を進めるということは、これは大事なことでありまして、小動物と相反するからそれはちょっと落としたほうがいいとかということはちょっと問題があるのではないかと思いますことと、むしろそうやって高めることが、今事務局から言いましたように、とんでもないよ、生半可な知識や技術ではできないんだよという、むしろそのものがブレーキになるということも言えますし、むしろ公務員とか産業動物のほうの誘導は、ほかの要因がものすごくありますので、そこのほうを改善すれば、私は解決がある程度はつくのではないかと思っております。そのほかございませんか。

【山田委員】教育の質を下げろとか、そういうことを主張しているわけではなくて、当然のことだと思うのですけれども、今部会長がおっしゃったように、教育のレベルを充実させたことによってほんとうに産業動物や公務員への誘引になる部分、その部分をきちっとやらない限り、やはりその問題は続くのではないかということをお話ししたかっただけです。

【山根部会長】私も非常によく理解できます。

【中山委員】今のお話ですけれども、それぞれの分野で教育が競合するというわけではなくて、それぞれで教育を充実しようということだと思いますので、それぞれで競争するというような意味合いではないと思います。

【山根部会長】全くそのとおりでございまして、ありがとうございます。

【山田委員】全くそのとおりであって、それを否定しているわけでは全然ないのですけれど、基本的にその部分をやったからといって物事が進むわけではなくて、先ほど部会長がおっしゃられたようにさまざまな要因があって、その部分をどういうふうにしていくかということをきちんと盛り込まないと、これはだからここだけの話ではない、文科省の話もそうだと思うのですけれども、要するに、きれい事は並んでいくんだけれども、実質のところは何も変わらないということだと、10年先も同じことを繰り返さなければならないのではないかということを申したかったわけです。

【山根部会長】ありがとうございます。時間もかなり押しておりますので、このあたりで……、佐藤委員、簡単にお願いいたします。

【佐藤臨時委員】ちょっと第3次の基本方針の骨子とも関係するかもしれないのですけれども、この小動物のところも含めて、いわゆる動物福祉、アニマル・ウエルフェアという表現でいいかと思うのですけれども、それに関する記述がすべてのワーキンググループの中に出てくる。そして、その表現が微妙に違う。それはそれでやむを得ないと思うのですけれども、それらを踏まえた、この先検討することになります骨子の中にそういった要素がもう一つ明確に出てないかなという気がしたものですから、その辺をところをどのようにこれから整理していくかということと、あわせて産業動物とこの小動物のところで、いわゆる専門医制度みたいなところに関して、小動物では専門医制度ということは、これは実際に取り組まれているので明確に出ていると思うのですけれども、産業動物のところでは、専門医制度的なものをこれから検討しなくちゃいかんなといったような整理の仕方、これはこれでやむを得ないと思うのですけれども、それにつきましても次の骨子のところで、この専門医制度についてこういう形で必要なんだとか、取り組んでいくんだということかもう一つ明確になっていないかなという気がしたものですから、先の検討でも結構なのですけれども、ちょっとその辺気がついたものですから。

【山根部会長】骨子の中にこれを含むかどうか、事務局、どうでしょうか。

【池田課長】事務局からちょっとお答えさせていただきます。骨子につきましては、この後ご説明をさせていただこうかと思いましたが、並んでございますのは一般的な項目でございまして、まさしく今おっしゃられたようにこういった分野を注目して盛り込んだほうがいいのではなかろうか、そういったことをこれからご議論していただこうと思っておりましたので、今のご意見は私どもとしても骨子をつくっていく上で、あるいは皆さんの議論の中でしっかりと反映をさせていければというふうには思っております。

【山根部会長】よろしゅうございますでしょうか。どうもありがとうございました。では、続きまして、民間・研究分野につきましてご説明をお願いいたします。

【中山座長】民間・研究ワーキンググループで座長を務めました中山でございます。それでは、このワーキンググループの結果を報告させていただきます。この分野は、前回、平成12年の第2次基本方針には含まれていない分野で、その後、わりと獣医学領域として注目されてきた分野を含んでおります。大学、研究所、それから動物園動物を含む野生動物関連、食品メーカー、動物薬、人の医薬品メーカー等の研究所というようなところが対象だと思います。留意事項といたしましては、やはり新興・再興感染症など、いろんな社会ニーズがあるわけですけれども、それに対応した研究・技術の開発、これについて産官学が連携して推進していく必要があるというのが1点。もう一点は、このような研究・技術開発のためには、やはり人材育成を強化していかなければいけないということであります。どういうふうに対応すべきかということで対応すべき取り組みなんですが、獣医療に係る研究・技術の開発、この新たな社会ニーズとしては、先ほど申し上げたように新興・再興感染症対策、それから、近年「One Health」という考え方があります。家畜、人類、野生動物、それから実験動物も含んだ、こういったものの健康を一つのものとして考えていこうというような概念ですが、この「One Health」という考え方に基づいた新たな研究・技術開発、その推進とそのための人材育成、これが必要であるということでございます。それから、先ほど申し上げたように動物薬、人医薬品メーカー等の研究所、それから食の安全ということも含みますので、そういったバイオメディカル分野、それから野生動物分野、こういったところにおける新たな獣医学領域なのですけれども、こういった分野における獣医師の育成、確保を図るために、大学教育を改善したり、あるいは卒後研修を行っていく、そういう必要があるということでございます。以上でございますが、詳細については事務局から説明していただきます。よろしくお願いいたします。

【事務局(栗栖)】事務局のほうから説明いたします。座長のほうからかなり詳しくご紹介あったところでございます。本分野でございますけれども、現状と課題ということで、本分野の就業人数ということですが、産業動物と並んで非常に多い分野ということでございますけれども、これまで特別に考慮されていなかったということでございます。そういうことで、今回改めてご議論いただいたところでございます。全体的に、座長のほうからご紹介ありましたように連携あるいは育成ということがキーワードになろうかと思います。連携あるいは育成という中で、連携は産官学というふうなもの、それも含めて他分野との連携というふうなものもこの分野はあろうかというふうなことでございます。1番、技術開発ということがまず1点ございます。これは新たな社会ニーズに対応した技術開発を推進するのがまず1点。2点目、これは育成というふうなものでございます。これはバイオメディカル、あとはグローバル化するこの分野の獣医師の育成というふうなもの。3点目、野生動物分野における獣医師の育成というふうなもの、こちらのほうの具体的な取り組みが必要であろう。3点目といたしまして、産官学連携というふうなこと、あるいは獣医師の活動全体でございますけれども、国民の理解醸成というふうなものがやはりこの分野でも重要だということでご議論いただいて、このようにまとめさせていただいております。非常に簡単でございますが、以上のような形で、5ページでございますけれども、民間・研究分野について冊子にまとめさせていただいております。以上でございます。

【山根部会長】ありがとうございました。ただいまの民間・研究分野のご説明につきまして、何かご質問、ご発言等がございましたら、どうぞ。

【米田委員】ワーキングのときに申し上げればよかったのですが、人材の育成が必要だというところにおいて、ほかの分野でもここでも高度な技術であったり高度な医療、知識をという、そういう意味での育成というのに重点が置かれているのですが、特にこの分野に関して、変化していく状況に合わせて進化していくという、そういう分野だということもあるので、広い視野と柔軟な思考力という、獣医学は本来そういうものだと思うのですが、そういう視点をどこかに入れておいていただきたい。これは実は骨子のほうにも申し上げたいところなのですが、高度で専門家したものだけを追求していくのではなくて、広い視野と応用がきく、そういう人材育成も一つ入れておいていただきたいなと思います。

【山根部会長】事務局、よろしゅうございますでしょうか。そのほかございませんでしょうか。よろしゅうございますか。本日、4つのワーキンググループから今後の獣医療の提供体制を図る上での留意すべき事項につきまして検討結果の報告を受けたわけでありますけれども、今後は、実行ある新たな基本方針の策定に向け、これらの検討結果を十分考慮して審議していきたいと思っております。では、続きまして、大きなくくりといたしまして獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針につきまして議事を進めさせていただきます。本日は、事務局が準備をしました第3次の基本方針の骨子の案につきまして引き続き審議に入りたいと思います。それでは、事務局からご説明をお願いいたします。

【事務局(吉田)】では、事務局より資料2、それと資料2(参考)、それと参考資料1を用いまして、少しお時間をいただいて説明させていただきたいと思います。まず基本方針についてでございます。第1回、第2回の計画部会の中でも説明させていただいておりますが、これから本格的にご審議いただく上で、改めてどういうものかを、参考資料1を使いまして少し説明させていただきたいと思っております。1枚めくっていただきますと参考資料1-1がございます。「獣医療計画制度について」というものでございます。既に十分ご理解いただいていると思いますが、改めて説明をさせていただきたいと思います。まず獣医療計画制度というものにつきましては、平成4年の獣医療法が制定された際に、国と都道府県が今後地域の実態を踏まえて計画的に獣医療を提供する体制を整備していくために、農林水産大臣が獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針というものを獣医事審議会に諮った上で定めるということになっております。この基本方針に従いまして、各都道府県におきましては、地域の実情に合わせまして都道府県計画というものを策定いたしまして、地域の獣医療の提供体制の整備を図っていくというような仕組みになっております。現在第2次の基本方針が動いておるところでございますが、4のところでございますが、これは平成12年12月に策定したものになっております。その目標年度は平成22年度ということでございまして、いわゆる終期を迎えている。このため、本計画部会のほうで、平成32年度を目標年度としました新たな基本方針についてご審議をお願いしているところでございます。この基本方針の中身でございますが、参考資料1の3ページのところ、これは第2次のものですけれども、これは今動いているものですが、大きく6つの柱を定めることになっております。1つは、獣医療提供に関する基本的な方向ということで、獣医療を取り巻く情勢が著しく変化する中で、どういう形で獣医療提供体制を調えていくのかという基本的な方向を定めることとなっております。1ページめくっていただきまして、第2の柱でございますが、これは診療施設の整備、それと獣医師の確保に関する目標の設定ということでございます。第2以降は、都道府県計画を策定する上での基本的な考え方を定めるものとなっておりまして、都道府県計画を検討していく中でどういう施設をどういうふうに整備していくのか、また獣医師をどういうふうに確保していくのかという目標を設定するために必要な内容となっております。3番目の柱でございますが、ここは整備が必要な地域の設定に関する事項。都道府県計画の中でどの地域に取り組みを行うのかということを設定するに当たっての必要な事項となっております。4つ目の柱でございますが、これは施設の相互機能、さらには業務の連携に関する基本的な事項です。開業獣医師の共済団体ですとか、家畜保健所に診療施設等ございますが、そういうところの機能と、あと業務の連携をどういう形で推進していくのかというようなことを定めることになっております。5つ目の柱でございますが、これは技術の向上、具体的に言えば研修の実施等についてどういう形で考えていくのかという考え方を定めるものとなっております。最後の6本目の柱でございますが、その他重要事項ということで、1から5までで盛り込めなかった重要な事項について6で取りまとめるというような構成になっております。

今回、第3次基本方針を検討していく上で4つのワーキンググループでそれぞれの分野で詳細かつ具体的なご検討をいただきまして、非常に幅広く、しかも非常に的確なご提言をいただいているところでございます。今回ワーキンググループからいただきました報告書の内容をこの基本方針の中に反映させていく上で、このワーキンググループの中で議論いただいた内容というものは、第1の柱の基本的な方向の中で反映していくべきものという形で整理させていただいております。資料2をごらんいただければと思います。資料2は6つの柱になっておりまして、赤い色で印刷しているところが今回新たに加えたもの、場合によっては追加記載したものを赤いものにしておりまして、黒い文字で印刷しているのは、従前のものを引き続き取り組んでいくというような形で整理させていただいております。4つのワーキンググループのほうからは、現状、いわゆるどういうような課題があって、それに対して何をやっていくのかというようなことを整理いただいておりますので、この第1の柱の中でその内容を拾い上げるというか、そこを反映できるような取りまとめをさせていただいております。第2以降の柱につきましては、先ほどもご説明しましたが、具体的に都道府県計画を策定するに当たってどうしていくのかというような設定に関する事項でございますので、今回、主にご議論いただくのは、第1の獣医療の提供に関する基本的な方向についてどういう形で方向性を示していくのか、どういう内容を記載していく必要があるのかというようなところをご審議いただければと考えております。A3の紙をごらんいただきたいと思います。資料2(参考)としておるものてございます。ここは4つのワーキンググループでご議論いただいて取りまとめていただきました内容を、いわゆる項目として整理させていただいたものになっております。当然非常に幅広く、詳細に取りまとめていただいておりますので、すべてがこの中に基本方針、しかも農林水産大臣が定める基本方針という形でここに反映されていないものもあるのも事実でございますが、可能な限り反映できるように大きな項目という形でまとめさせていただいているものでございます。まずこの表をご説明させていただきたいと思います。表は左のほうから、近年の獣医療を取り巻く情勢の変化(社会的なニーズ)ということでございます。これは第1回、第2回の計画部会の中でご審議いただいた内容でもあるのですけれども、今どういうような情勢の変化、さらにどういうことが必要なのかというようなことで、ワーキンググループの議論の背景になったものをここで整理させていただいております。横軸のほうでございますが、その社会的なニーズを踏まえまして、第3次基本方針の中でどういう形で取り組んでいくのかという基本的な方向の大きな項目を2つ目の升の中で整理させていただきました。その横、4つのものがございますが、これは各ワーキンググループの中で特に重要な事項ということで特出しされておりますけれども、産業動物分野、公務員分野、小動物分野、民間・研究分野で特に重要な事項という形でここで整理させていただいております。左から社会的なニーズ、それに対する基本的な方向の大きな流れ、各分野ごとの取り組みの方針という形で整理させていただいております。では、順に説明させていただきたいと思います。まず社会的なニーズというところでございますが、1つは食の安全の確保という観点からの社会的なニーズでございます。そこでは、国内で高病原性鳥インフルエンザですとかBSE、こういうものが発生いたしまして、安全で良質な畜産物の安定的な供給に関する国民の関心というものが高まっております。そういう分野で活躍する獣医の貢献ということでございますが、食品の安全性、さらには畜産振興による食料自給率の向上を図る上で獣医師の貢献に期待がされている。その一方で、獣医療の提供を受ける者からは、良質かつ適切な獣医療の提供に対する獣医師の責務への関心が一方高まっているというような情勢の変化がございます。もう一つの柱でございますが、畜産業の実態を見ますと、いわゆる群管理形態の普及というものがございます。これは畜産業における飼養規模の急速な拡大が進展する中で、これまで養豚経営、養鶏経営に加えまして、酪農、さらには肉用牛の経営におきましても、群管理形態での飼養管理というものが普及されております。そういった集団管理衛生、こういうものに対する獣医師に対する要請も高まっている、そういうような社会的な背景がございます。そういうような社会的なニーズ、これにどういう形で基本方針の中でこたえていくのかという大きな整理といたしまして、まず1つは、社会的なニーズに対応した獣医療を提供できる獣医師の育成をまず推進していく必要がある。食の安全確保、さらには群管理形態の普及、これに対応できる獣医師の育成を図っていく必要があるという大きなまとめをしております。それぞれ産業動物分野、公務員分野におきましても特記すべきことがございまして、特に産業動物分野におきましては、飼育動物の診療を業務とする新規獣医師、これは大学を卒業して新たに現場に入っていらっしゃる獣医師、こういう方が実践的な診療技術の習得、飼育者とのコミュニケーション能力、獣医療に関する法令及び食品の安全性に対する理解の醸成を図る機会を増大する。ワーキンググループの報告書に戻りますと、産業動物分野でいけば、新規獣医師に対する研修、これらの充実が必要であるというご指摘、こういうものを踏まえて整理させていただいております。黒字のところでございますが、これは従前よりあるものでございますが、飼育動物の診療を業務とする獣医師、これらにおきましては、緊急時の防疫指導に係る知識・技術、こういうものを習得させる機会が必要、これは従前からあるものをここで再度載せさせていただいております。また、公務員分野におきましては、新規獣医師に対しまして、家畜衛生分野、公衆衛生分野等の行政に携わっていく上で必要な基本的な知識、さらに病性鑑定技術等の習得をする機会を増大させる必要がある。これも新規獣医師に対する研修の充実というところの内容を項目として整理させていただいたものでございます。さらには小動物分野におきましても、この新規獣医師が実践的な診療技術の習得、さらにはコミュニケーション能力、あと獣医療に関する法令に対する理解醸成を図る機会を増やす必要がある。これも新規獣医師に対する研修の充実というところを項目として挙げさせていただいているところでございます。さらには、小動物分野におきましては、行政が行うべき取り組みということでもございますが、監視・指導体制の整備、さらには獣医療に関する相談窓口、これについて整理の中で明確化していく必要があるというような大きなご指摘がございますので、それを項目立てをさせていただいております。さらに、群管理の関係で産業動物分野に特記したものでございますが、いわゆる管理獣医師の養成を図っていくための習得する機会、または研修を充実させていく必要があるという報告書の内容を、ここで項目立てさせていただいております。また、この中で真ん中に黄色く塗っているところがございますが、これは食品の安全確保、さらには、そこに書かれておりますけれども、獣医療に対する信頼性の確保、こういうものを図っていく上で、分野に関係なく、いわゆる分野横断的に重要な事項ということでまとめているものが3つございます。1つは、良質かつ適切な獣医療を提供していくための獣医師と獣医療に携わる関係者との連携・協力を推進。これは動物看護職の話が小動物分野を中心に議論されておりますが、そういうことに関する連携のあり方をどういうふうに検討していくのか。また、検討していく中で、何が必要なのかというようなことをこの中で整理していくのがいいのではないかということで、全体の取りまとめという形で項目を出させていただいております。さらには、2つ目の四角い星のところでございますが、これは飼育者の知識・技術について、これは家畜衛生、食品の安全性の向上等の中には、いわゆる小動物分野においても、飼い主に対して十分な保健衛生指導をするというようなことを含め、ここで等として入れさせていただいておりますが、飼育者の知識・技術についての一層の啓発・普及の推進という形で大きな柱を出させていただいております。3つ目でございますが、食品の安全性の向上、さらには獣医療に単する信頼確保を図るため、獣医療の果たす役割について国民の理解を増進。これは処遇改善にもつながるという報告内容もございますし、さらには、国民が参加してこういう獣医療の取り組みを推進していくという観点からも、こういうものを基本方針の大きな柱の中で整理していく必要があるのではないかという形で項目を出させていただいております。2つ目の社会的なニーズのところでございます。これは獣医療技術の高度化というところでございます。これは犬、猫等の家庭動物につきましては、国民の動物愛護思想の普及等に伴いまして、国民生活における家庭動物の位置づけというのは向上しております。そういうようなことを背景といたしまして、小動物分野を中心に、産業動物分野においてもなのですが、核医学等の最先端の医療技術、さらには高度な医療機器を使用した最新の診断・治療・予防技術、こういうものを獣医療の現場へ導入・普及が図られているような状況でございます。そういった状況に対応すべく、高度な獣医療を提供できる獣医師の育成についての要請が高まっているというような背景がございます。こういうような背景を踏まえまして、基本方針の中では、このような社会的ニーズにこたえていくために、社会的ニーズに対応した獣医療を提供できる獣医師の育成を推進していくという大きな取りまとめをいたしまして、その中で診療を業務で行っております産業動物と小動物分野におきまして、そういう高度な診療機器を使用した診断技術、診療技術、さらには最新の効率的な診断・治療技術、こういうものを習得する機会を増大。いわゆる高度技術習得のための研修の充実というものが2つの分野のワーキンググループの報告書にございますので、そういうものをくみ上げた形で項目を出させていただいておるところでございます。

続きまして、これは主に民間・研究分野のワーキンググループでご議論いただいたところでございますが、獣医療に関する技術の向上ということで、新興・再興感染症対策等、新たな社会的ニーズに対応した研究開発が必要である、そういったニーズがございます。そこに対しまして、これは一応役所ですが、産学官と出させていただいておりますけれども、いわゆる民間、それから大学等の研究機関、さらには官も含めなのですが、そこが連携をして研究開発を推進していくということで、これは分野に限らず、分野横断的な内容という形で大きな柱立てをさせていただいております。その中で、特に民間・研究分野にありました人材育成というところに焦点が当たっておりますので、そこの内容を項目立てをさせていただいているところでございます。さらには、これはある意味近々の課題であると整理されております獣医師の確保というところの社会的なニーズというところでございます。これは背景といたしましては、獣医系大学を卒業した新規獣医師のうち、半数が小動物分野に就業しているという実態がございます。さらには、19年5月に取りまとめた報告書、この中で産業動物獣医師、これが大幅に減少、公務員獣医師についても確保が困難になるというふうなご指摘がございます。そういうものに対応していくために、今回基本方針の中でどういうふうに整理をするかということでございますが、まずは獣医師の偏在等で今後不足が予測されている分野の獣医師の確保対策を強化していく。具体的に言えば、産業動物分野、それと公務員分野で対策を強化していくということでございます。具体的には、○が3つございまして、産業動物分野、公務員分野、内容は同じでございますが、1つは、大学教育におきまして、学生が産業動物分野の診療、あるいは家畜衛生行政等の意義、魅力について知る機会を増大させる必要がある。いわゆる実習を充実させていくというワーキンググループからのご提言、これを整理させていただいたものになっております。2つ目の○でございますが、学生を、産業動物分野、あるいは公務員分野へ誘引するための措置を質・量とも充実。具体的には修学資金制度のさらなる活用というようなところをイメージして整理させていただいております。3つ目の柱としましては、休職・離職中の獣医師の再就職に関する措置を充実ということでございます。これは復職研修の充実ですとか、全国規模の獣医師バンク的なものの整備といったものをイメージしてまとめさせていただいているものでございます。2段落目のところでございますが、黒い部分、これは従前より記載されている内容でございます。ワーキンググループの中では、主に獣医師確保対策を中心にされておりますが、第2次の中では、いわゆる診療施設の整備、さらには獣医療関連施設の相互機能・業務の連携の強化の取り組みについてうたわれておりますので、この部分については引き続き行っていきたい。産業動物につきましては、従前のとおりで整理させていただいているところでございますが、小動物分野のところで赤く加えておりますが、この小動物分野のところは、いわゆる一次診療、二次診療、この連携の構築というようなご議論がございます。そういうことを項目として出すのであれば、業務連携の強化という言葉をここで柱という形で入れさせていただいているところでございます。さらには、3つ目の赤いところでございますが、夜間・休日における診療体制の整備についての合意形成を推進というところでございますが、これは第2次基本方針の中では産業動物分野に特化して記載されておったところでございますが、小動物分野におきましても、こういった取り組みについて推進が必要だというような取りまとめがございますので、これは大きな全体の柱という形で出させていただきまして、産業動物、小動物の分野を問わず、診療体制の整備について取り組みを推進していく必要があるという形で整理をさせていただいているものでございます。今回、繰り返しになりますが、4つのワーキンググループからのご提言につきましては、非常に多岐、しかも詳細、しかも非常に幅広いご提言をいただいているところでございます。その中で基本方針として取りまとめていく上で、まず項目立てをさせていただきまして、そこで本日はこの項目について、これは要らないとか、こういうものをもっと加えたほうがいいのではないかとか、そういうようなご審議をいただきたいというふうに考えているところでございます。事務局のほうからは以上でございます。

【山根部会長】ありがとうございました。それでは、ただいま事務局から説明がありました第3次の基本方針の骨子案につきまして、何かご意見、ご質問等がございましたら、どうぞ。

【菅澤臨時委員】意見と申しますか、事務局に質問をさせていただきたいのですけれども、ただいまのご説明で、この骨子の中で、第1の基本的な方向について、まず主としてここで検討がなされるべきで、第2項以降は、各都道府県の計画の際に検討するポイントであるというように説明をしていただいたように聞こえたのですけれども、そうしますと、この基本的な方向に加えて、今回のこの計画部会の当初からの一つのポイントになっているのは、各地方の都道府県の計画が実行あるものが示されて、それに予算がつくということが一番のポイントではないかと思うんです。そうすると、基本的な方向に加えて、各都道府県の計画がどのようにされるかということも盛り込んで検討されることが必要ではないかと思うのですが、私の質問はちょっとピントがずれていますでしょうか。

【濱名臨時委員】今のにあわせて、関連したことでよろしいですか。

【山根部会長】じゃ、濱名さん、どうぞ。

【濱名臨時委員】今のことに関連した項目として、獣医療を取り巻く情勢、基本的な考え方を示すに当たって、いろいろ教育だ何だかんだとあるのですが、最終的に出てきているのが待遇改善なんですね。これは必要だ、必要だということで今までずっと説明を受けていた中で、ここの段になると一切出てこない。今関連した事項でというのは、都道府県のほうで計画を立てるときに、その文言が入っているか入っていないかで相当大きな違いが出てくるだろうというふうに自分は考えます。ということで、それについてはぜひとも入れるべきだというふうに、先ほどどこかのところで、待遇に関係するけれどもという説明がありましたけれども、それは今我々が聞いたところでわかるのであって、実際には、その文言では私は想像できなかったので、その待遇改善のことについてもぜひ触れていただきたいということをあわせて質問させていただきます。

【山根部会長】確かに根本をたどれば処遇改善に尽きるわけでありまして、当然かと思いますけれども。

【菅澤臨時委員】すみません。私はしつこいのでもう少し言わせていただきますが、要は、この場だけで、この場の審議会の意向だけで予算、あるいは我々の言います給料の部分の補てんをせよ、あるいはどこから出せというようなことは、多分一方的なものになると思いますけれども、ここの場で審議をしていただいて、なるべくそういった意向を盛り込んでいただくのと、一方、例えば日本獣医師会の中の専門委員会、あるいは地方獣医師会の場からも獣医師の立場をもう少しアピールするなりして、各都道府県なりの計画に入るような、そういう行いが必要かと思うのですけれども、そういう意味で、いま一歩ここで今おっしゃったようなこと、あるいは質問についてぜひ組み入れていただければと思います。

【山根部会長】事務局のほうからちょっとご回答をお願いいたします。

【池田課長】まず第1点目のお話でありました都道府県計画との関係でありますが、これは国が行うことについても同じでございますが、この基本方針をまず国が示しまして、それに基づいて都道府県計画ができます。具体的な施策、すなわち予算措置も含めた具体的な施策は、その基本的な方針を踏まえた上で次に各都道府県、あるいは国がつくるということでありますので、それが一つの仕組みであります。次に、じゃ、その中でどういう項目、要するに、施策に反映をしていただきたい項目にはどういうことがあるんですかということについては、まさに皆様方にここでご議論をいただきたいというふうに考えているわけであります。その中で、しかしながら私どもといたしまして整理をさせていただくことができない部分が、もしかするとあるかもしれません。それは農林水産大臣として我々がやる、あるいは都道府県の方に基本方針として示す。それよりほかのスキームでなければできないものがあるとすれば、それはそういう形でお伝えをするようなことを考えなければならないと思いますが、まずはどういうことを盛り込むかということをご議論いただくんだと思います。きょうお示ししたのは、むしろ骨子というよりもたたき台のようなものでございますから、そういったことでいろいろとご議論していただければというふうに考えております。

【山根部会長】今の質問の説明なのですけれども、じゃ、今濱名さんから言われましたような処遇の問題も一つの議論として出していただいて結構なわけですね。どこにも触れてないということですけれども、いかがでしょうか。

【池田課長】その性格として、処遇について盛り込むべきだということであれば、何らかの形で盛り込むことは可能だと思いますが、ただ、どこまで大臣の基本方針に盛り込むか、それとはちょっと別でございますけれども。

【山根部会長】わかりました。いわゆる偏在問題にしろ、誘引にしろ、足らないところから引っ張ってくる。これに対しまして、やっぱり大きな要因は処遇が悪いということに尽きるのではないかと思いますので、これは避けて通れる問題ではないということが1つと、私が考えますのに、これからこの基本方針に即して地域の獣医療の実情に合わせて各都道府県が計画を早急につくっていただけると思うのですけれども、これは過去もそうですね、調べてみたら、10年前の基本計画も。これをいかに検証するか、いかに報告を出してもらって、どの程度の進捗状況が起こっているかを確認しない限りは、放置しておれば、10年してアンケートをとれば、何も進んでなかったということにどうもなりそうな気がするものですから、ぜひともこれは報告を義務づけたり、検証するということも重要ではないかなと思っております。佐藤さん、どうぞ。

【佐藤臨時委員】基本的なことに逆戻りかもしれませんけれども、今回基本方針の骨子がまとめられると。その前提としてワーキンググループを4つつくって、「はじめに」にありますように基本方針を定めるに当たり留意すべき事項について分野ごとに具体的に議論しようと。そして、第3次基本方針に盛り込むべき内容について検討と。そうすると、このワーキンググループのまとめというのは、基本方針との関係から言うとどういう位置づけになるんだろうか。あくまで水面下の一つの事務的な作業であって、こうした内容については事務的にやったんだけれども、この基本方針がまとまれば、それはもうあくまでも事務的なものであって、この基本方針がすべてということになるのか、それともこの基本方針をまとめるに当たって、4つのワーキンググループでまとめたこの内容というのは、それはそれとしてそれぞれの分野ではこういったことについても留意すべきなのだということがしっかりと今後残されていくものかどうかといったことをちょっとお教え願いたいと思います。

【山根部会長】どうですか。それは当然でしょうね。

【池田課長】ありがとうございました。今のご意見についての事務局の考えでございますが、ワーキンググループは、結論を申しますと、これは何らかの形、取り扱い方は、これも検討しなければいけませんが、私どもが施策を講じる上、あるいは都道府県が講じる上でこういったことを踏まえていただきたいということで取り扱わせていただきたい。決して埋もれるという形ではなく、何らかの形でお示しをして、都道府県なり何なりにこれをお使いいただくということを考えております。ただ、これをかなり広範囲な部分、ワーキンググループでは自由なご議論をいただいたわけですから、そのすべてが基本方針の中に入るかどうかというのはまた別個だと考えております。

【佐藤臨時委員】そういうことであれば、十分理解はしたという前提で、先ほどお話ししましたように、各ワーキンググループで、いわゆる動物の愛護なり福祉なりで表現が微妙に違ったり、視点として違うものですから、必ずしも一本でパチッといけるかどうかわからないのですけれども、たまたまこれは自分の仕事に関してで申しわけないのですけれども、やっぱり競馬の世界でもアニマルウェルフェアというのは非常に大きなテーマになって、極端な話、嫌がる馬を走らすということ自身そもそもが、アニマルウェルフェアという観点からいくと、極端な立場に立つ人からすると、これは全否定されかねないような状況もあるものですから、それはちょっと極端なんですけれども、何かの形で、ワーキンググループそれぞれが動物愛護なり福祉、あるいは実験動物の管理等々のところも出てきますので、「はじめに」とか、そういう総論の中でも結構ですので、何かしらそういうような近年の獣医療を取り巻く情勢の中にそういったものに対する社会的な認識が非常に強くなってきているといったようなことは、若干なりとも触れていただいたほうがよろしいのではないかという気がいたしました。

【山根部会長】確かに農林水産大臣がお示しします基本方針といいますのは、すべて盛り込むことは不可能だと思うんですね、具体的な事項を。しかし、ワーキンググループでやった議論を、地方、都道府県が知らなかったら、何を議論していいか、何を具体的に進めていいかということは、ちょっと困るのではないかと思いますので、ぜひともこれは、すべてでなくてもいいですから、必要なものは必ず具体的な議論の内容をお示しして、指導していただけたらと思います。そのほかございませんか。

【細井戸委員】今までのお話の中で、民間・研究分野で言葉の出てきた「One Health」という考え方というのを、トータル的なものの頭に入れていただけるというと、わりと今の福祉・愛護のことも含めて説明につながるのではないかなということを一点感じたこと、それと、「第3次基本方針の基本的な方向」というところの「良質かつ適切な獣医療を提供していくための獣医師と獣医療に携わる関係者との連携・協力を推進」という部分で、公務員獣医師の要因分析の中で、関係法令に基づく検査業務が占める割合が高く、獣医師としての専門性を生かす機会が限られているという言葉で言うと、プレナリー・テクノロジスト的な検査技師というものの存在とか、あるいは小動物の分野で明確に動物看護職という言葉が出ているので、この獣医療に携わる関係者というところに、可能であれば、検査技師や動物看護職との連携・協力を推進というふうな言葉を出していただいたほうがよりわかりやすいのではないかなということをちょっと提案したいと思います。

【山根部会長】よろしいですか。ありがとうございました。そのほかございませんか。中山さん、どうぞ。

【中山委員】これはきのういただいて読む時間がなかったので、今申し上げて申しわけないのですけれども、今の事務局のご説明ですと、これは2ページのところの1番として産業動物及び公務員分野、それから3ページのところに小動物分野があって、3番の獣医療に関する技術の向上のところに、民間・研究ワーキンググループの概要が入っているということなんですが、この3番だけですと、何となく我々のやった議論の内容が薄まっているような気がいたしますので、今私はちょっと直したのですけれども、それを申し上げているとまた長くなってしまうので、後で事務局のほうにその案をお示ししたいと思うのですけれども、私どもが結論として報告したところをもうちょっと盛り込んでいただきたいなと。この分野の獣医師数は一応13%おりまして、これから10年間かなり活発に活動するのではないかというふうに思われますので、ちょっと入れにくいかもしれませんけれども、少しここら辺を充実していただきたいなというふうに思っております。

【山根部会長】よろしゅうございますでしょうか。後ほどということですけれども……。

【池田課長】ありがとうございました。民間と研究分野につきましては、まさしく今ご発言がありましたように、獣医療の提供という直接的なものとのかかわりで取り扱いがほかのところとちょっと違う部分がございますが、後ほどご意見を承らせていただきまして、いい方向で取り扱えればというふうに私どもとしては考えておりますので、いろいろとご教授いただければと思います。

【山根部会長】そのほかございませんでしょうか。

【横尾臨時委員】先ほど事務局がご説明した中の話なのですが、A3判の資料で言うと、2枚目の下から2つ目のブロックの診療施設の整備等の関係は前回同様というようなご説明だったのですが、この中の文言を見ますと、例えば産業動物分野の最後の○で近隣の診療施設というような表現があるのですけれども、今現在、どんどん診療施設は広域化してきて、今受けていること自体、50キロとか100キロとか離れたところから行っているみたいな状況もありますので、この文言は離れていても隣は隣だという意見もあるかもしれないですが、何かニュアンス的にもうちょっと広域みたいな感じの記述にしてほしいということ。それから、必要に応じて家畜保健衛生所による補完、等公的機関というふうにもとのほうには書いてありますけれども、ここはそれに限らず、いろんな他分野の、例えば私の知っている例でも、大学の産業動物関係のところが一部診療をお手伝いしているとか、そういうのも耳にしておりますので、公務員分野に限らず、他の分野等の協力体制をつくって、県一丸となって何かするとか、そういうようなニュアンスを入れてほしいということ。それから、県の計画ですので、県内という考え方もあるのかもしれませんが、今、県単位で小さい県ですとできないというような状況も出てきていますので、それでなおかつちょっと足りないようであれば、ほかの県なり、ブロック間で協力するなりというような記述というか、ニュアンスもぜひ入れていただきたいということです。以上です。

【山根部会長】ありがとうございました。そのほかございませんでしょうか。

【山田委員】ちょっとピントが外れるかもしれないのですけれども、この基本計画というのは10年間にわたるわけであって、10年後の見直しまでというのは非常に長いスパンですね。その間に都道府県の計画ができて、それがどういうふうに実行に移され、どういうところが実現していて、どういうところが実現していないかというのを、10年後にまとめるのでは極めて遅いと思うので、実行性のあるものとしていくためには、やはりそういう実施状況のモニタリングをするメカニズムが必要だというふうに思うのですが、そういうことをこの中に盛り込む。例えば県なら県でどの程度実施されているかということを、適当なスパンでまとめて、それを報告して公開していく、そういうようなものを盛り込むというようなことはできないでしょうか。

【池田課長】ありがとうございます。大変すばらしい提案だと思います。ただ、2つあると思います。1つは、これは獣医療の提供のための方針であって、もう一つは、その方針がうまくいっているかどうかの管理の問題でございますので、この中に盛り込めるかどうかということを考えると、なじまないような気がするのですが、その外枠として、例えば何年後にはこういうことの検証をするとか、そういったことについてはもちろん可能だというふうに考えておりますので、その辺についても検討させていただければというふうに思います。

【山根部会長】第2次の場合も、今山田委員の言われました危惧が実際ありまして、アンケートをとったらほとんど進んでいないというようなことでは、これはほんとうにガス抜きに終わってしまいますし、あくまで努力目標で終わってしまいますので、ぜひともこの件については検証していただきたい。それは適当なスパンで評価していくということが大事ではないかと思いますので、ぜひとも部会長からもお願いしたいと思います。

【濱名臨時委員】その件についてですが、私どものほうでは、平成28年で6年制に切りかわった獣医師の退職時期になります。それが28年になると思います。ということで、獣医師を育てていくのに、学校の時代で6年ということで、今これを発出して、ある一定年限たったらということになると、非常に活力が落ちてしまっているかもしれませんので、実施されるのであれば、できれば早いタイミングでぜひともやっていただきたいなと。

【山根部会長】せめて1~2年ですか。

【濱名臨時委員】私どもは28年をめどにいろいろ動いていますから、これはこれとしてやっていかなくちゃいけないことで、これは全く理解はしているのですけれども、これを生かしていくために、例えば北海道でもちゃんとやってもらわないといけないので、それの交代要請等はするつもりですけれども、それの確認について、その中で、先ほど言いましたけれども、文言が入っていると、これも必要でしょうと逆に言ったりできるので、早いときでのチェックをお願いしたいと思います。

【山根部会長】要望でいいわけですね。

【濱名臨時委員】はい。

【山根部会長】そのほか、佐藤さん、どうぞ。

【佐藤臨時委員】先ほどもちょっとお話ししたんですけれども、産業、小動物いずれもいわゆる専門医的な内容について触れておるわけで、であるとすれば、今の基本方針の3ページの3の獣医療に関する技術の向上の2項目目が、もしそれらを前提としたものであるならば、ストレートに言うのはなかなか時期的に難しいということであれば、諸外国における制度等を参考にするとか、何かそんなようなことを入れた上で、こういったいわゆる専門医的なものをできるだけ速やかに、どういう形にせよ、多少日本的なものになっても構わないと思うのですけれども、検討していくということも触れていただけたほうがよろしいかなという気がします。

【山根部会長】ありがとうございました。そのほかございませんでしょうか。初期、この計画部会を立ち上げましたときには、いわゆる実行ある結果を出そうという大きな目標に向かっていったわけでございますので、なるべくその方向に向かって少しでも、全部は難しいと思いますけれども、実行ある結果を出すということは忘れずにいきたいと思っております。よろしゅうございますでしょうか。これからあと2回ありますので、その間にいろいろ議論いただければ、また固まってくるのではないかと思います。では、最後になりまして、その他について入らせていただきたいと思います。その他でございますけれども、私のほうから1点だけお話をさせていただきたいと思います。といいますのは、今も言いましたように、実行ある計画をということでございますので、早速それに関することでございますけれども、4つのワーキンググループでいろんな議論をしていただきました。多くのワーキンググループの中で出た話の中で、獣医学生の臨床実習を充実させるに当たっては、獣医療行為にかかわる臨床実習のあり方の整理、言いかえれば臨床実習において実施可能な獣医療行為の範囲と条件を明らかにすることが必要ではないかとの意見が出ておったと思います。このことにつきましては、獣医師法におけます診療行為との関係もあるのではないかと考えますが、その点、事務局はどのようにお考えになっておられますでしょうか、ご返事をお願いいたします。

【池田課長】ありがとうございます。まさに部会長から今お話があったとおり法律との関係がございます。これにつきましては、私ども事務局のほうで法令の関係等の整理をさせていただきまして、次回、この場でご披露させていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

【山根部会長】これは近々の問題でございますので、次回、ぜひともご説明をお願いしたいと思います。期待しております。では、事務局、今、要望、質問事項等々出ましたけれども、よろしくご処理方お願いしたいと思います。事務局のほうで、そのほか何かありませんでしょうか。

【事務局(吉田)】では、次回以降のスケジュール等につきまして説明させていただきたいと思います。資料の3がお手元の資料から抜けていたようですので、今配付させていただいております。本日、21年度第1回の計画部会を開催いただきまして、トータルで今回3回目ということでございます。それ以降、11月に今年度の第2回目の計画部会を開催したいと考えております。スケジュール等につきましては、これから調整をさせていただく形にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。また、本日ご審議いただきました基本方針でございますが、本日のご指摘を踏まえまして、こちらのほうで整理いたしまして、少し文章に落とした形でお示ししたいと考えているところでございます。なかなか項目だけですと、イメージ等、あとワーキンググループでの反映状況についてよくわからないところもございますので、次回は文章に落としたものをご審議いただきたいと思います。その作業に当たりまして、もし新たなご指摘等ございましたら、事務局のほうにご連絡いただければ、可能な限り反映させていただきたいと考えているところでございます。あわせまして、大学教育の実習のあり方につきましても、先ほど課長のほうから説明がございましたが、次回、計画部会の中で説明をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。事務局のほうからは以上でございます。

【山根部会長】ありがとうございました。そのほか何かございませんでしょうか。よろしゅうございますか。では、本日は長時間にわたりご審議いただきまして、まことにありがとうございました。これにて閉会させていただきます。

 

お問合せ先

消費・安全局畜水産安全管理課

代表:03-3502-8111(内線4530)
ダイヤルイン:03-3501-4094

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