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農林水産省

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平成21年度獣医事審議会第2回計画部会議事録

1.日時

平成22年2月22日(月曜日) 14時00分~16時30分

2.場所

農林水産省三番町共用会議所大会議室

3.出席者

委員8名 臨時委員9名 合計17名

〔委員〕
小野憲一郎、田中美貴、中川秀樹、中山裕之、細井戸大成、山田章雄、山根義久、米田久美子

〔臨時委員〕
大野芳美、藏内勇夫、佐藤浩二、菅澤勝則、田川福彦、内藤廣信、濱名張彦、堀口幸利、横尾彰

4.概要

平成22年2月22日

 

 

【山根部会長】では、定刻になりましたので、ただいまから平成21年度の獣医事審議会第2回の計画部会を開催いたします。この獣医事審議会計画部会は、獣医事審議会長の付託を受けまして、獣医療法第10条に基づく「獣医療を提供する体制の整備のための基本方針」の策定に関することと、獣医師法第16条の2に基づく臨床研修施設の指定に関することについてご審議をいただく部会でございます。これまで「獣医療を提供する体制の整備のための基本方針」につきましては、平成20年度に計画部会を2回、さらに産業動物、公務員、小動物、民間・研究の各分野のワーキンググループを各3回開催しまして、基本方針に盛り込むべき事項を具体的かつ詳細に議論してきたところであります。前回、昨年10月9日の計画部会では、産業動物、公務員、小動物、民間・研究の各分野のワーキンググループから検討結果をご報告いただき、その上で基本方針の骨子についてご議論をいただいたところです。本日の計画部会では、基本方針の案につきまして具体的に議論していきたいと思いますので、この基本方針を実効あるものにするためにもご協力のほどよろしくお願いいたします。なお、本日は、16時30分を目途としまして審議を行いたいと思いますので、ご審議が円滑に進みますようお願いいたします。それでは、委員の出欠状況につきまして、事務局からご説明お願いいたします。

【吉田課長補佐】では、委員の出席状況につきまして事務局から報告させていただきます。委員の方のお名前等につきましては、お手元の資料の中に名簿と座席表がございますので、ご確認いただきたいと思います。なお、本日は、委員定数17名のうち、藏内委員、濱名委員、米田委員、この3名の委員の方からは事前に欠席という連絡をいただいております。その結果、本日、14名の委員の方にご出席いただいておりますので、獣医事審議会令第5条の規定による過半数の出席を充足していることをご報告いたします。また、本日は、環境省から安田動物愛護管理室長にご出席いただいております。また、農林水産省から梅田大臣官房審議官にご出席いただいておりますので、ご紹介させていただきたいと思います。また、お手元の座席表でございますが、本日、米田委員ご欠席ですので、そこに横尾臨時委員に席をお移りいただいておりますので、修正のほうをよろしくお願いいたします。事務局のほうからは以上でございます。

【山根部会長】続きまして、配付資料の確認を事務局からお願いいたします。

【吉田課長補佐】では、お手元の資料をご確認いただきたいと思います。配付資料一覧のとおりとなっております。座席表と本日の議事次第、獣医事審議会の計画部会の委員等名簿でございます。また、本日の資料といたしまして、資料1、これはパワーポイントの資料を用意させていただいておりますが、「獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針の見直しについて」、資料2としまして、これは文章でございますが、「獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針(案)」、資料3といたしまして、「今後の検討スケジュール(案)」、資料4といたしまして、「獣医学教育による臨床実習のあり方について」、それとあわせまして、参考資料を1、2、3、3つ用意させていただいております。お手元の資料、過不足等ございましたら、ご連絡いただければ、事務局より届けさせていただきますので、ご確認のほどよろしくお願いいたします。以上でございます。

【山根部会長】ありがとうございました。何か不足するものはございませんか。よろしゅうございますでしょうか。では、議事に入りたいと思います。まず獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針についてですが、本日は事務局が準備をした第3次基本方針の案につきまして審議したいと思いますが、まずこれまでの検討状況等を整理したいと思いますので、事務局からご説明をお願いいたします。

【吉田課長補佐】では、お手元の資料の1、それと後ほど資料2、2つをごらんになっていただきたいと思います。本日、計画部会でご審議いただいておりますが、前回は10月ということで、かなり時間があいてしまいましたので、これまでどのような検討を行っていただいてきたのかというものを若干整理いたしましたので、まずこの場で概要についてご説明させていただきたいと思っております。パワーポイントの資料1をごらんいただきたいと思います。目次のところにございますが、まず1としまして、基本方針について。これはそもそも基本方針について何だったのかということについてまとめております。2のところで、次期基本方針策定に向けた検討について。これは一昨年の12月からこの審議会の場で次期基本方針につきましてご検討いただいております。これまでの検討の状況について概略をまとめたものでございます。この1と2につきまして、ここで概要を説明させていただきたいと思います。1枚めくっていただきまして、「基本方針について」ということでございます。1の1のところでございますが、まず基本方針について、そもそもどういうものかということについてでございますが、これは獣医療法第10条の規定で、国は獣医療をめぐる情勢の変化に対応した適切な獣医療の提供体制を計画的に整備をしていくため、基本方針を策定・公表することとなっております。これは具体的には、大きな柱が2つございまして、獣医療の提供に関する基本的な方向。これは近年の獣医療を取り巻く情勢の変化、それとその対応方針、こういうものをまとめるものとなっております。また、都道府県が計画的に策定するための考え方を次の5つの柱で、目標の設定ですとか、基本的な考え方、こういうものを考え方を示していくという形になっております。また、国が定める基本方針、これに即した形で、都道府県におきましては、基本方針に即した都道府県計画において獣医師の確保等に関する地域の目標等を定めまして、この目標達成に向けた関係者の努力を促進するということが獣医療法第11条に規定されております。このように、国及び県が連携・協力しながら、関係者の努力を促進して、獣医療の提供体制の整備を図っていくというようなものとなっております。1枚めくっていただきまして、3ページでございます。現在の基本方針についてでございます。現在の基本方針につきましては、平成12年12月に公表されております。その内容といたしまして、まず基本的な方向では、産業動物獣医師の確保、さらには診療施設の整備というものとあわせまして、平成12年に発生いたしました口蹄疫、これを契機といたしまして、疫学を基礎とした防疫体制の整備と緊急時を想定した組織的な家畜防疫体制の確立。こういうところに焦点を当てた内容となっております。これらに対応する形での都道府県計画の策定に関する考え方でございますが、まずは、産業動物獣医師の確保目標、それと整備が必要な地域の設定、組織的な家畜防疫体制の確立のための診療施設の連携、さらに卒後研修への計画的な参加の促進というような主な内容となっておるところでございます。また、現在の基本方針でございますが、目標年度が農林水産省告示で定められておりまして、平成22年度を目標年度とすると定められております。そういう意味で、現在の基本方針につきましては、終期を迎えるということでございまして、この計画部会での見直し、検討が始まったという経緯でございます。次、期基本方針の策定に向けた検討についてということでございまして、まず5ページをごらんいただきたいと思います。これまで当部会でご検討いただいた経緯でございますが、一昨年の12月に1回目の計画部会におきまして、現行の基本方針についての検証をいただいたところでございます。ここでは、獣医療をめぐる情勢ですとか、一部、都道府県等の取り組み、こういうものをご議論いただきまして、基本方針の見直しの開始についてご了承をいただいたところでございます。昨年の2月、第2回目の計画部会におきましては、先進的な地方自治体の取り組み等について紹介するとともに、獣医大学の卒業生の就職先等の調査についてご審議いただきまして、4分野のワーキンググループ、ここで具体的かつ詳細な検討を行うためにこのワーキンググループを設置することについてご審議をいただいたところでございます。4月から8月にかけましては、4分野のワーキンググループ、各3回ずつ開催いたしまして、昨年の10月、3回目の計画部会でございますが、各ワーキンググループからの報告を受けまして、次期基本方針の骨子案につきましてご審議をいただいたところでございます。この骨子案につきましては、ワーキンググループの報告書の内容を踏まえた内容という形でご説明をさせていただいたところでございます。6ページでございますが、「次期基本方針に盛り込むべき事項の検討」ということで、これは一番上の検証のところであったところでございますが、現在の基本方針につきましては、産業動物分野に重きを置いておるところでございます。一部小動物分野につきましては、研修の充実というような内容で若干触れているところでございますが、ほとんどの内容を産業動物で占めておるという状況になっております。その後、矢印のところには何も書いておりませんが、平成19年の5月、農林水産省が行いました獣医師の需給見通しの報告書が出ております。そこでは、産業動物獣医師の減少ですとか、公務員獣医師の確保の困難さというものが内容として含まれていたということでございます。また計画部会のご審議の中で、獣医療の体制の整備を検討していく上で、小動物分野の獣医療についても無視できない状況にある。近年の新規獣医師の就業先内容等も検討していく上では、小動物についてもきちんとした議論を行っていく必要があるというご指摘をいただいたところでございます。また、3つ目でございますが、産業動物、小動物、公務員以外にも、獣医療技術の向上を図る上で、民間・研究分野の獣医の活躍の期待というものも非常に高まっている。こういうことについても検討していく必要があるということで、4分野のワーキンググループで詳細かつ具体的にご審議いただいたところでございます。7ページをごらんいただきたいと思います。各ワーキンググループでのご検討いただいた報告書の概要を簡単にまとめたものでございます。ここでまず産業動物分野のワーキンググループでございますが、まず産業動物分野におきましては、まずは確保対策が必要である。また、食の生産現場、食品の安全性の向上ですとか、そういうところにおける産業動物獣医師の役割について、貢献に対する期待が高まっているというような背景をもとにいたしまして、産業動物分野のワーキンググループにおきましては、(ア)のところでございますが、学生に対する臨床実習の充実、修学資金の活用による産業動物獣医師の確保、こういうものが重要であるということとなっております。また、新規獣医師に対する卒後研修をやることによりまして、この分野への定着を促進する。さらには、専門性の高い卒後研修を実施することによって、付加価値の高い獣医療を提供していく必要がある。こういうような概要となっております。具体的には、下にございますが、早急に取り組むべき課題、これは今後5年程度で取り組むべき課題という形で整理いただいておりますが、まずは緊急の課題である産業動物獣医師の確保対策、これを早急に強化していく必要があるという内容となっております。また、生産者が求める付加価値の高い獣医療技術の提供による処遇改善を図っていく必要があるという内容となっております。また、中長期的な視点で計画的に取り組むべき課題。これは現時点で何もやらなくていいというわけではなくて、これはきちんと検討を進めていく必要がある。ただ、早急というよりは、計画的に取り組んでいく必要があるという形で整理いただいたものでございます。ここでは、産業動物診療に魅力を持たせる取り組み。これは共同研究の推進ですとか、診療体制の整備、こういうものを図っていく必要があるという点がまとめられております。また、他分野専門職、これは人工授精師もそうでございますし、動物看護職のような、獣医師と同じ獣医療の中で連携をとっていく他分野専門職、さらには、生産者、こういう3者の連携・協力のあり方について検討していく必要があるとされているところでございます。その他留意事項といたしまして、都道府県計画の早期の策定と整備の推進とあわせまして、大学教育の充実、さらには国民の理解醸成、食品の安全性向上のための生産者に対する研修充実、こういうものが重要であるという形で取りまとめていただいております。続きまして、公務員分野でございますが、これは産業動物と比較的よく似ておるんですけれども、公務員分野の獣医師の確保の必要性。さらには、研修を通じた質の向上を図っていく必要がある。こういうような背景をもとにいたしまして、学生に対する体験実習の充実ですとか、修学資金制度の活用、こういうものによる公務員獣医師の確保。さらには、これは公務員分野で議論されておりますけれども、復職研修の実施の充実を行っていく必要がある。また、夜間・休日体制、診療体制の整備、さらには獣医師の不足地域の解消に向けた取り組みの推進という、この3本の柱でまとめられております。ここで具体的には取り組むべき課題といたしまして、公務員重視の確保対策を早急に強化する。これは中身としましては、産業動物が非常に近い内容となっておりますけれども、その中では復職研修とあわせまして、全国規模の就業紹介システムの構築という点についても触れられているところでございます。また、中長期的な視点の課題でございますが、これは、公務員獣医師の業務に魅力を持たせる取り組み。さらには、公務員分野におきましても、他分野専門職との連携・協力のあり方、強化を推進していく必要があるとされております。その他留意事項につきましては、都道府県計画の早期策定とあわせまして、大学における公務員職務に関する教育の充実等について言及されているところでございます。続きまして、9ページでございます。小動物分野のワーキンググループでの報告書の概要でございます。ここでは、小動物分野の獣医師の研修の充実を通じた質の向上、さらには動物看護職の重要性、そういうものを背景といたしましてご審議をいただいたところでございます。このワーキンググループの報告書の内容でございますが、大学教育における臨床実習の充実による小動物獣医師の質の確保、それと、高度化する獣医療技術に対応するための研修の充実、動物看護職の統一資格化に向けた検討、こういうものが重要であるという位置づけをされております。具体的には、小動物獣医療の質の確保というところでございますが、これは大学での臨床実習の充実、さらには、卒業後、最新の技術ですとか法規知識、こういうものを習得する必要、さらには専門医の育成のための体制の整備、相談窓口の明確化等が示されております。また、もう一つの柱でございますが、動物看護職等他分野専門職との連携強化、これについては検討を進めていく必要があるとされたところでございます。また、小動物獣医療におきましても、公益性、これをきちっと国民に理解をしていただく必要があるというような観点からのまとめもされているところでございます。また、中長期的な課題の部分でございますが、引き続き高度獣医療に対応した研修の実施、さらには、動物看護職に必要な知識・技術水準、これの検討の必要性について触れられております。また、小動物獣医療におきましても、その他の留意事項のところでございますが、離島・中山間地域の無獣医師地域での獣医療提供体制の充実ですとか、情報提供の指針作成、動物用医薬品の適切な使用の促進、こういうものについて触れられているところでございます。4つ目のワーキンググループ、民間・研究分野でございますが、ここは、今まであまり獣医療の提供体制を検討していく上で考慮されてきていなかった分野でございます。ただ、新たなニーズに対応した技術開発、技術の普及等に非常に重要な役割を果たしているという認識で、ワーキンググループでご審議をいただいたところでございます。ここでは、新興・再興感染症等の新たな社会的なニーズ、これに対応した研究・技術開発の推進が必要である。また、それに対応するための人材の育成を強化していく必要がある。また、産学官が連携をした研究の推進、こういうものが重要であるという内容となっております。ここでは、特に早急にとか、中長期的にという形で大きく分けておりませんで、取り組むべき課題といたしまして、新たな社会的ニーズに対応した研究・技術開発の推進ということで、グローバル化の進展に基づく新興・再興感染症のリスク増大に対応した研究の推進とあわせまして、One Healthの考え方に基づく研究・技術開発、こういうものの考え方について取りまとめていただいているところでございます。また、民間・研究分野におきましても、専門性の高い獣医師の育成の推進が必要である。また、産学官が連携した研究の推進ということで、これは新たな社会的ニーズに対応した研究を推進していくためにも、産学官の連携が重要であるという認識が取りまとめられているところでございます。これらの4つのワーキンググループ、早口でまとめさせていただいたところでございますが、11ページ、12ページは、特にご説明することではございませんが、12ページでございますが、横に時系列、縦に大きな内容という形でまとめております。まず獣医師の数の確保、これは産業動物獣医師、公務員獣医師、ここではワーキンググループの報告書によれば、緊急的に確保対策をやっていく必要がある。そのためには、ここに書いておりますが、こういった取り組みが重要であるという内容となっております。また、質の向上というところ、緑色のところでございますが、ここでは、早急に取り組むべき課題と、これは分野を問わずということでございますが、研修の充実による社会的ニーズに対応した獣医師の育成というものについて大きくまとめさせていただいております。また、民間・研究分野でございましたが、産学官の連携、これを促進することによる研究・開発を推進する。さらには、高度な獣医療を提供していくためにも、動物看護職の統一資格化に向けた知識や技術の水準の検討、こういうものを進めていく必要があるという内容になっております。また、その他重要事項といたしましては、都道府県計画を策定するという話とあわせまして、獣医療に対する国民の理解の醸成というものにつきましては、分野を問わずにやっていく必要があるという内容となっております。また、中長期的課題につきましては、数の確保におきましては、魅力のある職場にするための取り組み、また質の向上のためには、研修の充実とあわせまして、他分野専門職との連携協力のあり方の検討、そういうものを進めていく必要があるというような大きなまとめとなっております。これまでの経緯につきましては、事務局からは以上でございます。

【山根部会長】ありがとうございました。それでは、ただいま次期基本方針策定に向けた検討につきまして説明がありましたけれども、何かご質問等ございませんでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。相当これにつきましては意見をいただき、またご意見を伺っておりますので、ご納得いただけますでしょうか。では、続きまして、新たな基本方針(案)につきまして、基本方針の重要事項まで、事務局からご説明お願いいたします。

【吉田課長補佐】では、お手元の資料1の13ページから16ページ、資料2の初めから3ページの33行目までご説明させていただきたいと思っております。まず、今回の見直しのポイント、14ページでございますが、先ほどもワーキンググループでの検討の結果を踏まえまして整理したというところでございますが、まずは基本的な考え方というところで、これは産業動物獣医師、さらには都道府県の獣医師、これらの確保措置、これを強化する必要があるというポイントが1つございます。また、社会的ニーズに対応した獣医療技術が提供できる獣医師を養成・確保していくための取り組み。これが1つのポイントでございます。さらには、3つ目のポイントといたしまして、重要な獣医療を提供するための獣医療関係者との連携・協力、これを強化していくというための取り組み。こういうものをここでは大きく取り上げて整理をしていっているところでございます。1枚めくっていただきたいと思います。15ページのところでございます。資料2の1ページのところをごらんいただきたいと思います。先ほどもご説明いたしましたが、基本方針におきましては、獣医療の提供に関する基本的な方向、ここでは近年の獣医療を取り巻く情勢の変化、これに対応する具体的な取り組み、こういうものを取りまとめる形となっております。ここでは、主要な課題につきまして、現状を3点ほど記載いたしました。また、それぞれの課題に対して対応方向を以降に取りまとめたという形となっております。この3点の課題でございますが、4ワーキンググループの議論を踏まえまして、問題意識ということで、(1)、(2)、(3)、この3点について課題を整理させていただいております。まず1つ目の課題でございます。獣医療を取り巻く情勢の変化としての1つ目の課題でございますが、食の生産現場における獣医師の役割の増大ということでございます。これはご承知のとおり、国内では高病原性鳥インフルエンザ、これは資料2の中段あたりとあわせてごらんいただければと思いますが、さらにはBSEが発生したということがございまして、安全で良質な畜産物の安定的な供給に対し、国民の期待が注がれております。その結果、食品の安全性、さらには畜産の振興による食料自給率の向上を図る上で、獣医師の一層の貢献が重要になっているという背景でございます。また、食料自給率の向上ですとか、畜産の振興、こういうものにつきましては、農林水産省のほうで食料・農業・農村基本計画、さらにら、酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針、こういうところでも審議が今行われているところでございますが、畜産業におきましては、さらに使用規模の拡大、こういうものがどんどん進展しているという背景にございます。このためには、獣医師に対しましては、農場単位の集団管理衛生技術、こういうものの提供に対する要請が高まってきているという大きな取りまとめをさせていただいております。また、資料2の2ページの一番上のあたりでございますが、農場段階へのHACCP手法の導入、さらには幅広い獣医療の提供、こういうものに対する獣医師の責務が要請されておりますし、また、生産者や消費者等からは、獣医療の提供を受ける者からは、良質かつ適切な獣医療を提供する獣医師の責務に対する関心も高まっているというような背景でございます。2つ目の課題、ポイントでございますが、高度な獣医療の提供に対する社会的ニーズの高まりというところでございます。これは小動物分野を中心といたしまして、最先端医療技術の獣医療現場への導入が今進んでおります。これに伴いまして、獣医師と獣医療に携わる関係者の連携の必要性という大きなまとめをしております。具体的には資料2の2ページの2段落目の(2)のところでございますが、小動物を中心に、最先端の獣医療の技術の現場への導入が進められる。これとあわせまして、動物に対する総合的な保健衛生、さらには適切な飼養の推進、こういうものの普及が求められております。このような考え方は、畜産現場のほうからも求められておりまして、最新の診療技術、治療方法の積極的な導入、これらについて要請が高まっております。このように、小動物、産業動物におきましても、獣医療の現場におきましても、獣医師による高度かつ多様な診療技術の提供、こういうものが求められております。また、こういうような提供を進めていく上で、動物看護職等の連携の必要性が高まっております。また、動物看護職につきましては、専門教育のレベルが必ずしも一定していないというような課題が指摘されているという形で取りまとめさせていただいておるところでございます。3つ目の柱でございますが、緊急の課題としての産業動物獣医師等の養成・確保というところでございます。これは先ほど来議論しております産業動物獣医師の確保、さらには公務員獣医師の確保についても、早急に取り組んでいく必要があるというようなニーズということでございます。2ページの(3)の33行目以降でございますが、これは農林水産省の行った需給見通しの内容でございますが、産業動物分野、公務員分野の獣医師、これは現状のままでは不足するという見込み。そういうようなことを背景といたしまして、まず専門職としての社会的評価が行き届いていない。また、教育の場においても、その意義、魅力について知る機会が少ない。また、小動物分野に比べて、所得の格差が生じている。こういうような指摘がございます。こういうような指摘もございまして、学生の新規獣医師、こういう方々が都市部の小動物分野へ集中するという傾向が進んでいる。そういうような現状認識を示させていただいているところでございます。このためには、社会的ニーズに即した安全で良質な畜産物を安定的に供給していくには、これらの産業動物・公務員分野の獣医師の確保、こういうものについて強化を図っていく必要があるという形でまとめてさせていただいているところでございます。このような情勢の変化、課題の整理を行った上で、今回基本方針の重要事項という形で2ポツでまとめさせていただいております。これは、今回の基本方針の中でどういう方向に向かって取り組んでいくのか、わかりやすく示すということとあわせまして、基本方針につきまして実効性のあるものにしていくための取り組みについてここで明記させていただいているところでございます。パワーポイントの16ページのところでございますが、この重要事項といたしまして、まずは国及び都道府県は、基本方針及び都道府県計画の取り組み状況、これをまず定期的に検証していく必要がある。さらには、関係者に対する指導助言、その他の援助の実施などに努力していくということを記載させていただいているところでございます。その具体的な基本方針の内容といたしまして、今回は、社会的ニーズに対応した獣医療を提供できる獣医師の養成・確保を推進する内容。さらには、良質かつ適切な獣医療を提供していくための獣医師と獣医療に携わる関係者との連携・協力を推進。3つ目の重要なポイントといたしまして、偏在等により今後不足が予測される分野、具体的に言えば、公務員・産業動物分野でございますが、この獣医師の確保対策を強化していく必要があるという内容を大きく重要な事項という形で整理させていただいております。これ以降につきましては、分野ごとの基本的な方針ということでございまして、獣医療の提供に関する基本的な方向のうちの情勢の変化、それと重要事項の整理の状況につきまして、事務局からご説明させていただいたところでございます。事務局のほうからは以上でございます。

【山根部会長】ありがとうございました。ただいま事務局からご説明がありました獣医療の提供に関する基本的な方向のうちの近年の獣医療を取り巻く情勢の変化と基本方針の重要事項、それぞれ3項目ずつ説明がありましたけれども、何かご質問等ございますか。

【山田委員】事前に意見を伺ったときに言っておけばよかったんですけれども、ちょっと失念しておりました。現状を見たときの喫緊の課題としての特定の分野に人が集まらないというところに関しまして、公務員の部分が公務員として一くくりで書いてあって、中身が家畜衛生行政等に携わる公務員獣医師と、その部分に不足しているということで、重要な公衆衛生に携わる獣医師というのがあるので、できればここを「等」で一くくりでなく、定義という意味で、ここを並列で記載していただければと思うんですけれども。後のほうを見ていくと、公衆衛生という言葉が必要に応じて出てきているんですけれども、最初、現状認識のところで、公衆衛生に携わる獣医師というものが重要な位置を占めているにもかかわらず、その数が不足しているというニュアンスが少し入るほうが、ワーキンググループを担当した者としては、そのようにしていただけるとありがたいと思うんですが。

【山根部会長】いかがでしょうか。そのほかございませんでしょうか。よろしゅうございますか。

【中川委員】直接的な質問にはなりませんが、3つ書かれている近年の獣医療を取り巻く情勢の中に、小動物の分野で、確かにここに書かれている先端獣医療の現場への導入、獣医師と獣医療にかかわる関係者の連携の必要性はあるんですが、小動物の獣医療に一般社会の国民が求めているものは、これだけではないんですね。もう一つ大事なことは、飼育者のニーズに沿った獣医療を提供できる体制が不十分であるためにいろいろな問題が起こっているという現実ももう一方であるので、これだけでは私は……。ほんとうはワーキングの中できちっとしたことを書くべきだったんでしょうけれども、すべての小動物の獣医療を求める人たちが高度医療だけを求めているわけではない。もう一方で、獣医療の質が今、ある意味で担保されてない状況があって、非常に国民から期待を裏切るというか、そういう形での問題がそこそこに出てきているということもありまして、何でもかんでも動物の疾病について、それを完治させてほしいというニーズではなくて、どういうふうに獣医師に対応してもらえるのかという国民の期待を、それぞれの事情によって対応できる獣医師の獣医療の質というものが必要だということをどこかで書いていただければありがたいかなと私は現場の人間として思います。

【山根部会長】それは具体的には、2ページの2の高度な獣医療の中でですか。

【中川委員】そうです。

【山根部会長】いかがでございますか。それとなくとれるところもありますけれども、鮮明に入れていただきたいということだと思いますけれども、よろしゅうございますか。

【吉田課長補佐】私どもの認識としまして、今、中川先生のほうからのご指摘につきましては、(2)の社会のニーズの高まり、高度な獣医療の提供と書いてありますけれども、ここの中で触れさせていただいているつもりでございまして、表現文については、またご相談させていただければと思っております。

【山根部会長】タイトルが高度な獣医療と振っちゃってありますから、なかなか難しいかと思いますけど、検討していただけませんでしょうか。よろしくお願いいたします。そのほかはよろしゅうございますでしょうか。それでは、続きまして、資料1の19ページまで、19の番号まで、事務局からご説明お願いいたします。

【吉田課長補佐】では、先ほどは大きな概念的なところのご説明をさせていただいたところでございますが、これからは、資料1は17ページ、18ページ、19ページ、資料2につきましては、3ページの34行目以降について説明させていただきたいと思います。まず資料1の17ページ、パワーポイントの資料をごらんいただきたいと思います。ここ以降は、各分野ごとの獣医療の確保のためにどういうような対応が必要かというような取りまとめをさせていただいているところでございます。まず産業動物分野及び公務員分野における獣医療の確保というところでございます。ここにおきましては、先ほど3つほどの課題を整理しておりますが、それを踏まえまして、まず新規獣医師参入の減少ですとか、高齢化、その一方で、疾病の複雑化ですとか、生産者が求める集団管理衛生技術の提供、こういったものの対応をしていかなきゃいけないというような背景で、課題として大きく3つ整理させていただいておるところでございます。まずは、これらの分野におきましては、まずもって産業動物獣医師、都道府県の獣医師の確保をしていかなきゃいけないという整理をしております。このためには2つ、資料2の4ページの2段落目のところでございますが、大きく2つの内容としておりまして、1つは、学生を産業動物分野へ誘引するための措置を充実していく必要がある。これとあわせまして、これらの分野における労働をめぐる環境の改善という取り組みを図っていく必要があるとまとめさせていただいたところでございます。学生に対する誘引する措置の充実というところの具体的な内容は、産業動物分野のワーキンググループ、公務員分野のワーキンググループの内容にもございますが、学生の臨床実習の充実ですとか、さらには修学資金の制度の活用というようなものが当てはまるということになります。また、労働をめぐる環境の改善というところでございますが、これは前回の計画部会の中でも議論になったポイントでございますが、これは、先ほど来、産業動物獣医師につきましては、例えば専門職としての社会的評価が行き届いていないですとか、小動物分野と比較して、所得等の格差がある。こういうような背景がございまして、このためには、当然国民の獣医療に対する理解の醸成を図っていくとともに、付加価値の高い技術の提供ですとか、また民間団体の獣医師の処遇の改善、さらには職場環境の整備、勤務体制の整備、動物看護職等の連携・協力のあり方、こういった幾つもの多くの課題、これがそれぞれのワーキンググループの中で示されたところでございます。そういったこれらの課題を解決していく必要があるというような考え方、それをまとめまして、これらの分野における労働をめぐる環境の改善を図るという形で取りまとめさせていただいたところでございます。また、2つ目の柱でございます(イ)のところでございますが、確保のためには、先ほどワーキンググループの報告書にもございましたが、採用・求職情報の一元化と情報提供の全国ネットワーク化、さらには復職のための支援の措置の充実を図るという形でまとめさせていただいております。産業動物・公務員分野の獣医師の確保というところで、もう一つの重要な柱といたしまして、診療施設の整備、さらには統廃合が進んでおります市の設備、それの総合機能の、さらには業務の連携、これを図っていく必要があるという内容をまとめさせていただいております。この内容につきましては、現行の基本方針の中身とほとんど変わっておりませんので、内容については割愛させていただきたいと思います。3つ目の柱といたしまして、獣医師の養成と獣医療技術に関する研修体制の整備を図っていく必要がある。具体的に言えば、生産者が求める獣医師を育成していくための研修の充実を図っていくという内容でございます。資料2の4ページ、下から3行目のところでございますが、体系的な整備というところで、まず1つ目でございます。飼育動物の診療を業務とする新規獣医師に対しまして、実践的な診療技術の習得、さらにはコミュニケーション能力の向上、これに加えまして、獣医療に関する法令、食品の安全性に対する理解の醸成を図る機会の増大を図る。また、公務員分野の獣医師におきましては、特に行政に携わっていく上で必要な基礎的な知識、さらには病性鑑定技術、こういうものの習得を図る機会の増大という内容としております。さらには3つ目でございますが、管理獣医師の養成のための集団管理衛生技術等の習得を促進する内容。さらには、緊急時の防疫指導にかかる知識、さらには高度な診療技術の習得を促進するというような内容とさせていただいているところでございます。以上が産業動物分野、さらには公務員分野における獣医療の確保の中で重要な対応方針の内容で整理させていただいているものでございます。

続きまして4ポツの小動物分野における獣医療の確保というところでございます。このための基本的な方針はどういうような形でいくのかというものでございます。ここでは、小動物分野におきましては、基本的な部分は、当然でございますが、より高度かつ広範な診療技術の提供、さらには保健衛生指導、こういうものが要求されている。そういうものを背景といたしまして、小動物分野におきましては、飼育者のこうしたニーズに適切に対応した獣医療を提供し得るように、獣医療技術の習得体制、さらには保健衛生指導の充実を促進していく必要がある。具体的には、大きく4つの柱に分けておるところでございます。1つは、小動物分野の獣医師の養成と獣医療技術に関する研修体制の体系的な整備という内容でございます。まず1点目でございますが、新規獣医師の実践的な診療技術の習得、さらには飼育者とのコミュニケーション能力、法令の理解醸成、こういうものを図っていく必要がある。2つ目は、高度な診療機器、診療技術、こういうものを使う機会が非常に多いということから、最新の診断・治療技術の習得の促進を図っていく必要があるという内容としております。2点目のポイントでございますが、小動物分野におきましては、特にチーム獣医療提供体制の整備を図っていく必要がある。このためには、動物看護職の地位や身分の確立を図っていく必要があり、このためにはまず将来的な統一資格化に向けて動物看護職の技能・知識の高位平準化の検討を、獣医師が組織する団体、関係団体等が中心となって検討を進めていく必要があるとまとめさせていただいております。3つ目のポイントでございますが、小動物の飼育者に対する保健衛生指導の充実の促進、小動物獣医療に対する監視指導体制の整備とあわせまして、獣医療の相談窓口の明確化を図っていく必要があるという点でございます。最後に4つ目でございますが、1次診療施設と2次診療施設の連携・協力、こういうものの合意形成につきまして推進していく必要があるという整理をさせていただいているところでございます。続きまして、パワーポイントの資料の19ページ、それと資料2の6ページの11行目以降のところでございますが、獣医療に関する技術開発というところで、ここでは、主に民間・研究分野のワーキンググループでご議論いただいた内容を踏まえまして整理をさせていただいているところでございます。ここでは、パワーポイントのほうの資料でございますが、インフルエンザ、さらにはアルボウイルス感染症などの新興・再興感染症対策、またOne Healthの考え方に基づく学術研究、さらには技術開発、こういうものを産学官が連携して推進していく必要がある。また、このためには、高度な獣医療、獣医学的な知識、さらには実験動物等の愛護や適正な飼養に関する知識、語学力ですとか、自己表現力を兼ね備えた獣医師を養成していく必要があるという内容にさせていただいております。最後の6のところでございます。その他重要な事項というところでございます。これは1から5までに整理できなかったものでございますが、基本的な方針を検討していく上で重要な事項を3点ほど整理させていただいております。まず1点目でございますが、飼育者に対して家畜衛生、食品の安全性の向上、さらには感染症予防等に関する情報等を与えまして、そういう知識、こういうものを啓発していく必要性。2点目でございますが、夜間・休日における診療体制の整備、こういうものにつきまして、獣医師が組織する団体等が中心となって、合意形成に努めていく必要性。さらに3つ目は、獣医療全体の話でございますが、獣医療の果たす役割につきまして、国民の理解を増進する取り組みを推進していく必要がある。この3点をその他重要な事項という形で整理させていただいたところでございます。以上が第1の獣医療の提供に関する基本的な方向でございます。以降は、都道府県計画を策定するための基本的な考え方となりますので、また後ほどご説明させていただきたいと思います。事務局からは以上でございます。

【山根部会長】ありがとうございました。ただいま事務局から産業動物分野及び公務員分野における獣医療の確保から始まりまして、小動物分野における獣医療の確保、獣医療に関する技術開発、その他の重要な事項と、4点につきまして詳細な説明がございましたけれども、何かご質問ございますか。

【中山委員】質問というか、要望なんですけれども、よろしいですか。これを見てまいりますと、教育ということに関しましては、卒後教育のことはよく書いてあるんですね。卒前の大学教育のことについては、それぞれのワーキンググループで、民間・研究のほうではかなり話をしたと思うんですけれども、あまり卒前教育のことは書いていませんで、今、獣医学教育の改善についていろんなところで議論されていますけれども、例えば獣医学の教育の質保証ということがキーワードになって議論されていると思いますので、資料2の6ページの5番の(イ)のところがありますね。高度な獣医学的知識、実験動物等の愛護や適正な飼育に関する知識、語学力、自己表現力を兼ね備えた獣医師を養成する措置の充実を図る。このところの2行目、獣医師を養成する、例えば質の高い卒前及び卒後教育の充実を図るというような文言に変えていただいて、この2番を5番のところではなくて、6番のその他重要な事項のところに移すことはでなきいのかなと思ったんですけれども、いかがでしょうか。

【吉田課長補佐】大学教育におけるご議論につきましては、ほぼすべてのワーキンググループの中でご議論がありまして、重要性というものは私ども非常によく認識しているところでございます。ただ、この基本方針につきましては、農林水産大臣が定めるものという位置づけとなっておりますので、そういう意味では、卒前教育に関する内容につきましては、きょうもオブザーバーで参加いただいておりますけれども、文部科学省で今ご議論いただいている内容と認識しておるところでございます。そういう意味で、私どものほうで書ける内容ということで、ワーキンググループの報告書の中から、農水省のほうできちっと取り上げていく課題というものを整理させていただいております。教育のほうにつきましては、きょうは伊藤補佐もおりますので、この辺のご議論、各ワーキンググループのご議論も十分ご理解いただいておりますので、そこにおける検討は文部科学省さんのほうにお譲りするという形で整理させていただければと考えているところでございます。

【中山委員】お立場の違いはよくわかりますけれども、やはり書いていただいたほうが、我々実際に教育する者からしてみると、すっきりするような気がするんですけれども。ちょっと検討していただくとありがたいんですが。

【池田課長】今、説明をさせていただきましたように、農林水産大臣が定めて、都道府県が基本計画をつくるわけでありまして、大学教育とはちょっと違う部分がございます。ただ、皆様方のご議論の中で、じゃあ、我々が大学教育との関係で何ができるのかという部分につきまして、この基本方針が終わった後にまたお話をするわけですが、実習の部分について農林水産省として何ができるか。その部分については、我々もやっていこうと。そういう整理を実はしておるわけでありまして、そういうことをもって、教育の分野で我々ができる部分は、基本方針とは別の部分でやっていきましょうということが1つ。それからもう一つは、ワーキンググループでご議論いただいたもの、あの成果は、決して眠るわけではございませんので。あの中でいろいろおっしゃっていただいた部分については、あのペーパーの形で文部科学省さんのほうに提出をさせていただくという形で取り計らわせていただければと思います。

【山根部会長】よろしいでしょうか。ありがとうございました。そのほか。

【佐藤臨時委員】今のと同じようなポイントなんですけれども、資料1と2との関係がまだ十分理解できてないんですけれども、資料2のほうの6ページのところには、今お話しになりました(ア)と(イ)ということで、(ア)はどちらかというと、大勢といいますか、総体としての視点からのまとめ、そして(イ)は、個々の獣医師としての視点からのまとめといったようなことではないかなと思うんですけれども、資料1のほうの19ページの5のところには、(ア)の総体的なところについてのみ書かれているのではないかなと思いますので、もしできれば、(イ)の要素も、どこまで取り込むかはまた全体のこともあるかもしれませんけれども、個々の獣医師のこういったような獣医師の養成を目指すんだということがあれば、先ほどのご議論に若干なりともこの審議会の中での検討してきたニュアンスといったものも盛り込めるのではないかと思うので、ぜひご検討いただければと思うんですが。

【吉田課長補佐】(ア)は、説明が十分でなかったところでございまして、申しわけございませんでした。資料1につきましては、資料2を説明する中で概要を引っ張りだしてきているということでございます。ですから、ここでスペースの問題ですとか、説明する時間等で、若干文章として入れてないところがございますけれども、これは説明する内容という形でご理解いただければと思っております。

【山根部会長】よろしいですか。

【佐藤臨時委員】資料2のほうで、1と2ということで、ややもすると、視点が違うところからまとめているのではないかなと思うだけに、総体の資料1のほうでも、エッセンスだけでも結構だと思いますので、まとめてここに記載するほうがよろしいのではないかなと思うんですけど。

【山根部会長】よろしいですか。ありがとうございました。

【菅澤臨時委員】ただいまのようなお話の仕方で、資料2の4ページの9行目からのところの確認と要望なんですけれども、産業動物獣医師と公務員、特に診療する獣医師の確保というところなんですが、ここにまとめてありますように、要は、1つは学生さんが飛び込んできてくれるような質を求めようということと、それからもう一方、労働をめぐる環境の改善を図ろうということ、これについては全く異議がないんですけれども、この2つの中での論議の中で、具体的方法として、1つは、定められている診療点数の見直しということがあったと思います。それから、いま一つは、診療報酬、要は収入ですけれども、そこの2つが図られる必要があるだろうということで、ここに書かれているものについて異議を唱えるわけではございませんけれども、1つは、診療点数については、農林水産省の別の角度から見直しを図る検討がなされていると伺いましたので、その部分をもう一度確認したいのが1つと、それから、診療獣医師の収入という部分で、ここには盛り込めないし、とても書けないということもある程度わかっているつもりなんですが、獣医師会の別の角度から、ぜひまた検討していただくような、そういう要望を持って、確認、要望というふうにお願いしたいんですけれども。

【山根部会長】今、診療点数につきましては、保険課のほうでも検討しているんですね。ちょっとその概要を。

【吉田課長補佐】きょうは共済制度をやっております経営局、出席をお願いしていたんですけれども、別の会議等で出席できないものですから、幾つか情報を預かっておりますので、この場でご説明させていただきたいと思います。共済制度につきましては、今、農林水産省の中で、共済制度のあり方につきまして、きちっとした検討を改めてし直す必要があるという認識のもと、いろんな角度からの検討の準備をやっているという状況でございます。その中でどういう検討をするのかというのは、国からの支援の方法というのも当然ございますけれども、その中で、獣医師が置かれている立場、具体的に言えば点数表の見直し、そういうものも今回の農水省が進めようとする検討の内容の中に含まれるであろうというような情報をいただいておるところでございます。そういう意味で、農水省とはまた別のところで、別の局になりますけれども、そちらのほうで共済制度を中心に獣医師の処遇改善等についても考慮した検討について進められると聞いておりますので、この場をかりてご紹介していただければと思っております。

【菅澤臨時委員】ありがとうございます。後段のほうは、むしろ部会長にまたお願いしたいということで、ひとつお願いいたします。

【山根部会長】獣医師会としましても、先だっても獣医師会に来ていただきまして、具体的にかなり突っ込んだ話をさせていただきました。といいますのは、現状の共済制度、ずっと何十年来ているわけですけれども、家畜診療所の運営さえ非常に厳しくなってくる環境の中で、ましてや指定獣医師の問題、開業獣医師の問題、これらが生活基盤さえ維持できないというような現状をかんがみて、これは根本から見直すべきだという強い意見を述べておりますので、何らかの具体的な方向性が出てくるのではないかな。それにあわせてこちらも対応しようと思っております。よろしいでしょうか。

【菅澤臨時委員】ありがとうございました。

【山根部会長】そのほかございませんでしょうか。

【山田委員】文言みたいなことで申しわけないんですけれども、One Healthとか、人獣共通感染症という言葉が出てくるんですけれども、出てくる場所が特定の部分で、例えば民間の研究だとか開発のところにOne Healthというのが出てきますけれども、One Healthというのは、もっと大きな、言ってみれば、前段のところのどこかに出てくるような非常に総論的な考え方だと思うので、ここで特出しするよりは、もう少し全体的な中でOne Healthという部分を全体の報告書の中に生かしていただければと。それから、ズーノーシスに関しても、小動物診療だけにかかわる話ではなくて、産業動物でも、どこでもかかわることですし、我々獣医師として非常に重要なところなので、1カ所だけにぽこっと出てくるというと、ちょっと違和感があるので、どこかもっと上のほうで触れていただけるほうがいいかなと思いました。

【山根部会長】いかがでしょうか。

【吉田課長補佐】いろいろ修正させていただいて、またご相談させていただければと思います。よろしくお願いいたします。

【山根部会長】そのほかございませんでしょうか。よろしゅうございますか。それでは、続きまして、資料1の最後のページまで、事務局からご説明お願いいたします。

【吉田課長補佐】それでは、資料1の20ページ目から最後までと資料2の7ページの7行目以降につきまして、今回の変更のポイントをご説明させていただきたいと思います。第2の診療施設の整備及び獣医師の確保に関する目標の設定に関する事項、これ以降の事項につきましては、基本方針策定後なんですけれども、都道府県が都道府県計画を策定するための基本的な考え方となっております。内容につきましては、現行の基本方針、ここに若干加えているところがございますので、今回修正した変更のポイントを中心に説明をしていきたいと考えております。パワーポイントの資料の20ページをごらんいただきたいと思います。まず第2ということで、都道府県計画において、診療施設の整備、もう一つは獣医師の確保、これに関する目標の設定に関する事項ということで、ここでは大きく2つの目標設定がございます。ここはまず1つ目でございますが、診療施設の整備に関する目標というところでございます。これは、基本的に従前と同じなんですが、今回は、ワーキンググループのご議論等を踏まえまして、「個々の診療施設の機能の向上を図るとともに」の後でございますが、これは追加させていただいております。「診療技術の高度化の進展や診療提供形態の多様化に対する飼育者のニーズの動向、獣医療の需給状況等を勘案し」と、ここの部分を今回は加えております。こういったもの、さらには疾病予防、それから集団管理衛生技術までの包括的な獣医療が提供できる体制を確立すると。こういうことに配慮していく必要があるという内容としております。2つ目の目標でございますが、獣医療の確保に関する目標というところで、ここでは、産業動物獣医師について設定するということで、これは前回と変わっていないところでございます。ただ、後段でございますが、診療体制の整備状況、資料2でいけば7ページの32行目、(キ)のところです。この部分につきましては、今回追加をさせていただいているところでございます。続きまして、第3、獣医療を提供する体制の整備が必要な地域の設定に関する事項でございます。これは、どの地域において獣医療の提供体制、あるいは整備を行っていく必要があるのかということの設定のための基本的な事項となっております。ここにおきましては、まずは、整備に関する目標、獣医師の確保に関する目標、これを達成するための計画的な取り組みが必要と見込まれる地域であって、将来にわたり産業として畜産の振興が見込まれる地域、これは従前と同じになっております。「又は」、以降、加えておりまして、「地域獣医療の公益性が考慮される地域を対象とする」。公益性が考慮される地域、この部分を今回追加しているところでございます。この内容につきましては、資料2の8ページの11行目あたり、ごらんいただければと思いますが、畜産振興が見込まれる地域以外にも、ワーキンググループでも議論がございましたけれども、離島ですとか、中山間地域での無獣医師地域における適切な獣医療の確保、こういうものなどの公益性、こういうものが認められれば、都道府県計画の中で検討していっても構わないという内容にさせていただいているところでございます。この部分を追加させていただいております。続きまして、第4、診療施設、その他獣医療に関連する施設の相互の機能及び業務の連携というものでございます。これは、診療施設につきましては、先ほどからご説明させていただきましたが、統廃合等で連携体制を整えていかなければいけないと。さらには、高度な獣医療を提供するためには、専門的な検査機器等が必要になりますので、そういうものを個々の診療所が整備するというよりは、使い方について体制を整えていく必要があるという内容を整理しているところでございます。ここにおきましては、特に大きな変更はございませんが、こういった個々の診療施設、さらには診療施設の相互の機能・業務の連携を図るためには、都道府県計画におきましては、1から6の内容について配慮していく必要があるとまとめております。まず1つ目は、パワーポイントの(ア)のところでございますが、組織的な家畜防疫体制の確立のためということでございます。これは従前より内容は変わっておりませんが、家畜保健衛生所と診療獣医師が一体となった組織的な家畜防疫体制の確立を推進していく必要がある。2つ目、診療施設・診療機器の効率的な利用を促進するという観点から、当該地域における診療獣医師が、診療施設ですとか診療機器を利用する際の効率的な利用について検討をする必要があるということでございます。3点目は、獣医療情報提供システムの整備というところで、家畜衛生保健所ですとか、あと民間の検査所、さらには衛生検査等でいろんな成績がございます。そういうものをできるだけ有効に活用していくような獣医療情報の提供システムの整備を進めていく必要があるという内容でございます。4点目、これは衛生検査機関との業務の連携を図っていくためということでございますが、パワーポイントに誤植がございましたが、訂正できていないんですが、特殊な技術を提供するため、「検」という字を削っていただければと思います。特殊な技術を提供するための衛生検査機関との業務の連携を進めていく、推進していくことが必要である。5つ目でございますが、診療効率の低い地域に対する診療の提供を図っていくという観点から、当該地域における診療体制の整備を促進するということとあわせまして、十分な診療の提供ができない場合におきましては、家畜保健衛生所等の公的機関による補完的な診療の提供に努めるという内容になっております。最後、6番目、これが現行の基本方針から加えたもの、今回追加したものになっております。産学官が連携した研究開発ということで、これを行うために新たな社会的ニーズに対応した産学官が連携をした研究開発の推進、こういうものを図っていく必要があるという形で整理させていただいております。

続きまして、パワーポイントの資料の22ページ、第5のところでございますが、獣医療に関する技術の向上に関する基本的事項ということでございます。これは現場で活躍されている獣医師の方々に関しましても、研修への参加を促進する等、行うということを通じまして、獣医療に関する技術の向上を図っていくための基本的な事項をまとめているものでございます。これも、都道府県計画において、次の大きく1から3の内容に事項を配慮して、検討を進めていくという内容となっております。ここでは、ワーキンググループでのご議論も結構深まっているところでございまして、幾つか追加的に記載をさせていただいております。まず1つ目、臨床研修でございます。これは新規獣医師に対しまして、実践的な技術、これに加えまして、これは追加の部分でございますが、法令、食品のリスク管理に関する最新の知識・技術、ここを加えておりますが、これの習得を促進する。2つ目、これも追加しております。公務員獣医師の家畜衛生、公衆衛生等行政に必要な知識・技術の習得を促進する。この2点を追加させていただいております。また、2点目でございますが、高度研修でございますが、これは産業動物分野において、地域の獣医療の指導者、さらには管理獣医師の育成を促進するという内容。さらには、小動物分野においては、専門性の高い――これは「専門性の高い」というのを加えておるんですけれども、小動物獣医療技術の習得、こういうものを促進していく必要がある。さらには、全分野でございますが、高度診療技術、それと最新の効率性の高い技術の習得を促進する。これは従前からでございますが、この3点の高度研修を考慮していく必要があるという内容にしております。さらに3つ目でございます。生涯研修等としております。ここでは3点ほどございまして、1つは、獣医療技術の進展に応じた獣医療の習得を促進するという内容でございます。1点目のところでございますが、さらには、こういった獣医療の技術を習得していくためには、各種の新しい情報媒体を活用した教材の活用の研修を促進していく必要があるという内容が含まれております。あと、2点目、3点目、これは今回加えた内容となっております。2点目でございますが、求職・離職中の獣医師を対象とした技術研修への参加、いわゆる復職研修への参加を促進する必要がある。もう1点目、3点目でございますが、獣医師の専門制度等の導入に向けた検討を促進していく必要がある。こういった点につきまして、都道府県計画を策定するに当たっては配慮していく必要があるとまとめております。

最後のところでございますが、パワーポイントの資料の23ページ、資料2の11ページの14行目以降のところでございます。その他の獣医療を提供する体制の整備に関する重要事項ということで、これは第1から第5までの中に入らない内容であっても、都道府県計画等を検討していく上に当たりまして、配慮していく重要な事項という形で整理しているものでございます。ここでは、地域の実情に応じ、獣医療を提供する体制の整備に必要な事項を定める。都道府県計画を策定するに当たっての重要な事項ということでございます。ここでは4点ほど挙げさせていただいております。まず第1点目でございます。これは今回加えた内容になっておりまして、行政分野において適切な獣医療が提供できる体制の整備、これらを図っていくために、監視指導体制の整備、さらには獣医療に関する相談窓口の明確化ですとか、こういうものの検討を促進していく必要がある。さらには、地域の獣医療を検討していく上では、これまでの産業動物獣医療、さらには家畜衛生行政、これに加えまして、公衆衛生行政、さらには動物愛護・福祉行政、小動物獣医療、こられについても積極的に考慮していく必要があるというのを資料2の文章のほうで書かせていただいております。第6の2つ目のポイントでございます。これは、飼育者の衛生知識の啓発・普及等というところでまとめております。ここでは、文章のほうでは大きく2つに分けておりますけれども、まず産業動物分野におきましては、今までの自衛防疫活動、こういうものをはじめとした飼育者に対する家畜衛生に対する知識に加えまして、食品の安全性の向上に関する知識・技術の一層の啓発・普及というものにも努めていくという内容としております。

また一方、小動物におきましては、飼育者に対する衛生知識の啓発・普及、さらには健康相談等の活動の促進を図るという観点からのものについてはここで整理しております。さらにこの分野におきましては、インフォームド・コンセントの徹底ですとか、獣医師の組織する団体等が中心となって進める新医療施設の専門家、こういったものの条件整備の促進を図っていくことが重要であるとまとめてさせていただいております。3点目の広報活動の充実というところでございますが、ここでも、1つは、夜間・休日診療を提供する診療施設に関する広報活動に加えまして、今回加えておるのが、専門性の高い診療技術を提供する2次診療施設を今回加えさせていただいております。最後、4点目でございますが、診療施設の整備というところでございます。これは今回加えております。ここでは、都道府県計画に基づきまして、診療施設の整備を推進していく必要があるわけでございますが、この場合には、獣医療法15条の規定、ここには日本政策金融公庫が実施する農林漁業施設資金の融資の活用というものがございます。こういうものの一層活用を図っていく必要があるということについて、ここで追加させていただいたものでございます。以上が基本方針の中で、特に都道府県が計画を策定するための基本的な考え方の部分でございます。特に追加したところを中心に説明させていただいたところでございます。事務局からは以上でございます。

【山根部会長】ありがとうございました。ただいま事務局から第2の診療施設の整備及び獣医師の確保に関する目標の設定に関する事項から、農林水産省の獣医療体制の整備の推進までご説明がありましたけれども、何かご質問ございませんでしょうか。

【細井戸委員】今、産業動物の獣医師とか公務員獣医師の不足という話で、皆さん方がすごく検討したり、頭を悩まされたりして、ここ数年よく聞いていると私自身も思うんですけれども、この中に広報活動という言葉が出ていますけれども、実際獣医療自身の広報活動として、今回、私、小動物という言葉で一応了承はしておりますが、一般の国民から見たら、家庭動物を対象にした診療ということで、年間1,000人の学生の500人が進むというのは、明らかに獣医療として国民に認知されている仕事というのに学生というのは比較的進みやすいとか、そういうようなこともあるのではないかなと。私自身30年前に卒業したころは、大多数の方は、研究職であったり、民間、大学含めて、あるいは、公僕として、公務員として誇りを持って仕事をしたいとか、産業の振興のために畜産業につきたいと思っていたんですね。ところが、最近これが崩れているというのは、もっと根本的に我々の獣医療というものに対する広報の仕方とかを考えないと、集まってこない可能性というか、ほんとうに確保できるかどうかに関しては、少し疑問があるかなというのがあるんですね。今回すぐには無理だと思うんですけれども、ほんとうにいつまでも民間におけるものに関して、産業動物分野とか小動物分野というカテゴリーで話をしておっていいのかなと少し思いますので、もし今回可能であれば、獣医療というものを広報することでどういう役割があるかとか、どういう対象にかかわっておるかということを少し触れられるのもどうかなと少し思ったんですけど。

【吉田課長補佐】ありがとうございました。獣医療全体を世の中にきちっと出していく必要があるというご指摘というふうに理解いたしました。この部分については、ワーキンググループの中でも、かなりご議論いただいておりますし、その重要性も認識しておるところでございます。そういう意味で、7ページの上の2行目のところに国民の理解の醸成の促進、ここはその他重要な事項という形で入っておりますけれども、そういうところで、国としてもそういうものを促進していく必要性についてある意味強く打ち出しをしているという内容となっております。第2以降は、都道府県計画を策定するに当たって、いろいろ配慮・考慮していく内容という内容になっておりますので、広報活動は、特に都道府県の関係で、特に関係の深そうな部分について示しているということでございますが、先ほど課長の説明もありましたけれども、この基本方針とあわせてワーキンググループの報告書をセットで世の中に出していくということを考えておりますので、ここで基本方針で触れられている具体的な内容については、ワーキンググループを見ればわかるということにもなると思いますし、ご指摘を踏まえ、私どももどういう体制でできるのかというのは今後検討していかなければいかんなと考えているところでございます。

【山根部会長】よろしゅうございますか。

【細井戸委員】はい。

【山根部会長】そのほかございませんでしょうか。

【横尾臨時委員】獣医療を提供する体制の整備が必要な地域のところに関連するのか、あるいは診療効率のところに関連するのか、ちょっと判断に迷うところなんですが、先ほど中山委員さんがおっしゃられた、卒前・卒後教育にも若干関係するんですけれども、大学で実際産業動物診療を手伝っていただいている地域が、具体的に言うと岐阜大学がされていると私はお聞きしているんですけれども、そういうようなことも現実にあるので、今現場の学生さんの教育の問題もあわせて、大学ともっと連携していかなきゃいけないというのが非常に重要なことになっているので、何かその辺のニュアンスを、それこそ先ほどの話じゃないですけれども、その他のところになるのか、診療の設備の関係になるのか、あるいは別の機会でもよろしいのかもしれないんですけれども、そういうようなことも考慮の範囲に置いたようなイメージが少し欲しいなと。ちょっとまとまらなくて恐縮なんですが、そのように思いました。

【山根部会長】大学との連携ということですか。

【横尾臨時委員】大学との連携という、言葉で言うとそれだけになってしまうので、何かイメージ的にもう少し……。

【山根部会長】教育機関、研究機関等ですね。

【横尾臨時委員】はい。

【山根部会長】どうでしょう。どこかにあった気がするんですけど。

【吉田課長補佐】随所いろんなところにニュアンス的なことは散りばめておるんですけれども、例えば産業動物、公務員分野の獣医師の確保の中でも、共同研究の推進というような内容もございますし、そういうところで、具体的に教育機関とか大学というようなところは言葉としては入れていなかったと思いますけれども、ただ、そういった考え方もございますし、あと、都道府県計画の策定の中の第5の、10ページでございますけれども、第5の1の臨床研修というところの中でも、大学とか民間施設との連携を促進しつつとか、随所にはそういうニュアンス的なものは散りばめているつもりでございます。ただ、先ほど課長からもございましたけれども、大きな整理とすれば、農林水産省が定めるものということでございますので、そこはご理解いただければと考えているところでございます。

【山根部会長】よろしゅうございますでしょうか。そのほかございませんでしょうか。私のほうから確認したいんですけれども、パワーポイントの21の第4の(ア)、家畜保健衛生所と診療獣医師が一体となった組織的な家畜防疫体制を確立とあるんですけれども、これは現在は現状はもう把握なさっておられるのでしょうか。これは、家畜防疫体制を確立するんだったら、診療獣医師というのは小動物も入るわけでしょうか。いかがでしょうか。含めての意味でしょうか。

【吉田課長補佐】第4の(ア)のところでございますか。ここにつきましては、本文のほうの8ページの28行目以降でございます。ここでは、緊急時におきましては、ここでは診療獣医師、それから獣医師が組織する団体等の家畜防疫活動の参加体制云々と書いておりますけれども、これは、家畜防疫、当然家畜保健衛生所が中心となって行うというのはございます。ただ、緊急時におきましては、家畜防疫員という形で、また県が診療獣医師を指定するということを含めて、緊急時の対応を行っているということでございまして、そこの診療獣医師におきましては、基本的には産業動物分野ということがございますが、ただ、現場では、小動物とか産業動物、これは兼任されている方もいらっしゃいますので、そこで産業動物の家畜防疫に関する知識とか技術、経験を持っていらっしゃるような方につきましても、そういうところに緊急時には参画していただいているという形になっております。

【山根部会長】といいますのは、私も現場から離れて長くございまして、今どうなっているかは把握していないんですけれども、私の住まいしていたところなんかでは、家畜保健衛生所に犬の検体とか検査を依頼してもはねのけてしまうということがあったわけなんですね。今もそういう地区がもしあるとするならば、これは大問題になりますのでね。といいますのは、今はブルセラ症問題にしても、犬なんか、ものすごい問題になっているんですね。牛ばかりじゃなくて。そして、高病原性の鳥インフルエンザにしましても、愛玩鳥がおりますし、野生鳥がおりますし、こういうのはむしろ産業動物の先生よりは、小動物関係の先生のほうがタッチ、ほとんどしていますので、ですから、そういう問題を含めれば、診療獣医師というのは、産業動物ばかりじゃなくて、小動物の先生も入るんだよということを進めていかないと、今度は県におろして、県がいろんなあれをつくっていくとは思うんですけれども、これは産業動物の先生ばかりだよというとらえ方をされてしまったら……。というのは、家畜防疫体制と書いてありますから、ちょっと素人目には、家畜防疫となってくると、犬や猫、野生動物はもう入らないのではないかという気がしますので、この辺はどうでしょうね。いかがでしょう。

【吉田課長補佐】1のところは、組織的な家畜防疫体制ということで整理させていただいております。今の部会長のご指摘については、関連する部分といたしましては、例えばですが、4のところ、衛生検査機関との業務連携としてありますけれども、こういうところで、地域の実情に応じてということになると思いますが、そういった現場の獣医さんが民間の検査機関等を活用する体制をどういうふうにとっていくのかというようなことについても、こういう部分で読めるかと思っておるところでございます。

【山根部会長】じゃあ、衛生検査機関というのは、一応広義の意味では家畜保健衛生所も入りますよね。じゃあ、そういうとらえ方でよろしいわけですね。ありがとうございました。そのほかございませんでしょうか。

【大野臨時委員】今の山根先生のお話の部分であったと思うんですけれども、家畜保健所、現在緊急時に防疫体制をとる場合に、原則的には産業動物の先生にまずお願いしまして、いずれにしても、それでは人数が足らないということで、小動物関係の先生方にも声をかけているという部分がございます。そういう研修会を通じて、小動物の先生方にも家畜防疫についてのお願いをしているという段階で、一部の先生方には、家畜防疫について協力しましょうよと言ってくれる部分がかなり出てきていますので、今後、産業動物獣医師が非常に少ない部分がございますので、いずれにしても小動物の先生方の協力を得なければ、家畜防疫体制は成り立たないと感じています。

【山根部会長】ありがとうございました。先生、それは全国的な考えでとらえていいでしょうか。

【大野臨時委員】今の部分では茨城県だけでやっているということで、全国的な部分については、国のほうで……。

【山根部会長】全国的に周知徹底しておかないと、ばらつきがあっても困ると思いますので、その点、考慮に入れていただいて。

【山田委員】今のところと関連するんですけれども、例えばこの基本計画に従って、都道府県が例えばサーベイランスだとか危機管理体制を充実したものをつくったとしても、要するに広域のものが起こった場合にはどうしても国が関与しなきゃならないわけですね。だから、つくりなさいよと言いっ放しではなくて、国が全体的なスキームをつくって、その中で動く必要のあるものもあるんじゃないかと思うんですけれども、そこら辺はどういうふうに考えればいいでしょうか。

【池田課長】おっしゃられたとおり、国は重要な伝染病につきましては、サーベイランスのみならず、発見をして、処分をする。それまでの防疫対策をつくっております。例えば喫緊の話では、高病原性の鳥インフルエンザ、あるいはもう制度化していますけれども、BSE、こういったものについては、全国的にサーベイランスあるいはモニタリングの部分もありますけれども、それを定めています。むしろそういうものがしっかりできるように、この中で体制の強化をしてください。危機管理体制につきましても、例えば疾病が起きた場合には、こういう形で対応しましょうねというマニュアルをつくっています。そういうものに対応したものを都道府県でつくってくださいということでここで申し上げています。ですから、国レベルとして全国的にやらなければいけない病気については、一定のマニュアルがあって、それについての対応をしっかりお願いしたいということでございます。

【山根部会長】そのほかございませんでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。じゃあ、私のほうからもう一つ、ご説明いただきたいんですけれども、多分私の記憶では、公務員分野のワーキンググループで出た話だと思うんですけれども、どこにも関係するんですけれども、本文の4ページの(1)の2の中にもありますように、情報提供のネットワーク化というのは、公務員分野とか産業動物分野に獣医師が不足しているということ、どこでも確保、確保とうたってありますよね。そうした場合に、喫緊の問題として、県がやるにしましても、これが一番急ぐんじゃないかなと思うんですね。そうした場合には、おそらくネットワーク化というのは、県単位でやっても、情報の一元化はできないと思いますのとで、全国的な規模で、リクルート関係のような形で情報ネット化をしないと、どこにどういう退職なさった方が、どういう知識と技術をお持ちの方で、専門分野の方で、そういうマップをつくっていけば、緊急避難的にはかなり対応できるのではないかなと。といいますのは、四国地区でも、家畜衛生だけでございますけれども、調査していただいたんですけれども、家畜衛生分野に50代、60代の勤務獣医師が十数名おられるんですね。ところが、40代、50代になると、半減なんです。七、八名。30代、40代になりますと、数名でございます。20代、20代の人は、卒業してからですから、ほとんど25以上でしょうけれども、30代までの先生は、新規採用がほとんど限りなくゼロに近いんですね。1名あればいいほうでございます。そうなってくると、5年先には大変な状況になるんじゃないかなと。屠畜検査員等は獣医師じゃないとできませんので、そうなってくると、厚生労働省の加地さんが、家畜衛生の獣医師を食品衛生のほうに回して急遽対応しているんだという実態があるという発言をなさっておられましたけれども、そうなってきますと、こういうのをやろうとするならば、県と国を挙げて事業化をしていかないと……。ということは、私は最初の計画部会のときにも発言しましたように、きょうも述べましたように、この基本計画、これまでの従来のを見ますと、ほとんど実用化されてないという実態があるわけでございまして、その対策としては、やはり予算化、実効あるものにするためにはどこかで予算化を目安に持っていってあげないと、県も実際動けないんじゃないかなというのが1点と、それから、これは事務局レベルではもう納得していただいていると思うんですけれども、定期的に実効あるものを裏づける検証をしなければならない。今後これから相談なさるかもわかりませんけれども、その2点について、いかがでございましょうね、予算化と今後の検証のあれは。お願いします。

【池田課長】今回基本的な方向を出しておる中で、中にも書かせていただいていますけれども、これを推進していく中で、国あるいは県が指導助言、その他のいろいろ援助に努めますと。それはどういうことをやっていくのかというのは、次の段階で、いろいろと知恵を絞っていきたいと思っています。今部会長からもお話がありましたが、援助、あるいはこれを達成していくためのツールというのは、1つには、予算というのももちろんありますし、ほかにどういう方法があるのか、それも含めて、総合的にどういうことをやっていくのかという検討の中の1つの手段として予算措置があると考えております。それからもう一つ、検証の話でございますけれども、これにつきましては、今回3ページの2の基本方針の重要事項というところがございますが、それの右のほうに行数が書いてございますが、12行のところでございます。「基本方針及び都道府県計画の実現に資するため、取組状況の定期的な検証を行う」という形で書いてございまして、部会長がおっしゃられたような形でやっていきたいと考えております。

【山根部会長】ありがとうございました。心強い回答をいただきました。定期的なものも、5年に一遍じゃ困りますので、そこをよろしくお願いいたしたいと思います。そのほかございませんでしょうか。

【内藤臨時委員】意見というか、ご質問をさせていただきたいんですが、まず今回の基本方針は、まさに基本方針ですから、さらに細かなことを処理して肉づけ等は今後されるものと、こういうふうに理解しております。その上でご質問があるんですが、この文章の中で、非常に細かなところで、現在、離島・中山間地域、あるいは必要な施設がないところには協力してやりなさいと。それでもなおかつそのような獣医療体制が不備な場合は、家畜保健衛生所等、公的機関による補完的な診療の提供を求めますという記述が2カ所ぐらい出てくるんですが、中山間地域・離島では、電話をしても2日後、3日後に来るという地域がある。最初から、この辺の解消をということを発言していた者としては、公的機関の活用というものが前面に出てきて非常にうれしく思っておりますが、この記述というのは、前の基本方針、4年前ですか、5年前の基本方針にはあったんでしょうか。今回初めて入った事項でしょうか。

【山根部会長】10年前ですね。

【内藤臨時委員】10年前ですか。ごめんなさい。

【吉田課長補佐】まず問題意識のほうでございますが、特に今のご指摘は、本文でいえば8ページの第3のところの12行目あたりで、例えば「離島や中山間地域等の無獣医師地域における適切な獣医療の確保」云々という形で言葉が出てきておりますが、こういうような表現については、今回追加させていただいている内容となっております。ただ、同じページの第4の1の、行数でいえば31行目のところにございます。すいません。ここではないですね。

【内藤臨時委員】9ページ目の……。

【吉田課長補佐】すいません。9ページですね。9ページの28行目のところかと思います。確保できない場合には、十分調整を図った上で、「家畜保健衛生所等公的機関による補完的な診療の提供に努める」。これにつきましては、現行の基本方針の中にも入っている文言となっております。

【内藤臨時委員】わかりました。

【山根部会長】そのほかございませんでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。では、一応質疑のほうは終了させていただきまして、いろいろ貴重なご意見、ありがとうございました。それでは、今後のスケジュールにつきまして、説明をお願いいたします。

【吉田課長補佐】では、資料番号3番、今後の検討スケジュール(案)についてでございます。本日、第3次基本方針案を詳細にご検討いただきまして、ありがとうございました。今後の進め方でございますが、まず本日の審議の内容、さらには先ほど説明の中でも一部触れておりますけれども、農林水産省の中で、食料・農業基本計画ですとか、酪農及び肉用牛の生産の近代化を図るための基本方針、こういうものも検討が今進んでおるところでございます。そういうものの状況を見ながら、今回審議いただいた意見も踏まえて、若干の修正を行っていきたいと考えております。次回は、3月の中旬ごろに第3回目の計画部会を開催いたしまして、最終的な今回の議論を踏まえた修正したものについてご審議をいただきまして、可能であれば、最終案という形でパブリックコメントのほうに付していきたいと考えているところでございます。パブリックコメントは大体30日程度行うこととなっておるところでございますが、4月の下旬ごろにパブリックコメントの結果を踏まえた修正を行ったものを計画部会に諮りまして、これにつきまして最終的に答申がいただければと考えております。この答申をいただければ、5月上旬をめどに新たな基本方針が公表できる、していきたいと考えておるところでございます。そういう意味で、本日いただきましたコメント、さらにはまたお気づきのコメント等がありましたら、早めに事務局にお届けいただければ、また修正・検討等をさせていただきたいと思いますし、また、修正につきましては、委員の方々のご意見等も承りながら、次の3月中旬の審議に諮る基本方針の最終的な案の取りまとめに向けて手続を進めていきたいと思っております。事務局からは以上でございます。

【山根部会長】ということだそうでございます。大体大きな目標というか、ベクトルというのは定まりつつあるなという感じがいたします。あと、残された期間にご意見等がございましたら、早急に事務局のほうにご連絡していただきたいと思います。では、そのほかにつきましてですけれども、そのほかの事項に入りたいと思います。資料4の獣医学教育による臨床実習のあり方について、事務局からご説明お願いいたします。

【栗栖課長補佐】それでは、その他の事項ということで、資料4-1をもとにご説明いたします。資料4-1をお示しする経緯でございますけれども、昨年10月の計画部会におきまして、臨床実習における学生の行う獣医療行為と獣医師法17章の関係についてということで、部会長からご質疑がございまして、事務局側で整理いたしますということを申し上げたものの続きの議論でございます。4-1で、この経緯を踏まえまして、関係の法令との関係を整理させていただきました。まず獣医師法で、無免許の獣医業罪が設けられている目的はということで、動物に危害を及ぼすおそれがあるという行為を防止することをもって動物に関する健康の向上と保健衛生の向上、及び畜産業の発展、あわせて公衆衛生の向上に寄与するということで、目的は獣医師法の17条のほうに書いてございます。したがいましてということで、これを念頭に置いて、学生の行う獣医療行為について、どのようなことが整えば、違法性があるのか、あるいはないのかということで、2段落目、「したがって」ということでございます。獣医師の資格を有してない獣医学生の診療行為も、その目的・手段、方法が、社会通念から見て相当であり、かつ、獣医師が行う獣医療行為と同程度の安全性が確保できる範囲内であれば、違法性はないと考えられるということで整理をさせていただきました。具体的にこの内容がどういう内容かということでございますけれども、それが具体的にというのが3段目から書いてございます。大学等が各大学で指針等を策定していただく必要があるかと思いますけれども、そういうものの指針により、獣医学生に許容される獣医療行為について、1、2、3と3つほど条件があるのではないかということで整理いたしております。まず1点目、侵襲性のそれほど高くない一定のものに限られているもの。2点目といたしまして、獣医学教育の一環といたしまして、一定の条件を満たす指導教官によるきめ細かな指導・監視のもとに行われる行為であること。3番目といたしまして、臨床実習を行わせるに当たって、事前に学生が相応の知識、あるいは技術を持っているかということを含めました評価を行うこと。以上のこの3点を条件とするならば、獣医学生が獣医行為を行っても、免許のある獣医師が獣医行為を行う場合と同程度に安全性を確保することができると考えておるところでございます。また、この1から3に加えまして、動物の所有者の同意があるという話でありましたら、目的・手段・方法が社会通念からも相当ということに当たると考えられると整理させていただいております。したがいまして、大きく(ア)、(イ)、(ウ)、飛びますけれども(エ)、この4つの条件のもとに獣医学生が獣医行為を行う場合については、獣医師法上の違法性がないと言えると整理させていただきました。この具体的な内容、ちょっと抽象的な表現もございますので、一番最後のなお書きでございますけれども、臨床実習において行われる行為が1から4までの条件を満たしているかどうかの判断については、臨床現場の先生と獣医学的な豊富な知識を要する専門家の先生の意見を踏まえながら、個別に判断されることが適当だということで、紙にしてございます。法令の解釈は以上でございますけれども、実際にこの行為が満たしているのかどうかという、ある基本的な考え方というものを示してあれば、大学等においても安全な実習が行われるのではないかということで、事務局のほうから、資料4-2ということで、基本方針を策定するに当たっても、ワーキンググループを設置いたしましたように、専門家の先生による少人数のワーキングを設置してはどうかということで、1つ提案させていただきたいと思いまして、資料を準備させていただきました。資料4-2でございますけれども、趣旨といたしまして、本計画部会における基本方針の検討の中で、獣医学教育における臨床実習を充実させることの必要性が指摘されておりました。この課題に対処するため、獣医学教育において獣医学生が医行為を含む高度な臨床実習を行うことで臨床行為を上げるということで、同じことが医療のほうでも行われて、成果を上げているということで、同様に、獣医のほうでもこういう機会を充実させるのが重要ではないかということで、趣旨のほうに挙げさせていただいております。このため、ワーキングをこの計画部会の下に設置いたしまして、臨床実習におけるこの行為の基本的な考え方を検討するというものであるということで設置してはいかがかということで、趣旨を書かせていただいております。ワーキングの具体的な設置でございますけれども、少人数の専門家からのワーキンググループを設置いたしまして、技術的な観点、実際の現場の実態等を踏まえてご議論いただきまして、案をあらかじめ事務局のほうから、法律の範囲内というものの案をご参考に検討いただきまして、そこに各委員の皆様から幅広いご意見をいただきまして、報告書の形にいたしまして、本計画部会のほうに提出させていただきました。それを了承いただきまして、公表するということで、ワーキングで報告書をつくる。本計画部会に提出して、さらに了承を得るという形で作業を進めさせていただいてはどうかということで書かせていただいております。主な検討事項でございまして、さっきの1から4の論点がございますけれども、その論点を4つほどこちらのほうに挙げさせていただきまして、これが主な論点になろうかということであらかじめ挙げさせていただいております。その中で、またワーキングの中では、さまざまな論点も出てこようかと思いますけれども、そういうものがあれば、それも検討事項として検討していきたいと考えております。こちらのほうに、本来であれば委員も記載させていただくところでございますけれども、大学の実情を踏まえた専門家、専門的あるいは技術的観点からの検討が必要だということでございますので、当該分野の各先生に均等に幅広くご参集いただきまして、最終的には、できれば計画部会長のご了解を得た上で、委員の選定をさせていただけたらと考えております。以上でございます。

【山根部会長】ありがとうございました。この問題は、計画部会で審議していただくしか手がないと思いますものですから、このような形で今進めさせていただいておりますけれども、あくまでも教育の中の一環でございますから、文部科学省、きょう課長さんに来ていただいておりますけれども、ご相談しながらここまで来たというのが現実かと思っております。これは社会からの要望、非常に厳しくございまして、6年間教育の中で何やっているんだという非常に厳しいご意見もございます。ですから、何とかこれは、医学部並みとは堂々とは言えないまでも、これからしっかりとした方向性を定めて、よりしっかりとした獣医師を養成するという大前提のもとにこれは進めなければならないと思っておるわけでございます。ご理解いただきたいと思います。何かこの件につきまして、ご質疑、ご意見等がございましたならば。この方向性でよろしゅうございますでしょうか。ちょっとお聞きするけど、24日の日のやつはちょっと説明しとってもいいね。構わないでしょう。24日に検討というか、話のあれは。あれは構わない?

【池田課長】事務局から話すお話じゃないので。

【山根部会長】ならいいですね。私のほうから。この件につきましては、急速にこの話が出まして、具体化しつつありますので、意見調整、各部署の意見も聞いて、ある程度の平均的な考えを一致させておかないと難しい面もございますので、2月24日に日本獣医師会のほうで、サンコウの関係の方々、関係部門の方々に来ていただきまして、意見調整ではございませんけれども、意見を聞きながら方向性を定めていきたいと思っております。そのほかご質問ございませんでしょうか。よろしゅうございますか。

【中川委員】このワーキングの報告のめどは、答申はいつを目指しているんですか。

【栗栖課長補佐】できるだけ早くと思っておりますけれども、時間的には、計画部会、次回3月で中間ぐらいのめどで、その次をめどに報告書の取りまとめのご報告ができればと考えております。あと、2回目ぐらいの計画部会をめどということで考えております。

【山根部会長】ワーキングはもうすぐ立ち上げるんでしょう。できるだけ早急に。

【栗栖課長補佐】そのように考えております。

【山根部会長】そのほかございませんでしょうか。では、ご質問、ご意見等がございませんので、皆様のご協力で少し早く終わるようでございますけれども、それでは、本日はこれにて終了たしいと思いますけれども、長時間にわたりまして、熱心なご審議、ご発言いただきまして、ありがとうございました。これにて閉会させていただきたいと思います。

 

お問合せ先

消費・安全局畜水産安全管理課

代表:03-3502-8111(内線4530)
ダイヤルイン:03-3501-4094

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