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農林水産省

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農薬について知りたい方へ(コラム)

掲載日:2010年12月1日
最終更新日:2017年11月24日

目次

1. 生きものも農薬?

2. 家庭用殺虫剤、気を付けて使っていますか?

3. 使われた農薬はぜんぶ農作物に残るの?

4. 農作物を作るとき、農薬の使用のほかに気を付けているものは?

5. 環境に出てしまった農薬による影響は?

6. 基準値を超えている食品は、健康に影響しないの?

7. 農薬の国際基準はあるの?

8. 「ポジティブリスト制度」新聞で見たことがあるんだけど…

9. 植物をおみやげにするときは気を付けて!

10. 果物や野菜の表面に付いている白い粉は農薬?

11. 農作物にこんなものを使っていませんか?

1. 生きものも農薬?

アブラムシを食べるテントウムシの幼虫

アブラムシを食べるテントウムシの幼虫

多くのテントウムシはアブラムシを食べるので、テントウムシを使えば、アブラムシの被害から植物を守ることができます。
このように害虫などから植物を守るために利用される生物は、人工的に殖やされ、「生物農薬」として販売されています。
生物農薬には、特定の害虫や病気にしか対応できない、生物なので扱い方が難しい、効果が出るまでに時間がかかるなどの短所もあります。

 

 

2. 家庭用殺虫剤、気を付けて使っていますか?

果物の写真

食卓にハエが飛んできて、思わず殺虫剤のスプレーを食卓の上で使ってしまったことはありませんか?実は、家庭用殺虫剤も、農薬と同じように気を付けて使わなければいけないものなのです。
殺虫剤を使うときは、食品や食器にかからないようにしましょう。また、人やペットがいない所で使いましょう。殺虫剤をたくさん吸い込んでしまうおそれがあるためです。

赤ちゃんがいる家庭では、殺虫剤がおもちゃにかからないように、また、殺虫剤を使った直後の部屋に赤ちゃんが入らないようにしましょう。赤ちゃんが、殺虫剤が付いたおもちゃや手を口に入れたり、床をなめてしまったりするかもしれないからです。

家庭用殺虫剤について知りたい方は・・・
ハエ・蚊・ゴキブリ・ダニなどの衛生害虫
日本家庭用殺虫剤工業会(トップページ)〔外部リンク〕
アリ・ムカデなどの生活害虫
生活害虫防除剤協議会(トップページ)〔外部リンク〕
(公社)日本しろあり対策協会(トップページ)〔外部リンク〕

3. 使われた農薬はぜんぶ農作物に残るの?

農薬は、農作物・微生物による代謝や日光によって分解されたり、風や雨に流されたりするので、使われた農薬がそのまますべて農作物に残るわけではありません。

農作物に残る農薬の量の変化
図:農作物に残る農薬の量の変化の例

生産者は、農作物に残る農薬の量を抑えるために、決められた使い方を守ることが義務付けられています。

4. 農作物を作るとき、農薬のほかに気を付けているものは?

赤かび病にかかった麦(中央)

赤かび病になった麦の写真

生産者が農作物を作るときには、農薬の使い方のほかに、かびや細菌などにも気を付けています。

かび:ある種のかびは、天然の毒を作ります。例えば、麦に「赤かび病」という病気を起こすかびは毒を作るので、麦の生産者は、適切に農薬を使って「赤かび病」を防いだり、収穫したら速やかに乾燥したりして、かびが毒を作るのを防いでいます。

細菌:ある種の細菌は、食中毒の原因になります。例えば、野菜の生産者は、畑に使う水が清浄かどうか調べたり、収穫や出荷のときに使う設備などを清潔に保ったりして、食中毒菌に汚染されないようにしています。

5. 環境に出てしまった農薬による影響は?

麦畑

田んぼや畑などで使われた農薬が環境に影響しないように、国は、それぞれの農薬について、生物や土、水質への影響などを確かめた上で、適切な使い方を決めています。環境に放出された農薬は、多くの場合、微生物や日光によって分解されていきます。

住宅地のそばで農薬が使われることもありますが、国や自治体は、風が弱く人通りが少ないときに使う、飛び散りにくい農薬を使うなど、周囲に配慮するよう、使う人に対して指導しています。

1970年代まで使われていた農薬の中には、分解されにくいため環境に残りやすいものがありました。このような農薬が土に残っていると、農作物が吸い上げてしまうことがありますが、厚生労働省の検疫所や保健所などの検査によって基準値を超えていることがわかれば、回収されたり廃棄されたりします。また、生産者が自主的に検査を行っている産地もあります。

6. 基準値を超えている食品は、健康に影響しないの?

食事の様子

厚生労働省の検疫所や保健所などの検査によって、農薬の有効成分の濃度が基準値を超えている食品が見付かれば、「食品衛生法」に違反しているので、回収されたり、廃棄されたりします。

まれに、基準値を超えている食品が流通してしまう場合がありますが、このような食品をふつうの量食べるのであれば、必ずしも健康に影響があるわけではありません。

なぜなら、国が基準値を決めるときは、さまざまな食品を食べても口にする有効成分の量が「一日摂取許容量」を超えないようにしているからです。「一日摂取許容量」以下の量であれば、毎日一生口にしても、健康への影響はないと考えられます。

また、基準値を超える濃度で農薬を含む食品を、毎日一生食べ続けるわけではありません。基準値を定め、農薬が適切に使われるようにし、検査を行って基準値を超えている食品を回収したり廃棄したりすることによって、「一日摂取許容量」を超える量の有効成分を毎日口にする可能性は、きわめて低くなっています。

基準値を超える濃度で、農薬を含む食品を食べると健康に悪影響があるかどうかは、食品に含まれている有効成分の濃度、その食品を食べる量、そしてその有効成分の「一日摂取許容量」や毒性の種類などを総合して考えて決定します。

7. 農薬の国際基準はあるの?

コーデックス委員会」という国際機関で、食品に含まれる農薬の有効成分などの量について、国際基準が決められています。
コーデックス委員会は、「FAO/WHO合同残留農薬専門家会議(JMPR)」に科学的な評価を依頼し、その結果をもとに国際的な基準値を決めています。JMPRは、次の評価を行っています。

安全性の評価

それぞれの農薬の有効成分や必要ならば農作物中でそれらの有効成分からできた物質について毒性を調べた結果から、次の量を設定します。

  • 「一日摂取許容量」:人が一生の間、毎日とり続けても健康に影響しない量
  • 「急性参照量」:人が1日のうちにとっても、健康に影響しない量

基準値を定めたり、摂取量を評価したりする物質の決定

農薬の有効成分は、植物や動物の中で生化学的に変化するので、どの物質について基準値を定めるべきか決めます。検査がしやすく、農薬が適切に使われたか判断できる物質を選びます。

毒性の情報も検討し、どの物質を対象に、食事からとる量(摂取量)を推定すべきかを決定します。

農作物に残る量の確認と、基準値の案の作成

あらかじめ農薬の適切な使い方を決めておき、そのうち最も農薬が残りやすい条件で使うと、有効成分などがどのくらいの濃度で農作物に残るのか調べます。たくさんのデータを統計的に解析して基準値の原案をつくり、コーデックス委員会に勧告します。

摂取量の評価

農作物に残る有効成分などの濃度のデータを使って、1日の摂取量について最も起こりそうなケースを見積もります。見積もりは世界の13の地域別に行い、食品を加工するとどのくらい減るかについても考慮します。見積もった値が「一日摂取許容量」を超えていたら、そのことを評価書に記載します。

また、有効成分などを1日の食事でたくさんとってしまう最悪のケースを考え、摂取量を見積もります。この値が「急性参照量」を超えていたら、そのことを評価書に記載します。
JMPRが勧告した基準値の案などをもとに、コーデックス委員会は、消費者の健康保護、各国の農業・食品産業・貿易などの事情を考えて、基準値を決めます。

なお、国によって食べるものや使う農薬が違うので、それぞれの国が自国の基準値を決めています。原則的にコーデックス委員会が決めた国際基準と矛盾しないことが求められていますが、科学的に正当な理由があれば、コーデックス委員会の基準値よりきびしい基準値を決めてもいいことになっています。

8. 「ポジティブリスト制度」新聞で見たことがあるんだけど…

様々な野菜の写真

「農薬のポジティブリスト制度」は「食品衛生法」に基づく制度で、2006年5月に始まりました。この制度ができる前は、食品を検査して基準値が定められていない農薬の有効成分が見つかっても、その食品の流通を止めることができませんでした。そこで、この制度で、原則的にすべての農薬について基準値を定めました。現在は、食品を検査して基準値を超える濃度の農薬の有効成分が見つかったときには、その食品の流通を止めることができます。ポジティブリスト制度は、欧州連合や米国など海外でも使われています。

この制度を始めるとき、原則すべての農薬について基準値を定めることになりましたが、一度にたくさんの毒性評価を行うことができなかったので、暫定的に海外の基準値などを参考にして基準値を決めました。

このような暫定的な基準値を、国が科学的に評価し、見直しています。

ポジティブリスト制度について詳しく知りたい方は…
食品中の残留農薬等 (厚生労働省)〔外部リンク〕 

9. 植物をおみやげにするときは気を付けて!

飛行機(イメージ)日本にいない害虫や植物の病気が外国から入ってしまうと、国内の農業や環境に影響を与えてしまいます。逆に、害虫や病気が日本から出て行ってしまうと、他の国の農業や環境に影響を与えてしまうかもしれません。

国内でも、沖縄県・奄美群島・小笠原諸島など、一部の地域にしかいない害虫や病気が、他の地域に広がらないようにしなければいけません。

このため、「この植物を持ち出すときは、農薬や加温による処理をしなければいけない」とか「この地域からこの植物を持ち込んではいけない」などの決まりがあります。植物をおみやげにしたいときは、どのような決まりがあるのか、次のリンク先で事前に調べましょう。

旅行をされる方へ (農林水産省植物防疫所) 

10. 果物や野菜の表面についている白い粉は農薬?

ブルームのついたブルーベリー(左)とぶどう(右)
写真提供:農林水産消費安全技術センター

ブルームのついたブルーベリーとぶどう

ブドウやキュウリなどの表面に付いている白い粉をブルーム(果粉)といいます。これは、病気や乾燥から守るために実からでたもので、農薬ではありません。また、ブルームによって、農作物の表面がべたつくこともあります。

 

 

 

11. 農作物にこんなものを使っていませんか?

タバコの吸い殻例えば、農作物にタバコを溶かした水をまいたりしていませんか?タバコは植物から作られたものですし、人が吸っているものなので、農薬よりも安全だと思う方もいるでしょう。しかし、タバコに含まれているニコチンは毒物で、子どもはタバコ0.5~1本分、大人はタバコ2~3本分の量のニコチンを体内に取り込むと、死に至ります。

安全性がよくわからないものは、決して農作物に使わないでください。

 

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課

担当者:情報発信企画・評価班
代表:03-3502-8111(内線4474)
ダイヤルイン 03-3502-5719
FAX03-3597-0329