てんさいを野菜に分類してもよいか。また、一般的に畑から収穫するものを野菜といって間違いないか。
回答
「野菜の生態と作型(山川邦夫氏著)」によれば、
『野菜の分類に際して、生産分野においては次のいくつかの特性を持つ植物が野菜とされている。
1、田畑に栽培されるもの
2、副食物であること
3、加工を前提としないこと(ただし、この場合の加工は漬物のように原料形質がはっきり残っているものや家庭における簡易加工は含まない)
4、草本性であること
1は栽培されていないものを山菜などと呼んで野菜と区別することが多いが、栽培の有無については、通常は山野で採集されるワラビやゼンマイも一部では栽培されており、境界の判定が微妙な場合もある。
2の副食物には、ご飯のおかず以外にスイートコーンなどの間食、イチゴ、スイカ、メロンの果物も含めている。
3ではコンニャクのような加工を前提とするものは野菜としていない。
2と3に関連して一つの農作物が利用目的によって野菜として扱われたり、ほかの農作物として扱われる場合がある。トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモなどは加工しないで、副食として利用される場合には野菜となり、主食あるいは加工原料として使われる場合には野菜ではない。トウモロコシでは未熟種子がスイートコーンとして、またダイズ、エンドウ、インゲンマメなどの豆類では莢や未熟種子を副食として食べる場合に野菜となる。完熟乾燥種子となると、たとえ煮ておかずに利用される場合でも、一般に野菜として扱われない。
4の野菜は草本であるとする条件は、田畑を利用する者としての便宜的分類である。草本と木本では農地占有期間と栽培様式が大きく異なるので、別の作物群としたほうが都合よい。用途からみればウメの実は梅干としての利用が多く、その場合は野菜としてもおかしくないが、ウメは木本性植物だから果樹とされる。
上記は生産サイドでの野菜の定義であるが、流通・消費サイドの市場・販売店では、用途だけを考えればよいため別の分類となる。
2の副食物といってもご飯のおかずと果物では全く異なる。卸売市場では青果を野菜部と果実部に分け、生産場面で野菜とされるメロン、スイカ、イチゴなどは果実部に入れ、果樹とされるウメ、ユズ、ダイダイ、スダチ、カボス、ギンナンなどを野菜部に入れていることが多い。』
と、あります。
このように野菜の定義は必ずしも一律なものではなく、分類は目的によって異なります。
なお、農林水産省の統計では、主要野菜41品目と地域特産野菜(各都道府県で生産される多様な野菜)を野菜として扱っています。
参考資料
「野菜の生態と作型 期限からみた生態特性と作型分化」著:山川邦夫(農文協)
農林水産省ホームページ「作況調査(野菜)、地域特産野菜生産状況調査」
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/kensaku/bunya2.html
回答日
令和4年2月
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消費・安全局消費者行政・食育課「消費者の部屋」
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