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農林水産省

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日本農林規格調査会議事録(令和4年2月7日開催)

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1.日時

日時:令和4年2月7日(月曜日) 場所:農林水産省第2特別会議室

2.議題

(1)日本農林規格の制定について

みその日本農林規格の制定

(2)その他

3.議事内容

午後1時59分開会

○長谷規格専門官 それでは、皆さんおそろいになりましたので、これから日本農林規格調査会を開会いたします。

事務局を担当している長谷でございます。よろしくお願いいたします。

今回の調査会は、新型コロナ感染症拡大防止の観点から、当会議室とウェブでの開催を併催とさせていただいております。

皆様には、御多忙のところ、御出席いただきまして誠にありがとうございます。

今日の審議に参集いたしました委員14名の方のうち、折戸委員、木村委員、岩崎委員から欠席の御連絡を受けております。現在、当会議室とオンラインで11名の委員の方の御出席を頂いております。日本農林規格調査会令第7条第1項の規定により、今回の調査会が成立しているということを御報告いたします。

なお、本調査会は公開で行います。傍聴希望を募ったところ、約30名の方から申込みがあり、本日ウェブで傍聴されています。

では、議事進行を調査会会長の中嶋委員にお渡しいたします。

○中嶋会長 こんにちは。中嶋でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、初めに、水野総括審議官から御挨拶をお願いいたします。

○水野総括審議官 御紹介いただきました、農林水産省で総括審議官をしております水野でございます。日本農林規格調査会の開催に当たりまして御挨拶を申し上げます。

委員の皆様におかれましては、平素より農林水産行政に御理解、御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。また、本日、調査会に御出席いただきまして感謝申し上げるところでございます。

本日の審議に先立ちまして、JASに関する最近の農林水産行政の動きを簡単に紹介させていただければと存じます。

2020年3月に閣議決定しました食料・農業・農村基本計画におきまして、農林水産物・食品の輸出額を2030年までに5兆円にするという目標が掲げられたところでございます。皆さん御案内のとおり、昨年1月から12月の輸出額が1兆円を超えたところでございます。目標達成には、官民一体となった取組を更に進めていくことが必要であると考えております。

このため、通常国会、今次の会合におきましては、輸出促進法などの制度の見直しを目指しているところでございまして、JASにつきましては、有機酒類をJAS規格に追加するなどのJAS法の見直しを行う方向でございます。これによりまして、海外で拡大する有機食品・酒類の市場に対しまして、日本の有機食品・酒類の輸出促進につながることが期待されているところでございます。

今回の調査会で御審議いただく案件は、みそのJAS規格の制定ということでございます。みそにつきましては、海外における和食文化の広がり等を受けまして、輸出量、輸出額ともに、年々増加基調にあり、輸出の重点品目となっているところでございます。その一方で、海外におきましては、日本のみそと異なる製法で作られたみそ類似の製品が日本のみそと並べて販売されているなど、市場における競合関係にあるところでございます。

このような状況の中、JAS規格を担当する我々新事業・食品産業部といたしましては、日本のみそを適正に評価できるようなJAS規格を制定し、こうじ菌やばらこうじ、豆こうじの使用など、日本の製法によることを公的に認証することによりまして、海外での市場評価の高まり、輸出の促進につなげてまいりたいと考えております。

委員各位におかれましては、それぞれの専門のお立場から忌憚ない御意見を頂きますとともに、活発な御議論を頂きますことをよろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。

○中嶋会長 ありがとうございました。

なお、水野総括審議官におかれましては、公務御多忙につき、ここで御退席されます。

続きまして、調査会の議事録署名人の指名を行います。

日本農林規格調査会運営規程第11条により、議事録署名人は会長が指名することとなっております。今回は鈴木委員、川上委員、お2人にお願いしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、次に事務局から資料の確認、審議時の留意事項及び議事内容の公表について御説明をお願いいたします。

○長谷規格専門官 それでは、事務局から資料の確認について御説明いたします。

本日の資料は、当会議室にお越しの委員の皆様には、お手元のタブレットにアップしております。また、オンラインで御出席の委員におかれましては、あらかじめ資料を送信しておりますので、それを御覧いただきたいと思っております。

続いて、審議時の留意事項でございます。今回、ウェブ併催ということで、オンラインで出席されている委員の皆様におかれましては、御発言される場合は、お名前の横のマークをクリックし挙手機能でお知らせいただくか、チャット機能で御発言がある旨をお知らせいただきたいと思います。その旨お知らせいただきますと、中嶋会長が発言者を指名しますので、御発言の際にお名前を言っていただくとともに、御発言の最後には「以上です」とか、発言が終わった旨をお知らせいただくようお願いいたします。また、御発言以外のときはマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。

万が一、音声が聞き取れないとか不都合が生じた場合は、「音声駄目」とか「聞こえない」とかをチャットでお知らせいただく、また、あらかじめお知らせしている担当者に御連絡を頂きたいと思います。

続いて、傍聴の方へのお願いでございます。傍聴募集の際に留意事項に記載しているのですけれども、音声が途切れたりするようなトラブルの原因になるおそれがございますので、傍聴の際はマイクをミュート、カメラをオフにしていただきますよう御協力をお願いしたいと思っております。

最後に、議事内容の公表についてでございます。本日の議事内容は、御発言いただいた方々のお名前を明記の上、後日、農林水産省のホームページに公表いたしますので、御了承願います。

事務局から以上でございます。

○中嶋会長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。

それでは、議題について審議を始めたいと思います。

農林水産大臣から、今回審議する規格に係る諮問を頂いております。資料2にございますので御確認いただきたいと思います。今、画面に出ておりますね。

それで、本日の審議のため、運営規程第10条第4項により以下の方が出席していらっしゃいます。まず、全国味噌工業協同組合連合会、磯部賢治理事、それから、一般社団法人中央味噌研究所、加藤妙子副主任研究員、農林水産省大臣官房新事業・食品産業部食品製造課、森山清課長補佐、独立行政法人農林水産消費安全技術センター規格検査部商品調査課の渡部英悦課長、それから栗原秀夫主任調査官、これらの皆様に出席いただいております。

それでは、みその日本農林規格の制定案について審議を行いたいと思います。

まず、事務局から御説明をお願いいたします。

○安井課長補佐 新事業・食品産業部食品製造課基準認証室の安井と申します。

座って説明させていただきます。

お手元のタブレットの方、資料3を御覧いただきたいと思います。

1ページのみその日本農林規格の概要について、「現状」、「規格の概要」、「効果」がまとめられた資料となっております。

みそは、身近なものでなじみがある食品の一つかと思いますけれども、今までJASがなかった理由について、皆様も御存じのように、国内の各地域における多様なみそというのがございまして、品質の標準化というのはなかなか難しいことが原因にあったというところはあるんですけれども、今なぜJASを制定するかと申しますと、「現状」に書いてありますとおり、海外市場において、みそを模した海外製品が日本のみそと並べられて販売されておりまして、安価な海外製品との競争を強いられている状況でございます。一方で、国際規格でありますCodex規格では、日本のみそを含むアジア地域の様々な大豆発酵食品、「大豆発酵ペースト」の規格として存在しているといった状況でございます。

日本では、みそというのはどういうものか、御存じの方かほとんどかと思いますけれども、海外におけるみそ類似の製品はどのような表示かと申しますと、ちょっと飛びまして資料3の4ページを御覧いただきたいと思います。海外の類似製品の表示事例ということで、具体的には、委員の方には配付されているんですけれども、机上配布資料2を御覧いただけたらと思います。

海外におけるみそとみそ類似品の表示事例なんですけれども、海外では、特にSOYBEAN PASTEとして、中国のトウバンジャンだとか韓国のテンジャンと同じ分類のものとして認識されています。例えば韓国のテンジャンとかは、、ローマ字で「Miso」と表示されていたり、次のページに、中国のテンメンジャンの例なんですけれども、「甜麺醤」だとかは、平仮名で「みそ」といった表示がされている実態もあることから、海外においては、みそとはどのようなものかというのが十分認識されていないということがお分かりいただけると思います。

すみません、また資料3に戻っていただいて、もう一回1ページですね。

このような現状の中、日本のみその海外市場における競争力を強化するために、我が国独自の伝統的な生産方法を規定したみその規格を、今回ウェブで参加されていらっしゃいます全国味噌工業協同組合連合会様が、この規格の提案に至ったということでございます。

「規格の概要」につきましては、後ほど詳しく説明をさせていただきますけれども、ポイントは二つで、みその生産に必要なこうじ菌、日本古来から使用しているアスペルギルス・オリゼーというこうじ菌があるんですけれども、それに限定して、さらにこうじの種類をばらこうじと豆こうじに規定したということでございます。

「効果」としては、その下になるんですけれども、みそにつきましては、先ほど水野総括審議官からお話もあったとおり、農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略の中で輸出重点品目というのに指定されております。昨年5月28日に開催された関係閣僚会議におきましても、農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略フォローアップの中で、具体的な政府の対応策として、本年度中にみそのJASを制定することとしたところでございます。さらに、本規格の制定後、国内でこのJASを周知、定着させ、本規格を足掛かりとして関係各国の根回し等も行いつつ、戦略的に国際規格化を検討していきたいというふうに考えているところでございます。

次のページ、資料3の2ページ、これは、みその製造工程を図にしたものになります。

後ほど説明させていただきますけれども、みそには、米みそ、それから麦みそ、豆みそ、調合みその4種類がございます。米みそと麦みそについては、図の真ん中の方に、米、麦を蒸したものに種こうじを入れて培養し、ばらこうじを作ります。その図の上の方に、蒸した大豆に食塩を加えて、ばらこうじを混合したものを発酵・熟成させて、米みそ、それから麦みそが出来上がる。豆みそにつきましては、図の下の方に、蒸した大豆に種こうじを入れて培養させ、豆こうじを作ります。それに食塩を入れて発酵・熟成させて豆みそが出来上がるという形になります。さらに、豆こうじとばらこうじを混ぜて発酵・熟成させたもの、さらに、出来上がった米みそ、麦みそ、それから豆みそを混ぜたものを調合みそといいます。

今回、ばらこうじ、豆こうじ、種こうじのサンプルを全国味噌工業協同組合連合会様の方から御提供いただいたので、ちょうど水野委員の後ろに実物、サンプルを御用意していますので、この会議が終わりましたら、お手に取って見ていただければと。ウェブの参加の方は見られないので、写真を撮りました。写真を共有しますので、少々お待ちください。見えますか。

一番左上がばらこうじの麦こうじになりますね。右上が米こうじ、これが、ばらこうじ。写真ではちょっと分かりにくいかもしれないですけれども、米こうじはちょっと白っぽい感じで、麦こうじはちょっと茶色っぽい感じになります。麦こうじの下が豆こうじ。実物を見てもらえば一番早いんですけれども、そこに菌が入り込んでいる感じになります。その横に種こうじ、ちょっと分かりにくいかなと思っているんですけれども、下からちょっと光を当てているので、中が粉状のものです。色は、抹茶よりもちょっとくすんだグレーっぽい感じなんですけれども、本当に緑っぽい色をしていますが、さっき御覧になった図のような緑の感じよりも、更にちょっとくすんだ感じの色になります。これが種こうじになります。

では、資料3の2ページにちょっと戻っていただいて、すみません、行ったり来たりで恐縮です。

机上配布資料2、みそとみそ類似品を比較した表になります。海外では、こうじ菌というのは、アスペルギルス・オリゼー以外のこうじ菌を使用しているか、又はどの種類のこうじ菌か分からないものを使っていると。こうじの性状も、餅こうじと言われる、米とか麦とか大豆などを蒸さずに粉状にして、さらにそれを水で練って餅のような、あるいはブロック状にしたものを、それにこうじ菌を入れて培養させたものを使っているということがありまして、日本のこうじの作り方と違うんですね。そこが今回の規格のポイントになっていますね。

次のページ、資料3の3ページ、行ったり来たりですみません。日本のみその分類になります。

日本のみそと表示できるのは、皆さん御存じのとおり、食品表示基準に合致したものでなければみそと表示できないんですけれども、本規格については、国内の混乱を招かないように、食品表示基準で規定されたみそと同様になるように規定しているということでございます。

なお、海外における表示規制については、CodexやISOでは各国の法的な拘束力というのはないので規制することはできないんですけれども、本規格を制定することによりまして、日本のみそというのはこういうものだということをアピールすることができると。日本のみそのブランド価値を高めて、海外のみそ類似品との差別化が図られるというふうに考えているところでございます。

続いて、参考資料として、過去5年間の国内生産量を示した表と、みその種類別の構成比を記した円グラフを掲載しています。生産量としましては、ほぼ国内横ばいで、構成比として85%が米みそとなっております。

続きまして、次のページは輸出数量と金額を記したグラフになります。2020年については若干落ち込んでいるところではありますけれども、恐らく新型コロナウイルスの感染症の影響で落ち込んでいるのではないかと思われますが、全体的な傾向としては右肩上がりで輸出が伸びているといったような状況でございます。

続きまして、パブリックコメントの結果について説明させていただきたいと思います。資料の5を御覧いただければと思います。

1ページのところなんですけれども、併せて資料の4、規格案も御覧いただければと思います。パブリックコメントの資料5の1ページの2のところなんですけれども、事前意図公告につきましては御意見がございませんでした。

上の方の1ですけれども、制定案に係る意見、情報の募集につきましては、7者から11件の意見が寄せられるところでございます。

次のページに御意見と、その考え方を記載しております。時間の都合上、主な意見を簡単に説明させていただきたいと思います。

総論のところは全部で4件御意見を頂いたんですけれども、食品表示基準と実質的に同じ規定がされて、重複して同じことを定める意義があるのかという御意見を頂いただきましたが、先ほど御説明させていただいたとおり、国内の混乱を招かないように、食品表示基準で規定された「みそ」と同様になるように規定していますけれども、食品表示基準では、その生産方法は規定されていないことから、本規格において我が国伝統的な生産方法を規定することによって、海外における日本のみそと異なる生産方法によって生産された「みそ」と表示されているものとの差別化を行うことが、本規格の制定の意義というふうに考えているところでございます。

続いて、ちょっと飛ばしまして、本規格の制定が海外の輸出拡大に向けて国益につながるよう、行政も幅広くフォローしてほしいという御意見を頂いたところです。農林水産省としましても、本規格が制定された後、規格制定の趣旨や狙いを踏まえて規格が活用されるよう、様々な機会を通じて周知してまいりたいというふうに考えております。

続いて3ページ目なんですけれども、適用の範囲のところについては、1件ほど御意見を頂いております。即席みそ汁だとか、みそ加工品といった需要というのが非常に伸びているので、日本のみそを使用した加工食品もJAS化を要望したいという御意見を頂いております。本規格については、即席みそとか、みそ加工品は対象外としていますが、新たなJASのカテゴリーとなるというふうに思われますので、別の規格として別途、当省、それからFAMICに御相談いただければというふうに考えております。

続いて、用語及び定義のところで2件御意見を頂いたところなんですけれども、御意見は、内容の解釈になるんですけれども、用語及び定義は、先ほど説明させていただいたとおり、国内の混乱を招かないように食品表示基準のみその定義と同様としておりますから、原案のとおりとさせていただきたいと思います。一つ上の「とうがらし」を明記している理由については、中国のトウバンジャンだとか、韓国のコチュジャンとか、とうがらしを使った大豆発酵ペーストがあるんですけれども、それとは異なるということを明確にしているということでございます。

続きまして、下の方に行って要求事項4.1のこうじ菌のところ、全部で合わせて3件御意見を頂いたんですけれども、こうじ菌の遺伝子組換え、ゲノム編集はやめてほしいという御意見を頂いたところです。現在、国内のほとんどのみそメーカーは、種こうじを種こうじメーカーから購入しているということでございまして、現時点で遺伝子組換えやゲノム編集されたこうじ菌というのは市場に流通していないということを種こうじメーカーから聞いているところでございます。

続きまして、4.3.2の生産行程中のみその管理のところで1件御意見を頂いております。最終的な商品の品質の安定化のために、熟成の途中とか最終段階でブレンドする工程がございます。その工程において、そういったブレンドすることによって、商品のロットごとにトレースすることが相当な労力を要するので、一括して格付できる方法を検討してほしいという要望を頂いています。一括でというか、簡単に格付できる方法、そういったものを検討してほしいという要望を頂いたところでございます。ブレンドの工程については承知しているところなんですけれども、格付に関しては、格付の検査方法が別途告示で定めることになっていますので、御意見を参考に、今後内部で検討したいというふうに考えております。

よって、パブリックコメントを受けた本規格案の修正というのはございませんでした。

説明は以上となりますけれども、本規格を提案された全国味噌工業協同組合連合会の磯部理事から、本日ウェブで参加されていらっしゃいますので、不足の御説明をお願いしたいと思います。

○磯部(全国味噌工業協同組合連合会)全国味噌工業協同組合連合会の磯部と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

本件の前に、私ども全国味噌工業協同組合連合会という組織につきまして簡単に御説明させていただきます。

私ども全国味噌工業協同組合連合会、通称、我々、団体の中では全味工連と呼んでおりますが、この団体は昭和35年に設立した全国組織で、現在会員は46組合、その傘下には813企業があります。国内のみそ製造事業者の約9割を傘下に持つ全国団体でございまして、設立当時の目的といたしましては、会員の自主的な経済活動を促進し、かつ、その経済的地位の向上と会員の事業の経済合理化を図り、みそ業の健全なる発展に寄与することとなっております。

主な事業内容といたしましては、原材料の安定的な確保のための施策、具体的には共同購買や、それらのあっせん、また、みそに関連する情報の収集・発信、消費者・マスコミへの広報活動などを行っております。それから、例えば昨年より制度化されましたHACCPにつきましては、平成11年からHACCP支援法の指定認定機関になっております。そうはいいましても、みそ製造事業者は小規模な事業者が多く、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理で対応する事業者もあることから、それに対応した手引書を作成するなど、みそ業界の実態に即した問題解決にも取り組んでおるところでございます。

今回のみその規格化についてですが、二つの背景がございます。一つは、日本のみそは地域によって多様な醸造文化があり、様々な製品が存在しております。そのため、水分、全窒素分、アミノ態窒素分などの数値を一律に規定すると、みその多様性を損ないかねず、品位、成分、性能、その他の品質の基準を定めるJASの制定は困難であったということでございます。もう一つは、日本のみそを含むアジアの有塩発酵大豆製品は、SOYBEAN PASTEとして区分なくひとくくりで表示、販売されており、海外の消費者は、これらの違いを認識せずに安価な商品を選択して購入するため、日本のみそは苦しい販売競争を強いられている状況にあります。

こうした状況を踏まえまして、アジアの有塩発酵大豆製品と日本独自のみそを明確に区別し、世界市場における日本のみそのブランド力を確保するため、今回、みその特色JAS規格原案を御提案いたしました。この規格を作ることで、アジア地域で生産・販売される安価なみそ類似品との差別化や、将来的にそれらの類似品が国内に流通した場合にも、日本のみその独自性を訴求することができると考えております。さらに、海外の方に日本のみそを正しく理解していただくことも期待されます。

この規格では、日本の伝統的なみその製造工程、その根幹であるこうじを作る方法が骨子となっています。国菌である、国の菌であるこうじ菌の一種であるアスペルギルス・オリゼーを用いてばらこうじや豆こうじを作ることを必須条件とすることで、日本の多様なみそを守る規格となっております。

簡単ではございますが、御審議のほどよろしくお願いいたします。

以上でございます。

○中嶋会長 ありがとうございました。

それでは、みその日本農林規格案について御質問、御意見を承りたいと思います。どなたからでも結構でございます。

それでは水野委員、お願いいたします。

○水野委員 日本オーガニック検査員協会の水野です。二つ質問があります。

とても基本的でシンプルな規格だと思うんですけれども、日本のみその製造業者さんで、この規格を取得できない業者さんっているのでしょうかということと、2番目に、こうじ菌のアスペルギルス・オリゼーは、海外でもたやすく入手可能なのでしょうかということ、お願いいたします。

以上です。

○中嶋会長 ありがとうございます。

それではお答え、どうしましょうか。ちょっと何人かまとめて御意見を伺って、それでお答えいただこうかと思います。

それでは里井委員、お願いいたします。

○里井委員 フードジャーナリストの里井真由美です。御説明どうもありがとうございます。御丁寧で分かりやすかったです。ありがとうございます。

先に、まず基本的には賛同させていただく、賛成させていただくという意思は事前説明のときから思っていた上で、意見と、1点お伺いを申し上げさせていただきます。

まず、本当におっしゃるとおり、食品や、特に商材における名前、呼称というのは本当に重要で、今回のように違うものというのを同じ呼び方でその名が浸透してしまう、それによって食や日本の食文化の継承において喜ばしくないというケースがあるのがほとんどではあるんですが、一方で、この食品の業界においては、単純に認知度を上げるという点では良いケースがあるというパターンもあるんですね。何となくなんですけれども、世界で名称をまず知っていただいた上で、そこから今後の何か、時間経過が掛かる面もあるんですけれども、本物に着水するという流れの中で、名前が先行するというパターンだけのもあるので、そこは御理解いただけたらなと思っています。国内における、今回は、特にこの状況によく見られる良くない傾向だったというふうに判断をしていますし、海外におけるという点での活用ということでしたので、賛成させていただこうとは思っております。それは個人の意見が一つ。

あともう一つが、お伺いではあるんですけれども、資料や数値を的確に用いるという点でのお伺いなんですが、最後の輸出におけるグラフにおいて、趣旨としては、輸出が大きく伸びているという、この右肩上がりのところを中心に見るべきとは理解しているんですが、下降になっている大きな要因というのが、恐らくコロナということではあったんですが、どれぐらい今回のこの趣旨と関係があるのかというのがもし分かればと思いました。恐らく、おっしゃるとおりコロナウイルスの影響で下がっていることではあるかと思うんですが、もし今回の議題である表示がされてしまったことで、大きくこの輸出にも減っているんだというリンクがもしあるのであれば、今回の採決にとても大きな理由になるのかなとも思いましたので、ちょっとお伺いだけさせていただきました。

以上です。

○中嶋会長 ありがとうございました。

もうお一方ぐらい、もしあれば。

それでは、阿部委員。

○阿部委員 食品産業センターの阿部でございます。

みそのJAS制定については基本的に大賛成でありますし、輸出の競争力の強化や輸出拡大に貢献すると思いますので、是非進めていただきたいと思っています。

特に1点目は、Codexの規格を決める件では、みそだけじゃなくて、今までも納豆だとか餃子だとか、中国、韓国と食文化が似ている日本の製品をひとくくりにした規格になってしまったときに、日本の食品の良さが伝わらない、そこを差別化した規格にできないという問題というのは、いろいろあったのではないかと思っています。その点で、今回の新しい富士山マークのJASを使うことによって日本の製品の差別化ができるということについては、すごくいいことだと思いますので賛成したいと思っています。

一方で、アスペルギルス・オリゼーを使うとか、ばらこうじを使うというといった生産方法の規格を付けることで差別化を図っていますが、また、先ほど全味工連の方が、成分の規格を検討したけれども多様なみそがあるからできなかったという説明がありましたが、これは多分、やっぱり基本は成分の規格みたいな形で制定することができればそれが一番よくて、それは客観的に誰もが確認できることであろうと思うんですね。ですから、生産方法の規格化だけじゃなく、成分規格をできるようにするという努力も必要なんじゃないかなというふうに思います。特にアスペルギルス・オリゼーを使うこと、ばらこうじを使うことがみその品質にどう貢献しているのか、どのような良い影響があるのか、これは他国のものにはないんだというような特徴を表すというようなこともやっていただけると、もっとよかったんじゃないかなというふうに思いました。

すみません。ちょっとまとまっていない話で申し訳ないです。以上になります。

○中嶋会長 ありがとうございました。

3人の方から御意見、御質問を頂きましたので、ここで一旦切りましてお答えいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。3名の方の質問について、お答えをまず頂きたいと思います。

○磯部(全国味噌工業協同組合連合会) それでは、まず最初に、最初の委員の方の御質問は二つありまして、一つ、この規格については、国内の事業者が誰でも手を挙げて取得できるかどうかということではなかったかと思いますが、それにつきましては、この規格の検討の中で、基本的にはできるという形で規格を詰めてきました。

それからもう一つは、海外でも日本のアスペルギルス・オリゼー、こうじ菌を購入できるのかという話でございますが、これについてはちょっと、確かな統計的な、あるいは客観的な数字情報がないんですが、日本の種こうじ屋さんは10社ほどあるんですが、そのうち2社ほど聞いたところ、量的には非常に少ないんですが、日本の種こうじ屋さんから海外に輸出していることはあるという事業者の種こうじ屋さんもいれば、正式な形では出ていないんじゃないかと、ほとんど出ていないんじゃないかなと、そういった意見もございました。一応そういうことです。

それからあと、2番目の委員の方の御質問で、輸出減については、2019年のこれについては、団体としては、やはりコロナの影響が一番大きい。コロナの影響でコンテナが滞ったり、そういうこともございますので、それが一番大きいものと思っております。ほかの理由は、具体的にはちょっと思い付かないというところでございます。

○里井委員 ありがとうございます。

○磯部(全国味噌工業協同組合連合会) それから、食品産業センターの阿部委員の御意見につきましては、もう過去にも成分による規格化をJASの中でという話もあって、業界全体でけんけんがくがくの議論があった結果、現状に至っているということでございまして、確かに品質規格を成分の数値を基にやるということも必要かと思いますが、それにつきましては今後の課題ということにさせていただきたいと思います。

よろしいでございましょうか。

○中嶋会長 以上ですが、最後の阿部委員からの御質問は、今回のこういう形での規格をしたときの品質のばらつきというんでしょうか、そこら辺がコントロールがちゃんとできるのかという意図と見ればよろしいですか。

○阿部委員 そういうことではなくて、アスペルギルス・オリゼーを使うことが、日本のみその特徴であるとすると、それは他国のものと比べてどういう品質上の差があるのかということを表現するということでも、先ほど全味工連の方から話があったように成分規格はできないにしても、その品質の差を言葉で表現することができるんじゃないかなということでお伝えしたつもりでございます。ちょっと分かりにくくてすみません。

○中嶋会長 それは、風味とか、そういうあたりになるんじゃないかと。

○阿部委員 そうですね。

○中嶋会長 ここら辺はいかがでしょうか。磯部理事、いかがでしょうか。

○磯部(全国味噌工業協同組合連合会) Codexの規格も、あのときも国内の製品100くらい、それから中国、韓国は10から20くらい、当時のFAMICさんに分析していただいて、全窒素とか可溶性窒素とか、それから水分、今、Codexにはその三つ最終的に上げたんですけれども、非常に規格の幅が広くなっちゃっているんですね。これで本当にこういった製品を規格としていいのかというような意見もちょっと聞こえてくるほどに、非常にシャープな規格じゃなくて、非常にブロードな規格になっているものですから、どうしても日本のみそは、そういった形がもう右から左まで幅広くあるものですから、なかなか難しいというのが業界の中の意見ではあるんですが、それに比べると、アスペルギルス・オリゼーという学術的に定義されているものを使うということは、これは間違いないことで、日本独自の国菌と言われるくらいですから、海外にはないものなので、非常に差別性があるんじゃないかなということで、今回そういった方向で規格化を進めたわけです。

○中嶋会長 いかがですか。

○阿部委員 伝えたいことは、消費者や物を買う人にとってみると、その製品の価値でしか判断ができないわけです。規格化をすることによって、その差をうまく表現することができるということが規格化の目的なんだろうと思うんです。だとすると、JASが付いた富士山マークのものはメイド・イン・ジャパンだということだけが特徴なのではなくて、何か品質上すごくいいことがあるから、例えば、和食には日本のみそじゃなきゃいけない、それは中国だったらテンメンジャンとかトウバンジャンでいいのかもしれないけれども、日本食、和食を広げるという上で、日本のみそというのは大事なものなんですという概念があるとすれば、日本のみそにメイド・イン・ジャパン、JASが付いているということで、お客様はそれを選ぶという行為につながるんだろうと思うんですね。

したがって、お客様は、アスペルギルス・オリゼーを使っているからいいんだということではなくて、どんな品質のもののどんなみそがあるか、それがいいんだと言って選んでいるんじゃないかなということが言いたくて、それだとすれば、今回の規格でオリゼーを使う、ばらこうじを使うということで規定すること自体は全然構わないと思うんですけれども、その製法で作った日本のみそは、こんな特徴があるんだということを表現した方がいいんじゃないかなということを言いたかっただけです。

話が長くなるんですけれども、加工食品、みそみたいな調味料のものは、単独でその製品を売ることってなかなかできなくて、多分日本食、和食といった文化だとか、ほかのものとの組合せで売っていくものだろうと思うんです。そうすると、その日本食の文化と一緒に合うというような形での売り方が大事だし、そうなったときには、JASマークが付いていることもそうだけれども、売り方として、和食文化を売るんだということと多分セットになってくるんだろうと思っているんです。全味工連さんも輸出の品目団体をやるということを聞いていますが、是非、みその規格だけにこだわるんじゃなくて、みその文化、日本食の文化という形で輸出を広げるということにつなげていっていただければいいんではないかなということを言いたかったということで、すみません、長くなって大演説で申し訳ございませんでした。

以上になります。

○磯部(全国味噌工業協同組合連合会) 全国味噌の磯部でございます。ありがとうございました。

私の説明がちょっと足らなかった部分があるんですが、今、日本の食文化と結び付けたものという御発言があったんですが、実はこれ、アスペルギルス・オリゼーというのは、研究、論文なんかから見ると、もともと欧米の人にとってアスペルギルス属の菌というのは、かび毒を作る非常に怖い菌種であるというのがあるんですが、日本の種こうじ屋さんが古くから、もともと天然にあるアスペルギルス系のかびを選択培養して、人間にとって害のない、あるいはこれを使った場合においしく大豆を、あるいは米を発酵させることができる、そういったものを長年やって、その集大成の中で、今、日本の種こうじ屋さんが販売している種こうじというのものが形成されてきたという事実がございます。

ですから、そういったところから、日本の種こうじ屋さんというのは、ある意味、今バイオインダストリーというのが1900年後半以降使われていますけれども、世界最古のバイオ産業、バイオインダストリーだということをおっしゃるこうじ菌の研究者もいることでございます。規格にはそういったことは書いてはございませんが、我々、規格を作る立場、あるいは今後この規格が制度化された後においては、そういったことも含めて海外に広めていきたいと考えているところでございます。

以上でございます。

○中嶋会長 ありがとうございます。

今のお話、大変興味深いと思うんですが、海外にこれを広めていくときに、どなたが中心になって、そういうコミュニケーション、旗振り役になったり先鞭を付けたりすることになりますか。これは団体なのか、それとも国なのか、場合によってはジェトロとか、輸出の本部もございますよね。そういったあたりは、何かばらばらにやっても効果的ではないような気もしますけれども、何か国としての方針みたいなものはありますか。

○西川基準認証室長 正に先ほど阿部委員からも発言のあった品目団体というところで、後ほど私、輸出促進法の改正の話もするんですけれども、オールジャパンでやっていくということが非常に輸出にとっては効率的でありますし、成果も出ています。そのため、今般、輸出促進法を改正し、オールジャパンで市場開拓ですとか、外国のマーケット調査などを行う団体を法制化して、そこにコミットさせるという仕組みを作りますので、正に団体がまずやっていくことを目指しています。

二つ目として、今、中嶋会長からもお話が出ましたジェトロには、そういう事業者への支援、これは財政的な支援も含みますが既にツールがあります。そしてジェトロは主要な国に拠点がありますので、そういったところで現地でも丁寧に対応していく。最後に、我々国の体制について、農水省ももちろんですが外務省ですとか、これも後ほど私が説明するんですけれども、輸出閣僚会合もございますので、経産省など主要な省庁と連携して、在外公館も使ってしっかりとやっていく体制を作るということかと思っています。

○中嶋会長 ありがとうございます。

そういうところにインプットしていくのも、例えば全味工連さんたちのお知恵と経験が必要だと思いますので、ここら辺はよろしくお願いいたします。

先ほど、ほかにも御質問がありましたが、質問された皆様から何か。よろしいですか、先ほどのお返事で。

それでは、そのほかの方の御意見、御質問を頂きたいと思います。山根委員、それから、その後、大谷委員、御発言を頂きたいと思います。

山根委員、お願いします。

○山根委員 山根です。よろしくお願いします。ありがとうございます。

海外での日本食ブームは今後も続くと思いますし、みその人気も高まると思いますので、正しく理解をして消費が広がるといいと思いますし、日本の文化としてきちんと広がっていくことを望みます。

それで、質問の一つは、食品添加物の使用については特に定めを持たないでということで、各国のルールに基づいて、使用可能、不可能ということで違ってくると思うんですけれども、そうなると、国内品と輸出品で材料とか作り方が違ってくるのかどうか。そのあたりでJASとしての考え方などがあれば、ちょっと教えてほしいと思いました。

それと、今もう十分お話しいただいたんですけれども、やはり海外との競争ということで、そこが目的のようですけれども、このJASができても、海外でこの定義に合致していなくてもみそと呼べるわけですよね。呼べなくなるわけではないということなので、やはりこの差別化のためには、十分JAS、このマークがしっかり見えるところに付いて、そして日本のみその定義が理解されないといけないと思いますので、相当日本のみその定義が定着するには労力も要ると思いますが、きちんと戦略を立ててほしいということを言いたいと思いました。

それともう一つ、最後に、国内の日本のみそは全てほぼ合致をするし、特に日本国内でのマークを貼り付けることは考えていないというようなことだったと思うんですけれども、それは日本の消費者としては残念な気がします。日本国内できちんとみその理解も広がるように、必ずしもマークだけではないと思いますが、日本の国内の消費者に向けた広報だったり、何か手だても考えていただきたいと思いました。

以上です。

○中嶋会長 ありがとうございました。

それでは大谷委員、お願いいたします。

○大谷委員 大谷でございます。

とても今回のこのみそのJASはとても良いことだと思います。特に要求事項は、もう必要最低限で多様性を確保するという考え方、とても良いと思うのですが、逆に言うと、アスペルギルス・オリゼーを使って、米こうじ、ばらこうじを使って、外部原料で海外で作った場合の、それもJASとして否定できないということになりますが、そのあたり、どうお考えかということが一つ。

もう一つあるのは、さっき最初に説明をされたときに、なぜJAS化するかの中に、海外の製品に平仮名で「みそ」とか「MISO」というのが付いているんだけれども、これをたしか、CodexかISOか何かの関係で、それは規制できないのでJASを作るような説明をされたんじゃないかと思うんですが、もしそれが正しかったら、その辺の事情についてもう一度説明していただけないかなと、以上2点でございます。

○中嶋会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

それでは森光委員、お願いいたします。

○森光委員 繰り返しになるかもしれませんが、私の方は、是非新しい富士山JASを進めていただく一方で、阿部委員と大谷委員が言われたとおりで、抹茶のことを少し思い出しました。抹茶について話し合ったとき、どうして中国産の方が安いのかを分かっている人は当然、あちらは緑茶をただ粉にしていて、日本の抹茶はてん茶をちゃんと粉にしている違いがあると。大谷委員が言われたとおりに、アスペルギルス・オリゼーを農学系や食品系なら当然習うことも一般の方は習わなければ知らない。先ほど阿部委員が言われたように、和食にはどちらが合う、合わないという話もある。

今回のJASと並行して、これは質問ではないですが、是非、ワインが「日本ワイン」でGIを申請したように、みそも「日本みそ」や「Japan miso」でのGI取得を目指して欲しい。大谷委員が言われたように、もう海外でもオリゼーを使ったみそが出てくる。そうすると、もう「日本みそ」というのを思い切って業界で主張するしかない。失礼なことを言っていたら申し訳ないですが、5年前に韓国のOGの先生が日本に帰ってきて、うちの研究室に1年間在籍しました。学生たちは韓国の料理を堪能しながら、例えば先生が手作りしたサムジャンという、コチュジャンをテンジャン(韓国みそ)に混ぜている韓国みそをいただきました。各家庭の味があって、韓国料理と合わせるとやっぱりおいしかったです。つまり、食べることにより韓国みその勉強になったわけです。抹茶とかお茶も食されているから、その食経験が、まだ輸出量を伸ばしている理由だと考えます。10年で30トンぐらい、多分増やしている現況だと思います。みそがここから10年掛けて、例えば100トン増やしていくと考えるのであれば、先ほど阿部委員が言われたように、何かおいしさとか、そういうものを日本人も知るべきであり、海外の方も知るような方策、その中で、先ほ冒頭にお話のあった「5兆円を目指す」というものが実現できると思います。次なる手を打たないと、今後も「みそ」はやっぱりどこの国の製品であれ、表の包材に書かれてしまいます。抹茶が、英語の辞書に「matcha」と出てくる時代になりそうですので、「Japan miso」や「Nihon miso」という英語が辞書で引いたら出てきて、「日本で作られたアスペルギルス・オリゼーの云々」というところまで書かれれば、本当の意味でこのマークが後押しになったと評価できると思います。日本人も知ることができ、海外の方も和食の良さをまた再認識できればと思っております。

以上です。

○中嶋会長 ありがとうございました。

3人の方から御意見、御質問を頂きましたので、ここでまた一旦切りまして、磯部理事の方から、お答えできるところは御対応いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○磯部(全国味噌工業協同組合連合会) 原料の制限については、日本のみそに使える、特に食品系の原料については日本と同じような状況で考えています。それから、添加物については、先ほどの御質問にもありましたように、それぞれの国に合ったものであればいいということで制限は加えていません。

あと、国際化のための戦略とか、あるいは国内でのJASマークについては、もう海外については、競争があるという中でこの規格を提案しているので、大手さん中心に使ってくれるんじゃないかなと思っていますが、国内においても再度、日本のみそというものの良さというものを御理解いただくという観点から、いま一度、消費者向けの広報とか、そういったものをやっていきたいなと思っています。何しろ国内では漸減傾向が続いていますので、それを何とかブレーキを掛けて上昇のベクトルに持っていきたいと考えていますので、御指摘のとおり国内についてもやっていきたいなと思っておるところでございます。

それからあと、海外で作られた、この規格を満足するような形で作られたみそに対抗する手段はという話があるんですが、この規格の最終的に詰める過程でも、農水さん、FAMICさんともそういった話が出たし、日本の大手のメーカーさんからもそういった話があったんですが、このJASの下では、そういった排除することはできないということで、やはり合わせ技で対抗せざるを得ないのが、例えば日本のみそということであれば、GIとか、そういったほかの制度を使って合わせ技でやるということもありますし、ただ、このJASの中でやるという部分においては、例えば海外のメーカーにとってはハードルとしては、日本のメーカーより高いと思われる、日本からこうじ菌を買うというようなことですね。そういったことは、やっぱり一つ大きなハードルになるんじゃないかなと思っていますし、また、そのこうじ菌を使うという技術も、やはりノウハウとして日本のメーカーは持っていますので、そういった小さなハードルの積み重ねが、結局のところ大きなハードルになってくるんじゃないかなと、私自身は、ちょっと楽観的かもしれませんが考えているところでございます。

以上でございます。

○中嶋会長 Codexでのみその規格の議論について、もう少し詳しい御説明をというのが大谷委員からの御要望だったように思うんですが。

○大谷委員 たしか途中でさっと流れたんですけれども、海外のおみそに「みそ」という平仮名とか「Miso」というのが書いてあることについて、それを直接規制できないので、何かJASマークを付けてというような説明だったような気がしたんですけれども、ちょっと私の誤解かも知れませんが、もうちょっと端的に言えば、向こうに付いている「みそ」という字を直接規制するような手だてというのはないものなのでしょうか。

○安井課長補佐 Codexにつきましては、発酵大豆ペーストの規格の中に、表示の基準のところもあるんですけれども、製品名に「Fermented Soybean Paste」というような表示をするという形にはなっています。ただ、国内法で規定されているものにおいては国内の表示を表示していいという話になっているので、先ほどサンプルをお示ししたとおり、「SOYBEAN PASTE」とみそでもテンジャンでも書いてあると思います。海外においては「SOYBEAN PASTE」なんですけれども、国内でみそというのだったら、「みそ」という表示はしてもいいことになっています。

○大谷委員 中国で「みそ」と平仮名で書くことについては、何も我が国は口出しができないものなんですか。

○安井課長補佐 そうですね。口出しはできないと思います。

○大谷委員 そういうものなんですね。

○安井課長補佐 ISOでも法的な縛りはないので、日本が駄目だと言うこともできないというところですね。

○大谷委員 そういう背景なんですね。すみません。よく分かりました。

○中嶋会長 ありがとうございます。

森光委員からは、日本みそという概念をきっちり考えていくべきなんじゃないかという御提案をいただいたと理解いたしましたが、先ほど磯部理事の方からは、このJAS規格ができることによって、国内でも、みその理解が深まっていくんではないかと、そういう活動もしたいということをおっしゃっていたので、それで、意図されたことが広がっていくんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。

○森光委員 応援していますので、是非頑張ってください。

○中嶋会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。

そうしましたら、青木委員が手を挙げていらっしゃいますので、御発言ください。

○青木委員 チェーンストア協会の青木です。お世話さまです。

1点目はまず質問なんですけれども、この規格自体を制定することには異論はないです。ただ、今回の策定の目的から考えると、多分もうちょっと考えなきゃいけないのかなとは思っていて、まずこれ、海外の人が既に日本のみそ、中国のみそ、韓国のみそ等々あると思うんですけれども、多分みそと言ったときに、もうおおよそどのようなものかというのは海外の人も見分けは付いていると思うんですけれども、実際にその商品を選ぶ際に、これが日本のみそだというものは、実際に海外の人というのは何をもって見分けているんでしょうか。恐らく名前だとは思うんですけれども、そこは何か情報はありますか。

何か、みそだと思って買ってみたら韓国のテンジャンだったとか、そんなようなことを、そういう類似のものと違って、ちゃんと日本のみそはこれというものを選んでもらいたいから今回規格を作っているということだと思うんですけれども、そうすると、そもそも名前の付け方のところに非常にキーがあるんじゃないのかなと思っているんですけれども、それを考える際に、海外の人が今、日本のみそというものをどうやって識別しているのかというのが非常に重要になるんじゃないのかなと思っているんですけれども、そこには何か情報はありますか。

○磯部(全国味噌工業協同組合連合会) 全国味噌の磯部でございます。

今、農水さんから発表されている、海外のレストランの数が年々非常に大きく伸びているというのがありますね。一説には、そのほとんどが東南アジア出身の方がオーナー、経営者であるという、これも仮定の話ですけれども、そういった人たちが使うのは、やっぱり自分の国の中国とか韓国のものをみそと称して使っている可能性がありますね。それを食べる消費者というのは、外食の場合、全く分からないですよね。事によると中国の伝統的な発酵大豆かもしれませんし、韓国のものかもしれません。ですから、そういった意味では、これからこういった規格を足掛かりに、JASマーク、あるいはそれを更に国際化したISOとか、そういったマークを足掛かりにしてやっていくのが一つの手かなとは思うんですが、何しろ、今遅いのか早いのか、こういったものは、一つ社会的に普及しちゃうと、それがもう先行事例となってなかなか後から少なくできないという状況もあるんですが、今後、何とかその辺のところを、これが日本のみそなんですよということを前面に押し出した普及を図っていかなきゃいけないかなと思っています。

○青木委員 ありがとうございます。そうすると、ターゲットとしては、レストランというよりは海外での小売なんですか。

○磯部(全国味噌工業協同組合連合会) 今のところ、これも統計数字があるわけじゃないんですが、ほとんどが業務用として、例えば日本から輸出したみそ、あるいは中国、韓国から出ているみそも、恐らくプロフェッショナルユース、業務用として出ているんじゃないかなと。それが一般家庭にこれから入っていく潮流を作る一つの活動が、我々のような活動になるのかなとは思っております。ですから、そういう意味では、日本で40万トン、それが全世界で家庭に入っていくとなると非常に大きな数量になるんじゃないかなと、ちょっと楽観的ではございますけれども、そんなこともちょっと頭の片隅に考えています。

○青木委員 分かりました。そうすると、前段でほかの委員の方もおっしゃっていましたけれども、私もやっぱりこの呼び名が、浸透していくには非常に重要かなと思っているんですけれども、例えばこの机上配布資料2等々を見ていったときに、恐らく「みそ」という言葉自体は外国人の人ももう認知はしていると思うんですけれども、この富士山マークの規格を付けたときに、どういう品名なり商品─商品名じゃないか。どういう品名を付けましょうというところまでは制限をしていないと思うんですけれども、例えば、このハナマルキさんのやつだと、「SOYBEAN PASTE」と書かれていますよね。海外のサイトとかでも、みそとSOYBEAN PASTEは違うよというふうに、そういうふうな説明はあるんですよね。そういったときに、やっぱり日本のみそとしてもっともっと広く浸透させていきたいといったときに、例えば品名は必ず「みそ」というものを付けると。この中にまた白みそとかレッドタイプとかと出てくると、今度、それはこの規格の中の何なんだというところも多分分かりづらいでしょうし、だから、その名前の付け方というものと、このみその中でのいろいろ種類があると思うんですけれども、それを英語にしたときにどうなのか。そこにまた富士山マークが日本の固有のものですよというふうに認知させるのもいいんでしょうけれども、可能なんだったら、この「SOYBEAN PASTE」のところに、例えばジャパニーズスタイルのSOYBEAN PASTEとか、それに対してみそ、みその中の白みそとは何なのか、レッドペーストといったら何なのか、そういったものの名前の付け方のところも規格の中で統一できると、多分もっと海外の人が日本のみそというものを認知するのに役立つんじゃないのかなと思うので、次改定する際には、その名前の付け方のところも考えていただけるといいんじゃないのかなと思います。

以上です。

○中嶋会長 ありがとうございました。現段階ではこれでよろしいけれども、将来の改定においては、少し今おっしゃったような課題があるんではないかという御提案だったと思います。

何か磯部理事の方から御発言ございますか。

○磯部(全国味噌工業協同組合連合会) 名前はとても大事だというのは、私自身も日用品の開発の経験から分かっておりますので、今頂いた名前に関する御意見、今後の検討課題にさせていただきたいと思っております。

以上です。

○中嶋会長 ありがとうございました。

それでは、まだ発言されていません川上委員、そして水野委員、御順にお願いします。

○川上委員 すみません、川上です。

一つ質問と、あとエールなんですけれども、種こうじに関して、このアスペルギルス・オリゼーというのは、もうほかではなかなか培養できないというふうに、日本独自のものだというふうな御説明があったんですけれども、今、日本の農産物、いろんなものが海外へどんどん流出してしまっているという状況から考えると、このこうじ菌に関しての特許とかというものはないんだと思うんですけれども、これが流出する可能性がないということは言えないのかなと思いまして、そこら辺の懸念がありますので、どういうふうにお考えになっているのかをお聞きしたいのと、それから、やはりこれ、みその製造工程、今回審議しているんですけれども、輸出がありでみそのJAS規格ということを提案されているような感じだと思います。日本の中では、みその消費はどんどん減っていますので、みそメーカーとしてはいろんな濃縮みそだったり、ペットボトルに入ってすぐ使えるおみそだったり、消費者にすぐ消費が拡大されるように、いろんなアイデアを出していただいているかと思うんですけれども、今回、先ほども御説明があった、まずは業務用から始まって、それから調理用へというふうな方向性をお持ちになっているんですけれども、その辺、できればセットで、先ほども、大学の教授が日本に来たときに家庭のお料理を味わうことができて、それから皆さんが向こうのおみそというものに対しての興味が広がったということもありますので、是非それも併せて、後追いではなく、併せてPRしていっていただけるのが一番いいのかな。

また、国として輸出するに当たっても、業務用ということは、もちろん大量に商品ができるんですけれども、海外の消費者に向けても、是非日本のおみそで、みそ自体が100種類以上多分あると思いますし、日本人でさえみそに関しては好みで、嗜好品としていろんなみそを楽しんでおりますので、その楽しみ方ということも是非、みそは一つではないということも併せて説明されないと、やはり一つの規格には入り込まないのではないかと思いますので、その辺も是非検討していただければと思います。

以上です。

○中嶋会長 ありがとうございました。

それでは、続けて水野委員、お願いいたします。

○水野委員 私がアメリカに住んでいましたときに、ひよこ豆で作られたみそが人気だったんです。実際にアメリカの大手メーカーが、アメリカでひよこ豆のUSDA有機認証みそを

販売しています。ここで見ますと、米みそ、麦みそ、豆みそ、調合みそとありますが、ひよこ豆は、この調合みその分類に入ると思うんですけれども、これって分かりにくいと思うんです。ひよこ豆だって豆じゃないかと。ですから、英文パンフレットを作成されるときに、また啓もうするときに、日本のみそとはどういうもので、ここで言う豆とは大豆であると明確にされた方がいいんじゃないかと思いました。

それから、富士山のマークの上にJAPANMISOとか表示できないんですかね。だって、何のためにこの規格を作っているのか。JAPAN MISOと表示することによって、伝統的に使われてきた原材料である大豆とアスペルギルス・オリゼーを使って作られたものであることをアピールできて良いと思います。そして、海外の方もこの規格に見合って作ったらJAPAN MISOと書けるわけですので、メリットがあると思います。

以上です。

○中嶋会長 ありがとうございました。

ほかに御発言される方いらっしゃいますか。

それでは、恐れ入りますが、磯部理事、今のお二人の御意見、御質問について御回答いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○磯部(全国味噌工業協同組合連合会) 全国味噌の磯部でございます。

私の方から、今回の提案は食品表示基準で定義されているみそでございますので、その場合に、大豆を使うことと、それから塩を使うことが必須の要件になります。そういうわけで、大豆を使わないで、大豆の代替としてひよこ豆を使ったものは、みそ様の発酵調味料ということで、日本ではみそには該当しないことになります。日本でもひよこ豆というのは注目されているので、一部のメーカーさんがそういったものを、大豆をひよこ豆に代替して使っている商品はございます。ただ、その場合にはみそという表示はできないことになっています。

○中嶋会長 だから、海外の企業がもし、このアスペルギルス・オリゼーを使ってみそを作ったときも、大豆を使っていることは、要求事項として入ってくると理解すればよろしいですか。

○磯部(全国味噌工業協同組合連合会) そういうことでございます。アスペルギルス・オリゼーを使って、豆、あるいは米、あるいは麦のこうじを作って塩と仕込むということですね。それを満足しておれば、この規格に合致するということになります。

○中嶋会長 それは3.10、11、12、13、14のあたりに全部入り込んでいるということでございますね。分かりました。

それから、こうじ菌の特許等のお話に関してはいかがでございましょうか。特許といいましょうか、登録というんでしょうか。

○磯部(全国味噌工業協同組合連合会) アスペルギルス・オリゼーを使うことを特徴とするみそというのは、これは公知文献等がいろんなところにあるんじゃないかなと思いますので、非常に難しいんじゃないかなと私は思っております。ですから、それに代わるものとして、農水さんがやっているGI、ああいったものが一番いいのかなと。日本酒でもやっていますし、ワインでもやっていますし、そういったものの制度を活用することの方が近道かなと思うんです。排他的権利を持つという意味ではですね。

○中嶋会長 なるほど、分かりました。先ほど、みそは非常に種類が多く、楽しみ方も多様であると。そういったあたりは地域地域の特性だと思うんですけれども、そういったところはGIなどで特定をし、そしてアスペルギルス・オリゼーを使った日本みその、その本質的な部分はJASで守っていくというふうに理解いたしました。

先ほどの御発言の中にも、和食とセットでの振興とか、みその深い日本文化の意味みたいなものも重要であるという御指摘がありましたので、その前からの議論とも通じるものがあるので、ここら辺も今後の振興の上での意見として承りたいと思います。

ほかによろしいでしょうか。

(発言する者なし)

○中嶋会長 それでは、御意見が出尽くしたようなので取りまとめていきたいと思いますけれども、皆様の御意見を伺ったところ、みその日本農林規格案については原案とおりでよろしいという御意見だったと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

○中嶋会長 それでは、異議がないということでございますので、諮問事項のみその日本農林規格案については、原案とおり制定すべきと報告させていただきます。

また、今後の取扱いにつきましては会長一任とさせていただくこととし、告示の手続を行うに当たりまして、内容変更を伴わない字句の修正等が必要な場合にあっては、事務局と調整するということで、これも会長に一任とさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

○中嶋会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

それでは、議題の(2)のその他に移りたいと思います。

事務局から、JAS法の改正の検討方向について説明があると伺っておりますので、説明をよろしくお願いいたします。

○西川基準認証室長 資料7を使って説明させていただきます。食品製造課基準認証室長、西川です。

座って説明させていただきます。

資料7を御覧ください。

この資料は、1枚目の左の上に少し小さく書いてあるんですが、昨年の12月21日の農林水産物・食品の輸出拡大のための輸出国規制への対応等に関する関係閣僚会議の資料でして、このタイトルに書いてありますとおり、輸出額5兆円目標に向けた更なる取組の強化について、どういうことを今後政府としてやっていくかというものを一覧にして公表している資料です。これは、3ページ目の資料にリンクを載せていますので、後ほど本文ですとか詳しいところを御覧になりたい方は、こちらの方を御参照ください。

まず、1ページに戻ります。

こちら、農林水産物・食品の輸出額について昨年12月に公表されましたが、1兆633億円となり、1兆円を超えたのが初めてになります。今回、5兆円に向けて、今後、政府として何をやっていくかという中で、いろいろとあります。

左の方を見ていただくと、輸出促進法など制度の見直しとありまして、一番下、赤く囲っています(エ)番、有機JAS制度の改善というところで、この二つ目の丸ですね。JAS法を改正し、JAS規格の対象に有機酒類を追加するという方向で今検討を進めています。

有機JASというのは、もちろん皆さん御存じかと思うんですけれども、今、アメリカ、EU等の海外市場においては有機食品の人気が非常に高くなっております。これは、野菜、果実などの生鮮食品に加えまして、加工食品でも有機製品というのが高値で販売されて、その市場が非常に拡大しています。今、実際、農産物と農産物加工品につきましては、アメリカ、カナダ、EU等と、JAS法に基づく有機認証制度に関して同等性を我が国は締結していますので、日本において有機JAS認証を取得していれば、輸出先国の有機認証を、アメリカでいえば英語で取らなくても、有機としてアメリカでも輸出ができるということになっております。ただ一方、酒類については、これはJAS法の対象から今除かれていますので、この同等性が使えないということで、諸外国との有機同等性の対象外となっているのがずっと課題でした。

今回、JAS規格の対象に有機酒類を追加するということで、有機酒類の認証に関する同等性を今後、海外の主要市場国の政府と私たち、頑張って締結していく方向に向けて、有機酒類の輸出も拡大していこうということで、この5兆円目標に向けて酒ももっと輸出を拡大していこうということを考えています。

この資料のまた2ページ目に戻りまして、この実行戦略の中身ですね。この5兆円目標に向けて政府がやっていきますよということを実行戦略で出したということですが、この中でJASに関連した部分だけを抜粋したのが2ページ目です。

これについて、まず3ポツ目の(3)番、省庁の垣根を超えて政府一体としての輸出の障害克服ということで、(イ)ですね。輸出加速を支える政府一体としての体制整備ということで、これ、輸出法の話とかもいろいろ書かれているんですけれども、今回JAS法のところだけということで、「また」となっていますが、JAS法を改正して、JAS規格の対象に有機酒類を追加する方向で検討するとともに、JAS規格と海外の規格との同等性の承認を得るための交渉を進めるということで、同等性の交渉をしっかりとやっていきますよということです。この同等性の承認を活用した輸出数量が非常に伸びています。10年間のデータを持ってきまして、直近10年間、2010年では同等性交渉を活用した輸出数量は約40トンだったんですね。それが何と2020年には約2,600トンと、40から2,600トンというところまで、10年間でこの同等性を活用した輸出数量がすごく伸びているということは、この同等性交渉を政府として進めていくと輸出が伸びるというエビデンスが出ているということなので、しっかりとやっていきますよという我々の努力について法律に明記するということが大きく一つ改正のポイントになります。

次、(4)番ですね。新たな取組を実現するための法制度の見直しということで、これは輸出促進法等の改正と(ア)番になっていますけれども、今回の法律のタイトルとしては輸出促進法の改正ということになります。その中でJAS法も改正しますよということで、点が三つあります。

一つ目は、私が先ほどから力強く説明していますけれども、JAS規格の制定の対象に有機酒類を追加して、有機酒類の輸出を拡大していく。

二つ目、これは先ほど、みそのときにお話をしたと思うんですけれども、認定農林水産物・食品輸出促進団体というものが同等性承認の交渉を求めた場合の国の責務を明確化するというところですが、これは、輸出促進法等の改正で、輸出促進法でいろいろと各県が各国のマーケット調査をしたりですとか、輸出に対していろいろとやっているんですけれども、やはりオールジャパンで輸出国のニーズの調査ですとかブランディングに取り組む、こういったことが必要だということで、その品目団体の認定の法制化を輸出促進法で行うということを検討しております。この団体が同等性承認の交渉を求めた場合に、国がしっかりとやっていきますよという、またこれも責務を法律に書きますよということです。

最後、三つ目。これが、外国政府にあらかじめ登録された認証機関に対して、事業者の認証に係る情報が他の登録認証機関から提供される仕組みを導入するということで、認証機関を移動する場合にも、その移動先でまたもう一回審査を受けなければいけないということで、審査はもちろんしっかりと受けなければいけないんですけれども、移動の前の認証機関から、移動の後の認証機関に対して認証事業者の情報、例えば審査の結果等を情報共有することによって、移動した後も審査が迅速になるというメリットがありますので、この三つの改正のポイントで今検討をしております。

私からは、以上、この12月21日に公表された農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略の資料に基づいて、今現在農水省が検討しているJAS法の方向性について御報告させていただきました。ありがとうございます。

○中嶋会長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明につきまして御質問があれば承りたいと思いますが。

それでは水野委員、お願いします。

○水野委員 日本オーガニック検査員協会の水野です。

有機のお酒がやっとJAS法に入るのは、とても好ましくて有り難いことだと思っています。ただ気になるのが、国税庁の有機の基準とJASの基準が微妙に異なる点があります。それに関しては、もう国税庁との基準のすり合わせなどを行われているのでしょうか。そしてまた、それは同等性交渉にも関わることですので、それも意図に入れて、施行になったときにすぐさま活用できるように、もう準備されているのでしょうか。

以上です。

○中嶋会長 お願いします。

○西川基準認証室長 国税庁との調整ですけれども、今、このJAS法は農水大臣主管だけの法律ですけれども、これから酒が入ることによって財務省と共管になります。有機酒類の表示を規定する国税庁の告示についても、JAS法の対象に有機酒類が入ったと同時に廃止されます。もちろん経過措置で、いきなり切ることはしないんですけれども、国税庁の告示は廃止され、農水省と財務省の共管の告示で作り直さなければいけないので、そこはもう既に内々の調整は始めているところです。

ただ、先ほどおっしゃったように、少しずれていたりとか、あと諸外国との比較もやっているんですけれども、アメリカとEUでも違ったり、特にワインについては、やはり各国それぞれ独自な製法とかもございますので、そういったところも多角的に見ながら、調整をスピード感を持って進めていきたいと思います。

○中嶋会長 ありがとうございました。

それでは、たくさん手が挙がっているので、すみません、私が一番初めに気が付いた青木委員から。まず青木委員、御発言いただければ。

○青木委員 ありがとうございます。3点お話しさせていただきます。

1点目は、もともとこれ、国税のところでの話だと思うんですけれども、こういう省庁をまたいで一つのことをやるということが、私はお役所は絶対できないだろうと思っていたことなので、これを今回やるということに対しては、非常に多分いろんな苦労だったり努力があったと思いますので、それは大変いいことだと思います。これが1点目です。

2点目が、今お答えできる範囲で構わないんですけれども、実際にこの有機酒類が規格化されて、法律として公布されて施行されるのを、大体どれぐらいの期間、何年ぐらいを目安に考えていらっしゃるのかが、これが2点目、これが質問です。

3点目はお願いになるんですけれども、輸出を促進したいというところは当然理解しているんですけれども、これによって当然国内への輸入のところへも非常に大きな影響が出るんだろうと思っています。特に酒類、有機畜産物が指定農林物資化されたときもそれなりに影響があって、この同等性のところで、EUなんかはまだ同等性の対象になっていないわけですね、畜産物。こういったことにならないようにしていただきたいのが切なお願いというところでして、特に酒類なんかだと、有機酒類だと今でもヨーロッパからの輸入というのは多いですし、あと、特に南米ですね。チリなんかもありますし、チリなんかだと、農産物、畜産物ともに同等性の対象国ではないので、これが酒類になったときに、チリが同等性の中に入ってこなかったら、それなりにそこからの有機のワインというのも止まるんだろうなと思っていますし、あと、有機酒類の特にワインというところで考えると、今までの食品にはないビンテージという考え方があると思うんですよね。法律が施行される前からもずっと醸造されている。2015年ものとか16年ものとかあると思うんですけれども、そういったものの猶予期間をどう考えたらいいのかということも、これは規格を検討されるときに考えられると思うんですけれども、そういった懸念があるということだけはちょっとお伝えしたいと思っております。

以上、3点です。

○中嶋会長 ここはお一人お一人、お答えいただければと思いますが、いかがでしょう。

○西川基準認証室長 今の青木委員からの3点の一つ目は、他省庁と共同でよくやっていただきましたということで、お褒めのお言葉かと思いますので、こちら、まだ法律が通っていませんので、引き続き頑張っていきたいと思っています。

2つ目は施行と公布なんですけれども、これも法律、まだ提出もしていませんので、閣議決定前なので、まだまだいつということは予断を許さないところですが、公布後半年以内に施行という形で今考えています。

3点目は、正に輸入の事業者さんのフォローですとかは、やはり国税庁さんもすごく気にしていまして、そこは事業者のヒアリングなどもして、しっかりとした猶予期間を設けていきたいとは思っています。正にビンテージという考え方、特にワインは何十年もの、何百年ものみたいな、そういう醸造期間もありますので、その施行前に醸造を始めたお酒についての猶予期間ですとか、そういったところも国税庁さんと、事業者の方々の意見をしっかりとくまなく聞いて進めていきたいと思っています。

○青木委員 ありがとうございました。

○中嶋会長 ありがとうございました。

それでは山根委員、お願いいたします。

○山根委員 山根です。ありがとうございます。

輸出促進法に「国の責務を明確化する」と書いてありまして、結構強い言葉だなと思ったんですけれども、「役割」とか「国のすべきこと」ではなく「責務」という言葉を使ったのは、何か具体的にもうあるんでしょうかという質問です。

○中嶋会長 じゃ、お願いします。

○西川基準認証室長 輸出促進法の中のJAS法の改正など、JAS法に責務を入れるんですけれども、「責務」というとちょっと強い言葉に見えるかもしれませんが、こういう交渉をするよう努めなければならないという努力義務を入れるということですので、私たち、今までも一生懸命やってきていますが、それをしっかりと明文化するということなので、思いは引き続きしっかりとやっていくということです。

○中嶋会長 よろしいでしょうか。

○山根委員 はい。ありがとうございました。

○中嶋会長 それでは鈴木委員、お願いいたします。

○鈴木委員 鈴木でございますが、御説明ありがとうございました。

有機酒類の追加というのは、これは非常に大きな変化だろうと感じているところであります。その2番目のステップの、少し教えていただきたいのは、同等性の認証についてよく分かっていなくて、この手順といいましょうか、難しさといいましょうか、時間的な見通しのようなものについて少しコメントを頂けると有り難いんですけれども、よろしくお願いします。

○西川基準認証室長 交渉につきましては、相手の国のある話でもあるので、いつまでとかいうところは私からたやすく言うことはできないんですが、プロセスとしては、有機の今回の農産物加工品の中に酒類についての規格も入れるということを考えていますので、日本の有機農産物加工品の比較と、EUであればEUの有機のお酒のルールですとか、アメリカだったらアメリカのそういった有機のお酒のルールの比較ということになります。

ただ、私が畜産物の同等性交渉よりはハードルが少し低いなと思うのは、今の有機農産物加工品については、アメリカですとかEUですとかカナダのような主要国とは、今同等性を結んでいます。酒というのは基本、有機農産物加工品なんですね。日本だけが恥ずかしながら、農水省と税制の関係で財務省という形で担当が違いますけれども、ほかの国については有機農産物加工品、原材料は米ですとか果実ですとか、これ、農産物ですから同じカテゴリーに入っています。そのため、同じカテゴリーに入っているものの少しステップアップ版の交渉ということになるので、有機畜産物のように一から進めるという交渉よりは、少しハードルが低いのではないかなとは思っています。ただ、最初に申し上げましたように、交渉は相手のある話ですので、いつまでに締結するというお答えは難しいなと思っています。

○鈴木委員 どうもありがとうございました。

○中嶋会長 それでは米岡委員、お願いします。

○米岡委員 米岡です。ありがとうございました。

同等性の交渉は本当に重要だというふうに、もう本当に数十年というか、かなり長い時間、議論されてきていることだと思いますけれども、その中で、審査や検査の重複を解消するというキーワードは本当に重要だというふうに思っています。それは輸出するためのスピードの問題ももちろんありますし、経費の問題もありますし、事業者の負担考えて、もう本当に必須のことだと思うんですね。

その中で、今日御説明のあった認証登録の移転を容易にするという考え方は、やむを得ないとは思いますけれども、同等性が交渉の結果、実現すれば、認証を移転する必要性はないわけでして、ここは矛盾が一部あるというふうに思います。認証登録の移転が容易になればなるほど認証機関の品質が上がるかというと、それは必ずしもそうではなくて、国際標準の品質マネジメントシステムの認証等がもうその道をたどってきておりますので、そこのところはいろいろなルールですとか規制といったようなことを考えていただいて、認証の品質そのものが下がらないというようなことも、どこかで考慮しておいていただくということが必要ではないかというふうに思います。同等であれば認証を移転する必要は全くない。そちらの方にどちらかといえばエネルギーを注いでいただきたい。今のところでは認証を移転する必要性があることは認識していますので、それをJAS法の改正の中に織り込んでいただくということはいいことだと思って、前向きに評価をしていますが、よろしくお願いいたします。

○中嶋会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。

○西川基準認証室長 海外の話は、認証機関の移転というところが必ずしもマストではないというのはおっしゃるとおりかなと思うんですけれども、実際、この認証機関の情報共有の話、今回導入する背景としましては、輸出というところもあるんですが、例えば今日もみその方、規格がありましたけれども、例えばしょうゆとかも、しょうゆの認証機関というのがあります。そこは一般JASの認証機関ですので、特定の品目だけの認証機関です。この認証機関から例えばAしょうゆ事業者さんが認証を受けていましたと。実際、このA認証事業者さんが新たに有機認証もやってみようというようなことになった場合には、有機認証を行う登録認証機関への移動ということもできるようになりますので、これ、実際1ページ目に戻っていただきますと、なぜ有機JAS制度の改善という、この(エ)番の赤く囲ってあるところに書かれているかというと、もちろんこれ、輸出拡大実行戦略の中身で輸出が一丁目一番地なんですけれども、もう少し大きいくくりで農水省はみどりの食料システム戦略を出していまして、有機を広げようということもやっていますので、有機JAS全体の改善という大きな視点も入れた上で、登録認証機関の情報共有というところも狙っているポイントです。海外の輸出についてということで、おっしゃるとおり、しっかりと交渉に邁進してくださいというのは、私たちも頑張りますので、それと並行して国内の有機認証の市場も広げていくということも狙って、今回改正を検討したいと思っています。

○米岡委員 ありがとうございました。よく分かりました。

やはり、さはさりながら、その認証というものを移転するということについて、容易にするメリットが十分にあると思いますが、デメリットもあるので、そのところはよく御理解いただいた上で制度作りを進めていただけるということが必要かなと思っています。

○中嶋会長 参考にしていただけるということでございます。

ほかにいかがでございましょうか。よろしいでしょうか。

(発言する者なし)

○中嶋会長 いろいろな御意見、御質問が出て、理解が深まったと思います。ありがとうございました。

それでは、そのほかに事務局から何かございますでしょうか。

○長谷規格専門官 特段ございません。

○中嶋会長 最後に、委員の皆様から何か御発言ございますか。よろしいでしょうか。

(発言する者なし)

○中嶋会長 ありがとうございます。

それでは、本日の議事はこれで終了させていただきます。委員の皆様方には、議事の円滑な御進行に協力いただきまして、誠にありがとうございました。

それでは、議事進行を事務局にお返しいたします。

○長谷規格専門官 本日、御審議いただきまして誠にありがとうございました。

今日御審議いただきましたみその日本農林規格案につきましては、速やかに公示できるように所要の手続を行ってまいりたいと思っております。

それでは、以上をもちまして日本農林規格調査会を閉会いたします。

どうもありがとうございました。

午後3時47分閉会




お問合せ先

新事業・食品産業部食品製造課基準認証室

代表:03-3502-8111(内線4482)
ダイヤルイン:03-6744-2098

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