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農林水産省

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令和2年度に収集した技術的課題(現場ニーズ)

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令和2年度に開催された地域研究・普及連絡会議等を通じて、国及び都道府県の行政、研究、普及の関係者から470件の研究ニーズ等を収集したため、その概要を紹介します。

本概要のPDFファイルはこちら(PDF : 306KB)


技術的課題リストはこちら(EXCEL : 450KB)


令和元年度以前に収集した技術的課題はこちら

1.集約・整理した技術的課題の概要

(1)作目別の分類

  • 野菜、果樹、米、畜産、花きに関する研究ニーズが多く(図1)、これら上位5つの作目で、全体の76%を占める

図1

図1  技術的課題の分類(作目別)

(「その他」は、特産作物、作目全般、木材等を含む)
1つのニーズが複数の作目に分類されている場合がある

表1

(2)技術別の分類

  • 栽培、防除、スマート農業、育種に関する研究ニーズが多い(図2)
  • 特に栽培や防除といった基本技術に関するもので全体の52%を占めており、こうした研究ニーズへの対策が重要
  • スマート農業に関連するニーズが増加傾向にあるが、今年度では、昨年度の2倍近くに増加(昨年度59件・今年度107件)しており、スマート農業への関心の高まりが示されている(図3)

図2

図2  技術的課題の分類(技術別)

1つのニーズが複数の技術に分類されている場合がある

表2


図3

図3  過去のスマート農業に関連するニーズ数の推移

2.スマート農業に関する主なニーズ

(1)ドローン等の活用

  • ドローンを活用した作物の生育診断と栽培管理技術の確立【米】
  • 農薬動態把握に基づく露地野菜を対象としたドローン防除技術の開発【野菜】
  • ドローンによる茶園管理作業の省力低コスト化及び中山間地茶業の維持活性化【茶】

(2)システム開発等

  • 中山間地域における小面積多筆管理に対応した栽培・経営管理システム【野菜】
  • 大規模飼料生産組織に対応した効率的な自給飼料生産システム【畜産】

(3)自動走行型農機の活用

  • 自動走行型農薬散布装置の実用化のための濃厚少量散布技術の開発【果樹】
  • 受粉・収穫の機械化と自動走行車の高度利用化【果樹】

(4)施設環境モニタリング

  • 施設花きの複合環境制御による高品質多収生産技術の確立【花き】
  • IoT技術を活用した効率的な豚舎汚水処理システムの確立と見える化【畜産】

3.環境対策に関する主なニーズ

(1)栽培技術や品種開発による温暖化への適応

  • 高温不稔耐性を有する水稲の品種開発の加速化と高温不稔軽減技術の確立【米】
  • 高温環境において多発するタマネギ病害の防除技術の構築【野菜】
  • 気候変動に起因する果実障害、樹体障害の発生原因の究明と軽減対策の開発【果樹】

(2)農業資材の改良による環境負荷の低減

  • 被覆肥料殻の流出削減技術の開発【米】
  • 生分解性プラスチックマルチによる省力的栽培法の検討【野菜】

(3)化学農薬のみに依存しない病害虫管理技術

  • ネギのネギハモグリバエの総合的防除技術の確立【野菜】
  • ハダニ防除困難条件・環境に対応する新たな天敵利用技術の開発【果樹】

(4)畜産分野における環境負荷低減技術

  • IoT技術を活用した効率的な豚舎汚水処理システムの確立と見える化
  • 家畜ふん堆肥の広域流通技術の確立
  • 乳牛・肉牛飼養由来プラスチック資材の低減

4.主な作目ごとの技術別分類

(1)米

  • 栽培、防除に関するニーズが多い(図4)
  • 栽培技術に関する主なニーズは、高温条件下においても安定した収量と品質が確保可能な栽培技術の確立、窒素以外の肥料及び土地改良資材の一括施用による施肥コスト低減の確立、直播栽培における無コーティング種子利用技術体系の確立等
  • 防除技術に関する主なニーズは、カメムシ、トビイロウンカ、スクミリンゴカイ、カスミカメ、ばか苗病、もみ枯細菌病等の病害虫やヒエ等の雑草の防除技術の開発

図4

図4  米の技術別分類

1つのニーズが複数の技術に分類されている場合がある(以下、同様)

表4

(2)麦

  • 栽培、防除に関するニーズが多い(図5)
  • 栽培技術に関する主なニーズは、凍霜害・高温登熟等の異常気象への対応と高品質・多収を両立する技術の確立、β-グルカンなどの機能性成分やタンパク質の含有量を高める栽培法の解明等
  • 防除技術に関する主なニーズは、ふ枯病、縞萎縮病、赤かび病、赤さび病等の病害、アレチウリ、カラスムギ等の雑草の防除技術の開発

図5

図5  麦の技術別分類

表5

(3)豆類

  • 栽培、防除に関するニーズが多い(図6)
  • 栽培技術に関する主なニーズは、異常気象による降水量増加に対応するためのほ場排水性の評価・改善技術の開発、土地改良資材などの施用による散布労力及び施肥コスト減少の実現等
  • 栽培技術に関する主なニーズは、カメムシ、ダイズ黒根腐れ病、茎疫病等の病害虫、アレチウリ、帰化アサガオ類等の雑草の防除技術の開発

図6

図6  豆類の技術別分類

表6

(4)野菜

  • 栽培や防除に関するニーズが多い(図7)
  • 栽培技術に関する主なニーズは、トマトやキュウリ等における温暖化に対応した高温対策・栽培管理技術の開発、ブロッコリー等の露地野菜における機械収穫技術等の開発、イチゴの奇形果や白ろう果等の生理障害の原因解明及び対策技術の開発等
  • 防除技術に関する主なニーズは、ネギの黄色斑紋病斑、イチゴのハダニ、アザミウマ類、タマネギべと病、球根腐敗病等の病害虫防除技術の開発

図7

図7  野菜の技術別分類

表7

(5)果樹

  • 栽培や防除に関するニーズが多い(図8)
  • 栽培技術に関する主なニーズは、リンゴ、ナシ、ブドウなどの機械化樹形に適合した機械の開発、受粉・収穫の省力化に寄与する機械の開発、気象変動に対応したカンキツ果皮障害の被害軽減技術の開発等
  • 防除技術に関する主なニーズは、リンゴのサビ果、モモのせん孔細菌病、ナシの黒星病、果樹全般で発生が認められるダニ類、クリのシロスジカミキリ等の病害虫の防除に関する技術の開発

図8

図8  果樹の技術別分類

表8

(6)花き

  • 栽培や防除に関するニーズが多い(図9)
  • 栽培技術に関する主なニーズは、局所温度、局所CO2制御と環境情報を用いた開花調節技術と予測技術の開発、高温期に適した養水分管理技術の確立等
  • 防除技術に関する主なニーズは、キク白さび病、トルコギキョウ斑点病、ハダニ、アザミウマ、センチュウ等の病害虫の防除技術の開発

図9

図9  花きの技術別分類

表9

(7)茶

  • 栽培や防除に関するニーズが多い(図10)
  • 栽培技術に関する主なニーズは、省力化・機械化による低コスト有機栽培体系の構築、被覆栽培におけるテアニン、カテキンなど特定成分含有量のコントロール技術の確立等
  • 防除技術に関する主なニーズは、生物的防除資材である土着化天敵の積極的利用技術の開発、薬剤抵抗性の遺伝子診断法及び診断キットの開発と現地実証等

図10

図10  茶の技術別分類

表10

(8)畜産

  • 飼養管理やスマート農業に関するニーズが多い(図11)
  • 飼養管理技術の主なニーズは、アニマルウェルフェアに配慮した飼育システムの導入、雄種鶏の脆弱発生を低減する飼養管理技術の確立、搾乳ロボット施設の最適レイアウトの設計等
  • スマート農業技術の主なニーズは、AIにより取得した可視化情報の活用による健全な飼養管理技術の開発、BODバイオセンサー等のIoT技術をフル活用したリアルタイムな水質状態把握技術の確立等

図11

図11  畜産の技術別分類

表11

お問合せ先

大臣官房政策課技術政策室

担当者:推進班
代表:03-3502-8111(内線3127)
ダイヤルイン:03-6744-0408
FAX番号:03-6744-0204