倒伏に強く多収のインゲンマメ(金時類)新品種「秋晴れ」
ポイント
- 「大正金時」よりも収量性に優れる。
- 「大正金時」および「福良金時」よりも倒れにくい。
- 「福良金時」よりも茎折れしにくい。
- インゲンマメ黄化病抵抗性に優れる。
「秋晴れ」の草姿
(左):「大正金時」、(中):「秋晴れ」、(右):「福良金時」
「秋晴れ」の草姿は、他の金時品種と変わらない。
「秋晴れ」の子実
(左3列):「大正金時」、(中央3列):「秋晴れ」、(右3列):「福良金時」
「秋晴れ」の子実色は他の金時品種と変わらない。子実の大きさは、「大正金時」並で、「福良金時」よりはやや小さい。
「秋晴れ」の栽培特性
「秋晴れ」は「大正金時」並の早生である。「大正金時」よりも収量性に優れ、「大正金時」および「福良金時」よりも倒伏しにくい。
様々な栽培条件における「秋晴れ」の茎折れ個体率(%)
標準、疎植栽培および徒長生育しやすい晩播栽培のいずれにおいても、「秋晴れ」は「福良金時」よりも茎折れが発生しにくい。
「秋晴れ」はインゲンマメ黄化病に強い抵抗性を有する
(左):「大正金時」、(右):「秋晴れ」(接種検定:十勝農試 生産技術グループ)
金時類の多くの栽培品種が罹病するインゲンマメ黄化病(葉の黄化および着莢数の減少被害を引き起こす)について、「秋晴れ」は抵抗性を有する。
「秋晴れ」の製品加工特性
(左):「秋晴れ」、(右):「大正金時」、(2017年十勝農試産)
「秋晴れ」は、「大正金時」並の煮豆加工特性を有する。
「秋晴れ」の普及見込み地帯
各地帯における「大正金時」および「福良金時」に対する成熟期・子実重の比較(2015-18年)
「秋晴れ」は、北海道のいんげんまめ栽培地帯全体の「大正金時」および地帯区分Iの「福良金時」に置き換えて普及する見込みである。
普及見込み面積は2,600haである。
農林水産省のコメント
実需者から安定的な国産需要があるいんげんについては、実需者が求める品質の豆を安定的に供給していくことが需要。
収量性、耐病性及び耐倒伏性等の栽培上の長所に加え、煮崩れや皮切れが少ない加工適性を有する品種として普及していくことが期待される。
今後は、導入する新品種の栽培上の留意事項とセットで普及推進を図ることが求められる。
【政策統括官付穀物課】
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本研究成果は「公益財団法⼈⽇本⾖類協会(財団法⼈⽇本⾖類基⾦協会)⾖類振興事業」の⽀援を受けて得られたものである。
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