甘みが強い落花生新品種「Qなっつ(千葉P114号)」の開発
ポイント
- 莢の外観品質が優れる。
- ショ糖含有率が高くて、甘みが強い。
- 成熟期は中生で、収量性は優れる。
- 幼芽褐変症の発生は少なく、種子の出芽が良い。
莢実の比較
左が「Qなっつ」、右が「ナカテユタカ」
百粒重は「ナカテユタカ」とほぼ同じ90g程度の大粒で、莢及び子実の外観品質は優れている。
ショ糖含有率
注)5月22~23日播種
ショ糖含有率は「ナカテユタカ」より高く、煎り加工した場合、はっきりとした甘みを感じる。
収穫株の比較
左が「Qなっつ」、右が「ナカテユタカ」
成熟期は中生で、莢つきは良く、多収。分枝長は「ナカテユタカ」より長く徒長しやすいので、施肥は控えめにするとともに、株間30cmの1本立ちを基本とする。
幼芽褐変症の発生
注)5月22~23日播種の出芽後における重度症状の発生割合
「Qなっつ」は出芽後の幼芽褐変症の発生が少なく、種子の出芽が良い。幼芽褐変症は夏期の高温乾燥による種子の障害で、干ばつ年に採種した「ナカテユタカ」種子で発生が多く、問題となっている。
農林水産省のコメント
既存の落花生と異なり、ショ糖含有率が高く食味が優れる品種であり、新たな落花生需要の開拓にも寄与することが見込まれる。
県外での栽培についても種子配布許諾を可能としており、広く普及することが期待できる。
今後は、当該品種の特性を最大限発揮できる栽培方法とセットで普及推進を図ることが求められる。
【政策統括官付穀物課】
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本研究成果は「農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業」(「食料自給率向上を目指した豆類優良品種の育成」)の⽀援を受けて得られたものである。
問い合わせ先千葉県農林総合研究センター落花生研究室 |
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