メッシュ農業気象データシステムの予報値を利用した昆虫の世代予測システム
ポイント
- 昆虫の生育ステージや世代を予測するシステム。
- メッシュ農業気象データシステムから気温データ予報値を取得して有効積算温度を計算。
- 害虫防除に関する情報と組み合わせて、防除適期を予測。
- 予測システムをスマホアプリやスタンドアロンアプリケーションとして提供。
昆虫世代予測システムの概要
昆虫世代予測システムは、ユーザのリクエスト（開始日、地点、昆虫種）をもとに、必要な気温データをメッシュ農業気象データ等から取得します。それと、昆虫種ごとに定められたパラメータセットを併せて、有効積算温度を計算し、昆虫の生育ステージや世代の期間を結果として出力します。システムが行うことは、ここまでですが、結果に防除適期情報を組み合わせることにより、防除適期予測を行うことができます。
生育ステージと世代の予測法
上部は昆虫世代予測の有効積算温度を計算する式で、下部の昆虫種ごとのパラメータセットを適用することで、さまざまな昆虫の世代予測を行うことができます。生育ステージごとにパラメータ値が設定されている場合は、ステージが一巡すると次の世代になります。
世代予測結果と防除適期への適用
トビイロウンカの世代予測の結果と、防除適期が幼虫期前半の若齢幼虫期であるという情報を組み合わせた、トビイロウンカ防除適期予測のイメージを示しています。
害虫世代予測スマホアプリ版
昆虫世代予測システムを組み込んだ、いくつかの種類のアプリケーションが開発されています。スマホ版では、ユーザが独自のパラメータセットを登録して、昆虫世代予測を行えます。
害虫世代予測スタンドアロンアプリケーション版
スタンドアロン版では、1地点だけでなく、指定した領域内の複数の地点での昆虫世代予測を行えます。また、グラフや表だけでなく、CSV、JSON、XML等の形式で出力できます。
害虫世代予測 Web API （Application Programming Interface）
Webアプリケーション版では、Web APIを提供しています。表は、パラメータとして指定できる項目と、その内容です。
農林水産省のコメント
防除適期の予測を行う上で害虫の世代予測は重要な情報であり、それらの情報が携帯端末から容易に入手できるようになれば、効果的な防除の実施も可能となり、病害虫被害の低減が期待できる。
【消費・安全局植物防疫課】
成果に関するお問い合わせ先国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 |
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