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農林水産省

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太陽光発電施設の設置を目的とした開発行為の許可基準の運用細則について

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令和元年12月24日付け元林整治第686号
林野庁長官から各都道府県知事宛て


森林法(昭和26年法律第249号。以下「法」という。)第10条の2の開発行為の許可の審査については、これまで、「開発行為の許可制に関する事務の取扱いについて」(平成14年3月29日付け13林整治第2396号農林水産事務次官依命通知。以下「事務次官依命通知」という。)、「開発行為の許可基準の運用細則について」(平成14年5月8日付け14林整治第25号林野庁長官通知。以下「運用細則」という。)その他関係通知に基づいて行ってきたところである。
電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号)に基づく固定価格買取制度が平成24年7月に創設されて以降、太陽光発電施設の設置を目的とした林地開発許可等の案件が増加しており、また、これを目的とした開発には、切土、盛土をほとんど行わなくても現地形に沿った設置が可能であるなど、他の開発目的とは異なる特殊性が見受けられる。
これらの状況に鑑み、この度、運用細則第6のとおり、事務次官依命通知の別記「開発行為の許可基準の運用について」(以下「運用基準」という。)の細則(太陽光発電施設の設置を目的とした開発行為の許可基準の運用細則)を別紙のとおり定めたので、御了知の上、その適正かつ円滑な実施につき特段の御配慮をお願いする。
なお、法第10条の2第1項の許可を要しない規模の開発についても、本通知を踏まえ、森林の土地の適切な利用が確保されるよう周知することが望ましい。


(担当:治山課企画班  内線6190)



(別紙)

太陽光発電施設の設置を目的とした開発行為の許可基準の運用細則について


第1 運用基準第1の4関係事項(事業終了後の措置について)

林地開発許可において、太陽光発電事業終了後の土地利用の計画が立てられており、太陽光発電事業終了後に開発区域について原状回復等の事後措置を行うこととしている場合は、当該許可を行う際に、植栽等、設備撤去後に必要な措置を講ずることについて、申請者に対して指導するものとするとともに、土地所有者との間で締結する当該土地使用に関する契約に、太陽光発電事業終了後、原状回復等する旨を盛り込むことを申請者に対して促すものとする。
以上の措置は、太陽光発電施設に係る開発区域が太陽光発電事業終了後に原状回復等したときに、当該区域の地域森林計画対象森林への再編入を検討することをあらかじめ考慮して行うものとする。

第2 運用基準第2関係事項

1 運用基準第2の1関係事項(自然斜面への設置について)

運用基準第2の1の規定に基づき、開発行為が原則として現地形に沿って行われること及び開発行為による土砂の移動量が必要最小限度であることが明らかであることを原則とした上で、太陽光発電施設を自然斜面に設置する区域の平均傾斜度が30度以上である場合には、土砂の流出又は崩壊その他の災害防止の観点から、可能な限り森林土壌を残した上で、擁壁又は排水施設等の防災施設を確実に設置することとする。ただし、太陽光発電施設を設置する自然斜面の森林土壌に、崩壊の危険性の高い不安定な層がある場合は、その層を排除した上で、防災施設を確実に設置することとする。
なお、自然斜面の平均傾斜度が30度未満である場合でも、土砂の流出又は崩壊その他の災害防止の観点から、必要に応じて、適切な防災施設を設置することとする。

2 運用基準第2の6関係事項(排水施設の能力及び構造等について)

太陽光パネルの表面が平滑で一定の斜度があり、雨水が集まりやすいなどの太陽光発電施設の特性を踏まえ、太陽光パネルから直接地表に落下する雨水等の影響を考慮する必要があることから、雨水等の排水施設の断面及び構造等については、以下のとおりとする。

(1) 排水施設の断面について

地表が太陽光パネル等の不浸透性の材料で覆われる箇所については、運用細則の表2によらず、排水施設の計画に用いる雨水流出量の算出に用いる流出係数を0.9から1.0までとする。

(2) 排水施設の構造等について

排水施設の構造等については、運用細則第2の7(2)の規定に基づくほか、表面流を安全に下流へ流下させるための排水施設の設置等の対策が適切に講ぜられていることとする。また、表面侵食に対しては、地表を流下する表面流を分散させるために必要な柵工、筋工等の措置が適切に講ぜられていること及び地表を保護するために必要な伏工等による植生の導入や物理的な被覆の措置が適切に講ぜられていることとする。

第3 運用基準第5の1関係事項(残置し、若しくは造成する森林又は緑地について)

開発行為をしようとする森林の区域に残置し、若しくは造成する森林又は緑地の面積の、事業区域(開発行為をしようとする森林又は緑地その他の区域をいう。)内の森林面積に対する割合及び森林の配置等は、開発行為の目的が太陽光発電施設の設置である場合は、運用細則の表4によらず、以下の表のとおりとする。

開発行為の目的

事業区域内において残置し、若しくは造成する森林又は緑地の割合

森林の配置等


太陽光発電施設の設置


森林率はおおむね25パーセント(残置森林率はおおむね15パーセント)以上とする。

  1. 原則として周辺部に残置森林を配置することとし、事業区域内の開発行為に係る森林の面積が20ヘクタール以上の場合は原則として周辺部におおむね幅30メートル以上の残置森林又は造成森林(おおむね30メートル以上の幅のうち一部又は全部は残置森林)を配置することとする。また、りょう線の一体性を維持するため、尾根部については、原則として残置森林を配置する。
  2. 開発行為に係る1か所当たりの面積はおおむね20ヘクタール以下とし、事業区域内にこれを複数造成する場合は、その間に幅おおむね30メートル以上の残置森林又は造成森林を配置する。

なお、運用基準第1の7において、残置森林又は造成森林は、善良に維持管理されることが明らかであることを許可基準としていることから、当該林地開発許可を審査する際、林地開発許可後に採光を確保すること等を目的として残置森林又は造成森林を過度に伐採することがないよう、あらかじめ、樹高や造成後の樹木の成長を考慮した残置森林又は造成森林及び太陽光パネルの配置計画とするよう、申請者に併せて指導することとする。

第4 その他配慮事項

このほか、以下の事項について配慮することとする。

1 住民説明会の実施等について

太陽光発電施設の設置を目的とした開発行為については、防災や景観の観点から、地域住民が懸念する事案があることから、申請者は、林地開発許可の申請の前に住民説明会の実施等地域住民の理解を得るための取組を実施することが望ましい。
特に、採光を確保する目的で事業区域に隣接する森林の伐採を要求する申請者と地域住民との間でトラブルが発生する事案があることから、申請者は、採光の問題も含め、長期間にわたる太陽光発電事業期間中に発生する可能性のある問題への対応について、住民説明会等を通じて地域住民と十分に話し合うことが望ましい。
このため、当該林地開発許可の審査に当たり、以上の取組の実施状況について確認することとする。

2 景観への配慮について

太陽光発電施設の設置を目的とした開発行為をしようとする森林の区域が、市街地、主要道路等からの良好な景観の維持に相当の悪影響を及ぼす位置にあり、かつ、設置される施設の周辺に森林を残置し又は造成する措置を適切に講じたとしてもなお更に景観の維持のため十分な配慮が求められる場合にあっては、申請者が太陽光パネルやフレーム等について地域の景観になじむ色彩等にするよう配慮することが望ましい。
このため、当該林地開発許可の審査に当たり、必要に応じて、設置する施設の色彩等を含め、景観に配慮した施工に努めるよう申請者に促すこととする。

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