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農林水産省

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平成29年度第2回グローバル・フードバリューチェーン推進官民協議会議(平成29年11月30日開催)議事概要

議事概要:(PDF : 221KB)

日時:平成29年11月30日(木曜日)13時30分-15時00分

場所:TKP赤坂駅カンファレンスセンター
 

議事概要:

1 開会挨拶(農林水産省 柱本大臣官房参事官)

  本日は、日本企業に関心の高い東南アジアの物流事情が中心テーマである。参加者の皆様におかれては、この場を情報収集やネットワークを広げる場として利用していただきたい。

2 議事

(1)東南アジア・物流について

(ア)東南アジアにおける農業協力対話の取組と今後の予定について

(農林水産省 大臣官房 国際部 海外投資・協力グループ 佐藤参事官)

農林水産省ではASEANでもフードバリューチェーンの構築を推進。その際、生産から消費に至る各部門をつなげる物流の役割は不可欠。

ASEANの6か国との間で、官民合同で相手国との対話を実施し、各国における食のインフラ整備、ビジネス環境の整備を推進している。これらの政策対話を受け、ベトナムでは「日越農業協力中長期ビジョン」、ミャンマーでは「ミャンマーにおけるFVC構築のための工程表(2016年~2020年)」を策定した。

ASEANでは、経済発展に伴い、食品市場の拡大が続くと見込まれる。これに伴い、コールドチェーンの整備等が更に進むと予想される。

(イ)コールドチェーン物流のASEAN地域への展開

(国土交通省 総合政策局 国際物流課 相川物流渉外官)

国土交通省総合政策局国際物流課は日本の物流企業の海外事業展開を支援している。昨今、日本企業のASEAN進出が盛んになっている。国際物流課では、日系企業に対する支援ツールを用意している。

オールジャパンで日本の物流システムの国際規格化の推進を進めており、平成29年2月には小口保冷輸送サービスの規格(PAS108)が発行した。今後は同規格のISO化を目指す。

平成30年以降に日・ASEANコールドチェーン物流プロジェクトを推進する。特にパイロットプロジェクトはコールドチェーンをテーマに実施していきたいと考えており、今後実施テーマや主体を募集する予定なので、興味があればぜひ御連絡いただきたい。なお、本年はタイにおける小口保冷輸送サービスの展開に関する実証を実施中である。

官民ファンドである海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)は今まで9つの事業に投資をし、コールドチェーンに関する案件も1件(インドネシアの冷凍冷蔵倉庫事業)扱っている。

(ウ)東南アジアにおけるフードバリューチェーン構築支援の取組

((独)国際協力機構 農村開発部農業・農村開発第一チーム 平課長)

JICAは民間連携事業、技術協力、円借款等を通じ、途上国のフードバリューチェーンの構築支援を行っており、これはグローバル・フードバリューチェーン戦略の推進にも貢献している。

JICAが東南アジア地域で取り組むFVC構築支援案件の代表事例としては、インドネシアでは、生産から加工・流通・包装等を通じ近代的市場にいたる一連のバリューチェーンの構築支援を民間企業とも連携しつつ実施している「農村物流通システム改善プロジェクト」(技術協力プロジェクト)、ミャンマーにおける適切な灌漑利用を通じた農業生産性向上に軸足を置きつつ、官民連携の上FVC構築の第一歩を支援する「バゴー地域西部灌漑農業収益向上プロジェクト」(技術協力プロジェクト)及び「バゴー地域西部灌漑開発事業」(円借款)、フィリピンにおける生産・流通の改善による高付加価値農業を推進する「安全野菜生産販売技術改善プロジェクト(草の根技術協力)」等を実施している。

(エ)東南アジアでの物流事業の展開事例
インドネシアにおける生鮮青果物流通の課題

(イ―サポートリンク(株) 深津執行役員)

イーサポートリンクは輸入青果物(バナナ・パイナップル、キウイフルーツ)を中心に生鮮青果物のサプライチェーンシステムを提供しているシステムプロバイダーである。生鮮品は各中間業者間で情報が分断されているが、イーサポートリンクシステムにより一元管理が可能になる。JICAの中小企業海外展開支援事業「ジャカルタ特別州消費者向け高付加価値農産物供給改善を通じた零細農家所得向上のための案件化調査」を実施した。インドネシアでは中間流通業者からの買いたたきにより農産物が適正な価格で取引されず零細農家の所得向上が進まないという課題がある。インドネシア政府もブローカーを通さない生産地集荷市場施設(STA)の仕組みを作ることで効率的な仕組み構築を目指している。

東南アジアでの事業展開事例【両備ホールディングス株式会社の取組】

((株)国際協力銀行 田丸中堅・中小企業ユニット長)

両備ホールディングスは1910年創立で100年以上の歴史を有し、運輸、物流及び不動産開発等を手掛ける企業である。東南アジアを中心に新興国でのさらなる市場開拓を行い、常温、定温、冷蔵、冷凍管理によるコールドチェーンの構築を企図し、2015年にベトナム、2016年にミャンマーに進出した。ベトナムやミャンマーでは外資系企業を中心に市場参入が増加しており、競争が激化している。両備ホールディングスは多温度帯管理、保税エリアの設置等で差別化を図っている。

(2)質疑応答

質問:ASEAN地域での小口配送はどの程度発達しているのか。統計などはあるか。
回答:電子商取引(EC)需要の高まりにより小口配送は今後増えていくことが予想される。但し、都市部の交通規制やインフラ未整備等により、ラストワンマイルの配送に困難が生じることがある。対策として、トラックとバイクを組み合わせての配送や、郵便局留めを活用している例がある。なお具体的なデータはないが、生鮮食品の配送はまだ多くないと思われる。共働きのため外食が定着している世帯も多く、小口輸送は今のところドライの製品が多いと認識している。

質問:当社はベトナムのラムドン省に選別機(選果機)を導入したことがある。タイ、インドネシア、ミャンマーでは選別機のニーズはあるのか。またベトナムで今後さらに普及させていくにはどうするのが良いだろうか。日本の場合は、農協でプレミアム品などの選別・パッケージングをして市場に出すが、そのような生産者関係の取組などはあるか。
回答:インドネシアの生産地集荷市場施設(STA)の中で選果機を活用している施設はある。

質問:メーカーの海外進出と、倉庫業者の海外進出で異なる点はどのような点か。倉庫業者の場合、どの程度の売り上げを見込んで海外進出するのか。
回答:メーカーはサプライチェーンの中で海外進出するので、進出する前から、ある程度の売り上げや工場稼働率が見込める。他方、倉庫業者は、設備の敷地面積が大きく、取扱量も多くなるため、主要顧客を見込みながらも、進出後に市場や顧客を開拓していく部分が大きい。

質問:インドネシアの生産地集荷市場施設(STA)により、現地ブローカーとSTAの関係はどのような形を描いているか。
回答:既得権益を侵さないように、STAを利用してもらいながら、共存を目指していきたい。また、既存のブローカーが扱っていない商品・企業を発掘していけば、既存権益を侵食しないと考える。

(3)副代表からのコメント

井口副代表(日本通運(株))

日本の物流の東南アジア進出はまだ初期投資の段階にあるものの、ハード・ソフトの設計は進んできている。人が介在するプラットフォームとして、現地のスタッフと協力し、最適な品質を提供していくことが必要である。

篠崎副代表((株)前川総合研究所)

省庁ごとに東南アジアでの支援策がバラバラであると感じていたが、今回の説明により、それぞれの使い方などが理解できた。省庁・機構間の連携を増し、窓口の一本化、例えばその役割をGFVC官民協議会が担うことも検討が必要である。

(4)農林水産省からの報告

平成29年度の二国間政策対話・官民ミッションの活動報告及び今後の予定について報告(農林水産省大臣官房国際部海外投資・協力グループ 佐藤参事官)

(ア)第3回日伯農業・食料対話
(イ)日印合同作業部会・World Food India
(ウ)二国間政策対話等の今後の予定
(エ)アセアン諸国に関するFVCセミナー実施報告

3 閉会挨拶(東京農業大学板垣教授)

フードバリューチェーンの結節点となるのが、物流、商流、情報インフラであり、フードバリューチェーン全体を体に例えれば、まさに血液のようなものである。東南アジア諸国は国ごとに経済発展の度合い、食関連の市場規模、伝統市場の規模とあり方が異なるため、発展の段階ごとにグルーピングして課題を整理し、今後さらに起こりうる課題を考えるべきである。その際には先進国の経験事例から有効な政策を引き出し、提言していく必要があろう。

 

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