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農林水産省

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第12回ロシア極東等農林水産業プラットフォーム会合(兼 令和2年度第1回グローバル・フードバリューチェーン推進官民協議会ロシア部会) 議事概要

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日時:令和2年11月6日(金曜日)15時40分~18時20分
方法:Zoomによるオンライン開催
場所:TKP新橋カンファレンスセンター カンファレンスルーム15B

議事概要

1.開会あいさつ

(農林水産省 大澤農林水産審議官)
• テレビ会議形式での開催は、コロナ禍であってもピンチがチャンスとなり、ロシアの方々の参加が実現した。 新しい形式でのよりよい会議を目指したいと思っている。
• 日本は9月16日に菅総理の新体制となり、9月29日に菅総理とプーチン大統領との電話会談が行われた。合意されたとされる政治、経済、文化等多分野での日露関係全体の発展でも、経済分野における農林水産関係は非常に重要であり、推進してきた極東の農林水産業やモスクワなどヨーロッパ地域での日本食レストランの展開等への幅広い協力を継続していきたいと思っている。
• 2020年1月から8月の対ロシア農林水産物の輸出額は40億3,500万で、前年同期の23億4,500万に対して72%増である。コロナ禍における食品系の顕著な伸びの要因は、ロシアがビジネス上信頼できるパートナーとして認知されたことによるものでもあり、会員の皆様のこれまでの協力に深謝申し上げる。
• 今回のメインテーマは、2020年7月の次官級会合で農業省レヴィン次官と話し合ったように、ロシア・日本双方の高い関心が寄せられている「ロシアへの穀物の官民ミッション」である。ロシアの小麦輸出は10年間で4倍近く伸び、世界展開を図る日本の穀物産業において重要である。特に生産地域の気候変動リスクへの対応として、極東地域は逆に温暖化の好影響によって生産が向上するというIPCCの予測もあり、将来を見据えて本官民ミッションを成功させたいと考えている。
• 林産物等はまだメインではないが、将来を考えて広いロシアの国土をビジネスチャンスとして捉えること、あるいは、食料安全保障の観点から食料の安定供給先としてオプションを広げていくことが望まれている。 

2.議事

(1)「ロシア極東の農業及び水産業の生産性向上に係る日露共同プロジェクト」推進のための取組

(農林水産省大臣官房国際部国際地域課 小出交渉官)
• 2020年7月14日の第6回農業次官級対話会合において、1月の次官級対話で合意された日露共同プロジェクト推進の協力強化として2点の合意がなされた。1点目は、ロシアで事業者が直面している課題について意見交換する専門家会合の開催である。2点目は、穀物官民ミッションの派遣、すなわち、ロシア産穀物の輸入にかかる課題に対応するための生産、流通、管理等の現場視察である。
• 専門家会合は、早速7月17日に開催され、種苗の販売権、農薬使用基準、肥料登録などについて意見交換が行われた。ロシアでの作物品種の販売権登録は当局の経済性審査が必要だが、審査会は年1回のみの開催で手続きに時間を要することが課題であったが、意見交換の結果、申請数が十分あれば年1回に限定せず開催するという情報が得られている。
• 穀物の官民ミッションは現在企画中であるが、今回参加のユナイテッド・グレイン社、穀物品質管理センターの2カ所は訪問したいと考えている。プレゼンテーションを参考にして、本ミッションへの参加を検討いただきたい。

(2)官民穀物ミッション実施に向けて
        大豆栽培における日本の先進的技術導入による農業生産資材の販売事業化可能性について

(ア) 輸出向けロシア産穀物の品質、流通・管理・貯蔵システム

((株)ユナイテッド・グレイン ガルシナ対外関係部長)
• 弊社は2009年大統領令に基づき設置された企業で、ロシア連邦が資本参加している。事業内容は、穀物類の販売、貯蔵と加工、港湾施設での積み出し、加えて国の穀物管理政策に則った、国の穀物貯蔵エージェントの役割も担っている。
• 設備概要として、9つのカントリーエレベーターの貯蔵量は72万トン、3つの加工工場の加工量は49万トン、ノヴォロシースクとカリーニングラードの2つのターミナルの積み出し量は2020年10月時点で740万トン、2019年の販売高は326億ルーブルである。
• 2021年の穀物ミッションについて、収穫時期の7、8月の訪問であれば、日本のパートナーの皆さまに、ロシア国内での穀物の流れ、収穫から積み出しまで紹介できる。具体的には、モスクワの弊社オフィスでの活動紹介や、連邦動植物衛生監督庁(ロスセリホズナゾール)や農業省との会合への参加、クラスノダールの穀物関連企業数社への訪問である。また、穀物品質評価センターの試験場でのサンプリングや検査の工程の紹介、穀物ターミナルやノヴォロシースク・ベーカリー製品コンビナートの加工工場の視察を考えている。
• 日本の皆さまは、物流に関心があると思うが、ターミナルまでの輸送は、自動車輸送、鉄道輸送の両方稼働しており、クラスノダールからノヴォロシークスの港までの輸送日数は、鉄道で4~5日、自動車で2~3日である。また、船への積載時間は5万トン荷物で約2日、クラスノダールから日本へは、海上輸送で25日から30日かかる計算である。
日本からのビジネスミッションを受け入れ、ロシアの穀物産業のポテンシャルを紹介していきたいと思っている。 

(イ) 輸出向け穀物の品質及び安全性の検査体制

(連邦国家予算機関「穀物品質評価センター」 パターポフ副代表)
• ロシアでの穀物の生産と輸出、そしてロシアから輸出される穀物の品質、安全性、植物検疫管理システム、および必要な要求等の適合検査のサンプリングプロセス等を説明する。
• 現在、ロシアは世界の最重要穀物生産国および輸出国である。2020年の穀物総収穫量は1億2,500万トンに達する見込みで、2017年に次ぐ史上2番目の記録である。輸出量は、2020/21農業年(以下、本農業年)の予測が5,000万トンで世界第4位、小麦においては第1位になる。
• 穀物および穀物加工品の輸出動向として、2020年10月20日時点の本農業年の輸出量は2,221万トンで、前年同期比16%増、うち穀物の輸出量は1,950万トンで、前年比15%増である。内訳は、小麦が1,640万トン増の前年比11%増、大麦は270万トン増の前年比75%増となっている。過去5年間の輸出量を見ると、小麦は非常に安定し、大麦は急速に伸び、トウモロコシは若干の減少傾向である。
• 本農業年3カ月間の小麦の等級別輸出量は、乾燥タンパク質が12%以上・グルテン23%以上である3級小麦が210万トンで総輸出量の15%、乾燥タンパク質10%以上・グルテン18%以上の4級小麦が1,050万トンで総輸出量の78%、飼料用小麦は6%であった。
• 小麦の輸出先について、3級小麦は、トルコが全体の40%、アゼルバイジャンが23%、カザフスタンが10%である。4級小麦は、エジプトが21%、トルコが12%、バングラデシュが9%である。飼料用小麦はフィリピンが54%、トルコが41%となっている。
• ロシアの国家政策として、輸出穀物の品質、安全性、食物検疫の要求適合管理を行う主な政府機関が農業省管轄の連邦動植物衛生監督庁(ロスセリホズナゾール)である。その役割は、輸出入時の穀物およびその加工品の品質、安全性の管理と、ユーラシア関税同盟技術規則015/2011遵守の管理である。穀物品質評価センターはその中心的な機関で、16支所、19試験所等から構成されており、国際植物防疫条約に則った管理を行っている。
 • 植物検疫の要求適合性の確認プロセスとして、輸入国の要件に準拠しているかどうかの検査・分析を行う。本センターは、認定を受けて、輸出入時に穀物品質の安全性、適合性の確認のため、有害な種子、有毒物質、マイコトキシン、農薬、放射性核種等の含有に関する検査を行っている。国内のサンプリング手順にはさまざまな規格、条件等が課せられている。日本の皆さまに必要な基準、詳細なサンプリング方法を提示できるので、来訪の際には詳しく紹介させていただきたい。

(ウ) 日清食品のロシア事業(「マルベンフーズ」への出資)

(日清食品ホールディングス ロシア事務所 山田代表)
• ロシアの小麦を取り扱う日系企業として、取り組み内容と小麦に関する情報を提供する。
• 弊社のロシア・CIS事業は、合弁の形態で現地会社に出資する形を取っている。マルベンフードホールディングスの傘下で、ロシアで生産、販売を行うマルベンフードセントラル、ウクライナの生産、販売会社のマルベンフードウクライナ、カザフ中央アジアは、カザフのマルベンフードテンシャンが、それぞれのエリアをカバーして事業を展開している。
• 製品は即席麺以外のマッシュポテト、ブイヨン、パスタなどもあり、最も中心的なのはファミリーブランドの「ロルトン」、若者向けの「ビッグボン」、廉価な「ペトラ」などのブランドがあり、他に飲料やチップスといったカテゴリーにも参入している。
• ロシアの小麦栽培地域には、大きく冬小麦と春小麦がある。秋に種まき夏に収穫する冬小麦の地域は、ヨーロッパ、ロシアの南側、黒土地帯中心のコンパクトなエリアだが、収穫量が非常に多い。春に種まき秋に収穫する春小麦の地域は広く東の方にまたがるエリアだが、収穫量は少ない傾向にある。
• 小麦のロシア国家規格、GOSTでは、春小麦、冬小麦それぞれの中で、硬さ、色といった分類があり、タンパク質やグルテンの含有量等の指標によってグレード分けされている。また、日本のような強力粉、中力粉、薄力粉といった分類ではなく、用途とその中で硬質か軟質かの分類があり、その上でグレード分けされている。パン用小麦粉上位の「高級」が市場で一般的な小麦粉であり、弊社も即席麺に使用している。
• 特筆すべきは、水分量15%以下という規格であり、従って納入される小麦粉の水分量にかなりのばらつきがある。そのため生地を作るときには水の量の調整が求められる。それでも、ロシアの小麦で日本と同質の麺やうどんを作ることは可能と考えている。

(エ)-1 ロシア極東の穀物生産企業による発表(大豆)

(ホールディング「グリン・ランド」 ザイチェフ副社長)
• 弊社は、2010年設立で、穀物の栽培とオイル関係の製造を沿海地方中心に展開している。手掛けている総農作面積は1万5,170ヘクタールで、大豆、トウモロコシ等の栽培を行い、売上高は1,000万ドルである。
• 大豆等の輸出量は年間2万5,000トンである。弊社の大豆は、非遺伝子組換え、タンパク質含有量が約40%で、JASの認定を受け、オーガニックとして認められている。拠点は港が近い沿海地方に位置しており、日本に近く、物流の便利なところである。現在の主な輸出先は中国で、日本には大豆、トウモロコシ等を輸出している。今後輸出先を多角化する予定で、日本と長期的な契約を結んでいきたい。
• 現在、組織として、生産施設、ハイテクな施設を準備して、2つのハイテクプロジェクトを手掛けている。1つは、大豆の高次加工で、年間生産高15万トンを見込んでいる。もう1つは、生産高6万トンのキクイモ高次加工プラントである。前者はカントリーエレベーター等によって貯蔵量も15万トンとし、大豆タンパク質の分離、濃縮した副産物の生産に加え、大豆の油、レシチン、糖蜜、おから等の副生産を考えている。後者では、高果糖シロップの生産やペレット飼料の生産も計画している。
• プロジェクトは、ロシア連邦農業省、沿海地方政府といったロシアの政府機関から支援を受け、40%までは国家支援補助金というファイナンスの見込みは立っているが、日本からの参加も呼び掛けたいと思っている。投資や設備等の納入業者として、もしくは製品のバイヤーとして参加いただきたい。

(エ)-2 ロシア極東の穀物生産企業による発表(大豆・トウモロコシ)

(チェルニゴフスキー・アグロホールディング ルバヒン常務取締役)
• 弊社は、アグロテックグループの一部で、カムチャツカ地方では主に豚肉の生産を手掛け、従業員は800人、2019年の収益は約5,200万ドル、豚肉の生産量年間4,000トンである。
• 一方、沿海地方では、畜産用飼料の生産、大豆、トウモロコシ、穀物等の生産を行い、耕作地面積は7,000ヘクタールである。大豆の年間生産高は7,000トン、トウモロコシの年間生産高は1万トンである。弊社はウラジオストク港から200キロのところにあり、貯蔵庫を保有している。現在、生産した穀物1,500トンは主に中国に輸出している。
• 取り扱っている大豆は、40%のタンパク質含有量や、遺伝子組み換え生物が含まれていないこと、カナダ産の種子を使用していることなど、日本市場にマッチしており、日本への輸出を希望している。
• これまで日本からの代表団を弊社に受け入れた経緯があり、昨年はロシアの代表団の一員として日本を訪問した。日本市場が要求する大豆の条件を研究しており、日本への輸出向けに大豆の栽培面積を拡大する準備もある。品質の向上も考えているので、日本企業の方で関心を持たれたら、大豆とトウモロコシを対象に協力関係の相談をさせていただきたい。

質疑応答

質問1
• 来年の穀物ミッションで、種まき時期や港湾施設の繁忙状況から、小麦産地および小麦施設の視察に適切な時期を教えてほしい。
回答1(穀物品質評価センター パターポフ副代表)
• 8月、9月がよい。ただし、日本の代表団等の事情に合わせて柔軟に受入準備を進める。

質問2
• 2020年にロシアから輸出された大豆や菜種にGMO検出の問題があったが、GMO管理体制を説明してほしい。
回答2(穀物品質評価センター パターポフ副代表)
• GMOに関して厳重な管理を敷いていることは間違いないが、詳細は現場での説明、もしくは書面で行いたい。

(3)ロシア産水産物の直接取引拡大

(ア) ロシア産抱卵ニシンのオークションの意義・評価、オークションの仕組み

(ヴィクター社 リソワーニー担当官、インノソフト社 マキシメンコ執行取締役)
• オークションは、市場で売り手が複数の買い手と直接競売を行うもので、定められた初期値から購入者の支払い能力に応じ、価格が最高値まで上げられる取引で、比較的商品は限定、例えば、数の子、イクラ、カニの販売に使用されている。ヴィクター社は、オークションをロシア極東で幅広く普及する活動を行っている。申請企業は制限なく参加できるオープンな仕様である。
• 2020年7月3日、ウラジオストクで開催した初のオークション、抱卵ニシンの販売では、334トンの製品に対し日本企業6社の応札という実績がある。今まで水産物の卸売りの中心地は釜山であり、ロシア国内ではあまり行われていなかったが、オークション実施のため、ウラジオストク港に、近代的な設備が整えられ、新しい冷蔵施設が使用された。また、ターミナルでは年間約15万トンの海産物の積み替え、6,000トンの貯蔵が可能である。容量が異なる3つの冷凍庫、バース、荷積み荷下ろしエリア等があり、積み替え時に魚製品等の温度が上がらない工夫がされている。
• オークションは、ナジモフ岬など、ロシア各所で実施する見通しがあり、ウラジオストク漁港には4万トン容量の冷蔵施設建設の予定がある。一方で、漁業者は伝統的な流通チャンネルを使用している現状があり、オークションは発展途上であるが、ロシアでは近い将来、一部製品にオークション販売を義務付けることを考えられている。
• 続いて、弊社でも使用している、海産物販売電子サイト、YORSOを構築したインノソフト社に発表してもらう。
• インノソフト社は、国際市場での販売管理ソフトを手掛けている。今回は魚市場におけるサプライチェーン管理に絞って説明する。
• 弊社の無料サービスサイトでは、オンラインで生産者との取引、もしくはバイヤーから問い合わせが可能で、世界33カ国5,000社が利用している。大型購入等の案件に関する問い合わせも毎日30件ほどある。
• YORSOで提供するオークションシステムは、平等な落札が可能である。生産者ごとの開催も可能で、パソコンだけなく、スマートフォン、携帯電話から簡単にアクセスでき、生産者への申請にも利便性がある。日本企業の皆さんにも利用してほしい。
• ヴィクター社からオークションの説明を続ける。ロシア初のオークション取引所の建設は法案採択に進んだが、発効は少し延期になった。漁業者にオークション等を義務付けるためには、世界水準のオークション開催要件を満たすインフラ、施設の整備が不可欠である。また、ロシア連邦漁業庁のシェスタコフ長官によれば、海外取引所も含め、海外で販売されている製品の一部をロシア市場に出すことによって、輸出の流れが鮮明になり、国内市場の付加価値を残し、沿岸で加工事業を立ち上げることができる。
• 2030年までのロシア連邦水産施設の開発戦略には、生鮮生物資源製品のオークション取引の体系的開発計画も含まれる。ロシア連邦反独占庁の提案である生鮮生物資源製品の組織的取引開発を目的に、今後一連の施策が行われる。
• 施策とは、取引所で販売される個々の種類の魚製品の最低量を立法レベルで固定すること、取引所の売買と生鮮生物資源の捕獲権の付与をリンクさせることである。市場価格設定システムの形成に、ロシア連邦反独占庁は、取引所での売買を魚製品販売の必須チャンネルとして追加することを提案している。
• ロシア産抱卵ニシンの販売オークションの発展は、業界に次のような良い影響がもたらされると考える。それは、業界企業の収入向上、ロシア産抱卵ニシンの消費者増加や世界的普及促進、企業投資の魅力向上、そして、雇用の拡大である。

(イ) ロシア極東のニシン漁獲企業による発表(数の子の現地加工と対日輸出)

(漁業協同組合イニャー イリベチェンコ様)
• イニャー社は、ハバロフスク市に事務所を置くオホーツク地方の水産加工企業で、カニの捕獲も行っている。漁獲および加工を20年以上手掛け、オホーツク海を基盤に近代的設備によって毎年8,000トン以上の海産物加工が可能となっている。魚の種類は、鮭、マス、タラ、カレイ等で、主要な漁獲は産卵ニシン5,000トンである。ニシンは加工時に雄雌を分け、特に雌は1匹ずつ冷凍している。

(4)日本からの輸出拡大

(ア) シベリア鉄道を利用した日本産水産物のトライアル輸送の評価

(S-FISH 村田購買・ロジスティック部門長)
• S-FISH社は2003年の設立で、私は2016年に着任している。弊社は、豊洲で集めた鮮魚、冷凍海産物を中心に、乾物、ソースを日本から週1回エア便で輸入して、モスクワのレストランに配達している。鮮魚以外にも和牛や日本米も輸入している。日本米は、3カ月から4カ月に1回に5トンを、日本からウラジオストクまでは混載船便で、ウラジオストクからモスクワまではシベリア鉄道のエクスプローラー便で輸送し、約3週間後に受け取っている。
• 2020年7月、貨幣のレート関係と物量の増加によって、日本側シッパーの協力のもと、リーファーコンテナを運用するのを決定した。カンパチのフィレ4トンを、博多、釜山、ウラジオストク、モスクワのルートでの輸送に大体36日間かかった。魚1種類だったので税関手続はスムーズだったが、コロナの影響で航空便が減便したため、船積書類のウラジオストク着が通常2~3日のところ約1週間かかり、動物検疫局への書類提出が遅れた。通常であれば約30日で輸送できると思われる。
• 今回は、ウラジオストクの税関ポストや動物検疫局に強いブローカーを手配したのがうまくいった一因である。南周りの海上輸送では45から60日かかる所要日数が30日と短縮できるのは大きな利点である。南回りに比べて、シベリア鉄道はコンテナ輸送料が高いが、キロ単価の高い魚であれば、それほど影響がないと思われる。
• 今後リーファー便が混載ブロックトレインで利用可能になれば使ってみたい。また、乾物に関してもウラジオストクで通関を切って輸送するドライ便を考えている。 

質疑応答

質疑応答1
• 雌の抱卵ニシンは、そのまま冷凍するのか。生の状態で卵を取り出すのか。
回答1(漁業協同組合イニャー社 イリベチェンコ様)
• 雌は個別にIQF冷凍(※瞬間凍結方法の一種)する。卵を取り出すことはない。
 
質問2
• 今回カンパチを選んだ理由を教えてほしい。
回答2(S-FISH 村田購買・ロジスティック部門長)
• 従来からハマチを扱っているが、モスクワの最近の傾向ではもう少しあっさりした身質が求められており、カンパチフィレを輸入して試すことになったという経緯がある。
 
質問3
• 扱っている作物の代表的な品種について教えてほしい。
回答3(ホールディング「グリン・ランド」 ザイチェフ副社長)
• 大豆は中国の最高級品種で、トウモロコシの品種はパイオニアの品種である。

質問4
• 大豆の高次加工とは、具体的にどのようなことか。
回答4(ホールディング「グリン・ランド」 ザイチェフ副社長)
• 高次加工とは、タンパク質を濃縮したものを加工することで、50%濃縮、92%の抽出ということになる。 

3.開会あいさつ

(GFVC推進官民協議会 深川代表)
• 本日は技術的な話、具体的なミッション受け入れに関わる話が多かった。本協議会は、世界の地域別に取り組んでいるが、ロシアは地理的には隣の国という関係であるにもかかわらず、国の問題、政治的な問題から距離が感じられるので、ミッションを出して、相互理解するところから着実に進めていこうと思っている。特に制度的、心理的な距離が、物流の問題に表れていると感じた。
• ロシアの皆さまは、穀物の輸出において巨大な農業パワーだが、日本との取引では、国際競争力の強化として物流のコスト減と、良い品質を速く確実に届けるということの付加価値を、日本と一緒に考えていただけるのではないか。品質に対するこだわりという点では川下の食品加工で非常に激しい競争があるので、中国とは違う協力がロシアとやっていけると感じた。
• ロシアも日本も、サプライチェーンの中で付加価値を上げるには、技術的なイノベーションの推進とともに、川下の加工サイドのサプライチェーン強化が重要である。川下から需要とバリューチェーンを考えることも、大きな可能性のあるアプローチだと感じた。
• 近い国だからできることがある。日本の『フレッシュ』に対するこだわりは強く、その点はロシアの方も日本での旅行を通じて感じられているのではないか。また、日本の方もロシアのおいしいローカルフードから加工の方法を学べることも期待できる。
• 人的な交流もまだ少ないが、その分伸び率も大きい。人の交流を通じた信頼関係の構築を着実に進めるということが重要だと思っている。

以上

お問合せ先

大臣官房国際部国際地域課

代表:03-3502-8111(内線3511)
ダイヤルイン:03-3502-8058
FAX番号:03-5511-8773