このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

高知県高知市

交流会の概要

開催日
平成15年7月27日(日曜日)
主催
中国四国農政局
開催場所
高知県高知市 高知共済会館 3F 金鵄
語り部等参加者数
平野啓子氏(コーディネーター)他8人(うち土地改良関係者 2人)
傍聴者数
15人(主な職種:郷土史家、教育関係)

 

 語り部交流会の様子
 語り部による旧山田堰(土佐山田町)の説明の様子
語り部交流会の様子
語り部による旧山田堰(土佐山田町)の説明の様子

語り部の概要

氏名 語りの概要
活動実績等
(職業、職歴)
市原麟一郎
梼原町に伝わる「忘れじょう」という話を語られた。
物事をすぐ忘れてしまう「忘れじょう」という男が、嫁の里にお米一升をさげ、一人で里帰りした。里の家では、たいそう喜ばれ、ご馳走されたものの中に「はなご団子」という今まで食べたことがないような団子があった。帰る際に男は、忘れないように「はなご団子、はなご団子」と唱えながら帰るが、途中に川があり、飛び石伝いに渡った時、唱えが「どっこいしょ」に変わってしまった。
男は、家に着いて、嫁に「どっこいしょの団子」を作ってくれと頼んだが、嫁はそんな団子は知らないと断った。怒った男は、火吹き竹で嫁の頭をこすったら、嫁が「はなご団子みたいなこぶができた」と言ったので、男はやっと「はなご団子」を思いだした。
梼原では、「はなご団子」と言って頭をなでると物覚えが良くなると言われている。
県下老人ホーム等の慰問、幼稚園・保育園において土佐民話の紙芝居教室を開催。
郷土に愛着(誇りと自信)を持ってもらおうと小学校で紙芝居を用いて「土佐弁学習」を開催。
県立文学館、語りと紙芝居の会会長(土佐民話の会主宰)
上田茂敏
津野山文化に育まれてきた高知県山間部の農村に伝わる田植え歌、トウモロコシの粉引き、お茶揉みの作業歌を披露された。
東津野村史著者・坂本龍馬については、生き字引と言われる程詳しい。(郷土史家、元東津野村教育長)
小笠原美鳥
吾北村に伝わる「水乞い鳥」という話を語られた。
昔、吾北村津賀谷のある百姓の家で1頭の赤牛を飼われていた。その家の嫁は、毎日、使い水は全て谷川まで水汲みに行っており、きつい坂道を水を汲んで上がるのは、女性にとっては大変な重労働だった。ある日、飼っていた牛が水桶を角で壊して水をまいてしまい、怒った嫁はその日から牛に水を与えずに殺してしまう。牛が死んでまもなく、嫁は病気で亡くなり、その後、水の飲めない鳥に姿をかえられてしまうという話。
市原麟一郎さんのお弟子さんであり、若き語り部である。(会社員、土佐民話の会所属)
川村一成
四季の農作業を通じて、田舎暮らしを楽しむ方法について、数々の地域社会活動を中心に、ふるさと・農村環境のすばらしさについて語られた。
百姓は一時期、きつい、汚い、危険の3Kと言われていたが、気持ちのいい汗を流す百姓の新しい新3Kを強調された。
新3Kというのはきれいな環境で、気に入ったことを、気持ちよくやるというのが川村氏の新3K。
農業の環境の中で仕事をすれば健康になり、それは4番目のKであり、余分の喜びと、余慶、4Kになる村そのものは非常に豊かだと語られた。
文化の県づくりを進める県民ネットワーク委員
地域社会保全・整備・教育・学習(自然体験、農業体験)
蕭紅燕
昔のお年寄りが日常生活の中で、ごく自然に語り継がれている機会が少なくなっており、どうやって学生に伝えていくかが蕭氏の役目と考えていると強調された。
これからの大学は、地域に支えられる、地域を支える大学となることが必要で、蕭氏は、地域と学生を架け橋のようにつなげることを目指したいと語られた。
人文学部地域社会学(専攻:文化人類学・社会学)
目下の関心問題:近代化と文化伝統の変容
1)高知県酒造業の近代~現代史
2)中国西藏(チベット)自治区に暮らすイスラムの文化変容
3)中国四川農村の家族と婚姻(高知大学人文学部助教授)
林一将
窪川町にあるエンコウ流という漢方薬の薬屋の伝説について語られた。
武田という田畑を耕すための馬を飼っていた大地主が、馬を四万十川で洗っていたところに、エンコウという動物が現れ、馬はエンコウを連れて、馬小屋に戻った。大地主は、刀でエンコウの腕を切り落としたが、エンコウは、そのまま切り落とされた腕を置いて、帰った。その日の夜中、エンコウの親が大地主の家へやって来て、「エンコウの世界には切られた腕をつなぐ薬があるので、腕を返して欲しい」と頼み、大地主は、腕を返す条件に生身の体をつなげる薬の作り方を教えてもらった。その薬の製法を受け継いで現在では28代目になるエンコウ流という漢方薬の薬屋が窪川に存在する。
古渓城・窪川民具館長(古い農具や書物などの展示)
窪川町史編集委員会 委員長 ・ボランティアガイドグループ 呼坂友の会 副会長(窪川町議会議員、郷土史家)
林勇作
カツオ漁で財をなした長者と呼ばれるまでになった市川五郎にまつわる話について語られた。
久礼和田の市川五郎が、3日間休んで4日目に船で沖にカツオ釣りに行った時、船腹をたたいて口へひしゃくをくわえているウミガメを見つけた。ウミガメがくわえていたひしゃくを取り上げて持って帰ったら、それ以降、毎日が大漁となっり、長者になった。
しかし、周りの者が余りカツオが釣れてかつお節にするのに仕事が難儀なため、ある日、カツオの目へ針を刺して放したら、それ以降、全くカツオが釣れなくなり、市川五郎は落ちぶれてしまった。
中土佐町文化財保護委員で中土佐町史および土佐の石像物等の研究家であり、講演も行っている。(中土佐町水産商工課長)
広谷喜十郎
水をいかに大事にしなければならないかは、川の歴史をたどってみると、エンコウの目で見ていくと良くわかり、エンコウや蛇とかは、水の化身であるので、川の水をいかにきれいにしてきたかを象徴的に我々に伝えている。また、入らずの山は鬼が出てくるので、人が入って山を荒らしてはいけない等の実話を、昔のお年寄りの語りから伝えられている。
土佐史談会会員、土佐民俗学会会員、高知海南史学会会員
「高知県酒造史」、「坂本龍馬ジョイフルマップ」、「土佐青年史」、「土佐医学史」、「土佐のカツオ漁業史」等著書多数(郷土史家、高知大学非常勤講師)

(職業等は開催当時のもの)

お問合せ先

農村振興局設計課広報G

代表:03-3502-8111(内線5561)
ダイヤルイン:03-3595-6338

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader