兵庫県神戸市
交流会の概要
開催日
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平成16年2月9日(月曜日) |
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主催
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農村振興局、近畿農政局、水土里ネット兵庫、(後援:兵庫県) |
開催場所
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兵庫県神戸市 水土里ネット兵庫会議室 |
語り部等参加者数
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平野啓子氏(コーディネーター)他5人(うち土地改良関係者2人) |
傍聴者数
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約40人(主な職種:語り部関係者、水土里ネット兵庫職員、県職員) |
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語り部交流会の様子
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語り部の語りにまつわる入ヶ池の説明の様子
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語り部の概要
氏名 | 語りの概要 |
活動実績等
(職業、職歴)
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川口昭三 | 色々な言い伝えがあると言われている「播磨風土記」の中から、多可という地名にまつわる伝説を披露しつつ、中町に伝わるふるさとの民話の中から、田んぼが干上がり困ってしまった百姓が、龍神にお願いしたところ大雨が降り水不足が解消されたという、「雨乞いの話」とその逆の「陽乞いの話」や飛行機遂落などの戦争体験などについて語られる。 | 郷土史を研究する立場から古文書の収集のみならず、その他貴重な歴史的資料なども所有。 中町には語り部養成講座があり、そこで講師を務める。 加西市の語り部とも交流を図っている。(中町郷土史研究会会長) |
小山由和 | 稲美町に伝わる入ヶ池にまつわる伝説と現在を語られる。 永年築造に苦労していたため池があったが、夢の僧の言葉により、入(にゅう)という名の通りがかりの美女を人柱とすることでようやく完成し、村人は女性に感謝の意を込めて「入ヶ池」と名付けた。 その後その女性が現れ、実は自分が大蛇であり、当時は怒っていたが、村人の喜ぶ姿を見て、「菩提を弔ってくれれば私はこの池を守り続け、また村人はいつまでも栄え続けるだろう」と語ったため、それを聞いた村人達は、ほこら(現在の川上真樂寺)を建て、命日には今でも祭が行われている。 |
普段は稲美町の中の5村落にまたがる80町歩の農地に水を供給する入ヶ池というため池の維持管理を行うとともに、その池にまつわる伝説などを含め広く一般の人などに紹介。(水土里ネット入ヶ池郷理事長) |
西中正次郎 | 赤穂の昔話CDに収録している昔話72話のうち、「おさんさん」(新田)の話について語られる。 97町歩の田畑の開拓を計画したが、工事が難航。そのとき、おさんさんという人が人柱になり、水門の工事は完成した。その新しく開拓された村が「塩屋の新田」だといわれているという口伝の話。おさんさんは、日吉神社に祀られている。 |
1ヶ月に1度以上、公民館や学校などで赤穂の歴史にまつわる講話などを披露。 語り部として赤穂の昔話72話をCDに収録。市内全域に配布予定。その中で語りを披露している。(赤穂民俗研究会研究員、赤穂かたりべの会所属) |
廣田紀美子 | 「仁川の大池」「武庫川堤の狐」の2話について語られる。「仁川の大池」は、水の精に自分と同じ坊主頭の子どもが友達だと思われて池に引きずり込まれそうになったが、逆に「友達と間違わないようにトンボを頭の上に乗せたらよい」と水の精に言われ、それが水難をはらう風習としてあったという民話。「武庫川堤の狐」は、お役人がかんかん照りの良い天気と思い、浅い川に入って川を渡っていると急に水かさが増したと言い出したが、それは実は狐の仕業だったという民話。 | 「花あかり」は現在女性5名のグループで平成14年度にできたばかり。 宝塚市の昔話を知ってもらい、自分の暮らしている街に愛着を持ち歴史の中に宝塚がずっと関わっていたことを身近に想い、感じてもらえるよう宝塚西図書館やコミュニティーに出かけて活動している。(民話の語り部「花あかり」代表) |
村瀬孝 | 播磨の国風土記に岩見の記事があり、古くからの岩見用水の歴史的な考察や、岩見用水にまつわる水争いの話などについて井組の所有している中世の揖保川水系の絵図や古文書を披露しながら用水路の歴史を語られる。 岩見用水は、約5km上流の揖保川から水を引き、それを林田川に落とし林田川の水と合流させて堰き止め、岩見地区に水を引いているので岩見井の歴史は水路の周辺の村々との水争いの歴史そのものである。 |
小学校など学校に出向き、岩見用水の歴史や用水にまつわる水争いなどを総合学習の時間などで披露している。 公民館で古文書解読の講師を務める傍ら地元に伝わる昔話等を語り伝えている。(水土里ネット岩浦理事、太子町歴史資料館友の会会長) |
(平成16年2月現在)
意見交換の概要(主な意見等)
- 話の内容の選定には慎重でなくてはならないが、本当に伝えたい内容を物語りの形で伝えるというのは、子どもたちの心の奥に届く。
- (日頃の活動を通じて)自分自身が楽しみながら子どもたちに話すとき、こころを込めて自分の心が伝わるような話をしていくと、やはり反応が違うということを感じている。
- 都市部などの他の土地から来られた方にも知って頂く方法としてパンフレットなどを活用することも有効。
- 若いお母さん方がこられる場合などは、「子どもさんにも教えてあげてください」などと働きかけをしている。
- 話をわかりやすく伝えることが重要。
- 現実をデータ(古文書などの現物など)なども使いながら説明すると注目度が違う。
- 対面して語って伝えるという、何千年、年百年という歴史の中から口から口へ伝えるコミュニケーション、それを一つの重要なツールとして物事を伝えることは素晴らしい。
- 地元の歴史的な場所などを活用してウォーキングなどをやっていきたい。
お問合せ先
農村振興局設計課広報G
代表:03-3502-8111(内線5561)
ダイヤルイン:03-3595-6338