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農林水産省

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東京都千代田区(全国交流会)

交流会の概要

項目 内容
開催日 平成19年3月3日(土曜日)
主催 農林水産省、全国水土里ネット
開催場所 東京都千代田区 星陵会館
語り部参加数 平野啓子氏(語り部・コーディネーター)他6人(うち土地改良関係者 1人)
傍聴者数 198人(主な職種:会社員、公務員、団体職員、主婦、学生、無職)

主催者挨拶

開会の挨拶をする齋藤企画部長
開会の挨拶をする齋藤企画部長
   

語り部による語り

「七ヶ用水の歴史とその伝承」を語る安実隆直さん
「七ヶ用水の歴史とその伝承」
を語る安実隆直さん
「見沼代用水の歴史とその伝承」を語る宮田正治さん
「見沼代用水の歴史とその伝承」
を語る宮田正治さん
「来間島の地域興しの語り~島に嫁いできて~」を語る砂川智子さん
「来間島の地域興しの語り
~島に嫁いできて~」を語る
砂川智子さん
「田沢湖の辰子(たっこ)」を語る高橋茂子さん
「田沢湖の辰子(たっこ)」を語る
高橋茂子さん
「大芦池のいわれ」「割亀井堰と人柱地蔵」を語る立石憲利さん
「大芦池のいわれ」「割亀井堰と
人柱地蔵」を語る立石憲利さん
「おだきさん」を語る和地芳江さん
「おだきさん」を語る和地芳江さん

平野啓子さんによる語り

蜘蛛の糸(芥川龍之介作)を語る平野啓子さん
蜘蛛の糸(芥川龍之介作)
   

意見交換会

意見交換会の風景
意見交換会の風景
発言する中條農村振興局長
発言する中條農村振興局長
出演者による記念撮影
出演者による記念撮影

語り部の概要

氏名 語りの概要
活動実績等
(職業、職歴)
安実隆直 【七ヶ用水の歴史とその伝承】
霊峰白山を源とし流れ出る手取川は古来より暴れ川と言われ、氾濫を繰り返しながら「七たび水路を変えた」と伝承される。現在の位置へと移り変わる間に日本でも代表的な扇状地を形成した。その本流跡、分流としてできた七つの用水は、平安時代後期より地域における稲作の発達とともに田畑に水が引かれ、いつの頃からか「七ヶ用水」と呼ばれるようになった。その歴史は水との戦いであり、水不足や洪水などで農民たちは幾多の困難を乗り越えると同時に、加賀百万石の礎を築きこの地域を育んできた。
手取川右岸地域用水対策協議会活動本部長。七ヶ用水の生い立ちと農業農村と共に歩んだ用水の発展と苦難、時代の変化に応じた地域社会との関わりや多面的機能を有する役割などを地域住民や小学生に理解してもらえるよう、イベント・ボランティア・学習会などの活動を21世紀土地改良区創造運動として展開。七ヶ用水の現状と課題、将来にわたる維持管理の在り方について、地域住民の意識の共有化に努めている。
(水土里ネット七ヶ用水 総務課長)
宮田正治 【見沼代用水の歴史とその伝承】
「見沼溜井」の造成から「見沼代用水」の開削に至る歴史的背景、農民の苦労、土木技術、民話、伝説等について語る。
かつては武蔵の国第一の大沼だった見沼を伊奈忠治が寛永6年に「八丁堤」で締め切り大きな溜井(見沼溜井)を造って下流5,000haの農地を潤した。その約100年後、新田開発を奨励した8代将軍徳川吉宗は井澤弥惣兵衛を起用し「見沼溜井」を開拓し、1200haの新田を拓いた。開拓にあたり見沼溜井の代わりとして利根川に水源を求め、60kmの用水路(見沼代用水)をわずか半年で開削した。
見沼代用水については、現在も15,400haもの水田を潤す農業用水として活用されているとともに、埼玉県民や東京都民の水道用水としても利用されている。
昭和56年に教職を退き、見沼関連の学習・取材・創作等に専念し、見沼に関する歴史や伝説の本や絵本も執筆。昭和58年には歴史小説「竜神の沼」により、埼玉文芸賞受賞。平成10年に領家手作り絵本の会会員等と「見沼文化の会」を結成し、見沼の自然と歴史についての保全や普及活動を実施。公民館や小学校などで見沼の新田開発、見沼代用水路の開削など、見沼の歴史や地域に伝わる伝説の語りや紙芝居を通じて伝承。
(見沼文化の会 代表)
砂川智子  【来間島の地域興しの語り~島に嫁いできて~】
私が嫁いできた頃、22年ほど前の来間島(くりまじま)は大変貧しく、干ばつがあると大変な被害がでる島だった。ユイマール*で細々とさとうきびや葉たばこの栽培を営んでいた。私も義父の葉たばこを手伝う傍ら、畜産をはじめて牛を増やしたり、平成元年からマンゴーの栽培をはじめた。農業基盤整備事業が進み、農業生産高が上がると同時に、平成7年に宮古島と来間島を結ぶ来間大橋が架かり、かんがい用水も整備され、ますます農業がやりよい環境になった。
平成12年に、夫が経営するマンゴー園が有機JAS認証をとり、マンゴーの全国発送もさらに好調になってきている。平成14年には有限会社「楽園の果実」を立ち上げ、島内産の食材を用いたカフェや特産物販売、手作り食品館(農産物加工施設)での農産物加工など、いかに宮古島産の農水産物に付加価値をつけ販売するか!「島」をいかに知ってもらうか!日々奮闘中。
ユイマール:さとうきび刈りを共同で行う農作業など、沖縄における相互扶助のこと。
滋賀県出身。日本大学芸術学部写真学科卒業後、沖縄県宮古島の来間島で農業を営む夫と結婚し農業を始める。平成14年に(有)楽園の果実を設立し代表取締役を務め、地域食材供給施設(レストラン・売店)、女性アグリサポートセンター(育児施設・農畜産物処理加工施設)を導入し、島の女性達に子育てをしながら安心して働ける雇用の場を提供。宮古地域の女性起業グループ「みやーくの味加工推進協議会」に所属し、島の果実を利用したジャムなど手作りの特産品を委託販売。本土スーパーなどに青果、加工品を出荷するなど島興しに奮闘。「楽園の花嫁 宮古・来間島に渡った日々」を出版。
((有)楽園の果実 代表取締役)
高橋茂子 【田沢湖の辰子(たっこ)】
昔々、院内の神成沢に三之丞という家があって親達と娘と三人で暮らしていた。辰子という娘は母親が四十近くになってから生まれた娘で子供の頃からかわいくて、娘盛りなったら本当に美人になりみんなにきれいだきれいだとほめられていた。
或る時、水鏡に映った美しい自分の姿を見ていて、いつまでも若く、美しくいたいと大蔵山の観音様に願をかけることを決心した。そして、みんなが眠った百日目の満願の夜、ついに願いは聞き入れられ、やがて辰子は・・・。
そして田沢湖が生まれ、
今も田沢のタッコとして語りつがれている。今でもその水は田沢疏水として1万五千町歩の仙北平野に大きな富をもたらしている。
千畑民話の会会長。地元小学校や老人クラブなどで民話の語り聞かせ、秋田弁による小学生への卒業記念の寸劇指導や中学生への指導など、秋田弁の伝承にこだわり、多様な活動を展開。平成17年にはハワイ秋田県人会との交流から現地で昔話の語り、草履編みを実演。大反響ぶりが秋田の地元紙でも紹介。さらに書籍「昔話ふるさとへの旅-走った走った1万キロ」でも紹介され、CD「昔話ふるさとへの旅」にその語りが収録。平成15年秋田県教育委員会より、秋田弁での詩の朗読をCDで県内小学校や公民館に配布。NHK、ABSで昔話を数回放映・放送。
(千畑民話の会 会長)
立石憲利 【大芦池のいわれ】
岡山県美作市上山にある大芦池の由来。
昔、大木のおおう山に2人の男が来て田を開き、稲を作る。それを見て、多くの人が田を開くが水不足になる。2人は山中に芦の生えた場所を見つけ、池を造ろうと提案。人々は2人を信じて池を掘る。翌春には水が溜る。堤防を高くし、水路を作り、水田は広がり、上山地区の棚田となる。暮らしが楽になって人々は、2人を上山神社として祭り、池を大芦池と呼ぶようになった。
【割亀井堰と人柱地蔵】
岡山県新見市大佐千谷にある割亀井堰の由来。
小阪部川をせき止めて割亀の井手が造られていたが、洪水でたびたび流失。千谷地区では稲ができない。困った村人が相談、人柱を立てることにする。六部に頼むと村人のためならと人柱になる。それから井手は洪水でも流されなくなった。六部を祭ったのが人柱地蔵である。
岡山民俗学会理事長、日本民話の会運営委員。長年にわたり民俗(主として口承文芸)を調査研究。岡山県を中心に全国で約7,000話の民話を採録。出版物多数。民話の語りを各地で行う。語り手養成のため「立石おじさんの語りの学校」を開く。平成18年には、民話の語りを約70か所、語りの学校を2か所(13回)開催。「桃太郎話」「おかやまの民話12選」「おかやま伝説紀行」などを出版。
(岡山民俗学会 理事長)
和地芳江 【おだきさん】
栃木県高根沢町の伝説で、現在も農業用水として活用されている湧水池「おだきさん」にまつわる話である。
むかし、美しく、心やさしい「おだきさん」という村の評判の娘がいた。
江戸時代は天明の時、日照り続きのため、農作物不作による大ききんがあった。貧しい百姓の娘だった「おだきさん」は、村の庄屋をしている弥平の家に奉公に上がった。
「おだきさん」は、よく働いたので、みんなから可愛がられた。特に、跡取りの弥一は「おだきさん」を気に入り、「おだきさん」も弥一を好きになっていた。しかし、身分の違いから、結婚はあきらめていた。
そんなある日、弥一に縁談が持ち込まれ、結婚が決まった。
病身になった「おだきさん」は、裏山の森の中の泉に行き、誰にも云えなかった胸の内を涙に込めて、ぽとりぽとりと泉に落とし、入水した。
以来、「おだきさん」の落とした涙の跡から、こんこんと清水が湧き出して、どんな日照りが続いても枯れることなく、弥一の田はもちろん、周囲の田を、今も潤している。
下野民話の会会員(県立博物館内)、たかねざわ民話の会代表。町の保育園長を歴任し、退職後、民話の世界に入る。県内各地において、民話の語り聞かせ。特に小学校が多い。民話を聞いて自らも語りを学びたいという小学生を対象に、現在、語り部を養成中。また、各市町の民話講座、並びに読書についての講演等の講師を務める。なお、県内外の語り部との交流会を実施し、共に学び合っている。NHK FM放送で民話語り。
(下野民話の会 会員)
(職業等は開催当時のもの)

意見交換の概要(主な意見等)

  • 民話はその地域に住んでいる人達の共通のもの。そういうものをもう一度見直すことによって、地域づくりだとか農村の立て直しに役立てていけないか。語りの力で語り継ぎ、広げることが大切。
  • 日本人の潜在意識は農村にある。現代においても地域で作ったものを現代の語りとして、地域の誇りとして語っていくことが大切。
  • そして、子どもたちにその地域のすばらしさを伝えていくことが、これからの農業・農村の振興に繋がっていく。

意見交換会の要旨はこちら (PDF:169KB)

お問合せ先

農村振興局設計課広報G

代表:03-3502-8111(内線5561)
ダイヤルイン:03-3595-6338

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