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農林水産省

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江戸時代から続く用水を日々管理

稲生川土地改良区  主任  荒岡工氏(青森県十和田市)  取材年月:平成28年9月

【稲生川土地改良区】
 稲生川土地改良区は、青森県の南東部、奥入瀬渓流で有名な奥入瀬川の中下流部左岸の三本木原台地に展開する約5,200haの受益地へ農業用水を安定供給するため、延べ65kmの幹線水路や分水工等を管理しています。

1.稲生川開拓の歴史

 三本木原台地は県下有数の農業地帯となっています。元々は水の無い不毛の原野だった三本木原台地が、今日の発展に至るには長い開拓の歴史、数多くの人々の苦労がありました。
 新渡戸稲造のおじいさんである新渡戸傳(つとう)が、三本木原台地に奥入瀬川の水を引いて、新田開発を行い、この地域の基礎を築きました。江戸時代末期に着手した延長約11kmの用水路は「稲生川」と命名されました。稲生川通水を喜ぶ人々の絵画
稲生川通水を喜ぶ人々の絵画(稲生川土地改良区事務所ホール)

2.用水管理と施設管理

 通常時の主な業務は、用水路の水位監視と用水の配水調整、ごみあげであり、毎日数班に分かれて約65kmの幹線水路を巡回しています。支線水路からの分水作業は、流量バランスを見極めるのに非常に神経を使うそうです。
 揚水機場が25箇所あった頃は、春先のポンプ整備のため来る日も来る日も現場に出向き作業を行うのが大変だったそうです。現在は4箇所に統合されたため、作業が軽減し国・県営事業の効果を感じたそうです。ポンプ点検作業
ポンプ点検作業

3.小水力発電の導入
 平成26年7月から運用開始している小水力発電施設の導入は青森県内で1番目であり、新しい制度にも機敏に反応し取り組んでいます。
 十和田市は美術を街づくりに活かしており、小水力発電施設の壁面にも“水・土・里”をイメージした壁画を画家の「大宮エリー」氏に依頼しました。地域の財産として親しまれることが期待されます。大宮エリー氏による小水力発電施設の壁画「蝶と里山」
大宮エリー氏による小水力発電施設の壁画「蝶と里山」

4.最後に
 ポンプ整備など機械整備関係のプロフェッショナルである荒岡さんですが、子どもの頃は様々なものを分解しては元に戻せなくなり怒られていたそうです。「今も分解しますが、ちゃんと戻していますよ」と笑顔で話してくれました。
 歴史のある稲生川、それを守る土地改良区。農家第一で日々の用水・施設管理を行う一方で、地域農業の未来を見据えて新技術も取り入れていく姿勢は、先輩から後輩へ着実に継承されています。
稲生川地区全景
稲生川地区全景

添付資料

☆インタビュー記事です!☆
江戸時代から続く用水を日々管理(PDF : 387KB)

関連ホームページ

稲生川土地改良区(外部リンク)

お問合せ先

農村振興局整備部設計課

代表:03-3502-8111(内線5561)
ダイヤルイン:03-3502-6204