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農林水産省

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駅弁紀行 第2回

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ヨネスケ

山陽本線・JR神戸線

姫路駅「やりいかめし」


瀬戸内海沿いの駅構内で見つけた子持ちやりいかとだし飯がベストマッチの絶品弁当。
やりいかめし
やりいかめし
西播磨の地の食材が活かされた一品。880円
製造元:まねき食品 Tel:079-282-5240(JR姫路駅構内)・まねき食品では姫路駅で駅弁お取り置きサービスも行っている。 http://www.vzhyogo.com/~maneki/
【おしながき】やりいか煮(子持ちいか3杯)/いか角切り煮/だし飯/玉子焼き/さつまいも煮/いかなご釘煮/野沢菜かっぱ漬け

ヨネスケ
ヨネスケ(桂 米助)
かつら・よねすけ/落語家。千葉県市原市出身。桂米丸氏に弟子入り、1967年デビュー、1981年真打ちに昇進。その人情味あふれるキャラクターで幅広い年齢層に親しまれる。日本テレビの「突撃! 隣の晩ごはん」では、全国津々浦々の家庭にいきなり訪問。アポなしながら最終的に歓迎されてしまうのは、やはりその人柄によるものであろう。また、こうした取材移動から、日本中の駅弁・空弁を食べ尽くし紹介するブログ「ヨネスケの駅弁! 空弁! 食べて答弁!!」を公開、大評判となっている。
http://blog.livedoor.jp/yonemeshi/
姫路駅到着のアナウンスを聞くが早いか、開いたドアからホームに飛び出した。もちろん駅弁を買うために、だ。

ホームの駅弁売り場は思いのほか充実していた。姫路は瀬戸内海に近く、新鮮な魚介類が手に入るからか、魚介類を使った弁当が目立つ。「たこめし」もあった。いや、待てよ。明石に向かう手前で明石名物のたこ飯はいかがなものか。わずか2~3分の停車時間だ。悠長に選んでいる時間はない。一瞬迷って手にしたのが「やりいかめし」だった。

長寿番組「隣の晩ごはん」をはじめ、さまざまな番組で47都道府県、全国津々浦々を旅している私にとって、車窓から眺める風景と駅弁はまさに旅の友であり、元気の源である。どれだけの数の駅弁が私の腹に収まったことか。

「どうだ、まいったか!」という、これ見よがしな豪華さではなく、細やかな気配りと工夫が見られるうまい駅弁には感動してしまう。それが駅弁の神髄だとさえ思っている。そんな駅弁に出会うと無性にうれしくなる。宝物を発見したような気持ちになるのだ。

で、この「やりいかめし」はその筆頭に挙げられる感動ものだった。醤油で味付けしただし飯の上に、斜め切りにされたやりいかが3~4杯乗っている。もっちりプチプチの子持ちやりいかだ。うれしいことにゲソまでちゃんと添えられている。だし飯と子持ちやりいかの味付けが絶妙にマッチしていて、歯ごたえともに最高。冷めていてもこれだけおいしいのだから、温かったらどれだけうまいか。

脇にはふかふかの卵焼きとあっさりと煮付けられたいかなごの釘煮。こちらも美味。この値段でこのうまさ。これを選んだ自分を誉めてあげましたね。

「やりいかめし」を作っているまねき食品は、山陽鉄道の開通に当たって、駅構内で弁当を販売する認可を受けた駅弁売りの老舗らしい。明治22年に販売されたまねき食品の幕の内駅弁が、我が国初の本格的な駅弁という。ただし、これはあくまでも幕の内弁当のお話。ちなみに駅弁の始まりは、明治18年7月、宇都宮駅開業と同時に売り出されたゴマ塩おにぎりだとされている。当時、竹皮で包んだ2個のゴマ塩おにぎりが5銭で売られていたそうだ。

「やりいかめし」との偶然の出会いで、私の中で「姫路」といえば、天下の名城・白鷺城と感動の駅弁「やりいかめし」と相成りました。(語り下ろし)