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農林水産省

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特集2 食材まるかじり「海そうを見直そう」(4)

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海藻にこだわる

選んだのは、海女の手摘みによる“生きた”テングサ。本物を追求してできたのは、海を感じる心太。

ところてんの伊豆河童・栗原英夫さん


ところてん 伊豆河童の心太
ほんのり飴色の伊豆河童の心太。以前はスーパーに卸していたが、数年前からネットでの販売を中心に切り替えた。じっくりと時間をかけて伝統の心太が作れるようになった

オープン釜でテングサを煮溶かしているところ
オープン釜でテングサを煮溶かしているところ。栗原さんいわく、「この釜は全国でもここにしかないのでは?」
コシが強くコリコリとした新食感の心太
コシが強くコリコリとした新食感の心太。突き棒で突き出すのは、簡単そうに見えてものすごく力がいる作業

栗原英夫さん
栗原英夫さん。心太を作って60年。煮溶かしたテングサを絞る作業は今でも手仕事で行っている。重労働をテキパキとこなす姿はとても75歳とは思えない
栗原さんは、原料のテングサと製法にこだわった心太の老舗「伊豆河童」の3代目。伊豆半島の海女の手摘みテングサを使用し、柿田川の名水と丁寧な手仕事で作る心太が自慢です。

テングサの中には波に打ち寄せられたものもあり、これを栗原さんは死んだテングサと言います。一方で海女の手摘みによるテングサは、生きたテングサ。もちろん、生きたほうがおいしい心太になる。

伊豆河童では、同じ伊豆でも産地の違うテングサをブレンドして使います。そのブレンド具合が栗原さんの腕の見せどころ。

毎朝6時、テングサを洗う作業から栗原さんの1日がはじまります。洗ったテングサはオープン釜で煮溶かすこと7~8時間。しだいに工場内に海の香りが漂ってきます。煮ている間は蒸気を調節するため、釜の前につきっきりだとか。100度にもなる釜は真夏ともなれば想像を絶する暑さになります。
「今はほとんど圧力釜を使うだろうね。早く煮えるし、手間もかからない。でも、うちは代々この釜でね。テングサの顔を見ながらじっくり作るのがいいんだ」
「同じ伊豆でも西伊豆と東伊豆では海の質が違うから、テングサの質も変わる。駿河湾のテングサはやさしい(やわらかい)性質だな」

伊豆のテングサは寒天質が多いので、しっかりした歯ごたえの心太になるとか。たしかに、普段食べる心太とはまったく違う、コリコリとした食感です。テングサの色を活かしたほのかな飴色とかすかな海の香り。伊豆の海を感じさせてくれる心太です。



ところてんの伊豆河童
静岡県駿東郡清水町伏見184-3
Tel.055-975-0098
http://www.tokoroten.co.jp