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農林水産省

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特集1 にっぽんの森林(3)

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森林を守り育てる人々

林業の現場


林業に携わっている人々は、どんな現場で、どんな作業をしているのでしょうか。林業の現場を知るために、福島県田村市にある田村森林組合を訪ねました。

林業の現場

急斜面で唸りをあげる「プロセッサ」は伐倒された木の枝払いをしたあと、自動計測で均一の長さに寸断していく自走式機械。現在、最も普及している高性能林業機械だが、木の性質を分かっていないと扱えない

森のプロの妙技!
森のプロの妙技!
間伐で残す木を傷めないように、狙った方向に立木を倒すのがベテランの技術者。木の重心がどこにあるかを見抜き、正確に切り口を入れるには熟練した「ワザ」が必要だ

木材を切る
木材
フォワーダ
同じ寸法に切られた木材をクレーンで荷台に積み込んだ「フォワーダ」が作業路を往復し、集材場所に運ぶ。狭い場所で大きな機械を扱うには周囲への配慮が必要。安全確認を怠らないチームワークも重要。

林業の特徴
林業は、森林を維持管理し、樹木を伐採することによって木材を生産・販売する産業ですが、広義には木材の生産・販売だけでなく、きのこや山菜の採取、栽培、販売なども含まれます。林業では森林の育成や管理のことを「施業」と呼び、経営も含めて森林を守る行為を生業としています。

農産物と違って、木は利用可能な資源として成長するまでの期間が長く、長期にわたる維持管理を必要とします。1960年以降、木材輸入の自由化により大量輸入された外材に押され、国産材の自給率は急速に低下し、かつては多くいた素材生産業者や造林業者も減少していきました。

木材による建造物や工芸品を見ても分かるように、木は地域の風土や伝統によってさまざまな製品に形を変えて利用されており、固有の文化を生み出す重要な要素となっています。また、森林の果たす機能は国土の保全や木材生産などを含め、私たちの生活環境に直結しているため、適切な維持管理が必要です。

各地域では森林所有者から委託を受けた森林組合等の林業事業体が間伐などを実施することによって、木材の生産・販売に大きく貢献し、林業の担い手として地域に根差した施業を行っています。
新たな森林づくりに取り組む田村森林組合
田村森林組合は地元の森林施業を委託されている森林組合のひとつです。この地域の森林面積は1万6572ha。そのうち民有林が1万3611haで82%を占め、その40%近くが人工林です。

人工林はほとんどがスギ。同組合のある福島県田村市は阿武隈高原がはぐくんだ良質なスギの産地で、「田村スギ」のブランド名が定着しています。事務所はスギをはじめ、地元の木材でつくられた温もりを感じさせる建物でした。木材による断熱効果を考えて、地域材をふんだんに使用したそうです。

さて、実際に森林を育てるには下刈り、除伐(収穫したい木の成長を妨げる他の種類の木を切ること)、間伐などの手入れが必要です。また、主伐(利用可能な時期になった木を伐採すること)によって木材を収穫したあと再び植林し、引き続き木を育てることで、森林は循環します。田村森林組合でもこうした作業を一手に引き受けています。積極的に高性能林業機械を導入し、低コストで効率的な作業を目指してきました。



早川英二組合長
林業一筋で生きてきた田村森林組合の早川英二組合長。20年にわたって組合長を務め、昨年旭日賞を叙勲。「木は次の世代への財産。自分が植えた木を孫が使う。我々も先を見据えた仕事をしなくてはいけない」と語ってくれた