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MAFF TOPICS(2)

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MAFF PERSON 農村派遣研修リポートNo.2

農業の無限の可能性を実感。逆にパワーをもらいました
福島県会津美里町 新國文英さん
研修生 前田収さん(消費・安全局 表示・規格課)

MAFF PERSONでは、農林水産省と関連機関で働く人と仕事をご紹介します。


農村派遣研修制度とは
農林水産省では、先進的な取り組みをしている全国の生産者のもとに約1カ月にわたり若手職員を派遣、ホームステイをしながら仕事を体験し農林水産業の現状の見聞する、農村派遣研修制度を行っています。この制度は昭和42年から開始され平成20年まで1,641人の職員が参加しています。平成21年も8月から10月まで、全国各地の農林水産業の現場に職員が派遣されました。今回から若手職員の研修現場を特集としてレポートいたします。。

農作業風景
新國さんの長男・文仁さん
新國さんの長男・文仁さんは頼もしい兄貴分といったところ。いろいろなことを学んだ。


(有)グリーンサービスの農地
(有)グリーンサービスの農地は約31ha。特別栽培米、減農薬米も生産している。農作業受託は25ha。会社のビジョンと使命は「おもしろく元気な農業の実践を目指し、社会の進化向上に貢献する」ことだそうだ。

新國さんの奥さん、みき子さんと
「前田さんは花も活けてくれたんですよ」と語る新國さんの奥さん、みき子さんと

新國文英さん
農業は顧客本位のサービス業である」という理念を大切にしている新國文英さん

地域の農業経営を支えたい
福島県内でも米作りが盛んな会津盆地にある農業生産法人に、研修生前田収さんが派遣されたのは、稲刈りの最盛期を迎えようという9月末のことだった。ホームステイ先は(有)グリーンサービスの代表取締役である新國文英さんの家。

新國さんは昭和60年、近隣の仲間と桧の目新田機械利用組合を設立。これが現法人の前身である。

近隣を見回しても後継者不足は顕著だった。新國さんは農業経営の合理化と後継者育成のための経営管理の必要性を痛感し、活動を開始。組合を法人化し、OA機器を活用して複式簿記記帳をベースとした経営管理にも熱心に取り組んだ。現在は米、野菜、花きの生産のほか農作業も受託し、さらに経営者を目指す農業者の支援も行っている。

従業員はパートも含め10名。奥さんのみき子さん、32歳の長男文仁さんもともに汗を流している。

文仁さんは農業者大学校を卒業後、税理士事務所に2年半勤務して、顧問先に農業法人が多かったことから、主に農業法人の経営管理や経理などについて学んだ。

グリーンサービスには20代の従業員が4名就業している。農業をやりたいという若者には門戸を開いてあげるのが新國さんのやり方。

「明日から2名、1カ月家に泊めて研修させるよ」と突然言われ、「いつも慌てさせられています」とは奥さんのみき子さんの談。

現場に教科書を求めて
前田さんはなぜ稲作の農家への研修を希望したのか。
「実は僕、事故米への対処時に、所属している課で法案づくりの手伝いをしていて、米の流通はどうなっているのか、実際何も分かっていないことに気づいたんです。米は日本の食文化を支えているのに、農家のことも流通のことも何も分かっていない。僕は米づくりの現場を見てみたかった」

しかし、研修日初日、前田さんが体験したのは、まだ暗い早朝3時半に起き出し、ヘッドランプをつけてハウス内で行う菊の収穫作業、花切り作業だった。

花きの生産現場も初めてで、何もかもが新鮮だった。そのうちあちこちの圃場でコンバインがフル稼働し始めた。

この経験は初めの一歩
稲刈り期間中も前田さんは4時前に起床して菊の脇芽欠きや摘蕾作業を行い、ハウスの軟白ネギの軟化を促すための裾巻き作業も手伝った。同社のライスセンター工場長をこの秋から任せられている29歳の生亀義幸さんからは、お米の袋詰めと口紐の結び方を教えられ、また文仁さんの指導のもと初めてコンバインも動かした。

新潟県長岡市などから視察研修に来た視察団の前で、グリーンサービスで働いている若者たちの様子や自分の研修の感想などを話したりもした。前田さんにとっては盛りだくさんの1カ月だった。

「農家はただできる作物を作るだけといった、何となく停滞気味の印象を抱いていたのだけれど、ここに来て農業の可能性は無限大だと思いました」と前田さん。早く帰りたいかと聞くと「微妙~」と笑った。

「自分の仕事の現場はやはり霞が関なので。農業の可能性を広げようとしている人たちが、その力を存分に出せるよう、この体験で得たことを行政に生かせればいいと思っています」

新國さんとは食事中もいろいろな話をした
新國さんとは食事中もいろいろな話をした。新國さんは農業経営に対する思いやグリーンサービスの存在価値、将来、農業があるべきビジョンなどを熱く語ってくれた

特別栽培米「会津米物語」の出荷作業
刈入れ後は精米、袋詰めの作業が待っている。特別栽培米「会津米物語」の出荷作業に大わらわ
出荷作業も肉体労働
米の3分の2が直販だという。出荷作業も肉体労働。「ここでは3食きっちり食べています!」