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農林水産省

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チャレンジャー 第37回

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植木町果樹生産者グループ 春果風(はるかぜ)

農家の主婦が地元の果実でアイデア商品を開発

熊本県植木町

この日は子どもの入園・入学式などが重なり、11名全員が集うことはできなかった。後列右端が話を聞かせてくれた会長の宮本好美さん
この日は子どもの入園・入学式などが重なり、11名全員が集うことはできなかった。後列右端が話を聞かせてくれた会長の宮本好美さん

初めて作ったオリジナル商品「デコポンスムージー」
初めて作ったオリジナル商品「デコポンスムージー」


無添加のミカン石鹸(1個350円)は好評で、すぐ在庫切れに
無添加のミカン石鹸(1個350円)は好評で、すぐ在庫切れに

ミカンをモチーフに考案したストラップ
ミカンをモチーフに考案したストラップ

大きさや形ではねられる規格外のデコポン。味はいいのに「もったいなか」
大きさや形ではねられる規格外のデコポン。味はいいのに「もったいなか」
「もったいなか」そんな気持ちが高まって
農村部の女性による起業活動が年々増加している。地域の農産物を使って、精力的にアイデア商品を開発している農家の主婦グループがいると聞き、熊本県植木町を訪ねた。

見渡すと山の斜面にも背の高いハウスが何棟も連なっている。柑橘類のハウスだ。

「春果風」のメンバーもほとんどが柑橘類を栽培している農家である。特にハウスデコポンの栽培が盛んだ。

デコポンは「ポンカン」と「清見(ミカンとオレンジの交雑種)」をかけ合わせた果実で、「デコポン」という名称は、実は登録商標である。品種名は「不知火」。不知火のうち糖度13度以上、酸度1%未満という基準をクリアしたものだけが、「デコポン」という名で販売できるのだという。全国の生産量の半分近くが熊本県産だそうだ。

会長を務める宮本好美さんの家でも、ハウスデコポン、ハウスミカンを中心に栽培。果物はどうしても見た目が重視される。中身に問題はなくても、規格外の果実は売り物にならない。規格外の果実を使って何かできないか。「農家が丹精込めて作ったのに、もったいなか」、そんな思いがグループ結成のきっかけとなった。

活動のテーマに「女性ならではの感性を生かして、農業を振興するとともに、町おこしに貢献すること」を掲げ、平成18年、「春果風」は産声をあげた。

消費者と生産者の架け橋になりたい
県の産業技術開発センターで研修を受け、まずデコポンを使ったスムージー(果物をシャーベット状にした飲み物)を開発。それが地元のお祭りやイベントで大好評。次々に新作を生み出した。

ハウスミカンを使って地元の菓子業者と共同開発した「プレミアムチーズケーキ」や、デコポンの皮を使った「デコdeパン」「デコdeリング」、さらに食品だけでなくミカンを使ったオリジナルの石鹸まで、「もったいなか精神」と女性ならではの発想から生まれたアイデア商品は町おこしの起爆剤となった。

現在メンバーは11名。平均年齢は37歳。3人目の子どもを産んだばかりのメンバー、下の子がまだ2歳というメンバーもいる。農家の主婦として家事や子育てに忙殺されながらも、積極的に時間を見つけて活動に参加している。

家族の理解やサポート、またメンバー同士の助け合いが活動を支え、それが町の活性化につながった。平成20年には、熊本県農林水産部主催の「農山漁村女性チャレンジ活動」奨励賞を受賞。

宮本さんは「これからもイベントや講演会、体験教室で、植木町の農産物をPRして、植木町ファンを増やしたい。消費者と顔の見える関係を続けていき、生産者と消費者の架け橋になれればと思っています」と語ってくれた。

地図

デコポンの皮を練り込んだ米粉パン「デコdeパン」をはじめ「デコdeリング」「デコdeサンド」など、「デコde」(平成21年商標取得)シリーズは売上も順調
デコポンの皮を練り込んだ米粉パン「デコdeパン」をはじめ「デコdeリング」「デコdeサンド」など、「デコde」(平成21年商標取得)シリーズは売上も順調

皮むきなどの作業場は宮本さん宅の台所。ここでさまざまな商品が考案され、地域に送り出されている
皮むきなどの作業場は宮本さん宅の台所。ここでさまざまな商品が考案され、地域に送り出されている

Photo:Atsushi Soumi


チャレンジャーズでは、農林水産分野で先進的、かつユニークな活動を行っている人々をご紹介します。