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連載7 こぐれひでこ の いただきもの絵日記

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そら豆


そら豆
文・イラスト こぐれひでこ


こぐれひでこ
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イラストレーター&エッセイスト。『こぐれひでこのおいしい画帳』(東京書籍)、『こぐれひでこのごはん日記』春夏篇・秋冬篇(早川書房)、『私んちにくる?』(扶桑社)、『こぐれの家にようこそ』(早川書房)ほか、著書は30冊を超える。現在は、女性向けの人気情報サイト『カフェグローブ』で、ごはんをテーマにした『こぐれひでこの毎日ごはん』を、また遊び心をテーマにした情報サイト『あそびすと』でも連載中。
大学時代の友人からサヤ入りそら豆が送られてきた。十数年前から近くの畑を借りて野菜を栽培している人だ。今年は自慢できるそら豆ができたので送る、という書状が添えられていた。

鮮やかな緑色のサヤを観察すると、表面に生えているうぶ毛がビロードのように見える。サヤを開いてみると白くて軟らかな綿が豆を大切そうに包み込んでいて、見ただけで気持ちがほんわりと優しくなるのを感じる。そら豆はカワイイ。サヤの形も色も、豆を包み込む綿も、豆の形も色もすべて、文句のつけ所がない。私はそら豆の大ファンなのである。

我が家でもテラスで育てたことがあり、その時知ったことなのだが、サヤは空に向かって伸びるので、その名は「そら豆」。なんと素敵な名付け方! そう、私はその名前の由来についても深く感動したのである。残念ながら我が家で育ったそら豆は自慢できるような立派なものではなかったが、生で食べるとおいしかった。サヤから出して皮をむき、ブルーチーズをつけて食べる。この食べ方はレバノン料理屋の前菜として登場したもの。生のそら豆を食べるの? と怖じ気付きつつ食べたのだが、とてもおいしかったので、真似しているというわけ。しかし、新鮮じゃないとおいしくない。

野菜売り場にサヤ入りのそら豆が並んでいると無視できなくなる私。だからこの季節、我が家の食卓にはそら豆が頻繁に登場することになる。そんな我が家にそら豆のプレゼントとはありがたい。友人から送られた生そら豆にブルーチーズをつけながらビールと共に味わった。瑞々しくておいしかった。きっと送る直前に収穫したものだったのだろう。持つべきものはよき友人だ。

ゆでただけ、揚げただけという単純な調理はもちろん、サラダのアクセントに使ったり、リゾットにしたり、エビと組み合わせて中華料理にしたりもする。ピンクと薄緑のカラーコンビネーションは文句なしの美しい一皿。その他、ポテトコロッケに丸ごとのそら豆を忍ばせたり、すり鉢ですりおろしたものにツナとマヨネーズを混ぜ合わせて野菜スティックのディップにしたり……。そら豆はどんな風に調理してもおいしい。

そら豆料理の中で私がイチバン好きなのは蕪とそら豆のポタージュ。爽やかなうす緑色のおいしいポタージュである。

作り方は簡単。皮のままのそら豆と皮をむかずに8つ程度に切った蕪とベーコンを煮る。あら熱が取れたらミキサーにかける。塩、コショウで味付けをして冷やしておく(温かくてもおいしい)。食べるときに器に入れ、生クリームを注ぐ。

初夏から盛夏にかけて、我が家に度々登場するこのポタージュ、ぜひお試しを。