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農林水産省

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特集2 食材まるかじり(1)

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日本全国お国自慢!

みそのおいしさ再発見


やっぱり朝はみそ汁を飲まなきゃ落ち着かない!
これが日本人の証しかと思いきや、最近はまったく飲まない若者も増えているとか。
それはなんとももったいない話。
今回は美味しくて栄養満点なみその魅力と楽しみ方を探ってみました。

みそのおいしさ再発見
もうもうと湯気を上げて大豆が蒸しあがると「仕込み」の一日が始まる

「丸井伊藤商店」の天然蔵

夏でも30℃以下の環境が保てる「丸井伊藤商店」の天然蔵。背より高いさわらの大樽では伝統製法のみそを2年間熟成させる

空気に触れないよう密閉した4トン入りの大樽

空気に触れないよう密閉した4トン入りの大樽を特別に見せてもらう。一度開封したあとは小分けしてさらに密閉。手間のかかる作業である
醤油より歴史が古い日本人の原点の味
「みそ」とは大豆と麹と食塩を混ぜ合わせて発酵熟成させた食品。日本の「みそ」の歴史は、古く飛鳥時代までさかのぼり、その起源は中国大陸にあるといわれます。当初は寺院や貴族階級の珍重品として、戦国時代には武士の兵糧として…そして庶民の食材となったのは江戸時代。大都市の江戸では地元の生産では間に合わず、三河や仙台から海路で運ばれ、みそ屋は大繁盛したといいます。

 それほど、日本の食文化に密接に関わるみそ。大きな特徴はなんと言っても全国すべての地域に「醸造所」があることでしょう。大豆という主原料は同じでも、麹には米麹、麦麹などの違いがあり、また水質や気候風土、発酵熟成中に働く微生物によって、地方色のある千差万別のみそが誕生します。「うちのみそが一番だ!」というお国自慢が「手前味噌」という言葉を生んだほど、多彩なみその文化。情報網や流通産業が発達した今だからこそ「手前味噌」に固執せず、各地の味を楽しんでみてはいかがでしょう。


Photo:Atsushi Soumi

信州茅野市の味噌蔵でみそづくりの肝心要
「仕込み」を見学しました。

「15割麹」

この日仕込まれたのは、米と大豆の割合が3:2の「15割麹」と呼ばれる「塩分控えめ味噌」。八ヶ岳に湧いた清涼な水と北海道の大豆、香川の塩など国産原料のみで作られた贅沢な白みそだ
 長野県茅野市。八ヶ岳の麓にあるこの町は勇壮な木落としで有名な「諏訪神社御柱祭」の里でもあります。この地で創業以来100年以上も伝統製法を守り続ける、味噌醸造所「丸井伊藤商店」を訪ね、信州みその作り方を伺いました。当日はみそづくりの中でいちばん忙しい「仕込み」の日。2日前に蒸して麹菌をふりかけたお米と、洗って皮をむき、柔らかく蒸した大豆、塩、発酵菌を一気に混ぜ合わせます。朝の7時半に操業開始。米麹の甘い香りや、大豆を蒸すごうごうという音が響き渡る空間で忙しく働いているのは3名の熟練した職人さん。1日に2トンもの原料を無理なく扱える機械を導入していますが、一工程ごとに「加減」をみるていねいな作業ぶり。午前中にすっかり完成したみそは醗酵室で約3ヶ月ねかされて店頭に出るそうです。

3 粉砕する

  2 大豆を蒸す
  1 米麹を取り出す
粉砕する
釜から取り出した大豆はコンベアで運ばれ、グラインダーを使って粉砕される。どの程度すりつぶすのかが、みそづくりの勘どころでもある。
 
大豆を蒸す
前日に大豆を洗って皮をむくのが信州みその特徴。みそが滑らかになるのだという。ひと晩水に浸けたものを早朝から蒸す。大釜に約1トン。蒸しあがったら蒸気を抜き、釜を反転させて中身を出す。

 
米麹を取り出す
2日前に洗って蒸し、麹菌をふりかけて発酵させた米麹を桶に出す。この2日間は庫内の発酵の熱が50℃以上にならないよう温度管理が大切なのだという。
6 桶に密閉して発酵室へ

  5 材料を混合する

  4 種水を加える

桶に密閉して発酵室へ
混合されたみそは空気に触れないようピッタリ密閉されて発酵室に運ばれる。この蔵で約3ヶ月熟成(発酵)させると完成。この熟成機間は種類によって違う。白みそは期間が短くスッキリした味わい。赤みそはゆっくりねかされコクが出る。
 
材料を混合する
塩・大豆・米麹を1つの攪拌機の中に投入して、むらが出ないようていねいに混ぜ合わせる。
 
種水を加える
粉砕した大豆は下に塩を入れた桶にひとまとめ。ここで上から種水(発酵菌)をかける。中身は酵母菌。この種水は乳酸菌を使ったものなど地方によって違いがあり、それが風味などの特徴となるそうだ。

伝統製法を守りながらも新しい試みでみそ文化を広げたい

「丸井伊藤商店」の伊藤英一郎代表取締役

古いたたずまいの「丸井伊藤商店」

古いたたずまいの「丸井伊藤商店」

古いたたずまいの「丸井伊藤商店」と伊藤英一郎代表取締役
「うちには『板蔵』という信州諏訪地方独特の天然蔵やさわらの大樽などの素晴らしい遺産が残っています。ここで伝統的なみそづくりを守り続ける一方で、衰退するみそ需要を少しでも高める試みも必要だと思っています。」と語るのは自ら仕込みの作業にも関わる伊藤英一郎代表取締役。工場見学を催したり、食卓ですぐ食べられるなめみそなどの加工品、おいしい味噌ラーメンを開発するなどとても精力的だ。「まずはみそのうまさを知ってもらう。そして美味しいみそを求めると、やはり原料にこだわった手作りみそに行き着くこと。それも意外と手頃な値段で買えることをより多くの人に広めたいですね。」


(有)丸井伊藤商店
http://www.tamatebako.ne.jp/marui/