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農林水産省

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特集1 応援しよう!国産の力(2)

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小麦の自給率向上に向けて

輸入小麦に負けない品種を開発


私たちが毎日のように口にしているパンや麺。
その原料となる小麦のほとんどが海外からの輸入です。
世界の人口増加や異常気象などさまざまな原因から、小麦価格が上昇するばかりでなく、十分な量を輸入することが
困難になる可能性があります。このため小麦の自給率向上に向けて、国産小麦の増産が期待されています。


北海道の小麦の収穫風景
北海道の小麦の収穫風景

北海道の小麦の播種(はしゅ)

北海道の小麦の播種(はしゅ)

北海道地域向けの超強力秋まき小麦「ゆめちから」

北海道地域向けの超強力秋まき小麦「ゆめちから」

栗山町を管轄しているそらち南農業協同組合が作成したパン用の可愛いパッケージ

北海道夕張郡栗山町では「ゆめちから」の栽培に力を入れている。栗山町を管轄しているそらち南農業協同組合が作成したパン用の可愛いパッケージ。

「さわや」

栗山町のベーカリー「さわや」の「ゆめちから」を使った食パン(右)
「さわや」では地元の食材を使ったさまざまなオリジナルパンを焼いている(左)

さわや
北海道夕張郡栗山町中央2-57
TEL:0123-72-0550
用途で異なる小麦の品種
スーパーなど小売店では、実に多彩な小麦粉製品が売られています。

ひと口にパンと言っても、食パンとフランスパンでは原料の小麦粉が異なり、同様に麺類でもうどんとラーメン、パスタ類では使う小麦粉が違います。用途によって求められる小麦粉の特性が違うため、それぞれに適した小麦の品種が存在します。

国産小麦の品種の多くがその特性から、主にうどんやひやむぎなどの日本麺用に使われてきました。現在も日本麺用の約7割が国産小麦です。

日本の気候風土では、パン用、中華麺用の小麦がなかなか栽培できませんでした。

ところが近年、品種改良が進み、次々にパンや中華麺に適した品種が誕生しています。

品種改良の成果
国内における小麦生産量1位は北海道。北海道ではパン用の小麦として「春よ恋」や「キタノカオリ」などを開発・栽培してきましたが、優れた製パン適性をもつ超強力小麦の育成に成功しました。それが平成20年、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構北海道農業研究センターで開発された「ゆめちから」です。

「ゆめちから」は一般の強力粉よりも粘りが強く、もっちりした食感が特徴です。中力粉とのブレンド適性に優れ、中力粉とブレンドすることによって生地の弱さが改良されるため、パンだけでなく、中華麺やパスタなどに幅広く利用できる、まさに「ゆめ」の国産小麦です。

国産小麦製品を探してみよう
九州も小麦の生産量の多い地域です。福岡県は北海道に次いで2位、佐賀県は3位と続きます。福岡県ではパン用小麦「ミナミノカオリ」のほか、とんこつラーメン向きの小麦「ちくしW2号」が開発・栽培され、話題を呼びました。

現在では、各地で国産小麦の品種開発が進められ、生産量は少ないものの、パン用、中華麺用の国産小麦が多品種栽培されています。

また、国産小麦を使ったパンを学校給食に使ったり、地場産小麦の製品を売り出すなど、地産地消の推進や地域農業の振興にもつながる、小麦の自給率向上のための取り組みが各地で進められています。

国産小麦の利用割合


「ラー麦」で作った麺を使った豚骨ラーメン

「ラー麦」で作った麺を使った豚骨ラーメン

「ラー麦」のロゴ

「ラー麦」のロゴ
産地での取り組み
ラーメンに向く小麦の誕生
全国有数のラーメンどころとして有名な福岡県。同県ではこれまでラーメンに適した国産小麦の品種がなかったため、ほとんど輸入小麦の小麦粉を使用してきました。そこで、福岡ラーメンの魅力をさらに高めるために、全国に先駆けてラーメン用の小麦の品種開発に着手しました。「福岡ラーメンのストレートな細麺に向く小麦で、しかも豚骨スープと相性がいいもの」が育種の課題だったといいます。

平成19年、ついに福岡のラーメンに最適な品種「ちくしW2号」の開発に成功し、翌年から栽培を開始。平成21年には「ラー麦」という名称で商標登録され、ロゴデザインも決まりました。今では「ラー麦」を使った即席麺も開発、販売されています。

現在、福岡県ではさらに「ラー麦」の生産拡大に取り組んでいます。