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特集2 食材まるかじり(1)

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日本料理の原点 だし

日本橋 だし場


世界中が「健康食・長寿食」として注目する日本料理はコンブや鰹節などからひいた風味豊かなだしがその味を支えています。
天然だしの選び方や、手軽で無駄のない使い方のコツを覚え、あらためてその魅力を見直してみましょう。

だし


シンプルな鰹節だしは1杯100円(合わせだしもあり)

シンプルな鰹節だしは1杯100円(合わせだしもあり)

シンプルな鰹節だしは1杯100円(合わせだしもあり)。ランチタイムには月替わりで具材たっぷりの3種のお汁(350円~)とかつぶしめし(150円)がテイクアウトでき、一汁一飯、日本のごはんが味わえる

本枯鰹節

本枯鰹節

本枯鰹節

本枯鰹節
にんべんの生産本拠地である焼津のほか、鹿児島、土佐、伊豆等全国の鰹節生産地から集められた最高級の本枯鰹節を販売。お得なのはどれか? 味の違いはどうか、いろいろ尋ねながら購入できる
だしとは、魚介や海藻、肉、野菜、きのこなどのうま味を抽出した液体のこと。塩やしょう油、砂糖などの調味料やスパイスとともに素材の味を引き立て、おいしい料理を作り出す味の土台となります。島国の日本では主にコンブ、鰹節、煮干の他に、干ししいたけなどが代表的なだしの材料です。

4世紀の大和朝廷以前の日本では、カツオを素干しした「堅魚(かつお)」と、煮て干した「煮堅魚(にかつお)」を使い分けていて、特に煮堅魚の煮汁を煮詰めた「堅魚煎汁(かつおのいろり)」は、貴重な調味料でした。これは、大陸伝来のみそや醤(ひしお)と共に、日本の調味料として不動の地位を築きました。一方のコンブも乾燥保存の技術が発達し、鎌倉時代には主な産地の北海道から本州へと交易船によって運ばれるようになります。

このような歴史を経て全国に伝播し、いまや日本料理の原点とも言われる天然だしのコンブと鰹節ですが、現代では手軽に使えるインスタント調味料に押されて、家庭での需要が年々減少しています。「天然だしは面倒」というイメージが主な理由ですが、実は日本のだしは肉類中心の外国と比べてずっと手軽。それに、しっかりとひいただし汁には、豊かな風味とコクがあり、さらに塩などの調味料を控えめにできる、素材の色やうま味が生かせるといった特長があります。

忙しい毎日は無理でも、せめて休日には天然のだしをひいて、家族みんなに喜ばれるおいしい食卓を演出してみませんか。

都会のオフィスビルでほっとひと息。
日本橋 だし場

東京・日本橋の三越デパートのはす向かいにある複合ビル「コレド室町」の1階。鰹節だしの上品な香りに誘われて向かった先では、スーツ姿のビジネスマンや買い物帰りのご婦人たちが、紙コップ片手にスタンドバーでくつろいでいる様子。なんとテーブルの上にはシュガーポットならぬ、ソルトポットやしょう油ポットがあり、自由に味を調節しながら、おいしいだし汁を味わっています。

ここは昨年10月にリニューアルオープンした(株)にんべん日本橋本店の店内。最高級の「本枯鰹節」や「削り実演」した削り節などを販売するコーナーに併設された、日本の伝統の味、本物の「だし」が味わえる場所、「日本橋 だし場」です。

「今は、子どもたちが鰹節を見て『これって木?』という時代です。そこで少しでも多くの若い人に鰹節の姿や、削りたての良い香りを知ってほしいと願い、このコーナーが計画されました」と、同社マーケティング本部・常務執行役員の安岡篤彦さんは語ります。

たった1杯で、心からほっとくつろぎ、忘れかけていた「ていねいにつくる味」を思い出す場所。お近くにお越しの際はぜひお出かけください。

けずり場   日本橋 だし場(にんべん日本橋本店内)

けずり場
ガラスの向こうでは、電動の削り機を使い、最高級とされる本枯鰹節の削りを実演。削りたての鰹節がその場で販売される。大人気商品だ
 
日本橋 だし場(にんべん日本橋本店内)
東京都中央区日本橋室町2-2-1 COREDO室町1階
TEL:03-3241-0968
営業時間:10:00~20:00
(ランチタイムは11:00~14:00 ドリンクメニューは~19:00)

殺菌し香りをつける「いぶし」は鰹節作りの要所

殺菌し香りをつける「いぶし」は鰹節作りの要所

殺菌し香りをつける「いぶし」は鰹節作りの要所

ついたカビをこすり落としては再び天日に干す。本枯節は四番から六番カビをつけて誕生する

ついたカビをこすり落としては再び天日に干す。
本枯節は四番から六番カビをつけて誕生する


Photo:Eri Iwata
「本枯鰹節」って何?

鰹節の作り方を説明しましょう。まずは鮮度と脂のりの良いカツオを3枚におろして、その半身をさらに背側と腹側に切り分けます。一匹のカツオから背腹各2本。合計で4本の節を作ります。おろした身を煮熟(湯で煮る)し、骨を抜くと「生利節」ができあがります。さらに桜やクヌギの薪でいぶします。これを1カ月ほどかけて10回以上行います。いぶすことにより鰹節特有の香りをつけ、また雑菌の繁殖を抑える効果があります。このいぶし終わったものを「荒節」と呼び、その表面を削り取ってからカビつけの工程に進みます。純粋培養した鰹節カビを、4回以上繰り返しつけて仕上げたものを「本枯鰹節」と呼びます。2本の鰹節を打ち鳴らすと「カンカン」と高い音が鳴り響きます。これは芯まで乾いてうま味が凝縮された証拠です。

他の魚では作られないの?

鰹節と同様に加工される節は他にもあります。マグロやソウダガツオ、サバ、ムロアジなどの青魚と呼ばれるもので、それぞれに味の特徴があります。

●マグロ節・・・キハダマグロの幼魚から作ったもの。ほんのりと甘味のある上品なだしが出ます。
●ソウダ節・・・ソウダガツオで作った鰹節。血合いが多いので味、香り共に濃厚になります。
●サバ節・・・小型のゴマサバで作ったもの。甘味とコクがあります。
●アジ節・・・ムロアジを原料にしたもので、あっさりとした香りが特徴。