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農林水産省

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駅弁紀行 第34回

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ヨネスケ

JR東北本線・東北新幹線ほか

仙台駅「伊達幕(だてまく)」


伊達藩の栄華を今に伝える豪華な幕の内弁当
仙台駅「伊達幕(だてまく)」
仙台城にある伊達政宗の銅像
写真提供:仙台市観光交流課

伊達幕

伊達幕
食通として知られる伊達政宗にちなんで作られた幕の内弁当。献立の開発には伊達家十八代当主・伊達泰宗(やすむね)氏も携わったという。1,100円。
製造元:株式会社日本レストランエンタプライズ
TEL.0120-658-078

【おしながき】
ご飯
鯛味噌
鮭の仙台味噌漬焼き
白玉団子ずんだ掛け
鶏つくね
帆立のカピタン漬
牛肉野菜巻き
凍み豆腐の煮物
地場の青菜三色浸し辛子添え
伊達巻き

ヨネスケ

ヨネスケ(桂 米助)
かつら・よねすけ/落語家。千葉県市原市出身。桂米丸氏に弟子入り、1967年デビュー、1981年真打ちに昇進。その人情味あふれるキャラクターで幅広い年齢層に親しまれる。日本テレビの「突撃! 隣の晩ごはん」では、全国津々浦々の家庭にいきなり訪問。アポなしながら最終的に歓迎されてしまうのは、やはりその人柄によるものであろう。また、こうした取材移動から、日本中の駅弁・空弁を食べ尽くし紹介するブログ「ヨネスケの駅弁! 空弁! 食べて答弁!!」を公開、大評判となっている。
http://blog.livedoor.jp/yonemeshi/
東北地方には、地元の特産を生かした地域色豊かな駅弁が多い。東北本線・東北新幹線の各駅では多彩な駅弁が販売されており、特に宮城県仙台駅は、駅弁の種類が全国で最も多い駅といわれている。各駅の数こそ比較したことはないが、確かに仙台駅の駅弁はバラエティ豊かである。

その中でも平成21年4月に発売が開始された「伊達幕」は、意表をつく駅弁であった。添えられていた立派なパンフレットには、次のように書いてある。

「みちのくならではの海・山・里の食材と、遠い藩政治から伝わる料理献立の数々を、仙台・宮城の歴史的象徴である伊達政宗公の想いに重ね、今の時代に盛り込みました。盛り付けのモチーフは、伊達家が政宗公の時代から用いた『九曜紋(くようもん)』。満天に輝く九つの星に合わせ九品の味覚をとり揃えました。」

さっそく蓋を開けると、真ん中のご飯を取り囲むように、おかずが並んでいた。ご飯は宮城県大崎平野で作られた特別栽培米の「ひとめぼれ」である。その上に辛口の仙台味噌を使った「鯛味噌」が乗っている。おかずの説明書には「鮭の仙台味噌漬焼き」「白玉団子ずんだ掛け」「鶏つくね」「帆立のカピタン漬」「牛肉野菜巻き」「凍み豆腐の煮物」「地場の青菜三色浸し辛子添え」「伊達巻き」とあった。

まず、鮭の仙台味噌漬焼きを一口。何でも仙台藩では鮭をハレの日の儀礼食や贈答に多用していたそうだ。仙台味噌がしみ込んだ焼き鮭は香ばしく、美味であった。

もったいないので一気にたいらげず、ほかのおかずも少しずつ味見をしていく。白玉にかかっているきれいな緑色の餡(あん)は「ずんだ」である。枝豆をすりつぶして作る、南東北を代表する郷土食のひとつだ。では「カピタン漬」とは何だろう。一口食べると、帆立の風味と控えめな甘酸っぱさが口の中に広がった。「カピタン」というのは「キャプテン」、つまり船長のことで、カピタン漬とは江戸時代ポルトガル人が長崎に伝えた「南蛮漬(なんばんづ)け」のことだそうだ。

こうして東北地方の駅弁を買うことも、私は被災地の復興を応援することにつながるのではないかと思っている。(語り下ろし)

地図

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