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農林水産省

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特集2 食材まるかじり(2)

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春一番の江戸前の味 「猿島わかめ」で東京湾の海産物をアピール

神奈川県横須賀市/栗山義幸(よしゆき)さん


漁港。激しい潮流で有名だ
収穫最盛期。栗山さんの船「佳栄丸(よしえいまる)」に積んだ、この日のワカメは約500kg。
一気に刈り取らず、芽株(めかぶ)が大きい物だけを選んで収穫するから、とても手間がかかる

栗山さん

「優良な猿島わかめの芽株は大きくて、先がヒラヒラ波打つきれいな形をしているんです。水で戻して食べてもらえばすぐわかるよ」と熱く語る栗山さん

わかめ

猿島わかめ
<湯通し乾燥>65g×2袋セット1,400円
<湯通し塩蔵>160g×5袋セット2,000円

東部漁協夕市会
神奈川県横須賀市平成町3-4
TEL.046-822-4541
http://fuud.tv/toubu-yokosuka/


Photo:Koji Sugawara
毎年変わらぬおいしさの「猿島わかめ」づくりに専念
ワカメと言えば三陸産や鳴門産のワカメが有名ですが、東京湾でも養殖されているのをご存知ですか? 場所は三浦半島の東側に位置する横須賀市。市街からよく見える「猿島(さるしま)」という無人島周辺で育てたワカメが「猿島わかめ」として出荷されているのです。

横須賀東部漁協の漁師、栗山義幸さんは、この猿島ワカメの味の維持や品質の向上に努力を重ねています。今から約50年前に三陸でワカメの養殖が始まったころ、栗山さんの父親が、自ら宮城県に出向いて現地に学び、持ち帰ったワカメの種苗が、猿島の天然ものと交配してできたのが、今の「猿島わかめ」。柔らかくて歯触りが良いと評判を呼んでいます。しかし、ワカメは日本中の海辺に自生する海藻なので、放っておくと、さまざまな種類のワカメと交配し、食味が変わってしまう恐れもあるのです。

「うちのワカメを喜んでくれるお得意さんに、今年の味はよくない、なんて言われたら悔しいでしょ」と栗山さん。8年前からは、(養殖に使う)種糸に付着させる胞子の配偶体はすべて陸上で管理するなどして、親子で作った「猿島わかめの味(=自家製ワカメの遺伝子)」を守り続けてきました。

船に満載されたワカメは、用途に応じて、湯通しし、干したり塩蔵したりします。ちなみに、湯通しして干した「乾燥わかめ」は、水で戻した時の発色の良さが特徴。生のまま干したものは、磯の香りが存分に味わえます。塩蔵ワカメは流水でさっと流して手早く使えるのがミソ。それぞれの特徴に合わせて使いこなすとよいそうです。

扱う量が多く手間もかかるワカメ漁。「でもワカメの収穫はもうすぐ終了。このあとは春の魚の種類が増えますよ」。

栗山さんは今、毎週日曜日の夕方に港で獲れたて海産物の直売市を開催。さらに船上で魚の画像をネット配信し、都内なら12時間以内に配送するサービスを始めました。最短の直販で、おいしい江戸前の魚を、都会の人に知ってもらいたいという試みで、その中では自慢の「猿島わかめ」も販売されています。

干しワカメ、塩蔵ワカメはこうして作る
1. 船から引き上げる
2m半はあるワカメは数本ずつ束ねて陸へあげる。水の中で洗いながら、汚れや虫がついていないかチェックする

船から引き上げる
船から引き上げる

2. 芯や芽株を切り落とす
水際で待ち受けていた女性が、手際よく中芯と芽株を切り落とす。「芯(下左)はきんぴらに、芽株(下右)はおみそ汁に入れるとおいしいよ」

芯や芽株を切り落とす
芯や芽株を切り落とす
芯や芽株を切り落とす

3. 湯通しする
大きな槽に湯を沸かし、生ワカメを入れると鮮やかな緑色に。周囲には野菜をゆでたようなやさしい香りが漂う

湯通しする
湯通しする

4. 干す・塩蔵する
一本ずつ洗濯ばさみで吊るして干す。日照や湿度を見て屋内外を出し入れする面倒な作業で、ここにも栗山家秘伝の調整法があるらしい。この日湯通ししたワカメはすべて塩蔵にした

干す・塩蔵する
干す・塩蔵する

江戸前の海の魅力を伝えるのはオーナー制度と出張授業で
江戸前の海の魅力を伝えるのはオーナー制度と出張授業で
栗山さんは、年間のさまざまな魚介類を、直接獲って、調理して、味わいながら東京湾の海の魅力を感じてもらう、「オーナー制度」を設立。小さな子供だけでなく、魚の調理が苦手な若い親にも好評です。また地元の小学校では、年間40時間以上の出張授業を担当。「四季があり、スケールの大きい海の魅力を伝えるにはこれくらいの時間数が必要です。こういう活動から、海に関係した職業に就く子どもが育つといいなあ」と、夢を語ってくれました。

 
漁師さんに教わりました!
簡単&豪華な海料理

鯛めし
鯛めし
尾道の産直市「ええじゃん尾道」で紹介されていたレシピです。
自宅の鍋や炊飯器に合う大きさのタイを選び、
お店でウロコやワタを取るなど下ごしらえしてもらえばあとは簡単。
タイの旨みに醤油味が染みた、漁師料理の王道です。

[材料(3~4人前)]
タイ1匹(ウロコを取り、はらワタを出す)、ニンジン3分の1本、油揚げ1枚、米3合、醤油60cc

[作り方]
1. ニンジンは皮をむいて千切り、油揚げも千切りにする
2. 研いだお米に定量の水を入れ、ニンジン、油揚げ、醤油を入れたら一番上にタイをのせて普通に炊く
3. 炊けたらタイを取り出し、骨を取る。身だけをご飯に戻し、よく混ぜたら出来上がり

ワカメしゃぶしゃぶ

Photo:Eri Iwata
ワカメしゃぶしゃぶ
旬の生ワカメが出回る時期に一度は試したい鍋。
熱く沸騰しただし汁に浸すと褐色のワカメが鮮やかな緑色に変身!
この面白さと、シャキシャキした新ワカメの歯触りを味わいましょう。

[材料(3~4人前)]
生ワカメ300g、豚肉250g、豆腐1丁、しいたけ1パック、野菜(ハクサイ、青菜、ネギなどお好みでたっぷりと)、昆布(15㎝程度)、鰹節(40g程度)、水1.5ℓ、うすくち醤油大さじ1、酒大さじ2、好みでポン酢またはゴマだれ

[作り方]
1. だし汁を作る。鍋に昆布と水を入れ、数時間水に浸したら火にかける。沸騰する前に昆布を取り出し、沸騰したら鰹節を加えて2~3分加熱したら火を止め、ザルとボウルを使ってこす
2. だし汁にうすくち醤油と酒を加え、味を調えたら準備完了。生ワカメを各自で鍋に入れ、色が変わったらさっと取り出し、好みでポン酢を加えていただく(ゴマだれでもよい)
3. ワカメのあとは、肉や野菜を加えてお好みで