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農林水産省

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特集2 食材まるかじり(3)

春の海辺の魚たち



春は生命の躍動の季節。魚や貝、エビや、イカなど4月から初夏にかけて各地で味わえる海産物を集めました。
名産地でのおいしい食べ方を、ご家庭でも試してみませんか。

シロエビ
富山湾の深海300~600mの海底谷に棲む、体長6cmほどの小型のエビで、別名「ヒラタエビ」「ベッコウエビ」などとも呼ばれる。漁業が成立するほど大量に獲れるのは富山湾だけだ。獲れたてはほのかなピンクで、殻をむくと現れる真っ白な身は刺身にして甘い。4月の解禁日を迎えると地元の飲食店街が沸き立つほどの春の風物詩、殻は柔らかいので揚げ物や吸い物にもよい

シロエビ

写真/富山県水産漁港課
サクサクとした食感が人気の料理「シロエビと三つ葉のかき揚げ」

サクサクとした食感が人気の料理「シロエビと三つ葉のかき揚げ」

サクラエビ
駿河湾の深海に生息する体長4cmほどの小エビ。夜間に水深30~60mのところに浮き上がって来たところを、網をかけて一斉にとらえるサクラエビ漁。4~6月の春漁と、10~12月の秋漁があるが、春を迎えた4月の漁は、特に威勢が良い。獲れたての生エビ、湯通しした釜揚げエビ、天日で干した素干しエビ、それぞれ違った食味が楽しめるのもうれしい

サクラエビ

写真/静岡県企画広報部
ネギや豆腐と一緒に煮込んだすき焼き風の郷土料理「沖あがり」

ネギや豆腐と一緒に煮込んだすき焼き風の郷土料理「沖あがり」
富士山を望む富士川河口でゆでたサクラエビを天日干し。

富士山を望む富士川河口でゆでたサクラエビを天日干し。一面に花が咲いたよう

サワラ
サバ科に属する、細長い体型の海水魚。腹が細いことから「狭い腹=サワラ」、若魚は「狭い腰=サゴシ」と呼ばれるようになったという。60cmから1m以上に育つ。北海道以南の海域に生息し、ほぼ一年中水揚げがあるが、春、産卵前のために四国から瀬戸内海に寄ってくるサワラを「鰆」と書き、岡山県では特に農家の生活との関わりが深く、農繁期のふるまい料理であるバラずしには欠かせない食材だ。刺身にするほか、淡白でクセのない味わいの切り身は、和洋の焼き物、吸い物、揚げ物などに幅広く利用できる

サワラ

写真/京都府水産事務所
サワラの白子の味噌汁は岡山県の郷土料理

サワラの白子の味噌汁は岡山県の郷土料理
写真/岡山県水産課

メバル
漢字で「目張」と書くように、大きく張り出した目玉がユーモラスなフサカサゴ科の魚で、北海道南部から九州沿岸の、浅場から深場まで広く生息している。最も漁獲量の多い青森県の北西部で揚がるメバルは、やや深いところで獲れるオレンジがかった種類で「ウスメバル」と呼ばれる、県の特産品だ。旬は冬から春にかけて。しっかりとした味の白身魚で、煮つけの他、塩焼き、唐揚げやみそ汁に。新鮮な刺身のシコシコした食感も美味だ

メバル

写真/青森県農林水産部
「メバルの煮つけ」

「メバルの煮つけ」。うろこと内臓を取り、丸ごと煮つけた、煮魚料理の王道だ

サクラマス
山形県の県魚、サクラマスは不思議な習性をもつサケ科の魚。春、川の上流で生まれた稚魚は、川に残るもの(ヤマメ)と海に下るものに分かれる。海に下り、銀白色の体となったものはサクラマスとしてオホーツク海や日本海を回遊して大きく成長したのち、産卵のために故郷の川へ戻ってくる。川を遡上する前、桜の咲く頃に獲れるサクラマスは絶品。本州で多く獲れるのは山形県の最上川で、春には、地元、酒田市のごちそうになる

サクラマス

写真/山形県広報室
醤油味で煮たサクラマスとうどんに、
たっぷりとあんをかけた「マスとうどんのあんかけ」は、酒田のお祝い料理

醤油味で煮たサクラマスとうどんに、
たっぷりとあんをかけた「マスとうどんのあんかけ」は、酒田のお祝い料理

ホタルイカ
富山県の滑川(なめりかわ)市から魚津市の沖合は、世界的に有名なホタルイカの群れが見られる場所。体長6cm程度の小さなイカが、3月から6月の産卵期になると富山湾の浅場に集まってくるのだ。仲間を認識するために青白く発光するという生態を持つホタルイカが、定置網で引き上げられる様子は、観光船が出るほどの人気。ゆでて酢味噌で和えたり、塩辛、沖漬け(醤油漬け)にするなど利用範囲も広い。刺身で食べる場合は、内臓を完全に除去するか、一定時間冷凍してから調理する事で、寄生虫の問題がクリアできる

ホタルイカ

写真/滑川市商工水産課
ホタルイカ
「ホタルイカの刺身と竜宮そうめん」

新鮮な刺身が味わえる地元料理。「ホタルイカの刺身と竜宮そうめん」

シラス
シラスとは、カタクチイワシやマイワシの稚魚の総称で、体に色素がついていないもののことをさす。塩ゆでしたものを「釜揚げ」、これを生干ししたものを「シラス干し」、さらに干し上げたものを「ちりめん」と呼ぶ。日本各地で収穫されているが、神奈川県の沿岸では黒潮に乗って相模湾に流れ込むシラスを、魚群探知機で探しだし、船引き網で獲るシラス漁が盛んだ。鮮度が命の小魚だから、獲ったら大急ぎで陸に運んで塩ゆでにする。解禁日は例年3月11日で、まさに春が旬。シラス丼は生でもゆでたものでも美味

シラス

写真/鎌倉三郎丸
http://www1.kamakuranet.ne.jp/ks3/
鎌倉の稲村ケ崎(いなむらがさき)付近で操業

鎌倉の稲村ケ崎(いなむらがさき)付近で操業

アサリ
日本人に最もなじみが深く、みそ汁や酒蒸しなどに利用される貝、アサリ。日本各地で獲れるが、出荷量は愛知県が最も多い。伊勢湾、三河湾という豊かな海で育った稚貝は1~2年で成貝に。そして春と秋の産卵前にはいっせいに実が膨らみ、旬の時期を迎える。貝殻の黒や茶色の模様がくっきりとしているもの、貝殻が薄くて幅が広いものが、栄養を多く含んでおいしいとされている

サヨリ
非常に細い体に、紅色をさした下あごが突き出た個性的な姿が特徴。日本各地の暖かい海に生息。沿岸の、海面すれすれのところを群れをなして泳ぎ、4月中旬から夏にかけての産卵期には、浅場の海藻に卵を産み付ける習性がある。旬は1月から4月。一般に白身の高級魚として扱われる。漁獲量の多い京都府や福井県では刺身、寿司ダネ、吸い物などのほか、干物に加工されることも

イワガキ
冬の真ガキに対して「夏ガキ」と呼ばれるため、夏の食べ物と思われがちだが、実は4月中旬から8月までおいしく食べられる。真ガキに比べてずっと大きく、1個200~300gほど。天然ものは水深5m前後の岩場に生息するものを素潜りで獲るが、島根県隠岐の島(おきのしま)では、全国で最も早く養殖に成功。全国で一番早い「春の磯の味」が堪能できると好評だ。生のほかに焼きガキや蒸しガキ、バター焼きやカキごはんに

アサリ

写真/愛知県農林水産部水産課
サヨリ

写真/舞鶴市産業振興部水産課
イワガキ

写真/島根県農林水産部水産課