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チャレンジャーズ 明日につなぐ夢 第61回

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吉村紙業 給茶スポット×お茶Bar 事務局

「給茶スポット」×「お茶Bar」で急須でいれるお茶のおいしさを広めたい!

東京都

給茶スポット×お茶Bar事務局を務める吉村紙業のメンバーと、神楽坂「楽山」のみなさん

給茶スポット×お茶Bar事務局を務める吉村紙業のメンバーと、神楽坂「楽山」のみなさん。「ステンレスボトルも、テイクアウト用の紙コップもあるので、気軽にお店に足を運んで!」

都内で開催するキャンペーンやイベントに協力してくれるのは、大学生の「お茶Barボーイズ」

都内で開催するキャンペーンやイベントに協力してくれるのは、大学生の「お茶Barボーイズ」。静岡県の茶葉生産者の息子さんたちで、子どもの頃から愛飲してきたお茶の魅力を語ってくれ、人気を博している

株式会社「楽山」の代表取締役、齋藤昭人さん(写真右)は、「若い人と出会えて、こちらもとても勉強になる」と語る。吉村紙業の橋本久美子社長(写真左)は「食育は語るより体感。ペットボトルよりおいしいと知ってほしいの」と意欲的だ

株式会社「楽山」の代表取締役、齋藤昭人さん(写真右)は、「若い人と出会えて、こちらもとても勉強になる」と語る。吉村紙業の橋本久美子社長(写真左)は「食育は語るより体感。ペットボトルよりおいしいと知ってほしいの」と意欲的だ

給茶スポット×お茶bar事務局
(吉村紙業株式会社)
TEL.03-3788-6118
http://www.yoshimura-pack.co.jp/cafe/

株式会社 楽山
TEL.03-3260-3401
http://www.rakuzan.co.jp/

「お茶Bar」や「給茶スポット」をご存知の方がいるだろうか。たくさんの飲食店が集まる都市部でも知らない人が圧倒的に多いに違いない。この聞き慣れない名称の施設はお茶屋さんの店内にある。本来は日本茶のお茶の葉を商うお茶屋さんで、急須でいれたおいしいお茶を、100円から数百円の料金で楽しめる場所だ。

このシステムは、伝統ある日本茶業界では非常に画期的なことだという。「お茶屋は日本茶の葉を売るところ。お客さんにサービスで一杯のお茶をお試しいただく」のは、江戸時代からの当たり前の慣習だから、店内でお茶を入れて売ることはなかったのだ。

そんな慣習に風穴を開けたのが、お茶の葉のパッケージを作る、吉村紙業株式会社の代表取締役社長、橋本久美子さんである。自身が熱心な日本茶ファン。以前から消費者との座談会などを重ねてきたが、そこで衝撃を受けたのは今から9年前。座談会に出席した19歳の女性が「お茶屋さんはお茶の素を売るだけ。お茶は売ってないじゃん。お茶の素はお母さんがおうちで使うものよ」と発言したのだそう。

「産地から届くお茶の葉こそがお茶なのだと思っていた私にはショックでした。若い子にとってお茶は液体だったのです。このままではいけない。ここは商売を差し置いても、もっと若い人たちにお茶の葉とつながる体験をしてほしいと思いましたね」と橋本さん。

ちょうどその当時、街のカフェがマイボトルにコーヒーを入れて売るシステムを報道で知り、「それなら日本茶もやりましょうよ!」と一念奮起。「どこでもカフェ」とマイボトルの仕掛け人でもある象印マホービン株式会社の担当者や、全国茶商工業協同組合連合会、都内のお茶屋さんに次々と声をかけ、自らの会社に事務局を設置。いれたてのおいしいお茶を良心的な値段で提供する「給茶スポット」を日本茶の業界に持ち込んだ。

当初、すぐさま協力したのが、今回伺った東京・神楽坂の老舗「楽山(らくざん)」だ。こちらのお店では喫茶(お茶を入れてお客様に供すること)部門を開業するため、店内を一部改装するなどして食品営業許可を取得。スタート以来「利益度外視で高級な茶葉を使い、若いお客様にお茶のおいしさを広めたい」と頑張っている。

しかし、日本中のお茶屋が、費用のかかるリフォームに踏み切れるわけではない。二の足を踏む店のために、「それならお湯と茶器を提供し、お客様に自分でお茶をいれてもらおう」と今度は「お茶Bar」を発案。こちらは、日本茶のニュービジネスモデルとして平成22年から平成23年の1年間、農林水産省の補助が認められた。そして平成24年5月21日には商標登録も済ませて、本格的にスタートしている。

当初、わずか40店舗足らずだった加盟店は、現在全国で228店舗に増加した。橋本さんらは「もっと数を増やして日本茶を当たり前に飲んでほしい」と、認知度の向上に意欲満々だ。

加盟店はホームページで検索できるし、電話で近所にあるお店を尋ねてもいい。散歩の途中でちょっと一服。また旅行の前に旅先の給茶スポットを控えておくと、途中でペットボトルを使い捨てすることなく、エコでおいしい旅ができそうだ。

給茶スポット

ステンレスのマイボトルに、お店の人がいれたお茶をいれてもらうシステム。お茶の種類や料金はお店により異なる

ステンレスのマイボトルに、お店の人がいれたお茶をいれてもらうシステム。お茶の種類や料金はお店により異なる

価格表

夏に人気の「シャカシャカ抹茶」をオーダー

夏に人気の「シャカシャカ抹茶」をオーダー
夏に人気の「シャカシャカ抹茶」をオーダー。高級な抹茶と氷、水をいれたらボトルをシャカシャカふるだけで、極上のクールドリンクが出来上がり!

お茶Bar

お店のお湯を使い、自分でお茶をいれてテイクアウトするシステム

お店のお湯を使い、自分でお茶をいれてテイクアウトするシステム
お店のお湯を使い、自分でお茶をいれてテイクアウトするシステム。ロゴ付きの専用カップが用意されているが、マイボトルを使ってもよい。料金は最低100円から。茶葉の種類や値段はお店により異なる

そばについているスタッフから、おいしいお茶のいれ方を自然と学べる。「ちゃんとお茶をいれるのは初めて」という若者が楽しそうに立ち寄っていくそうだ

そばについているスタッフから、おいしいお茶のいれ方を自然と学べる。「ちゃんとお茶をいれるのは初めて」という若者が楽しそうに立ち寄っていくそうだ


Photo:Eri Iwata

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